JPH04932B2 - - Google Patents
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- JPH04932B2 JPH04932B2 JP59032747A JP3274784A JPH04932B2 JP H04932 B2 JPH04932 B2 JP H04932B2 JP 59032747 A JP59032747 A JP 59032747A JP 3274784 A JP3274784 A JP 3274784A JP H04932 B2 JPH04932 B2 JP H04932B2
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Description
本発明は酸化鉄の製造方法に関する。更に詳細
には、本発明は雲母状酸化鉄の製造方法に関す
る。 雲母状酸化鉄はスチールグレーの薄片状粉の天
然鉱物として、又フレーク状赤鉄鉱として知られ
ている。酸化鉄は化学物質としては本質的には酸
化第二鉄(γ−Fe2O3)なのでそのフレーク状構
造は独特な特色となつている。雲母状酸化鉄の
個々の粒子は薄い板に似ており、その大部分は5
〜150ミクロンの大きさの範囲にある。 雲母状酸化鉄は金属防食用塗料に配合される顔
料として用いられる。この用途の理由は主にこの
酸化物顔料が層状であることに基づいている。雲
母状酸化鉄の板状又は葉つぱ状構造は湿気の侵入
に対して物理的な障壁となり、それによつて下に
ある金属基材が腐食する機会が減少される。更に
この灰色の顔料の薄片は、高度に日光を反射し、
この顔料を含んでいる塗膜は、日光に含まれる紫
外線から結合剤を保護することにより長い年月の
間その反射能を維持する。 雲母状酸化鉄は、スペイン、英国及びオースト
リアで採掘され産出されてきた。しかし今やスペ
インと英国における埋蔵量は底をついた。オース
トリア産のものはかつての英国又はスペイン産の
ものに比べて品質の劣るものではあるが、現在で
は世界の主要な産出地はオーストリアにある。近
年雲母状酸化鉄は、著しく価格が高くなつて来て
いる。それで塗料業界は、供給が少し不安定なこ
とに加えて、品質の低下及び価格の増大という問
題に直面してきた。 合成雲母状酸化鉄の製造に関する様々な方法が
文献の中で述べられている。例えば、米国特許第
3987156号公報には、硫酸第二鉄水溶液と水酸化
ナトリウム水溶液とを混ぜて得られる水性ペース
トを熱水処理し、それによつて硫酸ナトリウムと
共に六角形層状結晶の形で雲母状酸化鉄を生成さ
せる雲母状酸化鉄の製造方法が載せられている。
水性媒体中の反応を含む類似のタイプの方法も、
特開昭50−35097号公報、特開昭50−90599号公報
及び特公昭49−44878号公報に記載されている。
しかしながら、上記のどの方法も複雑な反応か又
は非常に特殊な操作条件、一般には水性媒体にお
ける特殊な条件が必要なため、工業的に実施可能
な方法とはなつていない。 文献に述べられている他の方法は、供給原料で
ある塩化鉄を酸化させて雲母状酸化鉄を生成させ
る方法に関係している。例えば、米国特許第
3864463号公報には、気相の塩化第二鉄を酸素含
有気体と400〜750℃で反応させることによる粒径
2〜100ミクロンの板状のα−Fe2O3の製造につ
いて記載されている。この方法では反応は、一般
的に球状の粒子の静止床中、特定量のハロゲン化
アルカリ金属の存在下で行なわれる。特公昭45−
12582号公報には、酸素又は酸素含有気体を、塩
化鉄()とK、Na、Li、Sr及びCaの塩化物か
ら選ばれた金属塩化物との混合物からなる溶融液
体に導入することによりフレーク状態化鉄を生成
させることが記載されている。この方法では酸化
反応は500〜950℃の温度範囲で行なわれる。 塩化鉄の酸化を含むそのような方法は、簡便性
及び関与している反応の速さの見地からいくらか
の利点を有している。また比較的高い温度で行な
えば高い転化率及び高い反応速度が達成される。 別の例として、米国特許第3864463号公報には
気相中での塩化鉄の酸化方法が記載されている。
気相酸化の問題点は、塩化鉄スケールが反応器壁
及びそれに関連した装置に堆積する傾向がひど
く、それにより操作の効率及び反応装置の維持の
点で問題が起きるということである。又米国特許
第3864463号公報に記載されている方法は不活性
粒子床の存在下で行なわれる気相酸化反応からな
つている。この方法は反応器から生成酸化鉄を取
り除く際の困難性や床の粒子の付着などの問題が
生じる。 気相酸化に伴う問題は、例えば特公昭45−
12582号公報に記載されているような溶融液の酸
化を用いることによりかなりの程度回避できる。
この特公昭45−12582号公報には酸素含有気体が、
塩化第一鉄又は塩化第二鉄と適当な添加アルカリ
金属塩又はアルカリ土類金属塩の混合物からなる
溶融液に通される方法が述べられている。添加
塩、例えば塩化カリウムの主な作用は、KFeCl4
のような錯体種の形成により塩化第二鉄の揮発性
を抑えるものである。錯体種は溶融液中に残り、
FeCl3の蒸発による塩化鉄の損失が実質的にない
状態で酸化が行なわれるのを可能にする。しかし
ながら特公昭45−12582号公報に記載されている
塩化鉄を含む溶融液の酸化は別のタイプの操作上
の問題を招く。その問題は(酸化反応の生成物と
して生じる)浮遊酸化鉄の濃度が比較的高くなる
と生じる溶融系の移動性の低下によつて引き起こ
される。我々は、塩化鉄と提案されている組成物
の1つ以上の塩の適当な溶融液を600〜750℃の温
度範囲まで加熱し、酸素をその溶融液の中へ通す
ことにより酸化させると、溶融物中に浮遊物とし
て生成する酸化物は溶融液の稠度を増大させるこ
とを観察した。この稠度の増加は、溶融液中の塩
化鉄含量の約半分が酸化鉄と塩素に転化される
と、その部分的に酸化された溶融物は、酸素導入
管をふさぎ、この形式での酸化反応が更に進行す
るのを紡げるようなどろどろの泥のような稠度を
持つ程のものである。更に、塩化鉄が酸化によつ
て消費されるにつれて塩化鉄−添加塩系の液相線
温度が比較的急激に上昇し、このことは塩化鉄か
ら酸化鉄への転化率が最大40〜50重量%しかない
ということにかなりの程度影響している。 従つて、雲母状酸化鉄を製造するための気相又
は溶融液相中の塩化鉄の酸化に関係している基礎
となる化学は明らかに簡単なものであるにもかか
わらず、この反応を行なうこれらの方法の各々に
重大な操作上の問題があることは明らかである。 本発明は、雲母状酸化鉄が、少なくとも1種の
アルカリ金属の塩又はアルカリ土類金属の塩の存
在下、高温で、酸素又は酸素含有気体を用いて塩
化鉄を酸化させることにより得られるという発見
に基づいている。 従つて本発明によれば、単一の反応器を用い
て、金属鉄を反応に付して塩化鉄を生成させ、同
一の反応器内において該塩化鉄を少なくとも一種
のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の存在
下、高温で、酸素又は酸素含有気体によつて酸化
に付して雲母状酸化鉄及び塩素を生成させ、該雲
母状酸化鉄を回収すると共に、生成した該塩素分
を残存する金属と反応させて再利用することを特
徴とする雲母状酸化鉄の製造方法が提供される。 本発明の一つの態様によれば、塩化鉄出発原料
が金属鉄フイードストツク(feedstock)から製
造される。 本発明の一つの実施態様によれば、反応が不活
性充填物質の存在下で充填塔式反応装置で行なわ
れる。 この実施態様によれば、不活性充填物質上の溶
融膜中に生成物が生じるように又その溶融膜の厚
みが最低150ミクロンになるよう反応条件を制御
する。 塩化鉄の酸化は次の化学方程式に従つて行なわ
れる。 3FeCl2+3NaCl+3/4O2→1/2Fe2O3+3NaCl
+2FeCl3(1) 3FeCl3+3NaCl+3/2O2→Fe2O3+3NaCl+3C
l2(2) これらの式は添加アルカリ金属塩又はアルカリ
土類金属塩として塩化ナトリウムが用いられるこ
とを示している。式(2)は塩化第二鉄の酸化を示し
ている。式(1)及び式(2)は一緒になつて塩化第一鉄
の酸化を表わしており、ここで塩化第一鉄はまず
最初に酸化されて塩化第二鉄と雲母状酸化鉄を生
じ、続いて塩化第二鉄が酸化されて雲母状酸化鉄
と塩素が生じる。 この実施態様によれば、出発原料の塩化鉄は、
例えば鉄が2次的な成分となつているチタン含有
鉱物及びアルミナ質鉱物、例えばチタン鉄鉱及び
ボーキサイトのような鉱物のカーボクロリネーシ
ヨン(Carbo−chlorination)又はスルホクロリ
ネーシヨン(Sulpho−chlorination)からの副生
成物として得られる塩化鉄であつてもよく、又鉄
金属を塩酸で酸洗いした時の副産物として得られ
る廃酸から副生成物として得られる塩化鉄であつ
てもよい。チタン鉄鉱のようなチタン含有鉱物
を、そのTiO2をTiCl4として抜き出すために公知
の塩素化方法で塩素化する時、特に炭素又は炭素
含有還元剤の存在下での塩素化、例えば炭素及
び/又は一酸化炭素の存在下800〜1200℃の温度
での塩素化を行なう、いわゆる“カーボクロリネ
ーシヨン”によつて塩素化すると、通常多量の塩
化鉄が副生成物として得られる。この塩化鉄は塩
素化器中の反応条件によつて塩化第一鉄であるこ
とも、塩化第二鉄であることも又はその両方であ
ることもできる。 同様に、ボーキサイトのようなアルミナ質の物
質をそのアルミニウムを揮発性の塩化物として抜
き取るために公知のカーボクロリネーシヨン法又
はスルホクロリネーシヨン法で塩素化すると、通
常多量の塩化鉄が副生成物として得られる。この
塩化鉄は塩素化器中の反応条件及び主目的生成物
と副生成物である塩化鉄を分離するために選ぶ方
法に依存して塩化第一鉄であることも塩化第二鉄
であることも又はその両方であることもあるが、
普通は塩化第二鉄であることが多い。 他の適当な塩化鉄源としては、例えば硫化銅鉱
石又は硫化ニツケル鉱石の塩素化の際に副次的に
得られる塩化鉄も挙げられる。 これらすべての鉱物の塩素化方法から得られる
副生成物塩化鉄は化合物の形で有用な塩素を含有
している。従つて、本発明のこの実施態様の他の
面によれば、この塩素分を回収する、詳しくは塩
素化器へ再循環させるためにこの塩素分を回収す
ることが望ましい。このことはチタン鉄鉱のよう
なチタン含有鉱物の塩素化が、TiO2顔料を作る
際のいわゆる塩化物ルートの最初の段階であると
きに特にそう言える。というのはこの場合副次的
に生じる塩化鉄の量が非常に多いからである。ボ
ーキサイトのようなアルミナ質の物質の塩素化の
場合、一般的にチタン鉄鉱の場合よりも少ないけ
れど、塩化鉄は副生成物としてやはり多量に生成
され、このことは塩素分を相当損失することを示
している。どちらの場合も、塩化鉄が副生成物と
して多量に生成することによつて生じる環境問題
は、それに引き続いてこれらの物質を処分する必
要を伴なつており、重大な問題である。 更に水溶液から得られる実質的に無水の塩化物
からの塩素分の回収、特に鉄鋼製造の最終段階で
出てくる酸洗いに用いられた使用済廃酸から得ら
れる無水塩化第一鉄からの塩素分の回収のための
工業的に実施可能な方法が必要である。 このような廃酸は主に赤色酸化鉄顔料の製造に
用いられており、西ドイツはその製造の中心地と
なつている。 このような廃酸の使用法の1つの不利な点は、
多くの廃酸が消費されるような非常に大規模な場
合にのみ高度な加工工程及び資本経費によつて経
済的になるという点である。他の不利な点は、塩
化第一鉄は一般に石灰と反応させて水酸化第一鉄
を沈殿させ、溶液中に残る塩化カルシウムは処分
するので、塩化第一鉄の塩素分は失なわれる。 それ程広く用いられてはいないが、廃酸を利用
する別の方法として、廃酸を噴霧焙焼して薄い塩
酸(通常の濃塩酸の36%と比べて約18%の濃度し
かない)を生成させる方法がある。しかし、この
方法は多量のエネルギーを用いかつ顔料としてほ
とんど価値のない酸化第二鉄副生成物しか得られ
ない。 従つて含有されている塩化第一鉄から塩素分を
回収し、工業的に重要な用途のある酸化鉄、雲母
状酸化鉄が製造される廃酸処理のための新しい方
法が工業界において必要とされている。 別の好ましい可能性によれば、塩化鉄出発原料
は金属鉄と塩素を直接反応させて得ることもでき
る。 本発明の好ましい態様によれば、金属鉄は塩化
鉄を作るための供給原料として用いられる。 金属鉄供給原料は、直接酸化ではなく、最初塩
化鉄を生成させそれからこれを酸化することによ
り酸化される。この方法は鉄を空気中又は酸素
中、様々な条件で直接酸化する時生成する他のタ
イプの酸化物(例えば赤色酸化鉄、磁鉄鉱など)
ではなく雲母状酸化鉄が選択的に生成されるのに
重要である。 この反応を行なう方法は数多く知られている。
鉄金属と塩素を本発明の方法に用いられる反応器
の中へ供給し、次の化学反応式に従つてその場で
塩化鉄を発生させることができる。 2Fe+3Cl2→2FeCl3 (3) この反応は添加アルカリ金属塩又は添加アルカ
リ土類金属塩の存在下で起こるので、より実際的
には添加塩として塩化ナトリウムを用いた次の化
学反応式でこの反応は示される。 2Fe+3Cl2+3NaCl→2FeCl3+3NaCl (4) 鉄金属は、本発明による雲母状酸化鉄へと酸化
される塩化第一鉄を生成させるために、適当な添
加塩の存在下で塩化第二鉄供給物を還元するのに
用いることもできる。 この還元反応は次の化学反応式で表わされる。 2FeCl3+3NaCl+Fe→3FeCl2+3NaCl (5) 式(5)は再び添加塩として塩化ナトリウムを用い
ていることを示している。 本発明の反応方法を行なう別の方法として、塩
素を外部から再循環させることによるものがあ
る。例えばNaHeCl4(又はNaFeCl3)の溶融液を
次の式に従つて酸化させて雲母状酸化鉄と塩素に
する。 2NaFeCl4+3/2O2→Fe2O3+2NaCl
+3Cl2(6) この反応によつて生じる塩素ガスは、2番目の
反応器へ供給され、そこでその塩素は上述した式
(3)に従つて鉄と発熱反応を行ない、生成した塩化
第二鉄と塩とを混合し、1番目の(酸化用)反応
器への供給原料として用いられる。 別の方法として塩素を鉄と塩の混合物と反応さ
せ、こうすることにより直接1番目の(酸化用)
反応器への液状NaFeCl4(又はNaFeCl3)供給物
質を生成させることもできる。 1番目の(酸化用)反応器は、充填塔、塩浴又
は他の適当な気体−液体反応器であつてもよく、
2番目の(塩素化用)反応器は、例えば充填塔の
ような気体−固体反応器のどのようなタイプのも
のでもよい。 本発明の方法を行なう好ましい方法は、しかし
ながら、金属鉄供給原料を用いて塩化鉄を生成さ
せそしてこれを酸化する方法である。 金属鉄は旋削の削り屑、中ぐり屑、みがきか
す、孔あけの屑、切取り片などの形の鉄屑であつ
てよい。寸法、形、又は鉄金属の他の好ましい物
理的状態について特に制限はない。使用前にその
金属鉄を腐蝕や脱脂又は別の方法で前処理するこ
とが必要であることは通常知られていない。 金属鉄供給原料の使用は、それが安価で、入手
が容易にでき、取扱いが簡単であり又前処理を必
要としないという利点がある。 本発明のこの好ましい実施態様は更に相当量の
塩素ガスが一緒に生成しないという利点もある。
塩素ガスが一緒に生成した場合、塩素ガスの処
理、貯蔵及び液化の必要が生じ、このことは塩素
ガスの処理に必要な装置に関する資本経費の見地
から重大な不利益をもたらすことになる。これら
の問題は金属鉄供給原料を用いる本発明のこの実
施態様により避けられる。 添加アルカリ金属塩又は添加アルカリ土類金属
塩は塩化第二鉄及び/又は塩化第一鉄の揮発性を
抑えるか又は減少させるように作用する塩である
ならばどのようなものでもよい。例としては、ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物、臭化
物、ヨウ化物及び硫酸塩がある。好ましい塩はア
ルカリ金属塩化物であり、これらは一般式
MFeCl4(ここでMはアルカリ金属カチオンであ
る)で表わされる塩化第二鉄との錯体を形成し、
またそれによつて塩化第二鉄の揮発性を相当減少
させる。アルカリ金属塩化物のうちで最も好まし
い塩は塩化ナトリウムである。それは安価なこ
と、入手が容易なこと、塩化第二鉄と容易に
NaFeCl4を形成するなどの理由による。様々な形
の塩化ナトリウム例えば粒状塩化ナトリウム、岩
塩などを用いることができる。 適当などんな酸化性気体でも用いることができ
るが好ましくは空気又は酸素である。酸化性気体
の選択は、望ましい反応速度、反応温度、反応器
の熱負荷、金属鉄と添加塩の割合及び反応容器中
の不活性表面面積に対する反応物質の割合などの
因子に依存する。 好ましい反応温度は500℃〜1000℃、更に好ま
しくは650℃〜850℃の範囲である。塩:鉄の重量
比は好ましくは0.25:1〜10:1の範囲であるこ
とができる。反応はバツチ式でも又連続的にも行
なうことができる。 反応を充填塔で行なう場合、不活性充填物質は
固い不浸透性の物質でなければならない。セラミ
ツクボールのような規則正しい球が特に適してい
ることがわかつている。 本発明のこの実施態様によれば、雲母状酸化鉄
生成物はセラミツクのボール上に少なくとも150
ミクロンの厚さの膜として生成する。膜の厚さは
前述したような満足な性質を持つ雲母状生成物の
生成が確実になるようコントロールしなければな
らない。塩素又は塩化物の反応器への適当な供給
を維持しなければならない。特に金属鉄を鉄源と
して用いる場合、少なくとも塩化鉄の形成及びそ
の後の酸化に充分な量の塩素を供給しなければな
らない。 (金属鉄として表わされる)鉄の量に対する不
活性物質(セラミツクボール)の重量比は好まし
くは4:1〜20:1である。 本発明の方法の更なる利点は、全反応すなわち
FeからFe2O3への酸化が発熱反応(198.5kcal/
mole(Fe2O3))であるという事実によりエネルギ
ー消費量が非常に少なくて済むということであ
る。従つて、一度開始すれば反応は自給的に行な
われる。 本発明による方法の雲母状酸化鉄生成物は好ま
しくはその大部分が、最大粒径が100〜200ミクロ
ン、好ましくは100〜150ミクロンの範囲であり、
好ましいメデイアン径が約35〜50ミクロンであ
る。望ましくは、生成物は実際上全部が、厚さが
少なくとも1ミクロン、好ましくは約5ミクロン
の層状板の形をしている。アスペクト比(長さ:
幅)は好ましくは3:1以下である。というのは
アスペクト比が高いと塗料媒体中での性能が劣る
ことが観察されたためである。 次に好ましい操作条件を添付の図面を参照しな
がら更に詳細に説明する。 本発明の第1番目の実施態様によれば、塩化第
二鉄の還元を前述の適当な添加塩の存在下で金属
鉄によつて行ない塩化第一鉄を生じさせる。この
反応は添加塩として塩化ナトリウムを用いて上述
の化学反応式(5)により例示してある。 ここで添加塩は化学反応に関与しているのでは
なく、塩化第二鉄及び塩化第一鉄と溶融混合物を
形成するものとして働き、塩化鉄と錯体を形成し
て塩化鉄を溶融物中に保持し、それによりその揮
発性を抑えるという点は注目に値する。式(5)に示
される還元段階に続いて形成された塩化第一鉄は
酸化されて酸化鉄及び再形成塩化第二鉄ができ
る。この酸化反応は添加塩として塩化ナトリウム
を用いて上述の化学反応式(1)によつて例示してあ
る。 こうして生成した酸化鉄は適当な手段により分
離される。必要ならばそれぞれの条件に応じて雲
母状酸化鉄が得られているFeCl3とNaClの溶融混
合物からその雲母状酸化鉄を過することができ
る。塩化第二鉄は金属鉄を用いて式(5)に従つて塩
化第一鉄に再び戻すことができる。それから式(1)
に従つて更に酸化等を行なう。従つて塩素ガスが
全反応系列において一緒に生成することはない。
更にこの反応系列は安価にそして容易に入手でき
る出発原料、つまり金属鉄、空気又は酸素及び適
当なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含
んでいる。後者は、合成雲母状酸化鉄と全反応系
列の生成物として生じる塩の混合物から抽出・結
晶化させることにより回収して再利用することも
できる。 この方法は、垂直型抵抗コイル巻管型炉2に設
置され、気体導入口4、熱電対導入口5及び気体
排出管6が取り付けられた気密性シリカエンベロ
ープ1からなる第1図に示されるような単一の装
置中で行なうことができる。反応物質充填物はエ
ンベロープ1に導入し窒素下で加熱する。反応の
第2段階において酸素又は酸素含有気体は気体導
入口4を通して導入し、従来の手段で5の部分の
排気ガスを分析する。 本発明の第2番目の実施態様によれば、金属鉄
の塩素化は適当な添加塩、例えば塩化ナトリウム
の存在下で行ない塩化第二鉄を生成させる。塩化
第二鉄はその後酸化性気体を用いて酸化し雲母状
酸化鉄と塩素ガスを生成させる。(塩として塩化
ナトリウムを用いた場合の)関係した反応は前述
の式(2)及び式(4)によつて表わされる。 反応系は、式(2)に従つた酸化反応の共生成物と
して生じる塩素ガスが反応器中のどこででも金属
鉄と反応して、式(4)に従つて塩化第二鉄ができる
ように設計される。こうして生成した塩化第二鉄
は式(2)に従つて酸化され、雲母状酸化鉄及び再生
成塩などを生じる。 この反応系列は第2図に示されるような充填塔
反応器中で大変容易に行なわれる。この反応器に
は不活性充填物質にまき散らされた反応物質(金
属鉄と塩)が含まれる。この不活性充填物質はセ
ラミツクボール、玉石、豆粒大の砂利又は不透過
性の耐火物などのような固くて不透過性のもので
なければならない。 第2図に示される反応器は気体導入口8及び気
体排出口9を備えた内径7200mm、全長1500mmの垂
直耐火管からなつている。この管の中央部分(長
さ1000mm)を熱的に遮断されたスチール製ジヤケ
ツト11に設置された電気抵抗体10を用いて外
側から加熱した。外装熱電対12を、管7の様々
なレベルの位置にドリルであけた盲穴に挿入し
た。連続実験中、気密ホツパー13によつて固体
反応物質を管7へ入れた。管の基底部の空気圧に
より作動するゲート弁14は、雲母状酸化鉄と塩
でおおわれたセラミツクボールの形の反応生成物
を抜き出すのに用いられた。 操作の際、直径12mmのアルミノけい酸塩セラミ
ツクボール、金属鉄及び塩化ナトリウムの混合物
を反応器に充填した。好ましいボール:反応物質
の重量比の範囲は、4:1〜20:1である。更
に、塩化第二鉄又は塩素ガス、金属鉄、塩化ナト
リウム及びセラミツクボールを含む“始動”層を
最初に反応器中の主充填物質の下に設置しておい
た。この“始動”層の作用は、反応器の底に導入
された酸化性気体と反応し、式(2)に従つて合成雲
母状酸化鉄と塩素を生成するものである。雲母状
酸化鉄と塩化ナトリウムはセラミツクボール上の
膜として残るが、一方では塩素は上方に上り、
“始動”層上の反応充填物中の金属鉄と反応して
式(4)に従い塩化第二鉄を生じる。こうして生成し
た塩化第二鉄は塩化ナトリウムにつかまつた状態
又は塩化ナトリウムに結合した状態のままであ
り、式(2)に従つて更に酸化されて更に合成雲母状
酸化鉄と塩素ガスを生じる。 このタイプの充填塔反応器は、金属鉄、塩化ナ
トリウム及び酸素又は空気を単一反応器に直接供
給する特に整然とした簡便な手段を提供し、塩化
第二鉄を中途段階で生成させ酸化させることによ
り、塩素を共生成物として生成させることなく直
接合成雲母状酸化鉄を生成させる。雲母状酸化鉄
は塩化ナトリウムとの混合物の形でセラミツクボ
ール上の膜として生じる。雲母状酸化鉄の除去は
水中で膜の生成したセラミツクボールを浸出させ
ることにより容易かつ迅速に行なわれる。 本発明による方法の別の利点は全反応系列が発
熱反応であるという点である。金属鉄が酸化して
酸化鉄を生じる反応は実質的に塩化第一鉄又は塩
化第二鉄が酸化鉄に酸化される反応よりもより発
熱量が多く、このことは理論的に言つて必要とさ
れる反応温度を維持するために反応器へ熱を供給
する必要がないことを意味している。 反応は連続的にも又バツチ式でもできる。好ま
しくはバツチ式で行なわれる。連続的に操作する
際には、操作の段階でセラミツクボールは反応器
を徐々に下つてゆき、連続的に又は断続的に反応
器の底から抜き出される。抜き出されたボールを
水で浸出処理して雲母状酸化鉄を除去した後、ボ
ールを乾燥し、金属鉄と塩を更に供給する際一緒
に反応器の上部から導入して再び用いる。式(2)の
酸化反応よつて生じるすべての塩素は反応器中に
残り、下つてくる金属鉄充填物と反応して塩化第
二鉄を生じる。従つて塩素が“排ガス”として反
応器からでてくることはない。バツチ式で操作す
る場合、式(2)に従つた酸化反応により共生成物と
して発生する塩素は徐々に塔を上昇し、最終的に
は排ガスとして現われ、それは2番目の反応器へ
供給され塩化第二鉄の“始動”層を形成する。従
つてバツチ式操作においては工程が進むにつれて
塩素分の収容、移動及び再利用のために2つ以上
の反応器が必要とされる。 第3図には本発明の方法を行なうのに適した装
置が模型的に示してある。この装置は、反応端板
15を備え且つ一端に酸化性気体導入口16、他
端に排ガス用出口17を有する耐火性反応管1
4′からなつている。反応管14′には不活性支持
物質18、好ましくはセラミツクボールが充填さ
れており、又反応物質充填物19、つまり鉄源と
添加塩を含んでいる。示されている装置は垂直で
あるが、水平型の反応器も用いることができる。 第4図には本発明による方法を実施するのに適
した装置を更に詳細に示してある。 反応器は厚さ10cmのキヤスタブル耐火物で内張
りされたスチール製シエル(直径:55cm)20か
らなつている。反応生成物の抜き取りを助けるた
めに耐火物内張りに1/40のテーパーがつけられて
いる。耐火物で内張りされた丁番のついた蓋が反
応器の上部21と下部22に取り付けられてお
り、これらは気密シールとなるようボルト締めで
反応器に取り付けられるようになつている。 反応器には不活性充填物質34、不活性充填物
質と鉄と塩の混合物の層35、そして最後に不活
性充填物質と塩の混合物の層36が充填されてい
る。 鉄、塩及び不活性充填物質は手で反応器に充填
することができる。底蓋の気体導入口23を通し
て燃えるガスバーナー(図示されていない)は充
填物の底の部分を予備加熱するのに用いられる。
気体つまり空気及び塩素は反応器を通つて出てゆ
き、気体排出口24と苛性ソーダ気体スクラバー
を経由して真空ポンプにより抜き出される。 充填物カラムの上まで反応が進行した後、続い
て熱電対25〜33によつて記録される温度の上
昇が起こり、排気ガスと一緒にでてくる塩素が監
視される。反応の終結は、塩素の発生がなくなる
ことと反応ベツドの温度上昇が起こらなくなるこ
とによつてわかる。 本発明の方法によれば、とりわけ入手が容易な
出発原料すなわち金属鉄の使用により、又、単一
の反応器の使用により、雲母状酸化鉄の製造を低
コストで行なうことができる。さらに、本発明に
おいては、塩素分を反応器へ再循環させて金属鉄
と反応させるので、有用な副生成塩素分の扱いや
貯蔵の必要がない。また、本発明の方法において
は、全反応が発熱反応であるため極めて省エネル
ギー的であるだけでなく、金属鉄から高品質の雲
母状酸化鉄を高い転化率で得ることができる。 実施例 1 塩化第二鉄(211.3g)、塩化ナトリウム
(113.8g)及び金属鉄(36.6g)からなる反応物
質充填物を第1図に示す装置の気密シリカエンベ
ロープ1の中に入れ、窒素下で700℃になるまで
加熱した。この温度まで加熱すると充填物の
FeCl3成分とNaCl成分の融解が起こり、続いて金
属鉄により式(5)に従つてFeCl3からFeCl2への還
元が起こつた。反応器と内容物を700℃で3時間
加熱してFeCl3からFeCl2への還元を実質的に完
了させた。続いて、FeCl2とNaClからなる得られ
た溶融物を、入口4から酸素を100ml/分で3時
間この溶融物に吹き込むことにより、700℃で塩
素が発生するまで、すなわち式(1)に従つて酸化が
終了するまで酸化した。ヨウ化カリウム溶液を含
むドレツシエル瓶(Dreschel bottle)を気体排
出管5の中に置き塩素の存在を検出するのに用い
た。FeCl3とNaClの溶融混合物中に懸濁した合成
雲母状酸化鉄からなるこの反応の生成物をセラミ
ツク繊維布により真空過した。こうして得ら
れた塊を冷却し、水で浸出した。得られた合成
雲母状酸化鉄の水懸濁液を過し、水洗して110
℃で乾燥した。合成雲母状酸化鉄の収量は51.8g
であつた。これは金属鉄出発原料の転化率98.46
%に相当する。顕微鏡で調べたところ、こうして
製造され分離された合成雲母状酸化鉄は10〜150
ミクロンの大きさの層状板からなつていることが
わかつた。 実施例 2 本実施例では塩化第二鉄が金属鉄と反応して塩
化第一鉄を生じ、続く酸化によつて合成雲母状酸
化鉄ができることを同様に例証するものである。
しかしながら、実施例1とは異なり過段階が含
まれなかつた。その代わりに、合成雲母状酸化鉄
が酸化性気体導入管に堆積するという好ましい傾
向を、溶融物から合成雲母状酸化鉄を分離する手
段として用いた。 塩化第二鉄(583.8g)、金属鉄(101g)及び
塩化ナトリウム(315g)からなる溶融物を、電
気炉中の粘土−黒鉛製るつぼ(内径90mm×深さ
240mm)中で窒素気流下(300ml/分)で700℃に
なるまで加熱した。溶融物を700℃で2時間維持
してFeを用いてFeCl3の還元を行なつた。その後
るつぼの底から10mmの所に沈めた粘土−黒鉛製管
(内径:55mm)を通して溶融物中に、酸素(100
ml/分)と窒素(100ml/分)の混合物を6.5時間
吹き込むことにより700℃で酸化を行なつた。そ
れから気体導入管を溶融物の上の位置まで引き上
げて装置を冷却した。酸化の間、反応容器からの
気体は5%ヨウ化カリウム溶液の入つたドレツシ
エル瓶の中を通して塩素の損失がないかどうかを
検出・分析した。 気体導入管に付着した溶融物及びるつぼに残つ
た溶融物を分析すると次のような結果が得られ
た。 気体導入管 るつぼ FeCl3(g) 68.3 129.7 FeCl2(g) 29.8 117.7 Fe2O3(g) 121.8 14.6 NaCl(g) 128.8 185.4 投入した金属鉄に対する合成雲母状酸化物の収
率は94.5%であつた。この酸化物の89.3%が気体
導入管上に堆積していた。この酸化物は20〜200
ミクロンの大きさの範囲の薄い半透明層状粒子か
らなつていた。この操作の間に系から失なわれた
塩素の量は、運転の後で、排気ガス管の中に置か
れた水酸化ナトリウムを含むドレツシエル瓶によ
る分析で測定されるが、それは0.05gであつた。 実施例 3 本実施例は連続操作で行なつたものであり、第
2図に示す反応器とホツパーに、直径12mmのセラ
ミツクボール、金属鉄としての10mm×10mmの軟鋼
板及び塩化ナトリウム粒子を下記の割合で混ぜた
混合物を充填した。 セラミツクボール:14400g 金属鉄:700g 塩:700g 主充填物の下に充填する“始動”層は下記の組
成であつた。 塩化第二鉄:260g 金属鉄:60g 塩化ナトリウム:175g セラミツクボール:3600g 反応器と内容物を窒素下で700℃まで加熱した。
その後酸素を5/分の速度で気体導入管8を通
して反応器の底に導入し、周期的にゲート弁14
を操作することにより反応器の内容物を反応器7
から受け器(第2図には示していない)に取り出
した。反応器の内容物は5時間45分かけて完全に
取り出した。反応器から粗生成物として得られた
膜の形成したボールをサンプルスプリツターを用
いてランダムに小さなロツトに分けた。これらの
小さなロツトのうちの1つを水で浸出して雲母状
酸化鉄を放ち、それを別、水洗そして乾燥し
た。こうしてできた雲母状酸化鉄は薄い半透明の
層状粒子であり、大きさは5〜200ミクロンの範
囲であつた。膜のできたボールのこのサンプルに
ついて重量の測定及び化学分析を行なつたところ
次のような結果が得られた。 セラミツクボールの総重量:1882g Fe2O3の重量:25.5g FeCl3の重量:0.1623g FeCl2の重量:0.254g 金属鉄は存在しなかつた。 従つてこの結果により最初の反応器中の鉄の量
の雲母状酸化鉄への転化率は99%であることがわ
かる。 実施例 4 本実施例はバツチ式で操作を行なつたものであ
り、ここでは第2図に示してある反応器のホツパ
ー13とゲート弁14を取りはずし、代わりに気
密端板を用いた。操作を開始する前に反応器に下
記の組成の“始動”層を充填した。 セラミツクボール:6000g 金属板:125g 塩化第二鉄:762g 塩化ナトリウム:393g この層の上に下記の組成を有する主反応器充填
物を入れた。 セラミツクボール:24000g 金属鉄:3000g 塩化ナトリウム:3000g この実施例で用いた金属鉄は、大きさが微細な
粒子からさしわたし約5mmの小片までの範囲の中
ぐり屑のものを用いた。この原料は脱脂のような
前処理などは行なわずに用いた。 反応器は窒素下で740℃になるまで加熱した。
それから窒素ガスの供給を止めて、反応器の基部
の導入管8を通して40/分の割合で圧縮空気管
路からの空気を反応器へ8時間30分導入した。水
酸化ナトリウムガススクラバー溶液を、操作中周
期的に採取し、吸収された塩素を分析した。この
分析により操作の最初の8時間で478gの塩素が
発生したことがわかつた。最後の操作の30分間に
は更に塩素は発生せず、これは反応が完了してい
たことを示している。発生した塩素の重量は反応
器中の最初の塩化物の量に対して転化率95.7%に
対応した。 運転の最後に空気の供給を止め、反応器と内容
物を冷却した。その後反応器の端板を取りはずし
反応器の内容物を鉄棒を使つてたたき出した。雲
母状酸化鉄と塩化ナトリウムの膜でおおわれたセ
ラミツクボールの形の粗生成物を反応器の様々な
レベルに対応するフラクシヨンに分けた。これら
のフラクシヨンの内の3つを水で浸出した後、重
量測定及び化学分析を行なつた結果を、鉄の量の
Fe2O3への対応する転化率と一緒に以下に示す。
には、本発明は雲母状酸化鉄の製造方法に関す
る。 雲母状酸化鉄はスチールグレーの薄片状粉の天
然鉱物として、又フレーク状赤鉄鉱として知られ
ている。酸化鉄は化学物質としては本質的には酸
化第二鉄(γ−Fe2O3)なのでそのフレーク状構
造は独特な特色となつている。雲母状酸化鉄の
個々の粒子は薄い板に似ており、その大部分は5
〜150ミクロンの大きさの範囲にある。 雲母状酸化鉄は金属防食用塗料に配合される顔
料として用いられる。この用途の理由は主にこの
酸化物顔料が層状であることに基づいている。雲
母状酸化鉄の板状又は葉つぱ状構造は湿気の侵入
に対して物理的な障壁となり、それによつて下に
ある金属基材が腐食する機会が減少される。更に
この灰色の顔料の薄片は、高度に日光を反射し、
この顔料を含んでいる塗膜は、日光に含まれる紫
外線から結合剤を保護することにより長い年月の
間その反射能を維持する。 雲母状酸化鉄は、スペイン、英国及びオースト
リアで採掘され産出されてきた。しかし今やスペ
インと英国における埋蔵量は底をついた。オース
トリア産のものはかつての英国又はスペイン産の
ものに比べて品質の劣るものではあるが、現在で
は世界の主要な産出地はオーストリアにある。近
年雲母状酸化鉄は、著しく価格が高くなつて来て
いる。それで塗料業界は、供給が少し不安定なこ
とに加えて、品質の低下及び価格の増大という問
題に直面してきた。 合成雲母状酸化鉄の製造に関する様々な方法が
文献の中で述べられている。例えば、米国特許第
3987156号公報には、硫酸第二鉄水溶液と水酸化
ナトリウム水溶液とを混ぜて得られる水性ペース
トを熱水処理し、それによつて硫酸ナトリウムと
共に六角形層状結晶の形で雲母状酸化鉄を生成さ
せる雲母状酸化鉄の製造方法が載せられている。
水性媒体中の反応を含む類似のタイプの方法も、
特開昭50−35097号公報、特開昭50−90599号公報
及び特公昭49−44878号公報に記載されている。
しかしながら、上記のどの方法も複雑な反応か又
は非常に特殊な操作条件、一般には水性媒体にお
ける特殊な条件が必要なため、工業的に実施可能
な方法とはなつていない。 文献に述べられている他の方法は、供給原料で
ある塩化鉄を酸化させて雲母状酸化鉄を生成させ
る方法に関係している。例えば、米国特許第
3864463号公報には、気相の塩化第二鉄を酸素含
有気体と400〜750℃で反応させることによる粒径
2〜100ミクロンの板状のα−Fe2O3の製造につ
いて記載されている。この方法では反応は、一般
的に球状の粒子の静止床中、特定量のハロゲン化
アルカリ金属の存在下で行なわれる。特公昭45−
12582号公報には、酸素又は酸素含有気体を、塩
化鉄()とK、Na、Li、Sr及びCaの塩化物か
ら選ばれた金属塩化物との混合物からなる溶融液
体に導入することによりフレーク状態化鉄を生成
させることが記載されている。この方法では酸化
反応は500〜950℃の温度範囲で行なわれる。 塩化鉄の酸化を含むそのような方法は、簡便性
及び関与している反応の速さの見地からいくらか
の利点を有している。また比較的高い温度で行な
えば高い転化率及び高い反応速度が達成される。 別の例として、米国特許第3864463号公報には
気相中での塩化鉄の酸化方法が記載されている。
気相酸化の問題点は、塩化鉄スケールが反応器壁
及びそれに関連した装置に堆積する傾向がひど
く、それにより操作の効率及び反応装置の維持の
点で問題が起きるということである。又米国特許
第3864463号公報に記載されている方法は不活性
粒子床の存在下で行なわれる気相酸化反応からな
つている。この方法は反応器から生成酸化鉄を取
り除く際の困難性や床の粒子の付着などの問題が
生じる。 気相酸化に伴う問題は、例えば特公昭45−
12582号公報に記載されているような溶融液の酸
化を用いることによりかなりの程度回避できる。
この特公昭45−12582号公報には酸素含有気体が、
塩化第一鉄又は塩化第二鉄と適当な添加アルカリ
金属塩又はアルカリ土類金属塩の混合物からなる
溶融液に通される方法が述べられている。添加
塩、例えば塩化カリウムの主な作用は、KFeCl4
のような錯体種の形成により塩化第二鉄の揮発性
を抑えるものである。錯体種は溶融液中に残り、
FeCl3の蒸発による塩化鉄の損失が実質的にない
状態で酸化が行なわれるのを可能にする。しかし
ながら特公昭45−12582号公報に記載されている
塩化鉄を含む溶融液の酸化は別のタイプの操作上
の問題を招く。その問題は(酸化反応の生成物と
して生じる)浮遊酸化鉄の濃度が比較的高くなる
と生じる溶融系の移動性の低下によつて引き起こ
される。我々は、塩化鉄と提案されている組成物
の1つ以上の塩の適当な溶融液を600〜750℃の温
度範囲まで加熱し、酸素をその溶融液の中へ通す
ことにより酸化させると、溶融物中に浮遊物とし
て生成する酸化物は溶融液の稠度を増大させるこ
とを観察した。この稠度の増加は、溶融液中の塩
化鉄含量の約半分が酸化鉄と塩素に転化される
と、その部分的に酸化された溶融物は、酸素導入
管をふさぎ、この形式での酸化反応が更に進行す
るのを紡げるようなどろどろの泥のような稠度を
持つ程のものである。更に、塩化鉄が酸化によつ
て消費されるにつれて塩化鉄−添加塩系の液相線
温度が比較的急激に上昇し、このことは塩化鉄か
ら酸化鉄への転化率が最大40〜50重量%しかない
ということにかなりの程度影響している。 従つて、雲母状酸化鉄を製造するための気相又
は溶融液相中の塩化鉄の酸化に関係している基礎
となる化学は明らかに簡単なものであるにもかか
わらず、この反応を行なうこれらの方法の各々に
重大な操作上の問題があることは明らかである。 本発明は、雲母状酸化鉄が、少なくとも1種の
アルカリ金属の塩又はアルカリ土類金属の塩の存
在下、高温で、酸素又は酸素含有気体を用いて塩
化鉄を酸化させることにより得られるという発見
に基づいている。 従つて本発明によれば、単一の反応器を用い
て、金属鉄を反応に付して塩化鉄を生成させ、同
一の反応器内において該塩化鉄を少なくとも一種
のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の存在
下、高温で、酸素又は酸素含有気体によつて酸化
に付して雲母状酸化鉄及び塩素を生成させ、該雲
母状酸化鉄を回収すると共に、生成した該塩素分
を残存する金属と反応させて再利用することを特
徴とする雲母状酸化鉄の製造方法が提供される。 本発明の一つの態様によれば、塩化鉄出発原料
が金属鉄フイードストツク(feedstock)から製
造される。 本発明の一つの実施態様によれば、反応が不活
性充填物質の存在下で充填塔式反応装置で行なわ
れる。 この実施態様によれば、不活性充填物質上の溶
融膜中に生成物が生じるように又その溶融膜の厚
みが最低150ミクロンになるよう反応条件を制御
する。 塩化鉄の酸化は次の化学方程式に従つて行なわ
れる。 3FeCl2+3NaCl+3/4O2→1/2Fe2O3+3NaCl
+2FeCl3(1) 3FeCl3+3NaCl+3/2O2→Fe2O3+3NaCl+3C
l2(2) これらの式は添加アルカリ金属塩又はアルカリ
土類金属塩として塩化ナトリウムが用いられるこ
とを示している。式(2)は塩化第二鉄の酸化を示し
ている。式(1)及び式(2)は一緒になつて塩化第一鉄
の酸化を表わしており、ここで塩化第一鉄はまず
最初に酸化されて塩化第二鉄と雲母状酸化鉄を生
じ、続いて塩化第二鉄が酸化されて雲母状酸化鉄
と塩素が生じる。 この実施態様によれば、出発原料の塩化鉄は、
例えば鉄が2次的な成分となつているチタン含有
鉱物及びアルミナ質鉱物、例えばチタン鉄鉱及び
ボーキサイトのような鉱物のカーボクロリネーシ
ヨン(Carbo−chlorination)又はスルホクロリ
ネーシヨン(Sulpho−chlorination)からの副生
成物として得られる塩化鉄であつてもよく、又鉄
金属を塩酸で酸洗いした時の副産物として得られ
る廃酸から副生成物として得られる塩化鉄であつ
てもよい。チタン鉄鉱のようなチタン含有鉱物
を、そのTiO2をTiCl4として抜き出すために公知
の塩素化方法で塩素化する時、特に炭素又は炭素
含有還元剤の存在下での塩素化、例えば炭素及
び/又は一酸化炭素の存在下800〜1200℃の温度
での塩素化を行なう、いわゆる“カーボクロリネ
ーシヨン”によつて塩素化すると、通常多量の塩
化鉄が副生成物として得られる。この塩化鉄は塩
素化器中の反応条件によつて塩化第一鉄であるこ
とも、塩化第二鉄であることも又はその両方であ
ることもできる。 同様に、ボーキサイトのようなアルミナ質の物
質をそのアルミニウムを揮発性の塩化物として抜
き取るために公知のカーボクロリネーシヨン法又
はスルホクロリネーシヨン法で塩素化すると、通
常多量の塩化鉄が副生成物として得られる。この
塩化鉄は塩素化器中の反応条件及び主目的生成物
と副生成物である塩化鉄を分離するために選ぶ方
法に依存して塩化第一鉄であることも塩化第二鉄
であることも又はその両方であることもあるが、
普通は塩化第二鉄であることが多い。 他の適当な塩化鉄源としては、例えば硫化銅鉱
石又は硫化ニツケル鉱石の塩素化の際に副次的に
得られる塩化鉄も挙げられる。 これらすべての鉱物の塩素化方法から得られる
副生成物塩化鉄は化合物の形で有用な塩素を含有
している。従つて、本発明のこの実施態様の他の
面によれば、この塩素分を回収する、詳しくは塩
素化器へ再循環させるためにこの塩素分を回収す
ることが望ましい。このことはチタン鉄鉱のよう
なチタン含有鉱物の塩素化が、TiO2顔料を作る
際のいわゆる塩化物ルートの最初の段階であると
きに特にそう言える。というのはこの場合副次的
に生じる塩化鉄の量が非常に多いからである。ボ
ーキサイトのようなアルミナ質の物質の塩素化の
場合、一般的にチタン鉄鉱の場合よりも少ないけ
れど、塩化鉄は副生成物としてやはり多量に生成
され、このことは塩素分を相当損失することを示
している。どちらの場合も、塩化鉄が副生成物と
して多量に生成することによつて生じる環境問題
は、それに引き続いてこれらの物質を処分する必
要を伴なつており、重大な問題である。 更に水溶液から得られる実質的に無水の塩化物
からの塩素分の回収、特に鉄鋼製造の最終段階で
出てくる酸洗いに用いられた使用済廃酸から得ら
れる無水塩化第一鉄からの塩素分の回収のための
工業的に実施可能な方法が必要である。 このような廃酸は主に赤色酸化鉄顔料の製造に
用いられており、西ドイツはその製造の中心地と
なつている。 このような廃酸の使用法の1つの不利な点は、
多くの廃酸が消費されるような非常に大規模な場
合にのみ高度な加工工程及び資本経費によつて経
済的になるという点である。他の不利な点は、塩
化第一鉄は一般に石灰と反応させて水酸化第一鉄
を沈殿させ、溶液中に残る塩化カルシウムは処分
するので、塩化第一鉄の塩素分は失なわれる。 それ程広く用いられてはいないが、廃酸を利用
する別の方法として、廃酸を噴霧焙焼して薄い塩
酸(通常の濃塩酸の36%と比べて約18%の濃度し
かない)を生成させる方法がある。しかし、この
方法は多量のエネルギーを用いかつ顔料としてほ
とんど価値のない酸化第二鉄副生成物しか得られ
ない。 従つて含有されている塩化第一鉄から塩素分を
回収し、工業的に重要な用途のある酸化鉄、雲母
状酸化鉄が製造される廃酸処理のための新しい方
法が工業界において必要とされている。 別の好ましい可能性によれば、塩化鉄出発原料
は金属鉄と塩素を直接反応させて得ることもでき
る。 本発明の好ましい態様によれば、金属鉄は塩化
鉄を作るための供給原料として用いられる。 金属鉄供給原料は、直接酸化ではなく、最初塩
化鉄を生成させそれからこれを酸化することによ
り酸化される。この方法は鉄を空気中又は酸素
中、様々な条件で直接酸化する時生成する他のタ
イプの酸化物(例えば赤色酸化鉄、磁鉄鉱など)
ではなく雲母状酸化鉄が選択的に生成されるのに
重要である。 この反応を行なう方法は数多く知られている。
鉄金属と塩素を本発明の方法に用いられる反応器
の中へ供給し、次の化学反応式に従つてその場で
塩化鉄を発生させることができる。 2Fe+3Cl2→2FeCl3 (3) この反応は添加アルカリ金属塩又は添加アルカ
リ土類金属塩の存在下で起こるので、より実際的
には添加塩として塩化ナトリウムを用いた次の化
学反応式でこの反応は示される。 2Fe+3Cl2+3NaCl→2FeCl3+3NaCl (4) 鉄金属は、本発明による雲母状酸化鉄へと酸化
される塩化第一鉄を生成させるために、適当な添
加塩の存在下で塩化第二鉄供給物を還元するのに
用いることもできる。 この還元反応は次の化学反応式で表わされる。 2FeCl3+3NaCl+Fe→3FeCl2+3NaCl (5) 式(5)は再び添加塩として塩化ナトリウムを用い
ていることを示している。 本発明の反応方法を行なう別の方法として、塩
素を外部から再循環させることによるものがあ
る。例えばNaHeCl4(又はNaFeCl3)の溶融液を
次の式に従つて酸化させて雲母状酸化鉄と塩素に
する。 2NaFeCl4+3/2O2→Fe2O3+2NaCl
+3Cl2(6) この反応によつて生じる塩素ガスは、2番目の
反応器へ供給され、そこでその塩素は上述した式
(3)に従つて鉄と発熱反応を行ない、生成した塩化
第二鉄と塩とを混合し、1番目の(酸化用)反応
器への供給原料として用いられる。 別の方法として塩素を鉄と塩の混合物と反応さ
せ、こうすることにより直接1番目の(酸化用)
反応器への液状NaFeCl4(又はNaFeCl3)供給物
質を生成させることもできる。 1番目の(酸化用)反応器は、充填塔、塩浴又
は他の適当な気体−液体反応器であつてもよく、
2番目の(塩素化用)反応器は、例えば充填塔の
ような気体−固体反応器のどのようなタイプのも
のでもよい。 本発明の方法を行なう好ましい方法は、しかし
ながら、金属鉄供給原料を用いて塩化鉄を生成さ
せそしてこれを酸化する方法である。 金属鉄は旋削の削り屑、中ぐり屑、みがきか
す、孔あけの屑、切取り片などの形の鉄屑であつ
てよい。寸法、形、又は鉄金属の他の好ましい物
理的状態について特に制限はない。使用前にその
金属鉄を腐蝕や脱脂又は別の方法で前処理するこ
とが必要であることは通常知られていない。 金属鉄供給原料の使用は、それが安価で、入手
が容易にでき、取扱いが簡単であり又前処理を必
要としないという利点がある。 本発明のこの好ましい実施態様は更に相当量の
塩素ガスが一緒に生成しないという利点もある。
塩素ガスが一緒に生成した場合、塩素ガスの処
理、貯蔵及び液化の必要が生じ、このことは塩素
ガスの処理に必要な装置に関する資本経費の見地
から重大な不利益をもたらすことになる。これら
の問題は金属鉄供給原料を用いる本発明のこの実
施態様により避けられる。 添加アルカリ金属塩又は添加アルカリ土類金属
塩は塩化第二鉄及び/又は塩化第一鉄の揮発性を
抑えるか又は減少させるように作用する塩である
ならばどのようなものでもよい。例としては、ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物、臭化
物、ヨウ化物及び硫酸塩がある。好ましい塩はア
ルカリ金属塩化物であり、これらは一般式
MFeCl4(ここでMはアルカリ金属カチオンであ
る)で表わされる塩化第二鉄との錯体を形成し、
またそれによつて塩化第二鉄の揮発性を相当減少
させる。アルカリ金属塩化物のうちで最も好まし
い塩は塩化ナトリウムである。それは安価なこ
と、入手が容易なこと、塩化第二鉄と容易に
NaFeCl4を形成するなどの理由による。様々な形
の塩化ナトリウム例えば粒状塩化ナトリウム、岩
塩などを用いることができる。 適当などんな酸化性気体でも用いることができ
るが好ましくは空気又は酸素である。酸化性気体
の選択は、望ましい反応速度、反応温度、反応器
の熱負荷、金属鉄と添加塩の割合及び反応容器中
の不活性表面面積に対する反応物質の割合などの
因子に依存する。 好ましい反応温度は500℃〜1000℃、更に好ま
しくは650℃〜850℃の範囲である。塩:鉄の重量
比は好ましくは0.25:1〜10:1の範囲であるこ
とができる。反応はバツチ式でも又連続的にも行
なうことができる。 反応を充填塔で行なう場合、不活性充填物質は
固い不浸透性の物質でなければならない。セラミ
ツクボールのような規則正しい球が特に適してい
ることがわかつている。 本発明のこの実施態様によれば、雲母状酸化鉄
生成物はセラミツクのボール上に少なくとも150
ミクロンの厚さの膜として生成する。膜の厚さは
前述したような満足な性質を持つ雲母状生成物の
生成が確実になるようコントロールしなければな
らない。塩素又は塩化物の反応器への適当な供給
を維持しなければならない。特に金属鉄を鉄源と
して用いる場合、少なくとも塩化鉄の形成及びそ
の後の酸化に充分な量の塩素を供給しなければな
らない。 (金属鉄として表わされる)鉄の量に対する不
活性物質(セラミツクボール)の重量比は好まし
くは4:1〜20:1である。 本発明の方法の更なる利点は、全反応すなわち
FeからFe2O3への酸化が発熱反応(198.5kcal/
mole(Fe2O3))であるという事実によりエネルギ
ー消費量が非常に少なくて済むということであ
る。従つて、一度開始すれば反応は自給的に行な
われる。 本発明による方法の雲母状酸化鉄生成物は好ま
しくはその大部分が、最大粒径が100〜200ミクロ
ン、好ましくは100〜150ミクロンの範囲であり、
好ましいメデイアン径が約35〜50ミクロンであ
る。望ましくは、生成物は実際上全部が、厚さが
少なくとも1ミクロン、好ましくは約5ミクロン
の層状板の形をしている。アスペクト比(長さ:
幅)は好ましくは3:1以下である。というのは
アスペクト比が高いと塗料媒体中での性能が劣る
ことが観察されたためである。 次に好ましい操作条件を添付の図面を参照しな
がら更に詳細に説明する。 本発明の第1番目の実施態様によれば、塩化第
二鉄の還元を前述の適当な添加塩の存在下で金属
鉄によつて行ない塩化第一鉄を生じさせる。この
反応は添加塩として塩化ナトリウムを用いて上述
の化学反応式(5)により例示してある。 ここで添加塩は化学反応に関与しているのでは
なく、塩化第二鉄及び塩化第一鉄と溶融混合物を
形成するものとして働き、塩化鉄と錯体を形成し
て塩化鉄を溶融物中に保持し、それによりその揮
発性を抑えるという点は注目に値する。式(5)に示
される還元段階に続いて形成された塩化第一鉄は
酸化されて酸化鉄及び再形成塩化第二鉄ができ
る。この酸化反応は添加塩として塩化ナトリウム
を用いて上述の化学反応式(1)によつて例示してあ
る。 こうして生成した酸化鉄は適当な手段により分
離される。必要ならばそれぞれの条件に応じて雲
母状酸化鉄が得られているFeCl3とNaClの溶融混
合物からその雲母状酸化鉄を過することができ
る。塩化第二鉄は金属鉄を用いて式(5)に従つて塩
化第一鉄に再び戻すことができる。それから式(1)
に従つて更に酸化等を行なう。従つて塩素ガスが
全反応系列において一緒に生成することはない。
更にこの反応系列は安価にそして容易に入手でき
る出発原料、つまり金属鉄、空気又は酸素及び適
当なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含
んでいる。後者は、合成雲母状酸化鉄と全反応系
列の生成物として生じる塩の混合物から抽出・結
晶化させることにより回収して再利用することも
できる。 この方法は、垂直型抵抗コイル巻管型炉2に設
置され、気体導入口4、熱電対導入口5及び気体
排出管6が取り付けられた気密性シリカエンベロ
ープ1からなる第1図に示されるような単一の装
置中で行なうことができる。反応物質充填物はエ
ンベロープ1に導入し窒素下で加熱する。反応の
第2段階において酸素又は酸素含有気体は気体導
入口4を通して導入し、従来の手段で5の部分の
排気ガスを分析する。 本発明の第2番目の実施態様によれば、金属鉄
の塩素化は適当な添加塩、例えば塩化ナトリウム
の存在下で行ない塩化第二鉄を生成させる。塩化
第二鉄はその後酸化性気体を用いて酸化し雲母状
酸化鉄と塩素ガスを生成させる。(塩として塩化
ナトリウムを用いた場合の)関係した反応は前述
の式(2)及び式(4)によつて表わされる。 反応系は、式(2)に従つた酸化反応の共生成物と
して生じる塩素ガスが反応器中のどこででも金属
鉄と反応して、式(4)に従つて塩化第二鉄ができる
ように設計される。こうして生成した塩化第二鉄
は式(2)に従つて酸化され、雲母状酸化鉄及び再生
成塩などを生じる。 この反応系列は第2図に示されるような充填塔
反応器中で大変容易に行なわれる。この反応器に
は不活性充填物質にまき散らされた反応物質(金
属鉄と塩)が含まれる。この不活性充填物質はセ
ラミツクボール、玉石、豆粒大の砂利又は不透過
性の耐火物などのような固くて不透過性のもので
なければならない。 第2図に示される反応器は気体導入口8及び気
体排出口9を備えた内径7200mm、全長1500mmの垂
直耐火管からなつている。この管の中央部分(長
さ1000mm)を熱的に遮断されたスチール製ジヤケ
ツト11に設置された電気抵抗体10を用いて外
側から加熱した。外装熱電対12を、管7の様々
なレベルの位置にドリルであけた盲穴に挿入し
た。連続実験中、気密ホツパー13によつて固体
反応物質を管7へ入れた。管の基底部の空気圧に
より作動するゲート弁14は、雲母状酸化鉄と塩
でおおわれたセラミツクボールの形の反応生成物
を抜き出すのに用いられた。 操作の際、直径12mmのアルミノけい酸塩セラミ
ツクボール、金属鉄及び塩化ナトリウムの混合物
を反応器に充填した。好ましいボール:反応物質
の重量比の範囲は、4:1〜20:1である。更
に、塩化第二鉄又は塩素ガス、金属鉄、塩化ナト
リウム及びセラミツクボールを含む“始動”層を
最初に反応器中の主充填物質の下に設置しておい
た。この“始動”層の作用は、反応器の底に導入
された酸化性気体と反応し、式(2)に従つて合成雲
母状酸化鉄と塩素を生成するものである。雲母状
酸化鉄と塩化ナトリウムはセラミツクボール上の
膜として残るが、一方では塩素は上方に上り、
“始動”層上の反応充填物中の金属鉄と反応して
式(4)に従い塩化第二鉄を生じる。こうして生成し
た塩化第二鉄は塩化ナトリウムにつかまつた状態
又は塩化ナトリウムに結合した状態のままであ
り、式(2)に従つて更に酸化されて更に合成雲母状
酸化鉄と塩素ガスを生じる。 このタイプの充填塔反応器は、金属鉄、塩化ナ
トリウム及び酸素又は空気を単一反応器に直接供
給する特に整然とした簡便な手段を提供し、塩化
第二鉄を中途段階で生成させ酸化させることによ
り、塩素を共生成物として生成させることなく直
接合成雲母状酸化鉄を生成させる。雲母状酸化鉄
は塩化ナトリウムとの混合物の形でセラミツクボ
ール上の膜として生じる。雲母状酸化鉄の除去は
水中で膜の生成したセラミツクボールを浸出させ
ることにより容易かつ迅速に行なわれる。 本発明による方法の別の利点は全反応系列が発
熱反応であるという点である。金属鉄が酸化して
酸化鉄を生じる反応は実質的に塩化第一鉄又は塩
化第二鉄が酸化鉄に酸化される反応よりもより発
熱量が多く、このことは理論的に言つて必要とさ
れる反応温度を維持するために反応器へ熱を供給
する必要がないことを意味している。 反応は連続的にも又バツチ式でもできる。好ま
しくはバツチ式で行なわれる。連続的に操作する
際には、操作の段階でセラミツクボールは反応器
を徐々に下つてゆき、連続的に又は断続的に反応
器の底から抜き出される。抜き出されたボールを
水で浸出処理して雲母状酸化鉄を除去した後、ボ
ールを乾燥し、金属鉄と塩を更に供給する際一緒
に反応器の上部から導入して再び用いる。式(2)の
酸化反応よつて生じるすべての塩素は反応器中に
残り、下つてくる金属鉄充填物と反応して塩化第
二鉄を生じる。従つて塩素が“排ガス”として反
応器からでてくることはない。バツチ式で操作す
る場合、式(2)に従つた酸化反応により共生成物と
して発生する塩素は徐々に塔を上昇し、最終的に
は排ガスとして現われ、それは2番目の反応器へ
供給され塩化第二鉄の“始動”層を形成する。従
つてバツチ式操作においては工程が進むにつれて
塩素分の収容、移動及び再利用のために2つ以上
の反応器が必要とされる。 第3図には本発明の方法を行なうのに適した装
置が模型的に示してある。この装置は、反応端板
15を備え且つ一端に酸化性気体導入口16、他
端に排ガス用出口17を有する耐火性反応管1
4′からなつている。反応管14′には不活性支持
物質18、好ましくはセラミツクボールが充填さ
れており、又反応物質充填物19、つまり鉄源と
添加塩を含んでいる。示されている装置は垂直で
あるが、水平型の反応器も用いることができる。 第4図には本発明による方法を実施するのに適
した装置を更に詳細に示してある。 反応器は厚さ10cmのキヤスタブル耐火物で内張
りされたスチール製シエル(直径:55cm)20か
らなつている。反応生成物の抜き取りを助けるた
めに耐火物内張りに1/40のテーパーがつけられて
いる。耐火物で内張りされた丁番のついた蓋が反
応器の上部21と下部22に取り付けられてお
り、これらは気密シールとなるようボルト締めで
反応器に取り付けられるようになつている。 反応器には不活性充填物質34、不活性充填物
質と鉄と塩の混合物の層35、そして最後に不活
性充填物質と塩の混合物の層36が充填されてい
る。 鉄、塩及び不活性充填物質は手で反応器に充填
することができる。底蓋の気体導入口23を通し
て燃えるガスバーナー(図示されていない)は充
填物の底の部分を予備加熱するのに用いられる。
気体つまり空気及び塩素は反応器を通つて出てゆ
き、気体排出口24と苛性ソーダ気体スクラバー
を経由して真空ポンプにより抜き出される。 充填物カラムの上まで反応が進行した後、続い
て熱電対25〜33によつて記録される温度の上
昇が起こり、排気ガスと一緒にでてくる塩素が監
視される。反応の終結は、塩素の発生がなくなる
ことと反応ベツドの温度上昇が起こらなくなるこ
とによつてわかる。 本発明の方法によれば、とりわけ入手が容易な
出発原料すなわち金属鉄の使用により、又、単一
の反応器の使用により、雲母状酸化鉄の製造を低
コストで行なうことができる。さらに、本発明に
おいては、塩素分を反応器へ再循環させて金属鉄
と反応させるので、有用な副生成塩素分の扱いや
貯蔵の必要がない。また、本発明の方法において
は、全反応が発熱反応であるため極めて省エネル
ギー的であるだけでなく、金属鉄から高品質の雲
母状酸化鉄を高い転化率で得ることができる。 実施例 1 塩化第二鉄(211.3g)、塩化ナトリウム
(113.8g)及び金属鉄(36.6g)からなる反応物
質充填物を第1図に示す装置の気密シリカエンベ
ロープ1の中に入れ、窒素下で700℃になるまで
加熱した。この温度まで加熱すると充填物の
FeCl3成分とNaCl成分の融解が起こり、続いて金
属鉄により式(5)に従つてFeCl3からFeCl2への還
元が起こつた。反応器と内容物を700℃で3時間
加熱してFeCl3からFeCl2への還元を実質的に完
了させた。続いて、FeCl2とNaClからなる得られ
た溶融物を、入口4から酸素を100ml/分で3時
間この溶融物に吹き込むことにより、700℃で塩
素が発生するまで、すなわち式(1)に従つて酸化が
終了するまで酸化した。ヨウ化カリウム溶液を含
むドレツシエル瓶(Dreschel bottle)を気体排
出管5の中に置き塩素の存在を検出するのに用い
た。FeCl3とNaClの溶融混合物中に懸濁した合成
雲母状酸化鉄からなるこの反応の生成物をセラミ
ツク繊維布により真空過した。こうして得ら
れた塊を冷却し、水で浸出した。得られた合成
雲母状酸化鉄の水懸濁液を過し、水洗して110
℃で乾燥した。合成雲母状酸化鉄の収量は51.8g
であつた。これは金属鉄出発原料の転化率98.46
%に相当する。顕微鏡で調べたところ、こうして
製造され分離された合成雲母状酸化鉄は10〜150
ミクロンの大きさの層状板からなつていることが
わかつた。 実施例 2 本実施例では塩化第二鉄が金属鉄と反応して塩
化第一鉄を生じ、続く酸化によつて合成雲母状酸
化鉄ができることを同様に例証するものである。
しかしながら、実施例1とは異なり過段階が含
まれなかつた。その代わりに、合成雲母状酸化鉄
が酸化性気体導入管に堆積するという好ましい傾
向を、溶融物から合成雲母状酸化鉄を分離する手
段として用いた。 塩化第二鉄(583.8g)、金属鉄(101g)及び
塩化ナトリウム(315g)からなる溶融物を、電
気炉中の粘土−黒鉛製るつぼ(内径90mm×深さ
240mm)中で窒素気流下(300ml/分)で700℃に
なるまで加熱した。溶融物を700℃で2時間維持
してFeを用いてFeCl3の還元を行なつた。その後
るつぼの底から10mmの所に沈めた粘土−黒鉛製管
(内径:55mm)を通して溶融物中に、酸素(100
ml/分)と窒素(100ml/分)の混合物を6.5時間
吹き込むことにより700℃で酸化を行なつた。そ
れから気体導入管を溶融物の上の位置まで引き上
げて装置を冷却した。酸化の間、反応容器からの
気体は5%ヨウ化カリウム溶液の入つたドレツシ
エル瓶の中を通して塩素の損失がないかどうかを
検出・分析した。 気体導入管に付着した溶融物及びるつぼに残つ
た溶融物を分析すると次のような結果が得られ
た。 気体導入管 るつぼ FeCl3(g) 68.3 129.7 FeCl2(g) 29.8 117.7 Fe2O3(g) 121.8 14.6 NaCl(g) 128.8 185.4 投入した金属鉄に対する合成雲母状酸化物の収
率は94.5%であつた。この酸化物の89.3%が気体
導入管上に堆積していた。この酸化物は20〜200
ミクロンの大きさの範囲の薄い半透明層状粒子か
らなつていた。この操作の間に系から失なわれた
塩素の量は、運転の後で、排気ガス管の中に置か
れた水酸化ナトリウムを含むドレツシエル瓶によ
る分析で測定されるが、それは0.05gであつた。 実施例 3 本実施例は連続操作で行なつたものであり、第
2図に示す反応器とホツパーに、直径12mmのセラ
ミツクボール、金属鉄としての10mm×10mmの軟鋼
板及び塩化ナトリウム粒子を下記の割合で混ぜた
混合物を充填した。 セラミツクボール:14400g 金属鉄:700g 塩:700g 主充填物の下に充填する“始動”層は下記の組
成であつた。 塩化第二鉄:260g 金属鉄:60g 塩化ナトリウム:175g セラミツクボール:3600g 反応器と内容物を窒素下で700℃まで加熱した。
その後酸素を5/分の速度で気体導入管8を通
して反応器の底に導入し、周期的にゲート弁14
を操作することにより反応器の内容物を反応器7
から受け器(第2図には示していない)に取り出
した。反応器の内容物は5時間45分かけて完全に
取り出した。反応器から粗生成物として得られた
膜の形成したボールをサンプルスプリツターを用
いてランダムに小さなロツトに分けた。これらの
小さなロツトのうちの1つを水で浸出して雲母状
酸化鉄を放ち、それを別、水洗そして乾燥し
た。こうしてできた雲母状酸化鉄は薄い半透明の
層状粒子であり、大きさは5〜200ミクロンの範
囲であつた。膜のできたボールのこのサンプルに
ついて重量の測定及び化学分析を行なつたところ
次のような結果が得られた。 セラミツクボールの総重量:1882g Fe2O3の重量:25.5g FeCl3の重量:0.1623g FeCl2の重量:0.254g 金属鉄は存在しなかつた。 従つてこの結果により最初の反応器中の鉄の量
の雲母状酸化鉄への転化率は99%であることがわ
かる。 実施例 4 本実施例はバツチ式で操作を行なつたものであ
り、ここでは第2図に示してある反応器のホツパ
ー13とゲート弁14を取りはずし、代わりに気
密端板を用いた。操作を開始する前に反応器に下
記の組成の“始動”層を充填した。 セラミツクボール:6000g 金属板:125g 塩化第二鉄:762g 塩化ナトリウム:393g この層の上に下記の組成を有する主反応器充填
物を入れた。 セラミツクボール:24000g 金属鉄:3000g 塩化ナトリウム:3000g この実施例で用いた金属鉄は、大きさが微細な
粒子からさしわたし約5mmの小片までの範囲の中
ぐり屑のものを用いた。この原料は脱脂のような
前処理などは行なわずに用いた。 反応器は窒素下で740℃になるまで加熱した。
それから窒素ガスの供給を止めて、反応器の基部
の導入管8を通して40/分の割合で圧縮空気管
路からの空気を反応器へ8時間30分導入した。水
酸化ナトリウムガススクラバー溶液を、操作中周
期的に採取し、吸収された塩素を分析した。この
分析により操作の最初の8時間で478gの塩素が
発生したことがわかつた。最後の操作の30分間に
は更に塩素は発生せず、これは反応が完了してい
たことを示している。発生した塩素の重量は反応
器中の最初の塩化物の量に対して転化率95.7%に
対応した。 運転の最後に空気の供給を止め、反応器と内容
物を冷却した。その後反応器の端板を取りはずし
反応器の内容物を鉄棒を使つてたたき出した。雲
母状酸化鉄と塩化ナトリウムの膜でおおわれたセ
ラミツクボールの形の粗生成物を反応器の様々な
レベルに対応するフラクシヨンに分けた。これら
のフラクシヨンの内の3つを水で浸出した後、重
量測定及び化学分析を行なつた結果を、鉄の量の
Fe2O3への対応する転化率と一緒に以下に示す。
【表】
未反応金属鉄が残つている証拠は見い出せなか
つた。浸出、過、洗浄及び乾燥後の雲母状酸化
鉄は粒径が10〜170ミクロンの薄い層状板であつ
た。 実施例 5 本実施例は第2図に示す反応器において、酸化
性気体として酸素を用いた以外は実施例4と同じ
出発原料の割合及び同じ操作でバツチ式運転を行
なつたものである。反応器と内容物を窒素下で加
熱して700℃にした。その後窒素気流を止めて反
応器基部の気体導入管を通して10/分の割合で
8時間20分酸素を反応器に導入した。実施例4と
同様にして水酸化ナトリウム気体スクラビング溶
液を監視した。それにより、8時間後には反応器
の最初の塩化物含有量の93パーセントに相当する
464gの塩素が発生したことが示された。運転の
終りに、酸素の供給を止めて反応器と内容物を冷
却した。雲母状酸化鉄と塩化ナトリウムによつて
おおわれたセラミツクボールからなる反応器の内
容物を前と同じようにして除去し重さを測り、そ
して試料を採取し浸出し分析した。反応器の異な
つた高さの位置から取つた膜でおおわれたセラミ
ツクボールの2種類の試料の重量測定及び化学分
析の結果を以下に示すが、これは金属鉄の雲母状
酸化鉄への転化率が高いことを示している。
つた。浸出、過、洗浄及び乾燥後の雲母状酸化
鉄は粒径が10〜170ミクロンの薄い層状板であつ
た。 実施例 5 本実施例は第2図に示す反応器において、酸化
性気体として酸素を用いた以外は実施例4と同じ
出発原料の割合及び同じ操作でバツチ式運転を行
なつたものである。反応器と内容物を窒素下で加
熱して700℃にした。その後窒素気流を止めて反
応器基部の気体導入管を通して10/分の割合で
8時間20分酸素を反応器に導入した。実施例4と
同様にして水酸化ナトリウム気体スクラビング溶
液を監視した。それにより、8時間後には反応器
の最初の塩化物含有量の93パーセントに相当する
464gの塩素が発生したことが示された。運転の
終りに、酸素の供給を止めて反応器と内容物を冷
却した。雲母状酸化鉄と塩化ナトリウムによつて
おおわれたセラミツクボールからなる反応器の内
容物を前と同じようにして除去し重さを測り、そ
して試料を採取し浸出し分析した。反応器の異な
つた高さの位置から取つた膜でおおわれたセラミ
ツクボールの2種類の試料の重量測定及び化学分
析の結果を以下に示すが、これは金属鉄の雲母状
酸化鉄への転化率が高いことを示している。
【表】
未反応の金属鉄が残つている証拠は見い出せな
かつた。生成した雲母状酸化鉄の外観と粒径は実
施例4で述べた操作により生成したものと似てい
た。 実施例 6 内径50mm、外径60mmそして長さが1000mmの水平
型ムライト反応管で操作を行なつた。 塩化第一鉄形成用の成分は次のものを混合して
得た。 1.27cmアルミノけい酸塩ボール 270g FeCl3 65.3g Fe 11.3g NaCl 35g この層は反応器の中間部13cmを占め、残りの部
分にはきれいな1.27cmアルミノけい酸塩ボールを
つめた。 この反応器を窒素気流下(600ml/分)で電気
炉により700℃になるまで加熱した。この温度で
O2(600ml/分)を導入し、ドレツシエル瓶の5
%NaOH溶液に発生した塩素を集め、続いて
KI/チオ硫酸塩を用い重量分析を行なつた。KI
“保護”のドレツシエル瓶はNaOHドレツシエル
瓶の下方に一緒に並べて置いた。 O2導入後5分間は気体は発生しなかつた。そ
れから塩素が、続いて酸素が発生した。 生成物は、反応管から膜でおおわれた支持体ボ
ールを取り出し続いて水中で浸出処理し、酸化鉄
を別して回収した。その後浸出液について
Fe2+、Fe3+及びClの分析を行ない物質収支のデ
ータを得た。 実験は2度行なつた。結果は次の通りである。
かつた。生成した雲母状酸化鉄の外観と粒径は実
施例4で述べた操作により生成したものと似てい
た。 実施例 6 内径50mm、外径60mmそして長さが1000mmの水平
型ムライト反応管で操作を行なつた。 塩化第一鉄形成用の成分は次のものを混合して
得た。 1.27cmアルミノけい酸塩ボール 270g FeCl3 65.3g Fe 11.3g NaCl 35g この層は反応器の中間部13cmを占め、残りの部
分にはきれいな1.27cmアルミノけい酸塩ボールを
つめた。 この反応器を窒素気流下(600ml/分)で電気
炉により700℃になるまで加熱した。この温度で
O2(600ml/分)を導入し、ドレツシエル瓶の5
%NaOH溶液に発生した塩素を集め、続いて
KI/チオ硫酸塩を用い重量分析を行なつた。KI
“保護”のドレツシエル瓶はNaOHドレツシエル
瓶の下方に一緒に並べて置いた。 O2導入後5分間は気体は発生しなかつた。そ
れから塩素が、続いて酸素が発生した。 生成物は、反応管から膜でおおわれた支持体ボ
ールを取り出し続いて水中で浸出処理し、酸化鉄
を別して回収した。その後浸出液について
Fe2+、Fe3+及びClの分析を行ない物質収支のデ
ータを得た。 実験は2度行なつた。結果は次の通りである。
【表】
【表】
実施例 7
O2を300ml/分の流速で導入した以外は実施例
6で述べたと同じように同じ装置を用いて操作を
行なつた。結果は次の通りであつた。
6で述べたと同じように同じ装置を用いて操作を
行なつた。結果は次の通りであつた。
【表】
雲母状酸化鉄
収率:56%
特性:粒径範囲1〜50ミクロン
平均粒径40〜50ミクロン
外観としては、長さ:幅=1:1の薄い半透
明層状結晶で小部分(5%より少ない)は厚い
(半透明ではない) 実施例 8 酸化性気体としてN2600ml/分+O2600ml/分
を導入した以外は実施例6と同様にして操作を行
なつた。結果は次の通りである。
明層状結晶で小部分(5%より少ない)は厚い
(半透明ではない) 実施例 8 酸化性気体としてN2600ml/分+O2600ml/分
を導入した以外は実施例6と同様にして操作を行
なつた。結果は次の通りである。
【表】
【表】
雲母状酸化鉄
収率:79%
特性:粒径範囲1〜100ミクロン
平均径 40ミクロン
外観は長さ:幅1:1の半透明層状結晶で
小量(<10%)は厚い結晶 実施例 9 第4図に示す装置を用いて反応を行なつた。 気体及び熱の分散を助けるものとしての直径
2.53cmの耐火物ボール(40Kg)からなる深さ30cm
の下方層34;直径1.265cmの耐火物ボール(96
Kg)、鉄(12Kg)及び塩(12Kg)の混合物からな
る深さ90cmの装填層35;そして最後に直径
1.265cmの耐火物ボール(16Kg)と塩(2Kg)の
混合物からなる深さ10cmの層で構成される反応充
填物を反応器に充填した。 それから充填物の底を底蓋にボルトで設置した
ガスバーナーを用いて、熱電対25により記録さ
れる温度が775℃になるまで加熱した。塩素(25
/分で60分間)と空気(12m3/時間で3時間15
分)からなる反応気体を反応塔に供給した。 この時、反応床のほぼ半分の高さのところの熱
電対によつて記録された温度は45分間のうちに
366℃から803℃に上昇し、充填物の上部の熱電対
32によつて記録された温度は120分間の間に186
℃から783℃に上昇した。塩素の発生は145分後に
最大に達した。塩素の全回収量は3.55Kgに達し、
これは投入塩素の理論量(4.4Kg)の80%を示し
ている。 反応終了後、底部と上部の蓋21,22のボル
トをはずし、充填物を水力ジヤツキを用いて押し
出し集瓶に集めた。 その後、塩と雲母状酸化鉄の膜でおおわれた耐
火物ボールを200リツトルの水で洗つた。水は塩
を溶かし、雲母状酸化鉄生成物が放出された。こ
の雲母状酸化鉄を過し、洗浄して溶解性塩化物
を除きそして乾燥した。15.2Kgの雲母状酸化鉄が
得られた。収率は89%であつた。回収された未反
応の鉄の重量は913g(供給量の7.6%)であつ
た。洗浄液中の溶解性塩化鉄はFeCl2が340g、
FeCl3が39gに達した。 実施例 10 数多くの溶融物を第1図に示す小さな塩浴酸化
装置中で700℃で酸化させた。その結果を下記の
表に示す。
小量(<10%)は厚い結晶 実施例 9 第4図に示す装置を用いて反応を行なつた。 気体及び熱の分散を助けるものとしての直径
2.53cmの耐火物ボール(40Kg)からなる深さ30cm
の下方層34;直径1.265cmの耐火物ボール(96
Kg)、鉄(12Kg)及び塩(12Kg)の混合物からな
る深さ90cmの装填層35;そして最後に直径
1.265cmの耐火物ボール(16Kg)と塩(2Kg)の
混合物からなる深さ10cmの層で構成される反応充
填物を反応器に充填した。 それから充填物の底を底蓋にボルトで設置した
ガスバーナーを用いて、熱電対25により記録さ
れる温度が775℃になるまで加熱した。塩素(25
/分で60分間)と空気(12m3/時間で3時間15
分)からなる反応気体を反応塔に供給した。 この時、反応床のほぼ半分の高さのところの熱
電対によつて記録された温度は45分間のうちに
366℃から803℃に上昇し、充填物の上部の熱電対
32によつて記録された温度は120分間の間に186
℃から783℃に上昇した。塩素の発生は145分後に
最大に達した。塩素の全回収量は3.55Kgに達し、
これは投入塩素の理論量(4.4Kg)の80%を示し
ている。 反応終了後、底部と上部の蓋21,22のボル
トをはずし、充填物を水力ジヤツキを用いて押し
出し集瓶に集めた。 その後、塩と雲母状酸化鉄の膜でおおわれた耐
火物ボールを200リツトルの水で洗つた。水は塩
を溶かし、雲母状酸化鉄生成物が放出された。こ
の雲母状酸化鉄を過し、洗浄して溶解性塩化物
を除きそして乾燥した。15.2Kgの雲母状酸化鉄が
得られた。収率は89%であつた。回収された未反
応の鉄の重量は913g(供給量の7.6%)であつ
た。洗浄液中の溶解性塩化鉄はFeCl2が340g、
FeCl3が39gに達した。 実施例 10 数多くの溶融物を第1図に示す小さな塩浴酸化
装置中で700℃で酸化させた。その結果を下記の
表に示す。
【表】
第1図は本発明による方法を行なうのに適した
装置の一実施態様の縦断面図である。第2図は反
応物質を不活性充填物質に分配させる装置の別の
実施態様の縦断面図である。第3図は本発明の方
法を行なうのに適したボール充填塔反応器の実施
態様の略図である。第4図は本発明の方法を行な
うのに適したボール充填塔反応器の別の実施態様
の略図である。 1……気密シリカエンベロープ、2……炉、
4,8,16,23……気体導入口、6……気体
排出管、7……管、9,24……気体排出口、1
0……電気抵抗体、11……ジヤケツト、12,
25,26,27,28,29,30,31,3
2,33……熱電対、13……気密ホツパー、1
4……ゲート弁、14′……反応管、15……端
板、17……排ガス用出口、18……不活性支持
物質、19……反応物質充填物、20……シエ
ル。
装置の一実施態様の縦断面図である。第2図は反
応物質を不活性充填物質に分配させる装置の別の
実施態様の縦断面図である。第3図は本発明の方
法を行なうのに適したボール充填塔反応器の実施
態様の略図である。第4図は本発明の方法を行な
うのに適したボール充填塔反応器の別の実施態様
の略図である。 1……気密シリカエンベロープ、2……炉、
4,8,16,23……気体導入口、6……気体
排出管、7……管、9,24……気体排出口、1
0……電気抵抗体、11……ジヤケツト、12,
25,26,27,28,29,30,31,3
2,33……熱電対、13……気密ホツパー、1
4……ゲート弁、14′……反応管、15……端
板、17……排ガス用出口、18……不活性支持
物質、19……反応物質充填物、20……シエ
ル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 単一の反応器を用いて、金属鉄を反応に付し
て塩化鉄を生成させ、同一の反応器内において該
塩化鉄を少なくとも一種のアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩の存在下、高温で、酸素又は酸
素含有気体によつて酸化に付して雲母状酸化鉄及
び塩素を生成させ、該雲母状酸化鉄を回収すると
共に、生成した該塩素分を残存する金属鉄と反応
させて再利用することを特徴とする雲母状酸化鉄
の製造方法。 2 金属鉄を少なくとも一種のアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩の存在下で塩素と反応させ
て塩化鉄を生成させ、そして生成した塩化鉄を酸
化させる特許請求の範囲第1項記載の雲母状酸化
鉄の製造方法。 3 金属鉄を少なくとも一種のアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩の存在下で塩化第二鉄と反
応させて塩化第一鉄を生成させ、そして生成した
塩化第一鉄を酸化させる特許請求の範囲第1項記
載の雲母状酸化鉄の製造方法。 4 反応が650〜850℃で行なわれる特許請求の範
囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。 5 塩:鉄の重量比が0.25:1〜10:1の範囲内
である特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれか
に記載の方法。 6 該塩がアルカリ金属又はアルカリ土類金属の
塩化物、臭化物、ヨウ化物又は硫酸塩である特許
請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の方
法。 7 該塩が塩化ナトリウムである特許請求の範囲
第6項に記載の方法。 8 少なくとも一種のアルカリ金属塩又はアルカ
リ土類金属塩の存在下、高温で、塩化鉄を酸素又
は酸素含有気体による酸化に付す雲母状酸化鉄の
製造方法において、不活性充填物質の存在下で充
填塔反応器中で反応を行ない、そして雲母状酸化
鉄生成物が不活性充填物質上の溶融膜から生成し
且つその膜の厚みが最低150ミクロンになるよう
に条件を制御する雲母状酸化鉄の製造方法。 9 反応が650〜850℃で行なわれる特許請求の範
囲第8項に記載の方法。 10 塩:鉄の重量比が0.25:1〜10:1の範囲
内である特許請求の範囲第8項又は第9項に記載
の方法。 11 該塩がアルカリ金属又はアルカリ土類金属
の塩化物、臭化物、ヨウ化物又は硫酸塩である特
許請求の範囲第8項〜第10項のいずれかに記載
の方法。 12 該塩が塩化ナトリウムである特許請求の範
囲第11項に記載の方法。 13 不活性充填物質の(金属鉄として表わされ
る)鉄の量に対する重量比が4:1〜20:1であ
る特許請求の範囲第8項〜第12項のいずれかに
記載の方法。 14 雲母状酸化鉄の製造方法において、該方法
が耐火物で内張りされ且つ耐火物ボール、金属鉄
及び塩化ナトリウムが充填された単一の塔型反応
器で行なわれ、該反応器はその底部の熱供給手段
により650〜850℃の温度に加熱され、塩素ガス及
び空気が該反応器の底へ導入され塩素を含有する
排気ガスが反応器の上部から除去され、そして反
応が終了すると塩化ナトリウムと雲母状酸化鉄の
膜でおおわれた耐火物ボールからなる反応充填物
が反応器から取り出されて雲母状酸化鉄が回収さ
れる雲母状酸化鉄の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| GB8305145 | 1983-02-24 | ||
| GB8305146 | 1983-02-24 | ||
| GB838305145A GB8305145D0 (en) | 1983-02-24 | 1983-02-24 | Preparing iron oxide |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59232923A JPS59232923A (ja) | 1984-12-27 |
| JPH04932B2 true JPH04932B2 (ja) | 1992-01-09 |
Family
ID=10538532
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3274784A Granted JPS59232923A (ja) | 1983-02-24 | 1984-02-24 | 酸化鉄の製造方法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59232923A (ja) |
| AU (1) | AU588709B2 (ja) |
| GB (1) | GB8305145D0 (ja) |
| ZA (1) | ZA84874B (ja) |
-
1983
- 1983-02-24 GB GB838305145A patent/GB8305145D0/en active Pending
-
1984
- 1984-02-06 ZA ZA84874A patent/ZA84874B/xx unknown
- 1984-02-24 JP JP3274784A patent/JPS59232923A/ja active Granted
-
1987
- 1987-10-16 AU AU79863/87A patent/AU588709B2/en not_active Ceased
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| AU7986387A (en) | 1988-02-04 |
| ZA84874B (en) | 1984-12-24 |
| GB8305145D0 (en) | 1983-03-30 |
| AU588709B2 (en) | 1989-09-21 |
| JPS59232923A (ja) | 1984-12-27 |
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