JPH0439177B2 - - Google Patents
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- JPH0439177B2 JPH0439177B2 JP58164993A JP16499383A JPH0439177B2 JP H0439177 B2 JPH0439177 B2 JP H0439177B2 JP 58164993 A JP58164993 A JP 58164993A JP 16499383 A JP16499383 A JP 16499383A JP H0439177 B2 JPH0439177 B2 JP H0439177B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J27/00—Ion beam tubes
- H01J27/02—Ion sources; Ion guns
- H01J27/028—Negative ion sources
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J27/00—Ion beam tubes
- H01J27/02—Ion sources; Ion guns
- H01J27/20—Ion sources; Ion guns using particle beam bombardment, e.g. ionisers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は陰イオン及び陽イオンを生成する装置
に係るもので、特に、極微量の固体や液体試料の
質量分析、核融合反応用水素イオンの生成、半導
体材料へのイオンの打込み、などの分野に好適な
イオン源として、利用しうるものである。
に係るもので、特に、極微量の固体や液体試料の
質量分析、核融合反応用水素イオンの生成、半導
体材料へのイオンの打込み、などの分野に好適な
イオン源として、利用しうるものである。
第1a図は、従来のこの種のイオン源の1例
(Sandstyom et al.,J.Chem.Phys.,48,5683,
1968)を示したものである。ここで、1,2,3
は金網状のグリツド電極、4は熱電子放射用のタ
ングステン製フイラメント、5は試料分子を吸着
させるためのタングステン製リボンである。フイ
ラメント4から放射された熱電子6は、電源7に
より電位差で加速され、リボン5の表面に入射す
る。その結果、リボン5の表面に吸着した試料8
(例えばCO)から生成・放出される陽イオン9
(例えばCO+)は、第1b図に示すごとく、電源
7による電位差で引出される。そして、電極2の
方向へさらに加速されたのち、マスアナライザー
10に送り込まれる。この方法によれば、フイラ
メント4とリボン5との間の電位差によつて、電
子6と陽イオン9の加速が同時に行なえる利点が
ある。しかし、電子衝撃によつて生成される陰イ
オン(例えばO-)を、リボン5から引出して、
グリツド2の方向に送り出すことは、電場の極性
方向が反対のために、全く不可能である。
(Sandstyom et al.,J.Chem.Phys.,48,5683,
1968)を示したものである。ここで、1,2,3
は金網状のグリツド電極、4は熱電子放射用のタ
ングステン製フイラメント、5は試料分子を吸着
させるためのタングステン製リボンである。フイ
ラメント4から放射された熱電子6は、電源7に
より電位差で加速され、リボン5の表面に入射す
る。その結果、リボン5の表面に吸着した試料8
(例えばCO)から生成・放出される陽イオン9
(例えばCO+)は、第1b図に示すごとく、電源
7による電位差で引出される。そして、電極2の
方向へさらに加速されたのち、マスアナライザー
10に送り込まれる。この方法によれば、フイラ
メント4とリボン5との間の電位差によつて、電
子6と陽イオン9の加速が同時に行なえる利点が
ある。しかし、電子衝撃によつて生成される陰イ
オン(例えばO-)を、リボン5から引出して、
グリツド2の方向に送り出すことは、電場の極性
方向が反対のために、全く不可能である。
このような難点を軽減するための方策として
は、例えば第2a図の方法(河野博之他、日本化
学会中国四国支部・九州支部合同大会、於香川大
学、1982年11月、講演番号A217、講演予稿集101
頁)が考案されている。ここで、11は試料(例
えばNaClの水溶液)を保持するための平板電極、
12は熱電子放射用のタングステン製フイラメン
ト、13は電子加速用シリンダー型電極、14は
イオン引出用スリツト電極、15は熱電子、16
は塗布された試料(例えばNaCl)、17は陰イオ
ン(例えばCl-)、18はマスアナライザーであ
る。この従来例の場合、フイラメント12と電極
11との間の電位差によつて、熱電子15を電極
11の方向に加速することは、きわめて容易であ
る。しかし、電極11から陰イオン17を効率よ
く引出して、電極14の方向に送り出すことは、
かなり困難である。その主な理由は、熱電子放射
体12が電極11と電極14との中間部に在るた
め、第2図b図に示すように電子15の加速用電
場が陰イオン17の阻止電場として働き易いため
である。
は、例えば第2a図の方法(河野博之他、日本化
学会中国四国支部・九州支部合同大会、於香川大
学、1982年11月、講演番号A217、講演予稿集101
頁)が考案されている。ここで、11は試料(例
えばNaClの水溶液)を保持するための平板電極、
12は熱電子放射用のタングステン製フイラメン
ト、13は電子加速用シリンダー型電極、14は
イオン引出用スリツト電極、15は熱電子、16
は塗布された試料(例えばNaCl)、17は陰イオ
ン(例えばCl-)、18はマスアナライザーであ
る。この従来例の場合、フイラメント12と電極
11との間の電位差によつて、熱電子15を電極
11の方向に加速することは、きわめて容易であ
る。しかし、電極11から陰イオン17を効率よ
く引出して、電極14の方向に送り出すことは、
かなり困難である。その主な理由は、熱電子放射
体12が電極11と電極14との中間部に在るた
め、第2図b図に示すように電子15の加速用電
場が陰イオン17の阻止電場として働き易いため
である。
以上のように、従来の実施例では、電子衝撃に
よつて生成される陰イオンを効率よく引出すこと
が全く不可能か、あるいは、きわめて困難であ
り、従つて、陰イオン源としての実用性に乏しい
欠点があつた。
よつて生成される陰イオンを効率よく引出すこと
が全く不可能か、あるいは、きわめて困難であ
り、従つて、陰イオン源としての実用性に乏しい
欠点があつた。
本発明の目的は、電子衝撃によつて固体の表面
で生成される陽イオンは勿論のこと、陰イオンに
ついても引出効率が高く、かつ、小型で大容量の
イオン源を、提供するところにある。
で生成される陽イオンは勿論のこと、陰イオンに
ついても引出効率が高く、かつ、小型で大容量の
イオン源を、提供するところにある。
従来の実施例では、試料保持用電極とイオン引
出用電極との中間部に熱電子放射体を設置してい
るため、陰イオンの引出しが不可能か、あるい
は、きわめて困難であつた。この難点を解消する
ために本発明では、イオン源の構造を第3a図の
ように改めた。ここで、19はバツクシールド用
電極、20は熱電子放射用フイラメント、21は
試料保持用有孔電極(透視性のスポンジ、メツシ
ユ、すだれ、すのこ、または、多孔打抜板)、2
2はイオン引出電極(メツシユまたはスリツト
板)である。固体、または、液体の試料を試料保
持用電極21に積載、または、塗布したのち、試
料保持用電極21とフイラメント20との間の電
位差で加速された熱電子23を試料保持用電極2
1に入射させる。その結果、試料保持用電極21
上の試料24から離脱した陰イオン25は、電子
とともに電極21と電極22との間に印加したイ
オン引出電圧によつて取出したのち、マスアナラ
イザー26によつて、電子の分離と陰イオンの定
性・定量分析を行なう。
出用電極との中間部に熱電子放射体を設置してい
るため、陰イオンの引出しが不可能か、あるい
は、きわめて困難であつた。この難点を解消する
ために本発明では、イオン源の構造を第3a図の
ように改めた。ここで、19はバツクシールド用
電極、20は熱電子放射用フイラメント、21は
試料保持用有孔電極(透視性のスポンジ、メツシ
ユ、すだれ、すのこ、または、多孔打抜板)、2
2はイオン引出電極(メツシユまたはスリツト
板)である。固体、または、液体の試料を試料保
持用電極21に積載、または、塗布したのち、試
料保持用電極21とフイラメント20との間の電
位差で加速された熱電子23を試料保持用電極2
1に入射させる。その結果、試料保持用電極21
上の試料24から離脱した陰イオン25は、電子
とともに電極21と電極22との間に印加したイ
オン引出電圧によつて取出したのち、マスアナラ
イザー26によつて、電子の分離と陰イオンの定
性・定量分析を行なう。
第4図は、本発明による上記のイオン源を用い
て、陽イオン27を取出す場合を図示したもので
ある。ここで、28はバツクシールド用電極、2
9は熱電子放射用フイラメント、30は試料保持
用有孔電極、31はイオン引出電極、32は電
子、33し積載または塗布された試料、34はマ
スアナライザーである。電極30と電極31との
間の電位分布が第3図の場合と異なるだけで、電
極類の構造や配置などは同一である。なお、電極
30上の小孔を通過した電子35は、電極30と
電極31との空間内で反射されて、ついには電極
30の表面を衝撃するので、陽イオン27の生成
及び離脱の高効率化に役立つ。
て、陽イオン27を取出す場合を図示したもので
ある。ここで、28はバツクシールド用電極、2
9は熱電子放射用フイラメント、30は試料保持
用有孔電極、31はイオン引出電極、32は電
子、33し積載または塗布された試料、34はマ
スアナライザーである。電極30と電極31との
間の電位分布が第3図の場合と異なるだけで、電
極類の構造や配置などは同一である。なお、電極
30上の小孔を通過した電子35は、電極30と
電極31との空間内で反射されて、ついには電極
30の表面を衝撃するので、陽イオン27の生成
及び離脱の高効率化に役立つ。
本発明では、上述のごとく、試料保持用有孔電
極を熱電子放射体とイオン引出電極との中間部に
設置しているので、離脱した陽イオン、または、
陰イオンの何れでも効率よく引出すことができ
る。また、試料電極としては、目の細いメツシ
ユ、透視性のスポンジ、細密なすだれ、並列間隔
が狭くて各対向面の幅が広いすのこ、あるいは、
小さな孔を沢山開けた板などを採用するので、試
料の保持とイオンの生成・離脱に有効な表面積
が、狭い空間内で非常に広く取れる。従つて、イ
オン源全体の小型化が可能である。
極を熱電子放射体とイオン引出電極との中間部に
設置しているので、離脱した陽イオン、または、
陰イオンの何れでも効率よく引出すことができ
る。また、試料電極としては、目の細いメツシ
ユ、透視性のスポンジ、細密なすだれ、並列間隔
が狭くて各対向面の幅が広いすのこ、あるいは、
小さな孔を沢山開けた板などを採用するので、試
料の保持とイオンの生成・離脱に有効な表面積
が、狭い空間内で非常に広く取れる。従つて、イ
オン源全体の小型化が可能である。
以上のごとく、本発明は陰・陽何れのイオンで
も高効率で生成し、かつ、引出しうる簡便なイオ
ン源となりうる。この特徴は、従来の実施例には
見られなかつたものである。
も高効率で生成し、かつ、引出しうる簡便なイオ
ン源となりうる。この特徴は、従来の実施例には
見られなかつたものである。
以下、本発明による一実施例を第5図により説
明する。
明する。
第5図bは、質量分析計用に設計・製作したイ
オン源の概略断面図である。第5a図は第5b図
のV−V断面図である。36はステンレススチー
ル製のバツクシールド箱、37は熱電子放射用の
螺旋形タングステンフイラメント(直径0.1mm、
全長3cm)、38は開口率50%のステンレイスチ
ール製メツシユ、39はステンレススチール製の
イオン引出用スリツト電極、40はメツシユ取付
枠、41は枠付メツシユ電極着脱用のガイドレー
ル、42はフイラメント取付用のステム、43と
44は共に絶縁体、45は固定用のネジである。
46は熱電子、47は試料、48は陰イオン、4
9は陽イオンである。第5図cは、メツシユ38
とメツシユ取付枠40を示す。
オン源の概略断面図である。第5a図は第5b図
のV−V断面図である。36はステンレススチー
ル製のバツクシールド箱、37は熱電子放射用の
螺旋形タングステンフイラメント(直径0.1mm、
全長3cm)、38は開口率50%のステンレイスチ
ール製メツシユ、39はステンレススチール製の
イオン引出用スリツト電極、40はメツシユ取付
枠、41は枠付メツシユ電極着脱用のガイドレー
ル、42はフイラメント取付用のステム、43と
44は共に絶縁体、45は固定用のネジである。
46は熱電子、47は試料、48は陰イオン、4
9は陽イオンである。第5図cは、メツシユ38
とメツシユ取付枠40を示す。
μgからmg程度の微量の固体(例えばLiHやKF
など)、または、液体(例えばCS2やTiCl4など)
の試料をメツシユ電極38の表面に積載、また
は、塗布したのち、エアーロツク装置50によつ
てガイドレール41の部位に装着する。次に、ヒ
ーター電源51でフイラメント37を1900°K程
度に加熱して2〜3mAの熱電子を放出させ、バ
ツクシールド用電源52と共に電子加速用電源5
3を用いて150eVに加速し、メツシユ電極38に
入射させる。離脱した陰イオン48、または、陽
イオン49は、極性切替スイツチ54に接続した
イオン引出用電源55で300evに加速したのち、
マスアナライザー56に送込む。
など)、または、液体(例えばCS2やTiCl4など)
の試料をメツシユ電極38の表面に積載、また
は、塗布したのち、エアーロツク装置50によつ
てガイドレール41の部位に装着する。次に、ヒ
ーター電源51でフイラメント37を1900°K程
度に加熱して2〜3mAの熱電子を放出させ、バ
ツクシールド用電源52と共に電子加速用電源5
3を用いて150eVに加速し、メツシユ電極38に
入射させる。離脱した陰イオン48、または、陽
イオン49は、極性切替スイツチ54に接続した
イオン引出用電源55で300evに加速したのち、
マスアナライザー56に送込む。
一般に、電子親和力の小さい原子や分子などの
陰イオンを、微量の固体試料から効率よく生成さ
せるための簡便なイオン源は、現在のところ皆無
に等しい。例えば、水素原子とリチウム原子の電
子親和力は、それぞれ0.75及び0.62eVで、ハロゲ
ン原子の電子親和力(3.0〜3.6eV)よりも非常に
小さなため、H-やLi-の生成は一般に困難であ
る。そこで、固体試料として1mgのLiHを選び、
上述の要領で当該イオン源を作動して、単収束の
質量分析計で質量スペクトルを求めてみたとこ
ろ、H-とLi-の鋭いピークスペクトルが容易にえ
られ、しかも、試料の寿命は5時間以上に及ぶこ
とがわかつた。この結果は、(1)スパーク放電型固
体試料用イオン源の場合とは対照的に、脱離した
イオンのエネルギー幅は比較的狭く、従つて、エ
ネルギー収束性を持たない通常の質量分析計に
も、本発明によるイオン源が十分に適用できるこ
と、また、(2)本発明によるイオン源は、従来の固
定試料用表面電極離型陰イオン源とは対照的に、
電子親和力の小さい原子の陰イオンを固体試料か
ら容易に生成できること、さらに、(3)固体試料を
真空装置内で気化させたのちに蒸気を電子衝撃す
る従来の電子衝撃型イオン源と比較すれば、本発
明によるイオン源は、イオン化しない試料の損失
が非常に少なく、従つて、検出感度の向上に役立
つこと、などの特徴がある。なお、イオン源の内
部の真空条件を良好に保つことにより、C-,C2
−,C2H-などのバツクグランドイオンの生成は認
められなかつた。
陰イオンを、微量の固体試料から効率よく生成さ
せるための簡便なイオン源は、現在のところ皆無
に等しい。例えば、水素原子とリチウム原子の電
子親和力は、それぞれ0.75及び0.62eVで、ハロゲ
ン原子の電子親和力(3.0〜3.6eV)よりも非常に
小さなため、H-やLi-の生成は一般に困難であ
る。そこで、固体試料として1mgのLiHを選び、
上述の要領で当該イオン源を作動して、単収束の
質量分析計で質量スペクトルを求めてみたとこ
ろ、H-とLi-の鋭いピークスペクトルが容易にえ
られ、しかも、試料の寿命は5時間以上に及ぶこ
とがわかつた。この結果は、(1)スパーク放電型固
体試料用イオン源の場合とは対照的に、脱離した
イオンのエネルギー幅は比較的狭く、従つて、エ
ネルギー収束性を持たない通常の質量分析計に
も、本発明によるイオン源が十分に適用できるこ
と、また、(2)本発明によるイオン源は、従来の固
定試料用表面電極離型陰イオン源とは対照的に、
電子親和力の小さい原子の陰イオンを固体試料か
ら容易に生成できること、さらに、(3)固体試料を
真空装置内で気化させたのちに蒸気を電子衝撃す
る従来の電子衝撃型イオン源と比較すれば、本発
明によるイオン源は、イオン化しない試料の損失
が非常に少なく、従つて、検出感度の向上に役立
つこと、などの特徴がある。なお、イオン源の内
部の真空条件を良好に保つことにより、C-,C2
−,C2H-などのバツクグランドイオンの生成は認
められなかつた。
第6図は、本発明によるイオン源の性能を例示
したものである。第5図のメツシユ電極38(サ
イズ0.2×0.5cm2)の表面に約10mgのNaHを積載
後、フイラメント37を1900°Kに加熱して、約
2mAの電子電流を電極38に入射させている。
離脱した水素陰イオン量の測定には、180度磁界
偏向型の単収束質量分析計を用いた。第6図の横
軸は試料を衝撃した電子の運動エネルギーで、縦
軸は水素陰イオンの放射電流値である。このグラ
フは、開口率が50%で広さが0.1cm2のメツシユ電
極から、60μAのH-イオンが放射されうることを
示している。なお、このイオン源の寿命(連続作
動時間)は、例えば約10mgのNaHを積載した場
合、約0.1μAのH-電流を8時間以上にわたつて
取出すことができる。また、積載したNaHの利
用効率は、積載密度が約1mg/cm2のときに約5%
であつた。
したものである。第5図のメツシユ電極38(サ
イズ0.2×0.5cm2)の表面に約10mgのNaHを積載
後、フイラメント37を1900°Kに加熱して、約
2mAの電子電流を電極38に入射させている。
離脱した水素陰イオン量の測定には、180度磁界
偏向型の単収束質量分析計を用いた。第6図の横
軸は試料を衝撃した電子の運動エネルギーで、縦
軸は水素陰イオンの放射電流値である。このグラ
フは、開口率が50%で広さが0.1cm2のメツシユ電
極から、60μAのH-イオンが放射されうることを
示している。なお、このイオン源の寿命(連続作
動時間)は、例えば約10mgのNaHを積載した場
合、約0.1μAのH-電流を8時間以上にわたつて
取出すことができる。また、積載したNaHの利
用効率は、積載密度が約1mg/cm2のときに約5%
であつた。
第7a図は、核融合反応装置の中性粒子加熱用
イオン源など強力なイオンビームの生成を必要と
する分野のために、本発明を応用したイオン源の
一例である。第7b図は、第7a図の−断面
図である。57はバツクシールド用の半円筒型電
極、58は熱電子放射用の螺旋形タングステンフ
イラメント(直径0.1mm、全長150cm)、59及び
60は試料保持用の半円筒型メツシユ電極、61
はイオン引出用の平面型メツシユ電極、62,6
3及び64はメツシユ取付枠、65は絶縁体、6
6は電極類組立用のネジ、67は半円形の横蓋、
68はフイラメント取付用のステム、69は絶縁
体、70は横蓋取付用のネジである。また、71
は熱電子、72は陰イオン、73は試料、74は
電子分離用の磁石、75はフイラメント加熱用電
源、76は電子反射用電源、77は電子加速用電
源、78と79はイオン引出用電源、80と81
はイオン引出電圧の極性切替用スイツチである。
電極62,63,64の間隔は何れも5mmで、電
極59と60の極率半径はそれぞれ10mmと20mmで
ある。陰イオンビームを生成する場合には、電極
59→60→61の順番に電位を次第に高くす
る。
イオン源など強力なイオンビームの生成を必要と
する分野のために、本発明を応用したイオン源の
一例である。第7b図は、第7a図の−断面
図である。57はバツクシールド用の半円筒型電
極、58は熱電子放射用の螺旋形タングステンフ
イラメント(直径0.1mm、全長150cm)、59及び
60は試料保持用の半円筒型メツシユ電極、61
はイオン引出用の平面型メツシユ電極、62,6
3及び64はメツシユ取付枠、65は絶縁体、6
6は電極類組立用のネジ、67は半円形の横蓋、
68はフイラメント取付用のステム、69は絶縁
体、70は横蓋取付用のネジである。また、71
は熱電子、72は陰イオン、73は試料、74は
電子分離用の磁石、75はフイラメント加熱用電
源、76は電子反射用電源、77は電子加速用電
源、78と79はイオン引出用電源、80と81
はイオン引出電圧の極性切替用スイツチである。
電極62,63,64の間隔は何れも5mmで、電
極59と60の極率半径はそれぞれ10mmと20mmで
ある。陰イオンビームを生成する場合には、電極
59→60→61の順番に電位を次第に高くす
る。
電極59及び60の表面に固体試料(例えば
CaH2)を積載したのち、真空装置内でフイラメ
ント58を1900°Kに加熱して600mAの電流値の
熱電子を放出さら、150eVに加速して、電極59
及び電極60に衝撃する。電極59から放出され
る陰イオン72は電極60で引出したのち、電極
61でさらに加速・集束して引出す。一方、電極
60から脱離した陰イオンは電極61で加速・集
束される。本実施例によれば、陰イオンが生成さ
れる場所の表面積が、第5図の方式の場合に比べ
て非常に大きくなる。また、電子電流の利用率が
高く、さらに、陰イオンの引出しと集束も同時に
可能なので、大電流の陰イオンビームを簡単に生
成できる。
CaH2)を積載したのち、真空装置内でフイラメ
ント58を1900°Kに加熱して600mAの電流値の
熱電子を放出さら、150eVに加速して、電極59
及び電極60に衝撃する。電極59から放出され
る陰イオン72は電極60で引出したのち、電極
61でさらに加速・集束して引出す。一方、電極
60から脱離した陰イオンは電極61で加速・集
束される。本実施例によれば、陰イオンが生成さ
れる場所の表面積が、第5図の方式の場合に比べ
て非常に大きくなる。また、電子電流の利用率が
高く、さらに、陰イオンの引出しと集束も同時に
可能なので、大電流の陰イオンビームを簡単に生
成できる。
一方、陽イオンを生成する場合には、電極59
のみに試料を積載・塗布したのち、スイツチ78
と79でイオン引出電圧の極性を切替えて、電極
59→60→61の順番に電位を低くすることに
より、電極59から放射された陽イオンを効率よ
く取出すことができる。イオン源の構造は陰イオ
ンを生成する場合と同じであるから、陽イオンの
場合にも陰イオンの場合と同様に、効率的なイオ
ンの生成効果がえられる。
のみに試料を積載・塗布したのち、スイツチ78
と79でイオン引出電圧の極性を切替えて、電極
59→60→61の順番に電位を低くすることに
より、電極59から放射された陽イオンを効率よ
く取出すことができる。イオン源の構造は陰イオ
ンを生成する場合と同じであるから、陽イオンの
場合にも陰イオンの場合と同様に、効率的なイオ
ンの生成効果がえられる。
LiHやNaHの固体試料からH-ビームのみを取
出すためには、同時に生成されるLi-やNa-をウ
イーンフイルターやマスフイルターなどで分離す
る必要があり、従つて、この分離操作の過程で、
肝心のH-ビームにかなりの損失を生じることに
なる。しかし、CaH2を用いる場合には、Caの電
子親和力が負の値をもつため、Ca-は全く生成さ
れない。従つて、CaH2の電子衝撃によつて生成
される陰イオンはH-のみとなり、弱い磁界で電
子を除去するだけで、純粋なH-ビームが容易に
取出せることになる。そこで、第7図の電極59
及び60の表面に約1mg/cm2のCaH2を積載後、
150eVの熱電子で衝撃したところ、5時間以上に
わたつて約1μA/cm2のH-イオン電流がえられた。
この生成密度はLiH及びNaHの場合に比べると、
それぞれ約8%及び0.2%に過ぎない。しかし、
(1)第7図のように試料保持電極の有効面積を広く
(約30cm2)取り、かつ、(2)当該イオン源を多数個
並列に採用することによりCaH2から単一成分の
強力なH-ビームを効率的に取出せることができ
る。
出すためには、同時に生成されるLi-やNa-をウ
イーンフイルターやマスフイルターなどで分離す
る必要があり、従つて、この分離操作の過程で、
肝心のH-ビームにかなりの損失を生じることに
なる。しかし、CaH2を用いる場合には、Caの電
子親和力が負の値をもつため、Ca-は全く生成さ
れない。従つて、CaH2の電子衝撃によつて生成
される陰イオンはH-のみとなり、弱い磁界で電
子を除去するだけで、純粋なH-ビームが容易に
取出せることになる。そこで、第7図の電極59
及び60の表面に約1mg/cm2のCaH2を積載後、
150eVの熱電子で衝撃したところ、5時間以上に
わたつて約1μA/cm2のH-イオン電流がえられた。
この生成密度はLiH及びNaHの場合に比べると、
それぞれ約8%及び0.2%に過ぎない。しかし、
(1)第7図のように試料保持電極の有効面積を広く
(約30cm2)取り、かつ、(2)当該イオン源を多数個
並列に採用することによりCaH2から単一成分の
強力なH-ビームを効率的に取出せることができ
る。
本発明によれば、以下に述べる(1)〜(6)の効果が
えられる。
えられる。
(1) 試料の採択範囲の拡大
固体試料から陰イオンを生成する方法として
は、例えば表面電離型イオン源が広く活用されて
いる。しかし、この方法によれば、電子親和力が
一般に2eV以上の原子や原子団のみが陰イオン化
の対象になりうるだけである。従つて、表面電離
型陰イオン源の応用範囲は狭く、威力を発揮する
のは、例えばハロゲン化合物などの特定な試料に
限られている。
は、例えば表面電離型イオン源が広く活用されて
いる。しかし、この方法によれば、電子親和力が
一般に2eV以上の原子や原子団のみが陰イオン化
の対象になりうるだけである。従つて、表面電離
型陰イオン源の応用範囲は狭く、威力を発揮する
のは、例えばハロゲン化合物などの特定な試料に
限られている。
ところが、本発明のイオン源には、電子親和力
が0.75eVのHや0.62eVのLi原子でも容易に陰イ
オン化できる特徴がある。これは、固体試料自身
の表面特性(特に、仕事関数の値が小さな活性点
が、化合物の表面には一般に存在しうること)
を、有効に利用しうるためである。従つて、当該
イオン源の採用は、生成可能な陰イオンの種類及
び採択可能な固体試料の種類を、いずれも増大さ
せる効果がある。
が0.75eVのHや0.62eVのLi原子でも容易に陰イ
オン化できる特徴がある。これは、固体試料自身
の表面特性(特に、仕事関数の値が小さな活性点
が、化合物の表面には一般に存在しうること)
を、有効に利用しうるためである。従つて、当該
イオン源の採用は、生成可能な陰イオンの種類及
び採択可能な固体試料の種類を、いずれも増大さ
せる効果がある。
(2) イオン化効率の向上
ガスまたは蒸気を試料とする電子衝撃型イオン
源は、従来から広く使われている。しかし、気体
分子と電子とが気相中で衝突する確率は非常に小
さいので、一般に、試料の99%以上は無駄に排気
されてしまうだけである。
源は、従来から広く使われている。しかし、気体
分子と電子とが気相中で衝突する確率は非常に小
さいので、一般に、試料の99%以上は無駄に排気
されてしまうだけである。
ところが、本発明のイオン源では、試料が2次
元的に存在する電極表面に照射させるので、電子
と試料分子との衝突確率が高い。例えば、NaH
を150eVの電子線で照射した場合のイオン収率
を、入射電子電流に対する放出イオン電流の割合
と定義すると、その値は4%に達する。このよう
に、当該イオン源は、イオンの生成効率を増大さ
せる効果がある。
元的に存在する電極表面に照射させるので、電子
と試料分子との衝突確率が高い。例えば、NaH
を150eVの電子線で照射した場合のイオン収率
を、入射電子電流に対する放出イオン電流の割合
と定義すると、その値は4%に達する。このよう
に、当該イオン源は、イオンの生成効率を増大さ
せる効果がある。
(3) 単一成分の陰イオンビームの生成
電子親和力の値が正の元素を1種類だけ含む化
合物を試料に選べば、当該元素のみによる単一成
分の陰イオンビームを生成することが可能であ
る。例えば、CaH2を採用すると、CaとHの電子
親和力はそれぞれ−1.6及び0.75eVであるから、
Ca-は決して生成されない。従つて、このような
試料選択法を本発明のイオン源に適用すれば、ウ
イーンフイルターやマスフイルターなどを併用す
ることなく、熱電子の分離用に弱い磁界を利用す
るだけで、単一成分の陰イオンビームを容易に取
出せる効果がえられる。
合物を試料に選べば、当該元素のみによる単一成
分の陰イオンビームを生成することが可能であ
る。例えば、CaH2を採用すると、CaとHの電子
親和力はそれぞれ−1.6及び0.75eVであるから、
Ca-は決して生成されない。従つて、このような
試料選択法を本発明のイオン源に適用すれば、ウ
イーンフイルターやマスフイルターなどを併用す
ることなく、熱電子の分離用に弱い磁界を利用す
るだけで、単一成分の陰イオンビームを容易に取
出せる効果がえられる。
(4) 排気系に対する負荷の軽減
ガスを試料とする従来のイオン源の場合、例え
ば、水素ガス中でアーク放電によつてH-を生成
させる場合には、未イオン化の水素ガスを排気す
るため大型の真空ポンプが必要である。
ば、水素ガス中でアーク放電によつてH-を生成
させる場合には、未イオン化の水素ガスを排気す
るため大型の真空ポンプが必要である。
しかし、本発明のイオン源では、例えば、H-
をNaHなどの固体試料から生成できるので、イ
オンビーム生成装置の真空保持用ポンプは、小型
のもので十分である。従つて、当該イオン源を採
用することにより、イオンビーム生成装置の低価
格化が実現できる。
をNaHなどの固体試料から生成できるので、イ
オンビーム生成装置の真空保持用ポンプは、小型
のもので十分である。従つて、当該イオン源を採
用することにより、イオンビーム生成装置の低価
格化が実現できる。
(5) 装置の小型化
本イオン源はその構造が簡単であるため、全体
の大きさを1cm3以内に小型化することも容易であ
る。従つて、簡便な陰イオン源または陽イオン源
として、比較的小型の実験装置内にも容易に組込
める利点がある。
の大きさを1cm3以内に小型化することも容易であ
る。従つて、簡便な陰イオン源または陽イオン源
として、比較的小型の実験装置内にも容易に組込
める利点がある。
(6) 製作材料の採択範囲の拡大
表面電離法によつて陰イオンを生成する場合に
は、イオン生成用の表面材料として、仕事関数の
値が小さく(陽イオン化の場合には、大きく)、
かつ、融点が2000°K以上の耐熱性の金属、また
は、半金属などの特殊な材料を採用することが、
一般に必要である。
は、イオン生成用の表面材料として、仕事関数の
値が小さく(陽イオン化の場合には、大きく)、
かつ、融点が2000°K以上の耐熱性の金属、また
は、半金属などの特殊な材料を採用することが、
一般に必要である。
しかし、電子衝撃脱離法を利用する場合には、
固体試料自体の表面特性と衝撃電子の運動エネル
ギーとを利用して、イオンの生成と脱離とを行な
わせるので、試料電極用材料の採択に当つては、
耐熱性や仕事関数の大小などを考慮する必要はな
い。従つて、イオン源の構成材料としては、熱電
子放射用フイラメントを除いて、ステンレススチ
ールや銅などのように、安価で加工性に富んだ金
属材料を自由に選択できる効果がある。
固体試料自体の表面特性と衝撃電子の運動エネル
ギーとを利用して、イオンの生成と脱離とを行な
わせるので、試料電極用材料の採択に当つては、
耐熱性や仕事関数の大小などを考慮する必要はな
い。従つて、イオン源の構成材料としては、熱電
子放射用フイラメントを除いて、ステンレススチ
ールや銅などのように、安価で加工性に富んだ金
属材料を自由に選択できる効果がある。
第1a図は従来例による陽イオン用イオン源の
断面図、第1b図はその電位図、第2a図は従来
例による陰イオン源の断面図、第2b図はその電
位図、第3a図は本発明による陰イオン用イオン
源の断面図、第3b図はその電位図、第4a図は
本発明による陽イオン用イオン源の断面図、第4
b図はその電位図、第5図は本発明による実施例
の断面図であり第5a図は第5b図のV−V断面
図、第5c図は第5b図中のメツシユを示す図、
第6図は本発明の一実施例であるイオン源の性能
の例示図、第7図は本発明の他の実施例の断面図
であり、第7b図は第7a図の−断面図であ
る。 19,28,36,57……バツクシールド用
電極、20,29,37,58……熱電子放射用
フイラメント、21,30,38,59,60…
…試料保持用有孔電極、22,31,39,61
……イオン引出用電極。
断面図、第1b図はその電位図、第2a図は従来
例による陰イオン源の断面図、第2b図はその電
位図、第3a図は本発明による陰イオン用イオン
源の断面図、第3b図はその電位図、第4a図は
本発明による陽イオン用イオン源の断面図、第4
b図はその電位図、第5図は本発明による実施例
の断面図であり第5a図は第5b図のV−V断面
図、第5c図は第5b図中のメツシユを示す図、
第6図は本発明の一実施例であるイオン源の性能
の例示図、第7図は本発明の他の実施例の断面図
であり、第7b図は第7a図の−断面図であ
る。 19,28,36,57……バツクシールド用
電極、20,29,37,58……熱電子放射用
フイラメント、21,30,38,59,60…
…試料保持用有孔電極、22,31,39,61
……イオン引出用電極。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 イオン引出電極と熱電子放射体との中間部に
試料保持用の有孔電極を設置し、この有孔電極の
背面方向から試料を電子衝撃することによつて陰
イオン、または、陽イオンを効率よく生成・脱離
させると共に、イオン引出電極によつてイオンビ
ームを取り出すことを特徴とするイオン源。 2 電子親和力の値が正の元素を1種類あるいは
数種類含む化合物を試料として電子衝撃すること
によつて、当該元素の陰イオンのみを高い効率で
生成することを特徴とする特許請求の範囲第1項
に記載のイオン源。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58164993A JPS6059635A (ja) | 1983-09-09 | 1983-09-09 | イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58164993A JPS6059635A (ja) | 1983-09-09 | 1983-09-09 | イオン源 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6059635A JPS6059635A (ja) | 1985-04-06 |
| JPH0439177B2 true JPH0439177B2 (ja) | 1992-06-26 |
Family
ID=15803799
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58164993A Granted JPS6059635A (ja) | 1983-09-09 | 1983-09-09 | イオン源 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6059635A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007194094A (ja) * | 2006-01-20 | 2007-08-02 | Shimadzu Corp | 質量分析装置 |
| JP7498653B2 (ja) * | 2020-12-09 | 2024-06-12 | シャープ株式会社 | イオン生成装置およびイオン移動度分析装置 |
-
1983
- 1983-09-09 JP JP58164993A patent/JPS6059635A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6059635A (ja) | 1985-04-06 |
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