JPH0468372B2 - - Google Patents
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- JPH0468372B2 JPH0468372B2 JP58031792A JP3179283A JPH0468372B2 JP H0468372 B2 JPH0468372 B2 JP H0468372B2 JP 58031792 A JP58031792 A JP 58031792A JP 3179283 A JP3179283 A JP 3179283A JP H0468372 B2 JPH0468372 B2 JP H0468372B2
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Description
〔発明の目的〕
(産業上の利用分野)
本発明は微小変位制御素子に好適な磁歪合金に
関する。 (従来の技術) 近年、機械工作における加工精度の向上は目覚
しくミクロンオーダーの次元からサブミクロンオ
ーダーの次元に入りつつあるが、このことは電子
デバイスの分野では既に珍しくない状況である。 また、メカトロニクスの時代を迎えるに及ん
で、超微細加工、微小変位制御にかかる問題は上
記した電子工学の分野のみならず機械工学の分野
でも重要視されるに至つている。 すなわち、計測装置、各種の機械装置にあつ
ては温度変化による各構成部材の変位が不可避で
あり、例えば、インバー形合金のような極端に熱
膨脹の小さい材料を用いた場合は別にして、通常
は、10ppm/℃程度の変位は常に起り得ること、
各種装置がフレキシブルな可動部分(例ええば
ジヨイント)、回転部分(例えば歯車、モータ)
を備えている場合には部材間の接触の遊びによる
誤差を不可避的に必要とすること、一般に金属
は荷重下の変形に対しては履歴を示すこと、各
種装置を機械的振動から自由にすることは限度が
あり、とくに装置そのものが振動発生源を内蔵し
ている場合、振動及びそれに起因する距離変動を
防止することは原理的に不可能であること、など
の問題からして、微小変位制御素子は必要とされ
る。 更には、光情報処理、光記録機器の急速な発達
に伴なつて、微小変位制御素子の必要性はますま
す高まつている。 従来から、かかる微小変位制御素子としては、
変位発生部の態様によつて第1表に示すような形
式のものが提案され実用に供されている。
関する。 (従来の技術) 近年、機械工作における加工精度の向上は目覚
しくミクロンオーダーの次元からサブミクロンオ
ーダーの次元に入りつつあるが、このことは電子
デバイスの分野では既に珍しくない状況である。 また、メカトロニクスの時代を迎えるに及ん
で、超微細加工、微小変位制御にかかる問題は上
記した電子工学の分野のみならず機械工学の分野
でも重要視されるに至つている。 すなわち、計測装置、各種の機械装置にあつ
ては温度変化による各構成部材の変位が不可避で
あり、例えば、インバー形合金のような極端に熱
膨脹の小さい材料を用いた場合は別にして、通常
は、10ppm/℃程度の変位は常に起り得ること、
各種装置がフレキシブルな可動部分(例ええば
ジヨイント)、回転部分(例えば歯車、モータ)
を備えている場合には部材間の接触の遊びによる
誤差を不可避的に必要とすること、一般に金属
は荷重下の変形に対しては履歴を示すこと、各
種装置を機械的振動から自由にすることは限度が
あり、とくに装置そのものが振動発生源を内蔵し
ている場合、振動及びそれに起因する距離変動を
防止することは原理的に不可能であること、など
の問題からして、微小変位制御素子は必要とされ
る。 更には、光情報処理、光記録機器の急速な発達
に伴なつて、微小変位制御素子の必要性はますま
す高まつている。 従来から、かかる微小変位制御素子としては、
変位発生部の態様によつて第1表に示すような形
式のものが提案され実用に供されている。
(課題を解決するための手段)
本発明の磁歪合金は、例えば、中空状に巻装さ
れた磁性コイルと、該磁性コイルの中空部に同軸
的に挿入されて変位移動する変位発生部材とを備
えた微小変位制御素子の変位発生部材として用い
られるもので、鉄(Fe)13.0〜40重量%、マンガ
ン(Mn)0.01〜16.4重量%、テルビウム(Tb)
0.1〜25重量%、残部は実質的にデイスプロシウ
ム(Dy)からなり、かつ主相が立方晶ラーベス
化合物であり、この立方晶ラーベス化合物の略
[111]方向に結晶配向たことを特徴とする磁歪合
金である。 まず、本発明合金を用いた制御素子の一構造例
を第1図に則して説明する。 第1図で1は棒状の変位発生部材、2は該変位
発生部磁化して長さ変位を発生させるための励磁
コイルである。励磁コイル2は所定径の導線(例
えばホルマル銅線)を必要回数巻回しその内部を
中空にして構成される。このときのコイルの巻回
数は、変位発生部材1に作成させるべき磁界の強
さとの関係から決められる。磁性コイル2の中空
部には、所定長さを有する磁性合金の棒状が同軸
的に挿入されて変位発生部材1を構成する。この
ときの該変位発生部材1の長さは、制御すべき変
位の大きさ及び該部材の磁歪の大きさとの関係か
ら決められる。また、変位発性部材1は、励磁コ
イルの2の中空部の中では潤滑性能に富む例えば
ボールベアリング、黒鉛材、テフロン材のような
軸受材3によつて支持されていて、軸方向の変位
が生じた場合でも容易に滑動できるようになつて
いる。変位発生部材1の変位量は、該部材の端部
に当接して配設される例えば軟磁鉄製の第1の変
位伝達軸4及びつづいて該伝達軸4の端部に当接
する例えば非磁性ステンレススチール製の第2の
変位伝達軸5を介して系外に伝達される。 磁性コイル2の外周には、変位発生部材1に磁
界を印加したときその両端部からの磁束もれを防
止するために、更には、変位発生部材1に生起す
る反磁界を制御若しくは消去して磁性コイル2の
作用効率を高めるために、例えば軟磁鉄で構成し
たヨークを配設することが好ましい。 更には、励磁コイル2で変位発生部1を磁化す
るに先立ち、予め該変位発生部材1をある程度磁
化してその線形性が良好な磁歪特性領域で使用す
るために、励磁コイル2の外周にバイアスコイル
6を配設することが一層好ましい。また、永久磁
石でもよい。 以下に磁歪合金につき詳細に説明する。 まず、Tb、Dyか極めて大きい結晶異方性を有
する希土類元素であつて、磁性合金の磁歪特性を
高めるために必須な成分である。しかしながら、
Tb単体、Dy単体はTbとDyのみから成る合金は、
いずれも低温領域では優れた磁歪特性を示すけれ
ども、室温以上の温度領域では磁歪を示さないと
いう問題点を有する。 一方、Tb,DyはFe、Mnなどの還移金属とラ
ーベス(Laves)型金属間化合物を形成するが、
このことによつて、Tb、Dy−Tb、Dy合金の優
れた磁歪特性を室温まで持ち来たすことができ
る。これは、広義の強磁性相がラーベス型金属間
化合物に包摂される形で室温まで安定化されるた
めである。例えば、Dyにおいてその強磁性相の
消失する温度は179K(−94℃)であるが、Dyと
Feとのラベース型金属間化合物DyFexの場合に
は635 K(358℃)である。 各種の希土類元素とFeとのラベース型金属間
化合物の室(25℃)における飽和磁歪値(λ)は
第2表に示すとおりである。
れた磁性コイルと、該磁性コイルの中空部に同軸
的に挿入されて変位移動する変位発生部材とを備
えた微小変位制御素子の変位発生部材として用い
られるもので、鉄(Fe)13.0〜40重量%、マンガ
ン(Mn)0.01〜16.4重量%、テルビウム(Tb)
0.1〜25重量%、残部は実質的にデイスプロシウ
ム(Dy)からなり、かつ主相が立方晶ラーベス
化合物であり、この立方晶ラーベス化合物の略
[111]方向に結晶配向たことを特徴とする磁歪合
金である。 まず、本発明合金を用いた制御素子の一構造例
を第1図に則して説明する。 第1図で1は棒状の変位発生部材、2は該変位
発生部磁化して長さ変位を発生させるための励磁
コイルである。励磁コイル2は所定径の導線(例
えばホルマル銅線)を必要回数巻回しその内部を
中空にして構成される。このときのコイルの巻回
数は、変位発生部材1に作成させるべき磁界の強
さとの関係から決められる。磁性コイル2の中空
部には、所定長さを有する磁性合金の棒状が同軸
的に挿入されて変位発生部材1を構成する。この
ときの該変位発生部材1の長さは、制御すべき変
位の大きさ及び該部材の磁歪の大きさとの関係か
ら決められる。また、変位発性部材1は、励磁コ
イルの2の中空部の中では潤滑性能に富む例えば
ボールベアリング、黒鉛材、テフロン材のような
軸受材3によつて支持されていて、軸方向の変位
が生じた場合でも容易に滑動できるようになつて
いる。変位発生部材1の変位量は、該部材の端部
に当接して配設される例えば軟磁鉄製の第1の変
位伝達軸4及びつづいて該伝達軸4の端部に当接
する例えば非磁性ステンレススチール製の第2の
変位伝達軸5を介して系外に伝達される。 磁性コイル2の外周には、変位発生部材1に磁
界を印加したときその両端部からの磁束もれを防
止するために、更には、変位発生部材1に生起す
る反磁界を制御若しくは消去して磁性コイル2の
作用効率を高めるために、例えば軟磁鉄で構成し
たヨークを配設することが好ましい。 更には、励磁コイル2で変位発生部1を磁化す
るに先立ち、予め該変位発生部材1をある程度磁
化してその線形性が良好な磁歪特性領域で使用す
るために、励磁コイル2の外周にバイアスコイル
6を配設することが一層好ましい。また、永久磁
石でもよい。 以下に磁歪合金につき詳細に説明する。 まず、Tb、Dyか極めて大きい結晶異方性を有
する希土類元素であつて、磁性合金の磁歪特性を
高めるために必須な成分である。しかしながら、
Tb単体、Dy単体はTbとDyのみから成る合金は、
いずれも低温領域では優れた磁歪特性を示すけれ
ども、室温以上の温度領域では磁歪を示さないと
いう問題点を有する。 一方、Tb,DyはFe、Mnなどの還移金属とラ
ーベス(Laves)型金属間化合物を形成するが、
このことによつて、Tb、Dy−Tb、Dy合金の優
れた磁歪特性を室温まで持ち来たすことができ
る。これは、広義の強磁性相がラーベス型金属間
化合物に包摂される形で室温まで安定化されるた
めである。例えば、Dyにおいてその強磁性相の
消失する温度は179K(−94℃)であるが、Dyと
Feとのラベース型金属間化合物DyFexの場合に
は635 K(358℃)である。 各種の希土類元素とFeとのラベース型金属間
化合物の室(25℃)における飽和磁歪値(λ)は
第2表に示すとおりである。
【表】
第2表から明らかなように、これらラベース型
金属間化合物の飽和磁歪値は、従来の典型的な磁
歪金属であるNiのそれ(30×10-6)に比べて桁
違いに大きい。 しかしながら、上記したラベース型金属間化合
物は、それが単相である場合、その機械的特性、
とくに加工性、靭性が極めて劣悪であつて実用性
の点で問題がある。更には、第2表に示した飽和
磁歪値を得るためには数十KOeという強磁場を
必要とし、例えば100 Oe/A程度のソレノイド
型マグネツトを用いて電気・磁気変換操作を行つ
た場合、100A以上の第電流が必要となつて数十
KWの電力消費を下可避とするので、実用性の点
での障害は大である。 本発明者らは、Tb、Dy、Tb−Dy合金の磁歪
特性が優れていること、そしてこれら元素とFe、
Mnとのラベース型金属間化合物は室温での安定
な磁歪特性を保障し得ること、結晶配向させるこ
とにより磁歪量を各段に優れたものにできること
を前提として後述する種々の検討を加えることに
より、微小変位制御素子の変位発生部材として有
用な合金を見出すに至つた。 まず、(Tby Dy(1-y))1.33(Fe1-xMnx)2(x、y
はそれぞれMn濃度、Tb濃度を表わす。)で示さ
れる合金につき、そのx,yをそれぞれ変動させ
たときの磁歪特性を測定した。その結果の一部を
第2図及び第3図に示す。図で特性の次元はx=
0、y−0のものすなわち、Dy1.33Fe2のラベー
ス型金属間化合物の室温における磁歪特性を10と
したときの相対値で示してある。 第2図から明らかなように、Mnの合金化は、
室温、低磁場側(2KOe以下)での磁歪特性にお
いて、y=0.2、すなわちTb13重量%以下の領域
で磁歪特性の顕著な向上が見られる。とくに、x
=0.2、1=0.2の合金;(Tb0.2Dy0.8)1.33(Fe0.8
Mn0.2)2は、現在磁歪特性が最大のものとして知
られている。Tb0.3Dy0.7Fe2の値を上回り、しか
もその靭性が著しく改善されていることが判明し
た。 また、第3図から明らかなように、xの大小に
よにらずDyのTbによる合金化に伴い得られた合
金はその特性が著しく向上している。とくにx=
0.2においてTb合金化の効果は顕著である。 本発明はかかる磁性合金は、以上の実験経過を
背景に開発されたTb−Dy−Fe−Mn系のもので
ある。 該磁性合金において、Fe、MnはTb、Dyとラ
ーベス型金属間化合物を形成して、Tb、Dy、
Tb−Dy合金の優れた磁歪特性を室温以上の温度
領域で安定化・向上せしめる。そのとき、Feの
組成比が13.0重量%未満の場合には充分な磁歪特
性が得られず、また、40重量%を超えると合金の
靭性が著しく劣化して脆弱となつてしまう。Mn
はその組成比0.01重量%以上から磁歪特性向上の
効果を発揮するがそ組成比が16.4重量%を超える
と逆に磁歪特性の劣化を招く。 TbはDyと合金化することにより、Dy単独の
場合よりも全体の磁歪特性を高める。組成比が
0.1重量%以上からその効果を発揮するが、25重
量%を超えると逆に磁性特性の劣化を招いてしま
う。 本発明にかかる磁歪合金において、その残部は
Dyで構成されるが、合金調整時に不可避的に付
随する微量の混入物(例えば、C、O、N、希土
類、Y、La)が存在しても何らの不都合はない。 なお、以上のような合金組成である程度大きな
磁歪を得ることができるが、これを結晶配向させ
ることにより、より特性を向上することができ
る。 磁歪合金には、大きな磁歪の他、低い飽和磁界
という要求特性がある。低い飽和磁界を得るため
には、磁化容易軸が印加磁界方向と近いこと、
異方性エネルギー(の絶対値)が小さいこと、
が必要である。磁化容易軸は構成元素によつて異
なり、例えば、本願発明において、その主成分で
あるDyとFeの2元系では[100]である。また異
方性エネルギは、組成により異なり、Dy−Fe 2
元系においては負の値をもつ。これに正の値をも
つTb−Fe系を加えて3元系とすると、その絶対
値を小さくすることができるが、磁化容易軸は
[100]からシフトしてしまう。 さらにこれらの系に、磁歪特性向上のためMn
を加えると、その挙動の詳細はまだ明らかされて
おらず、その組成と結晶方位を最適化することが
困難であつた。 そこで発明者らは、実験的にこれらの値につい
て最適化を図つたところ、[100]の磁化容易軸を
有するDy−Fe系に、本願発明で規定するように
Tb、Mnを加えたときには、略[111]方向に磁
化容易軸が得られ、異方性エネルギも十分小さく
することができるとともに、磁歪も無配向のとき
と比べて十分大きな値が得られる、即ち、上述の
組成のものを主相である立方晶ラーベス化合物の
略[111]方向に配向させることが、磁歪、飽和
磁界の両方において最も好ましいことを見出だし
た。本発明合金は、例えば真空誘導加熱法で溶解
した後インゴツトにし、このインゴツトを例えば
ブリツヂマン炉で適宜なG値(固液界面相での温
度勾配)で一方向凝固させることにより得ること
ができる。変位発生部材とするためには所定の切
削加工を施して作成することができる。なお、結
晶の配向方法一方向凝固によらず、いかなる方法
も用いることができる。更に熱間、冷間加工をし
ても良く、また得られた合金を粉砕後磁場中プレ
スして焼給しても良い。 この部材を第1図に示したコイル部と組合せる
ことによつて微小変位制御素子が製造される。 (実施例) 以下に本発明の実施例を説明する。 第3表に示した組成の、30種類の合金試料を用
意し、これらをそれぞれ真空誘導加熱炉で溶解し
た。溶湯を冷却してインゴツトとした後、これを
内径12mm長さ250mmのアルミナ管の中に装入し、
タンタルヒータを備えた改良ブリツヂマン炉によ
り、アルゴン雰囲気中、60mm/hrの定速度で一方
凝固させた。なおこの速度は10mm/min〜100
mm/hr程度に変位できる。このときの固液界面近
傍におけるG値は約80℃/cmであつた。 得られた一方向凝固材の・凝固方位は、それぞ
れ立方晶ラーベス化合物の結晶方位にして略
[111]磁化容易軸であつた。各一方向凝固材に
800℃で120時間均一処理を施した後、直径8mm長
さ100mmの丸棒を切削加工して変位発生部材とし
た。試料番号1〜14が本発明にかかる実施例で他
は比較例である。 尚、試料番号31、32は試料番号1と同組成で結
晶の配向方向を変えたものである。 これら丸棒を用いて、第1図に示した構造の微
小変位制御素子を組立て、各素子の特性を調べ
た。 ここで、軸受材は外径10mm、内径8mm、長さ
100mmのテフロン製の筒、励磁コイルは直径1mm
のホルマル銅線をテフロン筒の外周に2万回/m
で巻回し、全直流抵抗値5Ω、励磁能力250
Oe/Aのもの、その外周に配設されたバイアス
コイルは1万回/mの巻回数で励磁能力150
Oe/Aのものであつた。 制御素子の特性評価は、バイアスコイルに1A
の電流を流し125 Oeのバイアス磁場下で行なつ
た。 この状態で励磁コイルに0.5A(入力電力6W)
の駆動電力を流し、このときの棒材(磁歪合金)
の変位量(μm)を測定した。その結果を第3表
に示した。
金属間化合物の飽和磁歪値は、従来の典型的な磁
歪金属であるNiのそれ(30×10-6)に比べて桁
違いに大きい。 しかしながら、上記したラベース型金属間化合
物は、それが単相である場合、その機械的特性、
とくに加工性、靭性が極めて劣悪であつて実用性
の点で問題がある。更には、第2表に示した飽和
磁歪値を得るためには数十KOeという強磁場を
必要とし、例えば100 Oe/A程度のソレノイド
型マグネツトを用いて電気・磁気変換操作を行つ
た場合、100A以上の第電流が必要となつて数十
KWの電力消費を下可避とするので、実用性の点
での障害は大である。 本発明者らは、Tb、Dy、Tb−Dy合金の磁歪
特性が優れていること、そしてこれら元素とFe、
Mnとのラベース型金属間化合物は室温での安定
な磁歪特性を保障し得ること、結晶配向させるこ
とにより磁歪量を各段に優れたものにできること
を前提として後述する種々の検討を加えることに
より、微小変位制御素子の変位発生部材として有
用な合金を見出すに至つた。 まず、(Tby Dy(1-y))1.33(Fe1-xMnx)2(x、y
はそれぞれMn濃度、Tb濃度を表わす。)で示さ
れる合金につき、そのx,yをそれぞれ変動させ
たときの磁歪特性を測定した。その結果の一部を
第2図及び第3図に示す。図で特性の次元はx=
0、y−0のものすなわち、Dy1.33Fe2のラベー
ス型金属間化合物の室温における磁歪特性を10と
したときの相対値で示してある。 第2図から明らかなように、Mnの合金化は、
室温、低磁場側(2KOe以下)での磁歪特性にお
いて、y=0.2、すなわちTb13重量%以下の領域
で磁歪特性の顕著な向上が見られる。とくに、x
=0.2、1=0.2の合金;(Tb0.2Dy0.8)1.33(Fe0.8
Mn0.2)2は、現在磁歪特性が最大のものとして知
られている。Tb0.3Dy0.7Fe2の値を上回り、しか
もその靭性が著しく改善されていることが判明し
た。 また、第3図から明らかなように、xの大小に
よにらずDyのTbによる合金化に伴い得られた合
金はその特性が著しく向上している。とくにx=
0.2においてTb合金化の効果は顕著である。 本発明はかかる磁性合金は、以上の実験経過を
背景に開発されたTb−Dy−Fe−Mn系のもので
ある。 該磁性合金において、Fe、MnはTb、Dyとラ
ーベス型金属間化合物を形成して、Tb、Dy、
Tb−Dy合金の優れた磁歪特性を室温以上の温度
領域で安定化・向上せしめる。そのとき、Feの
組成比が13.0重量%未満の場合には充分な磁歪特
性が得られず、また、40重量%を超えると合金の
靭性が著しく劣化して脆弱となつてしまう。Mn
はその組成比0.01重量%以上から磁歪特性向上の
効果を発揮するがそ組成比が16.4重量%を超える
と逆に磁歪特性の劣化を招く。 TbはDyと合金化することにより、Dy単独の
場合よりも全体の磁歪特性を高める。組成比が
0.1重量%以上からその効果を発揮するが、25重
量%を超えると逆に磁性特性の劣化を招いてしま
う。 本発明にかかる磁歪合金において、その残部は
Dyで構成されるが、合金調整時に不可避的に付
随する微量の混入物(例えば、C、O、N、希土
類、Y、La)が存在しても何らの不都合はない。 なお、以上のような合金組成である程度大きな
磁歪を得ることができるが、これを結晶配向させ
ることにより、より特性を向上することができ
る。 磁歪合金には、大きな磁歪の他、低い飽和磁界
という要求特性がある。低い飽和磁界を得るため
には、磁化容易軸が印加磁界方向と近いこと、
異方性エネルギー(の絶対値)が小さいこと、
が必要である。磁化容易軸は構成元素によつて異
なり、例えば、本願発明において、その主成分で
あるDyとFeの2元系では[100]である。また異
方性エネルギは、組成により異なり、Dy−Fe 2
元系においては負の値をもつ。これに正の値をも
つTb−Fe系を加えて3元系とすると、その絶対
値を小さくすることができるが、磁化容易軸は
[100]からシフトしてしまう。 さらにこれらの系に、磁歪特性向上のためMn
を加えると、その挙動の詳細はまだ明らかされて
おらず、その組成と結晶方位を最適化することが
困難であつた。 そこで発明者らは、実験的にこれらの値につい
て最適化を図つたところ、[100]の磁化容易軸を
有するDy−Fe系に、本願発明で規定するように
Tb、Mnを加えたときには、略[111]方向に磁
化容易軸が得られ、異方性エネルギも十分小さく
することができるとともに、磁歪も無配向のとき
と比べて十分大きな値が得られる、即ち、上述の
組成のものを主相である立方晶ラーベス化合物の
略[111]方向に配向させることが、磁歪、飽和
磁界の両方において最も好ましいことを見出だし
た。本発明合金は、例えば真空誘導加熱法で溶解
した後インゴツトにし、このインゴツトを例えば
ブリツヂマン炉で適宜なG値(固液界面相での温
度勾配)で一方向凝固させることにより得ること
ができる。変位発生部材とするためには所定の切
削加工を施して作成することができる。なお、結
晶の配向方法一方向凝固によらず、いかなる方法
も用いることができる。更に熱間、冷間加工をし
ても良く、また得られた合金を粉砕後磁場中プレ
スして焼給しても良い。 この部材を第1図に示したコイル部と組合せる
ことによつて微小変位制御素子が製造される。 (実施例) 以下に本発明の実施例を説明する。 第3表に示した組成の、30種類の合金試料を用
意し、これらをそれぞれ真空誘導加熱炉で溶解し
た。溶湯を冷却してインゴツトとした後、これを
内径12mm長さ250mmのアルミナ管の中に装入し、
タンタルヒータを備えた改良ブリツヂマン炉によ
り、アルゴン雰囲気中、60mm/hrの定速度で一方
凝固させた。なおこの速度は10mm/min〜100
mm/hr程度に変位できる。このときの固液界面近
傍におけるG値は約80℃/cmであつた。 得られた一方向凝固材の・凝固方位は、それぞ
れ立方晶ラーベス化合物の結晶方位にして略
[111]磁化容易軸であつた。各一方向凝固材に
800℃で120時間均一処理を施した後、直径8mm長
さ100mmの丸棒を切削加工して変位発生部材とし
た。試料番号1〜14が本発明にかかる実施例で他
は比較例である。 尚、試料番号31、32は試料番号1と同組成で結
晶の配向方向を変えたものである。 これら丸棒を用いて、第1図に示した構造の微
小変位制御素子を組立て、各素子の特性を調べ
た。 ここで、軸受材は外径10mm、内径8mm、長さ
100mmのテフロン製の筒、励磁コイルは直径1mm
のホルマル銅線をテフロン筒の外周に2万回/m
で巻回し、全直流抵抗値5Ω、励磁能力250
Oe/Aのもの、その外周に配設されたバイアス
コイルは1万回/mの巻回数で励磁能力150
Oe/Aのものであつた。 制御素子の特性評価は、バイアスコイルに1A
の電流を流し125 Oeのバイアス磁場下で行なつ
た。 この状態で励磁コイルに0.5A(入力電力6W)
の駆動電力を流し、このときの棒材(磁歪合金)
の変位量(μm)を測定した。その結果を第3表
に示した。
【表】
以上の説明で明らかなように、本発明の磁歪合
金は、歪み量が大きく、非常に有効である。 またこれを用いた変位発生部材は線形性に優
れており、変位履歴が著しく小さく、小さい
入力電力で作動することができ、歪み量が大き
いことにより素子全体を小型化することができる
などの利点を有しているので、サブミクロンオー
ダーの精密制御を必要とする光情報処理、光記録
機器、精密工作機器の分野での有用性は極めて大
である。
金は、歪み量が大きく、非常に有効である。 またこれを用いた変位発生部材は線形性に優
れており、変位履歴が著しく小さく、小さい
入力電力で作動することができ、歪み量が大き
いことにより素子全体を小型化することができる
などの利点を有しているので、サブミクロンオー
ダーの精密制御を必要とする光情報処理、光記録
機器、精密工作機器の分野での有用性は極めて大
である。
第1図は本発明に係る微小変位制御素子の好ま
しい1例を示す一部欠模式図である。第2図、第
3図はそれぞれ(TbyDy(1-y)1.33Fe1-xMnx)2の
x、yと磁性特性との関係図である。第4図は駆
動電流と歪み量との関係図、第5図は比較のため
に示した電歪材料、圧電材料の電界の大きさと歪
み量との関係図である。 1……変位発生部材(磁歪合金)、2……励磁
コイル、3……軸受材、4,5……変位伝達軸、
6……バイアスコイル。
しい1例を示す一部欠模式図である。第2図、第
3図はそれぞれ(TbyDy(1-y)1.33Fe1-xMnx)2の
x、yと磁性特性との関係図である。第4図は駆
動電流と歪み量との関係図、第5図は比較のため
に示した電歪材料、圧電材料の電界の大きさと歪
み量との関係図である。 1……変位発生部材(磁歪合金)、2……励磁
コイル、3……軸受材、4,5……変位伝達軸、
6……バイアスコイル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鉄13.0〜40重量%、マンガン0.01〜16.4重量
%、テルビウム0.1〜25重量%及び残部実質的に
デイスプロシウムからなり、かつ主相が立方晶ラ
ーベス化合物であり、この立方晶ラーベス化合物
の略[111]方向に結晶配向したことを特徴とす
る磁歪合金。 2 磁化容易軸が略[111]方向であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の磁歪合金。 3 結晶方向が方向性凝固により得られたもので
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項又は
第2項記載の磁歪合金。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58031792A JPS59158574A (ja) | 1983-03-01 | 1983-03-01 | 磁歪合金 |
| JP2044406A JPH0654817B2 (ja) | 1983-03-01 | 1990-02-27 | 変位発生素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58031792A JPS59158574A (ja) | 1983-03-01 | 1983-03-01 | 磁歪合金 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2044406A Division JPH0654817B2 (ja) | 1983-03-01 | 1990-02-27 | 変位発生素子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59158574A JPS59158574A (ja) | 1984-09-08 |
| JPH0468372B2 true JPH0468372B2 (ja) | 1992-11-02 |
Family
ID=12340916
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58031792A Granted JPS59158574A (ja) | 1983-03-01 | 1983-03-01 | 磁歪合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59158574A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0654817B2 (ja) * | 1983-03-01 | 1994-07-20 | 株式会社東芝 | 変位発生素子 |
| US4609402A (en) * | 1985-10-28 | 1986-09-02 | Iowa State University Research Foundation, Inc. | Method of forming magnetostrictive rods from rare earth-iron alloys |
| JPS6434631A (en) * | 1987-07-30 | 1989-02-06 | Sentan Kako Kikai Gijutsu Shin | Actuator of ultra magnetic strain member |
| US5223046A (en) * | 1988-09-29 | 1993-06-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Super-magnetostrictive alloy |
| DE68926768T2 (de) * | 1988-09-29 | 1996-12-12 | Toshiba Kawasaki Kk | Supermagnetostriktive Legierung |
| GB8909483D0 (en) * | 1989-04-26 | 1989-06-14 | Univ Hull | Magnetostrictive actuator devices |
| JP2974148B2 (ja) * | 1989-04-28 | 1999-11-08 | 株式会社東芝 | 磁歪式アクチュエータ |
| JPH062635B2 (ja) * | 1989-06-30 | 1994-01-12 | 日本鋼管株式会社 | 巨大磁歪合金ロツドの製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5364798A (en) * | 1976-11-19 | 1978-06-09 | Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan | Electric magntostrictive convertor |
| JPS55134150A (en) * | 1979-04-05 | 1980-10-18 | Toshiba Corp | Terbium- and dysprosium-base macro-magnetostrictive alloy |
-
1983
- 1983-03-01 JP JP58031792A patent/JPS59158574A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59158574A (ja) | 1984-09-08 |
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