JPH0456010B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0456010B2 JPH0456010B2 JP58095683A JP9568383A JPH0456010B2 JP H0456010 B2 JPH0456010 B2 JP H0456010B2 JP 58095683 A JP58095683 A JP 58095683A JP 9568383 A JP9568383 A JP 9568383A JP H0456010 B2 JPH0456010 B2 JP H0456010B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- days
- group
- drug
- muscle
- activity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Saccharide Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明はガングリオシドの分子種であるGQ1
b,GD1aおよびGD1bのうち、GQ1b単独又は
GQ1bとGD1a若しくはGD1bとの混合物を有効
成分とする末梢神経系又は中枢神経系の障害の治
療用薬剤に関する。 本発明の目的は末梢神経系又は中枢神経系の障
害に起因する各種疾患の治療に有用な薬剤の提供
を目的とする。 神経系障害に起因する疾患は難治のものが多
く、その治療用薬剤も種類が少なく、現在メコバ
ラミン(医薬一般名)が代表的なものであるが、
その効果も未だ十分でなく、さらに良好なる治療
薬の開発が望まれている。 動物の神経刺激伝達系に重要な役割をもつもの
として、ガングリオシドなどの酸性糖脂質やホス
フアチジルイノシトール、ホスフアチジルセリン
などの酸性リン脂質が知られている。 なかでもガングリオシドは末梢神経損傷の回
復、すなわち神経の再生促進や神経刺激伝達過程
に活性を持つといわれ、これを利用した薬剤とし
てイタリアでクロナシアル(Cronassial )なる
薬剤が既に上市され、関連する特許出願がなされ
ている(特開昭52−34912号)。 ガングリオシド(以下GSと略記する)はシア
ル酸(N−アシルノイラミン酸ともいう)を含有
するスフインゴ糖脂質で、中枢神経系組織に多量
に存在することから、この名称がある。 シアル酸にはN−アセチル基を有するものとN
−グリコリル基を有するものが知られているが、
中枢神経系及びヒト臓器のGSはN−アセチル体
である。GSはその分子を構成するシアル酸基の
数やその結合状態により各種のものが知られてい
る。分子中のシアル酸基が1個のモノシアロガン
グリオシド(以下GMという)、2個のジシアロ
ガングリオシド(以下GDという)、3個のトリ
シアロガングリオシド(以下GTという)、4個
のテトラシアロガングリオシド(以下GQとい
う)及び4個以上のポリシアロガングリオシド
(以下GPという)に大別され、また同じシアル酸
基数のGSにおいてもシアル酸の結合状態により
さらに細別される。 GSの分子種とその略号を次に示す。 Gal(β1−3)GalNAc(β1−4)〔NAcNeu−
(α2−3)〕Gal(β1−4)Glc(β1−1)−
Ceramide、(略号GM1)。 〔NAcNeu(α2−3)〕Gal(β1−3)−GalNAc
(β1−4)〔NAcNeu(α2−3)〕−Gal(β1−4)
Glc(β1−1)Ceramide、(略号GD1a)。 Gal(β1−3)GalNAc(β1−4)−〔NAcNeu
(α2−8)NAcNeu(α2−3)〕−Gal(β1−4)
Glc(β1−1)Ceramide、(略号GD1b)。 〔NAcNeu(α2−3)〕Gal(β1−3)−GalNAc
(β1−4)〔NAcNeu(α2−8)−NAcNeu(α2−
3)〕Gal(β1−4)Glc−(β1−1)Ceramide、
(略号GT1b)。 〔NAcNeu(α2−8)NAcNeu(α2−3)〕−
Gal(β1−3)GalNAc(β1−4)− 〔NAcNeu(α2−8)NAcNeu(α2−3)〕−Gal
(β1−4)Glc(β1−1)Ceramide、(略号GQ1
b)。 本発明者はGSの各分子種はそれぞれ生理活性
が異なると考え、分子レベルでの薬理効果を明ら
かにするため牛脳より得られたGSを神経細胞の
培養に用いて、その活性について研究した。その
結果、未分画のGS(以下全GSと略記する)はモ
ルモツトの背髄神経節の培養において神経突起数
の増加を促進する効果を有するが、分画した
GM,GD及びGTの各分画や精製されたGM1では
その効果が認められず、GQ分画にその活性が集
中することを見出し、これを明らかにした。 本発明者はさらに研究を進めた結果、GSの分
子種のうちGQ1bが最も強力な効果を有すること
を知り、本発明を完成するに至つた。 ヒト由来のGSの各分子種について、ヒト由来
の神経芽腫瘍細胞(GOTO及びNB−1細胞)の
培養にこれらを用いて、その活性を試験した。
GQ1bは全GSや全GSに存在する主要分子種の存
在量比より調整した全GSを代表すると考えられ
るGM1,GD1a,GT1b及びGQ1bの21:35:
20:5の混合物(以下混合物Tと略記する)と同
様の活性を示した。GQ1b以外の分子種GM1,
GD1a及びGT1bはいずれも活性は認められなか
つた。活性惹起の至適濃度はGQ1bは2〜5ng/
mlであり、全GSの25〜50ng/mlに対し10分の1
となり、極めて活性が高い。また、マウス顎下腺
由来の神経生長因子7S−NGF(以下NGFと略記
する)の至適濃度100〜200ng/mlに比較して約
50分の1の濃度で同等の効力を示した。GOTO
株及びNB−1株を用いた活性試験の詳細を試験
例1及び2に示す。 GQ1bの活性はこのような極めて強力である
が、神経芽腫瘍細胞の増殖効果の持続が全GSに
比較して短かく、24時間以後は活性が低下する。
GQ1bを医薬として用いる場合、生体中での半減
期が24時間以内であることを考慮するとき、24時
間以後の活性の低下は大きな支障とはならない
が、活性を長時間持続させる方法としてGQ1bと
GD1a又はGD1bとの混合物を用いることが有効
であることを見出した。効力の持続試験について
試験例3にこれを示す。 本発明の薬剤は末梢神経系障害又は中枢神経系
障害に起因する疾患の治療に用い得る。代表的な
疾患として、炎症性神経炎、多発性神経炎、多発
性筋炎、ギラン・バレー症候群、糖尿病性又はア
ルコール性神経障害、顔面神経麻痺、慢性進行性
脱髄性ポリニユーロパチー、遺伝性知覚性ニユー
ロパチー、アミロイドニユーロパチー、重症筋無
力症、多発性硬化症、筋ジストロフイー、筋萎縮
性側索硬化症、背髄病性筋萎縮、末梢神経の外傷
性病変、頭蓋損傷予後、脳振盪症、ワクチン接種
後脳炎などがある。本薬剤の適用疾患はこれら例
記に限定されるものではない。 投与方法は経口、非経口とも可能であるが、筋
肉注射、静脈内注射、皮下注射及び腹腔内注射が
好ましい。投与量は疾患の程度と患者の体重に依
存するが、GQ1bを単独で用いる場合は0.1ない
し20mgが好ましく、これにGD1a又はGD1bを混
合する場合はGD1a又はGD1bをGQ1bの1〜10
倍量とするが、3〜6倍量がより好ましい。 本発明の薬剤の治療効果について坐骨神経圧挫
ラツトを用い圧挫側後肢の行動変化、筋電図、筋
重量及び筋のアセチルコリン感受性の変化につい
て試験した。本発明の薬剤はいずれも対象薬剤と
した全GS及びメコバラミンと同等以上の効果を
示した。 試験の詳細を試験例4に示す。 本発明の薬剤の毒性は極めて少なく安全であ
る。毒性についての試験を試験例5に示す。 GQ1bは全GSを分画し精製することにより得
られるが、大量に得るためには全GS中に多量に
存在し、多くの量を単離できるGT1bなどを出発
原料とし、これにシアル酸を、たとえば酵素を用
いて結合するなどの方法により合成することが考
慮される。 全GSは活性に乏しいGM1やGT1bなどを多く
含み、活性が低いので多量の投与を必要とし、好
ましくない副作用をもたらす危険も考えられる。 本発明の薬剤は精製された活性の高いGQ1bを
使用するため比較的少量の投与で効果があり、副
作用の発現も防止され、各種疾患の治療に極めて
有用である。 本発明の薬剤につきGQ1b単独のものを実施例
1及び3にGQ1bとGD1aとの混合剤を実施例2
にそれぞれ示す。 本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 GQ1b 注射剤 1アンプル中にGQ1b 0.5mg、リン酸二水素
ナトリウム2水塩0.25mg、リン酸水素二ナトリウ
ム12水塩3mg及び注射用蒸留水を含有し、全量が
1mlである注射剤。 実施例2 GQ1b 混合注射剤 1アンプル中にGQ1b 0.5mg,GD1a 2.0mg、
リン酸二水素ナトリウム2水塩 0.25mg、リン酸
水素二ナトリウム12水塩3mg及び注射用蒸留水を
含有し、全量が1mlである注射剤。 実施例3 GQ1b 用時溶解注射剤 1バイアル中にGQ1bのナトリウム塩 0.5mg
及び生理食塩水1mlを含有し、凍結乾燥せしめた
注射剤。注射用蒸留水1mlを用い溶解して使用す
る。 試験例1 神経芽腫瘍細胞GOTO株増殖に対す
るガングリオシドの効果 神経芽腫瘍細胞GOTO株(Sekiguchi,M.,
Oota,T.,Sakakibara,K.,Inui,N.&Fujii,
G.,Japan.J.Exp.Med.,49,67−83(1979)参
照)を牛胎児血清(以下FCSを略記する)を含む
培養液〔RPMI 1640培養液45%,Dulbeccoの
Modified Eagle′s Medium(以下MEMと略記す
る)45%,FCS10%より成り、ペニシリンGを
100単位/ml及びストレプトマイシン硫酸塩100μ
g/mlを含有する〕に浮遊させ、37℃で空気中に
5%の炭酸ガスを含む炭酸ガス培養器中で培養し
た。容器として35mmのポリスチレン皿を用い各容
器あたり2〜6×104個まで指数的に増殖させた
ものを試験に用いた。各ガングリオシド分画は永
井及び岩森の方法(Nagai,Y.& Iwamori,
M.,Moll.Cell.Biochem.29,81〜90(1980)参
照)により精製したものを用いた。 細胞培養液よりFCS含有培養液を除去した後
FCSを含有しない培養液(RPMI 50%,MEM50
%、抗生物質は前記培養液と同濃度含有)に各薬
剤の所定量を混合したものを加え同様にして培養
を継続した。薬剤を加えて24時間後に各培養容器
中の生細胞数の増加、神経突起の数の増加及び神
経突起の長さの伸長を測定した。 実験は各剤各濃度とも6皿で行なつた。 生細胞数は6皿につきエリトロシン
(erythrosine)色素染色に対する抵抗性により計
数し、神経突起の数と長さの計測は2皿につき各
視野200個以上の細胞について行つた。各測定値
は平均値±標準誤差(S.E.)で表わした。 比較薬剤として全GS,GM1,GD1a並びに
GT1bの各単独剤並びに混合物T(GM1,GD1a,
GT1b,GQ1bの21:35:20:5混合物)及び
NGF(マウス顎下腺由来7S−NGF、和光純薬製)
を用いた。試験結果を表1に示す。 表1に明らかなように、GQ1b、全GS、混合
物T及びNGFは、いずれも生細胞数増加、神経
突起の数の増加及び神経突起の長さの伸長に活性
を示したが、GM1,GD1a,GT1bには活性がほ
とんど見られない。全GS及び混合物Tの至適濃
度は25〜50ng/mlであるが、GQ1bのそれは2
〜5ng/mlであり、10分の1の濃度で同等の活性
があり、極めて強力である。 試験例2 神経芽腫瘍細胞NB−1株増殖に対す
るガングリオシドの効果 神経芽腫瘍細胞NB−1株(Miyake,S.,
Shimo,Y.,Kitamura,T.,Nojyo,Y.,
Nakamura,T.,Imashuku,S.and Abe,T.,
The Autonomic Nervous System,10,115〜
120(1973)参照)を用い試験例1と同様の方法で
各薬剤の活性について試験した。 試験結果を表2に示す。 各薬剤相互の活性の比較は試験例1とほぼ同様
の関係にある。 試験例3 ガングリオシド分子種混合物の活性の
持続 GQ1bに各種ガングリオシド分子種を配合し、
その活性の持続を調べるため神経芽腫瘍細胞
GOTO株及びNB−1株を用い、実施例1と同様
の方法により薬剤を用い、薬剤添加後24時間、48
時間及び72時間経過時の生細胞数を測定した。薬
剤としてGQ1bは5ng/ml,GQ1bと他の分子種
との混合物は表Aの濃度(ng/ml)の組成のも
のを、混合物T及び全GSは50ng/mlをそれぞれ
使用した。
b,GD1aおよびGD1bのうち、GQ1b単独又は
GQ1bとGD1a若しくはGD1bとの混合物を有効
成分とする末梢神経系又は中枢神経系の障害の治
療用薬剤に関する。 本発明の目的は末梢神経系又は中枢神経系の障
害に起因する各種疾患の治療に有用な薬剤の提供
を目的とする。 神経系障害に起因する疾患は難治のものが多
く、その治療用薬剤も種類が少なく、現在メコバ
ラミン(医薬一般名)が代表的なものであるが、
その効果も未だ十分でなく、さらに良好なる治療
薬の開発が望まれている。 動物の神経刺激伝達系に重要な役割をもつもの
として、ガングリオシドなどの酸性糖脂質やホス
フアチジルイノシトール、ホスフアチジルセリン
などの酸性リン脂質が知られている。 なかでもガングリオシドは末梢神経損傷の回
復、すなわち神経の再生促進や神経刺激伝達過程
に活性を持つといわれ、これを利用した薬剤とし
てイタリアでクロナシアル(Cronassial )なる
薬剤が既に上市され、関連する特許出願がなされ
ている(特開昭52−34912号)。 ガングリオシド(以下GSと略記する)はシア
ル酸(N−アシルノイラミン酸ともいう)を含有
するスフインゴ糖脂質で、中枢神経系組織に多量
に存在することから、この名称がある。 シアル酸にはN−アセチル基を有するものとN
−グリコリル基を有するものが知られているが、
中枢神経系及びヒト臓器のGSはN−アセチル体
である。GSはその分子を構成するシアル酸基の
数やその結合状態により各種のものが知られてい
る。分子中のシアル酸基が1個のモノシアロガン
グリオシド(以下GMという)、2個のジシアロ
ガングリオシド(以下GDという)、3個のトリ
シアロガングリオシド(以下GTという)、4個
のテトラシアロガングリオシド(以下GQとい
う)及び4個以上のポリシアロガングリオシド
(以下GPという)に大別され、また同じシアル酸
基数のGSにおいてもシアル酸の結合状態により
さらに細別される。 GSの分子種とその略号を次に示す。 Gal(β1−3)GalNAc(β1−4)〔NAcNeu−
(α2−3)〕Gal(β1−4)Glc(β1−1)−
Ceramide、(略号GM1)。 〔NAcNeu(α2−3)〕Gal(β1−3)−GalNAc
(β1−4)〔NAcNeu(α2−3)〕−Gal(β1−4)
Glc(β1−1)Ceramide、(略号GD1a)。 Gal(β1−3)GalNAc(β1−4)−〔NAcNeu
(α2−8)NAcNeu(α2−3)〕−Gal(β1−4)
Glc(β1−1)Ceramide、(略号GD1b)。 〔NAcNeu(α2−3)〕Gal(β1−3)−GalNAc
(β1−4)〔NAcNeu(α2−8)−NAcNeu(α2−
3)〕Gal(β1−4)Glc−(β1−1)Ceramide、
(略号GT1b)。 〔NAcNeu(α2−8)NAcNeu(α2−3)〕−
Gal(β1−3)GalNAc(β1−4)− 〔NAcNeu(α2−8)NAcNeu(α2−3)〕−Gal
(β1−4)Glc(β1−1)Ceramide、(略号GQ1
b)。 本発明者はGSの各分子種はそれぞれ生理活性
が異なると考え、分子レベルでの薬理効果を明ら
かにするため牛脳より得られたGSを神経細胞の
培養に用いて、その活性について研究した。その
結果、未分画のGS(以下全GSと略記する)はモ
ルモツトの背髄神経節の培養において神経突起数
の増加を促進する効果を有するが、分画した
GM,GD及びGTの各分画や精製されたGM1では
その効果が認められず、GQ分画にその活性が集
中することを見出し、これを明らかにした。 本発明者はさらに研究を進めた結果、GSの分
子種のうちGQ1bが最も強力な効果を有すること
を知り、本発明を完成するに至つた。 ヒト由来のGSの各分子種について、ヒト由来
の神経芽腫瘍細胞(GOTO及びNB−1細胞)の
培養にこれらを用いて、その活性を試験した。
GQ1bは全GSや全GSに存在する主要分子種の存
在量比より調整した全GSを代表すると考えられ
るGM1,GD1a,GT1b及びGQ1bの21:35:
20:5の混合物(以下混合物Tと略記する)と同
様の活性を示した。GQ1b以外の分子種GM1,
GD1a及びGT1bはいずれも活性は認められなか
つた。活性惹起の至適濃度はGQ1bは2〜5ng/
mlであり、全GSの25〜50ng/mlに対し10分の1
となり、極めて活性が高い。また、マウス顎下腺
由来の神経生長因子7S−NGF(以下NGFと略記
する)の至適濃度100〜200ng/mlに比較して約
50分の1の濃度で同等の効力を示した。GOTO
株及びNB−1株を用いた活性試験の詳細を試験
例1及び2に示す。 GQ1bの活性はこのような極めて強力である
が、神経芽腫瘍細胞の増殖効果の持続が全GSに
比較して短かく、24時間以後は活性が低下する。
GQ1bを医薬として用いる場合、生体中での半減
期が24時間以内であることを考慮するとき、24時
間以後の活性の低下は大きな支障とはならない
が、活性を長時間持続させる方法としてGQ1bと
GD1a又はGD1bとの混合物を用いることが有効
であることを見出した。効力の持続試験について
試験例3にこれを示す。 本発明の薬剤は末梢神経系障害又は中枢神経系
障害に起因する疾患の治療に用い得る。代表的な
疾患として、炎症性神経炎、多発性神経炎、多発
性筋炎、ギラン・バレー症候群、糖尿病性又はア
ルコール性神経障害、顔面神経麻痺、慢性進行性
脱髄性ポリニユーロパチー、遺伝性知覚性ニユー
ロパチー、アミロイドニユーロパチー、重症筋無
力症、多発性硬化症、筋ジストロフイー、筋萎縮
性側索硬化症、背髄病性筋萎縮、末梢神経の外傷
性病変、頭蓋損傷予後、脳振盪症、ワクチン接種
後脳炎などがある。本薬剤の適用疾患はこれら例
記に限定されるものではない。 投与方法は経口、非経口とも可能であるが、筋
肉注射、静脈内注射、皮下注射及び腹腔内注射が
好ましい。投与量は疾患の程度と患者の体重に依
存するが、GQ1bを単独で用いる場合は0.1ない
し20mgが好ましく、これにGD1a又はGD1bを混
合する場合はGD1a又はGD1bをGQ1bの1〜10
倍量とするが、3〜6倍量がより好ましい。 本発明の薬剤の治療効果について坐骨神経圧挫
ラツトを用い圧挫側後肢の行動変化、筋電図、筋
重量及び筋のアセチルコリン感受性の変化につい
て試験した。本発明の薬剤はいずれも対象薬剤と
した全GS及びメコバラミンと同等以上の効果を
示した。 試験の詳細を試験例4に示す。 本発明の薬剤の毒性は極めて少なく安全であ
る。毒性についての試験を試験例5に示す。 GQ1bは全GSを分画し精製することにより得
られるが、大量に得るためには全GS中に多量に
存在し、多くの量を単離できるGT1bなどを出発
原料とし、これにシアル酸を、たとえば酵素を用
いて結合するなどの方法により合成することが考
慮される。 全GSは活性に乏しいGM1やGT1bなどを多く
含み、活性が低いので多量の投与を必要とし、好
ましくない副作用をもたらす危険も考えられる。 本発明の薬剤は精製された活性の高いGQ1bを
使用するため比較的少量の投与で効果があり、副
作用の発現も防止され、各種疾患の治療に極めて
有用である。 本発明の薬剤につきGQ1b単独のものを実施例
1及び3にGQ1bとGD1aとの混合剤を実施例2
にそれぞれ示す。 本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 GQ1b 注射剤 1アンプル中にGQ1b 0.5mg、リン酸二水素
ナトリウム2水塩0.25mg、リン酸水素二ナトリウ
ム12水塩3mg及び注射用蒸留水を含有し、全量が
1mlである注射剤。 実施例2 GQ1b 混合注射剤 1アンプル中にGQ1b 0.5mg,GD1a 2.0mg、
リン酸二水素ナトリウム2水塩 0.25mg、リン酸
水素二ナトリウム12水塩3mg及び注射用蒸留水を
含有し、全量が1mlである注射剤。 実施例3 GQ1b 用時溶解注射剤 1バイアル中にGQ1bのナトリウム塩 0.5mg
及び生理食塩水1mlを含有し、凍結乾燥せしめた
注射剤。注射用蒸留水1mlを用い溶解して使用す
る。 試験例1 神経芽腫瘍細胞GOTO株増殖に対す
るガングリオシドの効果 神経芽腫瘍細胞GOTO株(Sekiguchi,M.,
Oota,T.,Sakakibara,K.,Inui,N.&Fujii,
G.,Japan.J.Exp.Med.,49,67−83(1979)参
照)を牛胎児血清(以下FCSを略記する)を含む
培養液〔RPMI 1640培養液45%,Dulbeccoの
Modified Eagle′s Medium(以下MEMと略記す
る)45%,FCS10%より成り、ペニシリンGを
100単位/ml及びストレプトマイシン硫酸塩100μ
g/mlを含有する〕に浮遊させ、37℃で空気中に
5%の炭酸ガスを含む炭酸ガス培養器中で培養し
た。容器として35mmのポリスチレン皿を用い各容
器あたり2〜6×104個まで指数的に増殖させた
ものを試験に用いた。各ガングリオシド分画は永
井及び岩森の方法(Nagai,Y.& Iwamori,
M.,Moll.Cell.Biochem.29,81〜90(1980)参
照)により精製したものを用いた。 細胞培養液よりFCS含有培養液を除去した後
FCSを含有しない培養液(RPMI 50%,MEM50
%、抗生物質は前記培養液と同濃度含有)に各薬
剤の所定量を混合したものを加え同様にして培養
を継続した。薬剤を加えて24時間後に各培養容器
中の生細胞数の増加、神経突起の数の増加及び神
経突起の長さの伸長を測定した。 実験は各剤各濃度とも6皿で行なつた。 生細胞数は6皿につきエリトロシン
(erythrosine)色素染色に対する抵抗性により計
数し、神経突起の数と長さの計測は2皿につき各
視野200個以上の細胞について行つた。各測定値
は平均値±標準誤差(S.E.)で表わした。 比較薬剤として全GS,GM1,GD1a並びに
GT1bの各単独剤並びに混合物T(GM1,GD1a,
GT1b,GQ1bの21:35:20:5混合物)及び
NGF(マウス顎下腺由来7S−NGF、和光純薬製)
を用いた。試験結果を表1に示す。 表1に明らかなように、GQ1b、全GS、混合
物T及びNGFは、いずれも生細胞数増加、神経
突起の数の増加及び神経突起の長さの伸長に活性
を示したが、GM1,GD1a,GT1bには活性がほ
とんど見られない。全GS及び混合物Tの至適濃
度は25〜50ng/mlであるが、GQ1bのそれは2
〜5ng/mlであり、10分の1の濃度で同等の活性
があり、極めて強力である。 試験例2 神経芽腫瘍細胞NB−1株増殖に対す
るガングリオシドの効果 神経芽腫瘍細胞NB−1株(Miyake,S.,
Shimo,Y.,Kitamura,T.,Nojyo,Y.,
Nakamura,T.,Imashuku,S.and Abe,T.,
The Autonomic Nervous System,10,115〜
120(1973)参照)を用い試験例1と同様の方法で
各薬剤の活性について試験した。 試験結果を表2に示す。 各薬剤相互の活性の比較は試験例1とほぼ同様
の関係にある。 試験例3 ガングリオシド分子種混合物の活性の
持続 GQ1bに各種ガングリオシド分子種を配合し、
その活性の持続を調べるため神経芽腫瘍細胞
GOTO株及びNB−1株を用い、実施例1と同様
の方法により薬剤を用い、薬剤添加後24時間、48
時間及び72時間経過時の生細胞数を測定した。薬
剤としてGQ1bは5ng/ml,GQ1bと他の分子種
との混合物は表Aの濃度(ng/ml)の組成のも
のを、混合物T及び全GSは50ng/mlをそれぞれ
使用した。
【表】
試験結果を表3−1及び表3−2に示す。
GOTO株及びNB−1株いずれの細胞に対して
もGQ1b及びGQ1bとGD1aを除く各分子種との
混合薬剤の活性は時間の経過とともに低下した。
しかし、GQ1bとGD1aとの混合物(薬剤B)、
混合物T及び全GSは72時間まで活性が持続した。
この結果より、GQ1bにGD1aを配合することに
よつてその活性が長時間持続されるが、GM1及
びGT1bではその効果がないことが判明した。 試験例4 坐骨神経圧挫ラツトに対する治療効果 坐骨神経圧挫ラツトに対する本発明の薬剤の治
療効果を(1)圧挫側後肢の行動変化、(2)筋電図、(3)
筋重量及び筋のアセチルコリン感受性の変化につ
いて試験した。 薬剤の投与量は毎回GQ1bは5mg/Kg,GQ1b
とGD1aとの混合物はGQ1b 5mg/Kg+GD1a
20mg/Kgとし、比較として全GSは50mg/Kg、
メコバラミンは0.5mg/Kgとした。 対照としては生理食塩水を用いた。 実験にはウイスター系雄性ラツト(6週令)を
1群7匹使用した。坐骨神経圧挫は、山津らの方
法(山津清実、金子武稔、北原晟文、大川功、日
薬理誌、72,259〜268(1976)参照)および長谷
川らの方法(長谷川和雄、三国直二、酒井豊、日
薬理誌、74,721〜734(1978)参照)に従つて行
つた。すなわち、ペントバルビタール麻酔下(40
mg/Kg,i.p.)に左側坐骨神経を大腿部で露出し、
脛骨神経と腓骨神経の分岐部より5mm中枢部を巾
2mm、すき間0.1mmをもつた止血用クレンメを使
用して、5分間圧挫した。薬物は圧挫同日より1
日1回腹腔内投与した。各測定項目は圧挫後経時
的(2,4,7,10,14,21,28日後)に測定し
た。 (1) 圧挫側後肢の行動変化 指間距離の測定及び歩行時の障害の程度のスコ
アリング: 指間距離の測定は長谷川の方法(Hasegawa,
K.,Experientia,34,750〜751(1978)参照)
に従つて後肢の第1指と第5指の間の距離を測定
した。 圧挫側の距離の正常側の距離に対する比率を求
め%で表わし、その平均値と標準誤差(S.E.)を
表4に示す。 対照である生理食塩水投与群に対して試験群の
測定値でスチユーデントのt−検定で有意差のあ
つたものは数値の右肩に、p<0.05のものは※印
を、p<0.01のものは※※印を付記した。この付
記は以下の各表において共通である。 歩行時の障害の程度を長谷川らの方法(長谷川
和雄、三国直二、酒井豊、日薬理誌、74,721〜
734(1978)参照)に準じてスコアリングした。即
ち、圧挫後、最悪の状態(圧挫後の後肢の背面を
床に密着し、後へ投げ出したままでいる。歩行時
も引きずり、身体の下に引つ込めることはない。)
をスコア“9”とし、正常状態を“0”として、
その間を10段階に分けてスコアリングを行つた。
スコアの平均値を表−5に示す。 圧挫側の指間距離は圧挫直後より正常側の約半
分(50%)の値を示し、10日後までその状態が続
き、各群間の差は認められなかつた。14日後では
GQ1b,GQ1b+GD1aおよびメコバラミン群の
それは生食群(生理食塩水投与群)よりも長く、
回復を早める傾向が見られ、21日後でその差は全
GS群も含め、生食群に比し明らかとなつた(t
−検定でp<0.05)。28日後では全群、正常の約
90%にまで回復し、各群間に差は認められなかつ
た。 歩行時の障害の程度は、圧挫2〜4日後最悪
(スコア“6.0”)となり、その後徐々に回復し、
21日後でそれは“1”〜“2”に減少し、28日後
ではほぼ正常状態“0”に回復した。その間、7
日後から被検薬投与群は生食群に比べ、低い値を
示し始めた。 (2) 筋電図 筋電図の誘導: ラツトをアクリル樹脂製ホルダーに半固定し、
圧挫側後肢をホルダー底部にあけた穴より出し、
その腓腹筋に同心型針電極を刺入し、自発放電を
常法に従つて誘導記録した。 筋電図におよぼす影響: 脱神経の指標とされている線維自発電位
(fibrillation voltage,以下f.b.と略記する)は圧
挫後2日より現われる。f.b.出現の強さを0(無)
〜3(最強)の4段階に分けてスコアリングを行
なつた。f.b.の出現の頻度を各群のf.b.出現動物
数/各群の動物数で表わし、これとスコアの平均
値とを表6に示す。 生食群及びメコバラミン群では圧挫2日後f.b.
が出現したが、GQ1b,GQ1b+GD1a、全GS
の各群には出現しなかつた。4日後は全群にf.b.
が出現し、その強度もスコア3.0と最高であつた。
7日後は全群とも出現率は100%で変らなかつた
が、GQ1b,GQ1b+GD1a、全GSの各群では
強度がわずかに減少し、14日後も出現率は100%
と変らなかつたが、その強度が減少した。21日後
は生食群にのみ頻度3/7で出現したが、その他の
投与群では消失し、28日後は全群とも消失した。 神経の再生を示すといわれる複合活動電位
(complex NMU voltage)が21日後に全群に認
められたが、28日後には全群とも消失した。 (3) 筋重量及び筋のアセチルコリン 感受性の変化 筋重量の変化: エーテル麻酔下に両後肢のヒラメ筋を摘出しそ
の重量を測定した。圧挫側ヒラメ筋の重量の正常
側ヒラメ筋重量に対する比率を求め%で表わし
た。 各群の測定値の平均値をその標準誤差(S.E.)
とともに表7に示す。 筋重量は圧挫2日後より減少し始め、正常側の
約90%となり、10〜14日後でそれは最低の50〜60
%となり、筋萎縮は最高に達した。その後、徐々
に回復を始め、21〜28日後では正常側の80〜90%
まで回復した。その間生食群の筋重量の減少は14
日後で最高に達し、その後徐々に回復したのに対
し、各ガンクリオシド群およびメコバラミン群は
10日後にその状態を示し、14日後では既に回復を
始め、この時生食群との間に有意の差が認められ
た(p<0.05)。21および28日後では、全群の筋
重量は正常側のそれの約80%まで回復し、各群間
に有意の差は認められなかつた。 筋のアセチルコリン感受性の変化: 摘出したヒラメ筋を20mlマグヌス管に懸垂し
た。 栄養液には37℃に加温したKrebs−Henseleit
液を用い、実験中たえず95%O2,5%CO2混合ガ
スを通気した。収縮力の測定は静止張力1g下に
張力トランスデユーサーを介して、その等尺性収
縮をポリグラフ上に記録して行なつた。収縮力は
張力(mg)/筋湿重量(mg) として表わし
た。アセチルコリンの適用容量は0.2mlとし、最
終濃度を1×10-3Mとした。各群の測定値の平均
値及び標準誤差(S.E.)を表8に示す。 正常側ヒラメ筋はアセチルコリン1×10-3M適
用で、殆んど反応を示さなかつたが、圧挫側のヒ
ラメ筋はアセチルコリンに対し圧挫4日後にピー
クとなる感受性増大パターンを示した。即ち、圧
挫4日後でピーク(81.6mg/mg筋湿重量)の収縮
力を示し、その状態が14日後まで続き、その後21
〜28日後で正常筋に近い値まで収縮力を低下させ
る感受性増大パターンを示した。4〜7日後では
全群とも最高の収縮力を示した。7〜10日後より
GQ1b,GQ1b+GD1aおよびメコバラミン群の
アセチルコリン収縮力は生食群よりも弱く、14日
後のそれは生食群で71.9±5.5mg/mg筋湿重量で
あつたのに対し、GQ1b,GQ1b+GD1a、全
GSおよびメコバラミン群のそれはかなり低く、
被検薬群と生食群との間に有意差が認められ(p
<0.05)、21日後では各群とも更に収縮力は低下
し、被検薬群と生食群の間にもより有意差が見ら
れた(p<0.05,p<0.01)。28日後では全群の
アセチルコリン収縮力は弱く、ほぼ正常値に近い
値を示した。 試験例5 毒性試験 オスddYマウス1群7匹にGQ1b 50mg/Kgお
よびGQ1b 50mg/Kg+GD1a 200mg/Kgをそ
れぞれ腹腔内投与したが、何ら毒性が見られなか
つた。
もGQ1b及びGQ1bとGD1aを除く各分子種との
混合薬剤の活性は時間の経過とともに低下した。
しかし、GQ1bとGD1aとの混合物(薬剤B)、
混合物T及び全GSは72時間まで活性が持続した。
この結果より、GQ1bにGD1aを配合することに
よつてその活性が長時間持続されるが、GM1及
びGT1bではその効果がないことが判明した。 試験例4 坐骨神経圧挫ラツトに対する治療効果 坐骨神経圧挫ラツトに対する本発明の薬剤の治
療効果を(1)圧挫側後肢の行動変化、(2)筋電図、(3)
筋重量及び筋のアセチルコリン感受性の変化につ
いて試験した。 薬剤の投与量は毎回GQ1bは5mg/Kg,GQ1b
とGD1aとの混合物はGQ1b 5mg/Kg+GD1a
20mg/Kgとし、比較として全GSは50mg/Kg、
メコバラミンは0.5mg/Kgとした。 対照としては生理食塩水を用いた。 実験にはウイスター系雄性ラツト(6週令)を
1群7匹使用した。坐骨神経圧挫は、山津らの方
法(山津清実、金子武稔、北原晟文、大川功、日
薬理誌、72,259〜268(1976)参照)および長谷
川らの方法(長谷川和雄、三国直二、酒井豊、日
薬理誌、74,721〜734(1978)参照)に従つて行
つた。すなわち、ペントバルビタール麻酔下(40
mg/Kg,i.p.)に左側坐骨神経を大腿部で露出し、
脛骨神経と腓骨神経の分岐部より5mm中枢部を巾
2mm、すき間0.1mmをもつた止血用クレンメを使
用して、5分間圧挫した。薬物は圧挫同日より1
日1回腹腔内投与した。各測定項目は圧挫後経時
的(2,4,7,10,14,21,28日後)に測定し
た。 (1) 圧挫側後肢の行動変化 指間距離の測定及び歩行時の障害の程度のスコ
アリング: 指間距離の測定は長谷川の方法(Hasegawa,
K.,Experientia,34,750〜751(1978)参照)
に従つて後肢の第1指と第5指の間の距離を測定
した。 圧挫側の距離の正常側の距離に対する比率を求
め%で表わし、その平均値と標準誤差(S.E.)を
表4に示す。 対照である生理食塩水投与群に対して試験群の
測定値でスチユーデントのt−検定で有意差のあ
つたものは数値の右肩に、p<0.05のものは※印
を、p<0.01のものは※※印を付記した。この付
記は以下の各表において共通である。 歩行時の障害の程度を長谷川らの方法(長谷川
和雄、三国直二、酒井豊、日薬理誌、74,721〜
734(1978)参照)に準じてスコアリングした。即
ち、圧挫後、最悪の状態(圧挫後の後肢の背面を
床に密着し、後へ投げ出したままでいる。歩行時
も引きずり、身体の下に引つ込めることはない。)
をスコア“9”とし、正常状態を“0”として、
その間を10段階に分けてスコアリングを行つた。
スコアの平均値を表−5に示す。 圧挫側の指間距離は圧挫直後より正常側の約半
分(50%)の値を示し、10日後までその状態が続
き、各群間の差は認められなかつた。14日後では
GQ1b,GQ1b+GD1aおよびメコバラミン群の
それは生食群(生理食塩水投与群)よりも長く、
回復を早める傾向が見られ、21日後でその差は全
GS群も含め、生食群に比し明らかとなつた(t
−検定でp<0.05)。28日後では全群、正常の約
90%にまで回復し、各群間に差は認められなかつ
た。 歩行時の障害の程度は、圧挫2〜4日後最悪
(スコア“6.0”)となり、その後徐々に回復し、
21日後でそれは“1”〜“2”に減少し、28日後
ではほぼ正常状態“0”に回復した。その間、7
日後から被検薬投与群は生食群に比べ、低い値を
示し始めた。 (2) 筋電図 筋電図の誘導: ラツトをアクリル樹脂製ホルダーに半固定し、
圧挫側後肢をホルダー底部にあけた穴より出し、
その腓腹筋に同心型針電極を刺入し、自発放電を
常法に従つて誘導記録した。 筋電図におよぼす影響: 脱神経の指標とされている線維自発電位
(fibrillation voltage,以下f.b.と略記する)は圧
挫後2日より現われる。f.b.出現の強さを0(無)
〜3(最強)の4段階に分けてスコアリングを行
なつた。f.b.の出現の頻度を各群のf.b.出現動物
数/各群の動物数で表わし、これとスコアの平均
値とを表6に示す。 生食群及びメコバラミン群では圧挫2日後f.b.
が出現したが、GQ1b,GQ1b+GD1a、全GS
の各群には出現しなかつた。4日後は全群にf.b.
が出現し、その強度もスコア3.0と最高であつた。
7日後は全群とも出現率は100%で変らなかつた
が、GQ1b,GQ1b+GD1a、全GSの各群では
強度がわずかに減少し、14日後も出現率は100%
と変らなかつたが、その強度が減少した。21日後
は生食群にのみ頻度3/7で出現したが、その他の
投与群では消失し、28日後は全群とも消失した。 神経の再生を示すといわれる複合活動電位
(complex NMU voltage)が21日後に全群に認
められたが、28日後には全群とも消失した。 (3) 筋重量及び筋のアセチルコリン 感受性の変化 筋重量の変化: エーテル麻酔下に両後肢のヒラメ筋を摘出しそ
の重量を測定した。圧挫側ヒラメ筋の重量の正常
側ヒラメ筋重量に対する比率を求め%で表わし
た。 各群の測定値の平均値をその標準誤差(S.E.)
とともに表7に示す。 筋重量は圧挫2日後より減少し始め、正常側の
約90%となり、10〜14日後でそれは最低の50〜60
%となり、筋萎縮は最高に達した。その後、徐々
に回復を始め、21〜28日後では正常側の80〜90%
まで回復した。その間生食群の筋重量の減少は14
日後で最高に達し、その後徐々に回復したのに対
し、各ガンクリオシド群およびメコバラミン群は
10日後にその状態を示し、14日後では既に回復を
始め、この時生食群との間に有意の差が認められ
た(p<0.05)。21および28日後では、全群の筋
重量は正常側のそれの約80%まで回復し、各群間
に有意の差は認められなかつた。 筋のアセチルコリン感受性の変化: 摘出したヒラメ筋を20mlマグヌス管に懸垂し
た。 栄養液には37℃に加温したKrebs−Henseleit
液を用い、実験中たえず95%O2,5%CO2混合ガ
スを通気した。収縮力の測定は静止張力1g下に
張力トランスデユーサーを介して、その等尺性収
縮をポリグラフ上に記録して行なつた。収縮力は
張力(mg)/筋湿重量(mg) として表わし
た。アセチルコリンの適用容量は0.2mlとし、最
終濃度を1×10-3Mとした。各群の測定値の平均
値及び標準誤差(S.E.)を表8に示す。 正常側ヒラメ筋はアセチルコリン1×10-3M適
用で、殆んど反応を示さなかつたが、圧挫側のヒ
ラメ筋はアセチルコリンに対し圧挫4日後にピー
クとなる感受性増大パターンを示した。即ち、圧
挫4日後でピーク(81.6mg/mg筋湿重量)の収縮
力を示し、その状態が14日後まで続き、その後21
〜28日後で正常筋に近い値まで収縮力を低下させ
る感受性増大パターンを示した。4〜7日後では
全群とも最高の収縮力を示した。7〜10日後より
GQ1b,GQ1b+GD1aおよびメコバラミン群の
アセチルコリン収縮力は生食群よりも弱く、14日
後のそれは生食群で71.9±5.5mg/mg筋湿重量で
あつたのに対し、GQ1b,GQ1b+GD1a、全
GSおよびメコバラミン群のそれはかなり低く、
被検薬群と生食群との間に有意差が認められ(p
<0.05)、21日後では各群とも更に収縮力は低下
し、被検薬群と生食群の間にもより有意差が見ら
れた(p<0.05,p<0.01)。28日後では全群の
アセチルコリン収縮力は弱く、ほぼ正常値に近い
値を示した。 試験例5 毒性試験 オスddYマウス1群7匹にGQ1b 50mg/Kgお
よびGQ1b 50mg/Kg+GD1a 200mg/Kgをそ
れぞれ腹腔内投与したが、何ら毒性が見られなか
つた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 1 ガングリオシドの分子種であるGQ1b,GD1
aおよびGD1bのうち、GQ1b単独又はGQ1bと
GD1a若しくはGD1bとの混合物を有効成分とす
る末梢神経系又は中枢神経系の障害に起因する疾
患の治療用薬剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58095683A JPS59222424A (ja) | 1983-06-01 | 1983-06-01 | 神経障害疾患治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58095683A JPS59222424A (ja) | 1983-06-01 | 1983-06-01 | 神経障害疾患治療剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59222424A JPS59222424A (ja) | 1984-12-14 |
| JPH0456010B2 true JPH0456010B2 (ja) | 1992-09-07 |
Family
ID=14144289
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58095683A Granted JPS59222424A (ja) | 1983-06-01 | 1983-06-01 | 神経障害疾患治療剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59222424A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2727864B1 (fr) * | 1994-12-12 | 1997-04-04 | Synthelabo | Utilisation des ligands des sites de liaison peripherique pour les benzodiazepines pour la preparation de medicaments utiles dans le traitement des neuropathies peripheriques |
| DE19958684A1 (de) * | 1999-12-06 | 2001-06-07 | Knoll Ag | Verwendung von GD3-Synthase-Inhibitoren zur Behandlung neuropathologischer Störungen und Verfahren zur Identifizierung von GD3-Synthase-Inhibitoren |
| CN103040976B (zh) * | 2012-12-31 | 2014-01-15 | 刘建贞 | 一种促进面神经损伤外科吻合术后康复的药物 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| IT1046051B (it) * | 1975-08-13 | 1980-06-30 | Fidia Spa | Nuova applicazione terapeutica dei gangliosidi e procedimento per la loro estrazione |
-
1983
- 1983-06-01 JP JP58095683A patent/JPS59222424A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59222424A (ja) | 1984-12-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| DE69233643T2 (de) | Verwendung von Antizytokin-enthaltenden pharmazeutischen Zusammensetzungen zur Therapie von multipler Sklerose | |
| US4476119A (en) | Method for preparing ganglioside derivatives and use thereof in pharmaceutical compositions | |
| DE69324859T2 (de) | Verwendung von Lipid-gebundener Glykoaminoglykanen zur Behandlung der rheumatoider Arthritis | |
| DE3854297T2 (de) | Nucleoside und nucleotide mit antiviraler, antitumoraler, antimetastatischer sowie immunstimulierender wirkung. | |
| EP0148045B1 (en) | Pharmaceutical compositions and method for preparing phosphatidylserine compositions useful in treating central nervous system disorders without effects on blood coagulation | |
| CN1794999B (zh) | 神经损伤治疗剂 | |
| US4707469A (en) | Gangliosides mixture, useful as a therapeutical tool for eliminating painful effects or peripheral neuropathies | |
| DE69019388T2 (de) | Verwendung von N-Methyl-Sphingosin als Zell-Wachstums-Inhibitor. | |
| US5183807A (en) | Use of monosialoganglioside gm, to prevent the development of tolerance to the analgesic effect of morphine and related drugs | |
| DE3830271A1 (de) | Mittel mit immunsuppressiver wirkung | |
| JPH0456010B2 (ja) | ||
| DE4341161A1 (de) | Membrangängiger Wirkstoff zur Störung der DNA-Biosynthese | |
| DE60109279T2 (de) | Pharmazeutische zusammensetzungen mit oligosacchariden und deren herstellung | |
| US20230136569A1 (en) | Use of nmn to reduce immunodepression and immunosenescence | |
| JPS60252416A (ja) | Cdpコリン組成物 | |
| JPS6327434A (ja) | ガングリオシドを含有する医薬 | |
| South-East European Oncology Group (SEEOG) et al. | Phase II study of 4′-epi-doxorubicin in patients with untreated, extensive small cell lung cancer | |
| US5916884A (en) | Compositions containing a mixture of phosphorus compounds and alkylglycerols | |
| Russo Jr | Valproate‐induced stomatitis | |
| JPS6368526A (ja) | シアリルグリセライドからなる神経障害疾患治療剤 | |
| US20020173489A1 (en) | Compositions containing a mixture of phosphorous compounds and alkylglycerols | |
| DE69019148T2 (de) | D-asparaginsäure-beta-hydroxamat zur behandlung viraler infektionen und tumoren. | |
| Gillies et al. | Succinylcholine as a Relaxant in Abdominal Surgery. | |
| DE68909399T2 (de) | Verwendung von Gangliosiden zur Behandlung der Dysfunktion des autonomen Nervensystems bei der Chagas-Krankheit. | |
| EP4684014A1 (en) | Methods for treating nervous system disorders |