JPH0468907B2 - - Google Patents

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JPH0468907B2
JPH0468907B2 JP12154185A JP12154185A JPH0468907B2 JP H0468907 B2 JPH0468907 B2 JP H0468907B2 JP 12154185 A JP12154185 A JP 12154185A JP 12154185 A JP12154185 A JP 12154185A JP H0468907 B2 JPH0468907 B2 JP H0468907B2
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bifidobacterium
protoplasts
magnesium
protoplast
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Shigeo Okonogi
Isao Kyozawa
Joji Ono
Tsutomu Kudo
Susumu Teraguchi
Tomoko Yaejima
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は微生物のプロトプラストを高いプロト
プラスト収率において製造する方法に関し、詳し
くは、バイオテクノロジーの分野における微生物
の菌体の利用に関し、さらに詳しくは、ビフイド
バクテリウム属に属する微生物のバイオテクノロ
ジーの分野における微生物の菌体の利用に関する
ものであつて、これらの微生物のプロトプラスト
を高いプロトプラスト収率において製造する方法
に関する。 〔技術の背景および従来技術の説明〕 ビフイドバクテリウム属に属する微生物は、ヒ
トあるいは動物の腸管において最も優勢な微生物
であつて、その有用性および健康との関連性が広
く研究され、これまでにビフイドバクテリウム属
に属する微生物は、発酵乳、乳酸菌飲料、菓子な
どの食品、整腸剤、栄養剤あるいは飼料などに広
く利用されている。しかしながら、バイオテクノ
ロジーの分野における遺伝子操作および細胞融合
などの遺伝子工学関連技術の応用によるビフイド
バクテリウム属に属する微生物の育種および改良
は、他の微生物に比して著しく遅れている。 これまでに、ビフイドバクテリウム属に属する
微生物のプロトプラストの調製について、エクス
テルカーテらの報告〔エフ・エー・エクステルカ
ーテ他;ビオヒミカ・エ・ビオフイジカ・アクタ
(F.A.Exterkate et al;Biochimica et
Biophysica Acta)第219巻、第141頁(1970
年)〕、ナカイおよびタカギの報告〔アール・ナカ
イおよびエー・タカギ;ジヤーナル・オブ・ジエ
ネラル・アンド・アプライド・ミクロバイオロジ
ー(R.Nakai&A.Takagi;Journal of General
and Applied Microbiology)第30巻、第187頁
(1984年)〕、ウエダおよびニシガミの報告〔エ
ム・ウエダおよびケー・ニシガミ;ジヤーナル・
オブ・ジエネラル・アンド・アプライド・ミクロ
バイオロジー(M.Ueda&K.Nishigami;
Journal of General and Applied
Microbiology)第29巻、第507頁(1983年)〕お
よび森下らの開示(特開昭59−135883号公報)が
知られている。 エクステルカーテらは、ビフイドバクテリウ
ム・ビフイダム・バー・ペンシルバニクス
(Bifidobacterium bifidum var.pensylvanicus)
について、0.5モル(M)のシヨ糖および0.3〜0.6
mg/mlのリゾチームを含有する0.1モル(M)ト
リス塩酸緩衝液(PH:6.8)に100mg/mlの湿菌体
を懸濁し、37℃において1〜3時間反応させるこ
とによりプロトプラストを調製したと報告してい
る。しかしながら、本発明者らが上記の条件にお
いてこれを追試したところ、ビフイドバクテリウ
ム属に属する微生物はリゾチームに対する感受性
が低く、プロトプラストの形成率が低く、実用に
供することが困難であることに遭遇した。 ナカイおよびタカギは、ビフイドバクテリウ
ム・ビフイダムES5株について、0.1〜0.25モル
(M)のシヨ糖および0.1〜1.0ユニツト/mlのペ
ニシリンGを含有する培地を使用し、37℃におい
て嫌気的に4〜6時間生育させてプロトプラスト
を調製し、そのプロトプラスト形成率が約80%で
あつたと報告している。しかしながら、ビフイド
バクテリウム属に属する微生物はペニシリンに対
する感受性が高く、ビフイドバクテリウム属に属
する微生物をペニシリンGの存在の下に長時間さ
らすと、その生理活性および生存を著しく阻害
し、実用に供することが困難であることに遭遇し
た。 ウエダおよびニシガミは、前記のビフイドバク
テリウム・ビフイダムES5について、1.25%の酢
酸ナトリウム、0.25%のリン酸2カリウム、0.1
%のL−システイン塩酸塩および10ミリモル
(mM)の塩化マグネシウムからなる緩衝液
(PH:6.6)に、38℃において定常期まで一夜嫌気
的に培養した菌体を1ml当り108の菌体濃度にお
いて懸濁し、ストレプトマイセス・グロビスポラ
スの生産するエンド−N−アセチルムラミダーゼ
(N−アセチルムラミダーゼSG、大日本製薬株式
会社製品、生化学工業株式会社販売)を5mg/ml
の高濃度に添加し、38℃において2時間反応させ
て、プロトプラストを調製し、プロトプラスト形
成率が98.2%の結果を得たことを報告している。
しかし彼らは、システインがプロトプラスト化を
阻害することを報告し、緩衝液として、10ミリモ
ル(mM)の塩化マグネシウムを含有する5ミリ
モル(mM)のトリスーマレイン酸緩衝液を選択
し、これにN−アセチルムラミダーゼSGを100μ
g/mlにおいて添加し、上記の菌体濃度において
処理したところ、38℃において30分間、60分間お
よび120分間の処理によつて、プロトプラスト形
成率がそれぞれ50〜75%、82%および100%の結
果を得たことを報告している。またマグネシウム
イオンおよびシステインは、N−アセチルムラミ
ダーゼSGによつて調製される上記の微生物のプ
ロトプラストを安定化する効果があり、たとえば
マグネシウムイオンの濃度が0.1ミリモル(mM)
以下では、プロトプラストが破壊されることを報
告している。 森下らは、ビフイドバクテリウム・ブレーベ
(YIT4006)について、浸透圧調節物質、すなわ
ちシヨ糖、乳糖、マルトース、ラクチユロースあ
るいはトレハロースの二糖類を0.2〜0.75モル
(M)、至適には0.3〜0.4モル(M)の濃度におい
て含有する0.01モル(M)のトリスーマレイン酸
−水酸化ナトリウム緩衝液(PH:7.0)を使用し、
37℃において一夜炭酸ガスによる嫌気的条件の下
で培養した菌体を、660nmの波長における吸光度
(OD660)の値が0.3〜0.9になるように懸濁し、前
記のN−アセチルムラミダーゼSGを5〜40μg/
mlの濃度において加え、20〜45℃、好ましくは37
℃前後(35〜40℃)において5〜30分間処理する
プロトプラストの調製方法を開示し、プロトプラ
スト形成率が50〜96.4%であることを開示してい
る。また森下らは、ビフイドバクテリウム属に属
する微生物に対するN−アセチルムラミダーゼ
SGの溶解作用は、マグネシウムイオンによつて
阻害されると報告している。 本発明者らはN−アセチルムラミダーゼSGに
よるプロトプラストの調製について長年研究を続
けてきたが、プロトプラストの調製において、酵
素処理前と酸素処理後の細胞数が大幅に変動する
場合のあることに遭遇した。すなわちビフイドバ
クテリウム属に属する微生物はN−アセチルムラ
ミダーゼに対する感受性が高く、酵素処理によつ
て一たん形成されたプロトプラストの大部分が破
壊される場合が多く、酵素処理後に生き残つたプ
ロトプラストの総細胞数(プロトプラスト数およ
びプロトプラスト化しなかつた細胞数の総和)に
対する比率を測定しただけでは、プロトプラスト
調製の効率を的確に反映することができないこと
を見出した。 そこで本発明者らは、位相差顕微鏡を用い、ペ
トロフハウザー(Petroff−Hausser)細菌計算
盤により細胞数および球状細胞数、すなわちプロ
トプラスト数を測定し、酵素処理後のプロトプラ
スト数およびプロトプラスト化していない細胞数
の合計の総細胞数に対するプロトプラスト数の百
分率によつて定義されるプロトプラスト形成率の
他に、酵素処理前の全細胞数に対する酵素処理後
のプロトプラスト数の百分率をプロトプラスト収
率と定義し、ウエダおよびニシガミの報告および
森下らの開示を追試した。この追試において、こ
れらの報告および開示におけるプロトプラスト収
率は、35%以下の低いものであることがわかつ
た。(後記の「実施例1」参照) このことから、これらの報告および開示におけ
るプロトプラストの調製において、ビフイドバク
テリウム属に属する微生物のプロトプラストを計
画的に製造するには、大容量の培養設備、反応装
置およびプロトプラストの濃縮設備を必要とする
ことがわかつた。 これまでのビフイドバクテリウム属に属する微
生物のプロトプラストの調製に関する報告は、ビ
フイドバクテリウム・ビフイダムあるいはビフイ
ドバクテリウム・ブレーベの2菌種に限られてい
るだけでなく、ビフイドバクテリウム属に属する
微生物のプロトプラストを簡便にしてかつ短時間
に、高収率で製造する方法は未だ知られていな
い。 そこで本発明者らは、さらに研究を続け、ビフ
イドバクテリウム属に属する微生物の菌体に、三
糖類およびマグネシウムイオンの存在の下に、40
℃以下の温度において、N−アセチルムラミダー
ゼSGを作用させると、70%以上の高率のプロト
プラスト収率においてプロトプラストが得られる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明に到達
した。 本明細書におけるプロトプラスト収率およびプ
ロトプラスト形成率は、次式によつて算出された
数値(%)である。 プロトプラスト収率(%)=C/T×100 プロトプラスト形成率(%)=C/C+t×100 T:菌体懸濁液の酵素処理前の細胞数、 C:菌体懸濁液の酵素処理後のプロトプラスト
数、 t:菌体懸濁液の酵素処理後においてプロトプ
ラスト化しなかつた細胞数、 〔発明の目的および発明の要約〕 本発明の目的は、ビフイドバクテリウム属に属
する微生物を遺伝子工学関連技術に応用するとき
に不可欠のプロトプラストを簡便にしてかつ短時
間に、高率よく製造する方法を提供することにあ
る。 本発明のもう一つの目的は、ビフイドバクテリ
ウム属に属する微生物を70%以上の高率において
プロトプラストに変換しうる方法を提供すること
にある。 本発明は、ビフイドバクテリウム属に属する微
生物をストレプトマイセス・グロビスポラスの生
産するエンド−N−アセチルムラミダーゼで処理
し、ビフイドバクテリウム属に属する微生物のプ
ロトプラストを製造するに際して、ビフイドバク
テリウム属に属する微生物の菌体懸濁液を少なく
とも0.1モルの三糖類および少なくとも0.1ミリモ
ルのマグネシウムイオンの存在の下に40℃を超え
ない温度において前記の酵素処理を行なうことを
特徴とするビフイズス菌のプロトプラストの製造
法である。 本発明における三糖類は、ラフイノース、メレ
ジトース、マルトトリオースおよびこれらの混合
物からなる群より選択されたものを菌体懸濁液ま
たは酵素液に加えることにより供給することがで
き、またマグネシウムイオンは、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエ
ン酸マグネシウムおよびこれらの混合物からなる
群より選択されたものを菌体懸濁液または酵素液
に加えることによつて供給することができる。 本発明におけるビフイドバクテリウム属に属す
る微生物は、ビフイドバクテリウム・ビフイダ
ム、ビフイドバクテリウム・インフアンチス、ビ
フイドバクテリウム・ブレーベ、ビフイドバクテ
リウム・アドレセンチスおよびビフイドバクテリ
ウム・ロンガムからなる群より選択された微生物
であることができる。 さらに本発明における三糖類の濃度は、0.1〜
0.7モルとすることができ、またマグネシウムイ
オンの濃度は0.1〜3ミリモルとすることができ、
さらに酵素処理の温度は25〜40℃とすることがで
きる。 〔発明の具体的な説明〕 本発明におけるビフイドバクテリウム属に属す
る微生物は、これまでに知られているビフイドバ
クテリウム・ビフイダム(Bifidobacterium
bifidum)、ビフイドバクテリウム・インフアン
チス(Bifidobacterium infantis)、ビフイドバ
クテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium
breve)、ビフイドバクテリウム・アドレセンチ
ス(Bifidobacterium adlescentis)およびビフ
イドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum)などであつて、アール・イー・ブキヤ
ナンおよびエヌ・イー・ギボンス編;バージエイ
ス・マニユアル・オブ・デターミネイテイブ・バ
クテリオロジー(R.E.Buchanan&N.E.
Gibbons;Bergey's Manual of Determinative
Bacteriology)第8版(1974年)またはATCC
のカタログ〔ジ・アメリカン・タイプカルチヤ
ー・コレクシヨン・カタログ・オブ・ストレイン
(The American Type Culture Collection
Catalogue of Strain I)第11版(1978年)〕に
記載されている菌株のいかなるものであつても、
これを使用することができる。 ビフイドバクテリウム属に属する微生物は、常
法により、対数増殖初期から定常期まで、好まし
くは対数増殖初期から対数増殖期後期まで、嫌気
培養または静置培養され、そして集菌される。集
菌によつて得られた微生物の菌体は常法により洗
浄された後、PH6.0〜7.5の緩衝液に懸濁して、菌
体懸濁液を調製する。緩衝液は、通常の微生物菌
体の懸濁に使用されるものであつて、システイン
を含まないものであれば、いかなるものであつて
も、これを使用することができる。ビフイドバク
テリウム属に属する微生物の菌体を懸濁する濃度
は、660nmの波長において測定した吸光度
(OD660)の値が0.1〜1.2(好ましくは0.2〜0.9)を
示す濃度であるのが好ましい。 菌体懸濁液の酵素処理に使用されるエンド−N
−アセチルムラミダーゼは、ストレプトマイセ
ス・グロビスポラスによつて生産されるものであ
ることが既に知られており、N−アセチルムラミ
ダーゼSG(大日本製薬株式会社製品、生化学工業
株式会社販売)が市販されている。酵素処理にお
けるエンド−N−アセチルムラミダーゼの濃度は
菌体懸濁液における菌体の濃度によつて異なる
が、通常、菌体懸濁液1ml当り10〜75μg(好ま
しくは25〜75μg)程度にするのが好ましい。 菌体懸濁液の酵素処理におけるマグネシウムイ
オンは、菌体懸濁液または酵素液にマグネシウム
化合物を加えることによつて供給される。このマ
グネシウム化合物は、マグネシウムイオンを供給
しうるものであれば、いかなるものであつても、
これを使用することができるが、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウムまたは
クエン酸マグネシウムを使用するのが好ましく、
また塩化マグネシウムを使用するのがより一層好
ましい。これらのマグネシウム化合物は、0.1〜
3ミリモル(mM)(好ましくは0.5〜2ミリモ
ル)のマグネシウムイオン濃度を得るのに必要な
量において使用する。 菌体懸濁液の酵素処理における三糖類は、ラフ
イノース、メレジトース、マルトトリオースまた
はこれらの混合物を使用するのが好ましい。これ
らの三糖類は、菌体懸濁液中に、0.1〜0.7モル
(M)(好ましくは0.1〜0.5モル)の三糖類の濃度
を得るのに必要な量において使用する。 菌体懸濁液の酵素処理は40℃を超えない温度
(好ましくは25〜35℃)において行なわれる。 本発明の実施の態様を具体的に説明する。 ビフイドバクテリウム属に属する微生物の前培
養を、増殖用の液体培地、たとえばVLL培地
(森下ら;特開昭59−135883号公報)、ブリツグス
リバーブロス(光岡「臨床検査」第18巻、第1163
頁、1974年)、MRS液体培地〔ジエイ・シー・デ
マンら;ジヤーナル・オブ・アプライド・バクテ
リオロジー(J.C.Deman et al;Journal of
Applied Bacteriology)第23巻、第130頁(1960
年)〕またはGAMブイヨン(小酒井、鈴木編
「嫌気性菌と嫌気性菌症」第338頁、1968年、医学
書院発行)(日水製薬株式会社販売)などの液体
培地に、1〜5%(v/v)において接種し、35
〜40℃において3〜16時間、常法により嫌気培養
または静置培養し、対数増殖初期から定常期(好
ましくは対数増殖初期から対数増殖後期)までの
増殖期にある微生物を得る。ここに得られた培養
液を5000×Gにおいて遠心分離して集菌し、得ら
れた菌体を0.01〜0.02モル(M)の緩衝液(PH:
6.0〜7.5)により2回洗浄して濃縮菌体液を得
る。0.1〜0.7モル(M)の三糖類および0.1〜3ミ
リモル(mM)のマグネシウムイオンを含有する
緩衝液を調製し、上記の菌体濃縮液をこの緩衝液
に懸濁して、660nmの波長における吸光度
(OD660)が0.1〜1.2の菌体懸濁液を得る。 この菌体懸濁液を25〜40℃の温度に3〜10分間
保持した後、この菌体懸濁液に、菌体懸濁液1ml
当り10〜75μgのN−アセチルムラミダーゼSGを
添加し、さらに均一に懸濁した後、25〜40℃にお
いて10〜30分間酵素処理を行なう。ここに得られ
た酵素反応液を常法により遠心分離して、ビフイ
ドバクテリウム属に属する微生物のプロトプラス
トを得る。 これらのプロトプラストの調製の総べての処理
を嫌気的条件の下に行なうことができる。 実験例 1 ビフイドバクテリウム属に属する微生物の代表
的な5菌種について、ウエダおよびニシガミの報
告〔ジヤーナル・オブ・ジエネラル・アンド・ア
プライド・ミクロバイオロジー(Journal of
General and Applied Microbiology)第29巻、
第507頁(1983年)〕に開示された方法(A方法)
および森下らの開示(特開昭59−135883号公報)
に開示された方法(B方法)の追試を行ない、プ
ロトプラスト形成率およびプロトプラスト収率を
算出した。 (1) 供試菌株 a ビフイドバクテリウム・ビフイダム (ATCC 15696) b ビフイドバクテリウム・インフアンチス (ATCC 15697) c ビフイドバクテリウム・ブレーベ (ATCC 15700) d ビフイドバクテリウム・アドレセンチス (ATCC 15703) e ビフイドバクテリウム・ロンガム (ATCC 15707) (2) 実験方法 2−1 ウエダおよびニシガミの報告に開示され
た方法(A方法): 上記の供試菌株を、2%(w/v)のプロテオ
−スペプトン(デイフコ社製)、0.5%(w/v)
の酵母エキス(デイフコ社製)、0.4%(w/v)
の肉エキス(デイフコ社製)、3.5%(w/v)の
乳糖、2.5%(w/v)の酢酸ナトリウム、0.2%
(w/v)の酢酸アンモニウム、0.25%(w/v)
のリン酸2カリウム、50μg/mlのリボフラビ
ン、50μg/mlのパンテチン、50ng/mlのビオ
チン、0.3%(w/v)のピルビン酸カリウム、
0.1%(w/v)のL−システイン塩酸塩、
0.5mMの塩化マグネシウム、1mMの塩化第一
鉄、0.5μMの塩化マンガンおよび50μMの塩化カ
ルシウムの組成を有する培地(PH:6.6)に接種
し、90%(v/v)の窒素ガスおよび10%(v/
v)の炭酸ガスの混合ガスによる嫌気条件の下
に、定常期まで38℃において一夜培養した。培養
液を5000×Gにおいて遠心分離して集菌し、得ら
れた菌体を10mMの塩化マグネシウムを含有する
5mMのトリスーマレイン酸緩衝液(PH:6.6)に
より2回洗浄した後、前記のトリスーマレイン酸
緩衝液に懸濁して、108個/mlの菌体濃度の菌体
懸濁液を得た。この菌体懸濁液の一部を取り、こ
れを38℃に5分間保持した後、N−アセチルムラ
ミダーゼSG(大日本製薬株式会社製品、生化学工
業株式会社販売)を100μg/mlの濃度において
加え、これを38℃において30分間静置の状態で反
応させた。 位相差顕微鏡を使用し、ペトロフハウザー細菌
計算盤により酵素処理前の細胞数(T)、酵素処
理後のプロトプラスト化しなかつた細胞数(t)
および酵素処理後のプロトプラスト数(C)を測
定し、プロトプラスト収率およびプロトプラスト
形成率を次式によつて算出した。 プロトプラスト収率=(C/T)×100 プロトプラスト形成率=〔C/(C+t)〕×100 2−2 森下らの開示に開示された方法(B方
法): 上記の供試菌株を下記の組成のVLL培地
(PH:6.8)に接種し、炭酸ガスによる嫌気条件の
下に37℃において一夜培養した。 (VLL培地の組成) トリプチケース(BBL社製) 10g/ 酵母エキス(デイフコ社製) 5g/ 肉エキス(デイフコ社製) 2g/ ヘミン 7mg/ L−システイン塩酸塩 0.3g/ 炭酸ナトリウム 2.25g/ リン酸2カリウム 225mg/ リン酸1カリウム 225mg/ 硫酸アンモニウム 225mg/ 塩化ナトリウム 450mg/ 硫酸マグネシウム7水塩 22.5mg/ 塩化カルシウム2水塩 22.5mg/ 乳糖 10g/ レサズリン 1mg/ 培養液を5000×Gにおいて遠心分離して集菌
し、得られた菌体を、窒素ガスの噴射の下に嫌気
的に調製した0.02Mリン酸カリウム緩衝液(PH:
7.0)により2回洗浄した後、0.3Mのシヨ糖を含
有する0.01Mトリスーマレイン酸−水酸化ナトリ
ウム緩衝液(PH:7.0)に懸濁して、660nmの波
長における吸光度(OD660)が0.5の菌体懸濁液を
得た。この菌体懸濁液の一部を取り、これを37℃
に5分間保持した後、N−アセチルムラミダーゼ
SG(大日本製薬株式会社製品、生化学工業株式会
社販売)を40μg/mlの濃度において加え、これ
を37℃において20分間静置の状態で反応させた。 前記2−1)のA方法と同様にして、プロトプ
ラスト収率およびプロトプラスト形成率を算出し
た。 (3) 実験結果 実験結果は第1表に示すとおりであつた。
【表】 第1表によると、ビフイドバクテリウム・アド
レセンチスを除き、A方法およびB方法の双方に
おいて、プロトプラスト形成率は前記の報告また
は開示と同程度であり、B方法のプロトプラスト
形成率はA方法のそれよりも高い値を示した。 これに対して、プロトプラスト収率は、A方法
では35%以下であり、B方法では31%以下であつ
て、総べてのビフイドバクテリウム属に属する微
生物において、プロトプラスト収率は低率であつ
た。 このことから、ビフイドバクテリウム属に属す
る微生物はN−アセチルムラミダーゼSGに対す
る感受性が高く、A方法あるいはB方法の処理条
件においては、一たん形成されたプロトプラスト
の破壊される割合が高いことがわかる。特にB方
法では、プロトプラスト形成率とプロトプラスト
収率の値に大きな差があることから、B方法で
は、プロトプラストの破壊される割合が非常に大
きいことがわかる。 そうしてみると、プロトプラスト形成率は、多
数の破壊されたプロトプラストを除いた生残細胞
と破壊されなかつたプロトプラストの合計の総細
胞数に対するプロトプラストの百分率であつて、
破壊されたプロトプラストの数とは無関係で、最
初の細胞数から調製されたプロトプラストの割合
を表わしていないから、プロトプラスト形成率は
実用的な価値の低いものということができる。 実験例 2 この実験は、N−アセチルムラミダーゼSGに
よるビフイドバクテリウム属に属する微生物の酵
素処理における糖類の影響について試験した。 ビフイドバクテリウム・ロンガム
(ATCC15707)の前培養を前記のGAMブイヨン
培地に2%(v/v)において接種し、炭酸ガス
による嫌気条件の下に37℃において5時間培養し
た。培養液を5000×Gにおいて15分間遠心分離し
て集菌し、得られた菌体を0.02Mリン酸緩衝液
(PH:7.0)により2回洗浄した後、1mMの塩化
マグネシウムおよび第2表に示す糖類またはその
他の物質を第2表に示す量において含有する
0.01Mトリスーマレイン酸−水酸化ナトリウム緩
衝液(PH:7.0)に懸濁して、660nmの波長にお
ける吸光度(OD660)が0.5の菌体懸濁液を得た。
この菌体懸濁液の一部を試験管に取り、これを37
℃の恒温水槽に5分間保持した後、これにN−ア
セチルムラミダーゼSG(大日本製薬株式会社製
品、生化学工業株式会社販売)を50μg/mlの濃
度において添加し、均一に懸濁した後、37℃にお
いて20分間静置の状態で反応させた。 実施例1の2−1)のA方法と同様にして、プ
ロトプラスト収率を算出した。 実験結果は第2表に示すとおりであつた。
【表】 第2表によると、二糖類のシヨ糖、乳糖、メリ
ビオースおよびトレハロース、および三糖類のラ
フイノース、メレジトースおよびマルトトリオー
スを添加した場合は、比較的高いプロトプラスト
収率を示すが、三糖類のラフイノース、メレジト
ースおよびマルトトリオースを添加した場合のプ
ロトプラスト収率は70%以上の高率を示した。 実験例 3 この実験は、糖類の濃度および処理温度の影響
について試験した。 ラフイノースの濃度を0〜0.7モル(M)とし、
処理温度を15〜45℃としたこと以外は実験例2と
同様にして、プロトプラスト収率を算出した。 実験結果は第3表に示すとおりであつた。
【表】 第3表によると、ラフイノースの濃度を0.1〜
0.7モルとし、処理温度を25〜40℃とした場合に、
プロトプラスト収率は70%以上の高率を示すが、
ラフイノースの濃度が0.1〜0.5モルであつて、処
理温度が25〜35℃の場合に、プロトプラスト収率
は80%以上の高率を示す。 この実験においてラフイノースの濃度が0.7モ
ル(M)付近になると、過飽和のために若干の結
晶の析出が見られたが、プロトプラスト収率に影
響はなかつた。 次にメレジトースおよびマルトトリオースにつ
いても同様の試験を行なつたが、メレジトースま
たはマルトトリオースの濃度が0.1〜0.7モルであ
つて、処理温度が25〜40℃の場合に、プロトプラ
スト収率は70%以上の高率を示した。 実験例 4 この実験は、マグネシウムイオンおよびN−ア
セチルムラミダーゼSGの濃度の影響について試
験した。 ラフイノースの濃度を0.3モル(M)とし、塩
化マグネシウムの濃度を0〜5ミリモル(mM)
とし、N−アセチルムラミダーゼSGの濃度を0
〜100μg/mlとし、そして処理温度を30℃とし
たこと以外は、実験例2と同様にして、プロトプ
ラスト収率を算出した。 実験結果は第4表に示すとおりであつた。
【表】 第4表によると、塩化マグネシウムの濃度を
0.1〜3ミリモル(mM)とし、N−アセチルム
ラミダーゼSGの濃度を10〜75μg/mlとした場合
に、プロトプラスト収率は70%以上の高率を示す
が、塩化マグネシウムの濃度を0.5〜2ミリモル
(mM)とし、N−アセチルムラミダーゼSGの濃
度を25〜75μg/mlとした場合に、プロトプラス
ト収率は80%以上の高率を示す。 次に、塩化マグネシウムの代りに、硫酸マグネ
シウム、酢酸マグネシウムまたはクエン酸マグネ
シウムなどを使用して同様の試験を行なつたが、
同様の結果を示した。 以上の実験例2〜4の結果を総合すると、ビフ
イドバクテリウム・ロンガム(ATCC15707)の
菌体をN−アセチルムラミダーゼSGによつて処
理して、プロトプラストを製造する方法におい
て、菌体懸濁液にラフイノース、メレジトースま
たはマルトトリオースなどの三糖類を0.1〜0.7モ
ル(M)の濃度において添加し、マグネシウムイ
オンを0.1〜3ミリモル(mM)の濃度において
添加し、N−アセチルムラミダーゼSGを10〜75μ
g/mlの濃度において添加し、さらに25〜40℃の
温度において処理した場合に、プロトプラスト収
率が70%以上の高率であるプロトプラストを製造
することができることがわかる。 次にビフイドバクテリウム・ビフイダム
(ATCC15696)、ビフイドバクテリウム・インフ
アンチス(ATCC15697)、ビフイドバクテリウ
ム・ブレーベ(ATCC15700)またはビフイドバ
クテリウム・アドレセンチス(ATCC15703)を
使用し、同様の試験を行なつたが、プロトプラス
ト収率は70%以上の高率を示した。 しかしながら、マルトトリオースをビフイドバ
クテリウム・ビフイダム、ビフイドバクテリウ
ム・インフアンチスおよびビフイドバクテリウ
ム・アドレセンチスに使用した場合、プロトプラ
スト収率が例外的に10〜50%の低率を示すことが
あつた。 さらにプロトプラスト収率が100%以上を示す
場合もあつたが、これは1個の菌体細胞から1個
以上のプロトプラストが形成されたことによると
考えられる。 以下において本発明の実施の一例を示すが、本
発明はこれらの例示に限定されるものではない。 実施例 1 ビフイドバクテリウム・ロンガム
(ATCC15707)の前培養を前記のGAMブイヨン
培地に2%(v/v)において接種し、炭酸ガス
による嫌気条件の下で、37℃において5時間静置
培養した。培養液を5000×Gにおいて15分間遠心
分離して集菌し、得られた菌体を0.02Mリン酸緩
衝液(PH:7.0)により2回洗浄した後、0.32M
のメレジトースおよび1.1mMの塩化マグネシウ
ムを含有する0.01Mトリスーマレイン酸−水酸化
ナトリウム緩衝液(PH:7.0)に懸濁して、
660nmの波長における吸光度(OD660)が0.4の菌
体懸濁液を得た。 2本の試験管に、それぞれ9.5mlの菌体懸濁液
を入れ、そのうちの1本の試験管を30℃の恒温水
槽に5分間保持した後、これに、1mg/mlのN−
アセチルムラミダーゼSG(大日本製薬株式会社製
品、生化学工業株式会社販売)を含む0.01Mトリ
スーマレイン酸−水酸化ナトリウム緩衝液(PH:
7.0)の0.5mlを加え、均一に攪拌した後、30℃に
おいて20分間静置した。その後直ちに急冷し、こ
れをプロトプラスト調製液とした。 これとは別に、前記の菌体懸濁液を入れた他方
の試験管に、0.5mlの0.01Mトリスーマレイン酸
−水酸化ナトリウム緩衝液(PH:7.0)を加え、
これを未処理細胞液とした。 未処理細胞液を位相差顕微鏡で検鏡し、ペトロ
フハウザー細菌計算盤を用いて細胞数を測定し、
2.6×108/mlの処理前の細胞数を得た。 プロトプラスト調製液のプロトプラスト数およ
びプロトプラスト化していない細胞数を同様にし
て測定し、2.2×108/mlの処理後のプロトプラス
ト数および2.0×1071mlの処理後のプロトプラス
ト化していない細胞数を得た。 プロトプラスト形成率は92%であり、またプロ
トプラスト収率は85%であつた。 実施例 2 ビフイドバクテリウム・ブレーベ
(ATCC15700)の前培養を前記のVLL培地に2
%(v/v)において接種し、37℃において8時
間静置培養した。培養液を5000×Gにおいて15分
間遠心分離して集菌し、0.02Mリン酸緩衝液
(PH:7.0)により2回洗浄した後、0.32Mのマル
トトリオースおよび1.1mMの塩化マグネシウム
を含有する0.01Mトリスーマレイン酸−水酸化ナ
トリウム緩衝液(PH:7.0)に懸濁して、660nm
の波長における吸光度(OD660)が0.5の菌体懸濁
液を得た。 この菌体懸濁液を実施例1と同様に処理して、
プロトプラスト調製液および未処理細胞液を調製
し、実施例1と同様にして、3.4×108/mlの処理
前の細胞数、2.7×108/mlの処理後のプロトプラ
スト数および3.2×107/mlの処理後のプロトプラ
スト化していない細胞数を得た。 プロトプラスト形成率は89%であり、またプロ
トプラスト収率は79%であつた。 実施例 3 ビフイドバクテリウム・ビフイダム
(ATCC15696)、ビフイドバクテリウム・インフ
アンチス(ATCC15697)、ビフイドバクテリウ
ム・ブレーベ(ATCC15700)、ビフイドバクテリ
ウム・アドレセンチス(ATCC15703)およびビ
フイドバクテリウム・ロンガム(ATCC15707)
の前培養を使用し、メレジトースの代りにラフイ
ノースを使用したこと以外は実施例1と同様にし
て、それぞれの菌種についてプロトプラスト収率
を求めた。 その結果は第5表に示すとおりであつて、いず
れの微生物においても、そのプロトプラスト収率
は70%以上であつた。
〔発明の効果〕
(1) ビフイドバクテリウム属に属する微生物のい
ずれの種であつても、プロトプラストを製造す
ることができる。 (2) プロトプラスト収率が高い。 (3) 高濃度のプロトプラストを簡便かつ短時間に
製造することができ、それによつて細胞融合ま
たは遺伝子操作などによる取得率の低い微生物
の育種および改良に利用することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ビフイドバクテリウム属に属する微生物をス
    トレプトマイセス・グロビスポラスの生産するエ
    ンドーN−アセチルムラミダーゼで処理し、その
    プロトプラストを製造する方法において、ビフイ
    ドバクテリウム属に属する微生物の菌体懸濁液を
    少なくとも0.1モルの三糖類および少なくとも0.1
    ミリモルのマグネシウムイオンの存在の下に、40
    ℃を超えない温度において前記の酵素処理を行な
    うことを特徴とするプロトプラスト収率の高いビ
    フイズス菌のプロトプラストの製造法。 2 ビフイドバクテリウム属に属する微生物が、
    ビフイドバクテリウム・ビフイダム、ビフイドバ
    クテリウム・インフアンチス、ビフイドバクテリ
    ウム・ブレーベ、ビフイドバクテリウム・アドレ
    センチスおよびビフイドバクテリウム・ロンガム
    からなる群より選択された微生物であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載のビフイズ
    ス菌のプロトプラストの製造法。 3 三糖類が、ラフイノース、メレジトース、マ
    ルトトリオースおよびこれらの混合物からなる群
    より選択されたものであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項または第2項に記載のビフイズ
    ス菌のプロトプラストの製造法。 4 マグネシウムイオンが、塩化マグネシウム、
    硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸
    マグネシウムおよびこれらの混合物からなる群よ
    り選択されたものを菌体懸濁液に加えることによ
    り供給されることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれかに記載のビフイズス
    菌のプロトプラストの製造法。 5 三糖類の濃度が、0.1〜0.7モルであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4項の
    いずれかに記載のビフイズス菌のプロトプラスト
    の製造法。 6 マグネシウムイオンの濃度が、0.1〜3ミリ
    モルであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項ないし第5項のいずれかに記載のビフイズス菌
    のプロトプラストの製造法。 7 酸素処理の温度が、25〜40℃であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項ないし第6項のい
    ずれかに記載のビフイズス菌のプロトプラストの
    製造法。
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