JPH0458892B2 - - Google Patents
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- JPH0458892B2 JPH0458892B2 JP25525384A JP25525384A JPH0458892B2 JP H0458892 B2 JPH0458892 B2 JP H0458892B2 JP 25525384 A JP25525384 A JP 25525384A JP 25525384 A JP25525384 A JP 25525384A JP H0458892 B2 JPH0458892 B2 JP H0458892B2
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01J—MEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
- G01J4/00—Measuring polarisation of light
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- General Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Spectrometry And Color Measurement (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は全く新しい原理に基づく分光法、す
なわち、従来分光手段として用いられていなかつ
たフアラデー回転という現象を利用したフアラデ
ー回転フーリエ分光法に関する。 (従来の技術) 従来の分光法としてA回折格子、プリズムなど
の分光法を用いた分光法、B干渉分光計を用いた
分光法、波長可変レーザーなどによるコヒーレン
ト効果を利用した分光法などがある。 これら分光法は測定対象によつて分解能の程度
は異なるが、理論的にはいづれも非常に高分解能
にすることが可能であるが、Aの分光法では、巨
大な回折格子やプリズムを光の波長の100分の一
程度の精度で製作することが必要となり、また、
数十mの大きさの距離の間の振動を波長程度に抑
えるなどの必要があり、実際上は現実が極めて困
難であつた。また、Bの分光法では光源や鏡或い
はその可動部分を無限に精度良く構成することが
出来れば分解能はコヒーレント長の範囲で向上す
るが、現実的でない。 また、Cの分光法はコヒーレント分光と呼ばれ
る範囲内で使用される場合があることと、光源が
レーザであることから、一般にはコヒーレント光
の分光に限定されている。 明るさについては、Aの分光法では、明るさは
測定対象(発光の場合)や光源の輝度で決定され
る要素があると共に、レーザ光などの分光では分
光器または分光計に入射する全ての光を取込むこ
とも一概に不可能であると言えないため、明るい
場合と暗い場合とがある。しかし、一般的な使用
条件では入射スリツトトで大部分の光を損失し、
解折格子の大きさもそれほど大きくないので、F
値はあまり大きく取れないのが現状である。ま
た、Bの分光法では明るいものが可能で、このた
め赤外フリーエ分光光度計などが広く用いられて
いる。但し、ここで用いている原理では、短波長
例えば紫外域に適用するには機械精度上、分光光
度計の製作が極めて困難である。 (発明が解決すべき問題点) しかしながら、これら分光法に用いる分光器に
は構成部品の機械精度及び機械的振動が分解能を
決定するような構成部品を含んでいるので、超高
精度の分解能を得ることが出来ないという欠点が
あると共に、多くの場合には鏡、プリズム、回折
格子などの光学部品を使用した構成となつている
ので、測定波長範囲がこれら光学部品で限定され
てしまつていたという欠点があつた。 この発明の目的は、機械的振動となるような構
成部品とか、測定波長範囲に制限を加えてしまう
光学部品とかを用いずに、真空紫外領域から遠赤
外領域まで測定可能にした、新しい原理に基づく
分光法を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 従つて、この発明によれば、被検出光を偏光さ
せた後磁界がかけられたフアラデー回転媒質中に
導き、 該フアラデー回転媒質中で該偏光の偏光面が複
数回回転させて波長によつて回転角が相違する波
長情報の重畳信号を取り出し、 該重畳信号から特定の偏光成分を分離し、 該偏光成分から磁界強度に対応した該偏光成分
の光量を検出し、 該光量を該磁界強度に基づいてフーリエ逆変換
を行つてヴエルデ定数に基づいた強度情報に変換
し、 該ヴエルデ情報から波長又は周波数スペクトル
情報に変換して被検出光を分光することを特徴と
する。 (作用) このように、この発明による分光法によれば、
フアラデー回転媒質中で光の偏光面を2回〜多数
回のような複数回回転させた結果、波長によるフ
アラデー回転角の違いを磁界強度の変化の関数と
して求め、これを一旦ヴエルデ定数の関数に変換
してからさらに波長、周波数の関数(すなわちス
ペクトル強度分布)を求める方法である。従つ
て、この発明は従来の屈折率分散(プリズム)、
回折現象の角度分散(回折格子)、光の干渉効果
(干渉計)とは全く異なつた性質を利用しており、
分光の原理が従来とは異なる点に特色がある。以
下、この原理を説明する。 フアラデー回転フーリエ分光法の原理 この発明に用いるフアラデー回転媒質は原理的
には対象となる光の波長に対して透明であるかま
たは光が検出可能な程度の透過率を有する媒質で
あれば良い。フアラデー回転はどのような物質で
も大なり小なりヴエルデ定数の大きさに応じて起
る基本的な現象である。 このヴエルデ定数は種々の物質について測定さ
れており、例えば、液体についてはその一部分を
別表1に示す通りである。従つて、媒質として紫
外から近赤外まで透明であるという理由で例えば
純水を使用しても良く、或いは、この表には掲載
されていないが、短波長域で吸収が少ないという
理由でHeガスのような稀ガスのような気体を使
用しても良い。 今、純水を例に取つて説明する。水は少なくと
も0.19umの紫外線から1umの赤外線にわたる範
囲で透明である。特に、水の場合には、その透過
距離は不純物の濃度で決められている程度であ
り、純水では100mの透過長を取ることが容易で
ある。しかも、紫外から可視域の光の検出に光電
子倍管を使用することが出来るので、その場合に
は水中での透過距離を非常に長大例えば10Kmとし
ても測定が可能となる。 一方、純水のフアラデー回転について実験を行
つて調べたところ、104Oe程度の磁場の印加で約
5cmの純水によつて90度の偏光面の回転が得られ
ることが確認された。 これらの事実から、例えば100mとか場合によ
つてはそれ以上の非常に長い水のフアラデー回転
媒質中では光は殆ど吸収されることなく多数回の
偏光面の回転をすることが分かる。例えば、104
Oeの磁界を水に印加させた状態で水中を100m通
過させるとすると、248nmの光は400×360度の偏
光面回転角が得られる。 ところで、この純水のヴエルデ定数は別表1に
示す通りであり、紫外から近赤外にかけての変化
の様子を、石英の屈折率の波長依存性と比較して
第2図に示す。第2図において、左側の縦軸にヴ
エルデ定数(V(mjn/cm・Oe))を対数関数目
盛でブロツトして示し、右側の縦軸に屈折率nを
ブロツトして示し、横軸に波長λ(um)をブロツ
トして示す。また、共鳴項の影響を受けて、紫外
部、近赤外域においてλ-2から少し外れた値を示
す様になるが、いずれもヴエルデ定数が大きくな
る方向になつていることが分かる。 このヴエルデ定数V(λ)は、固体、液体の場
合には通常 V(λ)=(a/λ2)+ΔV(λ) で与えられる。但し、aは定数、ΔV(λ)は共
鳴項で多くの場合、Δ定数V(λ)0である。
又、気体の場合には通常は V(λ)=a/λ+b/λ3 で与えられる。但し、a,bは定数である。 このように、固体又は液体の場合にはヴエルデ
定数V(λ)は波長の2乗に逆比例する関係にあ
る。従つて、波長成分に応じてフアラデー回転角
が相違する光情報の重畳信号から検光子で一方向
の直線偏光成分を検出し、得られた偏光成分信号
を光電変換により電気信号に変換し、この電気信
号を磁界強度の関数としてフーリエ逆変換してヴ
エルデ定数の関数の信号に変換し、このヴエルデ
定数の関数の信号から波長または周波数の信号を
導出してスペクトル強度分布を得ることが出来
る。 このような、フアラデー回転角の波長分散を利
用した信号をフーリエ変換してスペクトルを得る
分光法をフアラデー回転フーリエ分光法
(Faraday Rotation Fourier Transform
Spectroscopy)(FRFT分光法とも略称する)と
称する。 このスペクトルを求める原理を第1図を用いて
説明する。 第1図はこのようなフアラデー回転フーリエ分
光法を実施するために用いる分光光度計の構成の
一例を概略的に示す線図である。LSはこの分光
光度計の光源、CLは光を平行ビームにするため
のレンズ系、P1は入射光を直線偏光にする偏光
子で、P2は出射光の偏光面をP及びS成分とに
分離する偏光子で検光子と称する。PSは空芯コ
イルLに電流を流しこれにより一様な磁界をフア
ラデー回転素子に印加しかつ、求めるスペクトル
の精度が確保出来る程度の正確さで、磁界強度を
掃引出来る電源、FRは低吸収でかつヴエルデ定
数の大きなフアラデー回転素子で、この場合には
例えば水を石英容器に入れて形成したものであ
る。さらに、D1,D2は光電検出器、CPはコ
ンピユータである。さらに、図に示していない
が、平行ビームを使用しない場合に、光の回折に
よる拡がりによる容器の壁での反射を防止するた
め、光源像を順次に伝送していくためのイメージ
リレー用のレンズ系を用いることが出来る。Sは
サンプルで、光源LSからの光がこのサンプルを
通過して、被検出光となりフアラデー回転素子
FRに入射するように構成されている。 (1)単一スペクトルの場合 先ず、単一のスペクトルの場合を考える。磁界
強度Hの掃引速度kを一定とする。この掃引速度
kは必らずしも一定でなくてもよい。ひかりの電
界強度は波長に応じてヴエルデ定数Vの関数A
(V)で表わせる。フアラデー回転素子FRの長さ
をlした時の光強度変化の角周波数をω=kVlと
すると、入射光と直交する偏光成分の光の電界は
E=Asinωtで表わせる。従つて、分光光度計の
光電検出器D1の出力は磁界強度の変化に対応し
てA2(V)sin2wtの形の各々きれいな出力がそれ
ぞれ得られる。検出器D2の出力は検出D1の出力
をA2(V)から差し引いた信号となる。 (2) 2本の線スペクトルの場合 次に、線スペクトルが2本存在する場合につき
説明する。フアラデー回転素子FRを通過し、検
光子P2からの透過光の光量はA2(V)sin2
(VHL)と表わすことが出来る。V及びLはフア
ラデー回転素子FRのヴエルデ定数及び長さで、
ヴエルデ定数Vはそれぞれの波長について異つた
値を持つているので、磁界を一定の速度kで掃引
するとすれば(H=kt)、光電検出器D1の出力
は磁界強度の変化に対応してA2(V)sin2ωt(但
しω=kVl)と表わせる。ヴエルデ定数Vはそれ
ぞれの波長λ1,λ2の関数であるから、得られた信
号をA2(V1)sin2ω1t(ω1=kV1l)と、A2(V2)
sin2ω2t(ω2=kV2l)の項に分解出来れば、横
軸にヴエルデ定数Vを、縦軸に強度をブロツトし
て表わしたスペクトル分布すなわちヴエルデ定数
に基づいた強度情報が得られることになる。 第8図は2つの波長λ1=248nmと、λ2=
546.1nmの光を測定した場合の検光子P2の出力光
量を示し、Aは2つの波長の合成光量を示し、B
はこの合成光量をフーリエ逆変換して得た各波長
成分のスペクトルをそれぞれ示す。尚、第3図A
の横軸を時間軸とし、縦軸を光量とし、一定の磁
界掃引速度における一掃引時間T内での様子を示
している。波長λ1=248nmの20℃におけるヴエル
デ定数V1は1084min/cm・Oeであり、λ2=
546.1nmのヴエルデ定数V2は0.0156min/cm・Oe
と1/7程度と小さい値である。このようにヴエル
デ定数V1とV2は約7倍違うので、合成出力(第
3図A)は周期が7倍違うsin2(VHl)の関数の
重ね合わせた波形となつている。従つて、この合
成光量(第3図A)の情報を2つの波長λ1,λ2に
関するsin2(VHl)の関数に分離出来れば両波長
λ1,λ2のヴエルデ定数で表現したスペクトル(ヴ
エルデ定数に基づく強度情報)が得られる。 ところで、sin2(VHl)の結局のところ sin2(VHl)=1/2(1−cos2VHl) と書けるから、上述の2つの波長λ1,λ2に対する
スペクトルは A2(V1)sin2(V1Hl)+A2(V2)sin2(V2Hl)=
1/2〔A2(V1)+A2(V2)〕−1/2〔A2(V1)cos2
V1 Hlt+A2(V2)cos2V2Hlt〕 となり、2つの波長λ1,λ2の光量のヴエルデ定
数関数化されたものと、通常の三角関数の和の項
となるので、基本的には通常のフーリエ変換スペ
クトルの方法で合成光量を2つの波長成分に分離
することが出来る。 このように合成光量をフーリエ変換してヴエル
デ定数の関数のスペクトルが得られれば、各波長
のヴエルデ定数は既知の値であるから、ヴエルデ
定数から波長又は周波数を求めればスペクトル強
度分布が得られることとなる。 上述したようなフーリエ変換及びヴエルデ定
数/波長又は周波数の変換はコンピユータCPで
処理して行う。すなわち、これら光電検出器D
1,D2からの磁界強度に対応した偏光成分の光
量情報をコンピユータCP内のフーリエ変換手段
M1に供給し、そこでヴエルデ定数の関数として
表された強度情報に変換し、この強度情報をヴエ
ルデ定数/波長又は周波数変換手段M2に供給し
て、そこから波長又は周波数スペクトル情報を導
出する。これらフーリエ変換手段M1及びヴエル
デ定数/波長又は周波数変換手段M2は通常の回
路の組合わせで簡単に構成出来る。尚、この場
合、ヴエルデ定数/波長又は周波数変換はコンピ
ユータ処理を行わないで定数表に基づき算出して
もよい。 (3) 連続スペクトルの場合 次に、連続スペクトルの場合を説明する。第4
図は検光子P2からの一定掃引速度の場合の曲型
的な磁界掃引時の光量を示す波形図で、横軸に時
間軸を取り、縦軸に光量を取つて示し、曲線I及
びはそれぞれ検光子Pを磁界ゼロの時に透過
しないように配置した場合の、透過信号及び反射
信号である。これは理想的な場合を考えてフアラ
デー回転素子FRの媒質内での損失がないと仮定
している。この図からも明らかなように、連続ス
ペクトルに対しては次第に周期を打ち消し合つて
入射光量の1/2に漸近し、線スペクトル的成分は
周期関数となつている。 これらのフーリエ積分変換及びその逆変換の一
般的関係は、良く知られている通り、 フーリエ積分変換 g(ω)=1/2π〜∞ -∞e-i〓t(t)dt その逆変換 (t)=〜∞ -∞ei〓tg(ω)dω である。ここでω=kVlで、kは磁界Hの掃引速
度である。従つて、この場合にはωはヴエルデ定
数Vの関数であり、磁界H空間とヴエルデ定数V
空間との間のフーリエ変換にほかならない。尚、
ここで磁界の掃引速度は前述と同様に一定でなく
てもよい。 さらに、上述した各場合において、フアラデー
回転素子FRにかける磁界は光の進行する方向す
なわち軸方向成分だけが寄与するのであるから、
径方向成分が存在していても構わないが、磁界の
一様性が分解能を決める条件では軸方向成分以外
の磁界は光源を暗くする要素となるので好ましく
ない。 (発明の効果) 上述した処からも明らかなように、この発明の
フアラデー回転フーリエ分光法によれば、分光光
度計の構成成分の機械精度とか機械的振動が分解
能を決定するような構成部分を含んでいないと共
に、測定波長範囲を制御するような光学部品を含
まない手段を用いて分光できるので、分解能の向
上を図ることが出来ると共に、測定波長領域を真
空紫外領域から遠赤外領域まで可能とすることが
出来る。 さらに、この発明の分光法によればコヒーレン
ト光とかインコヒーレント光とかにかかわらず分
光可能となる。 さらに、この発明の分光法によれば、磁界の一
回の掃引時間内で分光を終えるので、極めて短時
間で測定することが出来る。 上述したようにこの発明の特徴の一つはその極
めて大きな分解能にある。物質の屈折率の差を利
用しているプリズム分光器の場合、前述のような
248nmと546nmではおのおのの屈折率は1.5085と
1.4601で、わずか3.3%の屈折率の差を利用して
いる。したがつて装置を大きくしても波長の分散
をそれほど大きくすることは不可能である。この
発明の分光法では波長範囲はフアラデー素子また
は偏光子の吸収のみで制限され、紫外、可視、近
赤外の広い範囲を一度に測定することが可能であ
る。さらに分解能はフアラデー回転の回数を増加
させれば向上することから、長大なセルを用いて
フアラデー回転素子とすれば良いのであつて、分
解能の向上は容易である。 試みに分光器の分解能の表示に常用される水銀
の発光スペクトルの近接線3131.5485A(63P1−63
D1)と3131.8391A(63P1−61D)の分離を例に取
つて考えてみる。この波長におけるヴエルデ定数
は0.0556で与えられ、ヴエルデ定数の波長による
変化率は dV=−2dλ/λ3=−2Vdλ/λ=−1.03x10-5 となる。磁界の強さを105Oeであるとすると、
52.5mの長さの純水によるフアラデー回転は90度
となり、0.2906〓の僅かな波長の差を持つた2本
の近接線スペクトルは検光子によつて完全に分離
されるだけの分解能が実現できる。更にフアラデ
ー回転の非可逆性であり、光の進む方向に関係な
く偏光面の回転は加算されるため、多パスセル内
を多重反射させて取り出せば、フアラデー回転素
子の長さを短くすることも容易となる。 フアラデー回転素子にかかる磁界は半径方向の
一様性は要求されるものの、偏光面の回転角は θ(λ)=〜l OV(λ)H(x)dx と表現することが出来るので、軸方向の磁界は光
路に沿つた磁界強度の積分量で決定されるため、
厳しい要求とはならない。むしろ安定化された
HeNeレーザや波長のよく知られた水銀の発光線
を同時、または交互に測定すれば、この測定はフ
アラデー回転角θがθ=VHlで与えられ、ヴエ
ルデ定数Vが分つているので、同時に光路におけ
る磁界強度の計測を行つたこととなり、フーリエ
変換分光光度計の較正を常時行う事になる。この
ような方法はシステムの安定性の維持、改善に非
常に有用である。またフアラデー回転そのものも
磁力線と平行の成分をもつ光にしか作用しないた
め、フアラデー回転素子内での光の平行性からの
ズレも結果に影響しないなど、多くの利点があ
る。 この発明の分光法によれば、非常に明るい状態
で分光を行うことが出来る。すなわち、回折格子
やプリズムなどの分散素子を利用する分光器で
は、入射スリツトや出射スリツトなどによる損失
が大きく、ほとんどの光を損失しながら測光する
システムであるが、それに比較してこの発明によ
る分光法に用いる分光光度計は非常に明るいと言
える。平行光として入射部の偏光子を透過した光
はフアラデー回転物質の純水による吸収または散
乱による損失以外には、如何なる損失も受けるこ
となく検受子に到達する。分離された互いに直交
する成分は加えると入射強度になり、互いに相補
的な信号で、どちらからも元のスペクトルを逆変
換して求められる点で、全ての透過光を情報とす
ることが可能な非常に明るい分光システムであ
る。 明るい分光システムとして知られている干渉計
と比較をしてみよう。可変長アームを有する紫外
可視分光光度計の製作が、実際上非常に困難であ
ることは明らかである。さらにマイケルソン干渉
計やフアブリーペロー干渉計の場合も、フリース
ペクトラルレンジ(Free spectral range)を広
く取ることと、分解能を向上させることは矛盾し
て、広い波長範囲を高い分解能で測定することは
何れかの性能を犠牲にしなければ出来ない。また
吸収測定などの通常の使用法を考えた場合、光源
は通常の白色光光源であるために、コヒーレント
長すなわち干渉可能な長さは数メートル以上にす
ることは実際上不可能で、分光器の大きさと分解
能の向上の間のスケーリング則はある範囲内でし
か成立しない。 (実施例) シミユレーシヨンに基づく実施例 実際の発光、吸収スペクトルを測定するため
に、フアラデー回転フーリエ分光法の基本的信号
波形とそのヴエルデ定数で表されたスペクトルを
計算器シミユレーシヨンによつて検討する。最も
簡単な2本の線スペクトルの分光は原理を説明す
るために先に述べたので、以下では白色光、任意
の間隔で存在している4本の線スペクトルの分
光、およびローレンツ型のスペクトル形状を持つ
の近接2重線の分光に関するシミユレーシヨン結
果を示し基本的な信号の形状およびその処理につ
いて述べる。 (a) 完全白色光 簡単のためにもし分光されるべき光がヴエルデ
定数空間(V空間)において波長に対し完全な白
色光とするならば、シミユレーシヨンを行うまで
もなくフーリエ変換項は一定となり、検光子出力
はおのおの入力光強度の2分の1で一定となる。
しかし、波長空間で波長にかかわらず強度が一定
の白色光はヴエルデ定数の波長依存性による変形
を受ける。ヴエルデ定数が完全に波長の2乗に逆
比例すると仮定すれば、V空間では入力光強度は
波長の2乗に比例したスペクトルを持つと考える
事が出来る。したがつて光電検出器で検出される
信号、それをフーリエ変換してV空間に表現され
たスペクトル、波長を横軸にとつた通常のスペク
トルは、おのおの第5図A,B,Cにそれぞれ示
した通りである。尚、第5図A,B,Cにおいて
縦軸は光量をプロツトし、横軸は時間t、ヴエル
デ定数Vおよび波長λをそれぞれプロツトして示
している。 (b) 不規則な間隔を持つた線スペクトルの集合 いま簡単な例として第6図Bに示した不等間隔
が任意の強度の4本の線スペクトルを考えて見
る。フアラデー回転フーリエ分光光度計の前にな
んらかの前置分光器をおいて、背景光を減少させ
た状態で特定のスペクトルの集団を高分解能で分
光しようとすることは普通に行われることであ
る。当然ながら第6図Aに示すような、振幅の異
なつたsin2ωtの重なり合つた信号が光電検出器で
検出される。検光子の清光比が無限に大きく直交
成分を全く透過させないならば、検出されるべき
時間変化情報のサンプリング範囲はそれほど大き
くなくとも、正確なスペクトルに変換することが
出来る。しかし実際使用している検光子の消光比
が若干精度が不足している場合にも、サンプリン
グ範囲を広げることでこれら装置上の分解能低下
の要因を補正することも可能で、この点でもスケ
ーリング則は有効である。尚、第6図A,Bの縦
軸は光量をプロツトして示し、横軸はそれぞれ時
間tおよびヴエルデ定数Vをプロツトして示して
いる。 (c) 有限の線幅を有する近接2重線スペクトル 高分解の分光器を使用して測定しようとする場
合、線スペクトルは実際上ドプラー幅や圧力幅、
微細構造などに起因する何等かのスペクトル形状
を持つている。真に高分解能の分光を目指すなら
ばこれらの非常に細いスペクトルの形状を正確に
測定することは大きな意義がある。水銀の近接2
重線の例を用いてフアラデー回転フーリエ分光法
が如何に高分解能で、また他の分光法と比べてス
ケーリング則が有効で超高分解能の分光器を構成
する事が原理的に可能であるかといつた点に関す
る説明は、前述の説明の通りである。このような
場合の信号の様子を検討するため、仮想的な近接
2重線スペクトルを検討した。簡単のため、スペ
クトルの形状はローレンツ型をしていると仮定し
た。この場合には第7図Aに透過光信号を示し、
第7図Bにフーリエ変換して得られたスペクトル
を示す。これら図より明らかなように線スペクト
ルで決まる周期的信号の上に、スペクトルの裾野
部分に起因する細かい振動を有する信号となる。 これら(a)〜(c)の解析の示している事実は、フー
リエ分光法そのものであることを示しており、通
常の光の干渉を利用した赤外フーリエ分光法など
と異なる点の1つは、白色光成分が次第にゼロレ
ベルにではなく、入射光量の2分の1に漸近する
といつた点にある。また、もう一つの特徴は干渉
現象などを利用していないので、線スペクトル
の、光電検出器で検出された信号は減衰をしない
周期信号となることで、コヒーレント長で制限さ
れる干渉法と異なつている。 (まとめ) この発明では従来の分散素子を用いた分光や干
渉分光法とは全く異なつた新しい原理に基づくフ
アラデー回転フーリエ分光法を提案した。純水を
フアラデー回転素子として用いた時の検討によれ
ば、屈折率分散に比較して基本的に数10倍から数
100倍以上の波長分散を有するヴエルデ定数を利
用することにより、本質的に高分解能で分光出来
ることが分かつた。また原理的に光損失が少ない
システムで、かつ干渉効果などを利用していない
システムなので、大きなスケーリング則が成立
し、大型装置を建設して超高分解能の分光実験を
行えば、紫外から近赤外域におけるスペクトルの
精度を大幅に向上させることが出来ると期待でき
る。また、一方赤外フーリエ分光器を併用すれ
ば、紫外から赤外にいたる光学的分光法は従来の
ものと一変し、全領域をフーリエ型の分光器でカ
バーし、一貫して測定することが可能になつた。 さらに、フアラデー回転フーリエ分光法は、従
来から十分技術的に確率されている光学、電気、
計算機技術の組み合せのみによつて実行出来る。
このことは実際の装置の製作に当つて、なんら特
別に困難な技術的革新がなくても、大幅に性能の
向上した分光器が製作可能だということに大きな
意味がある。 【表】
なわち、従来分光手段として用いられていなかつ
たフアラデー回転という現象を利用したフアラデ
ー回転フーリエ分光法に関する。 (従来の技術) 従来の分光法としてA回折格子、プリズムなど
の分光法を用いた分光法、B干渉分光計を用いた
分光法、波長可変レーザーなどによるコヒーレン
ト効果を利用した分光法などがある。 これら分光法は測定対象によつて分解能の程度
は異なるが、理論的にはいづれも非常に高分解能
にすることが可能であるが、Aの分光法では、巨
大な回折格子やプリズムを光の波長の100分の一
程度の精度で製作することが必要となり、また、
数十mの大きさの距離の間の振動を波長程度に抑
えるなどの必要があり、実際上は現実が極めて困
難であつた。また、Bの分光法では光源や鏡或い
はその可動部分を無限に精度良く構成することが
出来れば分解能はコヒーレント長の範囲で向上す
るが、現実的でない。 また、Cの分光法はコヒーレント分光と呼ばれ
る範囲内で使用される場合があることと、光源が
レーザであることから、一般にはコヒーレント光
の分光に限定されている。 明るさについては、Aの分光法では、明るさは
測定対象(発光の場合)や光源の輝度で決定され
る要素があると共に、レーザ光などの分光では分
光器または分光計に入射する全ての光を取込むこ
とも一概に不可能であると言えないため、明るい
場合と暗い場合とがある。しかし、一般的な使用
条件では入射スリツトトで大部分の光を損失し、
解折格子の大きさもそれほど大きくないので、F
値はあまり大きく取れないのが現状である。ま
た、Bの分光法では明るいものが可能で、このた
め赤外フリーエ分光光度計などが広く用いられて
いる。但し、ここで用いている原理では、短波長
例えば紫外域に適用するには機械精度上、分光光
度計の製作が極めて困難である。 (発明が解決すべき問題点) しかしながら、これら分光法に用いる分光器に
は構成部品の機械精度及び機械的振動が分解能を
決定するような構成部品を含んでいるので、超高
精度の分解能を得ることが出来ないという欠点が
あると共に、多くの場合には鏡、プリズム、回折
格子などの光学部品を使用した構成となつている
ので、測定波長範囲がこれら光学部品で限定され
てしまつていたという欠点があつた。 この発明の目的は、機械的振動となるような構
成部品とか、測定波長範囲に制限を加えてしまう
光学部品とかを用いずに、真空紫外領域から遠赤
外領域まで測定可能にした、新しい原理に基づく
分光法を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 従つて、この発明によれば、被検出光を偏光さ
せた後磁界がかけられたフアラデー回転媒質中に
導き、 該フアラデー回転媒質中で該偏光の偏光面が複
数回回転させて波長によつて回転角が相違する波
長情報の重畳信号を取り出し、 該重畳信号から特定の偏光成分を分離し、 該偏光成分から磁界強度に対応した該偏光成分
の光量を検出し、 該光量を該磁界強度に基づいてフーリエ逆変換
を行つてヴエルデ定数に基づいた強度情報に変換
し、 該ヴエルデ情報から波長又は周波数スペクトル
情報に変換して被検出光を分光することを特徴と
する。 (作用) このように、この発明による分光法によれば、
フアラデー回転媒質中で光の偏光面を2回〜多数
回のような複数回回転させた結果、波長によるフ
アラデー回転角の違いを磁界強度の変化の関数と
して求め、これを一旦ヴエルデ定数の関数に変換
してからさらに波長、周波数の関数(すなわちス
ペクトル強度分布)を求める方法である。従つ
て、この発明は従来の屈折率分散(プリズム)、
回折現象の角度分散(回折格子)、光の干渉効果
(干渉計)とは全く異なつた性質を利用しており、
分光の原理が従来とは異なる点に特色がある。以
下、この原理を説明する。 フアラデー回転フーリエ分光法の原理 この発明に用いるフアラデー回転媒質は原理的
には対象となる光の波長に対して透明であるかま
たは光が検出可能な程度の透過率を有する媒質で
あれば良い。フアラデー回転はどのような物質で
も大なり小なりヴエルデ定数の大きさに応じて起
る基本的な現象である。 このヴエルデ定数は種々の物質について測定さ
れており、例えば、液体についてはその一部分を
別表1に示す通りである。従つて、媒質として紫
外から近赤外まで透明であるという理由で例えば
純水を使用しても良く、或いは、この表には掲載
されていないが、短波長域で吸収が少ないという
理由でHeガスのような稀ガスのような気体を使
用しても良い。 今、純水を例に取つて説明する。水は少なくと
も0.19umの紫外線から1umの赤外線にわたる範
囲で透明である。特に、水の場合には、その透過
距離は不純物の濃度で決められている程度であ
り、純水では100mの透過長を取ることが容易で
ある。しかも、紫外から可視域の光の検出に光電
子倍管を使用することが出来るので、その場合に
は水中での透過距離を非常に長大例えば10Kmとし
ても測定が可能となる。 一方、純水のフアラデー回転について実験を行
つて調べたところ、104Oe程度の磁場の印加で約
5cmの純水によつて90度の偏光面の回転が得られ
ることが確認された。 これらの事実から、例えば100mとか場合によ
つてはそれ以上の非常に長い水のフアラデー回転
媒質中では光は殆ど吸収されることなく多数回の
偏光面の回転をすることが分かる。例えば、104
Oeの磁界を水に印加させた状態で水中を100m通
過させるとすると、248nmの光は400×360度の偏
光面回転角が得られる。 ところで、この純水のヴエルデ定数は別表1に
示す通りであり、紫外から近赤外にかけての変化
の様子を、石英の屈折率の波長依存性と比較して
第2図に示す。第2図において、左側の縦軸にヴ
エルデ定数(V(mjn/cm・Oe))を対数関数目
盛でブロツトして示し、右側の縦軸に屈折率nを
ブロツトして示し、横軸に波長λ(um)をブロツ
トして示す。また、共鳴項の影響を受けて、紫外
部、近赤外域においてλ-2から少し外れた値を示
す様になるが、いずれもヴエルデ定数が大きくな
る方向になつていることが分かる。 このヴエルデ定数V(λ)は、固体、液体の場
合には通常 V(λ)=(a/λ2)+ΔV(λ) で与えられる。但し、aは定数、ΔV(λ)は共
鳴項で多くの場合、Δ定数V(λ)0である。
又、気体の場合には通常は V(λ)=a/λ+b/λ3 で与えられる。但し、a,bは定数である。 このように、固体又は液体の場合にはヴエルデ
定数V(λ)は波長の2乗に逆比例する関係にあ
る。従つて、波長成分に応じてフアラデー回転角
が相違する光情報の重畳信号から検光子で一方向
の直線偏光成分を検出し、得られた偏光成分信号
を光電変換により電気信号に変換し、この電気信
号を磁界強度の関数としてフーリエ逆変換してヴ
エルデ定数の関数の信号に変換し、このヴエルデ
定数の関数の信号から波長または周波数の信号を
導出してスペクトル強度分布を得ることが出来
る。 このような、フアラデー回転角の波長分散を利
用した信号をフーリエ変換してスペクトルを得る
分光法をフアラデー回転フーリエ分光法
(Faraday Rotation Fourier Transform
Spectroscopy)(FRFT分光法とも略称する)と
称する。 このスペクトルを求める原理を第1図を用いて
説明する。 第1図はこのようなフアラデー回転フーリエ分
光法を実施するために用いる分光光度計の構成の
一例を概略的に示す線図である。LSはこの分光
光度計の光源、CLは光を平行ビームにするため
のレンズ系、P1は入射光を直線偏光にする偏光
子で、P2は出射光の偏光面をP及びS成分とに
分離する偏光子で検光子と称する。PSは空芯コ
イルLに電流を流しこれにより一様な磁界をフア
ラデー回転素子に印加しかつ、求めるスペクトル
の精度が確保出来る程度の正確さで、磁界強度を
掃引出来る電源、FRは低吸収でかつヴエルデ定
数の大きなフアラデー回転素子で、この場合には
例えば水を石英容器に入れて形成したものであ
る。さらに、D1,D2は光電検出器、CPはコ
ンピユータである。さらに、図に示していない
が、平行ビームを使用しない場合に、光の回折に
よる拡がりによる容器の壁での反射を防止するた
め、光源像を順次に伝送していくためのイメージ
リレー用のレンズ系を用いることが出来る。Sは
サンプルで、光源LSからの光がこのサンプルを
通過して、被検出光となりフアラデー回転素子
FRに入射するように構成されている。 (1)単一スペクトルの場合 先ず、単一のスペクトルの場合を考える。磁界
強度Hの掃引速度kを一定とする。この掃引速度
kは必らずしも一定でなくてもよい。ひかりの電
界強度は波長に応じてヴエルデ定数Vの関数A
(V)で表わせる。フアラデー回転素子FRの長さ
をlした時の光強度変化の角周波数をω=kVlと
すると、入射光と直交する偏光成分の光の電界は
E=Asinωtで表わせる。従つて、分光光度計の
光電検出器D1の出力は磁界強度の変化に対応し
てA2(V)sin2wtの形の各々きれいな出力がそれ
ぞれ得られる。検出器D2の出力は検出D1の出力
をA2(V)から差し引いた信号となる。 (2) 2本の線スペクトルの場合 次に、線スペクトルが2本存在する場合につき
説明する。フアラデー回転素子FRを通過し、検
光子P2からの透過光の光量はA2(V)sin2
(VHL)と表わすことが出来る。V及びLはフア
ラデー回転素子FRのヴエルデ定数及び長さで、
ヴエルデ定数Vはそれぞれの波長について異つた
値を持つているので、磁界を一定の速度kで掃引
するとすれば(H=kt)、光電検出器D1の出力
は磁界強度の変化に対応してA2(V)sin2ωt(但
しω=kVl)と表わせる。ヴエルデ定数Vはそれ
ぞれの波長λ1,λ2の関数であるから、得られた信
号をA2(V1)sin2ω1t(ω1=kV1l)と、A2(V2)
sin2ω2t(ω2=kV2l)の項に分解出来れば、横
軸にヴエルデ定数Vを、縦軸に強度をブロツトし
て表わしたスペクトル分布すなわちヴエルデ定数
に基づいた強度情報が得られることになる。 第8図は2つの波長λ1=248nmと、λ2=
546.1nmの光を測定した場合の検光子P2の出力光
量を示し、Aは2つの波長の合成光量を示し、B
はこの合成光量をフーリエ逆変換して得た各波長
成分のスペクトルをそれぞれ示す。尚、第3図A
の横軸を時間軸とし、縦軸を光量とし、一定の磁
界掃引速度における一掃引時間T内での様子を示
している。波長λ1=248nmの20℃におけるヴエル
デ定数V1は1084min/cm・Oeであり、λ2=
546.1nmのヴエルデ定数V2は0.0156min/cm・Oe
と1/7程度と小さい値である。このようにヴエル
デ定数V1とV2は約7倍違うので、合成出力(第
3図A)は周期が7倍違うsin2(VHl)の関数の
重ね合わせた波形となつている。従つて、この合
成光量(第3図A)の情報を2つの波長λ1,λ2に
関するsin2(VHl)の関数に分離出来れば両波長
λ1,λ2のヴエルデ定数で表現したスペクトル(ヴ
エルデ定数に基づく強度情報)が得られる。 ところで、sin2(VHl)の結局のところ sin2(VHl)=1/2(1−cos2VHl) と書けるから、上述の2つの波長λ1,λ2に対する
スペクトルは A2(V1)sin2(V1Hl)+A2(V2)sin2(V2Hl)=
1/2〔A2(V1)+A2(V2)〕−1/2〔A2(V1)cos2
V1 Hlt+A2(V2)cos2V2Hlt〕 となり、2つの波長λ1,λ2の光量のヴエルデ定
数関数化されたものと、通常の三角関数の和の項
となるので、基本的には通常のフーリエ変換スペ
クトルの方法で合成光量を2つの波長成分に分離
することが出来る。 このように合成光量をフーリエ変換してヴエル
デ定数の関数のスペクトルが得られれば、各波長
のヴエルデ定数は既知の値であるから、ヴエルデ
定数から波長又は周波数を求めればスペクトル強
度分布が得られることとなる。 上述したようなフーリエ変換及びヴエルデ定
数/波長又は周波数の変換はコンピユータCPで
処理して行う。すなわち、これら光電検出器D
1,D2からの磁界強度に対応した偏光成分の光
量情報をコンピユータCP内のフーリエ変換手段
M1に供給し、そこでヴエルデ定数の関数として
表された強度情報に変換し、この強度情報をヴエ
ルデ定数/波長又は周波数変換手段M2に供給し
て、そこから波長又は周波数スペクトル情報を導
出する。これらフーリエ変換手段M1及びヴエル
デ定数/波長又は周波数変換手段M2は通常の回
路の組合わせで簡単に構成出来る。尚、この場
合、ヴエルデ定数/波長又は周波数変換はコンピ
ユータ処理を行わないで定数表に基づき算出して
もよい。 (3) 連続スペクトルの場合 次に、連続スペクトルの場合を説明する。第4
図は検光子P2からの一定掃引速度の場合の曲型
的な磁界掃引時の光量を示す波形図で、横軸に時
間軸を取り、縦軸に光量を取つて示し、曲線I及
びはそれぞれ検光子Pを磁界ゼロの時に透過
しないように配置した場合の、透過信号及び反射
信号である。これは理想的な場合を考えてフアラ
デー回転素子FRの媒質内での損失がないと仮定
している。この図からも明らかなように、連続ス
ペクトルに対しては次第に周期を打ち消し合つて
入射光量の1/2に漸近し、線スペクトル的成分は
周期関数となつている。 これらのフーリエ積分変換及びその逆変換の一
般的関係は、良く知られている通り、 フーリエ積分変換 g(ω)=1/2π〜∞ -∞e-i〓t(t)dt その逆変換 (t)=〜∞ -∞ei〓tg(ω)dω である。ここでω=kVlで、kは磁界Hの掃引速
度である。従つて、この場合にはωはヴエルデ定
数Vの関数であり、磁界H空間とヴエルデ定数V
空間との間のフーリエ変換にほかならない。尚、
ここで磁界の掃引速度は前述と同様に一定でなく
てもよい。 さらに、上述した各場合において、フアラデー
回転素子FRにかける磁界は光の進行する方向す
なわち軸方向成分だけが寄与するのであるから、
径方向成分が存在していても構わないが、磁界の
一様性が分解能を決める条件では軸方向成分以外
の磁界は光源を暗くする要素となるので好ましく
ない。 (発明の効果) 上述した処からも明らかなように、この発明の
フアラデー回転フーリエ分光法によれば、分光光
度計の構成成分の機械精度とか機械的振動が分解
能を決定するような構成部分を含んでいないと共
に、測定波長範囲を制御するような光学部品を含
まない手段を用いて分光できるので、分解能の向
上を図ることが出来ると共に、測定波長領域を真
空紫外領域から遠赤外領域まで可能とすることが
出来る。 さらに、この発明の分光法によればコヒーレン
ト光とかインコヒーレント光とかにかかわらず分
光可能となる。 さらに、この発明の分光法によれば、磁界の一
回の掃引時間内で分光を終えるので、極めて短時
間で測定することが出来る。 上述したようにこの発明の特徴の一つはその極
めて大きな分解能にある。物質の屈折率の差を利
用しているプリズム分光器の場合、前述のような
248nmと546nmではおのおのの屈折率は1.5085と
1.4601で、わずか3.3%の屈折率の差を利用して
いる。したがつて装置を大きくしても波長の分散
をそれほど大きくすることは不可能である。この
発明の分光法では波長範囲はフアラデー素子また
は偏光子の吸収のみで制限され、紫外、可視、近
赤外の広い範囲を一度に測定することが可能であ
る。さらに分解能はフアラデー回転の回数を増加
させれば向上することから、長大なセルを用いて
フアラデー回転素子とすれば良いのであつて、分
解能の向上は容易である。 試みに分光器の分解能の表示に常用される水銀
の発光スペクトルの近接線3131.5485A(63P1−63
D1)と3131.8391A(63P1−61D)の分離を例に取
つて考えてみる。この波長におけるヴエルデ定数
は0.0556で与えられ、ヴエルデ定数の波長による
変化率は dV=−2dλ/λ3=−2Vdλ/λ=−1.03x10-5 となる。磁界の強さを105Oeであるとすると、
52.5mの長さの純水によるフアラデー回転は90度
となり、0.2906〓の僅かな波長の差を持つた2本
の近接線スペクトルは検光子によつて完全に分離
されるだけの分解能が実現できる。更にフアラデ
ー回転の非可逆性であり、光の進む方向に関係な
く偏光面の回転は加算されるため、多パスセル内
を多重反射させて取り出せば、フアラデー回転素
子の長さを短くすることも容易となる。 フアラデー回転素子にかかる磁界は半径方向の
一様性は要求されるものの、偏光面の回転角は θ(λ)=〜l OV(λ)H(x)dx と表現することが出来るので、軸方向の磁界は光
路に沿つた磁界強度の積分量で決定されるため、
厳しい要求とはならない。むしろ安定化された
HeNeレーザや波長のよく知られた水銀の発光線
を同時、または交互に測定すれば、この測定はフ
アラデー回転角θがθ=VHlで与えられ、ヴエ
ルデ定数Vが分つているので、同時に光路におけ
る磁界強度の計測を行つたこととなり、フーリエ
変換分光光度計の較正を常時行う事になる。この
ような方法はシステムの安定性の維持、改善に非
常に有用である。またフアラデー回転そのものも
磁力線と平行の成分をもつ光にしか作用しないた
め、フアラデー回転素子内での光の平行性からの
ズレも結果に影響しないなど、多くの利点があ
る。 この発明の分光法によれば、非常に明るい状態
で分光を行うことが出来る。すなわち、回折格子
やプリズムなどの分散素子を利用する分光器で
は、入射スリツトや出射スリツトなどによる損失
が大きく、ほとんどの光を損失しながら測光する
システムであるが、それに比較してこの発明によ
る分光法に用いる分光光度計は非常に明るいと言
える。平行光として入射部の偏光子を透過した光
はフアラデー回転物質の純水による吸収または散
乱による損失以外には、如何なる損失も受けるこ
となく検受子に到達する。分離された互いに直交
する成分は加えると入射強度になり、互いに相補
的な信号で、どちらからも元のスペクトルを逆変
換して求められる点で、全ての透過光を情報とす
ることが可能な非常に明るい分光システムであ
る。 明るい分光システムとして知られている干渉計
と比較をしてみよう。可変長アームを有する紫外
可視分光光度計の製作が、実際上非常に困難であ
ることは明らかである。さらにマイケルソン干渉
計やフアブリーペロー干渉計の場合も、フリース
ペクトラルレンジ(Free spectral range)を広
く取ることと、分解能を向上させることは矛盾し
て、広い波長範囲を高い分解能で測定することは
何れかの性能を犠牲にしなければ出来ない。また
吸収測定などの通常の使用法を考えた場合、光源
は通常の白色光光源であるために、コヒーレント
長すなわち干渉可能な長さは数メートル以上にす
ることは実際上不可能で、分光器の大きさと分解
能の向上の間のスケーリング則はある範囲内でし
か成立しない。 (実施例) シミユレーシヨンに基づく実施例 実際の発光、吸収スペクトルを測定するため
に、フアラデー回転フーリエ分光法の基本的信号
波形とそのヴエルデ定数で表されたスペクトルを
計算器シミユレーシヨンによつて検討する。最も
簡単な2本の線スペクトルの分光は原理を説明す
るために先に述べたので、以下では白色光、任意
の間隔で存在している4本の線スペクトルの分
光、およびローレンツ型のスペクトル形状を持つ
の近接2重線の分光に関するシミユレーシヨン結
果を示し基本的な信号の形状およびその処理につ
いて述べる。 (a) 完全白色光 簡単のためにもし分光されるべき光がヴエルデ
定数空間(V空間)において波長に対し完全な白
色光とするならば、シミユレーシヨンを行うまで
もなくフーリエ変換項は一定となり、検光子出力
はおのおの入力光強度の2分の1で一定となる。
しかし、波長空間で波長にかかわらず強度が一定
の白色光はヴエルデ定数の波長依存性による変形
を受ける。ヴエルデ定数が完全に波長の2乗に逆
比例すると仮定すれば、V空間では入力光強度は
波長の2乗に比例したスペクトルを持つと考える
事が出来る。したがつて光電検出器で検出される
信号、それをフーリエ変換してV空間に表現され
たスペクトル、波長を横軸にとつた通常のスペク
トルは、おのおの第5図A,B,Cにそれぞれ示
した通りである。尚、第5図A,B,Cにおいて
縦軸は光量をプロツトし、横軸は時間t、ヴエル
デ定数Vおよび波長λをそれぞれプロツトして示
している。 (b) 不規則な間隔を持つた線スペクトルの集合 いま簡単な例として第6図Bに示した不等間隔
が任意の強度の4本の線スペクトルを考えて見
る。フアラデー回転フーリエ分光光度計の前にな
んらかの前置分光器をおいて、背景光を減少させ
た状態で特定のスペクトルの集団を高分解能で分
光しようとすることは普通に行われることであ
る。当然ながら第6図Aに示すような、振幅の異
なつたsin2ωtの重なり合つた信号が光電検出器で
検出される。検光子の清光比が無限に大きく直交
成分を全く透過させないならば、検出されるべき
時間変化情報のサンプリング範囲はそれほど大き
くなくとも、正確なスペクトルに変換することが
出来る。しかし実際使用している検光子の消光比
が若干精度が不足している場合にも、サンプリン
グ範囲を広げることでこれら装置上の分解能低下
の要因を補正することも可能で、この点でもスケ
ーリング則は有効である。尚、第6図A,Bの縦
軸は光量をプロツトして示し、横軸はそれぞれ時
間tおよびヴエルデ定数Vをプロツトして示して
いる。 (c) 有限の線幅を有する近接2重線スペクトル 高分解の分光器を使用して測定しようとする場
合、線スペクトルは実際上ドプラー幅や圧力幅、
微細構造などに起因する何等かのスペクトル形状
を持つている。真に高分解能の分光を目指すなら
ばこれらの非常に細いスペクトルの形状を正確に
測定することは大きな意義がある。水銀の近接2
重線の例を用いてフアラデー回転フーリエ分光法
が如何に高分解能で、また他の分光法と比べてス
ケーリング則が有効で超高分解能の分光器を構成
する事が原理的に可能であるかといつた点に関す
る説明は、前述の説明の通りである。このような
場合の信号の様子を検討するため、仮想的な近接
2重線スペクトルを検討した。簡単のため、スペ
クトルの形状はローレンツ型をしていると仮定し
た。この場合には第7図Aに透過光信号を示し、
第7図Bにフーリエ変換して得られたスペクトル
を示す。これら図より明らかなように線スペクト
ルで決まる周期的信号の上に、スペクトルの裾野
部分に起因する細かい振動を有する信号となる。 これら(a)〜(c)の解析の示している事実は、フー
リエ分光法そのものであることを示しており、通
常の光の干渉を利用した赤外フーリエ分光法など
と異なる点の1つは、白色光成分が次第にゼロレ
ベルにではなく、入射光量の2分の1に漸近する
といつた点にある。また、もう一つの特徴は干渉
現象などを利用していないので、線スペクトル
の、光電検出器で検出された信号は減衰をしない
周期信号となることで、コヒーレント長で制限さ
れる干渉法と異なつている。 (まとめ) この発明では従来の分散素子を用いた分光や干
渉分光法とは全く異なつた新しい原理に基づくフ
アラデー回転フーリエ分光法を提案した。純水を
フアラデー回転素子として用いた時の検討によれ
ば、屈折率分散に比較して基本的に数10倍から数
100倍以上の波長分散を有するヴエルデ定数を利
用することにより、本質的に高分解能で分光出来
ることが分かつた。また原理的に光損失が少ない
システムで、かつ干渉効果などを利用していない
システムなので、大きなスケーリング則が成立
し、大型装置を建設して超高分解能の分光実験を
行えば、紫外から近赤外域におけるスペクトルの
精度を大幅に向上させることが出来ると期待でき
る。また、一方赤外フーリエ分光器を併用すれ
ば、紫外から赤外にいたる光学的分光法は従来の
ものと一変し、全領域をフーリエ型の分光器でカ
バーし、一貫して測定することが可能になつた。 さらに、フアラデー回転フーリエ分光法は、従
来から十分技術的に確率されている光学、電気、
計算機技術の組み合せのみによつて実行出来る。
このことは実際の装置の製作に当つて、なんら特
別に困難な技術的革新がなくても、大幅に性能の
向上した分光器が製作可能だということに大きな
意味がある。 【表】
第1図はこの発明のフアラデー回転フーリエ分
光法の原理を説明するための分光光度計を示す線
図、第2図は水のヴエルデ定数を示す曲線図、第
3図A及びBはこの発明の説明に供する検光子か
らの合成光量及びこれから得られた波長成分のス
ペクトルをそれぞれ示す曲線図、第4図はこの発
明の説明に供する検光子からの光量を示す曲線
図、第5図A,B及びC〜第7図A及びBはこの
発明の計算機シミユレーシヨンによる実施例をそ
れぞれ示す曲線である。 LS……光源、CL……レンズ系、P1……偏光
子、P2……検光子(又は偏光子)、FA……フア
ラデー回転素子、PS……電源、D1,D2……
光電検出器、CP……コンピユータ、M1……フ
ーリエ変換手段、M2……ヴエルデ定数/波長又
は周波数変換手段。
光法の原理を説明するための分光光度計を示す線
図、第2図は水のヴエルデ定数を示す曲線図、第
3図A及びBはこの発明の説明に供する検光子か
らの合成光量及びこれから得られた波長成分のス
ペクトルをそれぞれ示す曲線図、第4図はこの発
明の説明に供する検光子からの光量を示す曲線
図、第5図A,B及びC〜第7図A及びBはこの
発明の計算機シミユレーシヨンによる実施例をそ
れぞれ示す曲線である。 LS……光源、CL……レンズ系、P1……偏光
子、P2……検光子(又は偏光子)、FA……フア
ラデー回転素子、PS……電源、D1,D2……
光電検出器、CP……コンピユータ、M1……フ
ーリエ変換手段、M2……ヴエルデ定数/波長又
は周波数変換手段。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 被検出光を偏光させた後磁界がかけられたフ
アラデー回転媒質中に導き、 該フアラデー回転媒質中で該偏光の偏光面を複
数回回転させて波長によつて回転角が相違する波
長情報の重畳信号を取り出し、 該重畳信号から特定の偏光成分を分離し、 該偏光成分から磁界強度に対応した該偏光成分
の光量を検出し、 該光量を該磁界強度に基づいてフーリエ逆変換
を行つてヴエルデ定数に基づいた強度情報に変換
し、 該ヴエルデ情報から波長又は周波数スペクトル
情報に変換して被検出光を分光することを特徴と
するフアラデー回転フーリエ分光法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25525384A JPS61132829A (ja) | 1984-12-01 | 1984-12-01 | フアラデ−回転フ−リエ分光法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25525384A JPS61132829A (ja) | 1984-12-01 | 1984-12-01 | フアラデ−回転フ−リエ分光法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61132829A JPS61132829A (ja) | 1986-06-20 |
| JPH0458892B2 true JPH0458892B2 (ja) | 1992-09-18 |
Family
ID=17276169
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25525384A Granted JPS61132829A (ja) | 1984-12-01 | 1984-12-01 | フアラデ−回転フ−リエ分光法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61132829A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN202195882U (zh) * | 2011-08-12 | 2012-04-18 | 谭成忠 | 一种无可动机械部件的傅立叶变换光谱仪 |
| CN102313597B (zh) * | 2011-08-12 | 2013-04-17 | 谭成忠 | 一种无可动机械部件的傅立叶变换光谱仪 |
-
1984
- 1984-12-01 JP JP25525384A patent/JPS61132829A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61132829A (ja) | 1986-06-20 |
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