【発明の詳細な説明】
回転式容積形機械
技術分野
本発明は機械工学に関し、より詳しくは回転式エキスパンション機械に関する。
発明の背景
カム形の端面と軸とを有するローターを内蔵したケーシングを備える流体的翼板
機械(SU、A、819363)は公知である。ケーシングにはばねの作用を受
けて軸線方向に移動するように半径方向に延びた翼板を収容する溝が設けられて
いる。駆動モータによってローターが回転すると、ローターのカム端面を常時押
圧する翼板は往復運動して圧力量と吸引作用室の規則正しい変化を行なう。翼板
はこれらの作用室を分割し、作用室の最大容積に対する使用流体容積の比率であ
る体積効率は翼板の端面とローターのカム端面間のシーリングの性質によって決
まる。しかし翼板の狭い端面に効果的なシール材を設けることは難しい。従って
この従来機械の体積効率は比較的低い。
また回転式容積形ポンプ(SU、A、877129)が公知である。この容積形
ポンプは翼板の外面がつがい合った内側球状面を有するケーシングを備える。翼
板には互いにある角度をなして該翼板の対称軸線に沿って延びた動力取出し軸が
設けられている。
また、直径面上を延びかつ外面がケーシングの内面につがい合った仕切りを備え
る。仕切りの直径面には、翼板の支持部材と溝内に収容されたシール材が設けら
れている。この機械は体積効率が向上している。そのわけはケーシング内側の直
径と同一の直径を有する作用室の有効容積が増加するためである。しかし作用室
の有効スペースの一部を占めるシール材を設けると体積効率を増加する可能性が
低下する。また直径面のシール線が長くかつ極めて複雑なので信頼性のあるシー
ルをすることは難しい。
発明の要約
本発明は、作用室の有効容積を増加し、翼板、仕切りと球状ケーシングの内側表
面とが互いにつがい合う線の長さを減少させることによって体積効率が向上した
回転式容積形機械の提供を目指したものである。
上記を達成する本発明は、ローターを収容する球状の内部空間を有するケーシン
グを備えた回転式容積形機械であって、上記ローターは、球状の内部空間の中心
の周りを回転するように設けられかつ互いに独立した一対の区画室を画定する円
板状の仕切りと、仕切りの両側において互いに直角な二つの平面上に延びるよう
に上記仕切りに種薯されて仕切りとケーシングの内側球状面との間にシールされ
た可変容積の作用室を画定する一対の翼板とを備え、夫々の翼板は夫々の動力取
出し軸に固着され、該動力取出し軸の軸線が互いにある角度をなして延びると共
に球状の内部空間の中心で互いに交差したものにおいて、本発明によれば、円板
状仕切りは連続体であって各翼板に対する植着連結部は、円板状仕切りの直径方
、向に延びた円柱状突起と、翼板の端部に設けられて該円柱状突起とつがい合っ
た凹所とで形成され、仕切りの両側の円柱状突起の軸線が同一平面上に延びた回
転式容積形機械である。
仕切り両側面に軸線が同一平面上に延びかつ、仕切りの中心において互いに直交
する円柱状突起を設け、また夫々の翼板の端面に該円柱状突起とつがい合う凹所
を設けると、円柱状突起の表面に該凹所が相当な領域に亘って交接するので、つ
がい合った面間に軟質詰物(撚りかけもの、紐状、組織等)、機械的シール材等
の効果的なシール材を設けることができ、これらのシール材は作用室の有効容積
を減少させることがない。機械寸法を増加せずにシール性が向上しかつ作用室の
有効容積が増大するので、体積効率が向上する。
翼板の端面の直径的に対応した位置に突起が設けられ、上記突起の設置領域内の
凹所の円弧長が凹所の残りの領域内の円弧長よりも大きく、また仕切りには、上
記の突起を収容するように該突起の設置領域に凹みが設けられると好都合である
。
翼板と仕切り間の上記の構造の回動継手は永久的な保合が可能であり、また信頼
性のあるシールが得られる大きな保合表面を提供する。
図面の簡単な説明
添付図面に示す実施例を参照して本発明を説明する。
図1は本発明にかかる回転式容積形機械の斜視図、図2はローターと作動室の3
次元位置を示す概略図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明にかかる回転式容積形機械は球状ケーシングと球状ローターとを備えた回
転式機械に分類されるもので、図1及び図2に示す実施例は、回転式容積形ポン
プ或いは回転式エキスパンション・エンジンとして使用することができる。以下
、本文では本発明にかかる回転式容積形機械をエキスノくンション・エンジンに
通用した場合について説明する。
本発明の回転式容積形機械はローターを収容する内部空間を有して半割体(図1
)から形成された球状ケーシング1を備え、上記ローターは円板状仕切り2と動
力取出し軸5,5′に連結された翼板3.4とで形成されている。夫々の翼板3
゜4は鋭角をなして交差した1対の平面によって画定された球の一部分であり、
1対の平面の交差線は核球の直径に沿って延びている。ケーシング1の内側球状
面6は仕切り2の外周面7と翼板3,4の外縁面8.8′とつがい合っている。
円板状仕切り2はケーシング1の球状の内部空間の中心の周りを回転するように
設けられ、該ケーシング内に互いに独立した1対の区画室を画定するものである
。
円板状仕切り2の両側面には翼板3,4が種薯されていて、両翼板3.4は類似
の扇形に形成され夫々球状外縁面8,8′と直径的な外面を形成する端面とを備
える。この翼板3.4は円板状仕切り2に対して互いに直交した二つの平面に存
在する。
仕切り2の両側面には直径方向に延びた円柱状突起9,9′が設けられ、該円柱
状突起9.9′の軸線a、bは両輪線a。
bと仕切り2とに亘って引かれた同一平面上を延びかっこの平面の中心で交差し
ている。翼板3,4の端面に設けられた中低の円柱面を有する凹部10 、10
’は夫々の円柱状突起9゜9′の表面につがい合っている。従って翼板3,4は
仕切り2の両側に延びるように設けられ、かつ動力取出し軸によって回転される
と仕切り2に対して移動することが可能である。
動力取出し軸5.5′は互いにある角度をなして翼板3及び4の対称軸線に沿っ
て夫々翼板3.4の外縁面8.8′に向って延び、ケーシングlの孔を貫通して
いる。ケーシング1は入口孔II、出口孔12 、13、入口孔I4を備える。
仕切り2の外周面7、翼板3.4の外縁面8 、8’ 、円柱状突起9゜9′の
表面、凹所10 、10’の中低状円柱面によって夫々の表面の全表面領域に亘
った交接部を形成して補助的シール材(不図示)の使用を可能ならしめ、それに
よって翼板3,4及び仕切り2によって画定される可変容積の作用室15 、1
6 。
17 、18 (図2)の密閉性を向上させている。
図2は動力取出し軸5.5′の軸線c、dを概略的に示し、これらの軸線c、d
は互いに鈍角をなすと共に、仕切り2の平面に対して直角に該仕切り2の中心を
通る軸線OO′に対して鋭角をなして延びている。
翼板3.4の端面の直径的に向き合った部分に突起19 、20 。
21 、22を設けると好都合である。これらの突起内の凹所10゜10′の弧
長は該凹所10 、10’の残りの部分の弧長よりも長い。
これらの突起19 、20 、21 、22を収容するために仕切り2の該突起
に対応する位置には凹所23 、24 、25に設けられている。
円板状仕切りと翼板とを組付けると突起19 、20 、21 、22が夫々の
凹所内に収容されて、翼板3,4を仕切り2の回動継手に保持する。
回転式容積形機械は以下のように作動する。組付けられた翼板3,4は仕切り2
に枢着されてケーシング1の球状内部空間に収容されたローターを形成する。図
2は組付けられたローターを概略的に示す。図1.2を参照して本発明の詳細な
説明する。尚翼板3.4で画定された可変容積の作用室15゜16 、17 、
18は図2に示されている。図を簡略化するために図1にはケーシング1は示さ
れていない。
蒸気、液体、ガス等の流体が入口孔11の初期位置に供給され、かつ例えば作用
室15と18が該入口孔11に連通していると、これらの作用室15 、18内
に形成された圧力は出口孔13 、14に連通した作用室16 、17内の圧力
よりも大きい。この圧力差によって仕切り2の側面に作用する力を生じて偶力の
作用軸線の周りに仕切り2を移動させる偶力が発生する。仕切り2の上記の運動
は仕切り2の円柱状突起9 、9’ 、突起19 、20 。
21 、22、凹所10を介して、動力取出し軸を回転させる翼板3゜4に伝え
られる。仕切り2と翼板3.4との回転によって作用室15 、16 、17
、18は入口孔に対して該作用室の位置を変え、作用室15は出口孔12と、作
用室18は出口孔13と、また作用室16 、17は入口孔11 、14と夫々
連通する。従って作用室15 、18内の圧力は作用室16 、17内の圧力よ
り低くなり、仕切り2、翼板3,4、動力取出し軸5,5′に偶力が働らく。ケ
ーシング1の入口孔11 、14の位置は、夫々の作用室に供給される流体の量
が最小となるように選らばれる。この意味で作用室に対する流体供給相は90”
ずらされている。仕切り2と翼板3.4との回転中に、ケーシング1の内側の球
状面とつがい合った表面7.8と突起9 、9’ 、凹所10 、10’の互い
に係合する表面と最終的なシール材とによって作用室15 、16 、17 。
18の良好なシールが得られる。
シール材は本発明の回転式容積形機械内の作用室の有効容積を占めることがなく
、直径面上のシール線は比較的短くかつ複雑なものではないので信頬性の高いシ
ール性が得られる。
これらの利点によって機械の体積効率が向上する。
産業上の利用可能性
本発明を、蒸発性流体の内部エネルギを機械的仕事に変換する容積機械のような
回転式蒸発エンジンに使用すると最も有効である。
本発明はまた流体を圧縮したり送りだしたりする圧縮機、ポンプ、流体モータに
使用すると有効である。
国際調査報告