JPH0457455B2 - - Google Patents
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- JPH0457455B2 JPH0457455B2 JP61063803A JP6380386A JPH0457455B2 JP H0457455 B2 JPH0457455 B2 JP H0457455B2 JP 61063803 A JP61063803 A JP 61063803A JP 6380386 A JP6380386 A JP 6380386A JP H0457455 B2 JPH0457455 B2 JP H0457455B2
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Description
本発明は、加工用電極と電極被加工物とを相対
向させた放電間隙に加工液を噴流介在させた状態
で、両者間に間歇的な電圧パルスを印加して発生
する放電により加工を行なう放電加工装置、特に
細深孔の加工を行なう放電細孔加工装置の改良に
関するもので、任意断面形状の棒状、特に細径状
の電極による細穴彫り、又は細孔明け加工を、従
来の加工方法及び装置に比較すれば、格段の高速
度で、且つ短時間で加工が行なわれるようにした
放電細孔加工装置を提供するものである。 放電加工による1mmφ前後又はそれ以下の、形
状比L(深さ)/Dφ(穴径)の大きい細孔加工は、
例えば引抜きダイス、デイーゼルエンジンの燃料
噴射ノズル、架線ノズル、或いはワイヤカツト放
電加工の被加工物下孔等多種多様な方面に広く使
用されている所であるが、放電加工に於ては所謂
難しい加工の1つで(例えば、飯塚芳弘「放電加
工による細孔加工」放電加工技術Vol4.No.1
(1961))あるが、電極として銅パイプ又は注射針
等のパイプ状素材を用い電極側より加工液を噴流
する(吸引する場合もある。又、電極被加工物へ
のより細径の下孔加工は困難であるから、被加工
物側下孔から噴流、吸引すると言うことは殆んど
ない。)と加工速度は非常に増し、3〜5倍の加
工速度が得られる(例えば、放電加工技術研究会
編「放電加工技術便覧」第323頁、日刊工業新聞
社、昭和38年12月20日)と言われているが、場合
に応じた種々の工夫を要する難加工であつて、加
工の規模に比して加工時間がかかりすぎることが
常に問題となる加工であることは間違いがない。 従つて、本発明は上記のような細孔加工の難点
を克服して、細穴彫り又は細孔明け加工を格段の
高速度で、且つ各種の技巧等を要することなく行
ない得る放電細孔加工装置を提案することを目的
として提案されるものである。 しかして、斯種放電加工に於ける加工液は、放
電間隙に於ける絶縁維持、放電の発生及び消弧の
ため、電極・被加工物及び間隙の冷却のため、放
電間隙に於ける爆発力の発生維持のため、並びに
加工屑及びガスの放電間隙からの排出のため等の
ために必要なもので、穿孔、型彫加工の領域に於
ては鉱物油系のもの、主として所謂ケロシン(白
灯油、第4類第3石油類)が、ワイヤカツト放電
加工に於ては、水又は水を主成分とする水系のも
のが、又放電切断加工に於ては通常無機電解質を
添加した水ガラス又は水の如き電解性溶液が従来
用いられて来ているが、近時加工液として、電気
比抵抗約103〜105Ωcm前後、特に104Ωcmオーダ以
上程度の水(純水、界面活性剤等、その他添加物
がある場合がある)等、水を主成分とする水系加
工液を用いる上記ワイヤカツト放電加工機が普及
してくるにつれ、上記穿孔、型彫加工の分野に於
ても、取扱上、環境衛生上、及び防災上等の観点
より、上記水を主成分とする液を加工液として用
いる加工機の出現が要請されている所である。 このため、従来より水系加工液に関し種々の提
案、例えば、加工液への添加物に関する特公昭41
−16480号公報外、加工用パルス電源や電源条件
の設定に関するもの(例えば、木本外2名「水中
電極低消耗放電加工の検討」:電気加工学会誌、
Vol.1−No.2.P43〜50、外)等があるが汎用的な実
用機として出現するに至つていない。 他方、上記穿孔、型彫加工形の放電加工機に於
ける、加工液の供給介在には、噴流、吸引、及び
電極の往復運動又はこれ等の組合せ等種々の方法
があるが、加工屑の排除及び加工液の更新等のた
めに放電間隙へ新たに供給される加工液の液圧
は、通常高くても数Kg/cm2前後以下(例えば、前
出「放電加工技術便覧」第361〜362頁、電気加工
学会関西支部編「放電加工の理論と技術」第131
〜132頁、株式会社養賢堂、昭和47年11月15日)
の低いもので、電気加工の技術の分野に於ける電
解型彫加工の高圧加工液噴流方式と好対称をなし
ていたものである。 もつとも、高速放電加工の研究、特に「高速液
流による放電加工の加工速度向上」(須田外2名
電気加工学界誌Vol.4.No.7.第1〜10頁)によれば、
加工液が導体粉(#400グラフアイト)を2g/
混入した水道水からなる水系加工液で、加工電
源が単層商用交流を全波整流した無負荷電圧43V
で、平均加工電流が130〜400Aという大電流加工
(電流密度約10〜32A/cm2)で、電極の加工送り
が手送りという特殊なものであるが、加工液の放
電間隙流速が約5〜20m/sec(約5〜25/
min)という大きなものであり、その後、上記導
体粉を混入しない、電極自動送りの「放電高速加
工機の試作」(須田外2名、昭和46年度精機学会
春季大会学術講演前刷、第357〜358頁)も行なわ
れているが、このような高速荒加工が電極径が約
1mmφ前後又はそれ以下というような細孔加工
に、又、形状比L/D≒10前後又はそれ以上とい
うような細孔加工に適用できるか否か未だ明らか
でない。 又、これ等に記載されている電極の寸法、形
状、放電間隙の大きさ、及び上記加工液の流量、
流速によれば、ポンプによつて送られた加工液
(水道水×103Ωcmオーダ)の放電間隙入口部に於
ける液圧は10Kg/cm2よりも低く、ポンプ圧がほぼ
10Kg/cm2と推定される。 又、放電加工の高速加工としては、所謂電解加
工で放電加工を同時に行なわせる電解放電加工法
も研究されつつあり、例えば、久保田外1名「電
解放電加工の研究」昭和47年度精機学界秋季大会
学術講演前刷、第437〜438頁、同「電解放電加工
による鋼の高速穴あけ」昭和48年度精機学会春季
大会学術講演前刷、第415〜416頁に記載されてお
り、そして約10mm/min乃至40mm/minという高
速の加工を約10Kg/cm2という高い圧力の加工液供
給手段を用いて行なうものであるが、加工液は約
20%食塩水で、電源は商用交流を半波整流した約
50Vの電圧で、電流密度約300〜800A/cm2であ
り、かかる高速荒加工の方法が微細加工に適用で
きるか否か未だ明らかでない。 従つて、本発明者は種々の実験、研究を行なつ
た結果、本発明を為すに至つたもので、前記形状
比L/Dが約5前後以上、或いは更に特にL/D
≒10前後以上の細孔放電加工に於て、加工液とし
て水、特に好ましくは水を主成分とする比抵抗が
前記104Ωcmオーダの水系加工液を、又加工用電
源として電圧パルスを間歇的に加えるパルス電源
を用い、電極又は被加工物を加工の進行に応じて
加工送りするようにし、そして前記水系加工液を
少なくとも20Kg/cm2、好ましくは25Kg/cm2以上の
高圧力で加工間隙に供給噴流させた状態で、加工
面粗さ20μmRmax以下、好ましくは10μmRmax
以下で、少なくとも5mm/min程度以上、好まし
くは10mm/min以上の加工送り込み速度で放電加
工を行なうことを特徴とするものである。 そして、その実施の態様としては、電極の径を
1mmφ以下、好ましくは0.5〜0.6mmφの領域に於
て使用すること、該電極として管を用い管内通路
から水系加工液を加工間隙へ供給噴流すること、
加工液の圧力をより高い40Kg/cm2、又は好ましく
は50Kg/cm2以上とすること、又は加工液の圧力を
加工の進行に応ずる加工穴の深さに応じて連続又
は段階的に増加させること、前記電極の内径を該
内径に対応する被加工体の加工残り凸部の高さ
(lM)が、加工穴の加工深さ(lH)に対し、
lM/lH≒1/3以下、好ましくはlM/lH≒
1/5以下となるよう加工条件(加工液、電気的
加工条件)との関係で設定形成すること、加工液
の液温を所定の一定に保持して加工の安定を計る
こと、又、水系加工液を所定値に加熱して所定温
度に保ち、加熱により加工液の粘性を低減させて
所定量の水系加工液を加工間隙に供給するように
すること、そして加工間隙に噴流介在する水系加
工液は単にその流量を確保するだけでなく、流速
も15〜20m/sec以上好ましくは20〜30m/sec以
上とすること、又加工時に加工液からガスが発生
するが(水系加工液の場合、被加工物(Fe)1
gを加工すると約330cm3のガスが発生する)、該ガ
ス発生量(Qg)を1とした場合加工間隙に供給
噴流する加工液の量(Qe)が2即ち、Qg:Qe≒
1:2(体積比)となるように水系加工液を供給
すること(勿論正常な放電加工状態に於て)、加
工用電極が、例えば400〜500mm又はそれ以上の長
尺状電極であるとき加工液供給液圧損失を防止す
るため、電極の廻りに同軸に囲繞して電極を軸方
向に送り出し可能に設けた管体との間から水系加
工液を供給噴流すること、前記電極管内通路から
加工間隙に噴流する加工液噴流方法を電解加工に
於て正流法と称しているが、加工液の噴流を同じ
く電解加工に於ける逆流法とする等の実施態様を
有するものである。 又、前記本発明の改良として加工性能向上のた
めに、電極又は被加工物に超音波振動を付与しな
がら、前記の高圧加工液噴流の下に放電加工する
ことも有用なものであり、この場合、前記超音波
の周波数を通常の20〜30KHzとすること、好まし
くは約50KHz以上約100KHzオーダとすること、
又特殊な場合には1〜10MHz程度のMHzオーダの
超音波とすること、前記の超音波の付与エネルギ
を加工状態の正常時には零又は小さくしておいて
加工状態の悪化に応じて増大させること、前記の
超音波を電極の保持側軸、端部からホーン等を介
して付与すること、又電極の保持部保護のために
被加工物の上面から間隔を置いた所定の固定位置
に電極と接触して電極を軸方向に案内する案内を
設け、該案内より好ましくは電極軸方向と直角方
向に前記の超音波振動を与えるように構成するこ
と、又、本発明の実施に使用する加工液供給装置
としては、前述所望の加工液圧に応ずるプランジ
ャ型、その他の高圧ポンプを備え、必要に応じ増
圧装置を、又加工液供給系に液圧変動を防止する
アキユムレータを設けるものであり、又電極に加
工液流通路を形成した電極により加工を行なう場
合には、被加工物の加工穴内に前記加工液流通路
に対応する同軸の加工残余突起(通常ヘソ等とい
う)が形成され、この突起が加工の進行に応じて
ある程度以上長く残るようになると倒れや曲り、
或いは折損等により加工を不安定更には不能とす
るから、上記突起がその径に応じ或る程度以上長
くならない加工条件、特に前記加工液流通路の径
と、電圧パルス等の電気的加工条件、或いは更に
加工送り(穿孔又は電極送り込み)速度を設定す
る必要があるものである。 以下本発明を図面及び実施例により説明する。 第1図は、本発明加工装置の加工部を模型的に
示した実施例側面図で、1は例えば外径が0.5mm
φで、内径が約0.275mmφ、長さ約400mmの銅パイ
プからなる加工用電極で、超音波電歪振動子2の
振動拡大用ホーン3の尖端に設けられたチヤツク
部4によりその一端が支持取り付けられている。
上記ホーン3には内部に軸方向の空洞3aが刳り
貫かれており、第2図Aに上記ホーン尖端部及び
チヤツク部の実施例を断面図で示すように、筒状
電極1は、空洞部3aまで一端が挿設された状態
でチヤツクナツト4aにより締付固定されると共
に、挿設された筒状電極の外周面と空洞部3aの
内壁面との間がOリングパツキング3bにより水
密にシールされており、このようにシール部材3
bを設けることにより20Kg/cm2以上の高圧による
加工液の供給を円滑に安定した状態で行なうこと
ができる。前記空洞部3aは電極1に加工液を供
給する通路となつており、他端が後述加工液供給
装置の高圧力加工液吐出口に接続された可撓性耐
圧配管(図示せず)に連結される加工液供給ラン
プ5がホーン3の側部に開口している。6は上記
電極部を保持する電極ヘツドで、ベツドに立てら
れたコラム(図示せず)に上下移動及び固定自在
に支持され、且つ上記電極部は、該ヘツド6に対
し、加工送り制御装置を含むサーボ送り装置7に
より上下方向の送りが与えられるように構成され
ている。そして、この実施例では上記超音波振動
ホーン3、チヤツク部4及び電極ヘツド6により
加工ヘツドが構成される。又、8は前記ベツド上
に上記ヘツド6と対向するように設けられた基台
で、x,y2軸のサーボ送り機構9x,9yを有
するクロステーブル10を載置し、該テーブル1
0上に被加工物11を固定具12により固定す
る。13は例えば、第2図B及びCに示すような
電極1の尖端側固定ガイドで、L字状腕13aに
より基台8に固定され、電極1の加工側尖端の位
置精度を保持するもので、電極1の尖端の加工間
隙に於ては少なくとも20Kg/cm2以上の加工液が噴
流しているのであるから、被加工物11の表面に
より近い位置で固定ガイドすることが重要となる
ものである。 その他第1図中2aは、例えば20〜30KHzの超
音波例示電源、14は間歇的な電圧パルスを発生
する加工用電源で、当該細孔加工の場合は、通常
電圧(放電)パルスの幅が約30μs以下、通常5μs
前後の所謂中仕上乃至仕上加工条件となるから、
電極1と被加工物11間に1〜0.1μF前後又はそ
れ以下の所謂極間コンデンサを接続することが少
なくない。又、15は例えば位置決め用の数値制
御装置で、パルスモータ、エンコーダ及びタコジ
エネレータ付き直流モータ等サーボ送り機構9
x,9yを駆動制御する。 第2図B及びCは前記ガイド13の実施例正面
図及び縦断面図で外部円筒13b内に内部円筒1
3cが同軸状に挿設され、該内部円筒13cは前
記外部円筒13bの軸方向に間隔を置いた位置に
設けられた夫々3本以上の、且つ夫々求芯的にね
じにより前後進するボルト13dにより軸芯が調
整自在に保持され、且つ該内部円筒13c内に軸
方向に間隔を置いた位置夫々に、3個の小円柱1
3eをその各中心が正三角形を形成する如く挿設
してあり、該3個の円柱13eが形成する隙間に
電極1が摺接案内される。 従つて、電極1が筒状で、尖端から20Kg/cm2以
上の高圧の加工液を加工間隙に吐出噴流させて
も、電極1尖端の位置は大きく偏倚したり、振動
したりすることが少なく、真直な細深孔を加工す
ることができるようになる。 又、第3図は、前記プラグ5を介して電極1に
加工液、即ち、水を主成分とする水径加工液を供
給し、電極1と被加工物11間の放電加工間隙に
加工液を加圧噴流せしめる本発明装置の一部であ
る加工液供給、特に加工液を循環供給する装置の
一実施例構成図を示すもので、16は加工液貯留
タンクで、加工部よりの加工液回収タンク16b
と清浄液タンク16aとに分けられ、回収タンク
16b内の加工液は、加工屑の滴宜沈澱等の後、
ポンプ17により精密濾過器を介して清浄液タン
ク16aに送られ貯留される。貯留加工液は、電
気伝導度検出器19によつて伝導度を検出し、該
伝導度が増大して、例えば固有抵抗が104Ωcmよ
り小さくなるような場合には、ポンプ20を駆動
して加工液を汲み上げ、イオン交換樹脂21と接
触させて帰還させ、所定の104Ωcmオーダの固有
抵抗となるよう伝導度を制御する。22は温度検
出器23を有する清浄タンク16a内加工液の温
度制御装置で、前記加工液を冷却又は、加熱して
所定のほぼ一定値に保持させる。水系加工液は温
度が上昇すると粘性が低下し、より低い供給圧力
で加工間隙に所望量以上の加工液を供給し得、流
量が増大するが、温度が上昇すると水系加工液の
電気伝導度が増し、温度が低下すると上記は逆の
状態となり、又、水系加工液を流通抵抗に抗して
高圧力で供給すると、使用加圧供給ポンプの構
造、型式にもよるが一般的に加工液温度は上昇傾
向にあり、又放電加工間隙に於ても加工液は加熱
されるから、前記温度制御装置22としてはこれ
らのことを考慮し、又、電極、被加工物の材質、
組合せ、及び加工の目的、或いは更に加工条件を
考慮して、加熱又は冷却制御を行なえるものを選
定するか、加熱及び冷却の両方の制御が行なえる
ものを使用する。24はプランジヤ型の形式の高
圧力加工液供給ポンプで、清浄加工液を直接汲み
上げ供給するか、又は図示の如く精密濾過器25
を介して上記ポンプ24に加工液を汲み上げる供
給ポンプ26を必要に応じて設ける加工液供給ポ
ンプとしてプランジャ型の高圧力ポンプを採用し
たことにより、20Kg/cm2以上の高圧力状態での加
工液の供給を効率良く安定して行なうことができ
る。27は逆止弁、28は必要に応じて設けられ
る高圧液留めタンク,及び29は高圧のアキユム
レータ、30は清浄タンク帰還路に設けたレリー
フバルブで、更にプラグ5とポンプ24吐出口又
は高圧液留めタンク28間は耐圧配管により連結
され、これ等により前記プラグ5を介し高圧力の
水系加工液が安定して供給され、所望の流量で放
電加工間隙に供給噴流せしめられる。この図示実
施例構成の加工液供給装置の場合、供給加工液の
圧力は、上記レリーフバルブ30に於ける圧力の
調整設定により決定される。 尚、31は圧力計で、必要に応じ流量計が設け
られる。 本発明放電細孔加工装置は、この第3図に示し
たような加工液を高圧力で安定して供給すること
ができる加工液供給装置を第1図の加工装置と加
工液供給の耐圧配管、その他で結合して構成され
るものであるが、該第1図に於て、加工用電極1
に超音波振動を与える構成及び関連装置は、本発
明の特定発明に於ては必須要件ではない。 即ち、本発明の特定発明の放電細孔加工装置の
特徴的構成要件としては、加工用電極として形状
比L/Dが少なくとも約5以上、通常L/D≒10
前後以上で、且つ、径が約1mmφ前後以下の細棒
状の前記電極の一端を加工ヘツドに対して保持し
得るチヤツク部を備えること、、加工液として所
謂粋や、水に海面活性剤、その他の添加物がある
水系加工液を用い、そして安定した加工性能の変
らない加工を行なうには管理制御された該水系加
工液、好ましくはほぼ一定温度の固有抵抗104Ω
cmオーダに制御された加工液として用い、そして
該水系加工液を少なくとも20Kg/cm2を下まわらな
い、好ましくは25Kg/cm2以上の高圧力で供給し得
るプランジャ型の高圧力ポンプを有する加工液供
給装置を備えること、そしてこの加工液供給装置
の高圧力加工液吐出口と前記放電加工間隙とを接
続する耐圧配管とを備え、他方加工間隙に間歇的
な電圧パルスを供給して放電加工を行なうもので
ある。 以下実施例により説明する。 外径0.3mmφ、内径役0.15mmφ、長さ150mmのCu
電極を用いて、ステンレススティールSUS−
304、2mm厚を被加工物として穿孔加工する。加
工用パルス電源は、電圧パルスの幅(τon)6μs、
電圧パルス間休止幅(τoff)2μs、電圧パルスの
無負荷電圧(Vo)100V、放電電流の振幅(Ip)
10A、但し、間隙に0.1μFのコンデンサを接続し、
平均加工電流(IM)が約2A前後で加工する。加
工液は固有抵抗約3.5×104Ωcmの水で液温は約24
℃で、加工液の供給圧力(Kg/cm2)を種々変更
し、加工速度(上記電極によつて加工孔が掘削さ
れて行く速度(mm/min)を測定した所、第4図
のAの特性曲線の結果が得られた。 即ち、第4図は横軸に前記加工液の液圧を、又
縦軸に前記加工速度を共に常用対数目盛でプロツ
トしたもので、又、上記A曲線に対応して加工液
の供給液圧に対する流量(c.c./min)が縦軸に対
数目盛でプロツトされ、曲線Cとして示してあ
り、又、同じく加工間隙に於ける加工液の流速
(m/s、計算推定値)が縦軸に対数目盛でプロ
ツトされ、曲線Dとして示してある。 この曲線Aの加工速度は、加工液の供給圧力及
び流量(従つて流速)が変化する外は、加工条件
は上記した一定値であつて、上記加工液の変数に
のみ依存しているものということができ、該A曲
線によれば、加工速度は液圧が10Kg/cm2を越える
付近から急速に立ち上り、約60〜80Kg/cm2で最大
に達した後、減少する特性となつており、最大加
工速度は平均約28mm/minに達していることが判
る。この場合液圧が約70〜80Kg/cm2を越えると、
加工速度がかえつて減少するのは未だ判然とはし
ないが、後に説明するように加工液の流量及び流
速に対して加工間隙に於ける放電加工のエネルギ
密度が足りないためか、又は供給される放電加工
のエネルギ密度をより大きくするのには加工液流
量及び流速が不足しているためと思惟される。即
ち、上記の場合加工電圧パルスのτon、τoff又は
Ipの1つ又はそれ以上の値、或いは更にコンデン
サの値を変え、又は除去して、放電エネルギ密度
を増すと、通常の場合平均加工電流(IM)を増
すと加工速度の曲線Aの飽和特性が加工液の高圧
力側に移動し、最大加工速度は増すが、加工増隙
に於ける放電加工のエネルギ密度としては限界が
あるようで、更にIMを増大しても、又加工液の
液圧を高くしても、加工増隙がアーク状態となる
のか、A曲線と同様加工速度が、かえつて減少す
る傾向となるのは同一である。 しかしながら、加工液を加熱して約60℃とする
と加工液の粘性の低下により同一供給液圧時に於
ける加工液の流量及び流速が増し、曲線CとD
が、共に第4図グラフ上で上方に移動する所か
ら、加工速度の飽和する液圧がより高圧側に移動
し、その際τon=6μs、τoff=2μs、Ip=16A、コ
ンデンサ0.1μFで、平均加工電流約4Aとなり、約
100Kg/cm2の液圧で、加工速度約40mm/min強に
達した。尚、平均加工電流は、液圧10Kg/cm2前後
以下では2Aよりも少なくなつていつて加工速度
は大きく低下し、液圧15〜50Kg/cm2の間前記電流
は大きく変化はしないものの、加工速度は液圧に
ほぼ比例する傾向があり、液圧約70Kg/cm2の加工
速度最大時には約2.5Aに達する。そして、上記
の場合の加工孔側面の加工面粗さは約5μmRmax
前後、又、加工拡大代は片側約0.025mm前後で約
0.35mmφの孔が加工され、電極消耗(E/W×
100%)は、上記平均加工電流値にほぼ比例して
いて、約100〜120%前後であるが、加工が安定で
順調であるか否かが可成り大きく影響する。 又、ここで、上記形状比L/Dについて検討し
ておくと、上記実験例の場合L/D≒7弱である
が、種々の実験によれば、上記加工速度は加工開
始時を1とすると、形状比約7〜8位の加工深さ
までで、加工速度は0.5〜0.6倍にまで低下するも
のの、上記形状比が10以上の加工深さの領域で
も、加工液に高圧力供給による所望の流量が保た
れている限りに於ては加工速度が0.5倍以下に低
下することはないようであつた。 そして、上記加工液の所望の流量とは、水系加
工液の場合被加工物の加工量1g当たり加工液か
らの発生ガスは約330〜350cm3となる(この値は使
用加工液のみに依存し、電極、被加工物の材質、
組合せ、及び電気的加工条件等には殆ど関係ない
ほぼ一定値である。)ことから、この発生ガスを
加工間隙から排除し放電状態を安定維持して高速
加工を可能とする流量であり、加工速度が最も早
く能率の良い加工が行なわれている時の加工液の
供給量を実測測定した結果によれば、加工量1g
当たり加工液供給量約660〜700cm3(流量とすると
約15cm3/min強)となり、発生ガス量の約2倍
(体積で)加工液を供給する必要があるものであ
る。このように、加工時に加工間隙に於て発生す
るガスを排除して能率の良い加工を行なうために
は、ガス発生量の約2倍の加工液を加工間隙に供
給することが必要となるが、このガス発生量は加
工液の種類によつて異なり、鉄1gを加工すると
き、水系加工液は、約330c.c.のガスが発生するの
に対し、加工液としてケロシンを用いた場合は、
約1000c.c.のガスが発生する。従つて、水系加工液
を用いれば、加工間隙に供給する加工液の必要量
がケロシンを加工液とする場合の1/3の量で済む
ため、充分な量の加工液を加工間隙に供給して高
速加工を行なうことが可能となる。又、加工部の
冷却作用の点に於ても、水はケロシンよりも熱容
量が大きく加工部に対する冷却効果が高いため、
水系加工液を用いれば、ケロシンを加工液とする
場合よりも少ない供給量で加工部を充分に冷却す
ることができ、高いエネルギ密度で高速加工を行
なうことができる。 このように、水系加工液は、環境衛生や防災の
点に於て優れているだけでなく、加工液が加工間
隙に供給され難い加工形態での加工を高速で行な
おうとするときに問題となるガス発生量や冷却作
用の点に於ても有利なものであり、本発明は、加
工液として水系加工液を用い、この加工液を吐出
圧力20Kg/cm2以上で供給することにより、これま
で困難であつた細穴彫りや細孔明け等の細深孔加
工の高速加工を可能としたものである。 又、形状比(L/D)が大きな加工に際して、
加工用電極1の加工液噴出口に対応する部分の加
工残余突起が細長く成長すれば、電極と被加工物
とは前記突起を介して短絡することになるから安
定な加工が行なえないのであり、前記突起が或る
程度以上に成長しない加工条件、例えば、加工用
電極の内径、加工液の電気伝導率(クリアラン
ス)、及び加工電圧パルス又は重畳高電圧の電圧
等を選定する必要があるが、上記伝導率及び電圧
の条件は使用する装置によつて一定とすると、上
記筒状加工用電極の内径の選定が重要となるもの
である。又、上記突起は成長すると加工液の供給
をも阻害するから、細孔加工である限りその成長
は防止しなければならない。 しかして、前述の如き加工条件の場合、加工用
電極は外径0.3mmφに対して内径約0.15mmφ前後、
又外径0.5mmφに対して内径0.3mmφ前後であつ
て、何れにしても、加工孔の最大深さ(l;被加
工物表面から加工孔最深部迄の深さ)と、突起頂
部の高さ(l′;加工孔最深部から突起頂部迄の高
さ)との比がl′/l≒1/5前後又はそれ以下に
なるように選定されることが必要である。 上記第4図に於て、前記曲線Aに対応して記載
された曲線Bは、上述の曲線Aの加工特性の場合
に加工用電極1に周波数28KHz出力約20Wの超音
波振動を付与した場合の加工速度に関する特性曲
線で、曲線Aとほぼ相似形に近いが、かかる超音
波振動を付与することにより、加工速度は約2倍
から数倍又それ以上に向上する。そしてこの超音
波振動付与の効果は、加工液の供給液圧が低くて
加工性能が低い従来の加工条件の領域に近づく程
顕著で、加工速度が5〜10倍に達する領域もある
が、供給加工液の液圧がより高い、例えば曲線A
とBの最高加工速度の領域に於ては、約2倍前後
と低減し、加工液の圧力、流量、及び流速に対す
る依存の割合が高いことを示している。 ところで、超音波振動の付与は前述の如く極め
て有効であるが、前述第1図及び第2図Aに示す
如く、振動子ホーン3の先端部にチヤツク部4を
設けて図示の如く同軸状に電極1を支持固定する
ように構成すると、1本の電極を使つて1個以上
の細孔加工をしているうちに、電極1がチヤツク
部4の固定部に於て疲労するためか折損事故を生
ずることが少なくない。 従つてかかる事故防止のためには、付与する超
音波振動のエネルギを必要最小限度とすることが
考えられるが、それでも繰り返し使用すれば上記
折損事故に至ることは避けられず、このため常時
は上記必要最小限度又はそれ以下、又は零として
おいて加工状態の悪化等加工の不調時にのみ付与
する超音波振動のエネルギを増大強化する制御等
が行なわれるが、このようにすれば上記の如き超
音波振動付与の効果は常時は享受できない訳であ
るから、折角超音波振動子やその励振電源等を設
ける意味が減殺され、設備利用効率も減少するも
のであるから避けなければならない。 しかして、本発明者が、種々実験した所によれ
ば、電極1に対しする超音波振動の付与を、ガイ
ド13の電極保持チヤツク部側又は被加工物11
側で、電極1軸に対して角度を有する如く、例え
ば90°の方から振動子を当接した状態で行なえば、
前述チヤツク部4に於ける電極1の折損等の事故
は殆どなく、且つ細孔放電加工に於て上述の如き
超音波振動付与の効果を充分享受できることが判
つた。 以下図面によりこれを説明すると、第5図に於
て、13fは電極1を僅かな隙間を介して同軸状
に挿通して案内するガイドパイプで、固定腕13
aの端部に溶接し、締付等の適宜の手段で固定さ
れ、このガイド13によつて案内される電極1に
振動子ホーン3の尖端部に設けた当接チツプ3a
を軽く当接するようになつている。 この当接部分の構成例は、第6図A,Bに示す
通りで、A図の場合はホーン3の軸方向のチツプ
3aに端面に形成した直線又は電極1軸方向に円
弧状のV溝3bに電極1を位置せしめ、又、B図
の場合はホーン3の軸方向と直角方向の外周面に
形成した円形V溝3bに電極1を軸方向と直角方
向から係合させて、超音波振動を付与するように
したもので、何れの場合も電極1は、その加工の
最に於ける電極消耗により、軸方向長さが短くな
つて、交換を要するようになるまで、又複数回の
使用に於ても、保持チヤツク部に於ける折損は殆
どなくなり、他方超音波振動付与による放電加工
上の作用効果は、前述第1図の場合と殆ど変らな
かつた。 この場合、加工の寸法精度、及び加工拡大代
(クリアランス)にも大きな変化はなく、振動を
電極1軸と前記直角以外の角度を有する方向から
付与するように構成してもよく、又ガイド13よ
りも保持チヤツク部側に於て、場合によつてはガ
イド13に振動を与えるように構成しても良い。 そして、かかる構成によれば、断面円形の筒状
電極で、加工液や加工屑の排出促進及び、加工孔
の真円保持のために電極1を軸の廻りに回転させ
ながら加工する場合にも、第1図の場合のように
振動子を回転させる必要がなく有用である。 ここで、上記した加工条件に於て、被加工体の
材質及び板厚として種々のものを使用した場合の
実施例を挙げておくと次の表の通りである。 尚、加工液は前記固有抵抗が約3.5×104Ωcmの
水系加工液で、その供給圧力は約50Kg/cm2一定、
又は超音波振動28KHz、20Wで、加工速度は平均
的な値である。
向させた放電間隙に加工液を噴流介在させた状態
で、両者間に間歇的な電圧パルスを印加して発生
する放電により加工を行なう放電加工装置、特に
細深孔の加工を行なう放電細孔加工装置の改良に
関するもので、任意断面形状の棒状、特に細径状
の電極による細穴彫り、又は細孔明け加工を、従
来の加工方法及び装置に比較すれば、格段の高速
度で、且つ短時間で加工が行なわれるようにした
放電細孔加工装置を提供するものである。 放電加工による1mmφ前後又はそれ以下の、形
状比L(深さ)/Dφ(穴径)の大きい細孔加工は、
例えば引抜きダイス、デイーゼルエンジンの燃料
噴射ノズル、架線ノズル、或いはワイヤカツト放
電加工の被加工物下孔等多種多様な方面に広く使
用されている所であるが、放電加工に於ては所謂
難しい加工の1つで(例えば、飯塚芳弘「放電加
工による細孔加工」放電加工技術Vol4.No.1
(1961))あるが、電極として銅パイプ又は注射針
等のパイプ状素材を用い電極側より加工液を噴流
する(吸引する場合もある。又、電極被加工物へ
のより細径の下孔加工は困難であるから、被加工
物側下孔から噴流、吸引すると言うことは殆んど
ない。)と加工速度は非常に増し、3〜5倍の加
工速度が得られる(例えば、放電加工技術研究会
編「放電加工技術便覧」第323頁、日刊工業新聞
社、昭和38年12月20日)と言われているが、場合
に応じた種々の工夫を要する難加工であつて、加
工の規模に比して加工時間がかかりすぎることが
常に問題となる加工であることは間違いがない。 従つて、本発明は上記のような細孔加工の難点
を克服して、細穴彫り又は細孔明け加工を格段の
高速度で、且つ各種の技巧等を要することなく行
ない得る放電細孔加工装置を提案することを目的
として提案されるものである。 しかして、斯種放電加工に於ける加工液は、放
電間隙に於ける絶縁維持、放電の発生及び消弧の
ため、電極・被加工物及び間隙の冷却のため、放
電間隙に於ける爆発力の発生維持のため、並びに
加工屑及びガスの放電間隙からの排出のため等の
ために必要なもので、穿孔、型彫加工の領域に於
ては鉱物油系のもの、主として所謂ケロシン(白
灯油、第4類第3石油類)が、ワイヤカツト放電
加工に於ては、水又は水を主成分とする水系のも
のが、又放電切断加工に於ては通常無機電解質を
添加した水ガラス又は水の如き電解性溶液が従来
用いられて来ているが、近時加工液として、電気
比抵抗約103〜105Ωcm前後、特に104Ωcmオーダ以
上程度の水(純水、界面活性剤等、その他添加物
がある場合がある)等、水を主成分とする水系加
工液を用いる上記ワイヤカツト放電加工機が普及
してくるにつれ、上記穿孔、型彫加工の分野に於
ても、取扱上、環境衛生上、及び防災上等の観点
より、上記水を主成分とする液を加工液として用
いる加工機の出現が要請されている所である。 このため、従来より水系加工液に関し種々の提
案、例えば、加工液への添加物に関する特公昭41
−16480号公報外、加工用パルス電源や電源条件
の設定に関するもの(例えば、木本外2名「水中
電極低消耗放電加工の検討」:電気加工学会誌、
Vol.1−No.2.P43〜50、外)等があるが汎用的な実
用機として出現するに至つていない。 他方、上記穿孔、型彫加工形の放電加工機に於
ける、加工液の供給介在には、噴流、吸引、及び
電極の往復運動又はこれ等の組合せ等種々の方法
があるが、加工屑の排除及び加工液の更新等のた
めに放電間隙へ新たに供給される加工液の液圧
は、通常高くても数Kg/cm2前後以下(例えば、前
出「放電加工技術便覧」第361〜362頁、電気加工
学会関西支部編「放電加工の理論と技術」第131
〜132頁、株式会社養賢堂、昭和47年11月15日)
の低いもので、電気加工の技術の分野に於ける電
解型彫加工の高圧加工液噴流方式と好対称をなし
ていたものである。 もつとも、高速放電加工の研究、特に「高速液
流による放電加工の加工速度向上」(須田外2名
電気加工学界誌Vol.4.No.7.第1〜10頁)によれば、
加工液が導体粉(#400グラフアイト)を2g/
混入した水道水からなる水系加工液で、加工電
源が単層商用交流を全波整流した無負荷電圧43V
で、平均加工電流が130〜400Aという大電流加工
(電流密度約10〜32A/cm2)で、電極の加工送り
が手送りという特殊なものであるが、加工液の放
電間隙流速が約5〜20m/sec(約5〜25/
min)という大きなものであり、その後、上記導
体粉を混入しない、電極自動送りの「放電高速加
工機の試作」(須田外2名、昭和46年度精機学会
春季大会学術講演前刷、第357〜358頁)も行なわ
れているが、このような高速荒加工が電極径が約
1mmφ前後又はそれ以下というような細孔加工
に、又、形状比L/D≒10前後又はそれ以上とい
うような細孔加工に適用できるか否か未だ明らか
でない。 又、これ等に記載されている電極の寸法、形
状、放電間隙の大きさ、及び上記加工液の流量、
流速によれば、ポンプによつて送られた加工液
(水道水×103Ωcmオーダ)の放電間隙入口部に於
ける液圧は10Kg/cm2よりも低く、ポンプ圧がほぼ
10Kg/cm2と推定される。 又、放電加工の高速加工としては、所謂電解加
工で放電加工を同時に行なわせる電解放電加工法
も研究されつつあり、例えば、久保田外1名「電
解放電加工の研究」昭和47年度精機学界秋季大会
学術講演前刷、第437〜438頁、同「電解放電加工
による鋼の高速穴あけ」昭和48年度精機学会春季
大会学術講演前刷、第415〜416頁に記載されてお
り、そして約10mm/min乃至40mm/minという高
速の加工を約10Kg/cm2という高い圧力の加工液供
給手段を用いて行なうものであるが、加工液は約
20%食塩水で、電源は商用交流を半波整流した約
50Vの電圧で、電流密度約300〜800A/cm2であ
り、かかる高速荒加工の方法が微細加工に適用で
きるか否か未だ明らかでない。 従つて、本発明者は種々の実験、研究を行なつ
た結果、本発明を為すに至つたもので、前記形状
比L/Dが約5前後以上、或いは更に特にL/D
≒10前後以上の細孔放電加工に於て、加工液とし
て水、特に好ましくは水を主成分とする比抵抗が
前記104Ωcmオーダの水系加工液を、又加工用電
源として電圧パルスを間歇的に加えるパルス電源
を用い、電極又は被加工物を加工の進行に応じて
加工送りするようにし、そして前記水系加工液を
少なくとも20Kg/cm2、好ましくは25Kg/cm2以上の
高圧力で加工間隙に供給噴流させた状態で、加工
面粗さ20μmRmax以下、好ましくは10μmRmax
以下で、少なくとも5mm/min程度以上、好まし
くは10mm/min以上の加工送り込み速度で放電加
工を行なうことを特徴とするものである。 そして、その実施の態様としては、電極の径を
1mmφ以下、好ましくは0.5〜0.6mmφの領域に於
て使用すること、該電極として管を用い管内通路
から水系加工液を加工間隙へ供給噴流すること、
加工液の圧力をより高い40Kg/cm2、又は好ましく
は50Kg/cm2以上とすること、又は加工液の圧力を
加工の進行に応ずる加工穴の深さに応じて連続又
は段階的に増加させること、前記電極の内径を該
内径に対応する被加工体の加工残り凸部の高さ
(lM)が、加工穴の加工深さ(lH)に対し、
lM/lH≒1/3以下、好ましくはlM/lH≒
1/5以下となるよう加工条件(加工液、電気的
加工条件)との関係で設定形成すること、加工液
の液温を所定の一定に保持して加工の安定を計る
こと、又、水系加工液を所定値に加熱して所定温
度に保ち、加熱により加工液の粘性を低減させて
所定量の水系加工液を加工間隙に供給するように
すること、そして加工間隙に噴流介在する水系加
工液は単にその流量を確保するだけでなく、流速
も15〜20m/sec以上好ましくは20〜30m/sec以
上とすること、又加工時に加工液からガスが発生
するが(水系加工液の場合、被加工物(Fe)1
gを加工すると約330cm3のガスが発生する)、該ガ
ス発生量(Qg)を1とした場合加工間隙に供給
噴流する加工液の量(Qe)が2即ち、Qg:Qe≒
1:2(体積比)となるように水系加工液を供給
すること(勿論正常な放電加工状態に於て)、加
工用電極が、例えば400〜500mm又はそれ以上の長
尺状電極であるとき加工液供給液圧損失を防止す
るため、電極の廻りに同軸に囲繞して電極を軸方
向に送り出し可能に設けた管体との間から水系加
工液を供給噴流すること、前記電極管内通路から
加工間隙に噴流する加工液噴流方法を電解加工に
於て正流法と称しているが、加工液の噴流を同じ
く電解加工に於ける逆流法とする等の実施態様を
有するものである。 又、前記本発明の改良として加工性能向上のた
めに、電極又は被加工物に超音波振動を付与しな
がら、前記の高圧加工液噴流の下に放電加工する
ことも有用なものであり、この場合、前記超音波
の周波数を通常の20〜30KHzとすること、好まし
くは約50KHz以上約100KHzオーダとすること、
又特殊な場合には1〜10MHz程度のMHzオーダの
超音波とすること、前記の超音波の付与エネルギ
を加工状態の正常時には零又は小さくしておいて
加工状態の悪化に応じて増大させること、前記の
超音波を電極の保持側軸、端部からホーン等を介
して付与すること、又電極の保持部保護のために
被加工物の上面から間隔を置いた所定の固定位置
に電極と接触して電極を軸方向に案内する案内を
設け、該案内より好ましくは電極軸方向と直角方
向に前記の超音波振動を与えるように構成するこ
と、又、本発明の実施に使用する加工液供給装置
としては、前述所望の加工液圧に応ずるプランジ
ャ型、その他の高圧ポンプを備え、必要に応じ増
圧装置を、又加工液供給系に液圧変動を防止する
アキユムレータを設けるものであり、又電極に加
工液流通路を形成した電極により加工を行なう場
合には、被加工物の加工穴内に前記加工液流通路
に対応する同軸の加工残余突起(通常ヘソ等とい
う)が形成され、この突起が加工の進行に応じて
ある程度以上長く残るようになると倒れや曲り、
或いは折損等により加工を不安定更には不能とす
るから、上記突起がその径に応じ或る程度以上長
くならない加工条件、特に前記加工液流通路の径
と、電圧パルス等の電気的加工条件、或いは更に
加工送り(穿孔又は電極送り込み)速度を設定す
る必要があるものである。 以下本発明を図面及び実施例により説明する。 第1図は、本発明加工装置の加工部を模型的に
示した実施例側面図で、1は例えば外径が0.5mm
φで、内径が約0.275mmφ、長さ約400mmの銅パイ
プからなる加工用電極で、超音波電歪振動子2の
振動拡大用ホーン3の尖端に設けられたチヤツク
部4によりその一端が支持取り付けられている。
上記ホーン3には内部に軸方向の空洞3aが刳り
貫かれており、第2図Aに上記ホーン尖端部及び
チヤツク部の実施例を断面図で示すように、筒状
電極1は、空洞部3aまで一端が挿設された状態
でチヤツクナツト4aにより締付固定されると共
に、挿設された筒状電極の外周面と空洞部3aの
内壁面との間がOリングパツキング3bにより水
密にシールされており、このようにシール部材3
bを設けることにより20Kg/cm2以上の高圧による
加工液の供給を円滑に安定した状態で行なうこと
ができる。前記空洞部3aは電極1に加工液を供
給する通路となつており、他端が後述加工液供給
装置の高圧力加工液吐出口に接続された可撓性耐
圧配管(図示せず)に連結される加工液供給ラン
プ5がホーン3の側部に開口している。6は上記
電極部を保持する電極ヘツドで、ベツドに立てら
れたコラム(図示せず)に上下移動及び固定自在
に支持され、且つ上記電極部は、該ヘツド6に対
し、加工送り制御装置を含むサーボ送り装置7に
より上下方向の送りが与えられるように構成され
ている。そして、この実施例では上記超音波振動
ホーン3、チヤツク部4及び電極ヘツド6により
加工ヘツドが構成される。又、8は前記ベツド上
に上記ヘツド6と対向するように設けられた基台
で、x,y2軸のサーボ送り機構9x,9yを有
するクロステーブル10を載置し、該テーブル1
0上に被加工物11を固定具12により固定す
る。13は例えば、第2図B及びCに示すような
電極1の尖端側固定ガイドで、L字状腕13aに
より基台8に固定され、電極1の加工側尖端の位
置精度を保持するもので、電極1の尖端の加工間
隙に於ては少なくとも20Kg/cm2以上の加工液が噴
流しているのであるから、被加工物11の表面に
より近い位置で固定ガイドすることが重要となる
ものである。 その他第1図中2aは、例えば20〜30KHzの超
音波例示電源、14は間歇的な電圧パルスを発生
する加工用電源で、当該細孔加工の場合は、通常
電圧(放電)パルスの幅が約30μs以下、通常5μs
前後の所謂中仕上乃至仕上加工条件となるから、
電極1と被加工物11間に1〜0.1μF前後又はそ
れ以下の所謂極間コンデンサを接続することが少
なくない。又、15は例えば位置決め用の数値制
御装置で、パルスモータ、エンコーダ及びタコジ
エネレータ付き直流モータ等サーボ送り機構9
x,9yを駆動制御する。 第2図B及びCは前記ガイド13の実施例正面
図及び縦断面図で外部円筒13b内に内部円筒1
3cが同軸状に挿設され、該内部円筒13cは前
記外部円筒13bの軸方向に間隔を置いた位置に
設けられた夫々3本以上の、且つ夫々求芯的にね
じにより前後進するボルト13dにより軸芯が調
整自在に保持され、且つ該内部円筒13c内に軸
方向に間隔を置いた位置夫々に、3個の小円柱1
3eをその各中心が正三角形を形成する如く挿設
してあり、該3個の円柱13eが形成する隙間に
電極1が摺接案内される。 従つて、電極1が筒状で、尖端から20Kg/cm2以
上の高圧の加工液を加工間隙に吐出噴流させて
も、電極1尖端の位置は大きく偏倚したり、振動
したりすることが少なく、真直な細深孔を加工す
ることができるようになる。 又、第3図は、前記プラグ5を介して電極1に
加工液、即ち、水を主成分とする水径加工液を供
給し、電極1と被加工物11間の放電加工間隙に
加工液を加圧噴流せしめる本発明装置の一部であ
る加工液供給、特に加工液を循環供給する装置の
一実施例構成図を示すもので、16は加工液貯留
タンクで、加工部よりの加工液回収タンク16b
と清浄液タンク16aとに分けられ、回収タンク
16b内の加工液は、加工屑の滴宜沈澱等の後、
ポンプ17により精密濾過器を介して清浄液タン
ク16aに送られ貯留される。貯留加工液は、電
気伝導度検出器19によつて伝導度を検出し、該
伝導度が増大して、例えば固有抵抗が104Ωcmよ
り小さくなるような場合には、ポンプ20を駆動
して加工液を汲み上げ、イオン交換樹脂21と接
触させて帰還させ、所定の104Ωcmオーダの固有
抵抗となるよう伝導度を制御する。22は温度検
出器23を有する清浄タンク16a内加工液の温
度制御装置で、前記加工液を冷却又は、加熱して
所定のほぼ一定値に保持させる。水系加工液は温
度が上昇すると粘性が低下し、より低い供給圧力
で加工間隙に所望量以上の加工液を供給し得、流
量が増大するが、温度が上昇すると水系加工液の
電気伝導度が増し、温度が低下すると上記は逆の
状態となり、又、水系加工液を流通抵抗に抗して
高圧力で供給すると、使用加圧供給ポンプの構
造、型式にもよるが一般的に加工液温度は上昇傾
向にあり、又放電加工間隙に於ても加工液は加熱
されるから、前記温度制御装置22としてはこれ
らのことを考慮し、又、電極、被加工物の材質、
組合せ、及び加工の目的、或いは更に加工条件を
考慮して、加熱又は冷却制御を行なえるものを選
定するか、加熱及び冷却の両方の制御が行なえる
ものを使用する。24はプランジヤ型の形式の高
圧力加工液供給ポンプで、清浄加工液を直接汲み
上げ供給するか、又は図示の如く精密濾過器25
を介して上記ポンプ24に加工液を汲み上げる供
給ポンプ26を必要に応じて設ける加工液供給ポ
ンプとしてプランジャ型の高圧力ポンプを採用し
たことにより、20Kg/cm2以上の高圧力状態での加
工液の供給を効率良く安定して行なうことができ
る。27は逆止弁、28は必要に応じて設けられ
る高圧液留めタンク,及び29は高圧のアキユム
レータ、30は清浄タンク帰還路に設けたレリー
フバルブで、更にプラグ5とポンプ24吐出口又
は高圧液留めタンク28間は耐圧配管により連結
され、これ等により前記プラグ5を介し高圧力の
水系加工液が安定して供給され、所望の流量で放
電加工間隙に供給噴流せしめられる。この図示実
施例構成の加工液供給装置の場合、供給加工液の
圧力は、上記レリーフバルブ30に於ける圧力の
調整設定により決定される。 尚、31は圧力計で、必要に応じ流量計が設け
られる。 本発明放電細孔加工装置は、この第3図に示し
たような加工液を高圧力で安定して供給すること
ができる加工液供給装置を第1図の加工装置と加
工液供給の耐圧配管、その他で結合して構成され
るものであるが、該第1図に於て、加工用電極1
に超音波振動を与える構成及び関連装置は、本発
明の特定発明に於ては必須要件ではない。 即ち、本発明の特定発明の放電細孔加工装置の
特徴的構成要件としては、加工用電極として形状
比L/Dが少なくとも約5以上、通常L/D≒10
前後以上で、且つ、径が約1mmφ前後以下の細棒
状の前記電極の一端を加工ヘツドに対して保持し
得るチヤツク部を備えること、、加工液として所
謂粋や、水に海面活性剤、その他の添加物がある
水系加工液を用い、そして安定した加工性能の変
らない加工を行なうには管理制御された該水系加
工液、好ましくはほぼ一定温度の固有抵抗104Ω
cmオーダに制御された加工液として用い、そして
該水系加工液を少なくとも20Kg/cm2を下まわらな
い、好ましくは25Kg/cm2以上の高圧力で供給し得
るプランジャ型の高圧力ポンプを有する加工液供
給装置を備えること、そしてこの加工液供給装置
の高圧力加工液吐出口と前記放電加工間隙とを接
続する耐圧配管とを備え、他方加工間隙に間歇的
な電圧パルスを供給して放電加工を行なうもので
ある。 以下実施例により説明する。 外径0.3mmφ、内径役0.15mmφ、長さ150mmのCu
電極を用いて、ステンレススティールSUS−
304、2mm厚を被加工物として穿孔加工する。加
工用パルス電源は、電圧パルスの幅(τon)6μs、
電圧パルス間休止幅(τoff)2μs、電圧パルスの
無負荷電圧(Vo)100V、放電電流の振幅(Ip)
10A、但し、間隙に0.1μFのコンデンサを接続し、
平均加工電流(IM)が約2A前後で加工する。加
工液は固有抵抗約3.5×104Ωcmの水で液温は約24
℃で、加工液の供給圧力(Kg/cm2)を種々変更
し、加工速度(上記電極によつて加工孔が掘削さ
れて行く速度(mm/min)を測定した所、第4図
のAの特性曲線の結果が得られた。 即ち、第4図は横軸に前記加工液の液圧を、又
縦軸に前記加工速度を共に常用対数目盛でプロツ
トしたもので、又、上記A曲線に対応して加工液
の供給液圧に対する流量(c.c./min)が縦軸に対
数目盛でプロツトされ、曲線Cとして示してあ
り、又、同じく加工間隙に於ける加工液の流速
(m/s、計算推定値)が縦軸に対数目盛でプロ
ツトされ、曲線Dとして示してある。 この曲線Aの加工速度は、加工液の供給圧力及
び流量(従つて流速)が変化する外は、加工条件
は上記した一定値であつて、上記加工液の変数に
のみ依存しているものということができ、該A曲
線によれば、加工速度は液圧が10Kg/cm2を越える
付近から急速に立ち上り、約60〜80Kg/cm2で最大
に達した後、減少する特性となつており、最大加
工速度は平均約28mm/minに達していることが判
る。この場合液圧が約70〜80Kg/cm2を越えると、
加工速度がかえつて減少するのは未だ判然とはし
ないが、後に説明するように加工液の流量及び流
速に対して加工間隙に於ける放電加工のエネルギ
密度が足りないためか、又は供給される放電加工
のエネルギ密度をより大きくするのには加工液流
量及び流速が不足しているためと思惟される。即
ち、上記の場合加工電圧パルスのτon、τoff又は
Ipの1つ又はそれ以上の値、或いは更にコンデン
サの値を変え、又は除去して、放電エネルギ密度
を増すと、通常の場合平均加工電流(IM)を増
すと加工速度の曲線Aの飽和特性が加工液の高圧
力側に移動し、最大加工速度は増すが、加工増隙
に於ける放電加工のエネルギ密度としては限界が
あるようで、更にIMを増大しても、又加工液の
液圧を高くしても、加工増隙がアーク状態となる
のか、A曲線と同様加工速度が、かえつて減少す
る傾向となるのは同一である。 しかしながら、加工液を加熱して約60℃とする
と加工液の粘性の低下により同一供給液圧時に於
ける加工液の流量及び流速が増し、曲線CとD
が、共に第4図グラフ上で上方に移動する所か
ら、加工速度の飽和する液圧がより高圧側に移動
し、その際τon=6μs、τoff=2μs、Ip=16A、コ
ンデンサ0.1μFで、平均加工電流約4Aとなり、約
100Kg/cm2の液圧で、加工速度約40mm/min強に
達した。尚、平均加工電流は、液圧10Kg/cm2前後
以下では2Aよりも少なくなつていつて加工速度
は大きく低下し、液圧15〜50Kg/cm2の間前記電流
は大きく変化はしないものの、加工速度は液圧に
ほぼ比例する傾向があり、液圧約70Kg/cm2の加工
速度最大時には約2.5Aに達する。そして、上記
の場合の加工孔側面の加工面粗さは約5μmRmax
前後、又、加工拡大代は片側約0.025mm前後で約
0.35mmφの孔が加工され、電極消耗(E/W×
100%)は、上記平均加工電流値にほぼ比例して
いて、約100〜120%前後であるが、加工が安定で
順調であるか否かが可成り大きく影響する。 又、ここで、上記形状比L/Dについて検討し
ておくと、上記実験例の場合L/D≒7弱である
が、種々の実験によれば、上記加工速度は加工開
始時を1とすると、形状比約7〜8位の加工深さ
までで、加工速度は0.5〜0.6倍にまで低下するも
のの、上記形状比が10以上の加工深さの領域で
も、加工液に高圧力供給による所望の流量が保た
れている限りに於ては加工速度が0.5倍以下に低
下することはないようであつた。 そして、上記加工液の所望の流量とは、水系加
工液の場合被加工物の加工量1g当たり加工液か
らの発生ガスは約330〜350cm3となる(この値は使
用加工液のみに依存し、電極、被加工物の材質、
組合せ、及び電気的加工条件等には殆ど関係ない
ほぼ一定値である。)ことから、この発生ガスを
加工間隙から排除し放電状態を安定維持して高速
加工を可能とする流量であり、加工速度が最も早
く能率の良い加工が行なわれている時の加工液の
供給量を実測測定した結果によれば、加工量1g
当たり加工液供給量約660〜700cm3(流量とすると
約15cm3/min強)となり、発生ガス量の約2倍
(体積で)加工液を供給する必要があるものであ
る。このように、加工時に加工間隙に於て発生す
るガスを排除して能率の良い加工を行なうために
は、ガス発生量の約2倍の加工液を加工間隙に供
給することが必要となるが、このガス発生量は加
工液の種類によつて異なり、鉄1gを加工すると
き、水系加工液は、約330c.c.のガスが発生するの
に対し、加工液としてケロシンを用いた場合は、
約1000c.c.のガスが発生する。従つて、水系加工液
を用いれば、加工間隙に供給する加工液の必要量
がケロシンを加工液とする場合の1/3の量で済む
ため、充分な量の加工液を加工間隙に供給して高
速加工を行なうことが可能となる。又、加工部の
冷却作用の点に於ても、水はケロシンよりも熱容
量が大きく加工部に対する冷却効果が高いため、
水系加工液を用いれば、ケロシンを加工液とする
場合よりも少ない供給量で加工部を充分に冷却す
ることができ、高いエネルギ密度で高速加工を行
なうことができる。 このように、水系加工液は、環境衛生や防災の
点に於て優れているだけでなく、加工液が加工間
隙に供給され難い加工形態での加工を高速で行な
おうとするときに問題となるガス発生量や冷却作
用の点に於ても有利なものであり、本発明は、加
工液として水系加工液を用い、この加工液を吐出
圧力20Kg/cm2以上で供給することにより、これま
で困難であつた細穴彫りや細孔明け等の細深孔加
工の高速加工を可能としたものである。 又、形状比(L/D)が大きな加工に際して、
加工用電極1の加工液噴出口に対応する部分の加
工残余突起が細長く成長すれば、電極と被加工物
とは前記突起を介して短絡することになるから安
定な加工が行なえないのであり、前記突起が或る
程度以上に成長しない加工条件、例えば、加工用
電極の内径、加工液の電気伝導率(クリアラン
ス)、及び加工電圧パルス又は重畳高電圧の電圧
等を選定する必要があるが、上記伝導率及び電圧
の条件は使用する装置によつて一定とすると、上
記筒状加工用電極の内径の選定が重要となるもの
である。又、上記突起は成長すると加工液の供給
をも阻害するから、細孔加工である限りその成長
は防止しなければならない。 しかして、前述の如き加工条件の場合、加工用
電極は外径0.3mmφに対して内径約0.15mmφ前後、
又外径0.5mmφに対して内径0.3mmφ前後であつ
て、何れにしても、加工孔の最大深さ(l;被加
工物表面から加工孔最深部迄の深さ)と、突起頂
部の高さ(l′;加工孔最深部から突起頂部迄の高
さ)との比がl′/l≒1/5前後又はそれ以下に
なるように選定されることが必要である。 上記第4図に於て、前記曲線Aに対応して記載
された曲線Bは、上述の曲線Aの加工特性の場合
に加工用電極1に周波数28KHz出力約20Wの超音
波振動を付与した場合の加工速度に関する特性曲
線で、曲線Aとほぼ相似形に近いが、かかる超音
波振動を付与することにより、加工速度は約2倍
から数倍又それ以上に向上する。そしてこの超音
波振動付与の効果は、加工液の供給液圧が低くて
加工性能が低い従来の加工条件の領域に近づく程
顕著で、加工速度が5〜10倍に達する領域もある
が、供給加工液の液圧がより高い、例えば曲線A
とBの最高加工速度の領域に於ては、約2倍前後
と低減し、加工液の圧力、流量、及び流速に対す
る依存の割合が高いことを示している。 ところで、超音波振動の付与は前述の如く極め
て有効であるが、前述第1図及び第2図Aに示す
如く、振動子ホーン3の先端部にチヤツク部4を
設けて図示の如く同軸状に電極1を支持固定する
ように構成すると、1本の電極を使つて1個以上
の細孔加工をしているうちに、電極1がチヤツク
部4の固定部に於て疲労するためか折損事故を生
ずることが少なくない。 従つてかかる事故防止のためには、付与する超
音波振動のエネルギを必要最小限度とすることが
考えられるが、それでも繰り返し使用すれば上記
折損事故に至ることは避けられず、このため常時
は上記必要最小限度又はそれ以下、又は零として
おいて加工状態の悪化等加工の不調時にのみ付与
する超音波振動のエネルギを増大強化する制御等
が行なわれるが、このようにすれば上記の如き超
音波振動付与の効果は常時は享受できない訳であ
るから、折角超音波振動子やその励振電源等を設
ける意味が減殺され、設備利用効率も減少するも
のであるから避けなければならない。 しかして、本発明者が、種々実験した所によれ
ば、電極1に対しする超音波振動の付与を、ガイ
ド13の電極保持チヤツク部側又は被加工物11
側で、電極1軸に対して角度を有する如く、例え
ば90°の方から振動子を当接した状態で行なえば、
前述チヤツク部4に於ける電極1の折損等の事故
は殆どなく、且つ細孔放電加工に於て上述の如き
超音波振動付与の効果を充分享受できることが判
つた。 以下図面によりこれを説明すると、第5図に於
て、13fは電極1を僅かな隙間を介して同軸状
に挿通して案内するガイドパイプで、固定腕13
aの端部に溶接し、締付等の適宜の手段で固定さ
れ、このガイド13によつて案内される電極1に
振動子ホーン3の尖端部に設けた当接チツプ3a
を軽く当接するようになつている。 この当接部分の構成例は、第6図A,Bに示す
通りで、A図の場合はホーン3の軸方向のチツプ
3aに端面に形成した直線又は電極1軸方向に円
弧状のV溝3bに電極1を位置せしめ、又、B図
の場合はホーン3の軸方向と直角方向の外周面に
形成した円形V溝3bに電極1を軸方向と直角方
向から係合させて、超音波振動を付与するように
したもので、何れの場合も電極1は、その加工の
最に於ける電極消耗により、軸方向長さが短くな
つて、交換を要するようになるまで、又複数回の
使用に於ても、保持チヤツク部に於ける折損は殆
どなくなり、他方超音波振動付与による放電加工
上の作用効果は、前述第1図の場合と殆ど変らな
かつた。 この場合、加工の寸法精度、及び加工拡大代
(クリアランス)にも大きな変化はなく、振動を
電極1軸と前記直角以外の角度を有する方向から
付与するように構成してもよく、又ガイド13よ
りも保持チヤツク部側に於て、場合によつてはガ
イド13に振動を与えるように構成しても良い。 そして、かかる構成によれば、断面円形の筒状
電極で、加工液や加工屑の排出促進及び、加工孔
の真円保持のために電極1を軸の廻りに回転させ
ながら加工する場合にも、第1図の場合のように
振動子を回転させる必要がなく有用である。 ここで、上記した加工条件に於て、被加工体の
材質及び板厚として種々のものを使用した場合の
実施例を挙げておくと次の表の通りである。 尚、加工液は前記固有抵抗が約3.5×104Ωcmの
水系加工液で、その供給圧力は約50Kg/cm2一定、
又は超音波振動28KHz、20Wで、加工速度は平均
的な値である。
【表】
付与する超音波振動の周波数について調べたと
ころでは、未だ判然としないが、通常の場合に
は、周波数約30KHz以下の通常の周波数領域でほ
ぼ所望の付与効果がえられるようである。しか
し、加工性能に影響を与えるものとしては、電極
の材質(例えば上記Cuの外にCu−Zn合金、W、
又はMo等が使用される)、電極の内外径等の寸
法、全体の長さ、ガイド上下部分の長さ、及び加
工液噴流速度や平均加工電流密度等種々の因子も
あるようであるが、前記付与超音波振動の周波数
としては、約50KHz以上100KHzオーダの周波数、
及び1〜10MHzのMHzオーダの周波数、例えば
1.6MHz、5Wでも、28KHz、10Wよりも有効な場
合があつた。 そしてこの超音波振動は、所謂前述の如き電歪
及び磁歪振動子による発生付与の代りに、電流
と、磁界との一方を変化させて与えるようにして
も良く、電極には加工条件にもよるが数100KHz
の間歇的な放電電流が流れる所から、例えば電極
に対して軸方向と直角方向に作用する一方又は交
番磁界中で加工することにより、電極に振動を付
与させることができる。 以上のように本発明の放電細孔加工装置によれ
ば、従来難加工とされていた1mmφ前後以下で形
状比L/D≒5〜10以上の細深孔放電加工を高速
度及び効能率で行なうことができるようになつた
もので、有用な発明である。 尚、本発明は、前述特許請求の範囲に記載する
本発明の精神を逸脱しな裁範囲で、各種の変更実
施が可能なこと勿論である。
ころでは、未だ判然としないが、通常の場合に
は、周波数約30KHz以下の通常の周波数領域でほ
ぼ所望の付与効果がえられるようである。しか
し、加工性能に影響を与えるものとしては、電極
の材質(例えば上記Cuの外にCu−Zn合金、W、
又はMo等が使用される)、電極の内外径等の寸
法、全体の長さ、ガイド上下部分の長さ、及び加
工液噴流速度や平均加工電流密度等種々の因子も
あるようであるが、前記付与超音波振動の周波数
としては、約50KHz以上100KHzオーダの周波数、
及び1〜10MHzのMHzオーダの周波数、例えば
1.6MHz、5Wでも、28KHz、10Wよりも有効な場
合があつた。 そしてこの超音波振動は、所謂前述の如き電歪
及び磁歪振動子による発生付与の代りに、電流
と、磁界との一方を変化させて与えるようにして
も良く、電極には加工条件にもよるが数100KHz
の間歇的な放電電流が流れる所から、例えば電極
に対して軸方向と直角方向に作用する一方又は交
番磁界中で加工することにより、電極に振動を付
与させることができる。 以上のように本発明の放電細孔加工装置によれ
ば、従来難加工とされていた1mmφ前後以下で形
状比L/D≒5〜10以上の細深孔放電加工を高速
度及び効能率で行なうことができるようになつた
もので、有用な発明である。 尚、本発明は、前述特許請求の範囲に記載する
本発明の精神を逸脱しな裁範囲で、各種の変更実
施が可能なこと勿論である。
図面第1図は、本発明放電細孔加工装置の加工
部を模型的に示した実施例側面図、第2図Aは電
極チヤツク部の実施例断面図、第2図、B及びC
は電極ガイドの実施例の正面図と側断面図、第3
図は本発明装置の一部である加工液供給装置の実
施例構成線図、第4図は本発明加工装置による加
工性能の一実施例を示す特性曲線図、第5図は電
極ガイド及び振動付与手段の変更実施例を示す部
分の側面図、第6図A及びBは電極に振動を付与
する部分の変更実施例の構成を示す各正面図であ
る。 1……電極、3……超音波振動ホーン、7……
送り装置、11……被加工物、13……電極ガイ
ド、14……加工用電源、5……加工液供給プラ
グ、16……加工液貯留タンク、22……温度制
御装置、24……高圧力加工液供給ポンプ、29
……アキユムレータ。
部を模型的に示した実施例側面図、第2図Aは電
極チヤツク部の実施例断面図、第2図、B及びC
は電極ガイドの実施例の正面図と側断面図、第3
図は本発明装置の一部である加工液供給装置の実
施例構成線図、第4図は本発明加工装置による加
工性能の一実施例を示す特性曲線図、第5図は電
極ガイド及び振動付与手段の変更実施例を示す部
分の側面図、第6図A及びBは電極に振動を付与
する部分の変更実施例の構成を示す各正面図であ
る。 1……電極、3……超音波振動ホーン、7……
送り装置、11……被加工物、13……電極ガイ
ド、14……加工用電源、5……加工液供給プラ
グ、16……加工液貯留タンク、22……温度制
御装置、24……高圧力加工液供給ポンプ、29
……アキユムレータ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 電極と被加工物とを相対向せしめて形成され
る放電加工間〓に、加工液を噴流介在させた状態
で両者間に間歇的な電圧パルスを印加し、発生す
る放電により加工を行ない、加工の進行に応ずる
送り又は所定速度の送りを前記両者間に相対的に
与えて放電加工するものに於いて、形状比L/D
(但し、L;加工孔の深さ、D;加工孔の径)が
少なくとも5以上の細孔を加工する径及び長さを
有する筒状電極と、該筒状電極の一端側を加工ヘ
ツド内に形成される加工液供給通路に挿設した状
態で保持するチヤツク部と、前記加工液供給通路
の内壁面と前記挿設状態の筒状電極一端側外周面
との間を水密にシールするシール部材と、前記筒
状電極の他端側被加工物近接位置に於て軸方向に
加工送りされる前記筒状電極を位置決め案内する
固定ガイドと、水系加工液を収納供給する加工液
供給装置であつて、吐出圧力を20Kg/cm2以上に設
定し得るプランジヤ型の高圧力ポンプを有する前
記加工液供給装置と、該加工液供給装置の高圧力
加工液吐出口を前記加工液供給通路に繋がる開口
部に接続する耐圧配管とを備えてなる放電細孔加
工装置。 2 前記筒状電極が、軸の回りに回転が付与され
る回転電極であることを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の放電細孔加工装置。 3 前記加工液供給装置が供給する加工液が、温
度及び比抵抗の両方又は一方が制御されたもので
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の放電細孔加工装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6380386A JPS6254628A (ja) | 1986-03-20 | 1986-03-20 | 放電細孔加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6380386A JPS6254628A (ja) | 1986-03-20 | 1986-03-20 | 放電細孔加工装置 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14411779A Division JPS5669033A (en) | 1979-07-17 | 1979-11-06 | Discharge working method and processing liquid feeder therefor |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6254628A JPS6254628A (ja) | 1987-03-10 |
| JPH0457455B2 true JPH0457455B2 (ja) | 1992-09-11 |
Family
ID=13239894
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6380386A Granted JPS6254628A (ja) | 1986-03-20 | 1986-03-20 | 放電細孔加工装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6254628A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6682825B1 (en) | 1994-06-06 | 2004-01-27 | Cryovac, Inc. | Films having enhanced sealing characteristics and packages containing same |
| CN105171157A (zh) * | 2015-09-29 | 2015-12-23 | 万向钱潮传动轴有限公司 | 一种感应淬火喷水套内的小孔加工工艺 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS493852A (ja) * | 1972-03-30 | 1974-01-14 | ||
| JPS5242139A (en) * | 1975-09-30 | 1977-04-01 | Toshiba Corp | Method of measuring straightness of bus of member having circular shap e in section |
-
1986
- 1986-03-20 JP JP6380386A patent/JPS6254628A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6254628A (ja) | 1987-03-10 |
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