JPH04358059A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH04358059A
JPH04358059A JP13437191A JP13437191A JPH04358059A JP H04358059 A JPH04358059 A JP H04358059A JP 13437191 A JP13437191 A JP 13437191A JP 13437191 A JP13437191 A JP 13437191A JP H04358059 A JPH04358059 A JP H04358059A
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JP
Japan
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thin film
evaporation source
film forming
filament
forming apparatus
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Pending
Application number
JP13437191A
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English (en)
Inventor
Makoto Tanaka
誠 田中
Wasaburo Ota
太田 和三郎
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜形成装置に関し、特
にCVD法の長所である強い反応性とPVD法の長所で
ある高真空中での成膜とを同時に実現し得る薄膜形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被薄膜形成基板(以下、基板とい
う)上に薄膜を形成する薄膜形成装置(方法)としては
、CVD法やPVD法等、種々のものが提案され、その
方法も極めて多岐にわたっている。しかし、従来の薄膜
形成装置にあっては、形成された膜の基板との密着性が
弱かったり、あるいは、耐熱性の無い基板上への薄膜形
成が困難であったりする等の問題があった。そこで、本
出願人は先に、薄膜形成装置として、蒸発源と、基板を
蒸発源に対向させて保持する対向電極との間にグリッド
を配し、グリッドと蒸発源との間に熱電子発生用のフィ
ラメントを配し、グリッドをフィラメントに対して正電
位にして、薄膜形成を行う装置を提案した(特公平1−
53351号)。この装置では、蒸発源から蒸発した蒸
発物質は、先ず、フィラメントからの熱電子によりイオ
ン化される。このようにイオン化された蒸発物質がグリ
ッドを通過すると、グリッドから対電極に向かう電界の
作用により加速されて基板に衝突し、基板上に密着性の
良い膜が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記薄
膜形成装置の場合、対向電極及びグリッドが、蒸発源か
らの蒸発物質の拡がりを十分カバーしておらず、成膜効
率が十分ではなかった。また、形成される薄膜の膜厚分
布も必ずしも均一ではなかった。本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、基板に対して極めて強い密
着性をもった薄膜を形成でき、耐熱性の弱いプラスチッ
ク等も基板として用いうることが可能で、尚且つ、大面
積基板上に均一な薄膜形成が可能となる、新規な薄膜形
成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達しするため
、請求項1記載の薄膜形成装置は、活性ガスもしくは不
活性ガスあるいはこれら両者の混合ガスが導入される真
空槽と、上記真空槽内において蒸発物質を蒸発させるた
めの蒸発源と、上記蒸発源を中心に互いに対向するよう
に配備され被薄膜形成基板を保持する二つの対電極と、
上記蒸発源と上記二つの対電極との間に配備され蒸発物
質を通過させうる二つのグリッドと、上記二つの対電極
と平行で且つ蒸発源と同一の面内に配備される熱電子発
生用のフィラメントと、上記二つのグリッドを上記フィ
ラメントに対して正電位とする手段と、上記真空槽内に
所定の電気的状態を実現するための電源手段と、上記真
空槽内と上記電源手段とを電気的に連結する導電手段と
を有し、上記二つの対電極及び上記二つのグリッドを蒸
発源を中心にしてそれぞれ互いに対向させたことを特徴
とする。また、請求項2記載の薄膜形成装置は、請求項
1記載の薄膜形成装置において、蒸発源の電位をフィラ
メントの電位に対して正電位にすることによって、蒸発
物質のイオン化を促進させたことを特徴とする。
【0005】請求項3記載の薄膜形成装置は、活性ガス
もしくは不活性ガスあるいはこれら両者の混合ガスが導
入される真空槽と、上記真空槽内において蒸発物質を蒸
発させるための蒸発源と、上記蒸発源を中心に互いに対
向するように配備され被薄膜形成基板を保持する二つの
対電極と、上記蒸発源と上記二つの対電極との間に配備
され蒸発物質を通過させうる二つのグリッドと、上記蒸
発源と上記二つのグリッドとの間に配備される熱電子発
生用の二組のフィラメントと、上記グリッドを上記フィ
ラメントに対して正電位とする手段と、上記真空槽内に
所定の電気的状態を実現するための電源手段と、上記真
空槽内と上記電源手段とを電気的に連結する導電手段と
を有し、上記二つの対電極、二つのグリッド及び二組の
フィラメントを蒸発源を中心にしてそれぞれ互いに対向
させたことを特徴とする。また、請求項4記載の薄膜形
成装置は、請求項3記載の薄膜形成装置において、蒸発
源の電位をフィラメントの電位に対して正電位にするこ
とによって、蒸発物質のイオン化を促進させたことを特
徴とする。また、請求項5記載の薄膜形成装置は、請求
項3,4記載の薄膜形成装置において、対電極、グリッ
ド、及びフィラメントの組を二組だけでなく、三組、四
組あるいはそれ以上の複数の組にして成膜効率を向上さ
せたことを特徴とする。また、請求項6記載の薄膜形成
装置は、請求項5記載の薄膜形成装置において、複数組
のフィラメントを設置する代わりに、蒸発源を中心とし
てその周りに、円筒状あるいは多角柱の筒状にフィラメ
ントを配列したことを特徴とする。また、請求項7記載
の薄膜形成装置は、請求項5,6記載の薄膜形成装置に
おいて、複数のグリッドを設置する代わりに、蒸発源を
中心としてフィラメントの周りに、円筒状あるいは多角
柱の筒状のグリッドを設置したことを特徴とする。
【0006】請求項8記載の薄膜形成装置は、活性ガス
もしくは不活性ガスあるいはこれら両者の混合ガスが導
入される真空槽と、上記真空槽内において被薄膜形成物
質(以下、蒸発物質と称す)を蒸気化しその蒸気を基板
に向かって均一に放射できるようにノズルの形状及びそ
の配列がなされている坩堝状蒸発源と、上記蒸発源を中
心に互いに対向するように配置され被薄膜形成基板を保
持する二つの対電極と、上記蒸発源と上記二つの対電極
との間に配備され蒸発物質を通過させうる二つのグリッ
ドと、上記蒸発源と上記二つのグリッドとの間に配備さ
れる熱電子発生用の二組のフィラメントと、上記グリッ
ドを上記フィラメントに対して正電位とする手段と、上
記蒸発源を上記フィラメントに対して正電位にし、電子
ボンバードによって蒸発源を加熱する手段と、上記真空
槽内に所定の電気的状態を実現するための電源手段と、
上記真空槽内と上記電源手段とを電気的に連結する導電
手段とを有し、上記二つの対電極、二つのグリッド及び
二組のフィラメントを蒸発源を中心にしてそれぞれ互い
に対向させ、且つ、蒸発源として上記のような坩堝状蒸
発源を設置したことを特徴とする。また、請求項9記載
の薄膜形成装置は、請求項8記載の薄膜形成装置におい
て、対電極、グリッド、及びフィラメントの組を二組だ
けでなく、三組、四組あるいはそれ以上の複数組有し、
且つ、蒸発物質を蒸気化し、その蒸気をそれぞれの基板
に向かって均一に放射できるようなノズルの形状、及び
その配列がなされている坩堝状蒸発源を有することを特
徴とする。
【0007】
【作用】以下、本発明の薄膜形成装置の構成及び作用に
ついて説明する。請求項1記載の薄膜形成装置は、前述
したように、真空槽と、蒸発物質を蒸発させうる蒸発源
と、2つの対電極と、2つのグリッドと、フィラメント
と、電源手段と、導電手段とを有する。真空槽は、その
内部空間に活性ガスあるいは不活性ガス、もしくは活性
ガスと不活性ガスとの混合ガスを導入しうるようになっ
ており、上記蒸発源と、2つの対電極と、2つのグリッ
ドと、フィラメントは真空槽内に配備される。2つの対
電極は、蒸発源を中心にして、互いに対向するように配
備される。また、両対電極は、蒸発源と対向する側にそ
れぞれ基板を保持するようになっている。2つのグリッ
ドは、蒸発物質を通過させうるものであって、蒸発源と
両対電極の間に介設され、電源手段によりフィラメント
に対し正電位にされる。従って、発生する電界はグリッ
ドからフィラメントに向かう。フィラメントは、熱電子
発生用であり、2つの対電極と平行に、且つ蒸発源と同
一の面内に配備される。電源手段は、真空槽内に所定の
電気的状態を実現するための手段であり、この電源手段
と真空槽内部が導電手段により電気的に連結される。上
記構成からなる薄膜形成装置では、フィラメントとから
発生する熱電子と、グリッドからフィラメントに向かう
電界の作用により、グリッド−フィラメント間に安定な
プラズマが発生する。そして、グリッド−フィラメント
間から拡散するプラズマや、グリッドから対電極へ向か
う電界の作用によって、グリッド−対電極間にも安定な
プラズマが発生する。従って、蒸発源からの蒸発物質は
、対電極へ到達するまでに、その一部がプラズマ中の電
子やイオンによってイオン化される。この薄膜形成装置
の場合、上記電源手段により、フィラメント電流とグリ
ッド電圧を適当に設定することにより、空間に安定なプ
ラズマ状態を作ることができる。また、対電極、グリッ
ドを2組設けることにより、成膜面積が大きくなり、成
膜効率の向上が図られる。次に、請求項2記載の薄膜形
成装置では、請求項1記載の薄膜形成装置において、蒸
発源の電位をフィラメントの電位に対し正電位にする。 従って、蒸発源からフィラメントの方向にも電界が形成
される。従って、この薄膜形成装置の場合、フィラメン
トから発生した熱電子は、グリッドの方向だけでなく、
蒸発源の方向にも加速されるため、請求項1の装置に比
べて蒸発物質のイオン化率が高められる。
【0008】次に、請求項3記載の薄膜形成装置は、真
空槽と、蒸発物質を蒸発させうる蒸発源と、2つの対電
極と、2つのグリッドと、2組のフィラメントと、電源
手段と、導電手段とを有する。真空槽は、その内部空間
に活性ガスあるいは不活性ガス、もしくは活性ガスと不
活性ガスとの混合ガスを導入しうるようになっており、
上記蒸発源と、2つの対電極と、2つのグリッドと、2
組のフィラメントは真空槽内に配備される。2つの対電
極は、蒸発源を中心にして、互いに対向するように配備
される。また、両対電極は、蒸発源と対向する側にそれ
ぞれ基板を保持するようになっている。2つのグリッド
は、蒸発物質を通過させうるものであって、蒸発源と両
対電極の間に介設され、電源手段によりフィラメントに
対し正電位にされる。従って、発生する電界はグリッド
からフィラメントに向かう。2組のフィラメントは、熱
電子発生用であり、蒸発源と両グリッドの間に配備され
る。電源手段は、真空槽内に所定の電気的状態を実現す
るための手段であり、この電源手段と真空槽内部が、導
電手段により電気的に連結される。上記構成からなる薄
膜形成装置では、フィラメントとから発生する熱電子と
、グリッドからフィラメントに向かう電界の作用により
、グリッド−フィラメント間に安定なプラズマが発生す
る。そして、グリッド−フィラメント間から拡散するプ
ラズマや、グリッドから対電極へ向かう電界の作用によ
って、グリッド−対電極間にも安定なプラズマが発生す
る。従って、蒸発源からの蒸発物質は、対電極へ到達す
るまでに、その一部がプラズマ中の電子やイオンによっ
てイオン化される。この薄膜形成装置の場合、上記電源
手段により、フィラメント電流とグリッド電圧を適当に
設定することにより、空間に安定なプラズマ状態を作る
ことができる。また、対電極、グリッド、及びフィラメ
ントを2組設けることにより、成膜面積が大きくなり、
成膜効率の向上が図られる。次に、請求項4記載の薄膜
形成装置は、請求項3記載の薄膜形成装置において、蒸
発源の電位をフィラメントの電位に対し正電位にする。 従って、蒸発源からフィラメントの方向にも電界が形成
される。従って、この薄膜形成装置の場合、フィラメン
トから発生した熱電子は、グリッドの方向だけでなく、
蒸発源の方向にも加速されるため、請求項3の装置に比
べて蒸発物質のイオン化率が高められる。また、請求項
5記載の薄膜形成装置は、請求項3,4記載の薄膜形成
装置において、対電極、グリッド及びフィラメントの組
を二組だけでなく、三組、四組あるいはそれ以上の複数
の組配備する。この装置構成の場合、請求項3,4記載
の薄膜形成装置に比べて、成膜効率がより向上する。ま
た、請求項6記載の薄膜形成装置は、請求項5記載の薄
膜形成装置において、複数組のフィラメントを設置する
代わりに、蒸発源を中心として、対電極への蒸発物質の
拡がりを十分カバーするように、円筒状あるいは多角柱
の筒状にフィラメントを配列する。この装置構成では、
請求項5と同様の作用が得られる。また、請求項7記載
の薄膜形成装置は、請求項5,6記載の薄膜形成装置に
おいて、複数のグリッドを設置する代わりに、蒸発源を
中心として、フィラメントの周りに、円筒状あるいは多
角柱の筒状のグリッドを設置する。この装置構成では、
請求項5,6と同様の作用が得られる。
【0009】次に、請求項8記載の薄膜形成装置は、真
空槽と、均一放射型のマルチノズル付坩堝状蒸発源と、
2つの対電極と、2つのグリッドと、2組のフィラメン
トと、電源手段と、導電手段とを有する。真空槽は、そ
の内部空間に活性ガスあるいは不活性ガス、もしくは活
性ガスと不活性ガスの混合ガスを導入しうるようになっ
ており、蒸発源と、2つの対電極と、2つのグリッドと
、2組のフィラメントは真空槽内に配備される。2つの
対電極は、蒸発源を中心にして、互いに対向するように
配備される。また、両対電極は、蒸発源と対向する側に
それぞれ基板を保持するようになっている。2つのグリ
ッドは、蒸発物質を通過させうるものであって、蒸発源
と両対電極の間に介設され、電源手段により、フィラメ
ントに対し正電位にされる。従って、発生する電界はグ
リッドからフィラメントに向かう。2組のフィラメント
は、熱電子発生用であり、蒸発源と両グリッドの間に配
備される。蒸発源は、カーボン、タンタル、タングステ
ン、ボロンナイトライド等で形成された坩堝状のもので
あり、内部で蒸発物質を蒸気化し、その蒸気を基板を保
持する対電極に向けて均一に放射できるように、対電極
と対向する面に口径の異なる複数個のノズルが配列され
ている。この蒸発源は、通常の蒸発源と同様にヒータ加
熱あるいは通電加熱されるばかりでなく、フィラメント
に対して正電位で使用することにより、電子ボンバード
によっても加熱される。電源手段は、真空槽内に所定の
電気的状態を実現するための手段であり、この電源手段
と真空槽内部が導電手段により電気的に連結される。 上記構成からなる薄膜形成装置では、フィラメントから
発生する熱電子と、グリッドからフィラメントに向かう
電界の作用により、グリッド−フィラメント間に安定な
プラズマが発生する。また、蒸発源もフィラメントに対
して正電位であるため、同様に、蒸発源−フィラメント
間にもプラズマが発生する。この場合、蒸発源の電子ボ
ンバード加熱は真空の場合のそれに比べて弱いが、フィ
ラメントからの熱電子発生量の調整や蒸発源電位の調整
によって加熱が可能となる。さらに、この装置では、グ
リッド−フィラメント間から拡散するプラズマや、グリ
ッドから対電極へ向かう電界の作用によって、グリッド
−対電極間にも安定なプラズマが発生する。従って、蒸
発源からの蒸発物質は、プラズマ中を通過して対電極へ
到達するまでに、その一部がプラズマ中の電子やイオン
によってイオン化される。従って、この薄膜形成装置の
場合、上記電源手段により、フィラメント電圧、グリッ
ド電圧、ボンバード電圧を適当に設定することにより、
空間に安定なプラズマ状態を作ることができる。また、
対電極、グリッド、及びフィラメントを2組設け、蒸発
源として均一放射型の坩堝状蒸発源を使用することによ
り、成膜の生産効率及び薄膜の膜厚分布の均一化の向上
が図られる。次に、請求項9記載の薄膜形成装置は、請
求項8記載の薄膜形成装置において、対電極、グリッド
及びフィラメントの組が二組だけでなく、三組、四組あ
るいはそれ以上の組配備され、それに準ずるような均一
放射型のマルチノズル付き坩堝状蒸発源を有する。この
装置構成では、請求項8の装置と比べて、成膜効率がよ
り向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。先ず、請求項1記載の発明の一実施例を図
1及び図2に示す。尚、図1は薄膜形成装置の全体構成
を概略的に示す図、図2は図1の符号200 で示す枠
内の一構成例を示す図である。図1において、符号1は
ベルジャー、符号2はベースプレート、符号3はパッキ
ングをそれぞれ示しており、ベルジャー1とベースプレ
ート2は、パッキング3により一体化されて真空層1’
を構成し、真空槽1’の内部空間には、符号4で示す配
管やバルブ等を用いた公知の適宜の方法により、活性ガ
ス、及び/または不活性ガスを導入できるようになって
いる。またベースプレート2の中央部に穿設された孔2
Aは、図示されない真空排気装置に連結されており、真
空槽1’内部を高真空状態に排気できるようになってい
る。ベースプレート2には、真空槽内部の気密性を保ち
、且つ、ベースプレート2との電気的絶縁性を保ちつつ
、支持体を兼ねた電極20(20a,20b),21(
21a,21b),22,23が配設されている。これ
ら電極20,21,22,23は、真空槽内部と外側と
を電気的に連結するものであって、他の配線具と共に導
電手段を構成する。また、上記真空槽1’内の符号20
0 で示す枠内には、図2のような配置で、蒸発源10
、フィラメント11、2つのグリッド12、2つの対電
極13が設置され、図示されない方法でそれぞれ図1の
電極20(20a,20b),21(21a,21b)
,22,23に支持されている。
【0011】ここで、2つの対電極13は、蒸発源10
を中心にして、互いに対向するように配備されており、
両対電極13は、蒸発源10と対向する側に、それぞれ
基板100 を適宜の方法で保持するようになっている
。2つのグリッド12は、蒸発物質を通過させうるもの
であって、蒸発源10と両対電極13の間に設置される
。この両グリッド12は、蒸発源から蒸発した蒸発物質
を対電極13側へ通過させうるようにその形状を定める
のであるが、この例においては網目状である。フィラメ
ント11は、熱電子発生用であって、2つの対電極13
と平行に、且つ蒸発源10と同一の面内に配備される。 このフィラメント11の形状は、複数本のフィラメント
線を図示のように平行に配列する他、網目状にしたりす
るなどしてもよい。中央に設置される蒸発源10は、こ
の装置例の場合、タングステン等のワイヤーを用いた抵
抗加熱式のものである。この蒸発源では、タングステン
ワイヤーの中央にワイヤー状の蒸発物質を乗せ、通電加
熱することにより、等方的な点蒸発源となる。
【0012】蒸発源10を支持する一対の電極20(2
0a,20b)は、加熱用の交流電源30に接続されて
いる。尚、この電源30は直流電源を使用してもよく、
その正負の向きもどちらでも良い。フィラメント11を
支持する一対の電極21(21a,21b)は電源31
に接続され、一方の電極(21a)は図1の例では電極
20の一方の電極(20a)に接続される。この電源3
1は上記電源30と同様に、交流、直流のどちらを用い
ても良い。グリッド12を支持する電極22は、直流電
圧電源32の正極側に接続され、同電源の負極側は電極
21の一方の電極(21a)に接続される。従って、グ
リッド12はフィラメント11に対して正電位となり、
グリッド12−フィラメント11間では、電界はグリッ
ド12からフィラメント11へ向かう。対電極13を支
持する電極23は、この例ではそのまま電極21の一方
の電極(21a)に接続されているが、この間に直流電
圧電源を接続して対電極13に電位を与えても良い。尚
、図1の例では、一対の電極20、21の一方の電極2
0a、21a及び電極23はそのまま接地されているが
、この接地は必ずしも必要ではない。また、実際には、
上記電気的接続は、導電手段の一部を構成するスイッチ
等を含み、これらのスイッチ操作により蒸着プロセスを
実行するのであるが、これらのスイッチ類は図示を省略
されている。
【0013】さて、以上の構成からなる薄膜形成装置で
は、フィラメント11から発生する熱電子と、グリッド
12からフィラメント11に向かう電界の作用により、
グリッド12−フィラメント11間に安定なプラズマが
発生する。 また、この装置例のように対電極13の電位をフィラメ
ント11の電位と同等にした場合には、グリッド12−
フィラメント11間から拡散するプラズマや、グリッド
12から対電極13へ向かう電界の作用によって、グリ
ッド12−対電極13間にも安定なプラズマが発生する
(対電極13に与える電位によって、この空間に発生す
るプラズマの状態は異なる)。そして、蒸発源10から
の蒸発物質は、対電極13へ到達するまでに、その一部
が上記プラズマ中の電子やイオンによってイオン化され
る。従って、本薄膜形成装置の場合、フィラメント用電
源31とグリッド用電源32を適当に設定することによ
り、空間に安定なプラズマ状態を作ることができる。ま
た、対電極、グリッドを2組設けたことにより、成膜面
積が大きくなり、成膜効率の向上が図られる。
【0014】次に、請求項2記載の発明の実施例を図2
及び図3に示す。本薄膜形成装置は、請求項1の薄膜形
成装置に対して、図3に示すように、蒸発源10を支持
する電極20が正極側、フィラメント11を支持する電
極21が負極側となるように直流電圧電源34を接続し
たものであり、真空槽1’内の符号200 で示す枠内
の構成は図2に示した通りである。この装置の場合、図
2において、蒸発源10もフィラメント11に対して正
電位となるため、フィラメント11から発生した熱電子
はグリッド12の方向だけでなく、蒸発源10の方向へ
も加速される。従って、請求項1の装置の場合に比べて
、蒸発物質のイオン化率が高められる。
【0015】次に、請求項3記載の発明の実施例を図1
及び図4に示す。本薄膜形成装置は、図1の真空槽1’
内の符号200 で示す枠内の構成を図4に示す構成と
したものであり、真空槽1’内には、図4に示すような
配置で、蒸発源10、2組のフィラメント11、2つの
グリッド12、2つの対電極13が設置され、図示され
ない方法でそれぞれ図1の電極20(20a,20b)
,21(21a,21b),22,23に支持されてい
る。2つの対電極13は、蒸発源10を中心にして、互
いに対向するように配備されており、両対電極13は、
蒸発源10と対向する側に、それぞれ基板100 を適
宜の方法で保持するようになっている。2つのグリッド
12は、蒸発物質を通過させうるものであって、蒸発源
10と両対電極13の間に設置される。これらのグリッ
ド12は、蒸発源10から蒸発した蒸発物質を対電極1
3側へ通過させうるように形状を定めるのであるが、こ
の例においては網目状である。2組のフィラメント11
は、熱電子発生用であって、蒸発源10と両グリッド1
2の間に設置される。このフィラメント11の形状は、
複数本のフィラメント線を平行に配列する他、網目状に
したりするなどしてもよい。中央に設置される蒸発源1
0は、この装置例の場合、タングステン等のワイヤーを
用いた抵抗加熱式のものである。この蒸発源10では、
タングステンワイヤーの中央にワイヤー状の蒸発物質を
乗せ、通電加熱することにより、等方的な点蒸発源とな
る。尚、上記の蒸発源10、2組のフィラメント11、
2つのグリッド12、2つの対電極13を図示されない
方法でそれぞれ支持する図1の各電極20(20a,2
0b),21(21a,21b),22,23に対する
電源手段及び導電手段は、請求項1の場合と同じである
ので説明を省略する。
【0016】さて、上記構成からなる薄膜形成装置では
、フィラメント11から発生する熱電子と、グリッド1
2からフィラメント11に向かう電界の作用により、グ
リッド12−フィラメント11間に安定なプラズマが発
生する。 また、図1のように対電極13の電位をフィラメント1
1の電位と同等にした場合には、グリッド12−フィラ
メント11間から拡散するプラズマや、グリッド12か
ら対電極13へ向かう電界の作用によって、グリッド1
2−対電極13間にも安定なプラズマが発生する(対電
極に与える電位によって、この空間に発生するプラズマ
の状態は異なる)。そして、蒸発源10からの蒸発物質
は、対電極13へ到達するまでに、その一部がプラズマ
中の電子やイオンによってイオン化される。従って、本
薄膜形成装置の場合、フィラメント用電源31とグリッ
ド用電源32を適当に設定することにより、空間に安定
なプラズマ状態を作ることができる。また、対電極、グ
リッド、及びフィラメントを2組づつ設けたことにより
、成膜面積が大きくなり、成膜効率の向上が図られる。 尚、請求項1の装置と請求項3の装置を比較すると、請
求項1の方は輻射が少なく、請求項3の方は熱電子発生
量が多くプラズマの発生、維持が容易である。
【0017】次に、請求項4記載の発明の実施例を図3
及び図4に示す。本薄膜形成装置は、請求項3の薄膜形
成装置に対して、図3に示すように、蒸発源10を支持
する電極20が正極側、フィラメント11を支持する電
極21が負極側となるように直流電圧電源34を接続し
たものであり、真空槽1’内の符号200 で示す枠内
の構成は図4に示した通りである。この装置の場合、図
4において、蒸発源10もフィラメント11に対して正
電位となるため、フィラメント11から発生した熱電子
はグリッド12の方向だけでなく、蒸発源10の方向へ
も加速される。従って、請求項3の装置の場合に比べて
、蒸発物質のイオン化率が高められる。
【0018】次に、請求項5記載の発明の実施例を図1
、図3、及び図5に示す。本薄膜形成装置は、請求項3
、請求項4の薄膜形成装置に対して、真空槽内の符号2
00 で示す枠内の構成を変えたものであり、対電極1
3、グリッド12及びフィラメント11の組を2組だけ
でなく、3組、4組、あるいはそれ以上の複数の組にし
、成膜効率をより向上させたものである。ここで、図5
に4組の場合の装置構成例を示す。尚、電源手段、導電
手段、一般的動作・作用等については、請求項3、4の
場合と同様なので説明を省略する。
【0019】次に、請求項6記載の発明の実施例を図1
、図3、図5、及び図6、図7に示す。本薄膜形成装置
は、請求項5の薄膜形成装置(図5参照)において、複
数組のフィラメント11を設置する代わりに、蒸発源1
0を中心として、対電極13への蒸発物質の拡がりを十
分カバーするように、円筒状あるいは多角柱の筒状にフ
ィラメントを配列したものである。ここで、フィラメン
トの形状及び配列例として、図6(a),(b),(c
),(d)に円筒状に配列した例を、図7(a),(b
),(c),(d)に多角柱の筒状に配列した例をそれ
ぞれ示す。尚、フィラメント以外の装置構成は請求項5
の薄膜形成装置(図5参照)と同様であり、また、電源
手段、導電手段、一般的動作・作用等については、請求
項3、4、5の場合と同様なので説明を省略する。
【0020】次に、請求項7記載の発明の実施例を図1
、図3、図5、図6,7、及び図8に示す。本薄膜形成
装置は、請求項5、6の薄膜形成装置(図5、図6,7
参照)において、複数のグリッド12を設置する代わり
に、蒸発源10を中心として、対電極13への蒸発物質
の拡がりを十分カバーするように、フィラメント11の
周りに円筒状あるいは多角柱の筒状のグリッドを設置し
たものである。ここで、グリッドの形状の例を図8に示
す。尚、グリッド12以外の装置構成は請求項5、6の
薄膜形成装置(図5、図6,7参照)と同様であり、ま
た、電源手段、導電手段、一般的動作・作用等について
は、請求項3、4、5の場合と同様なので説明を省略す
る。
【0021】次に、請求項1乃至7記載の発明の装置に
よる薄膜形成について説明するが、基本的な動作は同様
なため、ここでは請求項1の装置を例に挙げて説明する
。先ず、真空槽1’のベルジャー1を開き、2枚の基板
100 を図1及び図2の如く2つの対電極13に保持
させて、蒸発物質を蒸発源10に保持させる。尚、蒸発
物質はもちろん、どのような薄膜を形成するかに応じて
選定される。次に、ベルジャー1を閉じて真空槽1’を
密閉し、真空槽内を図示されない真空排気装置によって
1/106〜1/103Paの圧力まで排気した後、真
空槽内に活性ガスもしくは不活性ガス、あるいはこれら
の混合ガスを10〜1/103Paの圧力で導入する。 この状態において装置を作動させ、各電源をオンにし、
グリッド12−フィラメント11間、及びグリッド12
−対電極13間にプラズマを発生させる。このプラズマ
中には、電子、導入ガス、導入ガスイオン(正イオン、
負イオン)が存在する。
【0022】次に、蒸発源用ワイヤー10に通電して加
熱すると蒸発物質は融解して玉状となり、等方的に蒸発
する。この蒸発物質の粒子は両グリッド12(両基板1
00)に向かって拡がりつつ飛行するが、その一部がグ
リッド12−フィラメント13間のプラズマ中の電子や
ガスイオンとの衝突によって正イオンにイオン化される
。このように、一部イオン化した蒸発物質はグリッド1
2を通過するが、その際グリッド12近傍において、上
下に振動運動する電子との衝突によりさらにイオン化さ
れる。グリッド12を通過した蒸発物質で未だイオン化
されていない粒子は、グリッド12−対電極13間のプ
ラズマ中でさらにイオン化され、イオン化率が高められ
る。正イオンにイオン化した蒸発物質及び正のガスイオ
ンは、グリッド12から対電極13へ向かう電界の作用
により、基板100 に向かって適度なエネルギーに加
速され、基板100 に入射する。 この入射エネルギー(数十eV以下)は、基板入射時に
基板上で表面拡散エネルギーにとって代わるため、基板
あるいは堆積中の膜表面を加熱したのと等価な作用を示
す。すなわち、薄膜の低温成長(低温成膜)が可能とな
る。また、このエネルギーは基板上の物理的吸着物(H
2Oなど)の除去にも有効であるため、密着性の優れた
薄膜が形成できる。
【0023】尚、蒸発物質(イオン化したものを含む)
は、蒸発源10−対電極13間を飛行中に導入ガス(ガ
スイオンを含む)と衝突し拡散されるため拡がって基板
に入射する。また、電界の作用によっても拡がるため、
大面積基板上に比較的均一な膜厚分布を有する薄膜を形
成することができる。従って、この様にして形成された
薄膜は、基板へのイオン粒子の衝突の効果により、結晶
性も良好で、基板100 への密着性に優れたものとな
る。また、大面積基板上への均一成膜が可能である。
【0024】次に、請求項8記載の発明の実施例を図3
、図9及び図10に示す。本薄膜形成装置は、図3の真
空槽1’内の符号200 で示す枠内の構成を図9に示
す構成としたものであり、真空槽1’内には、図9に示
すような配置で、マルチノズル付坩堝状蒸発源10、2
組のフィラメント11、2つのグリッド12、2つの対
電極13が設置され、図示されない方法でそれぞれ図3
の各電極20(20a,20b),21(21a,21
b),22,23に支持されている。2つの対電極13
は、蒸発源10を中心にして、互いに対向するように配
備されており、両対電極13は、蒸発源10と対向する
側に、それぞれ基板100 を適宜の方法で保持するよ
うになっている。2つのグリッド12は、蒸発物質を通
過させうるものであって、蒸発源10と両対電極13の
間に設置される。これらのグリッド12は、蒸発源10
から蒸発した蒸発物質を対電極13側へ通過させうるよ
うに形状を定めるのであるが、この例においては網目状
である。2組のフィラメント11は、熱電子発生用であ
って、蒸発源10と両グリッド12の間に設置される。 このフィラメント11の形状は、複数本のフィラメント
線を平行に配列する他、網目状にしたりするなどしても
よい。
【0025】中央に設置される蒸発源10は、坩堝状の
ものであり、蒸発物質を蒸気化させ、その蒸気を基板1
00 を保持する対電極13に向けて均一に放射できる
ように、対電極13と対向する面に口径の異なる複数個
のノズルが配列されている。ここで、図10(a),(
b),(c)にマルチノズル付坩堝状蒸発源の例を示す
。尚、図の上側が側面図、下側が上面図を示している。 この蒸発源10を支持する一対の電極20(20a,2
0b)は図3の交流電源30に接続されており、この電
源30は図示されないヒータ加熱あるいは通電加熱用と
して使用されるが、この電源としては、直流電源を用い
ても良く、その正負の向きもどちらでも良い。フィラメ
ント11を支持する一対の電極21(21a,21b)
は電源31に接続され、一方の電極(21a)は図3の
例では電極20の一方の電極(20a)に接続される。 この電源31はフィラメント加熱用として使用され、上
記電源30と同様に、交流、直流のどちらを用いても良
い。
【0026】上記電極20,21の間には、直流電圧電
源34が電極20を正極側にして接続される。本装置の
場合、この電源34は、主に蒸発源のボンバード加熱用
に利用されるが、後述するように、プラズマの発生、蒸
発物質のイオン化にも利用される。グリッド12を支持
する電極22は、直流電圧電源32の正極側に接続され
、同電源の負極側は電極21の一方の電極(21a)に
接続される。従って、グリッド12はフィラメント11
に対して正電位となり、グリッド12−フィラメント1
1間では、電界はグリッド12からフィラメント11へ
向かう。対電極13を支持する電極23は、この例では
そのまま電極21の一方の電極(21a)に接続されて
いるが、この間に直流電圧電源を接続して対電極13に
電位を与えても良い。尚、図3の例では、一対の電極2
0、21の一方の電極20a、21a及び電極23はそ
のまま接地されているが、この接地は必ずしも必要では
ない。 また、実際には、上記電気的接続は、導電手段の一部を
構成するスイッチ等を含み、これらのスイッチ操作によ
り蒸着プロセスを実行するのであるが、これらのスイッ
チ類は図示を省略されている。
【0027】さて、上記構成からなる薄膜形成装置では
、フィラメント11から発生する熱電子と、グリッド1
2からフィラメント11に向かう電界の作用により、グ
リッド12−フィラメント11間に安定なプラズマが発
生する。 また、蒸発源10もフィラメント11に対して正電位で
あるため、同様に、蒸発源10−フィラメント11間に
もプラズマが発生する。この場合、蒸発源の電子ボンバ
ード加熱は真空の場合のそれに比べて弱いが、フィラメ
ント11からの熱電子発生量の調整や蒸発源電位の調整
によって加熱は可能である。さらに、この装置例のよう
に対電極13の電位をフィラメント11の電位と同等に
した場合には、グリッド12−フィラメント11間から
拡散するプラズマや、グリッド12から対電極13へ向
かう電界の作用によって、グリッド12−対電極13間
にも安定なプラズマが発生する(対電極13に与える電
位によって、この空間に発生するプラズマの状態は異な
る)。坩堝状蒸発源10からの蒸発物質は、プラズマ中
を通過して対電極13へ到達するまでに、その一部がプ
ラズマ中の電子やイオンによってイオン化される。従っ
て、本薄膜形成装置の場合、フィラメント用電源31、
グリッド用電源32、ボンバード用電源34を適当に設
定することにより、空間に安定なプラズマ状態を作るこ
とができる。また、対電極、グリッド、及びフィラメン
トを2組づつ設け、蒸発源として上記のような均一放射
型の坩堝状蒸発源を使用することによって、成膜の生産
効率及び薄膜の膜厚分布の均一化の向上が図られる。
【0028】次に、請求項9記載の発明の実施例を図3
、図10及び図11に示す。本薄膜形成装置は、請求項
8の薄膜形成装置に対して、対電極13、グリッド12
及びフィラメント11の組を2組だけでなく、3組、4
組、あるいはそれ以上の複数の組にし、成膜効率をより
向上させたものである。ここで、図11に4組の場合の
装置構成例を示す。また、複数組のフィラメント11を
設置する代わりに、蒸発源10を中心として、対電極1
3への蒸発物質の拡がりを十分カバーするように、図6
、図7に示したような、円筒状あるいは多角柱の筒状に
フィラメントを配列したものを設置しても良い。また、
複数のグリッド12を設置する代わりに、蒸発源10を
中心として、対電極13への蒸発物質の拡がりを十分カ
バーするように、フィラメント11の周りに、図8に示
すような、円筒状あるいは多角柱状の筒状のグリッドを
設置してもよい。 尚、電源手段、導電手段、一般的動作・作用等について
は、請求項8の場合と同様なので説明を省略する。
【0029】次に、請求項8,9記載の発明の装置によ
る薄膜形成について、請求項8の装置を例に挙げて説明
する。図3において、先ず、真空槽1’のベルジャー1
を開き、2枚の基板100 を図9の如く2つの対電極
13に保持させて、蒸発物質を蒸発源10に保持させる
。尚、蒸発物質はもちろん、どのような薄膜を形成する
かに応じて選定される。次に、ベルジャー1を閉じて真
空槽1’を密閉し、真空槽内を図示されない真空排気装
置によって1/106〜1/103Paの圧力まで排気
した後、真空槽内に活性ガスもしくは不活性ガス、ある
いはこれらの混合ガスを10〜1/103Paの圧力で
導入する。 この状態において装置を作動させ、各電源をオンにし、
グリッド12−フィラメント11間、蒸発源10−フィ
ラメント11間、及びグリッド12−対電極13間にプ
ラズマを発生させる。このプラズマ中には、電子、導入
ガス、導入ガスイオン(正イオン、負イオン)が存在す
る。
【0030】次に、坩堝状蒸発源10を加熱し、蒸発物
質を蒸気化させ、坩堝状蒸発源10内外に圧力差を持た
せ、ノズルより蒸発物質を基板100に向けて均一に放
射する。この蒸発物質の粒子は両グリッド12(両基板
100)に向かって拡がりつつ飛行するが、その一部が
、蒸発源10−フィラメント11間、グリッド12−フ
ィラメント13間のプラズマ中の電子やガスイオンとの
衝突によって正イオンにイオン化される。このように、
一部イオン化した蒸発物質はグリッド12を通過するが
、その際グリッド12近傍において、上下に振動運動す
る電子との衝突によりさらにイオン化される。グリッド
12を通過した蒸発物質で未だイオン化されていない粒
子は、グリッド12−対電極13間のプラズマ中でさら
にイオン化され、イオン化率が高められる。正イオンに
イオン化した蒸発物質及び正のガスイオンは、グリッド
12から対電極13へ向かう電界の作用により、基板1
00 に向かって適度なエネルギーに加速され、基板1
00 に入射する。この入射エネルギー(数十eV以下
)は、基板入射時に基板上で表面拡散エネルギーにとっ
て代わるため、基板あるいは堆積中の膜表面を加熱した
のと等価な作用を示す。すなわち、薄膜の低温成長(低
温成膜)が可能となる。また、このエネルギーは基板上
の物理的吸着物(H2Oなど)の除去にも有効であるた
め、密着性の優れた薄膜が形成できる。
【0031】尚、蒸発物質(イオン化したものを含む)
は、蒸発源10−対電極13間を飛行中に導入ガス(ガ
スイオンを含む)と衝突し拡散されるため拡がって基板
に入射し、大面積基板上に比較的均一な膜厚分布を有す
る薄膜を形成することができるが、蒸発源をマルチノズ
ル付坩堝にすることによって、より一層膜厚分布の均一
化が可能となる。従って、この様にして形成された薄膜
は、基板へのイオン粒子の衝突の効果により、結晶性も
良好で、基板100 への密着性に優れたものとなる。 また、大面積基板上への均一成膜が可能である。
【0032】以上、請求項1〜請求項9記載の薄膜形成
装置について説明したが、これらの薄膜形成装置におい
ては、導入ガスとしてアルゴンのような不活性ガスを導
入し、蒸発物質として、アルミニウム、金等を選択すれ
ば、結晶性、電気特性等に優れた均一の金属薄膜を形成
できる。また、導入ガスが、活性ガスあるいは活性ガス
と不活性ガスの混合ガスである場合は、蒸発物質を活性
ガスと反応性良く化合させ、均一組成、均一膜厚(特に
、請求項8,9の場合)の化合物薄膜を形成することが
できる。例えば、不活性ガスとしてアルゴン、活性ガス
として酸素を導入して、圧力を10〜1/102Paに
調整し、蒸発物質としてアルミニウムを選択すれば、基
板上には酸化アルミニウム絶縁性薄膜を形成することが
できる。また、蒸発物質として硅素または一酸化硅素を
選べば、二酸化硅素絶縁性薄膜を得ることができる。ま
た、蒸発物質としてインジウム、スズを選べば、それぞ
れ酸化インジウム、酸化スズのような高透過率の導電性
の薄膜を得ることができる。また、活性ガスとして窒素
またはアンモニアをアルゴンと共に用い、蒸発物質とし
てチタン、タンタルを選べば、、それぞれ窒化チタン、
窒化タンタルの薄膜を得ることも可能である。
【0033】請求項1〜請求項9記載の発明による薄膜
形成装置では、入射イオンによる基板表面あるいは堆積
中の膜表面の清浄化、活性化の作用により、密着性に優
れた薄膜を形成できるばかりでなく、入射エネルギーの
変換によって起こる表面加熱作用により、反応性成膜、
結晶化を狙う成膜において、低温成長が可能となる。ま
た、プラズマの発生、維持にはフィラメントによる熱電
子が有効に寄与するので、1/102Pa以下の高度の
真空下においても成膜が可能であり、成膜中のガス分子
の取り込みを極めて少なくして高純度の薄膜を得ること
ができる。また、薄膜の構造も極めて緻密なものとする
ことが可能であり、薄膜の密度はバルクの密度より一般
に小さいとされているが、本発明によれば、バルクの密
度に極めて近似した密度が得られることも大きな特徴の
一つである。即ち、本発明の薄膜形成装置は、反応性化
合物薄膜ばかりでなく、IC、LSIなどを構成する半
導体薄膜等の形成にも極めて適しているものである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本願請求項1〜9
記載の薄膜形成装置によれば、何れの場合も、蒸発物質
がイオン化し、高いエネルギーを電気的に有する(電子
・イオン温度)ので、反応性を必要とする成膜、結晶化
を必要とする成膜において、温度(反応温度、結晶化温
度)という熱エネルギーを与えずに実現できるので低温
成膜が可能となり、耐熱性の弱いプラスチック等をも基
板として用いることができる。また、複数の大面積基板
上に、金属薄膜等のような単一元素にて構成される薄膜
ばかりでなく、化合物薄膜なども、密着性良く科学両論
的組成により近い状態で、均一な膜厚、均一な物性を有
するように作製することができるため、大量生産にも十
分対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜形成装置の全体構成の一例を
示す概略的構成図である。
【図2】本発明による薄膜形成装置の真空槽内の構成の
一例を示す概略的斜視構成図である。
【図3】本発明による薄膜形成装置の全体構成の別の例
を示す概略的構成図である。
【図4】本発明による薄膜形成装置の真空槽内の構成の
別の例を示す概略的斜視構成図である。
【図5】本発明による薄膜形成装置の真空槽内の構成の
さらに別の例を示す概略的斜視構成図である。
【図6】本発明による薄膜形成装置のフィラメントの形
状及び配列の一例を示す図である。
【図7】本発明による薄膜形成装置のフィラメントの形
状及び配列の別の例を示す図である。
【図8】本発明による薄膜形成装置のグリッドの形状の
例を示す図である。
【図9】本発明による薄膜形成装置の真空槽内の構成の
さらに別の例を示す概略的斜視構成図である。
【図10】本発明による薄膜形成装置の坩堝状蒸発源の
形状の例を示す図である。
【図11】本発明による薄膜形成装置の真空槽内の構成
のさらに別の例を示す概略的斜視構成図である。
【符号の説明】
1      ベルジャー 1’    真空槽 2      ベースプレート 3      パッキング 4      ガス導入手段 10      蒸発源 11      フィラメント 12      グリッド 13      対電極 20      蒸発源用の電極 21      フィラメント用の電極22     
 グリッド用の電極 23      対電極用の電極 30      蒸発源用電源 31      フィラメント用電源 32      直流電圧電源 34      直流電圧電源 100     被薄膜形成基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性ガスもしくは不活性ガスあるいはこれ
    ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、上記真空槽内
    において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、上記蒸
    発源を中心に互いに対向するように配備され被薄膜形成
    基板を保持する二つの対電極と、上記蒸発源と上記二つ
    の対電極との間に配備され蒸発物質を通過させうる二つ
    のグリッドと、上記二つの対電極と平行で且つ蒸発源と
    同一の面内に配備される熱電子発生用のフィラメントと
    、上記二つのグリッドを上記フィラメントに対して正電
    位とする手段と、上記真空槽内に所定の電気的状態を実
    現するための電源手段と、上記真空槽内と上記電源手段
    とを電気的に連結する導電手段とを有し、上記二つの対
    電極及び上記二つのグリッドを蒸発源を中心にしてそれ
    ぞれ互いに対向させたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の薄膜形成装置において、蒸
    発源の電位をフィラメントの電位に対して正電位にする
    ことによって、蒸発物質のイオン化を促進させたことを
    特徴とする薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】活性ガスもしくは不活性ガスあるいはこれ
    ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、上記真空槽内
    において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、上記蒸
    発源を中心に互いに対向するように配備され被薄膜形成
    基板を保持する二つの対電極と、上記蒸発源と上記二つ
    の対電極との間に配備され蒸発物質を通過させうる二つ
    のグリッドと、上記蒸発源と上記二つのグリッドとの間
    に配備される熱電子発生用の二組のフィラメントと、上
    記グリッドを上記フィラメントに対して正電位とする手
    段と、上記真空槽内に所定の電気的状態を実現するため
    の電源手段と、上記真空槽内と上記電源手段とを電気的
    に連結する導電手段とを有し、上記二つの対電極、二つ
    のグリッド及び二組のフィラメントを蒸発源を中心にし
    てそれぞれ互いに対向させたことを特徴とする薄膜形成
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の薄膜形成装置において、蒸
    発源の電位をフィラメントの電位に対して正電位にする
    ことによって、蒸発物質のイオン化を促進させたことを
    特徴とする薄膜形成装置。
  5. 【請求項5】請求項3,4記載の薄膜形成装置において
    、対電極、グリッド、及びフィラメントの組を二組だけ
    でなく、三組、四組あるいはそれ以上の複数の組にして
    成膜効率を向上させたことを特徴とする薄膜形成装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の薄膜形成装置において、複
    数組のフィラメントを設置する代わりに、蒸発源を中心
    としてその周りに、円筒状あるいは多角柱の筒状にフィ
    ラメントを配列したことを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】請求項5,6記載の薄膜形成装置において
    、複数のグリッドを設置する代わりに、蒸発源を中心と
    してフィラメントの周りに、円筒状あるいは多角柱の筒
    状のグリッドを設置したことを特徴とする薄膜形成装置
  8. 【請求項8】活性ガスもしくは不活性ガスあるいはこれ
    ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、上記真空槽内
    において被薄膜形成物質(以下、蒸発物質と称す)を蒸
    気化しその蒸気を基板に向かって均一に放射できるよう
    にノズルの形状及びその配列がなされている坩堝状蒸発
    源と、上記蒸発源を中心に互いに対向するように配置さ
    れ被薄膜形成基板を保持する二つの対電極と、上記蒸発
    源と上記二つの対電極との間に配備され蒸発物質を通過
    させうる二つのグリッドと、上記蒸発源と上記二つのグ
    リッドとの間に配備される熱電子発生用の二組のフィラ
    メントと、上記グリッドを上記フィラメントに対して正
    電位とする手段と、上記蒸発源を上記フィラメントに対
    して正電位にし、電子ボンバードによって蒸発源を加熱
    する手段と、上記真空槽内に所定の電気的状態を実現す
    るための電源手段と、上記真空槽内と上記電源手段とを
    電気的に連結する導電手段とを有し、上記二つの対電極
    、二つのグリッド及び二組のフィラメントを蒸発源を中
    心にしてそれぞれ互いに対向させ、且つ、蒸発源として
    上記のような坩堝状蒸発源を設置したことを特徴とする
    薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の薄膜形成装置において、対
    電極、グリッド、及びフィラメントの組を二組だけでな
    く、三組、四組あるいはそれ以上の複数組有し、且つ、
    蒸発物質を蒸気化し、その蒸気をそれぞれの基板に向か
    って均一に放射できるようなノズルの形状、及びその配
    列がなされている坩堝状蒸発源を有することを特徴とす
    る薄膜形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116770231A (zh) * 2023-05-23 2023-09-19 北方夜视技术股份有限公司 用于光电倍增管镀膜的蒸镀装置及其制作方法、装置以及光窗镀膜的蒸镀方法、装置

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