JPH0445576B2 - - Google Patents
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- JPH0445576B2 JPH0445576B2 JP59064845A JP6484584A JPH0445576B2 JP H0445576 B2 JPH0445576 B2 JP H0445576B2 JP 59064845 A JP59064845 A JP 59064845A JP 6484584 A JP6484584 A JP 6484584A JP H0445576 B2 JPH0445576 B2 JP H0445576B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/001—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing N
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は化学、海水、原子力等各種プラントに
用いられる強度、耐食性に優れたオーステナイト
系ステンレス鋼に関するものである。 (従来の技術) オーステナイト系ステンレス鋼は耐食性、耐熱
性、加工性、機械的性質が優れているため広く使
用されており、代表的な鋼としてSUS304,
SUS316,SUS304L,SUS316L等がある。 最近、機械、構造物の大型化が進み構造用ステ
ンレス鋼の強度向上が強く求められ、前記ステン
レス鋼にN,Nb等を添加し強度を向上させた
SUS304N1,SUS304N2,SUS304LN,
SUS316N,SUS316LNなどが知られている。 (発明が解決しようとする課題) 前記した鋼の固溶化熱処理後の強度は
SUS304LN,SUS316LNの耐力が25Kgf/mm2以
上であり、SUS304N,SUS316の耐力が28Kgf/
mm2以上と不十分であつた。また、SUS304N2は35
Kgf/mm2と比較的高い強度を有しているが、必ず
しも十分な強度を有しているとは云えなかつた。 近年、これらの鋼の強度をさらに改善するため
種々の方法が検討されており、例えば冷間加工に
よる加工強化、制御圧延により強度を向上する方
法が提案されている。 しかしながら、冷間加工においては、必要な強
度を得るには20%以上もの圧下が必要であるた
め、薄板、線材にしか適用できないという欠点が
あつた。 また、制御圧延においては、SUS306LN,
316N,316L,316,304LN,304N1,304,304L
では十分な強度が得られず、SUS304N2では熱間
加工時、割れが発生するという問題及び十分な耐
食性が得られないという欠点が有し、実用化には
至つていなかつた。 また、これらの鋼は強度の他、SUS304N,
SUS304N2,SUS316Nは、耐粒界腐食性、耐応
力腐食割れ感受性に劣るという欠点を有し、さら
に溶接後耐食性が大幅に低下するという問題をも
有していた。 本発明は、このような従来鋼の課題を克服する
ことのできる。強度、耐食性の優れた高強度オー
ステナイト系ステンレス鋼およびその製造法を提
供することを目的とする。 (課題を解決するための手段) 本発明者等は、前述の課題を解決するために鋭
意研究を重ねた結果、以下の知見を得ることによ
り本発明を完成した。 すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼の成
分と強度、耐食性との関係を調べた結果、適量の
N,Nbを添加し、かつ不純物Bの抑制と、C含
有量の低減により、強度、耐食性を向上できるこ
とを見出したものである。 さらに、本発明はこれらの鋼を制御圧延又は制
御圧延後、低温固溶化熱処理等の加工熱処理を施
すことによつて、さらに強度を向上させることに
成功したものである。 以下、さらに詳細に説明する。 本発明者等は、オーステナイト系ステンレス鋼
の強度と耐食性に及ぼすC,N,Nb,Bの影響
及び圧延仕上温度の影響を種々調査した結果、第
1に0.15〜0.28%のNと0.05〜0.25%のNbを同時
に添加し、かつC0.03%以下、Bを20ppm以下に
限定することによつて、SUS304L以上の優れた
耐粒界腐食性を得られることを見出したものであ
る。 そして第2に、Nbの強化作用は一般にNbCの
析出による結晶粒の微細化及び析出硬化によるも
のと言われているが、C量を0.03%以下に減少さ
せても、Nを0.15〜0.28%含有する鋼においては
Nbの強化作用が顕著であることを見出したもの
である。 これは低C鋼においては、NbNまたはNb(C,
N)の析出による結晶粒の微細化及び析出硬化作
用があらわれたためと思われる。 第3に、Mo,Cuのうち1種を含有させること
により、耐食性をより一層向上できることを見出
したものである。 第4に、第1〜3の知見により得られた鋼を、
仕上温度600〜1000℃で制御圧延した場合、Nbの
強化作用が制御圧延後も働き、第1図に示すよう
にSUS304N2の制御圧延材と同等の強度が得られ
ることを見出したものである。 さらに600〜1000℃での制御圧延温度域で第2
図に示すようにSUS304N1,SUS304N2に比べて
大幅に熱間加工性が向上し、圧延割れの危険が解
消できること、又制御圧延後の組織が微細な再結
晶組織又は未再結晶加工組織、如何にかかわら
ず、第3図に示すように固溶化熱処理材と同等の
耐食性を得ることを見出したものである。 本発明はこれらの知見をもとにして開発した高
強度ステンレス鋼およびその製造法であり、本発
明鋼は耐力は45Kgf/mm2以上と高い強度を有し、
さらに制御圧延によつて60Kgf/mm2以上(再結晶
微細組織の場合)、70Kgf/mm2以上(未再結晶加
工組織の場合)、に向上し、優れた強度を有する
ものである。 さらに、本発明は耐食性にも優れ、特に耐粒界
腐食性、耐応力腐食割れ感受性に優れており、さ
らにSUS304より良好な耐孔食性、耐酸性を有す
るものであり、又溶接後も耐食性が低下しないも
のである。さらに熱間加工性についても良好であ
り、かつSUS304と同一工程で生産できるなど経
済的なステンレス鋼およびその製造法である。 一方、本発明は、従来提案されていた冷間加工
による強度向上方法とは異なり、成分および熱間
圧延時の製造条件の最適化(制御圧延)によつて
強度向上を図ろうとするものであり、薄板、線材
以外の形状の製品に対しても適用が可能である。 以上のように本発明鋼は強度、耐食性に優れた
ステンレス鋼で、化学、海水、原子力等の各種プ
ラントに用いられる強度部材に適したものであ
る。 以下に本発明鋼およびその製造法について詳述
する。 第1発明は、重量比にしてC0.03%以下、
Si2.00%以下、Mn5.0%以下、S0.030%以下、
Cr16〜20%、Ni6〜13%、N0.15〜0.28%、
Nb0.05〜0.25%、B0.0020%以下を含有し、さら
にMo4%以下、Cu4%以下のうち1種を含有さ
せ、残部Feならびに不純物元素からなることを
特徴とする高強度ステンレス鋼である。 また、第2発明は第1発明鋼を950〜1300℃に
加熱し、ついで圧延温度600〜1250℃で圧延を行
い、かつ仕上温度が600〜1000℃の温度範囲とな
るように制御し、その後4℃/分以上の冷却速度
で冷却し、全加工量が30%以上の加工量であり、
その組織が再結晶微細組織ないし未再結晶加工組
織であり、第1発明鋼の強度をさらに向上させ耐
力を60Kgf/mm2以上としたものである。 さらに第3発明は、第1発明鋼を950〜1300℃
に加熱し、ついで圧延温度900〜1250℃で圧延を
行い、かつ仕上げ圧延温度を1000℃以下とし、さ
らに900〜1010℃で低温固溶化熱処理を施し、結
晶粒度番号が7.5以上であり、第1発明鋼の強度
をさらに向上し、耐力を50Kgf/mm2以上としたも
のである。 以下に本発明鋼の成分限定理由について説明す
る。 Cは、制御圧延後の耐食性、制御圧延時の熱間
加工性を著しく損なう本発明においては重要な元
素であり、少なくとも0.03%以下にする必要があ
り、その上限を0.03%とした。 Siは、脱酸剤として添加する他に強度をも改善
する元素であるが、反面、溶接時の高温割れ性、
凝固時のN固溶量を減少させる元素でもあり、良
好な鋼塊を得るには2.0%以下にする必要があり、
その上限を2.0%とした。 Mnは脱酸剤として添加する他Nの溶解度を増
加させる元素であるが、反面含有量が増加すると
耐食性、熱間加工性を損なうので、その上限を
5.0%とした。 Crは、ステンレス鋼の基本元素であり、優れ
た耐食性を得るためには、少なくとも16%以上の
含有が必要である。しかし、Cr量が増加しすぎ
ると高温でのδ/τ組織のバランスを損なうの
で、その上限を20%とした。 Niは、オーステナイト系ステンレス鋼の基本
元素であり、優れた耐食性とオーステナイト組織
を得るためには6%以上の含有が必要である。し
かし、Ni量が増加しすぎると溶接時の溶接割れ
性、熱間加工性、制御圧延後の耐食性などを低下
させるので、その上限を13%とした。 Nは、侵入型の固溶強化およびNb(C,N)析
出による結晶粒の微細化、析出強化作用を有する
など本発明においては最も主要な強化元素であ
り、かつ制御圧延後の耐食性改善に寄与する元素
でもあり、これらの効果を得るには0.15%以上の
含有が必要であり、下限を0.15%とした。しか
し、N含有量が増加すると熱間加工性を低下し、
さらに凝固時、溶接時にブローホールが発生し易
くなるので、その上限を0.28%とした。 Nbは、残存CをNbCとして固定し、制御圧延
後の耐食性を改善し、かつNb(C,N)析出によ
り結晶粒の微細化および制御圧延後の強度を改善
する本発明においては主要な元素であり、少なく
とも0.05%以上の含有が必要である。しかし、
Nbは高価な元素でもあり、かつ必要以上に含有
させると熱間加工性を損なうので、上限を0.25%
とした。 Bは、本発明鋼において耐粒界腐食性を低下さ
せる元素であり、かつ制御圧延後の耐食性をも劣
化させるものであり、その含有量を厳しく抑制す
る必要があり、上限を0.0020%とした。より望ま
しくは0.0005%以下である。 Sはその含有量を大幅に低減することにより耐
食性を向上させる元素であり、かつ制御圧延後の
延性、靱性(特に圧延直角方向)を向上させるも
のである。そして、特に耐食性を重視する用途に
使用する場合には、少なくとも0.005%以下、望
ましくは0.001%以下にすることが好ましい。 Mo,Cuはいずれも本発明鋼の耐食性をさらに
改善する元素である。しかし、Mo,Cuは高価は
元素でもあり、かつ、4%を越えて含有させる
と、熱間加工性を損なうので、上限をそれぞれ4
%とした。 また、制御圧延において、加熱温度を950〜
1300℃としたのは、圧延時の変形抵抗を小さくす
るためであり、950℃未満では変形抵抗が大きく
圧延が困難であり、かつ1300℃を越えて加熱する
と粒界の一部が溶融又は結晶粒が粗大化して圧延
が困難になるためである。仕上圧延温度を600〜
1000℃としたのは本発明鋼の強度を制御するため
であり、仕上圧延温度を下げるほど強度が向上す
るものである。そして、1000℃を越えると再結晶
粒が粗大化して十分な強度が得られないので、上
限を1000℃とした。ただし、900℃未満では再結
晶微細組織が得られず、未再結晶加工組織とな
り、圧延直角方向の延性、靱性については低下す
る。 すなわち、900〜1000℃の仕上圧延温度域では、
圧延方向はもちろんのこと直角方向の延性、靱性
についても優れており、高強度でかつ耐食性につ
いても優れた再結晶微細組織が得られるものであ
る。しかしながら、900℃未満とした場合の方が
高強度が得られるので、要求特性に合わせて仕上
圧延温度を決定することが必要である。 ただし、仕上圧延温度を600〜900℃未満とした
場合には、Sを0.005%以下として、延性、靱性
の低下を防止することが望ましい。 また、600℃未満では本発明鋼の回復温度以下
となり、圧延時の変形抵抗が急上昇し、圧延が困
難になり好ましくない。 低温固溶化熱処理温度を900〜1010℃としたの
は、本発明はC含有量を0.03%以下にしたので、
900〜1010℃の加熱においてもCの固溶が可能で
あり、かつ結晶粒度は再結晶温度が900℃以上の
場合、できるだけ低い温度で熱処理するほど細か
くなり、強度が増加するためである。 しかし、900℃未満ではCが固溶せず、又再結
晶もしなく、かつ1010℃を越えると結晶粒が7.5
以下と粗大化し、強度が低下するものである。 また圧延後の冷却速度を4℃/分以上としたの
は、4℃/分未満の徐冷ではCr23C6又はCr2Nが
粒界に析出し耐食性を低下するためである。 さらに、600〜1250℃の圧延温度における全加
工量を30%以上としたのは、この温度域内の全加
工量が30%に満たないと、加工によつて結晶内に
導入される格子欠陥や蓄積エネルギーが少ないた
めに加熱時の粗大組織が残つてしまい、目的とす
る組織が得られないためである。 (実施例) つぎに、本発明鋼の特徴を従来鋼、比較鋼と比
べて実施例でもつて明らかにする。 表1は、供試鋼の化学成分を示すものである。
用いられる強度、耐食性に優れたオーステナイト
系ステンレス鋼に関するものである。 (従来の技術) オーステナイト系ステンレス鋼は耐食性、耐熱
性、加工性、機械的性質が優れているため広く使
用されており、代表的な鋼としてSUS304,
SUS316,SUS304L,SUS316L等がある。 最近、機械、構造物の大型化が進み構造用ステ
ンレス鋼の強度向上が強く求められ、前記ステン
レス鋼にN,Nb等を添加し強度を向上させた
SUS304N1,SUS304N2,SUS304LN,
SUS316N,SUS316LNなどが知られている。 (発明が解決しようとする課題) 前記した鋼の固溶化熱処理後の強度は
SUS304LN,SUS316LNの耐力が25Kgf/mm2以
上であり、SUS304N,SUS316の耐力が28Kgf/
mm2以上と不十分であつた。また、SUS304N2は35
Kgf/mm2と比較的高い強度を有しているが、必ず
しも十分な強度を有しているとは云えなかつた。 近年、これらの鋼の強度をさらに改善するため
種々の方法が検討されており、例えば冷間加工に
よる加工強化、制御圧延により強度を向上する方
法が提案されている。 しかしながら、冷間加工においては、必要な強
度を得るには20%以上もの圧下が必要であるた
め、薄板、線材にしか適用できないという欠点が
あつた。 また、制御圧延においては、SUS306LN,
316N,316L,316,304LN,304N1,304,304L
では十分な強度が得られず、SUS304N2では熱間
加工時、割れが発生するという問題及び十分な耐
食性が得られないという欠点が有し、実用化には
至つていなかつた。 また、これらの鋼は強度の他、SUS304N,
SUS304N2,SUS316Nは、耐粒界腐食性、耐応
力腐食割れ感受性に劣るという欠点を有し、さら
に溶接後耐食性が大幅に低下するという問題をも
有していた。 本発明は、このような従来鋼の課題を克服する
ことのできる。強度、耐食性の優れた高強度オー
ステナイト系ステンレス鋼およびその製造法を提
供することを目的とする。 (課題を解決するための手段) 本発明者等は、前述の課題を解決するために鋭
意研究を重ねた結果、以下の知見を得ることによ
り本発明を完成した。 すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼の成
分と強度、耐食性との関係を調べた結果、適量の
N,Nbを添加し、かつ不純物Bの抑制と、C含
有量の低減により、強度、耐食性を向上できるこ
とを見出したものである。 さらに、本発明はこれらの鋼を制御圧延又は制
御圧延後、低温固溶化熱処理等の加工熱処理を施
すことによつて、さらに強度を向上させることに
成功したものである。 以下、さらに詳細に説明する。 本発明者等は、オーステナイト系ステンレス鋼
の強度と耐食性に及ぼすC,N,Nb,Bの影響
及び圧延仕上温度の影響を種々調査した結果、第
1に0.15〜0.28%のNと0.05〜0.25%のNbを同時
に添加し、かつC0.03%以下、Bを20ppm以下に
限定することによつて、SUS304L以上の優れた
耐粒界腐食性を得られることを見出したものであ
る。 そして第2に、Nbの強化作用は一般にNbCの
析出による結晶粒の微細化及び析出硬化によるも
のと言われているが、C量を0.03%以下に減少さ
せても、Nを0.15〜0.28%含有する鋼においては
Nbの強化作用が顕著であることを見出したもの
である。 これは低C鋼においては、NbNまたはNb(C,
N)の析出による結晶粒の微細化及び析出硬化作
用があらわれたためと思われる。 第3に、Mo,Cuのうち1種を含有させること
により、耐食性をより一層向上できることを見出
したものである。 第4に、第1〜3の知見により得られた鋼を、
仕上温度600〜1000℃で制御圧延した場合、Nbの
強化作用が制御圧延後も働き、第1図に示すよう
にSUS304N2の制御圧延材と同等の強度が得られ
ることを見出したものである。 さらに600〜1000℃での制御圧延温度域で第2
図に示すようにSUS304N1,SUS304N2に比べて
大幅に熱間加工性が向上し、圧延割れの危険が解
消できること、又制御圧延後の組織が微細な再結
晶組織又は未再結晶加工組織、如何にかかわら
ず、第3図に示すように固溶化熱処理材と同等の
耐食性を得ることを見出したものである。 本発明はこれらの知見をもとにして開発した高
強度ステンレス鋼およびその製造法であり、本発
明鋼は耐力は45Kgf/mm2以上と高い強度を有し、
さらに制御圧延によつて60Kgf/mm2以上(再結晶
微細組織の場合)、70Kgf/mm2以上(未再結晶加
工組織の場合)、に向上し、優れた強度を有する
ものである。 さらに、本発明は耐食性にも優れ、特に耐粒界
腐食性、耐応力腐食割れ感受性に優れており、さ
らにSUS304より良好な耐孔食性、耐酸性を有す
るものであり、又溶接後も耐食性が低下しないも
のである。さらに熱間加工性についても良好であ
り、かつSUS304と同一工程で生産できるなど経
済的なステンレス鋼およびその製造法である。 一方、本発明は、従来提案されていた冷間加工
による強度向上方法とは異なり、成分および熱間
圧延時の製造条件の最適化(制御圧延)によつて
強度向上を図ろうとするものであり、薄板、線材
以外の形状の製品に対しても適用が可能である。 以上のように本発明鋼は強度、耐食性に優れた
ステンレス鋼で、化学、海水、原子力等の各種プ
ラントに用いられる強度部材に適したものであ
る。 以下に本発明鋼およびその製造法について詳述
する。 第1発明は、重量比にしてC0.03%以下、
Si2.00%以下、Mn5.0%以下、S0.030%以下、
Cr16〜20%、Ni6〜13%、N0.15〜0.28%、
Nb0.05〜0.25%、B0.0020%以下を含有し、さら
にMo4%以下、Cu4%以下のうち1種を含有さ
せ、残部Feならびに不純物元素からなることを
特徴とする高強度ステンレス鋼である。 また、第2発明は第1発明鋼を950〜1300℃に
加熱し、ついで圧延温度600〜1250℃で圧延を行
い、かつ仕上温度が600〜1000℃の温度範囲とな
るように制御し、その後4℃/分以上の冷却速度
で冷却し、全加工量が30%以上の加工量であり、
その組織が再結晶微細組織ないし未再結晶加工組
織であり、第1発明鋼の強度をさらに向上させ耐
力を60Kgf/mm2以上としたものである。 さらに第3発明は、第1発明鋼を950〜1300℃
に加熱し、ついで圧延温度900〜1250℃で圧延を
行い、かつ仕上げ圧延温度を1000℃以下とし、さ
らに900〜1010℃で低温固溶化熱処理を施し、結
晶粒度番号が7.5以上であり、第1発明鋼の強度
をさらに向上し、耐力を50Kgf/mm2以上としたも
のである。 以下に本発明鋼の成分限定理由について説明す
る。 Cは、制御圧延後の耐食性、制御圧延時の熱間
加工性を著しく損なう本発明においては重要な元
素であり、少なくとも0.03%以下にする必要があ
り、その上限を0.03%とした。 Siは、脱酸剤として添加する他に強度をも改善
する元素であるが、反面、溶接時の高温割れ性、
凝固時のN固溶量を減少させる元素でもあり、良
好な鋼塊を得るには2.0%以下にする必要があり、
その上限を2.0%とした。 Mnは脱酸剤として添加する他Nの溶解度を増
加させる元素であるが、反面含有量が増加すると
耐食性、熱間加工性を損なうので、その上限を
5.0%とした。 Crは、ステンレス鋼の基本元素であり、優れ
た耐食性を得るためには、少なくとも16%以上の
含有が必要である。しかし、Cr量が増加しすぎ
ると高温でのδ/τ組織のバランスを損なうの
で、その上限を20%とした。 Niは、オーステナイト系ステンレス鋼の基本
元素であり、優れた耐食性とオーステナイト組織
を得るためには6%以上の含有が必要である。し
かし、Ni量が増加しすぎると溶接時の溶接割れ
性、熱間加工性、制御圧延後の耐食性などを低下
させるので、その上限を13%とした。 Nは、侵入型の固溶強化およびNb(C,N)析
出による結晶粒の微細化、析出強化作用を有する
など本発明においては最も主要な強化元素であ
り、かつ制御圧延後の耐食性改善に寄与する元素
でもあり、これらの効果を得るには0.15%以上の
含有が必要であり、下限を0.15%とした。しか
し、N含有量が増加すると熱間加工性を低下し、
さらに凝固時、溶接時にブローホールが発生し易
くなるので、その上限を0.28%とした。 Nbは、残存CをNbCとして固定し、制御圧延
後の耐食性を改善し、かつNb(C,N)析出によ
り結晶粒の微細化および制御圧延後の強度を改善
する本発明においては主要な元素であり、少なく
とも0.05%以上の含有が必要である。しかし、
Nbは高価な元素でもあり、かつ必要以上に含有
させると熱間加工性を損なうので、上限を0.25%
とした。 Bは、本発明鋼において耐粒界腐食性を低下さ
せる元素であり、かつ制御圧延後の耐食性をも劣
化させるものであり、その含有量を厳しく抑制す
る必要があり、上限を0.0020%とした。より望ま
しくは0.0005%以下である。 Sはその含有量を大幅に低減することにより耐
食性を向上させる元素であり、かつ制御圧延後の
延性、靱性(特に圧延直角方向)を向上させるも
のである。そして、特に耐食性を重視する用途に
使用する場合には、少なくとも0.005%以下、望
ましくは0.001%以下にすることが好ましい。 Mo,Cuはいずれも本発明鋼の耐食性をさらに
改善する元素である。しかし、Mo,Cuは高価は
元素でもあり、かつ、4%を越えて含有させる
と、熱間加工性を損なうので、上限をそれぞれ4
%とした。 また、制御圧延において、加熱温度を950〜
1300℃としたのは、圧延時の変形抵抗を小さくす
るためであり、950℃未満では変形抵抗が大きく
圧延が困難であり、かつ1300℃を越えて加熱する
と粒界の一部が溶融又は結晶粒が粗大化して圧延
が困難になるためである。仕上圧延温度を600〜
1000℃としたのは本発明鋼の強度を制御するため
であり、仕上圧延温度を下げるほど強度が向上す
るものである。そして、1000℃を越えると再結晶
粒が粗大化して十分な強度が得られないので、上
限を1000℃とした。ただし、900℃未満では再結
晶微細組織が得られず、未再結晶加工組織とな
り、圧延直角方向の延性、靱性については低下す
る。 すなわち、900〜1000℃の仕上圧延温度域では、
圧延方向はもちろんのこと直角方向の延性、靱性
についても優れており、高強度でかつ耐食性につ
いても優れた再結晶微細組織が得られるものであ
る。しかしながら、900℃未満とした場合の方が
高強度が得られるので、要求特性に合わせて仕上
圧延温度を決定することが必要である。 ただし、仕上圧延温度を600〜900℃未満とした
場合には、Sを0.005%以下として、延性、靱性
の低下を防止することが望ましい。 また、600℃未満では本発明鋼の回復温度以下
となり、圧延時の変形抵抗が急上昇し、圧延が困
難になり好ましくない。 低温固溶化熱処理温度を900〜1010℃としたの
は、本発明はC含有量を0.03%以下にしたので、
900〜1010℃の加熱においてもCの固溶が可能で
あり、かつ結晶粒度は再結晶温度が900℃以上の
場合、できるだけ低い温度で熱処理するほど細か
くなり、強度が増加するためである。 しかし、900℃未満ではCが固溶せず、又再結
晶もしなく、かつ1010℃を越えると結晶粒が7.5
以下と粗大化し、強度が低下するものである。 また圧延後の冷却速度を4℃/分以上としたの
は、4℃/分未満の徐冷ではCr23C6又はCr2Nが
粒界に析出し耐食性を低下するためである。 さらに、600〜1250℃の圧延温度における全加
工量を30%以上としたのは、この温度域内の全加
工量が30%に満たないと、加工によつて結晶内に
導入される格子欠陥や蓄積エネルギーが少ないた
めに加熱時の粗大組織が残つてしまい、目的とす
る組織が得られないためである。 (実施例) つぎに、本発明鋼の特徴を従来鋼、比較鋼と比
べて実施例でもつて明らかにする。 表1は、供試鋼の化学成分を示すものである。
【表】
第1表においてA〜G鋼は従来鋼で、A鋼は
SUS304、B鋼はSUS316、C鋼はSUS304L、D
鋼はSUS316L、E鋼はSUS304N1、F鋼は
SUS304N2、G鋼はSUS316Nで、M,N鋼は本
発明鋼である。 第2表は、第1表のA〜N鋼に対し、固溶化熱
処理(1050℃×30min→W.Q)を施した鋼につい
て、強度、耐食性、熱間加工性を示したものであ
る。 強度については、JIS4号試験片を用いて耐力を
測定したものである。 耐粒界腐食性については、800℃×2hr鋭敏化処
理後の組織について評価したもので、STEP(段
状組織)については○、DUAL(混合組織)につ
いては△、DITCH(溝状組織)については×と
して示した。 耐応力腐食割れ感受性については、沸騰状態の
20%NaCl+1%Na3Cr2O7水溶液中にU字形状に
曲げた試片を50hr浸漬するというU字曲げ法に
て、割れ発生の有無によつて評価したもので、割
れの発生しないものを○、割れの発生したものを
×として示した。 熱間加工性については、850℃で、50mm/secと
いう高温引張試験を行い、その絞り値を測定した
ものである。 母材および溶接熱影響部の耐食性については、
30℃、3.5%NaCl水溶液中での孔食電位を測定し
たものである。
SUS304、B鋼はSUS316、C鋼はSUS304L、D
鋼はSUS316L、E鋼はSUS304N1、F鋼は
SUS304N2、G鋼はSUS316Nで、M,N鋼は本
発明鋼である。 第2表は、第1表のA〜N鋼に対し、固溶化熱
処理(1050℃×30min→W.Q)を施した鋼につい
て、強度、耐食性、熱間加工性を示したものであ
る。 強度については、JIS4号試験片を用いて耐力を
測定したものである。 耐粒界腐食性については、800℃×2hr鋭敏化処
理後の組織について評価したもので、STEP(段
状組織)については○、DUAL(混合組織)につ
いては△、DITCH(溝状組織)については×と
して示した。 耐応力腐食割れ感受性については、沸騰状態の
20%NaCl+1%Na3Cr2O7水溶液中にU字形状に
曲げた試片を50hr浸漬するというU字曲げ法に
て、割れ発生の有無によつて評価したもので、割
れの発生しないものを○、割れの発生したものを
×として示した。 熱間加工性については、850℃で、50mm/secと
いう高温引張試験を行い、その絞り値を測定した
ものである。 母材および溶接熱影響部の耐食性については、
30℃、3.5%NaCl水溶液中での孔食電位を測定し
たものである。
【表】
第2表から知られるように、従来鋼であるA,
C鋼は熱間加工性については優れているが、強度
は耐力が25.0、22.8Kgf/mm2と低い、かつ耐粒界
腐食性、耐応力腐食割れ感受性、母材および溶接
熱影響部の耐食性についても低いものであり、B
鋼は熱間加工性、母材および溶接熱影響部の耐食
性については優れているが、強度は耐力が25.2Kg
f/mm2と低く、かつ耐粒界腐食性、耐応力腐食割
れ感受性についても低いものであり、D鋼は耐応
力腐食割れ感受性、熱間加工性、母材および溶接
熱影響部の耐食性については優れているが、強度
は耐力が23.4Kgf/mm2と低く、かつ耐粒界腐食性
についても低いものであり、E鋼はA鋼に0.22%
のNを含有させたことにより、耐力が32.1Kgf/
mm2とA鋼に比べて相当の向上が認められるが、高
強度ステンレス鋼としてはいま一つ強度が不足す
るものであり、F鋼はE鋼にさらに0.10%のNb
を含有させたことにより、耐力40.7Kgf/mm2とE
鋼に比べさらに向上し、高強度ステンレス鋼とし
て満足する強度を有するものであるが、反面熱間
加工性が低下しており、G鋼はB鋼に0.17%のN
を含有させたことにより、耐力が39.2Kgf/mm2と
B鋼に比べて向上し、優れた強度を有するもので
あるが、F鋼と同様に熱間加工性が低下し、さら
に耐粒界腐食性、耐応力腐食割れ感受性について
も低下している。 これらの従来鋼に対して、本発明鋼であるM,
N鋼は、0.15〜0.28%のNと、0.05〜0.25%のNb
を同時に添加し、かつC量を0.03%以下、B量を
20ppm以下と限定し、Mo,Cuのうち1種を適量
添加することによつて、強度については耐力49Kg
f/mm2以上、耐粒界腐食性についてもいずれも
STEP(段状組織)を有し、耐応力腐食割れ感受
性については50hr浸漬によつてもいずれにも割れ
の発生がないものであり、熱間加工性についても
従来鋼のように低下することがなく、いずれも70
%以上の絞り値を有し、母材および溶接熱影響部
の耐食性についてもいずれも孔食電位が0.4V以
上と優れており、本発明鋼は強度、耐粒界腐食
性、耐応力腐食割れ感受性、熱間加工性、母材お
よび溶接熱影響部の耐食性のいずれについても優
れているものである。 第3表は第1表のA,C,E,F,M鋼につい
て、10×40mmの平鋼を圧延し、0.2耐力、耐食性、
結晶粒度を前記実施例と同一の条件で測定した結
果を示したものである。平鋼の製造は、1150℃に
加熱後圧延を行い、かつ仕上圧延温度が950℃程
度に、又は800℃程度の温度となるように制御し、
ついで50℃/分以上で冷却し、全加工量を96%と
した場合と、仕上圧延温度を950℃とし、50℃/
分で冷却し、全加工量を96%とし、さらに980℃
×30分の条件で低温固溶化熱処理を施すという方
法で行つた。なお、結晶粒度については、低温固
溶化熱処理を施したもののみ測定した。
C鋼は熱間加工性については優れているが、強度
は耐力が25.0、22.8Kgf/mm2と低い、かつ耐粒界
腐食性、耐応力腐食割れ感受性、母材および溶接
熱影響部の耐食性についても低いものであり、B
鋼は熱間加工性、母材および溶接熱影響部の耐食
性については優れているが、強度は耐力が25.2Kg
f/mm2と低く、かつ耐粒界腐食性、耐応力腐食割
れ感受性についても低いものであり、D鋼は耐応
力腐食割れ感受性、熱間加工性、母材および溶接
熱影響部の耐食性については優れているが、強度
は耐力が23.4Kgf/mm2と低く、かつ耐粒界腐食性
についても低いものであり、E鋼はA鋼に0.22%
のNを含有させたことにより、耐力が32.1Kgf/
mm2とA鋼に比べて相当の向上が認められるが、高
強度ステンレス鋼としてはいま一つ強度が不足す
るものであり、F鋼はE鋼にさらに0.10%のNb
を含有させたことにより、耐力40.7Kgf/mm2とE
鋼に比べさらに向上し、高強度ステンレス鋼とし
て満足する強度を有するものであるが、反面熱間
加工性が低下しており、G鋼はB鋼に0.17%のN
を含有させたことにより、耐力が39.2Kgf/mm2と
B鋼に比べて向上し、優れた強度を有するもので
あるが、F鋼と同様に熱間加工性が低下し、さら
に耐粒界腐食性、耐応力腐食割れ感受性について
も低下している。 これらの従来鋼に対して、本発明鋼であるM,
N鋼は、0.15〜0.28%のNと、0.05〜0.25%のNb
を同時に添加し、かつC量を0.03%以下、B量を
20ppm以下と限定し、Mo,Cuのうち1種を適量
添加することによつて、強度については耐力49Kg
f/mm2以上、耐粒界腐食性についてもいずれも
STEP(段状組織)を有し、耐応力腐食割れ感受
性については50hr浸漬によつてもいずれにも割れ
の発生がないものであり、熱間加工性についても
従来鋼のように低下することがなく、いずれも70
%以上の絞り値を有し、母材および溶接熱影響部
の耐食性についてもいずれも孔食電位が0.4V以
上と優れており、本発明鋼は強度、耐粒界腐食
性、耐応力腐食割れ感受性、熱間加工性、母材お
よび溶接熱影響部の耐食性のいずれについても優
れているものである。 第3表は第1表のA,C,E,F,M鋼につい
て、10×40mmの平鋼を圧延し、0.2耐力、耐食性、
結晶粒度を前記実施例と同一の条件で測定した結
果を示したものである。平鋼の製造は、1150℃に
加熱後圧延を行い、かつ仕上圧延温度が950℃程
度に、又は800℃程度の温度となるように制御し、
ついで50℃/分以上で冷却し、全加工量を96%と
した場合と、仕上圧延温度を950℃とし、50℃/
分で冷却し、全加工量を96%とし、さらに980℃
×30分の条件で低温固溶化熱処理を施すという方
法で行つた。なお、結晶粒度については、低温固
溶化熱処理を施したもののみ測定した。
【表】
第3表から知られるように、従来鋼であるA,
C,E鋼は仕上圧延温度を950℃、又は800℃の温
度となるように制御した結果、A鋼については耐
力が25.0Kgf/mm2から33、42Kgf/mm2に向上し、
C鋼については耐力が22.8Kgf/mm2から25、31Kg
f/mm2に向上し、E鋼については32.1Kgf/mm2か
ら44、53Kgf/mm2に向上しているが、まだ十分な
強度を有しているとはいえない。また、A,C,
E鋼は制御圧延を施したことによつて耐食性がい
ずれも大幅に低下している。 また、F鋼は制御圧延によつて耐力が40.7Kg
f/mm2から65、77Kgf/mm2に大幅に向上している
が、反面、耐食性が0.37Vから0.18、0.16Vに大幅
に低下している。 これらの従来鋼に対して本発明鋼であるM鋼
は、仕上圧延温度を950℃に制御したことによつ
て、微細な再結晶組織となり、耐力が49.0Kgf/
mm2から67Kgf/mm2に大幅に向上しており、また仕
上圧延温度を800℃に制御したものについてもそ
の組織が未再結晶加工組織となり、耐力が78Kg
f/mm2に大幅に向上しており、本発明鋼が制御圧
延を施すことによつて耐力が大幅に向上すること
は明らかである。また、耐食性についても本発明
鋼であるM鋼は制御圧延を行わなかつたものとほ
ぼ同等の孔食電位を示しており、従来鋼のように
制御圧延を施したことによつて耐食性が低下する
ことがないものである。 また、仕上圧延温度を950℃、冷却速度を50
℃/分とし、ついで、980℃×30分保持という低
温固溶化熱処理を施した場合についても、従来鋼
であるA,C,E鋼は前記と同様に耐力について
は若干向上しているが、まだ十分な耐力を有して
いるとは言えず、かつ耐食性についても低下して
いる。 さらに、F鋼は制御圧延および低温固溶化熱処
理によつて耐力が50Kgf/mm2まで向上している
が、耐食性については前記鋼と同様に低下してい
る。 これらに対して、本発明鋼であるM鋼は、前記
処理によつて結晶粒度が7.5以上の微細な再結晶
組織となり、耐力についても若干向上し、かつ耐
食性についてはいずれも固溶化熱処理材(1050℃
×30min→W,Q)とほぼ同等の孔食電位を示し
ており、制御圧延および低温固溶化熱処理によつ
て耐食性が低下しないものである。 (発明の効果) 上述のように、本発明鋼は、オーステナイト系
ステンレス鋼に適量のNとNbを同時に添加し、
かつ不純物Bの抑制と、C量を低減し、さらに
Mo,Cuのうち1種を適量添加することによつて
強度と耐食性を向上させたものであり、さらに本
発明は、これらの鋼を制御圧延あるいは制御圧延
後低温固溶化熱処理等の加工熱処理を施すことに
よつて、耐食性を低下することなくさらに強度を
向上したものである。従つて、本発明は化学、海
水、原子力等の各種プラントに用いられる強度部
材に適したステンレス鋼であり、産業上寄与する
ところは極めて大である。
C,E鋼は仕上圧延温度を950℃、又は800℃の温
度となるように制御した結果、A鋼については耐
力が25.0Kgf/mm2から33、42Kgf/mm2に向上し、
C鋼については耐力が22.8Kgf/mm2から25、31Kg
f/mm2に向上し、E鋼については32.1Kgf/mm2か
ら44、53Kgf/mm2に向上しているが、まだ十分な
強度を有しているとはいえない。また、A,C,
E鋼は制御圧延を施したことによつて耐食性がい
ずれも大幅に低下している。 また、F鋼は制御圧延によつて耐力が40.7Kg
f/mm2から65、77Kgf/mm2に大幅に向上している
が、反面、耐食性が0.37Vから0.18、0.16Vに大幅
に低下している。 これらの従来鋼に対して本発明鋼であるM鋼
は、仕上圧延温度を950℃に制御したことによつ
て、微細な再結晶組織となり、耐力が49.0Kgf/
mm2から67Kgf/mm2に大幅に向上しており、また仕
上圧延温度を800℃に制御したものについてもそ
の組織が未再結晶加工組織となり、耐力が78Kg
f/mm2に大幅に向上しており、本発明鋼が制御圧
延を施すことによつて耐力が大幅に向上すること
は明らかである。また、耐食性についても本発明
鋼であるM鋼は制御圧延を行わなかつたものとほ
ぼ同等の孔食電位を示しており、従来鋼のように
制御圧延を施したことによつて耐食性が低下する
ことがないものである。 また、仕上圧延温度を950℃、冷却速度を50
℃/分とし、ついで、980℃×30分保持という低
温固溶化熱処理を施した場合についても、従来鋼
であるA,C,E鋼は前記と同様に耐力について
は若干向上しているが、まだ十分な耐力を有して
いるとは言えず、かつ耐食性についても低下して
いる。 さらに、F鋼は制御圧延および低温固溶化熱処
理によつて耐力が50Kgf/mm2まで向上している
が、耐食性については前記鋼と同様に低下してい
る。 これらに対して、本発明鋼であるM鋼は、前記
処理によつて結晶粒度が7.5以上の微細な再結晶
組織となり、耐力についても若干向上し、かつ耐
食性についてはいずれも固溶化熱処理材(1050℃
×30min→W,Q)とほぼ同等の孔食電位を示し
ており、制御圧延および低温固溶化熱処理によつ
て耐食性が低下しないものである。 (発明の効果) 上述のように、本発明鋼は、オーステナイト系
ステンレス鋼に適量のNとNbを同時に添加し、
かつ不純物Bの抑制と、C量を低減し、さらに
Mo,Cuのうち1種を適量添加することによつて
強度と耐食性を向上させたものであり、さらに本
発明は、これらの鋼を制御圧延あるいは制御圧延
後低温固溶化熱処理等の加工熱処理を施すことに
よつて、耐食性を低下することなくさらに強度を
向上したものである。従つて、本発明は化学、海
水、原子力等の各種プラントに用いられる強度部
材に適したステンレス鋼であり、産業上寄与する
ところは極めて大である。
第1図は強度に及ぼす仕上圧延温度の影響につ
いて示した線図で、第2図は熱間加工性に及ぼす
加工温度の影響について示した線図で、第3図は
耐食性に及ぼす仕上圧延温度の影響について示し
た線図である。
いて示した線図で、第2図は熱間加工性に及ぼす
加工温度の影響について示した線図で、第3図は
耐食性に及ぼす仕上圧延温度の影響について示し
た線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比にしてC0.03%以下、Si2.00%以下、
Mn5.0%以下、S0.030%以下、Cr16〜20%、Ni6
〜13%、N0.15〜0.28%、Nb0.05〜0.25%、
B0.0020%以下を含有し、さらにMo4%以下、
Cu4%以下のうち1種を含有させ、残部Feならび
に不純物元素からなることを特徴とする高強度ス
テンレス鋼。 2 重量比にしてC0.03%以下、Si2.00%以下、
Mn5.0%以下、S0.030%以下、Cr16〜20%、Ni6
〜13%、N0.15〜0.28%、Nb0.05〜0.25%、
B0.0020%以下を含有し、さらにMo4%以下、
Cu4%以下のうち1種を含有させ、残部Feならび
に不純物元素からなる鋼を、950〜1300℃に加熱
し、ついで圧延温度600〜1250℃で圧延を行い、
かつ仕上圧延温度が600〜1000℃の温度範囲とな
るように制御し、圧延後の冷却速度を4℃/分以
上とし、かつ全加工量が30%以上の加工量で圧延
し、その組織が再結晶微細組織ないし未再結晶加
工組織であることを特徴とする高強度ステンレス
鋼の製造法。 3 重量比にしてC0.03%以下、Si2.00%以下、
Mn5.0%以下、S0.030%以下、Cr16〜20%、Ni6
〜13%、N0.15〜0.28%、Nb0.05〜0.25%、
B0.0020%以下を含有し、さらにMo4%以下、
Cu4%以下のうち1種を含有させ、残部Feならび
に不純物元素からなる鋼を、950〜1300℃に加熱
し、ついで圧延温度900〜1250℃で圧延を行い、
かつ仕上圧延温度が1000℃以下となるように制御
し、圧延後の冷却速度を4℃/分以上とし、さら
に900〜1010℃で低温固溶化熱処理を施し、結晶
粒度番号が7.5以上であることを特徴とする高強
度ステンレス鋼の製造法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59064845A JPS60208459A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 高強度ステンレス鋼およびその製造法 |
| US07/340,142 US4960470A (en) | 1984-03-30 | 1989-04-11 | Method for manufacturing a high strength stainless steel |
| US07/338,420 US4975131A (en) | 1984-03-30 | 1989-04-14 | High strength hot worked stainless steel |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59064845A JPS60208459A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 高強度ステンレス鋼およびその製造法 |
Related Child Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3351680A Division JP2787044B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 高強度ステンレス鋼およびその製造法 |
| JP35168191A Division JPH0539549A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 高強度ステンレス鋼およびその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60208459A JPS60208459A (ja) | 1985-10-21 |
| JPH0445576B2 true JPH0445576B2 (ja) | 1992-07-27 |
Family
ID=13269959
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59064845A Granted JPS60208459A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 高強度ステンレス鋼およびその製造法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (2) | US4960470A (ja) |
| JP (1) | JPS60208459A (ja) |
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| JPS61272317A (ja) * | 1985-05-29 | 1986-12-02 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 耐食性に優れた常温および高温域での高強度オ−ステナイト・ステンレス鋼材の製造方法 |
| JPS6244523A (ja) * | 1985-08-20 | 1987-02-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | オ−ステナイト系ステンレス棒鋼の製造方法 |
| DE3586247T2 (de) * | 1985-10-15 | 1993-02-25 | Aichi Steel Works Ltd | Hochfester rostfreistahl und dessen herstellung. |
| JPS62267419A (ja) * | 1986-05-13 | 1987-11-20 | Kawasaki Steel Corp | オ−ステナイト系ステンレス厚鋼板の製造方法 |
| JPS62267418A (ja) * | 1986-05-14 | 1987-11-20 | Kawasaki Steel Corp | 高強度オ−ステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
| JPS6353244A (ja) * | 1986-08-25 | 1988-03-07 | Aichi Steel Works Ltd | 強度、耐食性に優れ、かつ異方性が小さいステンレス鋼およびその製造方法 |
| JPS63143219A (ja) * | 1986-12-04 | 1988-06-15 | Kawasaki Steel Corp | オ−ステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
| JPH0791584B2 (ja) * | 1989-03-28 | 1995-10-04 | 日本鋼管株式会社 | 耐海水用クラッド鋼板の製造方法 |
| JPH0611902B2 (ja) * | 1989-07-12 | 1994-02-16 | 住友金属工業株式会社 | ステンレス形鋼およびその製造方法 |
| JPH0726149B2 (ja) * | 1990-10-26 | 1995-03-22 | 住友金属工業株式会社 | 高耐力ステンレス形鋼の製造方法 |
| JP2510783B2 (ja) * | 1990-11-28 | 1996-06-26 | 新日本製鐵株式会社 | 低温靭性の優れたクラッド鋼板の製造方法 |
| DE69414765T2 (de) * | 1993-06-30 | 1999-05-06 | Hitachi, Ltd., Tokio/Tokyo | Formgedächnis-Rohrkupplung für Unterwasserrohre |
| US5411613A (en) * | 1993-10-05 | 1995-05-02 | United States Surgical Corporation | Method of making heat treated stainless steel needles |
| DE10021323A1 (de) * | 2000-05-02 | 2001-11-08 | Sket Walzwerkstechnik Gmbh | Verfahren zur Herstellung höherfester nichtrostender austenitischer Stähle |
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| US20060243356A1 (en) | 2005-02-02 | 2006-11-02 | Yuusuke Oikawa | Austenite-type stainless steel hot-rolling steel material with excellent corrosion resistance, proof-stress, and low-temperature toughness and production method thereof |
| RU2334823C1 (ru) * | 2007-01-25 | 2008-09-27 | Юлия Алексеевна Щепочкина | Высокопрочная горячекатаная нержавеющая сталь |
| JP2009166049A (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-30 | Nagasaki Univ | Fe基合金及びその製造方法 |
| EP2103705A1 (fr) * | 2008-03-21 | 2009-09-23 | ArcelorMittal-Stainless France | Procédé de fabrication de tôles d'acier inoxydable austenitique à hautes caractèristiques mécaniques |
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| CA2944847C (en) * | 2014-04-17 | 2019-07-16 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Austenitic stainless steel and method for producing the same |
| CA3075882C (en) * | 2017-09-13 | 2023-01-10 | Kobelco Steel Tube Co., Ltd. | Austenitic stainless steel and production method thereof |
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| KR20240097192A (ko) * | 2022-12-20 | 2024-06-27 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5825460A (ja) * | 1981-08-07 | 1983-02-15 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | 2次加工性および耐食性の良好な高強度オ−ステナイトステンレス鋼 |
| DE3407305A1 (de) * | 1984-02-24 | 1985-08-29 | Mannesmann AG, 4000 Düsseldorf | Verwendung einer korrosionsbestaendigen austenitischen legierung fuer mechanisch hoch beanspruchte, schweissbare bauteile |
| JPS6187817A (ja) * | 1984-10-05 | 1986-05-06 | Toshiba Corp | 耐熱オ−ステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
| JPS61272317A (ja) * | 1985-05-29 | 1986-12-02 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 耐食性に優れた常温および高温域での高強度オ−ステナイト・ステンレス鋼材の製造方法 |
-
1984
- 1984-03-30 JP JP59064845A patent/JPS60208459A/ja active Granted
-
1989
- 1989-04-11 US US07/340,142 patent/US4960470A/en not_active Expired - Fee Related
- 1989-04-14 US US07/338,420 patent/US4975131A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60208459A (ja) | 1985-10-21 |
| US4960470A (en) | 1990-10-02 |
| US4975131A (en) | 1990-12-04 |
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