JPH04360680A - 培地、およびペプチド又は蛋白質の製造方法 - Google Patents

培地、およびペプチド又は蛋白質の製造方法

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JPH04360680A
JPH04360680A JP3162083A JP16208391A JPH04360680A JP H04360680 A JPH04360680 A JP H04360680A JP 3162083 A JP3162083 A JP 3162083A JP 16208391 A JP16208391 A JP 16208391A JP H04360680 A JPH04360680 A JP H04360680A
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山崎 久人
Takayuki Ikeda
池田 隆幸
Kunihiko Yamashita
邦彦 山下
Kunio Yamane
山根 國男
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、pap 遺伝子が導入
されたバチルス属微生物の培養に好適な培地、およびペ
プチド又は蛋白質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近年
、微生物を培養して酵素などの有用物質を製造する方法
が検討されている。この方法において、エシェリヒア・
コリ(Escherichia   coli)やバチ
ルス・ブレビス(Bacillus  brevis)
を、グリシンやイソロイシンを添加した培地で培養する
と、分泌される蛋白質の量が増加することが報告されて
いる[ジャーナル・オブ・ファーメンターション・アン
ド・バイオエンジニアリング(J. Ferment.
 Bioeng.), 68, 243, 1989 
、アグリカルチュアル・アンド・バイオロジカル・ケミ
ストリー(Agric. Biol. Chem.),
 44, 105, 1980]。また、特開昭61−
81775号公報には、好アルカリ性バチルス細菌やパ
ン酵母を、グリシンやマンガン塩を添加した培地で培養
すると、蛋白質の全生産量が増大し、しかも菌体外への
分泌効率が向上することが報告されている。
【0003】しかしながら、遺伝子組換え技術を利用し
て、微生物により異種由来のペプチドや酵素などの蛋白
質を生産させる場合、有用物質の生産量が増大すること
は知られていない。
【0004】従って、本発明の目的は、バチルス属微生
物を宿主とし、異種由来の有用なペプチド又は蛋白質を
効率よく多量に製造する上で好適な培地、およびペプチ
ド又は蛋白質の製造方法を提供することにある。
【0005】
【発明の構成】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭
意検討した結果、pap 遺伝子が導入されたバチルス
属微生物を宿主とし、可溶性デンプン、マンガン塩の少
なくとも一方を添加した培地で培養すると、異種由来の
有用物質の生産量が増大することを見いだし、本発明を
完成した。
【0006】すなわち、本発明は、pap 遺伝子が導
入されたバチルス(Bacillus)属微生物を培養
する培地であって、可溶性デンプンおよびマンガン塩の
少なくとも1つの成分を含む培地を提供する。
【0007】また、本発明は、ペプチド又は蛋白質をコ
ードする遺伝子を含むプラスミドにより、pap 遺伝
子が導入されたバチルス(Bacillus)属微生物
を形質転換し、可溶性デンプンおよびマンガン塩の少な
くとも1つの成分を含む培地で培養し、ペプチド又は蛋
白質を回収するペプチド又は蛋白質の製造方法を提供す
る。
【0008】本発明の培地は、種々のバチルス属微生物
の培養に適用できるが、バチルス属微生物としては、人
体への寄生やエンドトキシンなどの毒素の生産がなく、
ペプチドや蛋白質を菌体外に分泌する能力を有するバチ
ルス・ズブチリス(BacillusSubtilis
)が好ましい。
【0009】バチルス属微生物に導入されたpap 遺
伝子は、バチルス・ズブチリスのα−アミラーゼ、及び
プロテアーゼの生産性を同時に増大させる遺伝子として
知られている[バイオケミカル・アンド・バイオフィジ
カル・リサーチ・コミュニケーションズ(Bioche
m. Biophys. Res. Commun.)
, 50, 765, 1973 ]。このpap 遺
伝子をプロテアーゼ生産性の低いバチルス・ズブチリス
に導入すると、逆に、プロテアーゼ生産性がさらに低い
バチルス・ズブチリスが得られる(特開平1−3728
4号公報)。従って、pap 遺伝子はプロテアーゼ生
産性の低いバチルス・ズブチリスに導入されているのが
好ましい。
【0010】pap 遺伝子が導入された菌株には、例
えば、バチルス・ズブチリスDY−16株(微工研菌寄
第9488号)、特願平1−281440号において本
発明者らが提案したように、バチルス・ズブチリス10
4HL株(バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル
・リサーチ・コミュニケーションズ, 128, 60
1, 1985)にspo 0AΔ677 変異遺伝子
を導入したバチルス・サブチリスSP011株(微工研
菌寄第10987号)、バチルス・サブチリスDY−1
6株にspo OA△677 変異遺伝子を導入したバ
チルス・サブチリスSPL14株(微工研菌寄第109
88号)などが含まれる。
【0011】このようなバチルス属微生物は、異種由来
のペプチド又は蛋白質を生産させるため、DNA組換え
菌株として繁用される。
【0012】前記異種由来のペプチド又は蛋白質は、そ
の構造遺伝子の上流にバチルス属微生物において機能す
る、発現のための制御部位であるプロモータ、リボソー
ム結合部位、さらに必要ならば分泌シグナルが結合した
DNA断片と、バチルス属微生物において複製可能なベ
クターDNAとが結合した発現プラスミドを構築できる
限り、特に限定されない。
【0013】ペプチド及び蛋白質には、例えば、インス
リン、α,β,又はγ−インターフェロン、インターロ
イキンI,II,III、ガストリン、各種オピオノイ
ドペプチド、上皮細胞成長因子、エンドセリン、バソア
クティブ・インテスティナル・ポリペプチド[Vaso
active Intestinal Polypep
tide (VIP)]、心房性利尿ホルモン(ANP
)、サブスタンスP、カルシトニン、インシュリン様成
長因子I,II、ガラニン、モチリン、バソプレシンな
どの各種の生理活性ペプチドまたはこれらの前駆体;β
−ラクタマーゼ、ヒルジン、エグリンC、分泌性白血球
由来プロテアーゼインヒビターなどの阻害剤、ヒトアル
ブミン、血液凝固因子、リンフォカイン、神経成長因子
、肝細胞再生因子などの各種の分化誘導因子、成長因子
などの蛋白質またはこれらの前駆体が含まれる。
【0014】ベクターとしては、例えば、スタフィロコ
ッカス属由来のプラスミドpUB110、pHY300
PLK、pC194、pBD64、pE194、pSA
O501、pT127およびこれらの誘導体が挙げられ
る。これらのプラスミドを有するバチルス・ズブチリス
は、いずれもオハイオ大学バチルスストックセンター(
住所:484, West 12th Avenue,
 Columus Ohaio, 43210 U.S
.A.)から入手できる。
【0015】前記発現プラスミドは、慣用の遺伝子操作
技術、例えば制限酵素を用いて切断したDNAとベクタ
ーDNAとをリガーゼを用いて連結する制限酵素法、リ
ンカー法などにより調製できる。
【0016】なお、前記ペプチド又は蛋白質をコードす
る構造遺伝子の上流にキャリアーを連結し、ペプチド又
は蛋白質を融合蛋白質として生産してもよい。キャリア
ーとしては、例えば、α−アミラーゼ、中性又はアルカ
リ性プロテアーゼ、セルラーゼ、β−ラクタマーゼ、β
−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ、RecA蛋白質、trpE、ヒトイ
ンターロイキン−2、ヒト成長ホルモン、ジヒドロ葉酸
還元酵素、プロテインA、λcII、アルカリフォスフ
ァターゼ、ペニシリナーゼなどの全部又はその一部;こ
れらの誘導体が挙げられる。
【0017】好ましいキャリアーには、黄色ブドウ状球
菌[スタフィロコッカス・アウレウス(Staphyl
ococcus aureus) ]由来のプロテイン
Aなどが含まれる。黄色ブドウ状球菌のプロテインAに
は、遺伝子の発現に関与するプロモーター、リボソーム
結合部位、分泌シグナル及びタンパク質をコードする領
域が含まれている。
【0018】さらに、融合蛋白質は、複数のペプチド又
は蛋白質がタンデムに結合したタンデム型融合蛋白質と
して生産してもよい。この場合、複数のペプチドをコー
ドする遺伝子の構築、各遺伝子断片の連結には、慣用の
遺伝子操作法が利用できる。その際、大腸菌の宿主ベク
ターなどを利用することもできる。
【0019】前記発現プラスミドにより、pap 遺伝
子が導入されたバチルス属微生物を形質転換すると、ペ
プチド又は蛋白質を生産する微生物が得られる。前記プ
ラスミドによる宿主微生物の形質転換は、慣用の方法、
例えば、チャン(Chang) らのプロトプラスト化
法[Chang, S., et al., Mol.
 Gen. Genet., 168, 111−11
5 (1979)]などを利用して行なうことができる
【0020】このような微生物を、本発明の培地で培養
すると、ペプチド又は蛋白質の生産量が著しく増大する
。しかも、pap 遺伝子が導入された宿主微生物はプ
ロテアーゼ生産性が低いので、分泌発現したペプチド又
は蛋白質の分解を著しく抑制できる。
【0021】本発明の培地は、慣用の培養に使用される
培地に可溶性デンプン、マンガン塩の少なくとも一方の
成分が添加されている。培地としては、微生物が増殖し
得る限り、合成培地、天然培地のいずれも使用でき、そ
の種類は問わない。培地の炭素源としては、例えば、グ
ルコース、フルクトース、シュクロース、デキストリン
、デンプンなどの糖類;ソルビトール、エタノール、グ
リセロールなどのアルコール類;フマル酸、クエン酸、
コハク酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類及びその
塩類;パラフィンなどの炭化水素類;これらの混合物な
どが使用できる。窒素源としては、例えば、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの
無機酸のアンモニウム塩;フマル酸アンモニウム、クエ
ン酸アンモニウムなどの有機酸のアンモニウム塩;肉エ
キス、酵母エキス、麦芽エキス、トリプトン、ペプトン
、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、尿素
などの無機又は有機含窒素化合物;これらの混合物が使
用できる。培地には、無機塩、微量金属塩、ビタミン類
などの通常の培養に用いられる栄養源を適宜添加しても
よい。また、必要に応じて、培地には、微生物の増殖を
促進する因子、培地のpH保持に有効な緩衝物質などを
添加してもよい。
【0022】可溶性デンプンやマンガン塩の添加量は、
微生物の生育を阻害せず、しかもペプチド又は蛋白質の
生産量が増大する範囲で適当に選択できる。前記可溶性
デンプンの添加量は、例えば、培地に対して1.0〜5
.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%程度であ
る。マンガン塩の種類は、特に制限されないが、水可溶
性塩、例えば、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マン
ガン、酢酸マンガン、クエン酸マンガン、チオシアン酸
マンガンなどが挙げられる。マンガン塩の添加量は、例
えば、培地に対して10〜750μM、好ましくは50
〜500μM程度である。
【0023】前記可溶性デンプンとマンガン塩は単独で
使用してもよいが、併用することにより、ペプチド又は
蛋白質の生産量が相乗的に増大する。
【0024】前記形質転換された宿主微生物を培養する
ことにより前記ペプチド又は蛋白質が産生する。宿主微
生物の培養は、生育に適した条件下、慣用の液体培養法
、例えば、振盪培養又は通気撹拌培養法により行なうこ
とができる。培地のpHは、例えば、6.5〜8.5、
好ましくは7〜8程度である。培養は、微生物の培養に
採用される通常の条件、例えば、嫌気的又は好気的条件
下、温度15〜45℃、好ましくは25〜40℃、培養
時間6〜120時間程度の条件で行なうことができる。
【0025】産生したペプチド又は蛋白質は、慣用の方
法、例えば、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィ
ー、分配クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ
ィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、電気泳動法な
どの慣用の分離精製手段により、単離精製できる。なお
、ペプチド又は蛋白質が菌体内やペリプラズムに蓄積さ
れる場合には、慣用の方法、例えば、菌体を破砕するこ
とにより、ペプチド又は蛋白質を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の培地および方法によれば、バチ
ルス属微生物を宿主とし、異種由来の有用なペプチド又
は蛋白質を効率よく多量に製造できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】参考例1 バチルス・ズブチリスSPL14株の作製spo0Δ6
77 変異遺伝子、及びリンコマイシン耐性遺伝子(以
下、Linr という)を有するバチルス・ズブチリス
ATCC39096株を、LB培地(1.0重量%トリ
プトン、0.5重量%酵母エキス、0.5重量%NaC
l、pH7.5)を用いて、温度37℃で対数増殖期ま
で振盪培養した。次いで、培養液50ml中に含まれる
菌体を集め、斎藤・三浦の方法[バイオチム・バイオフ
ィズ・アクタ(Biochim. Biophys. 
Acta), 72, 619,1963 ]により染
色体DNAを抽出精製した。得られた染色体DNAを用
いて、コンピテントセル形質転換法によりバチルス・ズ
ブチリスDY−16株を形質転換した。
【0029】そして、得られた形質転換株を、5μg/
mlのリンコマイシンを含むLB寒天平板培地上に塗布
し、Linr が導入された株を選択した。その結果、
約800株のリンコマイシン耐性株を得た。次いで、以
下の指標に従って、これらの形質転換株から胞子成形欠
損株を分離した。
【0030】指標1.胞子形成培地に形質転換株を塗布
し、そのコロニーがメラニン色素性生産能を失ったこと
2.温度80℃、10分間の熱処理に耐性を示さないこ
と 3.顕微鏡検査により胞子成形を認めないことさらに、
得られた胞子形成能欠損株のプロテアー活性を測定し、
プロテアーゼ活性の低い株を、以下の方法で選別した。
【0031】先ず、1.0重量%のカゼインを含むLB
寒天平板培地に、胞子形成能欠損株と親株であるDY−
16株とを別々に植菌し、温度37℃で24時間培養し
た。菌体が分泌するプロテアーゼによりカゼインが分解
されるので、カゼインの分解により形成される菌体の回
りのクリアゾーン(Halo)の大きさを指標として、
DY−16株よりもプロテアーゼ生産能が低下した菌株
を分離した。次に、これらの株をLB培地10mlを用
いて一晩培養した後、培養液1mlを遠心分離し、その
上清に存在するプロテアーゼの活性を、FITC−カゼ
イン(シグマ社製)を基質として測定した。すなわち、
0.2%のFITC−カゼイン、100mMトリス−塩
酸(pH7.5)、2mM塩化カルシウムを含む基質液
100μlに、プロテアーゼを含む上清試験溶液100
μlを添加し、37℃で3時間反応させた。反応終了後
、反応液に、200μlの7.5%トリクロロ酢酸を添
加して反応を停止し、遠心分離により得られた上清液を
、500mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で中和
した後、励起波長490nm、発光波長525nmの螢
光を測定した。
【0032】プロテアーゼ活性は、カゼインから1分間
に1μmolのチロシンに相当するトリクロロ酢酸可溶
性ペプチドを遊離する酵素活性を1Uとし、プロナーゼ
(科研製薬製)を標品として算出した。その結果、プロ
テアーゼ活性が親株のDY−16株に比べて極端に低下
した4株を得、それぞれ、バチルス・ズブチリスSPL
9、SPL11、SPL14、SPL39株とした。
【0033】そして、これら4株のプロテアーゼ活性を
さらに詳しく測定するため、これらの菌株を10mlの
LB培地で18時間培養した後、50mlのMediu
mA培地[ジャーナル・オブ・バクテオロジー(J. 
Bacteriol.), 165, 796, 19
86]に菌体を移し、48時間培養した後、培養上清液
について、上記と同様にしてプロテアーゼ活性を測定し
た。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 なお、表中、OD600 は、波長600nmにおける
培養液の吸光度を示す。また、割合は、親株であるDY
−16株のプロテアーゼ活性を100としたときの相対
値を示す。
【0035】表1より、これら4株のプロテアーゼ活性
は、親株のプロテアーゼ活性の1/2以下である。特に
、SPL14株のプロテアーゼ活性は、親株であるDY
−16株の約3%である。このSPL14株は、遺伝子
マーカーhis、leu、nprR2、nprE18、
ΔaprA3、Cyc−r、papS、spoOAΔ6
77、linを有しており、遺伝子組換え実験において
宿主に要求される複数の栄養要求性を有している。
【0036】参考例2 β−ラクタマーゼ分泌発現プラスミドpTUB291の
構築 プラスミドpTUB291を、図1に示す方法で構築し
た。すなわち、バチルス・スブチリス由来のα−アミラ
ーゼ遺伝子のプロモーターと、バチルス・アミロリキフ
ァシエンス(Bacilus   amyloliqe
faciens)由来のα−アミラーゼ遺伝子のプロモ
ーターとをタンデムに有する、β−ラクタマーゼ分泌発
現プラスミドpTUB261[ジャーナル・オブ・バイ
オケミストリー(J. Biochem.), 99,
1181, 1986]を、制限酵素XbaIで切断し
た後、制限酵素HinfIで部分切断し、長鎖断片を得
た。このDNA断片に、図2に示す塩基配列を有する合
成DNA断片(バチルス・スブチリス由来のα−アミラ
ーゼ遺伝子のリボゾーム結合部位領域の配列)をT4 
DNAリガーゼを用いて連結し、β−ラクタマーゼ分泌
発現プラスミドpTUB291を得た。
【0037】参考例3 プロテインA−VIP−GlyLysArg融合蛋白質
分泌発現プラスミドの構築 (1)VIP−GlyLysArg(以下、VIP−G
KRという)遺伝子の構築 バチルス・ズブチリスを用いてペプチドを融合蛋白質と
して生産させるために、生理活性ペプチドVIPの前駆
体であるVIP−GKRをモデルペプチドとして、その
遺伝子を化学合成した。VIPは、下記式[I]で示さ
れる28個のアミノ酸残基からなるアミド体のペプチド
であり、サッド(said)とムット(Mutt)によ
り、ブタ十二指腸粘膜から単離され、その構造が決定さ
れている[サイエンス(Science),169, 
1217, 1970]。
【0038】   H−His−Ser−Asp−Ala−Val−P
he−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Ar
g−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−  A
la−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−As
n−Ser−Ile−Leu−Asn−NH2    
           [I]このVIPの前駆体であ
るVIP−GKRの構造遺伝子を構築するため、VIP
−GKRのアミノ酸配列に従って、対応する遺伝子コド
ンをバチルス・ズブチリスの使用頻度に合わせ、図3に
示す配列からなる合成DNAを作製した。
【0039】得られた合成DNAを、制限酵素XbaI
、SphIで切断したベクタープラスミドpUC19と
、T4 DNAリガーゼを用いて連結し、プラスミドp
MD321KRaを構築した(図4)。
【0040】次いで、pMD321KRa中に存在する
制限酵素Tth111I部位に、図5に示されるように
、合成DNA(VIP−GKR)を挿入し、2つのVI
P−GKR構造遺伝子がタンデムに連なったプラスミド
pMD321R2KRaを構築した。上記と同様の操作
を繰返し、VIP−GKR構造遺伝子部分が3、4、5
個とタンデム化したプラスミドpMD321R3KRa
、pMD321R4KRa、およびpMD321R5K
Raを構築した(図5)。 (2)プロテインA−VIP−GKR融合蛋白質分泌発
現プラスミドの構築バチルス・ズブチリスを用い、VI
P−GKRをプロテインAとの融合蛋白質として生産さ
せるため、以下の操作を行った。
【0041】先ず、図6に示すDNA塩基配列からなる
バチルス・スブチリス由来のα−アミラーゼ遺伝子のプ
ロモーター・リボソーム結合部位・シグナル配列領域を
合成した。得られた合成DNA、プロテインA遺伝子を
含むプラスミドpDCP240(特開昭63−2456
77号公報)、及び上記(1)の操作により得られたプ
ラスミドpMD321KRa〜pMD321R5KRa
を用いて、図7に示す方法でプロテインA−VIP−G
KR融合蛋白質分泌発現プラスミドpMD510〜pM
D510R5を構築した。
【0042】実施例1 プラスミドpTUB291によるβ−ラクタマーゼの分
泌生産 参考例2で構築したプラスミドpTUB291を用いて
、バチルス・ズブチリス104HL株、及びDY−16
株を、チャン(Chang)らの方法[モレキュラー・
アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molec.
 Gen.Genet.), 168, 111, 1
979 ]に従って形質転換した。
【0043】得られた形質転換株104HL(pTUB
291)株、及びDY−16(pTUB291)株を、
LG培地(1.0重量%トリプトン、0.5重量%酵母
エキス、0.5重量%NaCl、0.2重量%グルコー
ス、pH7.2)で37℃、16時間培養した。
【0044】100mlのLG培地に3.0重量%の可
溶性デンプンを添加した培地を入れた500mlの坂口
フラスコに、前記培養液1mlを植菌し、37℃、12
5ストローク/分で振盪培養した。培養開始から6時間
、12時間後に培養液をサンプリングし、菌体濃度(波
長600nmにおける吸光度:OD600 )を測定す
ると共に、培養液を遠心分離して得られた培養上清液中
のβ−ラクタマーゼ活性(U/ml)を、ニトロセフィ
ンを用いる方法[アンチマイクロビアル・エイジェンズ
・アンド・ケモセラピー(Antimicrob. A
g. Chemother.), 1, 283, 1
972 ]で測定した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】 表2より、培地に可溶性デンプンを添加して培養すると
、培養上清液中のβ−ラクタマーゼ活性が増大し、かつ
その活性が安定に維持されていた。また、この傾向は、
104HL株よりも、pap 遺伝子を導入したDY−
16株の方が顕著であった。
【0046】実施例2 融合蛋白質発現プラスミドによる融合蛋白質の分泌生産
参考例3で構築したプラスミドの中から、VIP−GK
R遺伝子が5個タンデム化したプラスミドpMD510
R5を用いて、バチルス・ズブチリスSPL14株をチ
ャン(Chabg)らの方法に従って形質転換した。
【0047】得られた形質転換株SPL14(pMD5
10R5)株を、MediumA培地で37℃で、13
時間培養した。この培養液12mlを、下記の培地1.
2Lを入れたミニジャー(ビー・ブラウン社製)に植菌
し、温度37℃、通気量1.2L/分、撹拌速度300
〜600rpm 、pH6.8〜7.2の条件で培養し
た。
【0048】(1) LGS培地(2.0重量%トリプ
トン、1.0重量%酵母エキス、1.0重量NaCl、
0.5Mコハク酸Na、pH7.0) (2) 100μMになるように塩化マンガンを添加し
たLGS培地 (3) 1.0重量%可溶性デンプンを添加したLGS
培地(4) 100μM塩化マンガンと1.0重量%可
溶性デンプンを添加したLGS培地 培養開始から16時間、32時間経過後に培養液をサン
プリングし、菌体濃度(波長600nmにおける吸光度
:OD600 )を測定すると共に、培養液を遠心分離
して得られた培養上清液10μlをSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動に供した。電気泳動終了後、ゲル
をクマシー・ブリリアント・ブルー染色し、デンシトメ
ーター(アトー社製)を用いて、目的とするプロテイン
A−VIP−GKR融合蛋白質の生産量を測定した。結
果を表3に示す。
【0049】
【表3】 表3より、培地に可溶性デンプン、マンガン塩の一方を
添加して培養すると、融合蛋白質の生産量が増加する。 さらに、可溶性デンプンとマンガン塩の双方の成分を添
加して培養すると、生産量が相乗的に大幅に増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpTUB291の構築図である。
【図2】プラスミドpTUB291の構築に用いた合成
DNAの塩基配列を示す図である。
【図3】VIP−GKRを含む合成DNAの塩基配列を
示す図である
【図4】pMD321KRaの構築図である。
【図5】pMD321R2KRa〜pMD321R5K
Raの構築図である。
【図6】pMD510〜pMD510R5の構築に用い
たα−アミラーゼ遺伝子のプロモーター・リボソーム結
合部位・シグナル配列領域のDNA塩基配列を示す図で
ある。
【図7】pMD510〜pMD610R5の構築図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  pap 遺伝子が導入されたバチルス
    (Bacillus)属微生物を培養する培地であって
    、可溶性デンプンおよびマンガン塩の少なくとも1つの
    成分を含む培地。
  2. 【請求項2】  ペプチド又は蛋白質をコードする遺伝
    子を含むプラスミドにより、pap 遺伝子が導入され
    たバチルス(Bacillus)属微生物を形質転換し
    、可溶性デンプンおよびマンガン塩の少なくとも1つの
    成分を含む培地で培養し、ペプチド又は蛋白質を回収す
    るペプチド又は蛋白質の製造方法。
JP3162083A 1991-06-05 1991-06-05 培地、およびペプチド又は蛋白質の製造方法 Expired - Lifetime JPH0695948B2 (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60130388A (ja) * 1983-12-19 1985-07-11 Oji Koonsutaac Kk 生デンプン分解酵素生成菌の培養方法
JPS6181775A (ja) * 1984-08-30 1986-04-25 Rikagaku Kenkyusho 酵素の製造方法

Patent Citations (2)

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JPS60130388A (ja) * 1983-12-19 1985-07-11 Oji Koonsutaac Kk 生デンプン分解酵素生成菌の培養方法
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