JPH047662B2 - - Google Patents
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- JPH047662B2 JPH047662B2 JP63126983A JP12698388A JPH047662B2 JP H047662 B2 JPH047662 B2 JP H047662B2 JP 63126983 A JP63126983 A JP 63126983A JP 12698388 A JP12698388 A JP 12698388A JP H047662 B2 JPH047662 B2 JP H047662B2
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- Japan
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- honey
- filtration
- membrane
- water
- treatment
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- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本考案は、選択性分離膜を使用する蜂蜜の新し
い精製方法に関するものである。 〔従来技術〕 蜂蜜には多くの種類があるが、それらの成分は
大まかに非水溶性成分と水溶性成分に分けられ
る。非水溶性成分としては蛋白、蜜ろうの他、花
粉、木片、葉片など微粒子状の夾雑物、さらには
種々の菌類などであり、それらは数mm〜0.1μmの
大きさを持つ。一方、水溶性成分としては水溶性
高分子蛋白、糖類、ミネラル、有機酸、アミノ
酸、色素といつた低分子物質である。 このように原料となる粗蜂蜜には多くの成分が
含まれている為、加工原料として粗蜂蜜を使用す
ると、耐酸性、耐果汁性等が悪い欠点を有する。
例えば、清涼飲料水等のように水で希釈する場合
には、粗蜂蜜中の非水溶性蛋白が沈殿し、オリ状
の物質が生じる。また、ペクチンや他の高分子物
質を含む果汁等を混合した場合も、同様のオリ状
物質が発生する。従つて、粗蜂蜜をそのまま加工
原料とすることは出来ず、今日では種々の精製を
行なつた蜂蜜が利用されているのが現状である。
蜂蜜の精製は主に、脱色、濾過工程と脱イオン工
程の2つから成つており、脱色、濾過工程では活
性炭処理と珪藻土を濾材としたプレス濾過処理、
脱イオン工程ではイオン交換樹脂による処理が行
なわれている。精製の工程順序には種々の組み合
せ方があるが、基本的には、結晶白化したものが
多い粗蜂蜜をまず加熱溶解させた後、水で希釈す
る。次にこの水溶液中に活性炭を投入し不純物を
吸着させた後、珪藻土を用いたプレスフイルター
で濾過を行ない、出てきた濾液をイオン交換処理
し、最後に適当な濃度に濃縮している。 しかしながら、上記した精製方法にもいくつか
の未解決の問題が残されている。 第一番目は、原料に含まれている非水溶性の蛋
白や蜜ろう、それに細菌類の除去が完全でないこ
とである。非水溶性蛋白は、蜂蜜を飲料水に使用
する際にオリ状物質発生の原因となる為、現状で
は活性炭・珪藻土によるプレス濾過処理で除去し
ているが必ず一回の処理で除去できるということ
はない。従つて、粗蜂蜜の種類によつてはこの工
程を繰り返し行なうか、あるいはりん酸塩系の蛋
白凝固剤を添加しなければ除去出来ない。蜜ろう
は融点が比較的低い為、高温では溶解しているが
室温では沈殿する欠点があり、非水溶性蛋白と同
様の処理を行なつても、低分子量のものが多い故
に除去できないことが多いのが現状である。ま
た、粗蜂蜜中には好気性生菌、好気性耐熱性生
菌、嫌気性生菌、嫌気性耐熱生菌等が存在する
が、その中で、乳幼児のポツリヌス症の原因とし
て昨今問題となつているポツリヌス菌は嫌気性生
菌類に属する。これらの細菌は通常サブミクロン
から数十ミクロンの大きさで粗蜂蜜中に存在して
いる為に、活性炭・珪藻土によるプレス濾過処理
では完全に除去出来ないのが現状である。従つ
て、精製後の蜂蜜中には微少な大きさの細菌が残
つたままとなつている。 第二番目は、精製工程から産出される廃ケーキ
の問題である。現状の精製工程では、活性炭・珪
藻土を濾材としたプレス濾過処理を行なつている
為に、例えば原料の粗蜂蜜10トンの精製に際し
0.5〜1.0トンの活性炭と珪藻土の混合物が産業廃
棄物として産出され、これらの処理が問題となつ
ている。 第三番目は、精製工程の現場から発生する臭い
の問題である。従来の方法での工程では、作業途
中でタンクが開放される為、香りの強い原料粗蜂
蜜の臭いが作業室のみならず、工場全体に広がり
不快感を与えている。 第四番目は、精製された蜂蜜は活性炭処理やイ
オン交換処理をされているので、蜂蜜特有の色素
や香気成分までも除かれていることである。 これらの問題を解決する方法に一つとして、蜂
蜜精製の試みは未だ知られていないが、近年各分
野で実用化が進んでいる選択性分離膜の利用が考
えられる。すなわち逆浸透膜、ルースRO膜、限
外濾過膜、精密濾過膜などの選択性分離膜を用い
て、非水溶性の蛋白や蜜ろう、それに細菌類を取
り除くことが可能となれば、従来行なつていた活
性炭処理やプレス濾過処理を省略することが出来
て、廃ケーキや精製工程における臭いの問題も解
消され、天然に近い精製蜂蜜を得ることが期待出
来る。 しかしながら、逆浸透膜やルースRO膜では溶
質を分離する膜の孔径が小さすぎる為に、蜂蜜と
して必要不可欠な成分である糖分までも除去され
ることは自明である。また、精密濾過膜では逆浸
透膜やルースRO膜とは逆に、膜の孔径が大きす
ぎる為に、糖分は透過するものの、除去すべき非
水溶性蛋白や蜜ろう、それに細菌類までも透過し
てしまう恐れがある。一方、限外濾過膜は膜の孔
径が上に挙げた分離膜の中間に位置する為、最も
可能性があると考えられるが、いずれにしてもこ
れらの選択性分離膜を使つた蜂蜜の精製は過去に
全く例が見当らないのが現状であり、限外濾過膜
を使用するにしても使用する膜の最適孔径の選定
の他、処理方法、処理条件、他の工程との組合せ
方等を適切に設定しなければならない。 〔発明の目的〕 本発明は、蜂蜜の精製方法における前記のよう
な問題を解決せんとして研究した結果、適切な膜
孔径を有する選択性分離膜を使用することによつ
て、粗蜂蜜中の非水溶性不純物を除去出来るとの
知見を得、更にこの知見に基づき種々の検討を重
ねて本発明を完成するに至つたもので、その目的
とするところは、粗蜂蜜中の蛋白、蜜ろうおよび
細菌類を確実に除去し、その反面、天然蜂蜜特有
の色素や香気成分を保持した高品位の精製蜂蜜を
得、且つ、精製工程における産業廃棄物(廃ケー
キ)の産生や、不快臭の漏出を無くすることの出
来る蜂蜜の精製方法を提供するにある。 〔発明の構成〕 即ち本発明は、粗蜂蜜を表面の最大孔径が0.1μ
m未満、もしくはデキストランT−500の阻止率
が75%以上で、且つデキストランT−10の阻止率
が70%以下である選択性分離膜を用いて、クロス
フローフイルトレーシヨン法により濾過処理し、
また、目的により必要に応じて、濾過処理後にさ
らにイオン交換処理を行なうことを特徴とする蜂
蜜の精製方法およびこの方法により細菌、蛋白等
を除去したことを特徴とする精製蜂蜜である。 本発明における粗蜂蜜は、蜂蜜が花蜜や甘露蜜
などの甘い液体を植物体上から採集し、分泌酵素
などの蜂蜜自身が作る物質を加えて変化させ、巣
に貯えて熟成したものであり、いわゆる天然の蜂
蜜である。 本発明で使用する選択性分離膜の素材として
は、耐熱性、耐薬品性などに優れたものが好まし
いが、特に限定されるものではない。また、形状
については平膜、中空糸膜、管状膜のいずれでも
良いが、モジユール当りの膜面積が大きく、クロ
スフローフイルトレーシヨンが出来る中空糸膜が
適している。 選択性分離膜の特性はその表面の最大孔径によ
て左右される。本発明で言う表面とは、膜の表面
にあつて溶質あるいは懸濁粒子の透過を阻止する
薄く緻密な層表面のことで、実際には濾過の対象
となる蜂蜜原液と接触する表面のことである。そ
の表面の孔は一般に円形や、長円形等ではなく複
雑が形状をしていることが多いが、本発明で言う
最大孔径とは、電子顕微鏡観察で見られる複雑な
形状の最長部の長さである。しかし、孔径がさら
に小さくなると電子顕微鏡観察では測定出来なく
なるので、分子量を規定した標準物質(通常はデ
キストラン)の阻止率によつて表わされる。 本発明において使用する選択性分離膜として
は、最大孔径の上限が0.1μm未満、もしくはデキ
ストランT−500(平均分子量50万)の阻止率が75
%以上で、下限がデキストランT−10(平均分子
量1万)の阻止率が70%以下の範囲のものが好適
である。デキストランT−500の阻止率75%は、
電子顕微鏡観察で測定した最大孔径0.1μmにほゞ
相当し、孔径がこれより大きくなると、蜂蜜中の
不純物成分である蜜ろうや細菌類を十分に除去す
ることが出来ない。また、膜によつては膜内部へ
の溶質の目詰まりがおこり始め、その結果急激な
濾過速度の低下が生じ、加えて洗浄回復性も悪く
なつてしまい、実用的でなくなる。一方、膜の孔
径がデキストランT−10の阻止率で70%とは、電
子顕微鏡観察では孔径を測定出来ない範囲であ
り、孔径がこれより小さくなると、蜂蜜の主成分
である糖類をも阻止する結果となり、本発明の目
的を達成することが出来ない。 本発明における選択性分離膜での濾過工程は、
蜂蜜の種々の精製工程のいかなる位置にも導入出
来るが原料の粗蜂蜜を溶解、希釈した直後に濾過
工程を組むのが好ましい。この時点での濾過液
は、蜂蜜中の不純物成分である非水溶性蛋白、蜜
ろう、細菌類が自然状態のまゝとなつていて濾過
し易く、濾過後は従来の工程に従えばよい。着色
を少なくするなど精製度を高める場合は、従来の
工程に入つているイオン交換処理などを行なえば
よく、また、天然蜂蜜特有の色素や香気成分を残
したい場合には、イオン交換処理を行なわず、直
ちに減圧濃縮工程に入ればよい。 原料となる粗蜂蜜の濃度は通常ほゞ80ブリツク
スで、粘度が高く処理し難いため、従来の精製工
程では同量の水を加えて2倍に希釈し、濃度40ブ
リツクスにしている。本発明の方法では、濾過原
液の濃度は濾過温度によつて幅があるが、濾過温
度は、蜜ろうの融点との関係で70℃以下に抑える
必要があり、0〜70℃、好ましくは50〜60℃とす
るのが望ましい。この温度範囲では、濃度は30〜
65ブリツクスとするのが好適で、濾過温度が0℃
より低く、あるいは濃度が65ブリツクスを超える
と、粘度が高くなるため濾過速度が遅く、作業性
が悪くなり実用的でない。一方、濃度を30ブリツ
クスより低くすれば、濾過速度が大きく作業はし
易いが、精製工程の後、減圧濃縮工程でより多く
の水分を除去しなければならないので、コストが
高くなる問題がある。濾過温度が70℃を超える
と、粗蜂蜜中では凝集していた蜜ろうが融解して
しまい、もはや本発明における特定の膜の孔径範
囲を有する選択性分離膜では除去できなくなる。
融解しても除去出来る選択性分離膜となると、膜
の孔径がより小さいものとなるが、それらは蜂蜜
として必要不可欠な糖成分までも除去される可能
性があり、蜂蜜の精製には好ましくない。 濾過の方法は必ずしも限定されるものではない
が、本発明の目的とするところは、蜂蜜中の微粒
子状の成分を除去するものであるから、除去され
た微粒子成分が膜面に堆積した場合、濾過速度が
低下して濾過処理を長時間続けることが出来な
い。従つて、膜の透過方向とは直角、即ち膜表面
に平行な方向に濾過原液を流す、謂るクロスフロ
ーフイルトレーシヨン法によるのが望ましく、こ
れによつて膜表面に残つた微粒子成分が原液と共
に運び去られ。膜表面を常にフレツシユな状態に
保つことが出来るので、長時間の濾過処理が可能
になる。 〔発明の効果〕 本発明に従うと、従来の蜂蜜精製方法における
問題点、すなわち、1)原料蜂蜜に含まれている
蛋白、蜜ろう、細菌類の除去、2)産業廃棄物と
して産出される廃ケーキの問題、3)臭いの問
題、4)天然蜂蜜特有の色素、香気成分の保持の
問題を解決することが出来、今までにない加工用
蜂蜜を供給することが可能となり、清涼飲料水用
として利用するばかりでなく、高衛生食品、栄養
食品としてもその用途を拡大することが出来、産
業上極めて有用である。 以下、実施例により本発明を説明する。 実施例 1 中国産ソバ蜂蜜に同量の水を加えて1/2希釈し
た蜂蜜水溶液を調整し、濾過原液とした。選択性
分離膜は、Pharmacia Fine Chemicals社製のデ
キストランT−500およびT−10の阻止率がそれ
ぞれ95%と10%である中空糸型選択性分離膜(有
効膜面積785cm2、有効長50cm)を使用し、原液10
、濾過温度60℃、循環容量60/h、入口圧
2.5Kg/cm2、出口圧1.0Kg/cm2の条件で原液の内圧
濾過を行ない、精製蜂蜜を得た。 比較例 1 実施例−1と同じ濾過原液を用いて、従来法に
より、活性炭処理と珪藻土によるプレス濾過処理
を2回繰返し、イオン交換処理を行なつた後、減
圧濃縮した。 得られた精製蜂蜜と粗蜂蜜について、細菌数、
および400〜750nmの波長での吸光度を調べ、さ
らに、耐果汁および一般耐性試験を行なつた。結
果は、第1表、第2表、および第1図に示した通
りで、本発明の方法によれば、粗蜂蜜中に含まれ
る細菌類はほゞ完全に除かれ(第1表)また、従
来方法では色素がほとんど取り去られるのに対し
て、本発明の方法では褐色を表わす400nm附近で
の吸光度が高くなつており(第1図)、天然蜂蜜
独自の色素が残つていることがわかる。第2表か
らは、耐果汁性、一般耐性に優れていることが判
明し、それにより各種の食品加工用として対応出
来る蜂蜜であるとの結果を得、これまでオリの発
生の為に困難であつた果汁飲料、炭酸飲料への利
用出来ることが明らかになつた。
い精製方法に関するものである。 〔従来技術〕 蜂蜜には多くの種類があるが、それらの成分は
大まかに非水溶性成分と水溶性成分に分けられ
る。非水溶性成分としては蛋白、蜜ろうの他、花
粉、木片、葉片など微粒子状の夾雑物、さらには
種々の菌類などであり、それらは数mm〜0.1μmの
大きさを持つ。一方、水溶性成分としては水溶性
高分子蛋白、糖類、ミネラル、有機酸、アミノ
酸、色素といつた低分子物質である。 このように原料となる粗蜂蜜には多くの成分が
含まれている為、加工原料として粗蜂蜜を使用す
ると、耐酸性、耐果汁性等が悪い欠点を有する。
例えば、清涼飲料水等のように水で希釈する場合
には、粗蜂蜜中の非水溶性蛋白が沈殿し、オリ状
の物質が生じる。また、ペクチンや他の高分子物
質を含む果汁等を混合した場合も、同様のオリ状
物質が発生する。従つて、粗蜂蜜をそのまま加工
原料とすることは出来ず、今日では種々の精製を
行なつた蜂蜜が利用されているのが現状である。
蜂蜜の精製は主に、脱色、濾過工程と脱イオン工
程の2つから成つており、脱色、濾過工程では活
性炭処理と珪藻土を濾材としたプレス濾過処理、
脱イオン工程ではイオン交換樹脂による処理が行
なわれている。精製の工程順序には種々の組み合
せ方があるが、基本的には、結晶白化したものが
多い粗蜂蜜をまず加熱溶解させた後、水で希釈す
る。次にこの水溶液中に活性炭を投入し不純物を
吸着させた後、珪藻土を用いたプレスフイルター
で濾過を行ない、出てきた濾液をイオン交換処理
し、最後に適当な濃度に濃縮している。 しかしながら、上記した精製方法にもいくつか
の未解決の問題が残されている。 第一番目は、原料に含まれている非水溶性の蛋
白や蜜ろう、それに細菌類の除去が完全でないこ
とである。非水溶性蛋白は、蜂蜜を飲料水に使用
する際にオリ状物質発生の原因となる為、現状で
は活性炭・珪藻土によるプレス濾過処理で除去し
ているが必ず一回の処理で除去できるということ
はない。従つて、粗蜂蜜の種類によつてはこの工
程を繰り返し行なうか、あるいはりん酸塩系の蛋
白凝固剤を添加しなければ除去出来ない。蜜ろう
は融点が比較的低い為、高温では溶解しているが
室温では沈殿する欠点があり、非水溶性蛋白と同
様の処理を行なつても、低分子量のものが多い故
に除去できないことが多いのが現状である。ま
た、粗蜂蜜中には好気性生菌、好気性耐熱性生
菌、嫌気性生菌、嫌気性耐熱生菌等が存在する
が、その中で、乳幼児のポツリヌス症の原因とし
て昨今問題となつているポツリヌス菌は嫌気性生
菌類に属する。これらの細菌は通常サブミクロン
から数十ミクロンの大きさで粗蜂蜜中に存在して
いる為に、活性炭・珪藻土によるプレス濾過処理
では完全に除去出来ないのが現状である。従つ
て、精製後の蜂蜜中には微少な大きさの細菌が残
つたままとなつている。 第二番目は、精製工程から産出される廃ケーキ
の問題である。現状の精製工程では、活性炭・珪
藻土を濾材としたプレス濾過処理を行なつている
為に、例えば原料の粗蜂蜜10トンの精製に際し
0.5〜1.0トンの活性炭と珪藻土の混合物が産業廃
棄物として産出され、これらの処理が問題となつ
ている。 第三番目は、精製工程の現場から発生する臭い
の問題である。従来の方法での工程では、作業途
中でタンクが開放される為、香りの強い原料粗蜂
蜜の臭いが作業室のみならず、工場全体に広がり
不快感を与えている。 第四番目は、精製された蜂蜜は活性炭処理やイ
オン交換処理をされているので、蜂蜜特有の色素
や香気成分までも除かれていることである。 これらの問題を解決する方法に一つとして、蜂
蜜精製の試みは未だ知られていないが、近年各分
野で実用化が進んでいる選択性分離膜の利用が考
えられる。すなわち逆浸透膜、ルースRO膜、限
外濾過膜、精密濾過膜などの選択性分離膜を用い
て、非水溶性の蛋白や蜜ろう、それに細菌類を取
り除くことが可能となれば、従来行なつていた活
性炭処理やプレス濾過処理を省略することが出来
て、廃ケーキや精製工程における臭いの問題も解
消され、天然に近い精製蜂蜜を得ることが期待出
来る。 しかしながら、逆浸透膜やルースRO膜では溶
質を分離する膜の孔径が小さすぎる為に、蜂蜜と
して必要不可欠な成分である糖分までも除去され
ることは自明である。また、精密濾過膜では逆浸
透膜やルースRO膜とは逆に、膜の孔径が大きす
ぎる為に、糖分は透過するものの、除去すべき非
水溶性蛋白や蜜ろう、それに細菌類までも透過し
てしまう恐れがある。一方、限外濾過膜は膜の孔
径が上に挙げた分離膜の中間に位置する為、最も
可能性があると考えられるが、いずれにしてもこ
れらの選択性分離膜を使つた蜂蜜の精製は過去に
全く例が見当らないのが現状であり、限外濾過膜
を使用するにしても使用する膜の最適孔径の選定
の他、処理方法、処理条件、他の工程との組合せ
方等を適切に設定しなければならない。 〔発明の目的〕 本発明は、蜂蜜の精製方法における前記のよう
な問題を解決せんとして研究した結果、適切な膜
孔径を有する選択性分離膜を使用することによつ
て、粗蜂蜜中の非水溶性不純物を除去出来るとの
知見を得、更にこの知見に基づき種々の検討を重
ねて本発明を完成するに至つたもので、その目的
とするところは、粗蜂蜜中の蛋白、蜜ろうおよび
細菌類を確実に除去し、その反面、天然蜂蜜特有
の色素や香気成分を保持した高品位の精製蜂蜜を
得、且つ、精製工程における産業廃棄物(廃ケー
キ)の産生や、不快臭の漏出を無くすることの出
来る蜂蜜の精製方法を提供するにある。 〔発明の構成〕 即ち本発明は、粗蜂蜜を表面の最大孔径が0.1μ
m未満、もしくはデキストランT−500の阻止率
が75%以上で、且つデキストランT−10の阻止率
が70%以下である選択性分離膜を用いて、クロス
フローフイルトレーシヨン法により濾過処理し、
また、目的により必要に応じて、濾過処理後にさ
らにイオン交換処理を行なうことを特徴とする蜂
蜜の精製方法およびこの方法により細菌、蛋白等
を除去したことを特徴とする精製蜂蜜である。 本発明における粗蜂蜜は、蜂蜜が花蜜や甘露蜜
などの甘い液体を植物体上から採集し、分泌酵素
などの蜂蜜自身が作る物質を加えて変化させ、巣
に貯えて熟成したものであり、いわゆる天然の蜂
蜜である。 本発明で使用する選択性分離膜の素材として
は、耐熱性、耐薬品性などに優れたものが好まし
いが、特に限定されるものではない。また、形状
については平膜、中空糸膜、管状膜のいずれでも
良いが、モジユール当りの膜面積が大きく、クロ
スフローフイルトレーシヨンが出来る中空糸膜が
適している。 選択性分離膜の特性はその表面の最大孔径によ
て左右される。本発明で言う表面とは、膜の表面
にあつて溶質あるいは懸濁粒子の透過を阻止する
薄く緻密な層表面のことで、実際には濾過の対象
となる蜂蜜原液と接触する表面のことである。そ
の表面の孔は一般に円形や、長円形等ではなく複
雑が形状をしていることが多いが、本発明で言う
最大孔径とは、電子顕微鏡観察で見られる複雑な
形状の最長部の長さである。しかし、孔径がさら
に小さくなると電子顕微鏡観察では測定出来なく
なるので、分子量を規定した標準物質(通常はデ
キストラン)の阻止率によつて表わされる。 本発明において使用する選択性分離膜として
は、最大孔径の上限が0.1μm未満、もしくはデキ
ストランT−500(平均分子量50万)の阻止率が75
%以上で、下限がデキストランT−10(平均分子
量1万)の阻止率が70%以下の範囲のものが好適
である。デキストランT−500の阻止率75%は、
電子顕微鏡観察で測定した最大孔径0.1μmにほゞ
相当し、孔径がこれより大きくなると、蜂蜜中の
不純物成分である蜜ろうや細菌類を十分に除去す
ることが出来ない。また、膜によつては膜内部へ
の溶質の目詰まりがおこり始め、その結果急激な
濾過速度の低下が生じ、加えて洗浄回復性も悪く
なつてしまい、実用的でなくなる。一方、膜の孔
径がデキストランT−10の阻止率で70%とは、電
子顕微鏡観察では孔径を測定出来ない範囲であ
り、孔径がこれより小さくなると、蜂蜜の主成分
である糖類をも阻止する結果となり、本発明の目
的を達成することが出来ない。 本発明における選択性分離膜での濾過工程は、
蜂蜜の種々の精製工程のいかなる位置にも導入出
来るが原料の粗蜂蜜を溶解、希釈した直後に濾過
工程を組むのが好ましい。この時点での濾過液
は、蜂蜜中の不純物成分である非水溶性蛋白、蜜
ろう、細菌類が自然状態のまゝとなつていて濾過
し易く、濾過後は従来の工程に従えばよい。着色
を少なくするなど精製度を高める場合は、従来の
工程に入つているイオン交換処理などを行なえば
よく、また、天然蜂蜜特有の色素や香気成分を残
したい場合には、イオン交換処理を行なわず、直
ちに減圧濃縮工程に入ればよい。 原料となる粗蜂蜜の濃度は通常ほゞ80ブリツク
スで、粘度が高く処理し難いため、従来の精製工
程では同量の水を加えて2倍に希釈し、濃度40ブ
リツクスにしている。本発明の方法では、濾過原
液の濃度は濾過温度によつて幅があるが、濾過温
度は、蜜ろうの融点との関係で70℃以下に抑える
必要があり、0〜70℃、好ましくは50〜60℃とす
るのが望ましい。この温度範囲では、濃度は30〜
65ブリツクスとするのが好適で、濾過温度が0℃
より低く、あるいは濃度が65ブリツクスを超える
と、粘度が高くなるため濾過速度が遅く、作業性
が悪くなり実用的でない。一方、濃度を30ブリツ
クスより低くすれば、濾過速度が大きく作業はし
易いが、精製工程の後、減圧濃縮工程でより多く
の水分を除去しなければならないので、コストが
高くなる問題がある。濾過温度が70℃を超える
と、粗蜂蜜中では凝集していた蜜ろうが融解して
しまい、もはや本発明における特定の膜の孔径範
囲を有する選択性分離膜では除去できなくなる。
融解しても除去出来る選択性分離膜となると、膜
の孔径がより小さいものとなるが、それらは蜂蜜
として必要不可欠な糖成分までも除去される可能
性があり、蜂蜜の精製には好ましくない。 濾過の方法は必ずしも限定されるものではない
が、本発明の目的とするところは、蜂蜜中の微粒
子状の成分を除去するものであるから、除去され
た微粒子成分が膜面に堆積した場合、濾過速度が
低下して濾過処理を長時間続けることが出来な
い。従つて、膜の透過方向とは直角、即ち膜表面
に平行な方向に濾過原液を流す、謂るクロスフロ
ーフイルトレーシヨン法によるのが望ましく、こ
れによつて膜表面に残つた微粒子成分が原液と共
に運び去られ。膜表面を常にフレツシユな状態に
保つことが出来るので、長時間の濾過処理が可能
になる。 〔発明の効果〕 本発明に従うと、従来の蜂蜜精製方法における
問題点、すなわち、1)原料蜂蜜に含まれている
蛋白、蜜ろう、細菌類の除去、2)産業廃棄物と
して産出される廃ケーキの問題、3)臭いの問
題、4)天然蜂蜜特有の色素、香気成分の保持の
問題を解決することが出来、今までにない加工用
蜂蜜を供給することが可能となり、清涼飲料水用
として利用するばかりでなく、高衛生食品、栄養
食品としてもその用途を拡大することが出来、産
業上極めて有用である。 以下、実施例により本発明を説明する。 実施例 1 中国産ソバ蜂蜜に同量の水を加えて1/2希釈し
た蜂蜜水溶液を調整し、濾過原液とした。選択性
分離膜は、Pharmacia Fine Chemicals社製のデ
キストランT−500およびT−10の阻止率がそれ
ぞれ95%と10%である中空糸型選択性分離膜(有
効膜面積785cm2、有効長50cm)を使用し、原液10
、濾過温度60℃、循環容量60/h、入口圧
2.5Kg/cm2、出口圧1.0Kg/cm2の条件で原液の内圧
濾過を行ない、精製蜂蜜を得た。 比較例 1 実施例−1と同じ濾過原液を用いて、従来法に
より、活性炭処理と珪藻土によるプレス濾過処理
を2回繰返し、イオン交換処理を行なつた後、減
圧濃縮した。 得られた精製蜂蜜と粗蜂蜜について、細菌数、
および400〜750nmの波長での吸光度を調べ、さ
らに、耐果汁および一般耐性試験を行なつた。結
果は、第1表、第2表、および第1図に示した通
りで、本発明の方法によれば、粗蜂蜜中に含まれ
る細菌類はほゞ完全に除かれ(第1表)また、従
来方法では色素がほとんど取り去られるのに対し
て、本発明の方法では褐色を表わす400nm附近で
の吸光度が高くなつており(第1図)、天然蜂蜜
独自の色素が残つていることがわかる。第2表か
らは、耐果汁性、一般耐性に優れていることが判
明し、それにより各種の食品加工用として対応出
来る蜂蜜であるとの結果を得、これまでオリの発
生の為に困難であつた果汁飲料、炭酸飲料への利
用出来ることが明らかになつた。
【表】
【表】
耐食塩試験 × ○
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粗蜂蜜を表面の最大孔径が0.1μm未満、もし
くはデキストランT−500の阻止率が75%以上で、
且つデキストランT−10の阻止率が70%以下であ
る選択性分離膜を用いて、クロスフローフイルト
レーシヨン法により濾過処理することを特徴とす
る蜂蜜の精製方法。 2 濾過処理した後、さらにイオン交換処理を行
なうことを特徴とする、請求項1記載の蜂蜜の精
製方法。 3 濾過処理時の温度が0〜70℃の範囲であるこ
とを特徴とする、請求項1または請求項2記載の
蜂蜜の精製方法。 4 請求項1記載の方法により細菌を除去し精製
したことを特徴とする除菌蜂蜜。 5 請求項1記載の方法により蛋白を除去し精製
したことを特徴とする脱蛋白蜂蜜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63126983A JPH01296948A (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | 蜂蜜の精製方法及び精製蜂蜜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63126983A JPH01296948A (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | 蜂蜜の精製方法及び精製蜂蜜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01296948A JPH01296948A (ja) | 1989-11-30 |
| JPH047662B2 true JPH047662B2 (ja) | 1992-02-12 |
Family
ID=14948743
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63126983A Granted JPH01296948A (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | 蜂蜜の精製方法及び精製蜂蜜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01296948A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100872510B1 (ko) * | 2007-06-28 | 2008-12-08 | 한국식품연구원 | 제단백 및 제균이 가능한 벌꿀처리시스템 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5832600A (ja) * | 1981-08-18 | 1983-02-25 | Hitachi Zosen Corp | 脱水機 |
| JPS60212286A (ja) * | 1984-04-09 | 1985-10-24 | Kazuo Ono | 洗米水の処理法 |
| JP2607604B2 (ja) * | 1988-03-18 | 1997-05-07 | 日東電工株式会社 | 清澄蜂蜜の製造方法 |
| JPH047662A (ja) * | 1990-04-24 | 1992-01-13 | Canon Inc | 文字処理装置の変換プロセス選択方式 |
-
1988
- 1988-05-26 JP JP63126983A patent/JPH01296948A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01296948A (ja) | 1989-11-30 |
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