JPH044392B2 - - Google Patents
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- JPH044392B2 JPH044392B2 JP57203461A JP20346182A JPH044392B2 JP H044392 B2 JPH044392 B2 JP H044392B2 JP 57203461 A JP57203461 A JP 57203461A JP 20346182 A JP20346182 A JP 20346182A JP H044392 B2 JPH044392 B2 JP H044392B2
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
本発明は精密フイルター、防虫剤、又はガラス
およびプリント基板等への印刷用等として用いる
フアインメツシユ金網の繊成に好適に採用しうる
フアインメツシユ金網用ステンレス鋼細線に関す
る。 ステンレス鋼細線、とくに50μm程度以下の直
径の微細線を編成してなる精密金鋼、いわゆるフ
アインメツシユ金網が多用されつつあるが、この
ような用途に用いるフアインメツシユ金網用ステ
ンレス網細線(以下単にステンレス鋼細線とい
う)は、連続した線引き中での引き切れを防いで
生産および歩留りを向上し、又メツシユに繊成す
る際の作業性等の観点から、大きい引張強さと耐
力(以下両者を含め強度という)を有するととも
に、高い伸び率を具え、しかもキンクが発生しに
くいものであることが要請されている。しかしな
がら、一般にステンレス鋼においては強度と伸び
率との両特性は二律背反の特性となる。他方、編
成された後の精密金鋼としては、耐摩耗性と高強
度であり、しかも、歪、編目のずれを防ぎ又長い
耐久寿命をうるには、伸び律は反対に小であるの
が望ましい。 また、熱処理後の材料は、熱処理加工前の、加
工率、加工温度等の伸線加工条件によつて異な
り、熱処理後において高い強度をうるには、加工
硬化性に優れた材料を用いるとともに、その前加
工である伸線加工において大きな加工率を設定す
る必要があることが知られている。 しかし、ステンレス鋼のうちで加工硬化性の優
れた鋼種として、いわゆる18−8系で代表される
SUS304(JIS規格)ステンレス鋼があり、この
SUS304ステンレス鋼の化学成分は、炭素0.08%
以下、ケイ素1%以下、マンガン2%以下、リン
0.040%以下、硫黄0.030%以下、ニツケル8.00〜
10.50%、クロム18.00〜20.00%、その他若干の成
分を含有するものであるが、この鋼種は、その組
成とともに鋼中に存在する非金属介在物にも起因
して伸線加工性に劣り極細線(50μm程度以下)
にまで伸線することは極めて困難であつた。 なお、ステンレス鋼線としてSUS316(JIS規
格)ステンレス鋼があるが、この鋼種は比較的大
きい伸び率を有するものの、強度不足によつて引
き切れが生じやすい。ただし伸び率(標点距離
100mmにおける伸び率をいう、以下同じ)につ
いても、その限界が、35%程度であり伸び率もあ
まり大とはいいえない。 又これらの鋼種を、編成するときには、強度が
小であることにより硬度も低く、従つて弾性率が
相対的に小となるためいわゆるキンクが発生しや
すく、又伸び率、強度も低く断線も生じやすい等
作業能率に劣る。又織成に伴なう加工により強度
は増加するとはいえ、その加工硬化率が低いた
め、織成により得られる精密金鋼の腰が弱いとい
う欠点がある。それは第3図に比較材2として従
来の鋼種(SUS316ステンレス鋼)の場合を示す
ように、比較材2は、初期における伸び率が大で
ない一方、加工に伴い伸び率が低下する度合、勾
配が小であることに起因しており、その結果、編
成後においても伸びが発生し易すく、得られた金
鋼に歪、網目のズレが生じがちであり、長期にわ
たり、正しい網目を維持しえないという前記欠点
を招き、さらに、強度に相応して必然的に耐摩耗
性にも劣るという問題点があつた。 従つて高い強度と、高い伸び率とを併有し、伸
線性、耐摩耗性に優れ、しかも腰が強い精密金網
を織成しうるステンレス鋼細線の開発が希求され
ていた。なおステンレス鋼線の前記した各特性
は、鋼種、伸線加工率、伸線温度や伸線速度、さ
らには非金属介在物による影響が考えられるが、
本発明者は主として鋼種即ちステンレス鋼の化学
成分の観点からの研究の結果、本発明を完成した
ものであつて、本発明は、炭素C0.05%以下、ケ
イ素Si0.5%以下、マンガンMnが0.5%以下、リ
ンP0.045%以下、硫黄Sが0.030%以下、ニツケ
ルNiが8.0〜11.0%、クロムCrが17.0〜20.0%、モ
リブデンMoが0.6%以下、窒素Nが0.06%〜0.10
%で残りは実質的に鉄からなり、かつ次式で示さ
れるニツケル当量が21〜23%の範囲であつてしか
も引張強さが90Kgf/mm2以上、伸び率が40%以上
を有することを特徴とするステンレス鋼細線であ
る。 ニツケル当量=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+
0.35Si+12.6(C+N) ここで、炭素Cは強力なオーステナイト生成元素
であり、強度を増大させる反面、炭化物を形成
し、種々の組織欠陥を発生させやすいため、0.05
%以下とした。 ケイ組Siは脱酸剤であり、かつ強力なフエライ
ト生成元素である。一般にケイ素を含有すること
によつて、引張強さ、弾性限を増加させるとはい
え、じん性をも減少させやすく、従つて0.5%以
下とした。 マンガンMnは脱硫、脱酸剤として作用する
が、耐食性を劣化させるため、0.5%以下とした。 ニツケルNiはステンレス鋼の基本的元素であ
り、オーステナイトを安定させ、耐食性を向上す
るが、強度を低下させるため、8.0〜11.0%、好
ましくは8.0〜9.0%と低目にした。 クロムCrもステンレス鋼の基本的元素であり、
耐酸化性を向上させるとはいえ、硬さ、引張強
さ、n値を低下する傾向があるため、17.0〜20.0
%、好ましくは18.0〜19.0%と低目とした。 モリブデンMoは基地を強化し、さらに炭化物
を形成して高温強さ、クリープ破断強さを高め、
じん性を改善できるため、0.6%以下を含有させ
る。 窒素Nは結晶粒を著しく微細化し、じん性を向
上するため0.06%〜0.10%を含有させる。 又その他の元素として、リンP0.045%以下、イ
オウS0.030%以下とし、又残余は実質的に鉄から
なる。 上記成分元素はニツケル当量が21〜23%、好ま
しくは21〜22.5%に調整する。 ここでニツケル当量は、熱化学的立場から導入
された化学組成上のオーステナイト安定度を示す
値であり、固溶化処理した材料について、ニツケ
ル当量と引張度、伸び率は実験により第1図に示
す状態となることが判明した。 即ち、引張強さは、ニツケル当量が低くなるほ
ど増加する反面、23%程度を境にそれ以降はほぼ
横ばいとなる。又ニツケル当量21%では約120Kg
f/mm2、同23%で約102Kgf/mm2、同24%で約95
Kgf/mm2、を示しており、それ以降は90Kgf/mm2
程度で大して変化しないことを示している。 他方、伸び率については、ニツケル当量が23%
である点を頂点とし、例えばニツケル当量21%で
は伸び率約40%、同23%では伸び率約50%を示し
それ以降はニツケルNi当量の増加に伴つて減少
していることがわかる。なお第1図は本発明の完
成過程において、得られた本発明の実施例品を示
しており、熱処理条件(温度、速度)等によつて
数値自体は変化するが、ほぼ同様な傾向を示すも
のである。 本発明では、引張り強さが90Kgf/mm2以上かつ
伸びが40%以上を併有しうるよう、ニツケル当量
を21〜23%上の範囲に設定している。 これは引張強度と伸び率のバランスがよく、メ
ツシユの織成に際して、経験上、最も作業性に優
れた範囲の値である。つまり、ボビンを走行させ
ながら織るシヤトル方式、爪でワイヤで引掛けつ
つ織成するバンドレピア方式の、いずれの自動機
機においても、1サイクル当り、0.5〜1秒(1
〜2m/秒)と、糸は高速で移動するため、伸び
率を増加することによつて移動に伴うシヨツクを
材料内部で吸収させ、同時に材料の引張り強さ
も、できる限り大きく設定することにより断線を
防ぎうるのであり、又強度を高めることは、弾性
率が増し、織成時のキンクの発生を抑制しうると
ともに硬度が向上することにより、編成された金
網の耐摩耗性も良好であり耐久寿命を改善できる
のである。 又窒素Nを0.06%〜0.10%含有させることによ
つて、結晶粒を微細化させ材料の基地のじん性を
増大させ伸線加工時の引抜き応力を低下させうる
のであつて、かかる観点により成分値の他、ニツ
ケル当量、引張強度、伸び率を前記範囲に設定し
たものである。 なお本発明のステンレス鋼細線の製造にあたつ
ては、非金属介在物を抑止する必要がある。通常
ステンレス鋼には各種の非金属介在物が包含され
るが、線径の太い場合は伸線上ほとんど影響ない
が、線径が50μm以下の極細線では伸線や織成時
の断線を惹起し作業効率を著しく低下する原因と
なる。この非金属介在物はほとんど粒状であり、
熱間圧延や伸線加工によつても微細化、変形され
にくいものであり、従つて本発明の実施のために
はこれらの非金属介在物の発生を極力抑止するた
め厳選された原料を用いるとともに、例えば真空
溶解等の溶解を入念に繰り返すことにより、非金
属介在物を除去せしめ清浄化した処理棒鋼を用い
る。この清浄化の度合いは、非金属介在物の最大
直径が5μm以下とする。また断面において、2
mm2当たりの非金属介在物の合計面積を80×10-6mm2
以下とするのがよい。かかる面積は、断面を、50
視野、即ち50回、順次場所を違えて例えば400倍
の顕微鏡により観察することはよつて測定する。
顕微鏡の視野は、試料を一辺0.2mmの方形の範囲、
即ち0.04mm2を1観察によつて測定する。さらに伸
線加工においては、熱処理を繰り返しながら細線
化し、最終の伸線加工率を90%以上に加工した
後、約900度以上の温度で固溶化熱処理すること
により微小径のステンレス鋼を得る。 実施例 (1) 鋼種 炭素、ケイ素、マンガン、ニツケル、クロム
を低減し、窒素量、ニツケル当量を調整しつ
つ、真空溶解を繰返し、熱間圧延によつて第1
表に示す組成のステンレス鋼の5.5φmmの処理棒
鋼を製造した。 なお比較材1,2として選定したSUS304、
SUS316ステンレス鋼線の成分を第1表に併記
している。
およびプリント基板等への印刷用等として用いる
フアインメツシユ金網の繊成に好適に採用しうる
フアインメツシユ金網用ステンレス鋼細線に関す
る。 ステンレス鋼細線、とくに50μm程度以下の直
径の微細線を編成してなる精密金鋼、いわゆるフ
アインメツシユ金網が多用されつつあるが、この
ような用途に用いるフアインメツシユ金網用ステ
ンレス網細線(以下単にステンレス鋼細線とい
う)は、連続した線引き中での引き切れを防いで
生産および歩留りを向上し、又メツシユに繊成す
る際の作業性等の観点から、大きい引張強さと耐
力(以下両者を含め強度という)を有するととも
に、高い伸び率を具え、しかもキンクが発生しに
くいものであることが要請されている。しかしな
がら、一般にステンレス鋼においては強度と伸び
率との両特性は二律背反の特性となる。他方、編
成された後の精密金鋼としては、耐摩耗性と高強
度であり、しかも、歪、編目のずれを防ぎ又長い
耐久寿命をうるには、伸び律は反対に小であるの
が望ましい。 また、熱処理後の材料は、熱処理加工前の、加
工率、加工温度等の伸線加工条件によつて異な
り、熱処理後において高い強度をうるには、加工
硬化性に優れた材料を用いるとともに、その前加
工である伸線加工において大きな加工率を設定す
る必要があることが知られている。 しかし、ステンレス鋼のうちで加工硬化性の優
れた鋼種として、いわゆる18−8系で代表される
SUS304(JIS規格)ステンレス鋼があり、この
SUS304ステンレス鋼の化学成分は、炭素0.08%
以下、ケイ素1%以下、マンガン2%以下、リン
0.040%以下、硫黄0.030%以下、ニツケル8.00〜
10.50%、クロム18.00〜20.00%、その他若干の成
分を含有するものであるが、この鋼種は、その組
成とともに鋼中に存在する非金属介在物にも起因
して伸線加工性に劣り極細線(50μm程度以下)
にまで伸線することは極めて困難であつた。 なお、ステンレス鋼線としてSUS316(JIS規
格)ステンレス鋼があるが、この鋼種は比較的大
きい伸び率を有するものの、強度不足によつて引
き切れが生じやすい。ただし伸び率(標点距離
100mmにおける伸び率をいう、以下同じ)につ
いても、その限界が、35%程度であり伸び率もあ
まり大とはいいえない。 又これらの鋼種を、編成するときには、強度が
小であることにより硬度も低く、従つて弾性率が
相対的に小となるためいわゆるキンクが発生しや
すく、又伸び率、強度も低く断線も生じやすい等
作業能率に劣る。又織成に伴なう加工により強度
は増加するとはいえ、その加工硬化率が低いた
め、織成により得られる精密金鋼の腰が弱いとい
う欠点がある。それは第3図に比較材2として従
来の鋼種(SUS316ステンレス鋼)の場合を示す
ように、比較材2は、初期における伸び率が大で
ない一方、加工に伴い伸び率が低下する度合、勾
配が小であることに起因しており、その結果、編
成後においても伸びが発生し易すく、得られた金
鋼に歪、網目のズレが生じがちであり、長期にわ
たり、正しい網目を維持しえないという前記欠点
を招き、さらに、強度に相応して必然的に耐摩耗
性にも劣るという問題点があつた。 従つて高い強度と、高い伸び率とを併有し、伸
線性、耐摩耗性に優れ、しかも腰が強い精密金網
を織成しうるステンレス鋼細線の開発が希求され
ていた。なおステンレス鋼線の前記した各特性
は、鋼種、伸線加工率、伸線温度や伸線速度、さ
らには非金属介在物による影響が考えられるが、
本発明者は主として鋼種即ちステンレス鋼の化学
成分の観点からの研究の結果、本発明を完成した
ものであつて、本発明は、炭素C0.05%以下、ケ
イ素Si0.5%以下、マンガンMnが0.5%以下、リ
ンP0.045%以下、硫黄Sが0.030%以下、ニツケ
ルNiが8.0〜11.0%、クロムCrが17.0〜20.0%、モ
リブデンMoが0.6%以下、窒素Nが0.06%〜0.10
%で残りは実質的に鉄からなり、かつ次式で示さ
れるニツケル当量が21〜23%の範囲であつてしか
も引張強さが90Kgf/mm2以上、伸び率が40%以上
を有することを特徴とするステンレス鋼細線であ
る。 ニツケル当量=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+
0.35Si+12.6(C+N) ここで、炭素Cは強力なオーステナイト生成元素
であり、強度を増大させる反面、炭化物を形成
し、種々の組織欠陥を発生させやすいため、0.05
%以下とした。 ケイ組Siは脱酸剤であり、かつ強力なフエライ
ト生成元素である。一般にケイ素を含有すること
によつて、引張強さ、弾性限を増加させるとはい
え、じん性をも減少させやすく、従つて0.5%以
下とした。 マンガンMnは脱硫、脱酸剤として作用する
が、耐食性を劣化させるため、0.5%以下とした。 ニツケルNiはステンレス鋼の基本的元素であ
り、オーステナイトを安定させ、耐食性を向上す
るが、強度を低下させるため、8.0〜11.0%、好
ましくは8.0〜9.0%と低目にした。 クロムCrもステンレス鋼の基本的元素であり、
耐酸化性を向上させるとはいえ、硬さ、引張強
さ、n値を低下する傾向があるため、17.0〜20.0
%、好ましくは18.0〜19.0%と低目とした。 モリブデンMoは基地を強化し、さらに炭化物
を形成して高温強さ、クリープ破断強さを高め、
じん性を改善できるため、0.6%以下を含有させ
る。 窒素Nは結晶粒を著しく微細化し、じん性を向
上するため0.06%〜0.10%を含有させる。 又その他の元素として、リンP0.045%以下、イ
オウS0.030%以下とし、又残余は実質的に鉄から
なる。 上記成分元素はニツケル当量が21〜23%、好ま
しくは21〜22.5%に調整する。 ここでニツケル当量は、熱化学的立場から導入
された化学組成上のオーステナイト安定度を示す
値であり、固溶化処理した材料について、ニツケ
ル当量と引張度、伸び率は実験により第1図に示
す状態となることが判明した。 即ち、引張強さは、ニツケル当量が低くなるほ
ど増加する反面、23%程度を境にそれ以降はほぼ
横ばいとなる。又ニツケル当量21%では約120Kg
f/mm2、同23%で約102Kgf/mm2、同24%で約95
Kgf/mm2、を示しており、それ以降は90Kgf/mm2
程度で大して変化しないことを示している。 他方、伸び率については、ニツケル当量が23%
である点を頂点とし、例えばニツケル当量21%で
は伸び率約40%、同23%では伸び率約50%を示し
それ以降はニツケルNi当量の増加に伴つて減少
していることがわかる。なお第1図は本発明の完
成過程において、得られた本発明の実施例品を示
しており、熱処理条件(温度、速度)等によつて
数値自体は変化するが、ほぼ同様な傾向を示すも
のである。 本発明では、引張り強さが90Kgf/mm2以上かつ
伸びが40%以上を併有しうるよう、ニツケル当量
を21〜23%上の範囲に設定している。 これは引張強度と伸び率のバランスがよく、メ
ツシユの織成に際して、経験上、最も作業性に優
れた範囲の値である。つまり、ボビンを走行させ
ながら織るシヤトル方式、爪でワイヤで引掛けつ
つ織成するバンドレピア方式の、いずれの自動機
機においても、1サイクル当り、0.5〜1秒(1
〜2m/秒)と、糸は高速で移動するため、伸び
率を増加することによつて移動に伴うシヨツクを
材料内部で吸収させ、同時に材料の引張り強さ
も、できる限り大きく設定することにより断線を
防ぎうるのであり、又強度を高めることは、弾性
率が増し、織成時のキンクの発生を抑制しうると
ともに硬度が向上することにより、編成された金
網の耐摩耗性も良好であり耐久寿命を改善できる
のである。 又窒素Nを0.06%〜0.10%含有させることによ
つて、結晶粒を微細化させ材料の基地のじん性を
増大させ伸線加工時の引抜き応力を低下させうる
のであつて、かかる観点により成分値の他、ニツ
ケル当量、引張強度、伸び率を前記範囲に設定し
たものである。 なお本発明のステンレス鋼細線の製造にあたつ
ては、非金属介在物を抑止する必要がある。通常
ステンレス鋼には各種の非金属介在物が包含され
るが、線径の太い場合は伸線上ほとんど影響ない
が、線径が50μm以下の極細線では伸線や織成時
の断線を惹起し作業効率を著しく低下する原因と
なる。この非金属介在物はほとんど粒状であり、
熱間圧延や伸線加工によつても微細化、変形され
にくいものであり、従つて本発明の実施のために
はこれらの非金属介在物の発生を極力抑止するた
め厳選された原料を用いるとともに、例えば真空
溶解等の溶解を入念に繰り返すことにより、非金
属介在物を除去せしめ清浄化した処理棒鋼を用い
る。この清浄化の度合いは、非金属介在物の最大
直径が5μm以下とする。また断面において、2
mm2当たりの非金属介在物の合計面積を80×10-6mm2
以下とするのがよい。かかる面積は、断面を、50
視野、即ち50回、順次場所を違えて例えば400倍
の顕微鏡により観察することはよつて測定する。
顕微鏡の視野は、試料を一辺0.2mmの方形の範囲、
即ち0.04mm2を1観察によつて測定する。さらに伸
線加工においては、熱処理を繰り返しながら細線
化し、最終の伸線加工率を90%以上に加工した
後、約900度以上の温度で固溶化熱処理すること
により微小径のステンレス鋼を得る。 実施例 (1) 鋼種 炭素、ケイ素、マンガン、ニツケル、クロム
を低減し、窒素量、ニツケル当量を調整しつ
つ、真空溶解を繰返し、熱間圧延によつて第1
表に示す組成のステンレス鋼の5.5φmmの処理棒
鋼を製造した。 なお比較材1,2として選定したSUS304、
SUS316ステンレス鋼線の成分を第1表に併記
している。
【表】
第1表は試験に先立ち、チエツク分析した値を
示す。 (2) 伸線性 この処理棒鋼を伸線、熱処理行程をくり返し
ながら細線化し、最終伸線加工率99.3%で
0.030φmmに伸線した。 比較材1のSUS304材は、各含有成分値の
内、炭素、ケイ素、マンガンの比率が大、又窒
素が小であること等によつて、材料の強度、じ
ん性に劣り、引抜き抵抗が大きく糸切れのた
め、最大93%しか伸線できず、0.030φmmの極細
線を得ることはできなかつた。 一方、比較材2のSUS316材は、高い加工率
(99.3%)がえられたが、第2図に示すごとく、
加工による引張強さの増加即ち加工硬化性が本
発明材と比べ大きく劣る。なおこの差は、最終
熱処理後の強度においてもそのまま現れる。 他方、実施例材は、99.3%加工の伸線加工も
可能であり、しかも99.3%加工率における引張
強さは第2図に示すように、310Kgf/mm2と非
常に高い数値を示した。 (3) 最終熱処理後の特性 (a) 伸線後に電気焼鈍炉内かつ無酸化雰囲気中
において1050℃の固溶化熱処理を行なつた結
果を第2表に示す(比較材1は引切れのため
測定できず)。 実施例材は、引張強さ100.7Kgf/mm2、伸
び率48%であり、比較材2のSUS316材に比
して、大巾に優れていることが判る。
示す。 (2) 伸線性 この処理棒鋼を伸線、熱処理行程をくり返し
ながら細線化し、最終伸線加工率99.3%で
0.030φmmに伸線した。 比較材1のSUS304材は、各含有成分値の
内、炭素、ケイ素、マンガンの比率が大、又窒
素が小であること等によつて、材料の強度、じ
ん性に劣り、引抜き抵抗が大きく糸切れのた
め、最大93%しか伸線できず、0.030φmmの極細
線を得ることはできなかつた。 一方、比較材2のSUS316材は、高い加工率
(99.3%)がえられたが、第2図に示すごとく、
加工による引張強さの増加即ち加工硬化性が本
発明材と比べ大きく劣る。なおこの差は、最終
熱処理後の強度においてもそのまま現れる。 他方、実施例材は、99.3%加工の伸線加工も
可能であり、しかも99.3%加工率における引張
強さは第2図に示すように、310Kgf/mm2と非
常に高い数値を示した。 (3) 最終熱処理後の特性 (a) 伸線後に電気焼鈍炉内かつ無酸化雰囲気中
において1050℃の固溶化熱処理を行なつた結
果を第2表に示す(比較材1は引切れのため
測定できず)。 実施例材は、引張強さ100.7Kgf/mm2、伸
び率48%であり、比較材2のSUS316材に比
して、大巾に優れていることが判る。
【表】
(b) 加工率の増加による伸び率の低下を測定し
た結果を第3図に示す。 実施例品は比較材2に比べて加工による伸
び率の低下度合、勾配が大であり加工による
硬化の度合が大きいことが判る。 (4) メツシユ繊維後の材料特性 編成後の特性を比較した結果を第3表に示
す。なお織成によつて材料は波付けされており
さらに経糸、緯糸の交点には凹部が発生してい
るため、引張試験に代えて材料の硬度(マイク
ロビカース硬度)を測定し、引張強さと伸び率
を推定した。 実施例材は引張強さが大である一方、加工後
では伸び率が低下しているのが判る。
た結果を第3図に示す。 実施例品は比較材2に比べて加工による伸
び率の低下度合、勾配が大であり加工による
硬化の度合が大きいことが判る。 (4) メツシユ繊維後の材料特性 編成後の特性を比較した結果を第3表に示
す。なお織成によつて材料は波付けされており
さらに経糸、緯糸の交点には凹部が発生してい
るため、引張試験に代えて材料の硬度(マイク
ロビカース硬度)を測定し、引張強さと伸び率
を推定した。 実施例材は引張強さが大である一方、加工後
では伸び率が低下しているのが判る。
【表】
(5) 非金属介在物
なお各材について400倍の株式会社オリンパ
ス製PMG型の顕微鏡で1断面につき50視野
観察した。介在物の最大径、個数、その合計全
面積を第4表に示す。なお50視野とは50回、場
所を違えて測定した総和であり、顕微鏡の視野
は、試料の一辺が0.2mmであることにより、一
観察当たりの試料での断面面積は0.04mm2、従つ
て測定した試料の合計面積は2mm2程度である。
ス製PMG型の顕微鏡で1断面につき50視野
観察した。介在物の最大径、個数、その合計全
面積を第4表に示す。なお50視野とは50回、場
所を違えて測定した総和であり、顕微鏡の視野
は、試料の一辺が0.2mmであることにより、一
観察当たりの試料での断面面積は0.04mm2、従つ
て測定した試料の合計面積は2mm2程度である。
【表】
実施例材は、その成分とともに、前記したごと
く、溶解をくり返しているため、非金属介在物が
大幅に減じている。 比較材1の伸線性が悪いことは、その介在物の
多さからも首肯できる。 奴上のごとく、本発明のステンレス鋼細線は、
前記した成分およびニツケル当量を有する結果、
強度(引張強さ、耐力)、伸び率が向上し、かつ
窒素成分による結晶粘度の微細化によつてじん性
が向上し、伸線加工時の引抜き応力が低下するこ
とにも由来して、引切れすくことがなく、高加工
にパススケジユールが設定でき、伸線工程におけ
る作業性および織成作業性も著しく向上する。 また、加工率に伴う伸び率の変化を第3図に示
したように、本発明は熱処理後の加工歪のない初
期状態では、比較材2よりも伸び率が大である
が、軽度の加工によつて急激に激小し、例えば15
%の加工率では、比較材2よりも伸び率が低くな
ることが判る。この特性はメツシユに織性する際
には伸びによつて織成を容易にする一方、織成時
に伴う曲げ(約15%〜25%程度)によつて強度の
増加とともに伸び率が大巾に減じるため金網とし
ては、腰が強く、また伸びが少ない、長期間の使
用に対しても、目ズレや歪がなく、耐久寿命、耐
摩耗性にも富む、という特性も発揮できるのであ
る。
く、溶解をくり返しているため、非金属介在物が
大幅に減じている。 比較材1の伸線性が悪いことは、その介在物の
多さからも首肯できる。 奴上のごとく、本発明のステンレス鋼細線は、
前記した成分およびニツケル当量を有する結果、
強度(引張強さ、耐力)、伸び率が向上し、かつ
窒素成分による結晶粘度の微細化によつてじん性
が向上し、伸線加工時の引抜き応力が低下するこ
とにも由来して、引切れすくことがなく、高加工
にパススケジユールが設定でき、伸線工程におけ
る作業性および織成作業性も著しく向上する。 また、加工率に伴う伸び率の変化を第3図に示
したように、本発明は熱処理後の加工歪のない初
期状態では、比較材2よりも伸び率が大である
が、軽度の加工によつて急激に激小し、例えば15
%の加工率では、比較材2よりも伸び率が低くな
ることが判る。この特性はメツシユに織性する際
には伸びによつて織成を容易にする一方、織成時
に伴う曲げ(約15%〜25%程度)によつて強度の
増加とともに伸び率が大巾に減じるため金網とし
ては、腰が強く、また伸びが少ない、長期間の使
用に対しても、目ズレや歪がなく、耐久寿命、耐
摩耗性にも富む、という特性も発揮できるのであ
る。
第1図は、ニツケル当量と、伸び率および引張
強さとの関係を示す線図、第2図は加工率による
引張強さの増加を例示する線図、第3図は、加工
率による伸び率の低下を例示する線図である。
強さとの関係を示す線図、第2図は加工率による
引張強さの増加を例示する線図、第3図は、加工
率による伸び率の低下を例示する線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 非金属介在物の最大径を5μm以下とすると
ともに、炭素C0.05%以下、ケイ素Si0.5%以下、
マンガンMnが0.5%以下、リンP0.045%以下、硫
黄Sが0.030%以下、ニツケルNiが8.0〜11.0%、
クロムCrが17.0〜20.0%、モリブデンMoが0.6%
以下、窒素Nが0.06%〜0.10%で残りは実質的に
鉄からなり、かつ次式で示されるニツケル当量が
21〜23%の範囲であつてしかも引張強さが90Kg
f/mm2以上、伸び率が40%以上、かつ線径を50μ
m以下としたフアインメツシユ金網用ステンレス
鋼細線。 ニツケル当量=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn
+0.35Si+12.6(C+N)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20346182A JPS5993856A (ja) | 1982-11-18 | 1982-11-18 | ステンレス鋼細線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20346182A JPS5993856A (ja) | 1982-11-18 | 1982-11-18 | ステンレス鋼細線 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5993856A JPS5993856A (ja) | 1984-05-30 |
| JPH044392B2 true JPH044392B2 (ja) | 1992-01-28 |
Family
ID=16474506
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20346182A Granted JPS5993856A (ja) | 1982-11-18 | 1982-11-18 | ステンレス鋼細線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5993856A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018192375A (ja) * | 2018-08-24 | 2018-12-06 | 株式会社エフエムディ | 医療用ガイドワイヤ |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4962832B2 (ja) * | 2005-10-12 | 2012-06-27 | 日本精線株式会社 | 除電ブラシ電極用材料 |
| CN105200339B (zh) * | 2015-09-18 | 2017-04-12 | 江苏省利金新材科技有限公司 | 高氮耐磨不锈钢矿筛丝加工工艺 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5456018A (en) * | 1977-10-12 | 1979-05-04 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Austenitic steel with superior oxidation resistance for high temperature use |
| SE420623B (sv) * | 1979-12-28 | 1981-10-19 | Fagersta Ab | Austenitiskt, utskiljningsherdbart rostfritt krom- nickel- aluminiumstal |
-
1982
- 1982-11-18 JP JP20346182A patent/JPS5993856A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018192375A (ja) * | 2018-08-24 | 2018-12-06 | 株式会社エフエムディ | 医療用ガイドワイヤ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5993856A (ja) | 1984-05-30 |
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