JPH0453682B2 - - Google Patents
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- JPH0453682B2 JPH0453682B2 JP61198075A JP19807586A JPH0453682B2 JP H0453682 B2 JPH0453682 B2 JP H0453682B2 JP 61198075 A JP61198075 A JP 61198075A JP 19807586 A JP19807586 A JP 19807586A JP H0453682 B2 JPH0453682 B2 JP H0453682B2
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- wood
- esterified
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- monoepoxide
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は木材の表層部を改質することによる、
特に寸法安定性と耐候性とに優れた改質木材の製
造方法に関するものである。 (従来の技術) 木材は軽くて強く、また加工しやすいために、
古くから建築用材料および家具用材料をはじめ、
その他広範な用途に使用されているが、木材中の
結合水の増減により寸法変化が起こりやすく、ま
た木材内部での水分傾斜、収縮の異方性、節など
により、乾燥に伴つて割れ、反り、曲り、ねじれ
などの狂いが生じやすい欠点があつた。また、外
壁材、軒天、雨戸などの屋外用として用いられて
いる木材は、太陽光線中の紫外線、水分、および
酸素などによつて劣化が生じやすく、耐候性に問
題を有していた。 上記木材の寸法安定性および耐候性を改善する
手段としては物理的な方法と化学的な方法とがあ
る。前者としては、最近実用化されているもの
で、木材にビニル系モノマー、オリゴマー、およ
びプレポリマーなどを注入した後、外部から、放
射線照射または触媒を用いての加熱などにより木
材−プラスチツク複合体(WPC)とする方法、
またポリエチレングリコールやその誘導体を木材
内部に注入させる方法などが知られている。しか
しながら、このように木材内部に充填、固定化す
る方法は、木材のもつ特長、即ち木材表面の組織
による微細な凹凸が生起する美的な感覚、光の散
乱による自然な立体感(装飾性)、暖さ(感触
性)、および弾力性(機能性)などが失われる欠
点があつた。また、寸法安定性および耐候性にお
いても充分な性能を有するものではなかつた。 一方、後者としては、現在まだ研究段階である
が、木材をアセチル化処理する方法が知られてい
る。しかしながら、木材をアセチル化処理する方
法においては、一般に反応液として無水酢酸が使
用されるが、この場合、アセチル化された量と同
量の酢酸が副生成物として生成され、これは再び
アセチル化反応に使用することができないという
難点があつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は特に寸法安定性と耐候性とに優れた新
しい改質木材を得る方法を提供するにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは上述の如き欠点を解消すべく鋭意
努力した結果、木材の表層部に存在する木材成分
の水酸基に二塩基酸無水物を付加したカルボキシ
ル基含有エステル化木材をモノエポキサイドに浸
漬し、加熱反応させ、上記エステル化木材中のカ
ルボキシル基にモノエポキサイドを付加させるこ
とにより、特に寸法安定性と耐候性とに優れた新
しい改質木材が得られることを見い出した。即
ち、本発明は、柱状、板状、またはブロツク状な
どの木材の表層部に存在する水酸基に二塩基酸無
水物を反応させて得られるカルボキシル基含有エ
ステル化木材を反応溶液であるモノエポキサイド
に浸漬し、60〜150℃の温度で所定時間加熱反応
させて、上記エステル化木材中のカルボキシル基
にモノエポキサイド中のエポキシ基を付加エステ
ル化反応させ、木材の表層部に二塩基酸無水物と
モノエポキサイドを付加結合させた新しい改質木
材の製造方法を提供するものである。 本発明において使用するカルボキシル基含有エ
ステル化木材とは、木材の表層部に二塩基酸無水
物を反応させ、木材組織中に含まれているセルロ
ース、ヘミセルロース、およびリグニンなどの化
学成分中の水酸基をエステル化することにより、
木材中にカルボキシル基を化学的に導入したもの
である。これらは木材の組織構造を保有したまま
のものである。その形状は柱状、板状またはブロ
ツク状などのものである。また樹種においても制
限はない。 また、二塩基酸無水物としては、具体的には、
無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、
無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフ
タル酸、無水イタコン酸などが挙げられる。特に
工業的に有利で低廉な無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸などが好ましい。 柱状、板状、またはブロツク状などの木材の表
層部に存在する木材成分の水酸基と二塩基酸無水
物とのエステル化反応は無触媒下でも充分に進行
するが、反応を促進させるために炭酸ナトリウ
ム、ジメチルベンジルアミン、ピリジンなどの塩
基性触媒を用いてもよい。このエステル化反応は
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドな
どの溶媒中で反応を行つてもよい。この場合、室
温下でも充分に反応が進む。無溶媒下の場合に
は、60℃以上に加温された二塩基酸無水物の溶液
に、直接、木材を浸漬することにより、付加によ
るエステル化反応が円滑に進み、木材の表層部に
二塩基酸無水物が付加して種々の付加率のカルボ
キシル基含有エステル化木材を得ることができ
る。エステル化反応は少なくとも木材の表層部で
行われることが必要である。樹種、木材の形状お
よび大きさ、或は処理方法などによつては木材の
中心部まで反応が進む場合もあるが、本発明にお
いてはこのようなことは何ら差し支えない。反応
後、処理木材を洗浄して、乾燥し、本発明におい
て使用するカルボキシル基含有エステル化木材を
得るのである。また、場合によつては、反応後、
処理木材を洗浄しないでそのまま本発明において
使用するカルボキシル基含有エステル化木材とし
て用いてもよい。 本発明において使用するモノエポキサイドとし
ては特に制限はないが、例えば、エピクロルヒド
リン、フエニルグリシジルエーテル、グリシジル
メタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ス
チレンオキサイド、オレフインオキサイド、ブチ
ルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエー
テルなどが挙げられる。特に工業的に多量生産さ
れており、かつ安価に入手できるエピクロルヒド
リン、フエニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、スチレンオキサイドなどが好ま
しい。 次に、本発明の製造方法を手順を追つて説明す
る。上記の如くして調整されたカルボキシル基含
有エステル化木材を反応溶液であるモノエポキサ
イド中に浸漬する。この場合、モノエポキサイド
そのものが溶媒としても作用するため、有機溶剤
を溶媒として用いなくてもよい。また、エステル
化木材とモノエポキサイドとの付加エステル化反
応は無触媒下でも充分に進行するが、反応を促進
させるために炭酸ナトリウム、ジメチルベンジル
アミンなどの塩基性触媒を用いてもよい。反応温
度は60〜150℃で行なう必要がある。これは反応
温度が60℃未満の場合は付加エステル化反応がほ
とんど進まず、150℃を超えると、処理木材の一
部がモノエポキサイド中で可溶化されるためであ
る。反応時間はモノエポキサイドの種類や温度に
よつて異なるが、一般に0.5〜6時間が好ましい。
反応後、処理木材中に未反応物がある場合には、
溶剤により処理木材を洗浄し、乾燥して、改質木
材を得ることが好ましい。また、上記付加エステ
ル化反応は少なくとも木材の表層部で行われる
が、木材の中心部にカルボキシル基が存在する場
合には、その部分まで反応を進めることが好まし
い。 このようにして得られた改質木材においては、
酸価は非常に小さいか、または無視できる程度で
ある。これはエステル化木材中に存在しているカ
ルボキシル基の大部分がモノエポキサイド中のエ
ポキシ基と付加エステル化反応を起こしたことを
示す。赤外線吸収スペクトルにおいて、改質木材
の吸収帯にモノエポキサイドの付加物の特性吸収
が明瞭に見られ、このことからも付加エステル化
反応が起こつていることを示している。カルボキ
シル基にモノエポキサイドを付加する目的は、親
水性のカルボキシル基に疏水性の大きいモノエポ
キサイド残基を付加して、親水性を減少せしめる
ことにある。 (発明の効果) 上述の如く、本発明の製造方法により得られた
改質木材は、特に寸法安定性および耐候性に優れ
ており、無処理木材に比べて、吸湿による膨潤率
が約1/3であり、また抗膨潤・収縮率(ASE)が
65〜80%と非常に高く、長期間優れた寸法安定性
を有するものである。 優れた寸法安定性を示す理由としては、水分吸
着能をもつ木材中の水酸基をエステル化してブロ
ツキングすることにより、水酸基の数を減少させ
る効果、即ちブロツキング効果と、木材の膨潤に
は細胞壁の構成にもとづく極限値があり、木材の
水の入りうる部分に二塩基酸無水物とモノエポキ
サイドのかさ高い置換基が入ると吸着水の入りう
る余地が減少する効果、即ちバルキング効果によ
るものである。 一方、耐候性においても本発明の改質木材は無
処理木材に比べて変色および劣化が非常に少なく
優れたものである。 本発明の製造方法により得られた改質木材にお
いては木材が有する装飾性、触感性、および機能
性などの優れた特長を損うことなく、木材の欠点
である水分による寸法変化および狂いを抑制し、
太陽光線中の紫外線、水分、および酸素などによ
る劣化を抑制することが可能となつた。以上の如
く、本発明の製造方法により得られた優れた特性
を有する新しい改質木材は、建築用材料、家具用
材料、およびその他多くの分野において好適であ
り、例えば、柱、梁、土台、下地材、床、軒天、
雨戸、外壁材、机、椅子、書棚などに用いられる
ものである。 (実施例) 以下、本発明を製造例、実施例、比較例によつ
てさらに具体的に説明するが、これら使用される
乾燥木材というのは木材の含水率が10%以下に乾
燥したものである。なお、本発明は実施例に制限
されるものではないことは勿論である。 カルボキシル基含有エステル化木材の製造例 製造例 1 無水マレイン酸を210gおよび触媒としてN,
N−ジメチルベンジルアミン0.42gを反応容器に
添加して加熱融解させた後、乾燥された桧の角材
(接線方向3cm×半径方向3×繊維方向5mm)を
上記反応溶液中に浸漬し、100℃で3時間加熱す
ることによりエステル化反応を行つた。反応後、
処理木材を取り出し、アセトンで洗浄した後、さ
らにソツクスレー抽出器を用いてアセトンで洗浄
した。その後、風乾および105℃の熱風乾燥を行
つてエステル化木材を得た。このエステル化木材
の木材に付加された無水マレイン酸の付加率は木
材を基準として21.7重量%であつた。 製造例 2 無水フタル酸70g、ジメチルホルムアミド210
g、および触媒としてN,N−ジメチルベンジル
アミン0.7gを反応容器に添加して撹拌した後、
上記と同じ角材を上記反応液中に浸漬し、23℃で
24時間エステル化反応を行つた。反応後、前記と
同様に処理してエステル化木材を得た。このエス
テル化木材の木材に付加された無水フタル酸の付
加率は木材を基準として24.4重量%であつた。 実施例 1 製造例1で得られたエステル化木材を反応容器
に入れたエピクロルヒドリン中に浸漬して、120
℃で3時間加熱するとにより付加エステル化反応
を行つた。反応後、処理木材を取り出し、アセト
ンで洗浄した後、さらにソツクスレー抽出器を用
いてアセトンで洗浄した。その後、風乾および
105℃の熱風乾燥を行つて改質木材を得た。この
改質木材中のエピクロルヒドリンの付加率はもと
のエステル化木材を基準として10.9重量%であつ
た。 実施例 2 実施例1で使用したエピクロルヒドリンをフエ
ニルグリシジルエーテルに換えること以外は実施
例1と同様に処理して改質木材を得た。この改質
木材中のフエニルグリシジルエーテルの付加率は
もとのエステル化木材を基準として19.2重量%で
あつた。 実施例 3 実施例1で使用したエピクロルヒドリンをスチ
レンオキサイドに換えること以外は実施例1と同
様に処理して改質木材を得た。この改質木材中の
スチレンオキサイドの付加率はもとのエステル化
木材を基準として28.7重量%であつた。 実施例 4 実施例1で使用したエピクロルヒドリンをアリ
ルグリシジルエーテルに換えること以外は実施例
1と同様に処理して改質木材を得た。この改質木
材中のアリルグリシジルエーテルの付加率はもと
のエステル化木材を基準として18.6重量%であつ
た。 実施例 5 製造例2で得られたエステル化木材を反応容器
に入れたエピクロルヒドリン中に浸漬して、120
℃で3時間加熱することにより付加エステル化反
応を行つた。反応後、実施例1と同様に処理して
改質木材を得た。この改質木材中のエピクロルヒ
ドリンの付加率はもとのエステル化木材を基準と
して6.2重量%であつた。 実施例 6 実施例5で使用したエピクロルヒドリンをフエ
ニルグリシジルエーテルに換えること以外は実施
例5と同様に処理して改質木材を得た。この改質
木材中のフエニルグリシジルエーテルの付加率は
もとのエステル化木材を基準として13.4重量%で
あつた。 実施例 7 実施例5で使用したエピクロルヒドリンをスチ
レンオキサイドに換えること以外は実施例5と同
様に処理して改質木材を得た。この改質木材中の
スチレンオキサイドの付加率はもとのエステル化
木材を基準として14.4重量%であつた。 実施例 8 実施例5で使用したエピクロルヒドリンをアリ
ルグリシジルエーテルに換えること以外は実施例
5と同様に処理して改質木材を得た。この改質木
材中のアリルグリシジルエーテルの付加率はもと
のエステル化木材を基準として7.7重量%であつ
た。
特に寸法安定性と耐候性とに優れた改質木材の製
造方法に関するものである。 (従来の技術) 木材は軽くて強く、また加工しやすいために、
古くから建築用材料および家具用材料をはじめ、
その他広範な用途に使用されているが、木材中の
結合水の増減により寸法変化が起こりやすく、ま
た木材内部での水分傾斜、収縮の異方性、節など
により、乾燥に伴つて割れ、反り、曲り、ねじれ
などの狂いが生じやすい欠点があつた。また、外
壁材、軒天、雨戸などの屋外用として用いられて
いる木材は、太陽光線中の紫外線、水分、および
酸素などによつて劣化が生じやすく、耐候性に問
題を有していた。 上記木材の寸法安定性および耐候性を改善する
手段としては物理的な方法と化学的な方法とがあ
る。前者としては、最近実用化されているもの
で、木材にビニル系モノマー、オリゴマー、およ
びプレポリマーなどを注入した後、外部から、放
射線照射または触媒を用いての加熱などにより木
材−プラスチツク複合体(WPC)とする方法、
またポリエチレングリコールやその誘導体を木材
内部に注入させる方法などが知られている。しか
しながら、このように木材内部に充填、固定化す
る方法は、木材のもつ特長、即ち木材表面の組織
による微細な凹凸が生起する美的な感覚、光の散
乱による自然な立体感(装飾性)、暖さ(感触
性)、および弾力性(機能性)などが失われる欠
点があつた。また、寸法安定性および耐候性にお
いても充分な性能を有するものではなかつた。 一方、後者としては、現在まだ研究段階である
が、木材をアセチル化処理する方法が知られてい
る。しかしながら、木材をアセチル化処理する方
法においては、一般に反応液として無水酢酸が使
用されるが、この場合、アセチル化された量と同
量の酢酸が副生成物として生成され、これは再び
アセチル化反応に使用することができないという
難点があつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は特に寸法安定性と耐候性とに優れた新
しい改質木材を得る方法を提供するにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは上述の如き欠点を解消すべく鋭意
努力した結果、木材の表層部に存在する木材成分
の水酸基に二塩基酸無水物を付加したカルボキシ
ル基含有エステル化木材をモノエポキサイドに浸
漬し、加熱反応させ、上記エステル化木材中のカ
ルボキシル基にモノエポキサイドを付加させるこ
とにより、特に寸法安定性と耐候性とに優れた新
しい改質木材が得られることを見い出した。即
ち、本発明は、柱状、板状、またはブロツク状な
どの木材の表層部に存在する水酸基に二塩基酸無
水物を反応させて得られるカルボキシル基含有エ
ステル化木材を反応溶液であるモノエポキサイド
に浸漬し、60〜150℃の温度で所定時間加熱反応
させて、上記エステル化木材中のカルボキシル基
にモノエポキサイド中のエポキシ基を付加エステ
ル化反応させ、木材の表層部に二塩基酸無水物と
モノエポキサイドを付加結合させた新しい改質木
材の製造方法を提供するものである。 本発明において使用するカルボキシル基含有エ
ステル化木材とは、木材の表層部に二塩基酸無水
物を反応させ、木材組織中に含まれているセルロ
ース、ヘミセルロース、およびリグニンなどの化
学成分中の水酸基をエステル化することにより、
木材中にカルボキシル基を化学的に導入したもの
である。これらは木材の組織構造を保有したまま
のものである。その形状は柱状、板状またはブロ
ツク状などのものである。また樹種においても制
限はない。 また、二塩基酸無水物としては、具体的には、
無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、
無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフ
タル酸、無水イタコン酸などが挙げられる。特に
工業的に有利で低廉な無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸などが好ましい。 柱状、板状、またはブロツク状などの木材の表
層部に存在する木材成分の水酸基と二塩基酸無水
物とのエステル化反応は無触媒下でも充分に進行
するが、反応を促進させるために炭酸ナトリウ
ム、ジメチルベンジルアミン、ピリジンなどの塩
基性触媒を用いてもよい。このエステル化反応は
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドな
どの溶媒中で反応を行つてもよい。この場合、室
温下でも充分に反応が進む。無溶媒下の場合に
は、60℃以上に加温された二塩基酸無水物の溶液
に、直接、木材を浸漬することにより、付加によ
るエステル化反応が円滑に進み、木材の表層部に
二塩基酸無水物が付加して種々の付加率のカルボ
キシル基含有エステル化木材を得ることができ
る。エステル化反応は少なくとも木材の表層部で
行われることが必要である。樹種、木材の形状お
よび大きさ、或は処理方法などによつては木材の
中心部まで反応が進む場合もあるが、本発明にお
いてはこのようなことは何ら差し支えない。反応
後、処理木材を洗浄して、乾燥し、本発明におい
て使用するカルボキシル基含有エステル化木材を
得るのである。また、場合によつては、反応後、
処理木材を洗浄しないでそのまま本発明において
使用するカルボキシル基含有エステル化木材とし
て用いてもよい。 本発明において使用するモノエポキサイドとし
ては特に制限はないが、例えば、エピクロルヒド
リン、フエニルグリシジルエーテル、グリシジル
メタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ス
チレンオキサイド、オレフインオキサイド、ブチ
ルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエー
テルなどが挙げられる。特に工業的に多量生産さ
れており、かつ安価に入手できるエピクロルヒド
リン、フエニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、スチレンオキサイドなどが好ま
しい。 次に、本発明の製造方法を手順を追つて説明す
る。上記の如くして調整されたカルボキシル基含
有エステル化木材を反応溶液であるモノエポキサ
イド中に浸漬する。この場合、モノエポキサイド
そのものが溶媒としても作用するため、有機溶剤
を溶媒として用いなくてもよい。また、エステル
化木材とモノエポキサイドとの付加エステル化反
応は無触媒下でも充分に進行するが、反応を促進
させるために炭酸ナトリウム、ジメチルベンジル
アミンなどの塩基性触媒を用いてもよい。反応温
度は60〜150℃で行なう必要がある。これは反応
温度が60℃未満の場合は付加エステル化反応がほ
とんど進まず、150℃を超えると、処理木材の一
部がモノエポキサイド中で可溶化されるためであ
る。反応時間はモノエポキサイドの種類や温度に
よつて異なるが、一般に0.5〜6時間が好ましい。
反応後、処理木材中に未反応物がある場合には、
溶剤により処理木材を洗浄し、乾燥して、改質木
材を得ることが好ましい。また、上記付加エステ
ル化反応は少なくとも木材の表層部で行われる
が、木材の中心部にカルボキシル基が存在する場
合には、その部分まで反応を進めることが好まし
い。 このようにして得られた改質木材においては、
酸価は非常に小さいか、または無視できる程度で
ある。これはエステル化木材中に存在しているカ
ルボキシル基の大部分がモノエポキサイド中のエ
ポキシ基と付加エステル化反応を起こしたことを
示す。赤外線吸収スペクトルにおいて、改質木材
の吸収帯にモノエポキサイドの付加物の特性吸収
が明瞭に見られ、このことからも付加エステル化
反応が起こつていることを示している。カルボキ
シル基にモノエポキサイドを付加する目的は、親
水性のカルボキシル基に疏水性の大きいモノエポ
キサイド残基を付加して、親水性を減少せしめる
ことにある。 (発明の効果) 上述の如く、本発明の製造方法により得られた
改質木材は、特に寸法安定性および耐候性に優れ
ており、無処理木材に比べて、吸湿による膨潤率
が約1/3であり、また抗膨潤・収縮率(ASE)が
65〜80%と非常に高く、長期間優れた寸法安定性
を有するものである。 優れた寸法安定性を示す理由としては、水分吸
着能をもつ木材中の水酸基をエステル化してブロ
ツキングすることにより、水酸基の数を減少させ
る効果、即ちブロツキング効果と、木材の膨潤に
は細胞壁の構成にもとづく極限値があり、木材の
水の入りうる部分に二塩基酸無水物とモノエポキ
サイドのかさ高い置換基が入ると吸着水の入りう
る余地が減少する効果、即ちバルキング効果によ
るものである。 一方、耐候性においても本発明の改質木材は無
処理木材に比べて変色および劣化が非常に少なく
優れたものである。 本発明の製造方法により得られた改質木材にお
いては木材が有する装飾性、触感性、および機能
性などの優れた特長を損うことなく、木材の欠点
である水分による寸法変化および狂いを抑制し、
太陽光線中の紫外線、水分、および酸素などによ
る劣化を抑制することが可能となつた。以上の如
く、本発明の製造方法により得られた優れた特性
を有する新しい改質木材は、建築用材料、家具用
材料、およびその他多くの分野において好適であ
り、例えば、柱、梁、土台、下地材、床、軒天、
雨戸、外壁材、机、椅子、書棚などに用いられる
ものである。 (実施例) 以下、本発明を製造例、実施例、比較例によつ
てさらに具体的に説明するが、これら使用される
乾燥木材というのは木材の含水率が10%以下に乾
燥したものである。なお、本発明は実施例に制限
されるものではないことは勿論である。 カルボキシル基含有エステル化木材の製造例 製造例 1 無水マレイン酸を210gおよび触媒としてN,
N−ジメチルベンジルアミン0.42gを反応容器に
添加して加熱融解させた後、乾燥された桧の角材
(接線方向3cm×半径方向3×繊維方向5mm)を
上記反応溶液中に浸漬し、100℃で3時間加熱す
ることによりエステル化反応を行つた。反応後、
処理木材を取り出し、アセトンで洗浄した後、さ
らにソツクスレー抽出器を用いてアセトンで洗浄
した。その後、風乾および105℃の熱風乾燥を行
つてエステル化木材を得た。このエステル化木材
の木材に付加された無水マレイン酸の付加率は木
材を基準として21.7重量%であつた。 製造例 2 無水フタル酸70g、ジメチルホルムアミド210
g、および触媒としてN,N−ジメチルベンジル
アミン0.7gを反応容器に添加して撹拌した後、
上記と同じ角材を上記反応液中に浸漬し、23℃で
24時間エステル化反応を行つた。反応後、前記と
同様に処理してエステル化木材を得た。このエス
テル化木材の木材に付加された無水フタル酸の付
加率は木材を基準として24.4重量%であつた。 実施例 1 製造例1で得られたエステル化木材を反応容器
に入れたエピクロルヒドリン中に浸漬して、120
℃で3時間加熱するとにより付加エステル化反応
を行つた。反応後、処理木材を取り出し、アセト
ンで洗浄した後、さらにソツクスレー抽出器を用
いてアセトンで洗浄した。その後、風乾および
105℃の熱風乾燥を行つて改質木材を得た。この
改質木材中のエピクロルヒドリンの付加率はもと
のエステル化木材を基準として10.9重量%であつ
た。 実施例 2 実施例1で使用したエピクロルヒドリンをフエ
ニルグリシジルエーテルに換えること以外は実施
例1と同様に処理して改質木材を得た。この改質
木材中のフエニルグリシジルエーテルの付加率は
もとのエステル化木材を基準として19.2重量%で
あつた。 実施例 3 実施例1で使用したエピクロルヒドリンをスチ
レンオキサイドに換えること以外は実施例1と同
様に処理して改質木材を得た。この改質木材中の
スチレンオキサイドの付加率はもとのエステル化
木材を基準として28.7重量%であつた。 実施例 4 実施例1で使用したエピクロルヒドリンをアリ
ルグリシジルエーテルに換えること以外は実施例
1と同様に処理して改質木材を得た。この改質木
材中のアリルグリシジルエーテルの付加率はもと
のエステル化木材を基準として18.6重量%であつ
た。 実施例 5 製造例2で得られたエステル化木材を反応容器
に入れたエピクロルヒドリン中に浸漬して、120
℃で3時間加熱することにより付加エステル化反
応を行つた。反応後、実施例1と同様に処理して
改質木材を得た。この改質木材中のエピクロルヒ
ドリンの付加率はもとのエステル化木材を基準と
して6.2重量%であつた。 実施例 6 実施例5で使用したエピクロルヒドリンをフエ
ニルグリシジルエーテルに換えること以外は実施
例5と同様に処理して改質木材を得た。この改質
木材中のフエニルグリシジルエーテルの付加率は
もとのエステル化木材を基準として13.4重量%で
あつた。 実施例 7 実施例5で使用したエピクロルヒドリンをスチ
レンオキサイドに換えること以外は実施例5と同
様に処理して改質木材を得た。この改質木材中の
スチレンオキサイドの付加率はもとのエステル化
木材を基準として14.4重量%であつた。 実施例 8 実施例5で使用したエピクロルヒドリンをアリ
ルグリシジルエーテルに換えること以外は実施例
5と同様に処理して改質木材を得た。この改質木
材中のアリルグリシジルエーテルの付加率はもと
のエステル化木材を基準として7.7重量%であつ
た。
【表】
【表】
【表】
実施例1〜8で得られた改質木材と、比較例と
して製造例1、2で得られたカルボキシル基含有
エステル化木材および無処理木材を物性試験に供
した。 総付加率は木材を基準として、カルボキシル基
含有エステル化木材の場合には、木材に付加され
た二塩基酸無水物の量を、改質木材の場合は、二
塩基酸無水物とモノエポキサイドの合計量を重量
%で表わした。 吸湿試験は次の如く行つた。即ち、105℃の熱
風乾燥器で絶乾にした試験片の重量および寸法を
測定した後、NaClの飽和水溶液を入れた23℃の
デシケーター中(75%RH)に入れて恒量に達す
るまで吸湿させ、試験片の吸湿率および膨潤率
(接線方向および半径方向)を求めた。 乾水繰返し試験は次の如く行つた。即ち、105
℃の熱風乾燥器で絶乾した試験片の寸法を測定し
た後、蒸留水に浸漬し、30分間減圧し、1時間開
放し、また30分間減圧し、22時間開放して放置し
た。その後、これらを取り出して吸水状態の試験
片の寸法を測定し、抗膨潤率(ASE)を求めた。
次に、これらの吸水状態の試験片を40℃で4時
間、その後、105℃で20時間乾燥した後、試験片
の寸法を測定して抗収縮率(ASE)を求めた。
これら一連の繰作を4回繰返し、それぞれの抗膨
潤・収縮率(ASE)を求めた。 なお、抗膨潤・収縮率(ASE)は次式で定義
される。 ASE=VC−VT/VC×100 ここでVCは、無処理木材の容積膨潤(収縮)
率、またVTは、処理木材の溶積膨潤(収縮)率
を表わす。 耐候性試験については、サンシヤインウエザー
メーターを用いて、800時間、また、屋外暴露試
験台では、2ケ月暴露した後、試験片表面の状態
を観察することによつて行つた。 吸湿試験および乾水繰返しの試験の結果を第1
表に、耐候性試験の結果を第2表に示す。 第1表および第2表の結果から明らかな如く、
実施例1〜8の本発明の製造方法による改質木材
は、比較例としてのエステル化木材および無処理
木材に比べて、寸法安定性および耐候性において
非常に優れていた。また、実施例1〜8で得られ
た改質木材は、いずれも木材が有する装飾性、触
感性、および機能性などの優れた特長をそのまま
有したものであつた。以上の如く、本発明の効果
が認められることは明らかであつた。
して製造例1、2で得られたカルボキシル基含有
エステル化木材および無処理木材を物性試験に供
した。 総付加率は木材を基準として、カルボキシル基
含有エステル化木材の場合には、木材に付加され
た二塩基酸無水物の量を、改質木材の場合は、二
塩基酸無水物とモノエポキサイドの合計量を重量
%で表わした。 吸湿試験は次の如く行つた。即ち、105℃の熱
風乾燥器で絶乾にした試験片の重量および寸法を
測定した後、NaClの飽和水溶液を入れた23℃の
デシケーター中(75%RH)に入れて恒量に達す
るまで吸湿させ、試験片の吸湿率および膨潤率
(接線方向および半径方向)を求めた。 乾水繰返し試験は次の如く行つた。即ち、105
℃の熱風乾燥器で絶乾した試験片の寸法を測定し
た後、蒸留水に浸漬し、30分間減圧し、1時間開
放し、また30分間減圧し、22時間開放して放置し
た。その後、これらを取り出して吸水状態の試験
片の寸法を測定し、抗膨潤率(ASE)を求めた。
次に、これらの吸水状態の試験片を40℃で4時
間、その後、105℃で20時間乾燥した後、試験片
の寸法を測定して抗収縮率(ASE)を求めた。
これら一連の繰作を4回繰返し、それぞれの抗膨
潤・収縮率(ASE)を求めた。 なお、抗膨潤・収縮率(ASE)は次式で定義
される。 ASE=VC−VT/VC×100 ここでVCは、無処理木材の容積膨潤(収縮)
率、またVTは、処理木材の溶積膨潤(収縮)率
を表わす。 耐候性試験については、サンシヤインウエザー
メーターを用いて、800時間、また、屋外暴露試
験台では、2ケ月暴露した後、試験片表面の状態
を観察することによつて行つた。 吸湿試験および乾水繰返しの試験の結果を第1
表に、耐候性試験の結果を第2表に示す。 第1表および第2表の結果から明らかな如く、
実施例1〜8の本発明の製造方法による改質木材
は、比較例としてのエステル化木材および無処理
木材に比べて、寸法安定性および耐候性において
非常に優れていた。また、実施例1〜8で得られ
た改質木材は、いずれも木材が有する装飾性、触
感性、および機能性などの優れた特長をそのまま
有したものであつた。以上の如く、本発明の効果
が認められることは明らかであつた。
Claims (1)
- 1 柱状、板状、またはブロツク状の木材の表層
部に存在する木材成分の水酸基に二塩基酸無水物
を付加したカルボキシル基含有エステル化木材
を、モノエポキサイドに浸漬し、60〜150℃の温
度で反応させて、上記エステル化木材中のカルボ
キシル基にモノエポキサイドを付加させることを
特徴とする改質木材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19807586A JPS6354204A (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | 改質木材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19807586A JPS6354204A (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | 改質木材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6354204A JPS6354204A (ja) | 1988-03-08 |
| JPH0453682B2 true JPH0453682B2 (ja) | 1992-08-27 |
Family
ID=16385100
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19807586A Granted JPS6354204A (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | 改質木材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6354204A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6837964B2 (en) | 2001-08-16 | 2005-01-04 | Applied Materials, Inc. | Integrated platen assembly for a chemical mechanical planarization system |
| US7381116B2 (en) | 1999-02-25 | 2008-06-03 | Applied Materials, Inc. | Polishing media stabilizer |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5146738B2 (ja) * | 2008-02-19 | 2013-02-20 | 株式会社パトライト | 回転灯 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60124203A (ja) * | 1983-12-10 | 1985-07-03 | Okura Ind Co Ltd | 成形用化学修飾木材小片の製造法 |
-
1986
- 1986-08-26 JP JP19807586A patent/JPS6354204A/ja active Granted
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7381116B2 (en) | 1999-02-25 | 2008-06-03 | Applied Materials, Inc. | Polishing media stabilizer |
| US6837964B2 (en) | 2001-08-16 | 2005-01-04 | Applied Materials, Inc. | Integrated platen assembly for a chemical mechanical planarization system |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6354204A (ja) | 1988-03-08 |
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