JPH0449607A - 磁性多層膜 - Google Patents

磁性多層膜

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JPH0449607A
JPH0449607A JP2159488A JP15948890A JPH0449607A JP H0449607 A JPH0449607 A JP H0449607A JP 2159488 A JP2159488 A JP 2159488A JP 15948890 A JP15948890 A JP 15948890A JP H0449607 A JPH0449607 A JP H0449607A
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    • H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn
    • H01F10/3281—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn only by use of asymmetry of the magnetic film pair itself, i.e. so-called pseudospin valve [PSV] structure, e.g. NiFe/Cu/Co

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、特に磁気抵抗効果素子に好適な磁性多層膜に
関する。
く従、米の技術〉 金属の原子径オーダーの厚さの薄膜が周期的に積層され
た構成をもつ人工格子は、バルク状の金属とは異なった
特性を示すために、近年注目されるようになってきた。
このような人工格子の1種として、単結晶基体上に強磁
性金属薄膜と反強磁性金属薄膜とを交互に積層した磁性
多層膜があり、これまで、鉄−クロム型、ニッケルーク
ロム型および鉄−マンガン型(特開昭60−18990
6号公報)等の磁性多層膜が知られている。
また、鉄−クロム型については、極低温(4,2K)に
おいて40%を超える磁気抵抗変化を示すという報告も
ある(フィジカル・しビュー・レターズ61巻、247
2ページ、1988年)。
これらの磁性多層膜の主な用途は磁気抵抗効果素子(M
R素子)であり、各種磁気センサ(MRセンサ)や磁気
ヘッド(MRヘッド)などへの適用が可能である。
MR素子は、磁場印加による磁性膜の電気抵抗変化を検
出して磁界強度やその変化を測定するものであり、一般
に、室温における磁気抵抗変化率が大きく、動作磁界強
度が小さいこと力5要求される。
MR素子の磁性膜としては、従来、異方性磁気抵抗効果
を利用するF6−Ni合金やCo−Ni合金の単層磁性
膜が用いられている。
しかし、l”6−Ni合金やC□−Ni合金の単層磁性
膜では、動作磁界強度は小さいが磁気抵抗変化率が小さ
い。
また、上記した鉄−クロム型磁性多層膜は、磁気抵抗変
化率は大きいものの動作磁界強度が20 koe程度と
極めて大きいため、MR素子としての実用化が困難であ
る。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、磁気抵抗変化率が大きく、しかも動作
磁界強度を小さくできる人工格子磁性多層膜を提供する
ことにある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的を達成するための人工格子として、本発
明者らは、先に、基体上に、それぞれ200Å以下の厚
さを有し、互いに保磁力および/または磁化容易軸の方
位が異なる第1および第2の磁性薄膜を、厚さ200Å
以下の非磁性薄膜を介して交互に積層した磁性多層膜を
提案している。
このような提案における保磁力が互いに異なる磁性薄膜
を非磁性薄膜を介して積層した場合の磁気抵抗効果発現
の作用を説明する。
説明を簡単にするために、磁性薄膜M+、非磁性薄膜お
よび磁性薄膜M2がこの順に交互に積層されている積層
体について考える。
第2図は、MlおよびM2のそれぞれのB−Hカーブを
示すグラフである。
MlおよびMRの保磁力は、それぞれHclおよびHc
2であり、Hcl<Hc2である。
まず、積層体に−1(maxの外部磁界Hを印加し、次
いで外部磁界HをHwaxまで増加させ、さらにHma
xから−Hmaxまで減少させると、MlおよびM2の
磁化方向、すなわちスピンの方向は、下記表1に示され
るように変化する。
なお、表1では、M、およびM2にそれぞれHmaxの
外部磁界を印加したときの磁化方向を十とし、−Hma
xの外部磁界を印加したときの磁化方向を−とした。
表 の変化 磁化方向 磁化方向 −Hmax−e   Hcl Hcl   −*   Hc2        +Hc
2  −4   Hmax       +     
   +Hmax  →−Hcl        + 
       +−Hcl   →−Hc2     
  −        +−HO2−1−Hmax 上記表1に示されるように、外部磁界Hの変化がHcl
−4Hc2のとき、および−Hcl→−Hc2のときは
、Mlの磁化方向がM2の磁化方向と逆になる。
そして、Mlの磁化方向がM2の磁化方向と逆向きであ
ると、すなわち、M+におけるスピンの向きがM2にお
けるスピンの向きと逆であると、この積層体に電流を流
したときに伝導電子がスピン散乱され、積層体の電気抵
抗が増加する。
このような交互積層型の人工格子では、磁化方向が逆転
するHcl付近において最も抵抗が大きくなるので、M
、を保磁力の小さい材料で構成すれば、動作磁界強度の
極めて小さい磁気抵抗効果素子が実現する。
そして、MlおよびM、それぞれの保磁力を適宜選択す
ることにより、動作磁界強度を自在に設定することがで
きる。
この場合、M、とM、との間に存在する非磁性薄膜は、
MlとM8とに直接はたらく交換相互作用を調節する役
割を果すものである。
非磁性薄膜が存在しないと磁性薄膜同士が接して存在す
ることになるので、交換相互作用によりあたかも1種類
の磁性薄膜のような振る舞いを示し、M、とM、との間
で上記したような磁化の逆転する関係が生じなくなり、
磁気抵抗効果は発現しない。
なお、第2図に示される2種のB−Hカーブは、それぞ
れM、およびM2単独のものであり、実際に非磁性薄膜
を介してMlとM2とを積層すると、残存する相互作用
のために必ずしもHclやHc2において磁化の逆転が
生じるとは限らない。 残存する磁性薄膜間の相互作用
の程度は非磁性薄膜の厚さに依存するため、非磁性薄膜
の膜厚を変更することにより動作磁界強度を変更するこ
とができる。
以上は非磁性薄膜を介して隣接する一対の磁性薄膜につ
いてのものであるが、3層以上の磁性薄膜が積層されて
いて隣り合う磁性薄膜の保磁力が相異なっている場合、
非磁性薄膜を介して隣り合っている一対の磁性薄膜の全
てにおいて上記したような磁化方向の逆転が生じるので
、磁気抵抗変化率の増強効果が得られる。
また、以上では磁性薄膜として保磁力の異なる2種類だ
けを用いているが、保磁力がそれぞれ異なる3種以上の
磁性薄膜を用いることにより、磁化方向が逆転する外部
磁界強度を2箇所以上設定でき、動作磁界強度の範囲を
拡大することができる。
また、上記のような作用による磁気抵抗効果に、各磁性
薄膜そのものに生じる異方性磁気抵抗効果が加わるため
、磁性薄膜を構成する材料に依存してさらに大きな磁気
抵抗変化率が得られることもある。
第3図は、非磁性薄膜を介して磁性薄膜M1およびM8
が積層された磁性多層膜に対し、外部磁界Hを印加した
ときの抵抗Rの変化を模式的に示すグラフである。
第3図において、R3およびR8はそれぞれMlおよび
M8の異方性磁気抵抗効果に起因する抵抗変化であり、
R3は、上記した磁化逆転に起因する抵抗変化である。
 なお、第3図では外部磁界Hな零から+Hcl側に印
加しているが、外部磁界Hな零から−Hcl側に印加し
ていくと、RIR2およびR3は、第2図のR+、Ra
およびR,に対しそれぞれR軸に対称にあられれる。
このような交互積層型の人工格子では、各磁性薄膜の保
磁力、その積層数、非磁性薄膜の厚さ等の各種条件を適
当に選択することにより、第3図に示されるHとRとの
関係を表わす曲線の形状を様々に変更することができる
ので、磁気抵抗変化率や動作磁界強度を種々選択でき、
設計の自由度が極めて高い。
そして、第1および第2の磁性薄膜M1およびM2を相
異なる組成や厚さとすることにより、両磁性薄膜の保磁
力を相異なる値に設定する。
次に、第1および第2の磁性薄膜のM。
M寞の磁化容易軸の方位が異なる場合交互積層型人工格
子における作用について説明する。
第4a図は、外部磁界が存在しない状態における磁性薄
膜M、およびM8それぞれの磁化容易軸の方位を表わす
模式図である。 第4a図において、各磁性薄膜中に配
された矢印は、各磁性薄膜中におけるスピンの向きを表
わし、外部磁界が存在しない状態では、スピンの向きは
磁化容易軸の方位と一致している。
第4b図および第4c図は、MlおよびM。
に外部磁界を印加した状態を示しており、第4b図にお
ける外部磁界H1の強度よりも第40図における外部磁
界H2の強度の方が大きい。
第4b図および第40図中の矢印もスピンの向きをあら
れす。
第4b図では、各磁性薄膜のスピンが外部磁界の影響に
より回転し、M、のスピンの向きとM、のスピンの向き
とのなす角度が第4a図に比べ小さくなっている。
また、第4c図では、各磁性薄膜のスピンは、外部磁界
の方向とほぼ平行になっており、M、のスピンの向きと
M富のスピンの向きとはほぼ平行である。
第4a図、第4b図および第4c図にそれぞれ示す状態
において、積層体の電気抵抗には下記のような変化が生
じている。
第4a図の状態の積層体に電流を流すと、MIのスピン
とM2のスピンとが平行でないため伝導電子がスピン散
乱され、大きな電気抵抗を示す。
第4b図の状態では、Mlのスピンの向きとM2のスピ
ンと向きとが第4a図の状態に比べ平行に近づいている
ため、伝導電子のスピン散乱が減少し、電気抵抗は小さ
くなる。
そして、第4C図の状態では、Mlのスピンの向きとM
、のスピンと向きとがほぼ一致しているため、伝導電子
は殆どスピン散乱されず、電気抵抗は極小となる。
このような作用により、磁化容易軸の方位の相異なる2
層の磁性薄膜の交互積層体において、磁界印加により電
気紙−抗が変わる磁気抵抗効果が発現する。
この場合、積層体の抵抗は外部磁界強度が零のときが最
大であり、外部磁界強度が増加するにつれて抵抗が減少
する。 外部磁界強度増加に対する抵抗減少の割合は、
磁性薄膜の異方性エネルギーおよび保磁力に依存し、異
方性エネルギーおよび保磁力が小さいほど磁性薄膜のス
ピンが回転し易いため小さな磁界強度で抵抗が減少する
。
従って、この場合も、動作磁界強度を極めて小さい範囲
に設定することができ、また、外部磁界強度の微小な変
化にも対応することができる。 また、磁性薄膜の異方
性エネルギーや保磁力を適宜選択することにより、様々
な特性の磁気抵抗効果を得ることができる。
この場合も、M、とM、との間に存在する非磁性薄膜は
、MlとMlとに直接はだら(交換相互作用を調節する
役割を果たし、本発明において必須のものである。
非磁性薄膜が存在しないと磁性薄膜同士が接して存在す
ることになるので、交換相互作用によりあたかも1種類
の磁性薄膜のような振る舞いを示し、外部磁界を印加し
ない状態でも第1c図のように両磁性薄膜のスピンの向
きが一致してしまい、上記のような磁気抵抗効果は発現
しない。
なお、非磁性薄膜を設けても、通常、MlとM、との間
には交換相互作用が残存し、その強さは非磁性薄膜の厚
さに依存して変わるため、磁気抵抗効果を非磁性薄膜の
厚さによって調整することもできる。
以上詳述してきた交互積層型の人工格子は、すぐれた磁
気抵抗効果をもつものである。
本発明者らは、さらに研究を行なったどころ、上記のよ
うな第1および第2の磁性薄膜と非磁性薄膜とを用いる
場合、交互積層膜のみならず、ブロック積層膜や、ラン
ダム積層膜でも、同等の効果が発現することを見出した
。
すなわち、本発明は、下記(1)、(2)のランダム積
層型の磁性多層膜を提供するものである。
(1)基体上に、それぞれ厚さ200Å以下の第1の磁
性薄膜と、これと異なる第2の磁性薄膜とを有し、 これら第1および第2の磁性薄膜を、これらが交互に積
層されないように、あるいはブロックごとに積層されな
いように、厚さ200Å以下の非磁性薄膜を介して積層
したことを特徴とする磁性多層膜。
(2)前記第1および第2の磁性薄膜は、互いに、保磁
力および/または磁化容易軸の方位が異なる上記(1)
に記載の磁性多層膜。
く具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明の磁性多層膜は、第1図に示されるように、基体
2上に、2層以上の磁性薄膜を有し、互いに保磁力およ
び/または磁化容易軸の方位の異なる第1および第2の
磁性薄膜M 1%M8が、非磁性薄膜Nを介してランダ
ムに積層される。
ランダムに積層されている磁性多層膜の構成とは、各々
の磁性薄膜が規則性をもった積層順序ではないことを意
味するが、特に第1には、第1および第2の磁性薄膜M
 r 、M tが交互に積層されてはいないことを意味
する。
また、第2に、少な(とも3層以上の同一磁性薄膜のブ
ロック同志が積層されていないことを意味する。
基体2の材質に特に制限はな(、例えば、酸化マグネシ
ウム、ガラス、けい索車結晶、ガリウムーヒ素単結晶な
ど、通常の人工格子に用いられる基体材質から適宜選択
すればよい。
また、基体2の寸法にも特に制限はなく、適用される素
子に応じて適宜選定すればよい。
基体2の磁性薄膜が形成される側の表面には、必要に応
じて下地膜が形成されていてもよい。
下地膜としては、例えば、厚さ200人程度のAu薄膜
が好ましく、また、このAu薄膜を真空槽中で150℃
程度にて1時間程度勲処理すると表面が原子オーダーで
平滑となり、人工格子の下地膜としての効果が高くなる
。
第1および第2の磁性薄膜M1、N2、は、磁性体から
構成される。
この場合、さらに第3ないし第4等の磁性薄膜が存在し
ていもよい。
本発明の第1の態様では、第1および第2の磁性薄膜の
保磁力が異なる。
磁性薄膜に用いる磁性体に特に制限はないが、例えば、
強磁性体、反強磁性体、フェリ磁性体および常磁性体か
ら選択でき、具体的には、Fe、Ni、Go、M n 
* Cr * D V −Er、Nd、Tb、7m%C
e等が好ましい。
また、これらの元素を含む合金や化合物も好ましく用い
ることができる。 合金や化合物としては、例えば、F
e−3i、Fe−Ni。
Fe−Co、Fe−Gd、Fe−Al2−3i(センダ
スト等)  Fe−Y、Fe−Mn、Cr−5b%Co
基アモルファス合金、Co−Pt、Fe−Al2、Fe
−C,Mn−5b。
Ni−Mn、Co−0、Ni−0、Fe−0゜N1−F
等が好ましい。
第1および第2の磁性薄膜の保磁力は、適用される素子
における外部磁界強度や要求される磁気抵抗変化率等に
応じて例えば0.0010e〜10kOe程度の範囲か
ら目的に応じて適宜設定すればよく、特に制限はない。
また、例えば、磁性薄膜の保磁力が2種類である場合、
両磁性薄膜の保磁力の比は1.2〜50程度であること
が好ましい。
保磁力の比を小さく設定すれば、外部磁界変化に対する
抵抗変化を急峻にでき、比を大きく設定すれば、測定可
能な磁界強度範囲を広くできる。
なお、磁性多層膜中に存在する磁性薄膜の磁気特性は直
接測定することができないため、通常、下記のようにし
て測定する。
測定すべき磁性薄膜を、磁性薄膜の合計厚さが200〜
400人程度になるまで非磁性薄膜と交互に蒸着して測
定用サンプルを作製し、これについて磁気特性を測定す
る。 この際、磁性薄膜の厚さ、非磁性薄膜の厚さおよ
び非磁性薄膜の組成は、磁性多層膜中におけるものと同
じとする。
本発明では、上記の磁性体の2種、あるいは3種以上の
磁性体を用いたり、そのうちの1種を選択して膜厚を変
えることにより保磁力の異なる磁性薄膜を形成すること
もできる。
磁性薄膜の厚さは200Å以下、好ましくは100Å以
下とする。 厚さが前記範囲を超えても本発明の効果に
向上はみられず、また、均一な厚さで良質な磁性薄膜を
形成するためには後述するような方法により比較的遅い
速度で成膜するので、生産性が低(なる。
なお、磁性薄膜の厚さの下限は特にないが、厚さを4Å
以上とすれば、膜厚を均一に保つことが容易となり、膜
質も良好となる。 また、磁化量が小さくなりすぎるこ
ともなくなる。
各磁性薄膜の組成を同一とする場合、最も厚い磁性薄膜
の厚さを最も薄い磁性薄膜の厚さで除した値を1.2以
上、特に1.5〜20とすることが好ましい。 膜厚の
比をこのような範囲とすることにより、実用的な磁気抵
抗効果が得られる。
なお、組成が同一の場合、通常、膜厚が薄いほど保磁力
は高くなるが、厚さの変化と保磁力の変化との関係は組
成によっても異なる。
保磁力以外の磁気特性に特に制限はないが、低保磁力の
磁性薄膜の角形比は0.9〜1.0であることが好まし
い。
この理由は下記のとおりである。
本発明の磁性多層膜では、前述したように低保磁力の磁
性薄膜中のスピンを高保磁力の磁性薄膜中のスピンと反
平行な状態にし、伝導電子をスピン散乱させることによ
り電気抵抗を増加させている。
電気抵抗は、両磁性薄膜において互いに反平行状態にあ
るスピンの割合が高いほど大きくなる。
第2図において、低保磁力の磁性薄膜M1中のスピンは
外部磁界強度Hclで半数が反転しており、さらに外部
磁界強度を増加させると反転するスピンの割合が増加し
、Mlにおいてスピンの反転が完了したとき、高保磁力
の磁性薄膜M2中のスピンと反平行な状態であるものの
割合が最も高くなる。
そして、M、の角形比が高いほど全スピンの反転が速や
かに完了する。 すなわち、Hclに極めて近い磁界強
度でMl中のスピンの反転が完了することになる。
一方、高保磁力の磁性薄膜M2では、Hc2においてス
ピンの半数が反転しているが、Hc2以下でもスピンの
反転は生じており、MCI−IHC2にかけて反転した
スピンの割合は増加する。
すなわち、M2中では、Hcl→Hc2にかけて、M、
中の反転したスピンと平行なスピンの割合が増加してし
まう。
このため、M、のスピン反転が迅速であるほどMlとM
2とで反平行なスピンの割合が高くなり、高い抵抗値が
得られる。 また、M2の角形比が高ければ、Hcl付
近でM2のスピンは殆ど反転していないことになるため
、さらに高い抵抗値が得られる。
従って、MIの角形比が0.9〜1.0であれば、第3
図に示されるように外部磁界Hの強度がHclに極めて
近いときに抵抗Rが最大となり、しかもその値が太き(
なるるため、動作磁界強度が小さく、しかも抵抗変化率
が大きくなる。 また、外部磁界強度の変化に対してス
ピンの反転が急激に生じるため、外部磁界強度の変化に
対する抵抗の変化率が高くなる。
また、M2の角形比を0.8以上、特に0.9〜1.0
とすれば、さらに抵抗変化率を向上させることができる
。
なお、以上の説明は外部磁界強度がHcl→Hc2と変
化するときのものであるが、−Hcl→−Hc2と変化
する場合についても同様である。
非磁性薄膜は、その両側に存在する磁性薄膜同士の相互
作用を緩和ないし調整するために設けられる。
非磁性薄膜は非磁性体から構成される。
用いる非磁性体に特に制限はなく、各種金属ないし半金
属非磁性体や非金属非磁性体から適宜選定すればよい。
金属非磁性体としては、Ar1、Mg、Mo、Zn、N
b、Ta、V、Hf、Sb、Zr、Ga、  Ti %
 Sn、  Pb% Au% Ag% Cu。
ptやこれらの合金等が好ましく、半金属非磁性体とし
ては、Si、Ge%C%B等が好ましく、非金属非磁性
体としては、Stow、5iO1SiN%At2* O
s、ZnOlMgO。
TiN等の金属ないし半金属の化合物が好ましい。
また、用いる非磁性体の電気抵抗率ρは、4.0μΩ’
 cm以上、特に12.OμΩ’ cm以上であること
が好ましい。 この場合の電気抵抗率は、バルク状態に
おけるものであり、また、20℃にて測定されたもので
ある。
このような電気抵抗率を有する非磁性体から非磁性薄膜
を構成すれば、磁性薄膜中を通る電子の割合が増加し、
その結果、散乱される電子の割合が増加して大きな抵抗
変化率が得られる。
非磁性薄膜の厚さは、200Å以下、好ましくは80Å
以下、より好ましくは60Å以下とする。 厚さが前記
範囲を超えると磁性多層膜全体としての初期抵抗が増大
し、その結果、磁気抵抗変化率が小さくなってしまう、
 また、上記した磁性薄膜と同様に生産性が低くなる。
また、非磁性薄膜の厚さは、4Å以上とすることが好ま
しく、より好ましくは8Å以上、さらに好ましくは12
Å以上とする。 厚さが前記範囲未満であると隣り合う
磁性薄膜間の交換相互作用が強くなり、両磁性薄膜の磁
化方向が相異なる状態が生じにくくなる。 すなわち、
第2図において、HclとHc2とが分離しなくなる。
なお、磁性多層膜中において、非磁性薄膜の厚さは全て
同じである必要はない、 非磁性薄膜の厚さを2種以上
とすることにより、さらに種々の設計が可能となる。
磁性薄膜や非磁性薄膜の厚さは透過型電子顕微鏡、走査
型電子顕微鏡、オージェ電子分光分析等により測定する
ことができ、また、その結晶構造等はX線回折や高速反
射電子線回折等により確認することができる。
本発明の磁性多層膜において、磁性薄膜の数nに特に制
限はな(、目的とする磁気抵抗変化率等に応じて適宜選
定すればよいが、十分な磁気抵抗変化率を得るためには
、nを6以上とすることが好ましい。 また、積層数を
増加するにしたがって抵抗変化率も増加するが、上記し
たように生産性が低くなることから、通常、nを150
以下とすることが好ましい。
なお、最上層の磁性薄膜の表面には、窒化けい素や酸化
けい素等の酸化防止膜が設けられてもよく、電極引き出
しのための金属導電層が設けられてもよい。
また、第2図では最上層および最下層は磁性薄膜となっ
ているが、最上層や最下層を非磁性薄膜としてもよい。
本発明の第2の態様では、第1および第2の磁性薄膜の
磁化容易軸の方位が互いに異なる。
磁化容易軸の方位の相異なる磁性薄膜を積層するために
は、後述するような蒸着法による磁性薄膜形成を、磁界
中で行なえばよい。
本発明では、隣り合う磁性薄膜の磁化容易軸の方位のな
す角度が20度以上、特に30度以上であることが好ま
しい。 この角度が20度未満であると、磁気抵抗変化
率が低くなる。
この場合、磁性薄膜の磁化容易軸の方位とは、外部磁界
が存在しないときの磁性薄膜のスピンの向きである。
また、両磁性薄膜の磁化容易軸の方位のなす角度の上限
は180度であり、この角度において両磁性薄膜のスピ
ンは反平行となり、抵抗は最大となる。
ただし、外部磁界の強度が一方の磁性薄膜の保磁力を超
えると、外部磁界の印加方向によっては一方の磁性薄膜
だけスピンの向きが反転することがある。 一方の磁性
薄膜のスピンの向きが反転すると、それぞれの磁性薄膜
のスピンが互いになす角度は、当初の角度の補角となっ
てしまう。
従って、安定した磁気抵抗効果を得るためには、外部磁
界の強度およびその印加方向と、各磁性薄膜の保磁力お
よびその磁化容易軸の方位との関係を考慮して設計を行
なうことが好ましい。
なお、磁性薄膜の磁化容易軸の方位は、磁性薄膜の面内
方向であってもよく厚さ方向であってもよい。
本発明において、各磁性薄膜の磁気異方性エネルギーの
程度に特に制限はない、 すなわち、異方性エネルギー
が低ければ、低磁界強度でスピンの向きが変化し始め、
しかも磁界強度変化に対するスピン変化が大きくなるの
で、動作磁界強度が低く、しかも鋭敏な磁気抵抗効果が
得られる。
また、逆に異方性エネルギーが高ければ、動作磁界強度
を高くすることができ、また、動作範囲を広(すること
ができる。
なお、磁気異方性エネルギーは、通常、10 y 10
 ” erg/crn″程度とすればよい。
磁性多層膜中に磁化容易軸の方位の相異なる磁性薄膜の
ペアが複数存在する場合、各ペアにおける磁化容易軸の
方位のなす角度や異方性エネルギー等は同一であっても
異なっていてもよく、目的とする磁気抵抗変化率や動作
磁界強度の範囲等に応じて様々な設計が可能である。
なお、磁化容易軸の方位および磁化容易軸エネルギーは
、トルクメータにより測定することができる。 測定は
、円板状の基体上に磁性多層膜形成時と同条件で磁性薄
膜を形成した測定用サンプルに対し行なえばよい、 こ
のときの磁性薄膜の厚さは20Å以上であれば十分であ
る。
本発明の磁性多層膜の製造方法に特に制限はなく、蒸着
法やス、バッタ法等の各種気相成膜法から選択すること
ができるが、前記した程度の厚さの薄膜が均一な厚さで
得られ、しかも良質な膜が得られることから、分子線エ
ビタクシ−(MBE)法を用いることが好ましい。
MBE法は、超高真空蒸着法の1種であり、超高真空中
で蒸着源から蒸発した分子を基体表面に付着させて薄膜
を成長させる方法である。
具体的には、シャッタの開閉により蒸着源を選択し、膜
厚計で測定しながら磁性薄膜と非磁性薄膜とを交互に蒸
着する。
本発明の磁性多層膜製造には通常のMBE法を用いれば
よく、成膜条件に特に制限はないが、通常、1〇−目〜
10−”Torr程度の到達圧力とし、蒸着中の圧力1
0−” −10−”Torr程度にて、成膜速度0.2
〜1.0人/sec程度で成膜することが好ましい。
また、薄膜の結晶構造を整えるために、必要に応じ、成
膜時に基体を加熱してもよい。 加熱温度は、各薄膜間
での拡散を防ぐため800℃以下とすることが好ましい
。
なお、磁性薄膜を磁界中で成膜し、磁気異方性を付与し
てもよい。
本発明の磁性多層膜は、MRセンサやMRヘッドなどの
各種MR素子に好ましく適用され、使用する際には、必
要に応じてバイアス磁界が印加される。
〈実施例〉 以下、具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明
する。
E実施例1コ マグネシア単結晶基体上に磁性薄膜と非磁性薄膜とを交
互に蒸着し、磁性多層膜サンプルを作製した。
磁性薄膜と非磁性薄膜とからなる多層膜の構成を、下記
表2、表3に示す。
なお、表2において、例えば rFe(30)−Zn(20)−Co(30)−Zn(
20)]  X  10と表示されている場合、1〇層
の30人厚のFe薄膜と10層の30人厚のCo薄膜と
を、20人のZn薄膜を介在させながら、ランダムな順
序で蒸着したことを意味する。 各薄膜の厚さは、透過
型電子顕微鏡により測定した。
蒸着は、到達圧力10−’〜10−10Torrの真空
槽内において、MBE法により行なった。
成膜速度は約0.5人/seeとし、基体を30rpo
+で回転させながら蒸着を行なった。
蒸着の際の基体温度は200℃とし、約5000eの磁
界を基体の面内方向に印加して磁性薄膜に磁化容易軸を
付与した。
各磁性薄膜の磁気特性を、表2、表3に併記する。
なお、各サンプル中における磁性薄膜の磁気特性は直接
測定することができないため、下記のようにして測定し
た。
まず、測定すべき磁性薄膜とそのサンプルに用いた非磁
性薄膜とを、磁性薄膜の合計厚さが400人になるまで
交互に蒸着して測定用サンプルを作製し、これについて
磁気特性を測定した。 なお、磁性薄膜および非磁性薄
膜の厚さは、そのサンプル中における厚さと同じとした
。
保磁力および角形比は、B−Hループトレーサーと振動
型磁力計により測定した。
表 表2および表3に示されるサンプルを0.3mmX 1
 、 Ommの短冊状とし、外部磁界を最大−7〜+7
0eまで変化させたときの抵抗を4端子法により測定し
、磁気抵抗変化率ΔR/Rを求めた。
抵抗変化率ΔR/Rは、最大抵抗値をRwax、最小抵
抗値をRwinとし、 として計算した。
この結果、各サンプルは、いずれも数%以上のΔR/R
を示した。
[実施例2] 実施例1と同様にして、マグネシア単結晶基体上に磁性
薄膜と非磁性薄膜とを蒸着し、磁性多層膜サンプルを作
製した。
磁性薄膜の蒸着に際しては、100〜9000eの磁界
を基体の面内方向に印加して磁性薄膜に磁気異方性を付
与した。 磁界印加方向は2方呼とし、基体側から奇数
番目の磁性薄膜形成の際は全て同じ方向に磁界を印加し
、また、偶数番目の磁性薄膜形成の際の磁界印加方向も
統一した。 なお、印加磁界強度は、両方向で同一とし
た。
奇数番目の磁性薄膜の磁化容易軸の方位と偶数番目の磁
性薄膜の磁化容易軸の方位とのなす角度を、表4に示す
。
また、これらの磁性薄膜の磁気異方性エネルギーを表4
に示す。
なお、各磁性薄膜の磁化容易軸の方位が磁界印加方向に
一致していることは、トルクメータにより確認した。 
また、磁化容易軸エネルギーも、トルクメータにより測
定した。 これらの測定は、円板状の基体上に磁性薄膜
を厚さ200人に形成した測定用サンプルについて行な
った。
また、各サンプルに用いた磁性薄膜の保磁力を表4に示
す。 なお、各サンプル中における磁性薄膜の保磁力は
直接測定することができないため、下記のようにして測
定した。
測定すべき磁性薄膜とそのサンプルに用いた非磁性薄膜
とを、磁性薄膜の合計厚さが400人になるまで交互に
蒸着して測定用サンプルを作製し、これについて保磁力
を測定した。 なお、磁性薄膜および非磁性薄膜の厚さ
は、そのサンプル中における厚さと同じとした。
保磁力は、B−Hループトレーサーと振動型磁力計によ
り測定した。 測定の際の磁界印加方向は、磁化容易軸
方向とした。
これら各サンプルも、数%以上のΔR/Rを示した。
〈発明の効果〉 本発明の磁性多層膜は、磁気抵抗変化率が大きく、しか
も動作磁界強度を小さく設定できるため、MR素子に好
適である。
また、動作磁界強度を比較的自由に設定できるなど、設
計の自由度が高いため、MRセンサやMRヘッドなど種
々の用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の磁性多層膜の断面図である。 第2図は、本発明の詳細な説明するためのB−Hカーブ
の模式図である。 第3図は、本発明の磁性多層膜における外部磁界Hと抵
抗Rの変化との関係を模式的に示すグラフである。 第4a図、第4b図および第4c図は、それぞれ本発明
の詳細な説明する模式図である。 符号の説明 1・・・磁性多層膜 2・・・基体 Ml・・・第1の磁性薄膜 M、・・・第2の磁性薄膜 N・・・非磁性薄膜 出 願 人 ティーデイ−ケイ株式会社代  理  人
  弁理士   石  井  隔間     弁理士 
  増  1) 達  哉F 工 G−

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基体上に、それぞれ厚さ200Å以下の第1の磁
    性薄膜と、これと異なる第2の磁性薄膜とを有し、 これら第1および第2の磁性薄膜を、これらが交互に積
    層されないように、あるいはブロックごとに積層されな
    いように、厚さ200Å以下の非磁性薄膜を介して積層
    したことを特徴とする磁性多層膜。
  2. (2)前記第1および第2の磁性薄膜は、互いに、保磁
    力および/または磁化容易軸の方位が異なる請求項1に
    記載の磁性多層膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04247607A (ja) * 1991-02-04 1992-09-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気抵抗効果素子
JPH05259530A (ja) * 1992-03-13 1993-10-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気抵抗効果素子
US5937812A (en) * 1997-02-26 1999-08-17 Cummins Engine Company, Inc. Camshaft for internal combustion engines
JP2012049213A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Mitsubishi Electric Corp 磁気抵抗効果素子、それを用いた磁界検出器、位置検出器、回転検出器および電流検出器

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