JPH0474424B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0474424B2 JPH0474424B2 JP60236383A JP23638385A JPH0474424B2 JP H0474424 B2 JPH0474424 B2 JP H0474424B2 JP 60236383 A JP60236383 A JP 60236383A JP 23638385 A JP23638385 A JP 23638385A JP H0474424 B2 JPH0474424 B2 JP H0474424B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rail
- less
- abdomen
- wear
- head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/04—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for rails
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S148/00—Metal treatment
- Y10S148/902—Metal treatment having portions of differing metallurgical properties or characteristics
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
「発明の目的」
本発明は不安定破壊伝播停止能力を有する耐摩
耗性高性能レールに係り、鉄道線路の曲線部等に
用いられる耐摩耗性高強度微細パーライト組織鋼
レールに関し疲労亀裂あるいは偶発的に発生した
欠陥を起点として頭部から腹部に進む横方向不安
定破壊や腹部を水平方向に伝播する不安定破壊を
停止する能力を備え、レールの破断や連続的な大
規模破損を防止することのできる高性能レールを
提供しようとするものである。 産業上の利用分野 鉄道線路の曲線部などに用いられる耐摩耗性高
強度レール。 従来の技術 レールの破壊は大きな列車事故に結びつくこと
が多く、このような破壊原因としては車輪との接
触によつて生じるシエリング損傷、継目から発生
する亀裂、レール中に存在するシヤータークラツ
ク或いは巨大な酸化物系介在物、深い表面疵など
があり、レールの種々の位置に存在する各種の亀
裂から長時間使用の間の疲労により横裂欠陥ある
いは水平裂欠陥などとなり、経時的に伝播拡張を
続け、レールのもつ固有の破壊靱性値(例えば
ASTME399に定められているKIC値)になり、急
激に不安定な破壊を起してレール破断に到る。多
数の死傷者を出した脱線事故などにおいて、例え
ばガス切断時に発生した亀裂を有する耐摩耗性合
金鋼レールの端部から列車車輪による衝撃荷重に
誘発された不安定破壊亀裂が第5図に示すような
レール10の腹部11を水平方向に10m以上にも
亘つて伝播し、途中で頭部12或いは脚部13に
分岐した亀裂となり、偶発的に大きく破壊するこ
とがある。 然してこのような場合に対処すべく用いられて
いる従来の耐摩耗用レールは、車輪との接触部で
ある頭部12を例えば特開昭52−138428、特開昭
54−56920、同−148124、同−147124などに示さ
れるように普通レールに比し高強度の微細パーラ
イトとして耐摩耗性を高めることである。 発明が解決しようとする問題点 ところが上記のような従来の耐摩耗用レールに
おけるパーライト組織、特に微細パーライト組織
は硬く耐摩耗特性に優れている反面において脆
く、上記のような不安定破壊発生に対する抵抗お
よび不安定破壊伝播停止能力は劣るので、その使
用に当つては表面と共に内部欠陥の発生に常に注
意することが必要である。即ち不安定破壊発生に
対する抵抗が低い材料では、欠陥の成長が進まな
いうちに不安定破壊が発生しやすく、また不安定
破壊伝播停止能力が充分でない場合には不安定破
壊によるレールの破断・腹部の大規模破壊に伴う
列車の脱線等の重大事故発生を招く恐れがあるか
らである。このため、従来では小さい欠陥のうち
に欠陥部を検出除去する必要から、超音波探傷な
どにより厳しい定期探傷を頻繁に行わざるを得な
い。 然しある特定部位、例えば脚部、底面側などで
発生した疲労欠陥等は、ある程度疲労欠陥が成長
しないと検出することが難しく、なおかつ検出さ
れてから短期間で疲労欠陥部を除去・補修するこ
とは難しいことから、定期探傷の頻度を現状以上
に増やしたり、欠陥の検出における発見率を上げ
るような工夫をしても、不安定破壊発生による重
大事故の発生を防ぐ根本的な解決策とはなつてい
ない。従来のレールではこのような欠陥検出およ
び欠陥部の除去に多大な労力を払わざるを得ない
もので、しかもこのような不安定破壊伝播の開始
とそれに続く破壊ないし大規模破損が避けられな
い。 「発明の構成」 問題点を解決するための手段 本発明は上記したような従来技術における技術
的課題を解消することについて検討を重ねた結
果、耐摩耗性を必須とするこの種レールにおいて
レール全般を一様な組織として不安定破壊伝播停
止能力を適切に得しめることは不可能であるこ
と、またこのような不安定破壊伝播停止能力はレ
ールの腹部において決定的に支配されるものであ
る、という新しい知見に立脚し本発明を完成した
ものであつて、以下の如くである。 1 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなるレールであつて、頭部は高強度微細パー
ライト組織であり、腹部は高靱性の焼戻しベイ
ナイト組織または焼戻しマルテンサイト組織の
1種または2種の混合組織であることを特徴と
する不安定破壊伝播停止能力を有する耐摩耗性
高性能レール。 2 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有すると共に、 Cr:0.05〜1.50wt%、Mo:0.05〜0.20wt%、 Ni:0.10〜1.00wt% の何れか1種または2種以上をも含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物からなるレールに
おいて、頭部は高強度微細パーライト組織であ
り、腹部は高靱性の焼戻しベイナイト組織また
は焼戻しマルテンサイト組織の1種または2種
の混合組織であることを特徴とする不安定破壊
伝播停止能力を有する耐摩耗性高性能レール。 3 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.50wt%以下 を含有すると共に、 V:0.03〜0.10wt%、Nb:0.005〜0.050wt% の何れか1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなるレールにおい
て、頭部は高強度微細パーライト組織であり、
腹部は高靱性の焼戻しベイナイト組織または焼
戻しマルテンサイト組織の1種または2種の混
合組織であることを特徴とする不安定破壊伝播
停止能力を有する耐摩耗性高性能レール。 4 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.50wt%以下 を含有すると共に、 Cr:0.05〜1.50wt%、Mo:0.05〜0.20wt%、 Ni:0.10〜1.00wt% の何れか1種または2種以上と、 V:0.03〜0.10wt%、Nb:0.005〜0.050wt% の何れか1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなるレールにおい
て、頭部は高強度微細パーライト組織であり、
腹部は高靱性の焼戻しベイナイト組織または焼
戻しマルテンサイト組織の1種または2種の混
合組織であることを特徴とする不安定破壊伝播
停止能力を有する耐摩耗性高性能レール。 作 用 本発明レールの化学成分を限定した理由をwt
%(以下単に%という)によつて説明すると、以
下の通りである。 Cは、耐摩耗性上必要不可欠な元素であり、
0.50%未満では摩耗が激しく、実用的に頭部など
に必要な耐摩耗鋼となり得ない。一方0.85%超え
では金属組織中に初析セメンタイトが生成し、延
性が劣化して不安定破壊の発生ないしその伝播を
的確に防止し難い。よつてC量を0.50〜0.85%に
限定した。 Siは、脱酸元素であると共に強度向上に必須の
元素である。従つて、脱酸元素として最低0.10%
はキルド鋼として必要であるが、一方強度上昇に
は添加量が多い方が効果も大きい。然し1.00%超
えでは延性の低下が大きいためC同様に不安定破
壊を有効に防止し難いこととなるのでこれを上限
とした。 Mnは、強度向上に必須の元素であつて、0.50
%未満ではその効果が小さくてレール頭部などの
特性が有効に得られず、又1.50%超えでは溶接性
の劣化が顕著となるので0.50〜1.50%に限定し
た。 P、Sは、不純物元素で、0.035%超えになる
と延性、靱性が劣化し、不安定破壊防止が適切に
得られないこととなるため何れもこれを上限とし
た。 Alは、脱酸元素としてSiと併用される。しか
し0.050%超えではAl2O3の発生量が多くなり耐疲
労性能が劣化し不安定破壊が有効に防止できない
ためこれを上限とした。 またCを前記のように0.50%以上とし、しかも
Siを0.10%以上、Mnを0.50%以上とすることに
よりレール頭部などの強度を上昇する。 さらにCを0.85%以下、Siを1.00以下とするこ
とによつて延性低下をなからしめ、P、Sを夫々
0.035%以下とすることによる前記延性、靱性の
劣化回避と、Mnを1.50%以下とすることによる
溶接性劣化防止、およびAlを0.050%以下とする
ことによる疲労性能の劣化防止が総合されてレー
ルにおける好ましい性能劣化防止が図られる。 前記したような各成分組成範囲とされることに
より頭部を高強度微細パーライト組織とし、しか
も腹部が高靱性な焼戻しベイナイト組織、焼戻し
マルテンサイト組織あるいは焼戻しベイナイト・
マルテンサイト混合組織の何れかとされ、不安定
破壊を有効に停止する機能をこの腹部において確
保する。 頭部が前記のように高強度微細パーライト組織
とされることによつてレールの耐摩耗性を充分に
高く維持する。 更に本発明では上記のようなレールを効率よ
く、かつ効果的に製造するために以下の元素を必
要に応じて1種以上を添加する。 Cr:0.05〜1.50%、Mo:0.05〜0.02%、 Ni:0.10〜1.00% 即ちこれらの限定理由は以下の通りである。 Crは、焼入性向上により、頭部を微細パーラ
イト組織とするのを容易にすると共に、パーライ
ト組織の焼なまし軟化抵抗を高め、高強度微細パ
ーライト組織を得られ易くする。又、焼入性の向
上は、腹部をベイナイトあるいはマルテンサイト
組織にする場合、パーライトノーズを長時間側に
移すため、パーライト組織の混入を抑える効果が
ある。また、よりマイルドな冷却により所定の組
織(マルテンサイト組織、ベイナイト組織あるい
はそれらの混合組織)を腹底部に得ることが可能
となるため熱処理時に発生する一時的な過度の内
部応力の発生を抑制する。したがつて、焼入性の
向上効果を示す0.05%を下限とし、1.50%超えで
は溶接性を劣化させるためこれを上限とし、0.05
〜1.50%に限定した。 Moは、Crと同様に焼入性の向上と、パーライ
ト組織の焼なまし軟化抵抗による強度上昇を示し
その限定理由も同じである。つまり焼入性の効果
を示す下限値として0.05%は必要で、又溶接性か
ら上限を0.20%とした。 Niは、焼入性向上および強度上昇と靱性向上
に効果があり、0.10%未満では焼入性が小さく、
1.00%超えでは、その効果は飽和する。したがつ
て0.10%〜1.00%に限定した。 また、本発明ではレール頭部内部の硬さをより
高く安定して得るために以下の元素を必要に応じ
て1種以上添加する。 V:0.03〜0.10%、Nb:0.005〜0.050% 即ちこれらの元素についての限定理由は以下の
通りである。 V、Nbは、焼入性を向上させ、同時に析出硬
化を示す元素でもあり、強度上昇、摩耗特性の向
上に効果を示す。また、これらの元素にはパーラ
イト組織の細粒化効果があり、レール頭部の延
性・靱性を改善するだけでなく、レール頭部の組
織をより安定して微細パーライト組織とすること
ができる。このため下限として細粒化効果及び析
出硬化を示す最低量であるV:0.03%、Nb:
0.005%を必要とし、また上限はこの効果が飽和
する量であつて、V:0.10%、Nb:0.05%とし
た。 上記の化学成分を含有するレール鋼は、又本発
明レールの特徴とする金属組織にするための熱処
理条件として以下のように処理される。 即ち圧延直後に圧延顕熱を利用し、必要であれ
ば保熱炉を設け、あるいは圧延放冷後AC3以上に
再加熱するなどによる、AC3点以上の温度のレー
ルを冷却する。つまり頭部は、緩速焼入し、高強
度微細パーライト組織となり、腹部は急速冷却
し、パーライトノーズより短時間側を冷却し、所
要の金属組織とするため冷却条件を変更する。ベ
イナイト組織とするためにはM3点以上、BS点
(ベイナイトの生成する上限温度)以下の温度範
囲で恒温保持して充分変態を進める。マルテンサ
イト組織とするためには室温付近まで任意の冷却
速度で冷却する。必要に応じてマルクエンチす
る。ベイナイト・マルテンサイト混合組織とする
ためには、MS点以下でマルテンサイトを、MS点
以上BS点以下の温度範囲でベイナイトをそれぞ
れ適量生成せしめる。マルテンサイト生成量は初
めにベイナイト量を恒温保持時間で制御するか、
もしくはマルテンサイト生成量は温度依存型であ
るので、初めにマルテンサイト量をMS点からの
過冷度で制御する。 このようにして得られたベイナイト組織、マル
テンサイト組織あるいはベイナイト・マルテンサ
イト混合組織とした腹部を変態後きれめなく連続
して焼戻しを行ない、もしくは一旦室温付近まで
冷却後焼戻しを行なうことなどにより高靱性な金
属組織とする。 レール腹部を熱処理するに当つて、脚部の腹部
つけ根付近も腹部と同様の金属組織となることが
あり、又不可避的に30%未満のパーライト組織が
混入することも実際上ある。更に頭部と腹部を同
時に熱処理するか、若しくは別々に熱処理するか
しても目的の金属組織とすることができる。なお
脚部の金属組織については特に限定しないが腹部
と同じ組織とする方が好ましく、通常はパーライ
ト組織となる。 上記したような本発明によるものは、場合によ
つては普通レールの腹部に高靱性な金属組織を与
える場合にも応用することができる。 なお本発明により不安定破壊の伝播を有効に停
止させる組織が腹部において得られることより、
レール底部の疲労欠陥等から発生した不安定破壊
亀裂およびレール頭部で発生した不安定破壊亀裂
はレール腹部で適切に停止せしめられ、レールの
大規模破壊は防止されると共に脱線等の重大事故
に結び付く危険性が大幅に軽減される。また、こ
れにより欠陥検出のための定期探傷の計画および
欠陥部除去のための計画が立てやすくなることは
明らかである。 本発明によるものの具体的な製造方法としては
次の〜の如くである。 頭部を高強度微細パーライト組織、腹部を焼
戻しベイナイト組織とする本発明レールの製造
は、AC3以上の温度より、頭部は2〜10℃/
secで500℃以下まで冷却する。同時に腹部を15
℃/sec以上の急冷を行ない300〜450℃の温度
に停止し、恒温保持し、少なくとも50%以上ベ
イナイト変態したところで、1℃/sec以上の
加熱速度で600〜700℃に加熱して、焼戻した後
放冷する。脚部は放冷である。 頭部を高強度微細パーライト組織、腹部を焼
戻しマルテンサイト組織とする本発明レールの
製造は、AC3以上の温度より、頭部は2〜10
℃/secで500℃以下まで冷却する。同時に腹部
を15℃/sec以上の急冷を行ない、MS点(240
℃)以下、少なくとも50%以上マルテンサイト
変態する温度(200℃以下)まで冷却する。必
要に応じてMS点直上で弱冷却に変更してマル
クエンチする。その後連続して腹部を600〜700
℃に1℃/sec以上で加熱し焼戻した後放冷す
る。脚部は放冷である。 頭部を高強度微細パーライト組織、腹部を焼
戻しベイナイト・マルテンサイト組織とする本
発明レールの製造は、AC3以上の温度より、頭
部は2〜10℃/secで500℃以下まで冷却する。
同時に腹部に対して15℃/sec以上の急冷を行
ない、250〜450℃の温度に冷却停止し、恒温保
持しベイナイト変態が30%以上になつたところ
でMS点以下まで冷却してマルテンサイト変態
させる。もしくは腹部を急冷して30%以上のマ
ルテンサイト変態する温度(200〜100℃)に冷
却停止し、その後連続して300〜450℃に加熱保
持してベイナイト変態させる。ベイナイト・マ
ルテンサイト混合組織とした後連続して600〜
700℃に加熱して焼戻した後放冷する。脚部は
放冷である。 実施例 本発明によるものの具体的な実施例について説
明すると以下の通りである。 即ち本発明者等が具体的に用いた鋼の化学的な
成分組成は次の第1表の如くである。
耗性高性能レールに係り、鉄道線路の曲線部等に
用いられる耐摩耗性高強度微細パーライト組織鋼
レールに関し疲労亀裂あるいは偶発的に発生した
欠陥を起点として頭部から腹部に進む横方向不安
定破壊や腹部を水平方向に伝播する不安定破壊を
停止する能力を備え、レールの破断や連続的な大
規模破損を防止することのできる高性能レールを
提供しようとするものである。 産業上の利用分野 鉄道線路の曲線部などに用いられる耐摩耗性高
強度レール。 従来の技術 レールの破壊は大きな列車事故に結びつくこと
が多く、このような破壊原因としては車輪との接
触によつて生じるシエリング損傷、継目から発生
する亀裂、レール中に存在するシヤータークラツ
ク或いは巨大な酸化物系介在物、深い表面疵など
があり、レールの種々の位置に存在する各種の亀
裂から長時間使用の間の疲労により横裂欠陥ある
いは水平裂欠陥などとなり、経時的に伝播拡張を
続け、レールのもつ固有の破壊靱性値(例えば
ASTME399に定められているKIC値)になり、急
激に不安定な破壊を起してレール破断に到る。多
数の死傷者を出した脱線事故などにおいて、例え
ばガス切断時に発生した亀裂を有する耐摩耗性合
金鋼レールの端部から列車車輪による衝撃荷重に
誘発された不安定破壊亀裂が第5図に示すような
レール10の腹部11を水平方向に10m以上にも
亘つて伝播し、途中で頭部12或いは脚部13に
分岐した亀裂となり、偶発的に大きく破壊するこ
とがある。 然してこのような場合に対処すべく用いられて
いる従来の耐摩耗用レールは、車輪との接触部で
ある頭部12を例えば特開昭52−138428、特開昭
54−56920、同−148124、同−147124などに示さ
れるように普通レールに比し高強度の微細パーラ
イトとして耐摩耗性を高めることである。 発明が解決しようとする問題点 ところが上記のような従来の耐摩耗用レールに
おけるパーライト組織、特に微細パーライト組織
は硬く耐摩耗特性に優れている反面において脆
く、上記のような不安定破壊発生に対する抵抗お
よび不安定破壊伝播停止能力は劣るので、その使
用に当つては表面と共に内部欠陥の発生に常に注
意することが必要である。即ち不安定破壊発生に
対する抵抗が低い材料では、欠陥の成長が進まな
いうちに不安定破壊が発生しやすく、また不安定
破壊伝播停止能力が充分でない場合には不安定破
壊によるレールの破断・腹部の大規模破壊に伴う
列車の脱線等の重大事故発生を招く恐れがあるか
らである。このため、従来では小さい欠陥のうち
に欠陥部を検出除去する必要から、超音波探傷な
どにより厳しい定期探傷を頻繁に行わざるを得な
い。 然しある特定部位、例えば脚部、底面側などで
発生した疲労欠陥等は、ある程度疲労欠陥が成長
しないと検出することが難しく、なおかつ検出さ
れてから短期間で疲労欠陥部を除去・補修するこ
とは難しいことから、定期探傷の頻度を現状以上
に増やしたり、欠陥の検出における発見率を上げ
るような工夫をしても、不安定破壊発生による重
大事故の発生を防ぐ根本的な解決策とはなつてい
ない。従来のレールではこのような欠陥検出およ
び欠陥部の除去に多大な労力を払わざるを得ない
もので、しかもこのような不安定破壊伝播の開始
とそれに続く破壊ないし大規模破損が避けられな
い。 「発明の構成」 問題点を解決するための手段 本発明は上記したような従来技術における技術
的課題を解消することについて検討を重ねた結
果、耐摩耗性を必須とするこの種レールにおいて
レール全般を一様な組織として不安定破壊伝播停
止能力を適切に得しめることは不可能であるこ
と、またこのような不安定破壊伝播停止能力はレ
ールの腹部において決定的に支配されるものであ
る、という新しい知見に立脚し本発明を完成した
ものであつて、以下の如くである。 1 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなるレールであつて、頭部は高強度微細パー
ライト組織であり、腹部は高靱性の焼戻しベイ
ナイト組織または焼戻しマルテンサイト組織の
1種または2種の混合組織であることを特徴と
する不安定破壊伝播停止能力を有する耐摩耗性
高性能レール。 2 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有すると共に、 Cr:0.05〜1.50wt%、Mo:0.05〜0.20wt%、 Ni:0.10〜1.00wt% の何れか1種または2種以上をも含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物からなるレールに
おいて、頭部は高強度微細パーライト組織であ
り、腹部は高靱性の焼戻しベイナイト組織また
は焼戻しマルテンサイト組織の1種または2種
の混合組織であることを特徴とする不安定破壊
伝播停止能力を有する耐摩耗性高性能レール。 3 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.50wt%以下 を含有すると共に、 V:0.03〜0.10wt%、Nb:0.005〜0.050wt% の何れか1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなるレールにおい
て、頭部は高強度微細パーライト組織であり、
腹部は高靱性の焼戻しベイナイト組織または焼
戻しマルテンサイト組織の1種または2種の混
合組織であることを特徴とする不安定破壊伝播
停止能力を有する耐摩耗性高性能レール。 4 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.50wt%以下 を含有すると共に、 Cr:0.05〜1.50wt%、Mo:0.05〜0.20wt%、 Ni:0.10〜1.00wt% の何れか1種または2種以上と、 V:0.03〜0.10wt%、Nb:0.005〜0.050wt% の何れか1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなるレールにおい
て、頭部は高強度微細パーライト組織であり、
腹部は高靱性の焼戻しベイナイト組織または焼
戻しマルテンサイト組織の1種または2種の混
合組織であることを特徴とする不安定破壊伝播
停止能力を有する耐摩耗性高性能レール。 作 用 本発明レールの化学成分を限定した理由をwt
%(以下単に%という)によつて説明すると、以
下の通りである。 Cは、耐摩耗性上必要不可欠な元素であり、
0.50%未満では摩耗が激しく、実用的に頭部など
に必要な耐摩耗鋼となり得ない。一方0.85%超え
では金属組織中に初析セメンタイトが生成し、延
性が劣化して不安定破壊の発生ないしその伝播を
的確に防止し難い。よつてC量を0.50〜0.85%に
限定した。 Siは、脱酸元素であると共に強度向上に必須の
元素である。従つて、脱酸元素として最低0.10%
はキルド鋼として必要であるが、一方強度上昇に
は添加量が多い方が効果も大きい。然し1.00%超
えでは延性の低下が大きいためC同様に不安定破
壊を有効に防止し難いこととなるのでこれを上限
とした。 Mnは、強度向上に必須の元素であつて、0.50
%未満ではその効果が小さくてレール頭部などの
特性が有効に得られず、又1.50%超えでは溶接性
の劣化が顕著となるので0.50〜1.50%に限定し
た。 P、Sは、不純物元素で、0.035%超えになる
と延性、靱性が劣化し、不安定破壊防止が適切に
得られないこととなるため何れもこれを上限とし
た。 Alは、脱酸元素としてSiと併用される。しか
し0.050%超えではAl2O3の発生量が多くなり耐疲
労性能が劣化し不安定破壊が有効に防止できない
ためこれを上限とした。 またCを前記のように0.50%以上とし、しかも
Siを0.10%以上、Mnを0.50%以上とすることに
よりレール頭部などの強度を上昇する。 さらにCを0.85%以下、Siを1.00以下とするこ
とによつて延性低下をなからしめ、P、Sを夫々
0.035%以下とすることによる前記延性、靱性の
劣化回避と、Mnを1.50%以下とすることによる
溶接性劣化防止、およびAlを0.050%以下とする
ことによる疲労性能の劣化防止が総合されてレー
ルにおける好ましい性能劣化防止が図られる。 前記したような各成分組成範囲とされることに
より頭部を高強度微細パーライト組織とし、しか
も腹部が高靱性な焼戻しベイナイト組織、焼戻し
マルテンサイト組織あるいは焼戻しベイナイト・
マルテンサイト混合組織の何れかとされ、不安定
破壊を有効に停止する機能をこの腹部において確
保する。 頭部が前記のように高強度微細パーライト組織
とされることによつてレールの耐摩耗性を充分に
高く維持する。 更に本発明では上記のようなレールを効率よ
く、かつ効果的に製造するために以下の元素を必
要に応じて1種以上を添加する。 Cr:0.05〜1.50%、Mo:0.05〜0.02%、 Ni:0.10〜1.00% 即ちこれらの限定理由は以下の通りである。 Crは、焼入性向上により、頭部を微細パーラ
イト組織とするのを容易にすると共に、パーライ
ト組織の焼なまし軟化抵抗を高め、高強度微細パ
ーライト組織を得られ易くする。又、焼入性の向
上は、腹部をベイナイトあるいはマルテンサイト
組織にする場合、パーライトノーズを長時間側に
移すため、パーライト組織の混入を抑える効果が
ある。また、よりマイルドな冷却により所定の組
織(マルテンサイト組織、ベイナイト組織あるい
はそれらの混合組織)を腹底部に得ることが可能
となるため熱処理時に発生する一時的な過度の内
部応力の発生を抑制する。したがつて、焼入性の
向上効果を示す0.05%を下限とし、1.50%超えで
は溶接性を劣化させるためこれを上限とし、0.05
〜1.50%に限定した。 Moは、Crと同様に焼入性の向上と、パーライ
ト組織の焼なまし軟化抵抗による強度上昇を示し
その限定理由も同じである。つまり焼入性の効果
を示す下限値として0.05%は必要で、又溶接性か
ら上限を0.20%とした。 Niは、焼入性向上および強度上昇と靱性向上
に効果があり、0.10%未満では焼入性が小さく、
1.00%超えでは、その効果は飽和する。したがつ
て0.10%〜1.00%に限定した。 また、本発明ではレール頭部内部の硬さをより
高く安定して得るために以下の元素を必要に応じ
て1種以上添加する。 V:0.03〜0.10%、Nb:0.005〜0.050% 即ちこれらの元素についての限定理由は以下の
通りである。 V、Nbは、焼入性を向上させ、同時に析出硬
化を示す元素でもあり、強度上昇、摩耗特性の向
上に効果を示す。また、これらの元素にはパーラ
イト組織の細粒化効果があり、レール頭部の延
性・靱性を改善するだけでなく、レール頭部の組
織をより安定して微細パーライト組織とすること
ができる。このため下限として細粒化効果及び析
出硬化を示す最低量であるV:0.03%、Nb:
0.005%を必要とし、また上限はこの効果が飽和
する量であつて、V:0.10%、Nb:0.05%とし
た。 上記の化学成分を含有するレール鋼は、又本発
明レールの特徴とする金属組織にするための熱処
理条件として以下のように処理される。 即ち圧延直後に圧延顕熱を利用し、必要であれ
ば保熱炉を設け、あるいは圧延放冷後AC3以上に
再加熱するなどによる、AC3点以上の温度のレー
ルを冷却する。つまり頭部は、緩速焼入し、高強
度微細パーライト組織となり、腹部は急速冷却
し、パーライトノーズより短時間側を冷却し、所
要の金属組織とするため冷却条件を変更する。ベ
イナイト組織とするためにはM3点以上、BS点
(ベイナイトの生成する上限温度)以下の温度範
囲で恒温保持して充分変態を進める。マルテンサ
イト組織とするためには室温付近まで任意の冷却
速度で冷却する。必要に応じてマルクエンチす
る。ベイナイト・マルテンサイト混合組織とする
ためには、MS点以下でマルテンサイトを、MS点
以上BS点以下の温度範囲でベイナイトをそれぞ
れ適量生成せしめる。マルテンサイト生成量は初
めにベイナイト量を恒温保持時間で制御するか、
もしくはマルテンサイト生成量は温度依存型であ
るので、初めにマルテンサイト量をMS点からの
過冷度で制御する。 このようにして得られたベイナイト組織、マル
テンサイト組織あるいはベイナイト・マルテンサ
イト混合組織とした腹部を変態後きれめなく連続
して焼戻しを行ない、もしくは一旦室温付近まで
冷却後焼戻しを行なうことなどにより高靱性な金
属組織とする。 レール腹部を熱処理するに当つて、脚部の腹部
つけ根付近も腹部と同様の金属組織となることが
あり、又不可避的に30%未満のパーライト組織が
混入することも実際上ある。更に頭部と腹部を同
時に熱処理するか、若しくは別々に熱処理するか
しても目的の金属組織とすることができる。なお
脚部の金属組織については特に限定しないが腹部
と同じ組織とする方が好ましく、通常はパーライ
ト組織となる。 上記したような本発明によるものは、場合によ
つては普通レールの腹部に高靱性な金属組織を与
える場合にも応用することができる。 なお本発明により不安定破壊の伝播を有効に停
止させる組織が腹部において得られることより、
レール底部の疲労欠陥等から発生した不安定破壊
亀裂およびレール頭部で発生した不安定破壊亀裂
はレール腹部で適切に停止せしめられ、レールの
大規模破壊は防止されると共に脱線等の重大事故
に結び付く危険性が大幅に軽減される。また、こ
れにより欠陥検出のための定期探傷の計画および
欠陥部除去のための計画が立てやすくなることは
明らかである。 本発明によるものの具体的な製造方法としては
次の〜の如くである。 頭部を高強度微細パーライト組織、腹部を焼
戻しベイナイト組織とする本発明レールの製造
は、AC3以上の温度より、頭部は2〜10℃/
secで500℃以下まで冷却する。同時に腹部を15
℃/sec以上の急冷を行ない300〜450℃の温度
に停止し、恒温保持し、少なくとも50%以上ベ
イナイト変態したところで、1℃/sec以上の
加熱速度で600〜700℃に加熱して、焼戻した後
放冷する。脚部は放冷である。 頭部を高強度微細パーライト組織、腹部を焼
戻しマルテンサイト組織とする本発明レールの
製造は、AC3以上の温度より、頭部は2〜10
℃/secで500℃以下まで冷却する。同時に腹部
を15℃/sec以上の急冷を行ない、MS点(240
℃)以下、少なくとも50%以上マルテンサイト
変態する温度(200℃以下)まで冷却する。必
要に応じてMS点直上で弱冷却に変更してマル
クエンチする。その後連続して腹部を600〜700
℃に1℃/sec以上で加熱し焼戻した後放冷す
る。脚部は放冷である。 頭部を高強度微細パーライト組織、腹部を焼
戻しベイナイト・マルテンサイト組織とする本
発明レールの製造は、AC3以上の温度より、頭
部は2〜10℃/secで500℃以下まで冷却する。
同時に腹部に対して15℃/sec以上の急冷を行
ない、250〜450℃の温度に冷却停止し、恒温保
持しベイナイト変態が30%以上になつたところ
でMS点以下まで冷却してマルテンサイト変態
させる。もしくは腹部を急冷して30%以上のマ
ルテンサイト変態する温度(200〜100℃)に冷
却停止し、その後連続して300〜450℃に加熱保
持してベイナイト変態させる。ベイナイト・マ
ルテンサイト混合組織とした後連続して600〜
700℃に加熱して焼戻した後放冷する。脚部は
放冷である。 実施例 本発明によるものの具体的な実施例について説
明すると以下の通りである。 即ち本発明者等が具体的に用いた鋼の化学的な
成分組成は次の第1表の如くである。
【表】
【表】
然して、前記した第1表のB〜Dのように、
Cr、Mo、Niを添加した場合には第7図に示す
CCT曲線から解るように焼入性の向上によつて
頭部緩速焼入れと腹部急冷時の冷却速度を少くす
ることができると共に、既述したように強度上昇
が得られる。また鋼B、D、EのようにV、Nb
を添加した場合には第8図に示すようにレール頭
部の緩速焼入れ後の硬さが析出硬化によつて鋼種
Aに比較し深くまで硬くできている。 前記した各鋼に対し前記〜のような方法に
より断面形状136REのレールを熱処理し、不安定
破壊亀裂伝播停止性能を、次の()、()の方
法によつて評価した。 () 切吹付曲げ試験方法。 長さ1.5mの第2図に示すようなレール10
の頭部中央部分に第3図に示すように深さ30mm
で幅3mmの切欠16を鋸によつて施し、頭部1
2を下にして支点間距離1000mmとすると共に切
欠16を支点間の中心に設置し、静的に曲げて
行つて切欠16より不安定破壊亀裂を発生伝播
させる。伝播停止性能はレールが破断するか否
かによつて判定し、破断しなかつたものを停止
性能ありとする。 () 腹部水平裂試験方法 レール腹部水平方向亀裂停止性能を評価する
ため、第4図に示す試験片7を第5図に示すレ
ール10の位置から採取した。試験はASTM
亀裂停止靱性値試験方法に準拠し、Ka値を求
めた。ここで亀裂停止靱性値の測定に用いた荷
重試験は第6図に示す通りで、基板6上に試験
片7を置き、試験片7の開口部8にスプリトピ
ン9aを有するくさび9を打込み試験する。 試験片7は板厚が16mm、板幅Wは128mm、開
口部8を通る切欠4の幅Nは10mm、切欠4の開
口部8よりの切込深さa0は45mm、開口部8の直
径Dは25.5mmである。 然してこの腹部水平裂試験で求めたKa値
(亀裂停止靱性値)が200Kg/mm3/2以上であると
きは不安定破壊亀裂伝播停止性能があると評価
する。 即ち上記したような試験結果を本発明の前記製
造法〜によるものと、その比較例について区
分、要約して示すと次の第2表の通りであつて、
本発明によるものは従来の耐摩耗用レールに比し
非常に優れた不安定亀裂伝播停止性能を有してい
ることが確認された。
Cr、Mo、Niを添加した場合には第7図に示す
CCT曲線から解るように焼入性の向上によつて
頭部緩速焼入れと腹部急冷時の冷却速度を少くす
ることができると共に、既述したように強度上昇
が得られる。また鋼B、D、EのようにV、Nb
を添加した場合には第8図に示すようにレール頭
部の緩速焼入れ後の硬さが析出硬化によつて鋼種
Aに比較し深くまで硬くできている。 前記した各鋼に対し前記〜のような方法に
より断面形状136REのレールを熱処理し、不安定
破壊亀裂伝播停止性能を、次の()、()の方
法によつて評価した。 () 切吹付曲げ試験方法。 長さ1.5mの第2図に示すようなレール10
の頭部中央部分に第3図に示すように深さ30mm
で幅3mmの切欠16を鋸によつて施し、頭部1
2を下にして支点間距離1000mmとすると共に切
欠16を支点間の中心に設置し、静的に曲げて
行つて切欠16より不安定破壊亀裂を発生伝播
させる。伝播停止性能はレールが破断するか否
かによつて判定し、破断しなかつたものを停止
性能ありとする。 () 腹部水平裂試験方法 レール腹部水平方向亀裂停止性能を評価する
ため、第4図に示す試験片7を第5図に示すレ
ール10の位置から採取した。試験はASTM
亀裂停止靱性値試験方法に準拠し、Ka値を求
めた。ここで亀裂停止靱性値の測定に用いた荷
重試験は第6図に示す通りで、基板6上に試験
片7を置き、試験片7の開口部8にスプリトピ
ン9aを有するくさび9を打込み試験する。 試験片7は板厚が16mm、板幅Wは128mm、開
口部8を通る切欠4の幅Nは10mm、切欠4の開
口部8よりの切込深さa0は45mm、開口部8の直
径Dは25.5mmである。 然してこの腹部水平裂試験で求めたKa値
(亀裂停止靱性値)が200Kg/mm3/2以上であると
きは不安定破壊亀裂伝播停止性能があると評価
する。 即ち上記したような試験結果を本発明の前記製
造法〜によるものと、その比較例について区
分、要約して示すと次の第2表の通りであつて、
本発明によるものは従来の耐摩耗用レールに比し
非常に優れた不安定亀裂伝播停止性能を有してい
ることが確認された。
【表】
【表】
発明の効果
以上説明したような本発明によるときは耐摩耗
用高強度微細パーライト組織鋼レールに関し頭部
から腹部に進む横方向不安定破壊や腹部を水平方
向に伝播する不安定破壊を有効に停止する機能を
腹部に与え、この種レールの破断や連続的な大規
模破損を適切に防止することができるものであつ
て、工業的にその効果の大きい発明である。
用高強度微細パーライト組織鋼レールに関し頭部
から腹部に進む横方向不安定破壊や腹部を水平方
向に伝播する不安定破壊を有効に停止する機能を
腹部に与え、この種レールの破断や連続的な大規
模破損を適切に防止することができるものであつ
て、工業的にその効果の大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図はレールの断面的説明図、第2図は切
欠付曲げ試験片の斜面図、第3図はその切欠部に
ついての部分的断面図、第4図は腹部水平裂試験
片の正面図、第5図は該試験片のレールにおける
採取位置説明図、第6図は腹部水平裂試験の状態
を示した斜面図、第7図はA、B、C鋼種の連続
冷却変態特性を示したCCT曲線図、第8図はA、
B、E鋼種の緩速焼入れ後における頭部断面硬さ
分布を示したグラフである。 然してこれらの図面において、4は切欠、6は
基板、7は試験片、8は開口部、9はくさび、1
0はレール、11は腹部、12は頭部、13は脚
部、16は切欠を示すものである。
て、第1図はレールの断面的説明図、第2図は切
欠付曲げ試験片の斜面図、第3図はその切欠部に
ついての部分的断面図、第4図は腹部水平裂試験
片の正面図、第5図は該試験片のレールにおける
採取位置説明図、第6図は腹部水平裂試験の状態
を示した斜面図、第7図はA、B、C鋼種の連続
冷却変態特性を示したCCT曲線図、第8図はA、
B、E鋼種の緩速焼入れ後における頭部断面硬さ
分布を示したグラフである。 然してこれらの図面において、4は切欠、6は
基板、7は試験片、8は開口部、9はくさび、1
0はレール、11は腹部、12は頭部、13は脚
部、16は切欠を示すものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
なるレールにおいて、頭部は高強度微細パーライ
ト組織であり、腹部は高靱性の焼戻しベイナイト
組織または焼戻しマルテンサイト組織の1種また
は2種の混合組織であることを特徴とする不安定
破壊伝播停止能力を有する耐摩耗性高性能レー
ル。 2 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有する共に、 Cr:0.05〜1.50wt%、Mo:0.05〜0.20wt%、 Ni:0.10〜1.00wt% の何れか1種または2種以上をも含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなるレールにおい
て、頭部は高強度微細パーライト組織であり、腹
部は高靱性の焼戻しベイナイト組織または焼戻し
マルテンサイト組織の1種または2種の混合組織
であることを特徴とする不安定破壊伝播停止能力
を有する耐摩耗性高性能レール。 3 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有すると共に、 V:0.03〜0.10wt%、Nb:0.005〜0.050wt% の何れか1種または2種を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物からなるレールにおいて、頭
部は高強度微細パーライト組織であり、腹部は高
靱性の焼戻しベイナイト組織または焼戻しマルテ
ンサイト組織の1種または2種の混合組織である
ことを特徴とする不安定破壊伝播停止能力を有す
る耐摩耗性高性能レール。 4 C:0.50〜0.85wt%、Si:0.10〜1.0wt%、 Mn:0.50〜1.50wt%、P:0.035wt%以下、 S:0.035wt%以下、Al:0.050wt%以下 を含有すると共に、 Cr:0.05〜1.50wt%、Mo:0.05〜0.20wt%、 Ni:0.10〜1.00wt% の何れか1種または2種以上と、 V:0.03〜0.10wt%、Nb:0.005〜0.050wt% の何れか1種または2種を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物からなるレールにおいて、頭
部は高強度微細パーライト組織であり、腹部は高
靱性の焼戻しベイナイト組織または焼戻しマルテ
ンサイト組織の1種または2種の混合組織である
ことを特徴とする不安定破壊伝播停止能力を有す
る耐摩耗性高性能レール。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60236383A JPS6299438A (ja) | 1985-10-24 | 1985-10-24 | 不安定破壊伝播停止能力を有する耐摩耗性高性能レ−ル |
| US06/919,059 US4767475A (en) | 1985-10-24 | 1986-10-15 | Wear resistant rails having capability of preventing propagation of unstable rupture |
| SU864028409A RU1831506C (ru) | 1985-10-24 | 1986-10-23 | Износостойкий рельс |
| CN86106894A CN1012906B (zh) | 1985-10-24 | 1986-10-23 | 能够防止失稳断裂扩展的耐磨钢轨 |
| CA000521410A CA1328648C (en) | 1985-10-24 | 1986-10-24 | Wear resistant rails capability of preventing propagation of unstable rupture |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60236383A JPS6299438A (ja) | 1985-10-24 | 1985-10-24 | 不安定破壊伝播停止能力を有する耐摩耗性高性能レ−ル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6299438A JPS6299438A (ja) | 1987-05-08 |
| JPH0474424B2 true JPH0474424B2 (ja) | 1992-11-26 |
Family
ID=16999969
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60236383A Granted JPS6299438A (ja) | 1985-10-24 | 1985-10-24 | 不安定破壊伝播停止能力を有する耐摩耗性高性能レ−ル |
Country Status (5)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4767475A (ja) |
| JP (1) | JPS6299438A (ja) |
| CN (1) | CN1012906B (ja) |
| CA (1) | CA1328648C (ja) |
| RU (1) | RU1831506C (ja) |
Families Citing this family (30)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0653916B2 (ja) * | 1986-07-16 | 1994-07-20 | 日本鋼管株式会社 | 不安定破壊伝播停止能力に優れた耐摩耗性高性能レ−ル |
| US5209792A (en) * | 1990-07-30 | 1993-05-11 | Nkk Corporation | High-strength, damage-resistant rail |
| DE4200545A1 (de) * | 1992-01-11 | 1993-07-15 | Butzbacher Weichenbau Gmbh | Gleisteile sowie verfahren zur herstellung dieser |
| GB9313060D0 (en) * | 1993-06-24 | 1993-08-11 | British Steel Plc | Rails |
| EP0685566B2 (en) * | 1993-12-20 | 2013-06-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Rail of high abrasion resistance and high tenacity having pearlite metallographic structure and method of manufacturing the same |
| US5759299A (en) * | 1994-05-10 | 1998-06-02 | Nkk Corporation | Rail having excellent resistance to rolling fatigue damage and rail having excellent toughness and wear resistance and method of manufacturing the same |
| CZ156894A3 (en) * | 1994-06-27 | 1996-01-17 | Zdb | Steel for railway vehicle wheels, particularly for railway wheel tyres |
| US5900075A (en) * | 1994-12-06 | 1999-05-04 | Exxon Research And Engineering Co. | Ultra high strength, secondary hardening steels with superior toughness and weldability |
| US5545269A (en) * | 1994-12-06 | 1996-08-13 | Exxon Research And Engineering Company | Method for producing ultra high strength, secondary hardening steels with superior toughness and weldability |
| US6783610B2 (en) * | 2001-03-05 | 2004-08-31 | Amsted Industries Incorporated | Railway wheel alloy |
| RU2194791C1 (ru) * | 2001-09-21 | 2002-12-20 | Паршин Владимир Андреевич | Рельсовая сталь |
| CN100519812C (zh) * | 2005-12-29 | 2009-07-29 | 攀枝花钢铁(集团)公司 | 珠光体类高强度低合金钢轨钢的生产方法 |
| CN101921971B (zh) * | 2010-09-08 | 2013-03-13 | 北京特冶工贸有限责任公司 | 曲线和重载钢轨用贝氏体钢和贝氏体钢轨及其生产方法 |
| CN101962734B (zh) * | 2010-09-28 | 2012-08-01 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种球磨机钢球用钢及其制备方法 |
| JP6270730B2 (ja) | 2011-11-28 | 2018-01-31 | ブリティッシュ、スティール、リミテッド | 耐摩耗性、転がり接触疲労耐性および溶接性の優れた組み合わせを有するレール鋼 |
| JP5761116B2 (ja) | 2012-04-27 | 2015-08-12 | 新日鐵住金株式会社 | 車輪用鋼 |
| CN103014486A (zh) * | 2012-12-08 | 2013-04-03 | 内蒙古包钢钢联股份有限公司 | 一种高强度热处理钢轨专用钢材 |
| CN103451556A (zh) * | 2013-08-09 | 2013-12-18 | 内蒙古包钢钢联股份有限公司 | 稀土处理的铁路钢轨专用贝氏体-马氏体钢及制造方法 |
| CA2946541C (en) | 2014-05-29 | 2018-12-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Rail and production method therefor |
| CN104032222B (zh) | 2014-06-24 | 2016-04-06 | 燕山大学 | 纳米珠光体钢轨的制备方法 |
| US12311986B2 (en) | 2016-04-28 | 2025-05-27 | Transportation Ip Holdings, Llc | System and method for vehicle control based on detected wheel condition |
| US10525991B2 (en) | 2016-04-28 | 2020-01-07 | Ge Global Sourcing Llc | System and method for vehicle control based on detected wheel condition |
| CN107937839A (zh) * | 2017-11-22 | 2018-04-20 | 安徽恒利增材制造科技有限公司 | 一种高硬度耐磨合金钢 |
| KR102043511B1 (ko) * | 2017-12-12 | 2019-11-12 | 주식회사 포스코 | 열처리 경화형 고탄소 강판 및 그 제조방법 |
| CN108239729A (zh) * | 2018-04-18 | 2018-07-03 | 明光市天淼新能源科技有限公司 | 一种热强合金钢 |
| SE543919C2 (en) * | 2019-05-17 | 2021-09-21 | Husqvarna Ab | Steel for a sawing device |
| CN114502761B (zh) | 2019-10-11 | 2024-01-09 | 杰富意钢铁株式会社 | 钢轨及其制造方法 |
| CN112267063A (zh) * | 2020-09-09 | 2021-01-26 | 邯郸钢铁集团有限责任公司 | 一种耐磨热轧钢轨及其生产方法 |
| WO2024202405A1 (ja) | 2023-03-24 | 2024-10-03 | Jfeスチール株式会社 | レールおよびその製造方法 |
| CN120898013A (zh) | 2023-03-24 | 2025-11-04 | 杰富意钢铁株式会社 | 导轨及其制造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3336006A1 (de) * | 1983-10-04 | 1985-04-25 | Krupp Stahl Ag, 4630 Bochum | Schiene mit hoher verschleissfestigkeit im kopf und hoher bruchsicherheit im fuss |
| JP3615307B2 (ja) * | 1996-06-14 | 2005-02-02 | 日本電産コパル株式会社 | 現像処理装置の排液タンク満水警告装置 |
-
1985
- 1985-10-24 JP JP60236383A patent/JPS6299438A/ja active Granted
-
1986
- 1986-10-15 US US06/919,059 patent/US4767475A/en not_active Expired - Fee Related
- 1986-10-23 RU SU864028409A patent/RU1831506C/ru active
- 1986-10-23 CN CN86106894A patent/CN1012906B/zh not_active Expired
- 1986-10-24 CA CA000521410A patent/CA1328648C/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6299438A (ja) | 1987-05-08 |
| CN86106894A (zh) | 1987-04-29 |
| CA1328648C (en) | 1994-04-19 |
| RU1831506C (ru) | 1993-07-30 |
| US4767475A (en) | 1988-08-30 |
| CN1012906B (zh) | 1991-06-19 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPH0474424B2 (ja) | ||
| CA2721736C (en) | High carbon content and high strength heat-treated steel rail and method for producing the same | |
| US4082577A (en) | Process for the heat treatment of steel | |
| US6056833A (en) | Thermomechanically controlled processed high strength weathering steel with low yield/tensile ratio | |
| US4575397A (en) | Rail having high resistance to wear in its head and high resistance to rupture in its foot | |
| EP0705369B1 (en) | Rails | |
| JPS6324045A (ja) | 不安定破壊伝播停止能力に優れた耐摩耗性高性能レ−ル | |
| JP2912123B2 (ja) | 耐表面損傷性に優れた高強度・高靭性ベイナイト系レールの製造法 | |
| JPS61165207A (ja) | 耐サワ−特性の優れた非調質鋼板の製造方法 | |
| JP2020131202A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
| JP2020131203A (ja) | Ni含有低合金鋼の連続鋳造方法 | |
| JP6137043B2 (ja) | レールの製造方法 | |
| JP2721420B2 (ja) | 耐サワー電縫鋼管用鋼 | |
| EP4450663A1 (en) | Steel having excellent hydrogen-induced craking resistance and low-temperature impact toughness, and method for manufacturing same | |
| JP7761834B2 (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
| JP2004211194A (ja) | 高炭素鋼レールの熱処理方法 | |
| JPS59159971A (ja) | 焼入性のすぐれた冷間鍛造用鋼 | |
| JPS6132372B2 (ja) | ||
| JPS61157633A (ja) | ドリルカラ−用棒鋼の製造方法 | |
| AU2018280322A1 (en) | Track part and method for producing a track part | |
| JPS62263922A (ja) | 鍛鋼の製造法 | |
| KR100363193B1 (ko) | 고강도 고연신율 볼트의 제조방법 | |
| JPH0967620A (ja) | 脆性亀裂伝播停止特性に優れた調質型高張力鋼板の製造方法 | |
| JPS62158817A (ja) | 高強度高靭性の厚鋼板の製造方法 | |
| JPS6155570B2 (ja) |