JPH0453943B2 - - Google Patents
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- JPH0453943B2 JPH0453943B2 JP32798488A JP32798488A JPH0453943B2 JP H0453943 B2 JPH0453943 B2 JP H0453943B2 JP 32798488 A JP32798488 A JP 32798488A JP 32798488 A JP32798488 A JP 32798488A JP H0453943 B2 JPH0453943 B2 JP H0453943B2
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Description
本発明はオーステナイトステンレス鋼管および
その製造法に係り、優れた耐水蒸気酸化性と高温
強度とを兼備したオーステナイトステンレス鋼管
およびその好ましい製造法を提供しようとするも
のである。 Nbを添加したオーステナイト系ステンレス鋼
管は高い高温強度を有しているので高温用鋼管と
されて来た。これらの鋼管においてはその結晶粒
度をある程度粗大化することにより相当の高温高
度増加が期待できるが、この場合においてはその
粗粒化によつて耐水蒸気酸化性が低下する。即ち
このようなステンレス鋼管においては高温強度特
性と耐水蒸気酸化性とを共に向上することができ
ない技術的関係にある。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、高温強度において向
上せしめられ、しかも耐高温水蒸気酸化性におい
ても改善されたNb添加ステンレス鋼管及びその
製造法を得ることに成功した。即ち本発明による
ものは上記のような高温強度の向上を図るために
組成上C、Nb、N、Mo、Cu、W等の量につい
て調整をなし、又斯かる組成をもつた鋼管肉厚の
大部分(内面細粒層以外の部分)を比較的粗い結
晶粒度に調整し、しかも高温水蒸気に曝される内
面側にその耐水蒸気酸化性を良好に保つための細
粒化層を特定された範囲内に形成したものであつ
て、内面細粒Ti添加ステンレス鋼の如きとは異
つた総合的な高性能化を図つたものである。 上記したような本発明について更に説明する
と、先ずクリープ破断強度の確保については、
Nb添加オーステナイトステンレス鋼として一般
に知られているSUS347鋼の粗粒化されたものと
同等以上とすることを本発明の目標とするもので
あつて、より具体的には650℃で10万時間におけ
るクリープ破断強度を少なくとも11Kg/mm2以上と
するものである。斯かる関係について第1図には
18%Cr−12%Ni−0.01%Sのベースのものおよ
び17%Cr−15%N:−2.5%Mo−2.5%Cu−0.01
%Sの本発明によるもの(以後MC鋼)において
C量、Nb量とクリープ破断強度との関係を併せ
て示すが、結晶粒度番号は1170℃以上で溶体化処
理してNo.4〜6に調整しており、前記クリープ破
断強度が括弧内に示されたベース鋼で9Kg/mm2以
上となる範囲はハツチングの施された細線による
曲線の内側となるのに対し、本発明により11Kg/
mm2以上となる範囲は太線輪廓の範囲となる。又第
2図にはベース鋼で結晶粒度No.4とNo.8.5のもの
および本発明鋼で結晶粒度No.4のものについて同
じくクリープ破断強度に及ぼすS量の影響を示す
が、粗粒となるに従つてSによる悪影響が顕著に
示されることは明らかである。 更に第3図には前記したようなベース鋼および
本発明鋼について、上部横軸に示した溶体化温度
に各10分間保持し調整した場合の結晶粒度の影響
を前記クリープ破断強度との関係について示した
が、これら第1〜第3図の結果から前記した11
Kg/mm2以上のクリープ破断強度を得るためには粒
度番号をNo.6より粗粒とし、又組成的にはCを
0.05〜0.1%、Nbを0.1〜1.1%、Sを0.02%以下と
し、Mo、Cu、W、V、Ti、Zrの強化元素を添加
することが必要条件であることが理解され、この
ことが鋼管肉厚の大部分の満すべき条件であるこ
とを知つた。 一方鋼管の内表面近傍については細粒にするこ
とが必要で、この細粒にするためには利用し得る
析出物がNb(C,N)であるため、これらのNb、
C、Nの量も規制されてくる。然してこれらの中
で、Nb量、C量については通常鋼の溶解時に調
整されて定まるものであるが、N量は溶解時に調
整するだけでなしに、本発明では固体状態でガス
中より拡散侵入されるものとした。即ち既述した
第3図のように高温強度上の制限より溶体化処理
温度は1170℃以上にすることが必要であり、この
ような温度でも鋼管内表面近傍には結晶粒の成長
を抑制するに充分なNb(C,N)が析出していな
ければ上記溶体化処理後に該内表面近傍において
必要とされる細粒層が得られない。従つて必要と
されるNb量やC量と共に上記のように侵入させ
るN量を決定する必要がある。即ち第4図に前記
したオーステナイト系ステンレス鋼における(C
+N)量と1170℃での溶体化処理後に得られる粒
度の関係を細線によるベース鋼および太線による
本発明鋼について示すが、本発明者等は上記した
ような平均結晶粒度No.が7またはそれ以上の細粒
層が管内表面から50μ以上、好ましくは100μ以上
で、300μ以下程度存在すると耐高温水蒸気酸化
性が改善されることを実験的に確認しており、粒
度番号がこのNo.7又はそれ以上とするためには上
記のように必要とされる細粒層の範囲において、
その(C+N)量が少なくとも0.15%を必要とす
ることをこの第4図から読みとれる。 本発明においては既述したごとく、Nbの炭窒
化物によつて高温強度確保のために必要となる高
温溶体化処理時の管内表面層において結晶粒の成
長を防ぐことにより該部分を細粒に維持するもの
である。従つて若しこれら析出物の形成に必要な
C、N量に鋼の溶解状態でそれらの量を調整した
のでは溶体化処理後、管の全肉厚に亘つて一様な
粒度の鋼管しか得られず、本発明の目的を達し得
ないことになる。そこで本発明では細粒層を形成
すべき管内表面の前記したような厚さ(深さ)範
囲内に鋼に対して侵入しやすいNを上記のように
固体状態において侵入させるものであり、結晶粒
度を前記範囲の細粒にするために必要なNは粒度
番号がNo.7以上の細粒状態で侵入させることが基
本である。粗粒材に侵入したNは粒内の析出物と
なるだけであつて、その後に加工工程(1170℃未
満)とそれに伴う再結晶工程がない限り細粒化作
用はない。 平均結晶粒度No.が7またはそれ以上の細粒層を
管内表面から50μ以上300μ以下としたのは下記の
理由による。 鋼管の使用期間は通常10〜30万時間で、この間
に粒度No.7以上の場合、鋼管内面は水蒸気により
40μ程度の酸化が進行すると考えられるので細粒
層は最低50μとする。 また細粒層の上限を300μとしたのは、300μを
超えてもそれに伴う酸化スケール厚の低減効果の
増大は殆どなく、更にクリープ破断強度に対して
悪影響を与えるので300μを上限とする。 (C+N)量は少なくとも0.15%とする必要が
あるが、(C+N)量が大きくなると延性が低下
するので上限は0.5%が望ましい。 第5図にはベース成分を18Cr−12Ni−0.01Nと
したものおよび本発明による前記MC系鋼の結晶
粒度番号8.5の素材において、これらにC、Nbを
変化させて成る鋼管内面に、1050〜1100℃でN2
ガス又はAr−N2混合ガス(N2:20〜50%)を10
〜20分間流入させつつ侵入窒素処理をなし、その
後1170℃で溶体化処理を行つた際に得られた管内
表面近傍の平均結晶粒度を細線によるベース鋼と
太線による本発明鋼として示したが、この図によ
れば優れた耐高温水蒸気酸化性を得るための結晶
粒度No.を7またはそれ以上とするためには、Cが
0.04%以上、Nbが0.4%以上とする必要があるこ
とを理解し得る。なおこの第5図で示した範囲は
溶体化処理温度を1170℃以上にしても変化しな
い。溶体化処理温度の上限は実質的には1250℃で
あつて、1250℃以上に上げることによる強度上昇
の効果は僅かであるのに対し、延性の低下や熱処
理によるスケールの大量発生などのデメリツトが
顕著となる。 上記したような第1図および第5図から高温強
度を上記した程度以上に保持し且つ耐高温水蒸気
酸化性を適切に得るためにはNb添加オーステナ
イトステンレス鋼のC量は0.05〜0.10%でなけれ
ばならず、Nbの下限は0.4%となる。またNb量
が1.1%を超えると高温強度が劣化しはじめると
共に溶接性も悪化するので、1.1%を上限とする。
Crは耐水蒸気酸化性確保のため少なくとも15%
は必要であるが、26%を超えて含有させるとオー
ステナイトが不安定となるので15〜26%とする。
又Niは10%未満ではオーステナイトが不安定と
なり、このNi量増大に従つてオーステナイトは
安定となるが35%を超えて含有させてもその効果
が飽和し価格的に不利となるだけであるから10〜
35%とする。 本発明のオーステナイトステンレス鋼の成分組
成のうち、C、Cr、Ni、S及びNbの含有範囲と
数値限定の理由について前述したが、他の成分に
ついては以下に記載する。 Si:脱酸および耐酸化性から添加されるが、1%
を超えるとシグマ相等の脆化相の析出を助長す
るため、その含有量を1%以下にする。 Mn:脱酸、脱硫、オーステナイト相の安定に有
効であるが、2%を超えてもその効果は顕著で
ないためその含有量を2%以下にする。 N:細粒層の形成には有効であるが、過剰の添加
は肉厚中央部も細粒にしクリープ強度を損なう
ため、その含有量を0.05%以下にする。 P:不純物として含有されるが、強化作用を有す
る。しかしその量が多い場合、熱間加工性、溶
接性等を低下させるため、その含有量を0.04%
以下にする。 強化元素としてのMo、W、Cu、V、Ti及びZr
については1種又は2種以上を添加する。 Mo、W:何れも高温クリープ強度に有効な元素
であるが、過剰の添加はシグマ相の析出を促進
するため、何れもその含有量を3%以下にす
る。 Cu、V:これらの元素もクリープ強度の向上に
有効な元素であるが、過剰の含有は熱間加工性
を著しく低下させるためその含有量を何れも3
%以下にする。 即ち、第6図に示すように何れも数%の添加に
よりクリープ破断強度を向上させる。但しその効
果は3%程度で飽和する傾向にあり、また多量の
添加は、()シグマ相析出による靭性の低下
(Mo、W、V)、()熱間加工性の低下(Cu、
V)、()高温耐食性の低下(V)をもたらすた
め上限を3%とする。 Ti、Zr:これらの元素においても炭化物を形成
しクリープ破断強度を高めるが、過剰添加は効
果がなく、またLaves相等の脆化相が析出する
ため、その含有量も何れも0.15%以下とする。 また本発明においては耐酸化性を高める元素と
してAlを添加する。このAlは脱酸剤として有効
で耐酸化性を高めるが、フエライト相形成元素で
もあつて過剰添加はオーステナイト相の安定を損
なうため、その含有量を0.5%以下にすることが
必要である。 第7図には鋼管内表面側に50μおよび100μの厚
さをもつた細粒層を得るための代表的な処理条件
を示した。試験片はベース鋼として0.09%C−
0.01%N−0.7%Nb−17%Cr−12%Ni−0.01%S
の組成を有し、結晶粒度No.が8.5のもの、および
本発明鋼として0.05%C−0.01%N−0.7%Nb−
17%Cr−15%Ni−2.5%Mo−2.5%Cu−0.01%S
の組成をもつた結晶粒度No.が同じく8.5のもので
あり、細粒層の深さは侵窒素処理後、1170℃以上
でそれぞれ溶体化処理(即ち侵窒素部分以外の粗
粒化処理)を行つたものについて測定した。侵窒
素処理にはN2ガスを使用し所定の侵窒素保持温
度までの温度上昇時間は約2分であり、侵窒素ガ
ス中のN2分が減少すると処理時間はこの第7図
に示すところより若干長くなり、又該ガス中の酸
素量が多い場合も同様に必要時間が多少長くな
る。 なおこの第7図に示した侵窒素処理時間につい
て附言すると、該図に示されたように処理温度と
時間の関係はN2ガスおよび不純物O2の割合が、
O2:5%以下の場合はN2:25%以上のガスを使
用した場合であり、O2:1%以下の場合はN2:
5%以上のガスについて成立する。例えばO2が
0.1%以下のような酸素の低い、且つNH3分解ガ
スの混合などにより還元性雰囲気にすることによ
り、この図の結果は図示上若干左方に移動する。
この効果は長時間処理が必要とされる低温側にお
いてより著しいことは言うまでもない。又900℃
以下のような低温で侵窒素を行うと、表面近傍の
N濃度は高くなるが、必要深さまでNが拡散する
のに時間を必要とするので低温滲窒素処理後に高
温(1170℃未満)で熱処理し拡散させることが好
ましい。この拡散時間は図示した高温での保持時
間(例えば1100℃であれば5分)だけ行えばよ
い。 処理前の結晶粒度番号は前述したようにNo.7以
上にする必要があり、一方予め冷間加工されてい
る場合又は1170℃未満の温度で加工されている場
合は、加工層が侵窒素処理温度に達するまでに再
結晶するため、細粒材、粗粒材の別なく使用し得
る。この場合に必要とされる加工度は10%以上で
あり、加工度が10%以下では再結晶が生じないた
め、10%以上の加工度を必要とする。加工は圧延
等の場合は肉厚減少率であり、シヨツト加工のよ
うな内面近傍のみに対して加工を加える場合にお
いては微少硬度測定により換算する。 加工度の上限規定については、 (1) 工業的に行い得る加工であれば特に限定する
必要はない。鋼管の加工(伸管、圧延)におい
ては通常は60%程度が上限であるが、更に高い
加工度も与え得る。 (2) シヨツト加工、グラインダ加工等の表面近傍
に対する加工においては、表面は硬度から換算
すると100%(外挿)を超える。但し、平均の
加工度差は50%程度、またはそれ以下になる。
なお加工温度の下限は特に規定する必要はない
が、室温〜1170℃であり、通常は室温〜500℃
程度である。 又その深さは50μ以上あればよく、全肉厚でも
よい。侵窒素処理温度が1170℃を超える場合は昇
温速度が問題となり、一応の目安は500℃/min
以下であつて、それ以上の速度で昇温する場合は
細粒層は浅くなり必要な細粒層厚50μが得られな
い。又直接通電加熱などの方法により1000℃/
min以上の急速加熱を行う場合の加熱温度は1170
℃以下に制限されることは言うまでもない。 上記したような侵窒素処理温度が1170℃を超え
る場合の昇温速度制限、超急加熱の際の加熱温度
制限は処理管の平均結晶粒度がNo.7またはそれ以
上の細粒である場合および加工を加える場合の何
れの場合においても遵守されねばならないところ
である。 前記第7図の結果は、結晶粒度番号がNo.7以上
の侵窒素処理と溶体化処理によつて得られたもの
であるが、本発明によるものはこの場合に限られ
るものでなく、以下のような工程によつても同様
に粗粒−細粒の二相組織を有する鋼管として製造
することができる。 (1) 10%以上の加工(加工温度は1170℃以下)
→第7図に示したような侵窒素処理→1170
℃以上の溶体化処理( は昇温速度を適当
に選ぶことにより同一過程で処理できる。即ち
溶体化処理温度まで昇温する過程で侵窒素処理
することができる) (2) 前記した→→ (3) 上記(1)、(2)の中のの処理過程を侵窒素処理
と拡散処理に分離したもの。 なお念のため附言すれば、(3)の工程により処理
する場合において、拡散処理後に1170℃未満で加
工する過程が入るときには拡散処理はその温度に
限定を設ける必要ないが、拡散処理過程後にこの
ような加工過程が入らぬ場合は拡散処理も結晶粒
が粗大化しない温度域(即ち1170℃未満)で行わ
ねばならない。又上記のような基本パターンの外
に、上記(1)〜(3)の組合わせも可能である。例え
ば、(1)においてそのとの間に再び過程を装
入してもよい。 上記したような本発明の製造法を要約すると、
以下が基本的である 最終熱処理(溶体化処理)は1170℃以上、
1250℃以下であること。 上記溶体化処理の温度に材料が曝される以前
の段階で(溶体化処理温度に鋼管が昇温する途
中であつてもよいし、全く別の工程であつても
よいが)少なくとも鋼管内表面から50〜300μ
の厚さ範囲の結晶粒度番号がNo.7又はそれ以上
の細粒状態(又は該細粒状態を呈するとき)で
その細粒状態を溶体化処理温度においても保持
するのに充分なN(即ちC+N0.15%)が前
記厚さ範囲に侵入していること。 然して前記最終熱処理以前に加工、熱処理、酸
洗などの諸工程を自由に挿入してよく、又当然の
ことながら最終熱処理後の再度の熱処理も溶体化
処理温度を著しく超えない限り、耐高温水蒸気酸
化性および高温強度については問題がない。 なお侵窒素処理は管内にガスを封入することに
よつても行い得られ、ガスの条件は単位面積当り
常温常圧換算で0.1c.c./cm2以上のN2ガス(分解す
るガスは分解したものとして計算し、NH3であ
れば0.2c.c./cm2)、1c.c.以下のO2ガス(O2分で計
算)を含むガスが一応の目安となる。 本発明によるものの具体的な製造例およびその
比較例とそれらの製造方法について、それらの組
成および性能を要約して示すと、次の第1表から
第5表の通りである。なおこれらのものにおいて
製品No.に附記されたものは素材の結晶粒度番号で
あつて、附記のないものは何れも粒度番号8.0の
素材である。 即ち第1表はベース成分に強化元素として
Mo、Cuを単独および複合添加し、又一部にTiを
添加した場合を示し、更に比較材をも示したもの
である。 第2表はベース成分に強化元素としてMo、W
を単独添加した場合およびそれらを複合添加した
場合を示すものである。 又第3表はTi、Zrを単独で添加した場合と、
それらをMo、Cuと複合添加した場合を示す。 更に第4表はAlを添加した場合で、このAlは
強化元素と複合添加するもので、代表的にTi、
Mo、Cuと複合添加された場合を示すものであ
る。 第5表は本発明における製造法を要約的に示し
たもので素管の成分組成としては第2表における
製造No.10と同じものを用い、該素材による素管の
製造条件および侵窒素処理条件を変えた場合にお
ける製品特性が前記第1〜4表のものと同じに示
されている。
その製造法に係り、優れた耐水蒸気酸化性と高温
強度とを兼備したオーステナイトステンレス鋼管
およびその好ましい製造法を提供しようとするも
のである。 Nbを添加したオーステナイト系ステンレス鋼
管は高い高温強度を有しているので高温用鋼管と
されて来た。これらの鋼管においてはその結晶粒
度をある程度粗大化することにより相当の高温高
度増加が期待できるが、この場合においてはその
粗粒化によつて耐水蒸気酸化性が低下する。即ち
このようなステンレス鋼管においては高温強度特
性と耐水蒸気酸化性とを共に向上することができ
ない技術的関係にある。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、高温強度において向
上せしめられ、しかも耐高温水蒸気酸化性におい
ても改善されたNb添加ステンレス鋼管及びその
製造法を得ることに成功した。即ち本発明による
ものは上記のような高温強度の向上を図るために
組成上C、Nb、N、Mo、Cu、W等の量につい
て調整をなし、又斯かる組成をもつた鋼管肉厚の
大部分(内面細粒層以外の部分)を比較的粗い結
晶粒度に調整し、しかも高温水蒸気に曝される内
面側にその耐水蒸気酸化性を良好に保つための細
粒化層を特定された範囲内に形成したものであつ
て、内面細粒Ti添加ステンレス鋼の如きとは異
つた総合的な高性能化を図つたものである。 上記したような本発明について更に説明する
と、先ずクリープ破断強度の確保については、
Nb添加オーステナイトステンレス鋼として一般
に知られているSUS347鋼の粗粒化されたものと
同等以上とすることを本発明の目標とするもので
あつて、より具体的には650℃で10万時間におけ
るクリープ破断強度を少なくとも11Kg/mm2以上と
するものである。斯かる関係について第1図には
18%Cr−12%Ni−0.01%Sのベースのものおよ
び17%Cr−15%N:−2.5%Mo−2.5%Cu−0.01
%Sの本発明によるもの(以後MC鋼)において
C量、Nb量とクリープ破断強度との関係を併せ
て示すが、結晶粒度番号は1170℃以上で溶体化処
理してNo.4〜6に調整しており、前記クリープ破
断強度が括弧内に示されたベース鋼で9Kg/mm2以
上となる範囲はハツチングの施された細線による
曲線の内側となるのに対し、本発明により11Kg/
mm2以上となる範囲は太線輪廓の範囲となる。又第
2図にはベース鋼で結晶粒度No.4とNo.8.5のもの
および本発明鋼で結晶粒度No.4のものについて同
じくクリープ破断強度に及ぼすS量の影響を示す
が、粗粒となるに従つてSによる悪影響が顕著に
示されることは明らかである。 更に第3図には前記したようなベース鋼および
本発明鋼について、上部横軸に示した溶体化温度
に各10分間保持し調整した場合の結晶粒度の影響
を前記クリープ破断強度との関係について示した
が、これら第1〜第3図の結果から前記した11
Kg/mm2以上のクリープ破断強度を得るためには粒
度番号をNo.6より粗粒とし、又組成的にはCを
0.05〜0.1%、Nbを0.1〜1.1%、Sを0.02%以下と
し、Mo、Cu、W、V、Ti、Zrの強化元素を添加
することが必要条件であることが理解され、この
ことが鋼管肉厚の大部分の満すべき条件であるこ
とを知つた。 一方鋼管の内表面近傍については細粒にするこ
とが必要で、この細粒にするためには利用し得る
析出物がNb(C,N)であるため、これらのNb、
C、Nの量も規制されてくる。然してこれらの中
で、Nb量、C量については通常鋼の溶解時に調
整されて定まるものであるが、N量は溶解時に調
整するだけでなしに、本発明では固体状態でガス
中より拡散侵入されるものとした。即ち既述した
第3図のように高温強度上の制限より溶体化処理
温度は1170℃以上にすることが必要であり、この
ような温度でも鋼管内表面近傍には結晶粒の成長
を抑制するに充分なNb(C,N)が析出していな
ければ上記溶体化処理後に該内表面近傍において
必要とされる細粒層が得られない。従つて必要と
されるNb量やC量と共に上記のように侵入させ
るN量を決定する必要がある。即ち第4図に前記
したオーステナイト系ステンレス鋼における(C
+N)量と1170℃での溶体化処理後に得られる粒
度の関係を細線によるベース鋼および太線による
本発明鋼について示すが、本発明者等は上記した
ような平均結晶粒度No.が7またはそれ以上の細粒
層が管内表面から50μ以上、好ましくは100μ以上
で、300μ以下程度存在すると耐高温水蒸気酸化
性が改善されることを実験的に確認しており、粒
度番号がこのNo.7又はそれ以上とするためには上
記のように必要とされる細粒層の範囲において、
その(C+N)量が少なくとも0.15%を必要とす
ることをこの第4図から読みとれる。 本発明においては既述したごとく、Nbの炭窒
化物によつて高温強度確保のために必要となる高
温溶体化処理時の管内表面層において結晶粒の成
長を防ぐことにより該部分を細粒に維持するもの
である。従つて若しこれら析出物の形成に必要な
C、N量に鋼の溶解状態でそれらの量を調整した
のでは溶体化処理後、管の全肉厚に亘つて一様な
粒度の鋼管しか得られず、本発明の目的を達し得
ないことになる。そこで本発明では細粒層を形成
すべき管内表面の前記したような厚さ(深さ)範
囲内に鋼に対して侵入しやすいNを上記のように
固体状態において侵入させるものであり、結晶粒
度を前記範囲の細粒にするために必要なNは粒度
番号がNo.7以上の細粒状態で侵入させることが基
本である。粗粒材に侵入したNは粒内の析出物と
なるだけであつて、その後に加工工程(1170℃未
満)とそれに伴う再結晶工程がない限り細粒化作
用はない。 平均結晶粒度No.が7またはそれ以上の細粒層を
管内表面から50μ以上300μ以下としたのは下記の
理由による。 鋼管の使用期間は通常10〜30万時間で、この間
に粒度No.7以上の場合、鋼管内面は水蒸気により
40μ程度の酸化が進行すると考えられるので細粒
層は最低50μとする。 また細粒層の上限を300μとしたのは、300μを
超えてもそれに伴う酸化スケール厚の低減効果の
増大は殆どなく、更にクリープ破断強度に対して
悪影響を与えるので300μを上限とする。 (C+N)量は少なくとも0.15%とする必要が
あるが、(C+N)量が大きくなると延性が低下
するので上限は0.5%が望ましい。 第5図にはベース成分を18Cr−12Ni−0.01Nと
したものおよび本発明による前記MC系鋼の結晶
粒度番号8.5の素材において、これらにC、Nbを
変化させて成る鋼管内面に、1050〜1100℃でN2
ガス又はAr−N2混合ガス(N2:20〜50%)を10
〜20分間流入させつつ侵入窒素処理をなし、その
後1170℃で溶体化処理を行つた際に得られた管内
表面近傍の平均結晶粒度を細線によるベース鋼と
太線による本発明鋼として示したが、この図によ
れば優れた耐高温水蒸気酸化性を得るための結晶
粒度No.を7またはそれ以上とするためには、Cが
0.04%以上、Nbが0.4%以上とする必要があるこ
とを理解し得る。なおこの第5図で示した範囲は
溶体化処理温度を1170℃以上にしても変化しな
い。溶体化処理温度の上限は実質的には1250℃で
あつて、1250℃以上に上げることによる強度上昇
の効果は僅かであるのに対し、延性の低下や熱処
理によるスケールの大量発生などのデメリツトが
顕著となる。 上記したような第1図および第5図から高温強
度を上記した程度以上に保持し且つ耐高温水蒸気
酸化性を適切に得るためにはNb添加オーステナ
イトステンレス鋼のC量は0.05〜0.10%でなけれ
ばならず、Nbの下限は0.4%となる。またNb量
が1.1%を超えると高温強度が劣化しはじめると
共に溶接性も悪化するので、1.1%を上限とする。
Crは耐水蒸気酸化性確保のため少なくとも15%
は必要であるが、26%を超えて含有させるとオー
ステナイトが不安定となるので15〜26%とする。
又Niは10%未満ではオーステナイトが不安定と
なり、このNi量増大に従つてオーステナイトは
安定となるが35%を超えて含有させてもその効果
が飽和し価格的に不利となるだけであるから10〜
35%とする。 本発明のオーステナイトステンレス鋼の成分組
成のうち、C、Cr、Ni、S及びNbの含有範囲と
数値限定の理由について前述したが、他の成分に
ついては以下に記載する。 Si:脱酸および耐酸化性から添加されるが、1%
を超えるとシグマ相等の脆化相の析出を助長す
るため、その含有量を1%以下にする。 Mn:脱酸、脱硫、オーステナイト相の安定に有
効であるが、2%を超えてもその効果は顕著で
ないためその含有量を2%以下にする。 N:細粒層の形成には有効であるが、過剰の添加
は肉厚中央部も細粒にしクリープ強度を損なう
ため、その含有量を0.05%以下にする。 P:不純物として含有されるが、強化作用を有す
る。しかしその量が多い場合、熱間加工性、溶
接性等を低下させるため、その含有量を0.04%
以下にする。 強化元素としてのMo、W、Cu、V、Ti及びZr
については1種又は2種以上を添加する。 Mo、W:何れも高温クリープ強度に有効な元素
であるが、過剰の添加はシグマ相の析出を促進
するため、何れもその含有量を3%以下にす
る。 Cu、V:これらの元素もクリープ強度の向上に
有効な元素であるが、過剰の含有は熱間加工性
を著しく低下させるためその含有量を何れも3
%以下にする。 即ち、第6図に示すように何れも数%の添加に
よりクリープ破断強度を向上させる。但しその効
果は3%程度で飽和する傾向にあり、また多量の
添加は、()シグマ相析出による靭性の低下
(Mo、W、V)、()熱間加工性の低下(Cu、
V)、()高温耐食性の低下(V)をもたらすた
め上限を3%とする。 Ti、Zr:これらの元素においても炭化物を形成
しクリープ破断強度を高めるが、過剰添加は効
果がなく、またLaves相等の脆化相が析出する
ため、その含有量も何れも0.15%以下とする。 また本発明においては耐酸化性を高める元素と
してAlを添加する。このAlは脱酸剤として有効
で耐酸化性を高めるが、フエライト相形成元素で
もあつて過剰添加はオーステナイト相の安定を損
なうため、その含有量を0.5%以下にすることが
必要である。 第7図には鋼管内表面側に50μおよび100μの厚
さをもつた細粒層を得るための代表的な処理条件
を示した。試験片はベース鋼として0.09%C−
0.01%N−0.7%Nb−17%Cr−12%Ni−0.01%S
の組成を有し、結晶粒度No.が8.5のもの、および
本発明鋼として0.05%C−0.01%N−0.7%Nb−
17%Cr−15%Ni−2.5%Mo−2.5%Cu−0.01%S
の組成をもつた結晶粒度No.が同じく8.5のもので
あり、細粒層の深さは侵窒素処理後、1170℃以上
でそれぞれ溶体化処理(即ち侵窒素部分以外の粗
粒化処理)を行つたものについて測定した。侵窒
素処理にはN2ガスを使用し所定の侵窒素保持温
度までの温度上昇時間は約2分であり、侵窒素ガ
ス中のN2分が減少すると処理時間はこの第7図
に示すところより若干長くなり、又該ガス中の酸
素量が多い場合も同様に必要時間が多少長くな
る。 なおこの第7図に示した侵窒素処理時間につい
て附言すると、該図に示されたように処理温度と
時間の関係はN2ガスおよび不純物O2の割合が、
O2:5%以下の場合はN2:25%以上のガスを使
用した場合であり、O2:1%以下の場合はN2:
5%以上のガスについて成立する。例えばO2が
0.1%以下のような酸素の低い、且つNH3分解ガ
スの混合などにより還元性雰囲気にすることによ
り、この図の結果は図示上若干左方に移動する。
この効果は長時間処理が必要とされる低温側にお
いてより著しいことは言うまでもない。又900℃
以下のような低温で侵窒素を行うと、表面近傍の
N濃度は高くなるが、必要深さまでNが拡散する
のに時間を必要とするので低温滲窒素処理後に高
温(1170℃未満)で熱処理し拡散させることが好
ましい。この拡散時間は図示した高温での保持時
間(例えば1100℃であれば5分)だけ行えばよ
い。 処理前の結晶粒度番号は前述したようにNo.7以
上にする必要があり、一方予め冷間加工されてい
る場合又は1170℃未満の温度で加工されている場
合は、加工層が侵窒素処理温度に達するまでに再
結晶するため、細粒材、粗粒材の別なく使用し得
る。この場合に必要とされる加工度は10%以上で
あり、加工度が10%以下では再結晶が生じないた
め、10%以上の加工度を必要とする。加工は圧延
等の場合は肉厚減少率であり、シヨツト加工のよ
うな内面近傍のみに対して加工を加える場合にお
いては微少硬度測定により換算する。 加工度の上限規定については、 (1) 工業的に行い得る加工であれば特に限定する
必要はない。鋼管の加工(伸管、圧延)におい
ては通常は60%程度が上限であるが、更に高い
加工度も与え得る。 (2) シヨツト加工、グラインダ加工等の表面近傍
に対する加工においては、表面は硬度から換算
すると100%(外挿)を超える。但し、平均の
加工度差は50%程度、またはそれ以下になる。
なお加工温度の下限は特に規定する必要はない
が、室温〜1170℃であり、通常は室温〜500℃
程度である。 又その深さは50μ以上あればよく、全肉厚でも
よい。侵窒素処理温度が1170℃を超える場合は昇
温速度が問題となり、一応の目安は500℃/min
以下であつて、それ以上の速度で昇温する場合は
細粒層は浅くなり必要な細粒層厚50μが得られな
い。又直接通電加熱などの方法により1000℃/
min以上の急速加熱を行う場合の加熱温度は1170
℃以下に制限されることは言うまでもない。 上記したような侵窒素処理温度が1170℃を超え
る場合の昇温速度制限、超急加熱の際の加熱温度
制限は処理管の平均結晶粒度がNo.7またはそれ以
上の細粒である場合および加工を加える場合の何
れの場合においても遵守されねばならないところ
である。 前記第7図の結果は、結晶粒度番号がNo.7以上
の侵窒素処理と溶体化処理によつて得られたもの
であるが、本発明によるものはこの場合に限られ
るものでなく、以下のような工程によつても同様
に粗粒−細粒の二相組織を有する鋼管として製造
することができる。 (1) 10%以上の加工(加工温度は1170℃以下)
→第7図に示したような侵窒素処理→1170
℃以上の溶体化処理( は昇温速度を適当
に選ぶことにより同一過程で処理できる。即ち
溶体化処理温度まで昇温する過程で侵窒素処理
することができる) (2) 前記した→→ (3) 上記(1)、(2)の中のの処理過程を侵窒素処理
と拡散処理に分離したもの。 なお念のため附言すれば、(3)の工程により処理
する場合において、拡散処理後に1170℃未満で加
工する過程が入るときには拡散処理はその温度に
限定を設ける必要ないが、拡散処理過程後にこの
ような加工過程が入らぬ場合は拡散処理も結晶粒
が粗大化しない温度域(即ち1170℃未満)で行わ
ねばならない。又上記のような基本パターンの外
に、上記(1)〜(3)の組合わせも可能である。例え
ば、(1)においてそのとの間に再び過程を装
入してもよい。 上記したような本発明の製造法を要約すると、
以下が基本的である 最終熱処理(溶体化処理)は1170℃以上、
1250℃以下であること。 上記溶体化処理の温度に材料が曝される以前
の段階で(溶体化処理温度に鋼管が昇温する途
中であつてもよいし、全く別の工程であつても
よいが)少なくとも鋼管内表面から50〜300μ
の厚さ範囲の結晶粒度番号がNo.7又はそれ以上
の細粒状態(又は該細粒状態を呈するとき)で
その細粒状態を溶体化処理温度においても保持
するのに充分なN(即ちC+N0.15%)が前
記厚さ範囲に侵入していること。 然して前記最終熱処理以前に加工、熱処理、酸
洗などの諸工程を自由に挿入してよく、又当然の
ことながら最終熱処理後の再度の熱処理も溶体化
処理温度を著しく超えない限り、耐高温水蒸気酸
化性および高温強度については問題がない。 なお侵窒素処理は管内にガスを封入することに
よつても行い得られ、ガスの条件は単位面積当り
常温常圧換算で0.1c.c./cm2以上のN2ガス(分解す
るガスは分解したものとして計算し、NH3であ
れば0.2c.c./cm2)、1c.c.以下のO2ガス(O2分で計
算)を含むガスが一応の目安となる。 本発明によるものの具体的な製造例およびその
比較例とそれらの製造方法について、それらの組
成および性能を要約して示すと、次の第1表から
第5表の通りである。なおこれらのものにおいて
製品No.に附記されたものは素材の結晶粒度番号で
あつて、附記のないものは何れも粒度番号8.0の
素材である。 即ち第1表はベース成分に強化元素として
Mo、Cuを単独および複合添加し、又一部にTiを
添加した場合を示し、更に比較材をも示したもの
である。 第2表はベース成分に強化元素としてMo、W
を単独添加した場合およびそれらを複合添加した
場合を示すものである。 又第3表はTi、Zrを単独で添加した場合と、
それらをMo、Cuと複合添加した場合を示す。 更に第4表はAlを添加した場合で、このAlは
強化元素と複合添加するもので、代表的にTi、
Mo、Cuと複合添加された場合を示すものであ
る。 第5表は本発明における製造法を要約的に示し
たもので素管の成分組成としては第2表における
製造No.10と同じものを用い、該素材による素管の
製造条件および侵窒素処理条件を変えた場合にお
ける製品特性が前記第1〜4表のものと同じに示
されている。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
上記したような第1表〜第5表によるときは本
発明による鋼管No.1〜23のものは何れにしても
650℃で10万hrのクリープ破断強度が11Kg/mm2以
上で、耐水蒸気酸化性においても600℃、1000時
間の水蒸気酸化スケール15μm以下と少ないもの
である。これに対し比較例のものは650℃、10万
hrの高温強度において10Kg/mm2以下であるか、そ
れが高目のものにおいては酸化スケール量が40μ
mまたはそれ以上のような高い値を示し、少なく
とも何れかにおいて本発明のものに対し相当に劣
つていることが確認された。 以上説明したような本発明によるときはNbを
添加したステンレス鋼管においてその高温強度を
より向上せしめると共にその耐高温水蒸気酸化性
を適切に高く維持せしめることができるものであ
つて工業的にその効果の大きい発明である。
発明による鋼管No.1〜23のものは何れにしても
650℃で10万hrのクリープ破断強度が11Kg/mm2以
上で、耐水蒸気酸化性においても600℃、1000時
間の水蒸気酸化スケール15μm以下と少ないもの
である。これに対し比較例のものは650℃、10万
hrの高温強度において10Kg/mm2以下であるか、そ
れが高目のものにおいては酸化スケール量が40μ
mまたはそれ以上のような高い値を示し、少なく
とも何れかにおいて本発明のものに対し相当に劣
つていることが確認された。 以上説明したような本発明によるときはNbを
添加したステンレス鋼管においてその高温強度を
より向上せしめると共にその耐高温水蒸気酸化性
を適切に高く維持せしめることができるものであ
つて工業的にその効果の大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図は18%Cr−12%Ni−0.01%N−0.01%
Sのベース鋼と、17%Cr−15%Ni−2.5%Mo−
2.5%Cu−0.01%N−0.01%Sの本発明による鋼
の650℃、10万時間のクリープ破断強度に及ぼす
C、Nbの1170℃以上の溶体化処理での影響を併
せて示した図表、第2図は上記の各鋼についての
クリープ破断強度に及ぼすSの影響について示し
た図表、第3図は上記各鋼のクリープ破断強度に
対する粒度の影響の関係を示した図表、第4図は
上記各鋼についてC+N量と1170℃結晶粒度の関
係を併せて示した図表、第5図は上記各鋼におい
て1050℃、10分の侵窒素処理後、1170℃で溶体化
処理を行つた後の鋼管内表面近傍の平均結晶粒度
を示した図表、第6図はクリープ破断強度に対す
る合金元素の影響を示した図表、第7図は50μ以
上の細粒層深さを得るために必要とされる熱処理
時間と温度との関係を示した図表である。
て、第1図は18%Cr−12%Ni−0.01%N−0.01%
Sのベース鋼と、17%Cr−15%Ni−2.5%Mo−
2.5%Cu−0.01%N−0.01%Sの本発明による鋼
の650℃、10万時間のクリープ破断強度に及ぼす
C、Nbの1170℃以上の溶体化処理での影響を併
せて示した図表、第2図は上記の各鋼についての
クリープ破断強度に及ぼすSの影響について示し
た図表、第3図は上記各鋼のクリープ破断強度に
対する粒度の影響の関係を示した図表、第4図は
上記各鋼についてC+N量と1170℃結晶粒度の関
係を併せて示した図表、第5図は上記各鋼におい
て1050℃、10分の侵窒素処理後、1170℃で溶体化
処理を行つた後の鋼管内表面近傍の平均結晶粒度
を示した図表、第6図はクリープ破断強度に対す
る合金元素の影響を示した図表、第7図は50μ以
上の細粒層深さを得るために必要とされる熱処理
時間と温度との関係を示した図表である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.05〜0.10%、Si≦1.0%、Mn≦2.0%、
Cr:15〜26%、Ni:10〜35%、S≦0.02%、N
≦0.05%、P≦0.04%、Nb:0.4〜1.1%を含有し、
更にMo≦3.0%、W≦3.0%、Cu≦3.0%、V≦3.0
%、Ti≦0.15%、Zr≦0.15%の何れか1種又は2
種以上を含み、残部が鉄および不可避不純物から
なるオーステナイトステンレス鋼による鋼管の平
均結晶粒度番号がNo.6またはそれ以下の粗粒組織
とその内面側における厚さが50〜300μで平均結
晶粒度番号がNo.7またはそれ以上の細粒層とを有
し、該細粒層部のC+Nが0.15%以上であること
を特徴とするオーステナイトステンレス鋼。 2 C:0.05〜0.10%、Si≦1.0%、Mn≦2.0%、
Cr:15〜26%、Ni:10〜35%、S≦0.02%、N
≦0.05%、P≦0.04%、Nb:0.4〜1.1%を含有し、
更にMo≦3.0%、W≦3.0%、Cu≦3.0%、V≦3.0
%、Ti≦0.15%、Zr≦0.15%の何れか1種又は2
種以上を含むと共にAl≦0.5%を含み、残部が鉄
および不可避不純物からなるオーステナイトステ
ンレス鋼による鋼管の平均結晶粒度番号がNo.6ま
たはそれ以下の粗粒組織とその内面側における厚
さが50〜300μで平均結晶粒度番号がNo.7または
それ以上の細粒層とを有し、該細粒層部のC+N
が0.15%以上であることを特徴とするオーステナ
イトステンレス鋼。 3 C:0.05〜0.10%、Si≦1.0%、Mn≦2.0%、
Cr:15〜26%、Ni:10〜35%、S≦0.02%、N
≦0.05%、P≦0.04%、Nb:0.4〜1.1%を含有し、
更にMo≦3.0%、W≦3.0%、Cu≦3.0%、V≦3.0
%、Ti≦0.15%、Zr≦0.15%の何れか1種又は2
種以上を含み、残部が鉄および不可避不純物から
なるオーステナイトステンレス鋼による鋼管を
1170〜1250℃で粗粒組織を形成するように溶体化
処理するに当つて1170℃に昇温する時点までに少
なくとも該鋼管の内面側50〜300μの厚さ範囲内
における平均結晶粒度番号がNo.7またはそれ以上
の細粒状態で前記厚さ範囲内のC+Nが0.15%以
上となる如くNを侵入させることにより前記溶体
化処理時においても前記内面側50〜300μの厚さ
範囲内における平均結晶粒度番号がNo.7またはそ
れ以上の細粒状態を維持させることを特徴とする
オーステナイトステンレス鋼管の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32798488A JPH01287249A (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | オーステナイトステンレス鋼管およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32798488A JPH01287249A (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | オーステナイトステンレス鋼管およびその製造法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1472082A Division JPS58133352A (ja) | 1982-02-03 | 1982-02-03 | オーステナイトステンレス鋼管の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01287249A JPH01287249A (ja) | 1989-11-17 |
| JPH0453943B2 true JPH0453943B2 (ja) | 1992-08-28 |
Family
ID=18205203
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32798488A Granted JPH01287249A (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | オーステナイトステンレス鋼管およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01287249A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09249946A (ja) * | 1996-03-14 | 1997-09-22 | Nkk Corp | 加圧流動床燃焼型火力発電プラント用鋼 |
| JP3838216B2 (ja) * | 2003-04-25 | 2006-10-25 | 住友金属工業株式会社 | オーステナイト系ステンレス鋼 |
| JP5387057B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2014-01-15 | Jfeスチール株式会社 | 耐熱性と靭性に優れるフェライト系ステンレス鋼 |
| DE202009017682U1 (de) * | 2009-12-29 | 2011-05-12 | Wvt Breiding Gmbh | Austenitische Stahllegierung und Verschleißschutz für Kesselrohre |
| WO2011096592A1 (ja) * | 2010-02-04 | 2011-08-11 | 小田産業株式会社 | 高強度・高延性で優れた耐食性・耐熱性を有する高窒素ステンレス鋼管及びそれらの製造方法 |
| JP5880306B2 (ja) * | 2012-06-20 | 2016-03-09 | 新日鐵住金株式会社 | オーステナイト系耐熱鋼管 |
| JP6244939B2 (ja) * | 2014-01-24 | 2017-12-13 | 新日鐵住金株式会社 | オーステナイト系ステンレス鋼管 |
| KR101735007B1 (ko) * | 2015-12-23 | 2017-05-15 | 주식회사 포스코 | 주름 저항성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스 강관 |
-
1988
- 1988-12-27 JP JP32798488A patent/JPH01287249A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01287249A (ja) | 1989-11-17 |
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