JPH049916B2 - - Google Patents
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Description
本発明は地下層内の汚染物質のバイオ酸化を促
進する方法に関する。 土壌、地下水および地下層の汚染は深刻な環境
問題である。洩れのある地下ガソリン貯槽は
100000を越え、使用可能な帯水層の上または近く
に配置された裏打ちのない工業用包囲物は50000
を越えると推定されている。汚染物質としては有
機物たとえば石油製品、フエノール類、ハロゲン
化炭化水素類、アルコール類;ならびに無機物質
があげられる。従来の通常の処理は汚染層物質を
安全な土地埋立てに捨てるかあるいはその表面に
地下水をポンプ給送して処理するか、そのいづれ
かから成るものであつた。これらの技術は両者と
も有効性に限度があり且つ非常に費用がかかるも
のである。これらは長時間の操作を必要とし、且
つ汚染を更に拡散させない保証もない。 浸透性地下層中の多くの汚染物質がバイオ酸化
によつて無害にしうることは周知である。然し、
地下層への酸素の物質移動は通常は酸素ガスの拡
散または水中酸素の溶解度によつて限定される。
それ故、十分な酸素を地下層に導入してそこに含
まれる汚染物質をバイオ酸化することはふつうに
は困難である。 レイモンドの米国特許第3846290号には栄養物
および酸素を与えて地下層にふつうに存在する微
生物相による炭化水素汚染物質のバイオ酸化とバ
イオ分解を促進することによつて地下層水から炭
化水素汚染物質を消滅させる方法が記載されてい
る。 ジヤベリの米国特許第4401569号には炭化水素
化合物で汚染された地面および地下水を処理する
方法が記載されている。この方法は汚染された地
下層に水を循環させて汚染物質を水中に浸出し、
この浸出液をタンクに送り、そして酸化浸出液を
地下層に再注入することを必要とする。ジヤベリ
の特許の方法は地面の近くにあるバイオ分解性有
機化合物の処理に限定され、且つ大量の浸出液の
循環によつて浸食されうる構造物の近くではもち
ろん使用できない。また、ジヤベリの方法はバイ
オ酸化が生じうる地面にタンクもしくはその他の
容器を設置することを必要とする。 理論的には、生物学的または化学機構のいづれ
かによる汚染物質のその場での酸化は比較的短時
間および低コストで汚染物質を無害なものにする
という有力な利点を与える。その場でのバイオ酸
化に伴なう問題は水性溶液中の酸素の限定された
溶解度および別の酸化剤の使用についての相対的
毒性もしくは環境上の非所望性である。また微生
物相の蓄積は地下層への酸化剤の注入点またはそ
の付近での地下層の閉塞を起す傾向がある。 西独公開特許第2533775号には酸素の限られて
いる環境の微生物相に酸素を供給するために過酸
化水素を使用しうることが記載されている。好気
性バクテリアのキヤタリアーゼ酵素は過酸化水素
を水と酸素に分解しうる。然し、キヤタリーアゼ
酵素が不活性になるのを防ぐために過酸化水素の
濃度を限定することが必要である。 クローウエの米国特許第3529666号には地層は
過酸化水素で処理し次いで酸で処理するという遂
次処理が地層の浸透性を害する微生物相を除去す
るに有用であるということが記載されている。 本発明の利点は酸素源として過酸化水素を使用
して浸透性地下層内の汚染物質のバイオ酸化速度
促進する改良法である。 本発明の別の利点は酸化性環境を地下層内に保
持して、このような地下層に存在する微生物相を
不活性にすることなしに汚染物質のバイオ酸化を
促進する改良法である。 本発明の更なる利点は酸素と栄養物を地下層内
の微生物相に有効に供給し、地下層の浸透性を減
少させる生物相を満足に除去し、それによつて地
下層内に汚染物質のバイオ酸化を促進する改良方
法である。 本発明は過酸化水素水溶液を地下層中に少なく
ともその1の位置において導入することを包含す
る、地下層内の化合物のバイオ酸化を刺戟する方
法を提供するものである。はじめに導入する過酸
化水素の24時間の平均濃度は0.1%以下であり、
その24時間の平均濃度は地下層内の微生物相に利
用しうる酸素の増加を与えるに十分な然し微生物
相に毒性の環境を与えない割合で時間と共に増大
せしめられる。そして地下層に導入する過酸化水
素濃度を間けつ的に増大させてその導入位置また
はそれに密接に隣接する位置における微生物相に
対して十分に毒性あるものとし、これによつて微
生物相および微生物量(バイオマス)を除いて過
酸化水素の導入位置またはその隣接位置の地下層
の浸透性を増大させる。なお、「24時間平均濃度」
とは処理すべき土壌中に24時間にわたつて導入さ
れる過酸化水素の測定濃度の平均値をいう。過酸
化水素濃度を「24時間平均濃度」で表示する理由
は地下層内での過酸化水素濃度は変動することが
多いからである。 本発明の方法にとつて過酸化水素の臨界的な最
小初期濃度は存在しない。過酸化水素の1mg/
程度の低い初期濃度でさえ微生物相の酸化を促進
してより高濃度の過酸化水素に微生物相を順応さ
せる環境を与える。地下層中の汚染物質のより迅
速な酸化を与える高濃度の過酸化水素に微生物相
を順応させるに必要な時間を最小にするために約
10mg/以上の濃度であるのが通常は望ましい。 過酸化水素の平均濃度をその導入期間中に増大
させ、地下層内に存在する微生物相を更に高濃度
の過酸化水素に耐えられるように順応させ、これ
によつて地下層内の微生物相を刺戟して汚染物質
の酸化速度を増大させることが本発明において臨
界的である。地下層へ導入する過酸化水素の24時
間平均濃度を増大させないと、過酸化水素の濃度
は導入位置からの距離の逆関数として減少する。
それは地下層内での種々の分解過程および拡散と
混合の過程のためである。 地下層内の微生物相を、増大してゆく濃度の過
酸化水素に耐えるように順応させることが本発明
の方法において重要である。然し、汚染物質を酸
化する微生物相の付近の過酸化水素濃度がこれら
の微生物相を不活化もしくは破壊するほど十分に
上昇しないようにすることも臨界的である。それ
故、過酸化水素の24時間平均濃度の所望の増加率
を決定することが重要であり、そしてそのような
決定は不当に多くの実験を行なうことなしに任意
の便利な周知の方法により当業者によつて容易に
達成しうることである。たとえば、最大増加率は
微生物相の実際の順応速度、過酸化水素水溶液の
分解速度および全体の水理地質学を測定するため
の中心部試料を使用する実験室的測定値から計算
することができる。過酸化水素濃度の増加率は最
大増加率である必要はなく、好ましくはこのよう
な最大増加率の20〜90%である。あるいはまた、
過酸化水素濃度の所望の増加率は導入位置から下
方に傾斜しているモニタ井戸からの流出液のバク
テリア数を検査することによつても決定すること
ができる。 最適の結果のためには、地下層に導入する過酸
化水素の実際の濃度を短時間のあいだ周期的に増
大させて微生物相に対して毒性のある十分に高濃
度の過酸化水素のスラグ又はパツドを導入位置ま
たはその隣接位置において与え、このような区域
に存在する細胞物質、粘質物、または他の生物量
を分解して可溶化することが必要である。 高濃度過酸化水素の少量すなわちスラグ(スパ
イクまたはオパツドとも呼ぶ)を地下層中に導入
するが、このスラグ中の過酸化水素濃度は逆混
合、拡散、および希釈、ならびに分解細胞物質の
酸化および分解による酸素の生成の結果として減
少する。また、分解した細胞物質は過酸化水素導
入位置から更に離れた微生物相に栄養物を与え
る。このようにして、活性な微生物相は追加の栄
養物によつて促進され且つ増大した過酸化水素濃
度のスラグもしくはパツドによつて順応せしめら
れる。当業者はスラグ(少量の補給成分)導入す
る過酸化水素の量を容易に計算することができ、
それによつて過酸化水素を導入位置から1〜2m
以内の地下層中のバクテリアに対して毒性でない
ようにすることができる。 任意に、塩酸または酢酸のような希酸を、高濃
度酢酸化水素のスラグもしくはパツドを形成する
水溶液の一部に混合することができる。酸の量は
臨界的ではない。然し、約3〜約1のPHを生じる
に十分な塩酸水溶液または酢酸水溶液が好まし
い。当業者は加えるべき酸の量を計算することが
でき、それによつてスラグを導入位置から1〜2
m離れたバクテリアに対して毒性でないようにす
ることができる。 バクテリアの酸化活性促進は処理場所中くまな
く均一には起らないが、その代りとして最大バク
テリア生育の移動前面として見ることができる。
前面の先端で、汚染物質は実質的に最小に変形さ
れる。前面のうしろで、汚染物質は完全に鉱物質
化した細胞物質に転化するか又は危険性の小さい
形体に変形する。前面の先端の役目を果す又は酸
化性のバクテリアは実質的にそのもとの又は背景
の水準にとどまる。前面のうしろで、役目を果す
バクテリアは比較的不活性である。汚染物質がも
はや食料源として存在しないためである。多くの
場合、第2世代のバクテリアが発生して汚染物質
を酸化する役目を果すバクテリアの細胞物質を同
化して該細胞物質を鉱物質化した形体に変える。
前面の保持は過酸化水素から酸素への付随する制
御された分解を必要とする。分解速度が速すぎる
と、処理流体中の酸素の溶解度が超過してガスが
放出され、地下層の閉鎖が生じる。他方、分解速
度が遅すぎると、必要な酸素水準を保つために大
過剰の過酸化水素が必要となり、この過剰が副反
応を増大させ、バクテリアのストレスを増大さ
せ、そして実質的に処理コストを増大させる。 大部分の地下層は過酸化水素の不均一分解を生
ぜしめ、ガス閉塞の区域と高濃度過酸化水素区域
をもたらす傾向がある。過酸化水素のこのような
不均一分解のために、汚染された地下層のバイオ
酸化をくまなく制御することは困難であり、不完
全な処理が生じうる。最大バクテリア活性の前面
の保持は遊離過酸化水素と分子状酸素との間の有
効酸素の臨界的なバランスを必要とする。過酸化
水素から分子状酸素への最大転化率は最大バクテ
リア活性と一致すべきである。 適切なバランスは過酸化水素分解剤の使用によ
つて及び添加する過酸化水素の濃度を変えること
によつて達成しうる。はじめには活性前面は注入
位置に近い。然し、このような注入位置に密接す
る場所での過酸化水素から酸素への転化は最大活
性を刺戟するには遅すぎることがある。このよう
な場合、過酸化水素分解触媒たとえば酵素または
(キレートもしくはイオン状態の)遷移金属を加
えるのが望ましいことがある。鉄、銅、マンガ
ン、クロムまたは任意の周知の触媒金属のような
金属を使用することができる。然し、使用する金
属は過酸化水素を分解しうるのみならず、使用す
る濃度において所望微生物に対して毒性のないも
のでなければならない。バイオ酸化は中性PHにお
いて容易に起るので、多くの活性金属は沈殿して
不活性になりうる。それ故、キレート化金属を使
用するのが好ましい。金属の分解活性の制御に加
えて、キレートはバクテリアに及ぼす金属の効果
を温和にする。許容しうるキレートはエチレンジ
アミン四酢酸の塩もしくは誘導体;オルソニ官能
芳香族化合物たとえばカテコール;フタレート
類、シトレート類、または縮合ホスフエート類で
ある。他のキレートを使用することもできるけれ
ども、上記の金属はバクテリアによつて同化され
従つて生育を抑制せず、あるいは処理を受ける地
下層を更に汚染することもない。好適な酵素はパ
ーオキシダーゼまたはオキシダーゼの酵素類たと
えばグルコースオキシダーゼ、ホーセラデイツシ
ユパーオキシダーゼ、モノオキシジエノーゼ、お
よびキサンチンオキシダーゼである。分解触媒は
別途加えることができ、あるいはまた地下層に導
入される過酸化水素水溶液の部分として加えるこ
ともできる。過酸化水素水溶液は任意に有効量の
流動性調節剤(水和性ポリマー物質、界面変性
剤、および密度増加剤から成る群からえらばれ
る)を含むことができ、これによつて地下層内の
過酸化水素水溶液の流れを変性することができ
る。 水和性ポリマー物質は油井の水力流体の粘度を
調節してプロツピング剤またはパンキング剤の懸
濁を容易にするのに有用であることが知られてい
る。過酸化水素水溶液の粘度を変えることによつ
て浸透性地下層たとえば砂、砂利、または土壌の
中の過酸化水素水溶液の水平流と垂直流の比率を
制御しうることが予想外にも発見された。地下水
を含む地下層において、過酸化水素水溶液の粘度
が増大すると該水溶液から地下水への過酸化水素
の拡散が減少し、地下層内の水溶液の流量も減少
することが発見された。 当業者は汚染物質の酸化が完了した後に地下層
から除去しやすくするために水和性ポリマー物質
含有水溶液の粘度を減少させることが望ましいこ
とがわかるであろう。水力流体の粘度が触媒作用
を受けた過酸化水素のような酸化剤によつて数時
間のうちに減少もしくは「破壊」しうることは周
知である。 水和性ポリマー物質はまた酸化が比較的短時間
内に終了する際の本発明において使用するのにも
好適である。本発明に有用な代表的なポリマー物
質として水和性多糖類、ポリアクリルアミド、お
よびポリアクリルアミドコポリマーがあげられ
る。特に望ましい多糖類としてガラクトマンナン
ゴム、その誘導体、およびセルローズ誘導体があ
げられる。代表的な多糖類には次のようなものが
ある:グアゴム、ローカストビーンゴム、カラギ
ヤゴム、ナトリウムカルボキシメチルグア、ヒド
ロキシエチルグア、ヒドロキシプロピルグア、ナ
トリウムイドロキシメチルセルローズ、ナトリウ
ムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロー
ズ、およびヒドロキシエチルセルローズ、然し、
過酸素化合物の存在下での破壊に耐性のあるポリ
マー物質を使用するのが好ましいときには、米国
特許第4130501号に記載されているような、α−
β−低級カルボン酸の交差結合インターポリマー
または米国特許第3449844号に記載されているよ
うなポリアクリルサクロースを含むアクリル酸コ
ポリマーがえらばれる。 水和性ポリマー物質の使用量は水性処理液に望
まれる濃度に依存する。水性処理液1m3当り1〜
10Kgの水和性ポリマーが望ましく使用される。 本発明の目的にとつて「界面変性剤」は多孔質
物質への該水溶液の毛管上昇を増大させうる、又
は表面を湿潤する該水溶液の能力を増大させうる
化合物と定義される。水溶液の表面張力を減少さ
せことの知られている表面活性剤は界面変性剤で
ある。 表面活性剤は粘土が膨潤するのを防ぎ、汚染区
域にくまなく物質を分散させ、そして金属の過酸
化物分解活性を減少させるという追加の利点をも
ちうる。水性処理液1m3当り0.5〜40Kgの表面活
性剤を使用するのが望ましい。 オルトイン酸の可溶性塩および縮合リン酸の可
溶性塩は多孔性物質への水溶液の毛管上昇を増大
させ、従つて本発明による界面変性剤でもあるこ
とが予想外にも見出された。本発明の目的のため
に、オルトリン酸の可溶性塩および縮合リン酸の
可溶性塩は以後単に「リン酸塩」と呼ぶ。リン酸
塩は水溶液の表面張力に影響を及ぼさない。然
し、リン酸塩と表面活性剤は共に水面より上の毛
管浸入を増大させて浸透性地下層中の汚染物質に
隣接する水性処理液に含まれる過酸化水素を水面
より上に分布させることによつて流動性調節剤と
しての機能を果す。望ましくはリン酸塩の使用量
は0.5〜40Kg/m3である。 水溶液中にとかしたときその密度を増大させる
塩をしばしば“密度増加剤”(densifier)と呼
ぶ。密度増加剤は井戸孔中に完成流体柱に対して
地下層の静止水圧を均衡させるために井戸完成流
体中に使用されている。地下層に導入する水溶液
の密度を増大させるために密度増加剤を使用する
ことによつて、水溶液と地下水との混合が最小に
なることが発見された。それ故、地下層中にたと
えば帯水層底部に又は水の地下層体の底部層に汚
染物質が配置されているとき、過酸化水素水溶液
中の密度増加剤の存在は該水溶液が汚染物質のな
い地下層よりも汚染物質の方によく分布するのを
助ける。井戸の水力的処理にふつうに使用される
密度増加剤として塩化ナトリウム、塩化亜塩、塩
化カルシウムおよび臭化ナトリウムがあげられ
る。これらの塩は本発明の方法における密度増加
剤として有用でありうるけれども、密度増加剤と
してリン酸塩を使用するのが更に望ましい。2種
以上の流動性調節剤の組合せが地下層中の汚染物
質に隣接する水溶液を分布させるのに好ましいこ
とがある。 地下層内の過酸化水素の分解を制御して汚染物
質に隣接する水溶液の分布を遅延もしくは閉塞す
る遊離酸素ガスの生成を避けることが本発明の方
法にとつて重要である。任意に、過酸化水素の安
定化剤を水溶液に加えてこのような制御を行なう
ことができる。適当な安定化剤は当業者にとつて
周知であり、従来技術によつて、たとえば
SchumbらのHydrogen Peroxide(米国ニユーヨ
ーク州Reinhold Publishing Corporation、1955
年刊行)によつて示されている。これらには無機
リン酸塩および有機キレート剤のような錯化剤が
包含される。 別法として、過酸化水素分解を最小にするため
に又は分解触媒を汚染区域中に均一に分布するた
めに、地下層を予備処理することができる。これ
は過酸化水素分解触媒と反応して、またはこれを
錯化して、またはこれを溶解および/または除去
して、または浸透性地下層の触媒的に活性な表面
を不活性化して過酸化水素分解触媒を不活性にす
る化合物を含む予備処理用流体を地下層に導入す
ることによつて達成しうる。好適な予備処理用流
体は上記のSchumbらの刊行物および他の従来技
術を参照することによつて当業者が容易にえらぶ
ことができる。リン酸塩は予備処理用流体に配合
するのに特に望ましい。オルトリン酸塩は過酸化
水素用の多くの触媒を沈殿させあるいは触媒的に
活性な表面に沈殿させることが知られている。縮
合リン酸塩特にピロリン酸塩は過酸素系の安定化
剤として周知であり、他の縮合リン酸塩は過酸化
水素用触媒をしばしば分解させる可溶化多価イオ
ンを錯化、不活性、または可溶化するのに好適で
あるものとして周知である。 浸透性地下層の予備処理はまた、粘土を含む地
下層の浸透性を改良するために、あるいは汚染物
質を含まない地下層部分に水溶液が流れるのを阻
止するために望ましいものでありうる。リン酸カ
リウムと表面活性剤とを含む流体による予備処理
が粘土を含む地下層の浸透性を改良するのに特に
望ましいのに対して、ナトリウム塩または他の粘
土膨潤剤による予備処理は過酸化水素水溶液が地
下層の非汚染部分と接触するのを阻止するのに望
ましい。 リン酸塩を水溶液および/または予備処理流体
に配合するのが特に望ましい。リン酸塩はPH緩衝
剤として有用であり、また安定化剤、流動性調節
剤、醋化/沈殿剤、および表面不活性剤という多
重機能をも与えるからである。 次の実験A〜F(実験Fは第4表〜第6表に示
す実験No.1〜16を含む)に示す基礎実験ならびに
後述の実施例1に示す本発明の最良の態様によつ
て本発明を更に具体的に説明する。 実験A 微生物堆積による地下層の浸透性減少に及ぼす過
酸化水素の効果 粘液質物質および細胞物質の蓄積である微生物
量(バイオマス)の堆積は地下層の浸透性の減少
をもたらすことがある。これは該微生物量が処理
液の導入位置において地下層を閉塞するときに特
に問題となる。多孔質のセラミツクおよび耐火レ
ンガの試験試料(1.2×7.6×0.6mm)をサクロース
溶液含有の培養タンク中に懸垂させて粘液質物質
の被覆でこれを汚染させた。染料により試験はこ
の被覆が主としてグラム陽性細胞であることを示
した。試験試料を0.5%、1.8%、および3%の過
酸化水素希薄溶液中に浸漬した。2種の試験試料
からの粘液質物質の平均除去%を第1表に示す。 実験B 過酸化水素に希酸を添加して使用する場合の効果 過酸化水素および希酸を使用して実施例1をく
りかえした。濃度および結果を第2表に示す。4
塩酸溶液のPHおよび4%酢酸溶液のPHはそれぞれ
約1および約3である。 実験C 過酸化水素の使用による微生物蓄積の制御 水を循環させた充てんカラム中で水溶性ガソリ
ン留分を使用し、バクテリアによつて生産された
粘液質物質を除去するため過酸化水素水溶液を使
用した。このカラムはポリプロピレンのサドルパ
ツキンを充てんした直径0.9m、高さ4mの向流
垂直空気スクラバーであつた。2ケ月間で、空気
による水溶性ガソリン留分の酸化のスクラバー効
率は99%から90%に低下した。充てん物上に堆積
した微生物量(バイオマス)はスクラバー効率の
低下に基因するものと信ぜられた。スクラバーを
通る正常の流れは約150/分であつたが、激し
い微生物汚染による適正な排出流は妨げられ、パ
ツキンより上のスクラバー中にフラツジングが生
じた。スクラバーの流れを68/分に減少させて
更なるフラツジングを防いだ。0.8%過酸化水素
で2時間処理したところ、流れは150/分に回
復した。 実験D 閉塞地下層への過酸化水素の注入 レイモンドの米国特許第3846290号の方法によ
るガソリンのバイオ分解中に注入井戸がバイオマ
スでひどく閉塞された。地下層は3〜5mの深さ
に水を含む固められていない砂の層であり、砂1
m3当り5のガソリンを含んでいた。第3表に示
すように0.8%までの過酸化水素を用いて過酸化
水素の注入を行なつた。流れは1時間たつと14
/分から19/分に増大し、4時間たつともと
の流れ28/分にまで増大した。下向傾斜8mの
試験位置での溶解酸素は96時間に0.4mg/から
15mg/以上に上昇した。 実験E ガラス管内での本発明の模擬実験 60cm×1.5cm(内径)のガラス管にガソリン洩
れの場所から砂を充てんすることによつて作つた
砂カラムを使用して地下層内のバイオ酸化を促進
した。この砂はガソリンを飽和させ、、余剰液を
排出し、そして1500mgの蒸留水で洗つたものであ
つた。この場所からの地下水を使用して、0.1%
NH4NO3、0.04%KH2PO4、0.06%Na2HPO4、
0.02%MgSO4・H2O、0.001%CaCl2、および
0.00055%FeSO4・7H2Oならびに第4表および第
5表に示す量の過酸化水素を含む栄養液を作つ
た。この溶液を2のヘツドタンクから300ml/
日の割合でカラムに供給した。このヘツドタンク
は毎日再充てんした。ヘツドタンクおよび48時間
毎のカラム流出液からのバクテリア数を“E”型
表示法(3.5E6は3.5×106コロニー/mlである)
を用いて第4表に示した。7日目にヘツドタンク
中の過酸化水素濃度を167%だけ増加(150mg/
から250mg/へ、または300mg/から500mg/
へ増加)させ、8日目のバクテリア数が24時間
の増大過酸化水素濃度を反映するようにした。第
4表は測定したバクテリア数を表わす。第5表お
よ第6表はこれらのデータを比として比較してい
る。実験1〜実験4は対照標準を示し、平均の供
給および流出のカウント数は時間と共に顕著には
変わつていないことがわかる。はじめの供給物の
バクテリア数は4日目のカウント数の減少を示し
ているが、8日目の増加は7日目の過酸化水素の
濃度の増大にもかかわらず順応が行なわれている
こを示すものである。実験5〜12および実験13〜
16の流出液は時間経過に伴なう及び供給物中の過
酸化水素濃度の増大に伴なう順応の証拠を示して
いる。 地下層(砂のカラム)内の過酸化水素濃度増大
に対するバクテリアの順応性は予想外にも過酸化
水素水溶液(供給タンクからの供給物)中の順応
性よりも大きいことが特に顕著なこととして注目
される。 実験F 微生物に及ぼす過酸化水素の毒性効果 生物相に及ぼす過酸化水素の毒性効果を、過酸
化水素水溶液と酸素飽和水とを比較するボトル試
験において実証した。 ガソリンの洩れている場所から採取した水を約
0.01g/のリン酸塩、0.01g/の塩化アンモ
ニウムおよび30mg/のガソリンの初期添加物に
よつて培養した。約1500mlをグラスウームを通し
て過し、50mlの液を32オンスの狭口のガラス
びんに加えた。栄養濃縮物を次に加え、その後に
1滴のガソリンをそれぞれのびんに加えた。アル
ミニウム箔内張りを使用してこれらのびんに蓋を
した。試験中、隔日毎に1滴のガソリンを加え
た。 試験期間の終了時に、1mlの35%HClを加えて
沈殿金属を溶解させた。試料を遠心分離、過お
よび乾燥して、固体を秤量した。細胞の塊りをバ
クテリア生育の決定因子として使用して第7表お
よび第8表に示す。 第7表は約10mg/のH2O2の存在がバイオマ
スの生育を促進することおよび過酸化水素濃度の
50mg/から100mg/への増大がバイオマスの
生育速度を低下させることを示している。データ
の外挿は過酸化水素の最大初期濃度が少なくとも
1000mg/(0.1%)であることを示唆している。 第8表は試験の第1週中にバイオマスの生育は
100mg/の過酸化水素含有試料において酸素飽
和試料中においてよりも小さかつたことを示して
いる。然し第2週中にバイオマスの生育速度は
100mg/のH2O2を含む試料中で加速された。こ
れは順応を示すものである。 実施例 1 70m×100mの場所をベンゼン、トルエンおよ
びキシレンから成る工業用溶媒混合物(BTX)
で汚染させる。この汚染物を0.3mの飽和帯域お
よび0.6mの不飽和帯域中に配置する。平均の土
壌汚染は約5000ppmであり、地下水は80ppmの合
計BTX濃度を示す。地下層は粗い砂と砂利とか
ら成り、その流体浸透性は4001/分の流体通過量
を維持するに足りる。地表から地下層の下にある
地下水層までの深さは7mである。 50m×1m×1.2mの溝から成る注入道を掘る
ことによつて注入場所を作る。注入道の掘り方は
注入道が天然地下水層に対して垂直になるように
且つ注入道が天然地下水層から回収井戸に対して
上方傾斜するように行なわれる。この注入道の頂
部付近の地下層は0.3mにわたつて粗岩層から成
るが、その更岩層の頂部付近にある注入道の頂部
に直径10cmの孔あきパイプを挿入し、そのまわり
を追加の粗岩で覆つて固定する。土壌汚染の周囲
において、下方傾斜で、回収井戸を設置し、水面
から下3mの深さまで水面からスクリーニングす
る。回収井戸を垂直にして地下水が注入道に戻り
うるようにする。 汚染区域から取り出した地下水と中心試料を分
析して処理用流体(以下に述べるRestoreTM352お
よびRestoreTM105のそれぞれの流体)との粗溶性
を調べる。その区域にもとからある炭化水素分解
微生物はシエードモナス層のアルソバクター、ノ
ルカルジア、およびアシネトバクターと同定され
る。炭化水素利用バクテリアは1gの土壌当り
102〜103コロニーの集団レベルをもつ混合培養物
であることがわかつた。この場所からの地下水試
料についての生育研究をアンモニウムイオンおよ
びオルトリン酸塩イオンを含むRestoreTM352微生
物栄養剤(エフ・エム・シー・コーポレーシヨン
製)の0.2%溶液を用いて行なう。上記の
RestoreTM352微生物栄養剤は塩化アンモニウム5
重量部、リン酸二・ナトリウム塩3重量部および
リン酸一・ナトリウム塩2重量部を含む粉末製品
である。鉄、マグネシウム、マンガンおよびカル
シウムのような痕跡量の成分を試料に加える。上
記のRestoreTM352溶液の上記の鉄、マグネシウ
ム、マンガンおよびカルシウムのような痕跡量の
成分を加えた微生物栄養剤試料の他にRestoreTM
105(35%過酸化水素水溶液)を加える。この際、
RestoreTM105の他に0.5mg/1の鉄を加えると更
に好ましい結果がえられることがわかつた。 20%RestoreTM352微生物栄養剤の1200バツチ
を次々に、リサイクル地下水中のアンモニウムお
よび合計リン(リン酸塩として)の濃度が200〜
500mg/に達するまで、加えることによつて注
入場所に注入すべき流体を形成する。ポンプ/注
入の速度は200/分で均衡させる。RestoreTM
352と共に加えるRestoreTM105によつて初期に導
入する過酸化水素の24時間平均濃度が200〜
500ppm(0.02〜0.05%)の水準に達したならば、
RestoreTM352微生物栄養剤を絶えず加えて必要な
水準のアンモニウムイオンおよび合計ホスフエー
トイオンを保ちながら、循環を2週間続ける。地
下水の分析は炭化水素バクテリアの水準が104〜
105/mlに増大したことを示す。 この期間の後に、RestoreTM105のような過酸化
水素溶液(エフ・エム・シー・コーポレーシヨン
製)の過酸化水素溶液を注入道の上流の地下水に
加える。初期添加濃度は過酸化水素10〜100mg/
であり、リサイクル地下水中のバクテリア数が
105〜106コロニー/mlに達するまで続ける。過酸
化水素濃度を100〜200mg//週の割合で、500
mg/以上の水準に達するまで、段階的に増大さ
せる。過酸化水素濃度の上限はバクテリア数が著
るしく減少する点によつて決定され、一般には
10000mg/(または0.1%)未満である。
RestoreTM352微生物栄養剤、鉄溶液、および
RestoreTM105の注入を続け最適な生育を保持す
る。 バイオ酸化の期間中に周期的に、注入道への注
入が注入道の中のおよびそのまわりの細胞物質の
堆積により減少するときは、RestoreTM105微生物
栄養剤(水性過酸化水素)を使用して0.5〜1%
の少量の過酸化水素を0.5〜3時間導入する。こ
れは注入が細胞物質の溶解によつて回復するまで
6〜12時間の遅延をおいてくりかえす。(この実
施は最大活性の帯域中の微生物が悪影響を受けな
いことを保証する。) 栄養剤と過酸化水素の添加は場所の分析により
土壌汚染の90〜95%がバクテリアによつて分解さ
れたことがわかるまで続ける。この時点でアンモ
ニウムおよび全ホスフエートのイオン濃度を50〜
100mg/に減少させ、過酸化水素濃度は500mg/
以上に保ちつづけて吸収栄養物を消費させる。
土壌汚染がもとの98%以下に減少したとき、栄養
物の注入をやめて過酸化水素の濃度を100mg/
に減少させる。地下水および過酸化水素の注入を
更に1ケ月つづける。最後に、過酸化水素の導入
はやめるが、地下水注入は残存アンモニウムおよ
びホスフエートの濃度が規定の要件に合うまでつ
づける。
進する方法に関する。 土壌、地下水および地下層の汚染は深刻な環境
問題である。洩れのある地下ガソリン貯槽は
100000を越え、使用可能な帯水層の上または近く
に配置された裏打ちのない工業用包囲物は50000
を越えると推定されている。汚染物質としては有
機物たとえば石油製品、フエノール類、ハロゲン
化炭化水素類、アルコール類;ならびに無機物質
があげられる。従来の通常の処理は汚染層物質を
安全な土地埋立てに捨てるかあるいはその表面に
地下水をポンプ給送して処理するか、そのいづれ
かから成るものであつた。これらの技術は両者と
も有効性に限度があり且つ非常に費用がかかるも
のである。これらは長時間の操作を必要とし、且
つ汚染を更に拡散させない保証もない。 浸透性地下層中の多くの汚染物質がバイオ酸化
によつて無害にしうることは周知である。然し、
地下層への酸素の物質移動は通常は酸素ガスの拡
散または水中酸素の溶解度によつて限定される。
それ故、十分な酸素を地下層に導入してそこに含
まれる汚染物質をバイオ酸化することはふつうに
は困難である。 レイモンドの米国特許第3846290号には栄養物
および酸素を与えて地下層にふつうに存在する微
生物相による炭化水素汚染物質のバイオ酸化とバ
イオ分解を促進することによつて地下層水から炭
化水素汚染物質を消滅させる方法が記載されてい
る。 ジヤベリの米国特許第4401569号には炭化水素
化合物で汚染された地面および地下水を処理する
方法が記載されている。この方法は汚染された地
下層に水を循環させて汚染物質を水中に浸出し、
この浸出液をタンクに送り、そして酸化浸出液を
地下層に再注入することを必要とする。ジヤベリ
の特許の方法は地面の近くにあるバイオ分解性有
機化合物の処理に限定され、且つ大量の浸出液の
循環によつて浸食されうる構造物の近くではもち
ろん使用できない。また、ジヤベリの方法はバイ
オ酸化が生じうる地面にタンクもしくはその他の
容器を設置することを必要とする。 理論的には、生物学的または化学機構のいづれ
かによる汚染物質のその場での酸化は比較的短時
間および低コストで汚染物質を無害なものにする
という有力な利点を与える。その場でのバイオ酸
化に伴なう問題は水性溶液中の酸素の限定された
溶解度および別の酸化剤の使用についての相対的
毒性もしくは環境上の非所望性である。また微生
物相の蓄積は地下層への酸化剤の注入点またはそ
の付近での地下層の閉塞を起す傾向がある。 西独公開特許第2533775号には酸素の限られて
いる環境の微生物相に酸素を供給するために過酸
化水素を使用しうることが記載されている。好気
性バクテリアのキヤタリアーゼ酵素は過酸化水素
を水と酸素に分解しうる。然し、キヤタリーアゼ
酵素が不活性になるのを防ぐために過酸化水素の
濃度を限定することが必要である。 クローウエの米国特許第3529666号には地層は
過酸化水素で処理し次いで酸で処理するという遂
次処理が地層の浸透性を害する微生物相を除去す
るに有用であるということが記載されている。 本発明の利点は酸素源として過酸化水素を使用
して浸透性地下層内の汚染物質のバイオ酸化速度
促進する改良法である。 本発明の別の利点は酸化性環境を地下層内に保
持して、このような地下層に存在する微生物相を
不活性にすることなしに汚染物質のバイオ酸化を
促進する改良法である。 本発明の更なる利点は酸素と栄養物を地下層内
の微生物相に有効に供給し、地下層の浸透性を減
少させる生物相を満足に除去し、それによつて地
下層内に汚染物質のバイオ酸化を促進する改良方
法である。 本発明は過酸化水素水溶液を地下層中に少なく
ともその1の位置において導入することを包含す
る、地下層内の化合物のバイオ酸化を刺戟する方
法を提供するものである。はじめに導入する過酸
化水素の24時間の平均濃度は0.1%以下であり、
その24時間の平均濃度は地下層内の微生物相に利
用しうる酸素の増加を与えるに十分な然し微生物
相に毒性の環境を与えない割合で時間と共に増大
せしめられる。そして地下層に導入する過酸化水
素濃度を間けつ的に増大させてその導入位置また
はそれに密接に隣接する位置における微生物相に
対して十分に毒性あるものとし、これによつて微
生物相および微生物量(バイオマス)を除いて過
酸化水素の導入位置またはその隣接位置の地下層
の浸透性を増大させる。なお、「24時間平均濃度」
とは処理すべき土壌中に24時間にわたつて導入さ
れる過酸化水素の測定濃度の平均値をいう。過酸
化水素濃度を「24時間平均濃度」で表示する理由
は地下層内での過酸化水素濃度は変動することが
多いからである。 本発明の方法にとつて過酸化水素の臨界的な最
小初期濃度は存在しない。過酸化水素の1mg/
程度の低い初期濃度でさえ微生物相の酸化を促進
してより高濃度の過酸化水素に微生物相を順応さ
せる環境を与える。地下層中の汚染物質のより迅
速な酸化を与える高濃度の過酸化水素に微生物相
を順応させるに必要な時間を最小にするために約
10mg/以上の濃度であるのが通常は望ましい。 過酸化水素の平均濃度をその導入期間中に増大
させ、地下層内に存在する微生物相を更に高濃度
の過酸化水素に耐えられるように順応させ、これ
によつて地下層内の微生物相を刺戟して汚染物質
の酸化速度を増大させることが本発明において臨
界的である。地下層へ導入する過酸化水素の24時
間平均濃度を増大させないと、過酸化水素の濃度
は導入位置からの距離の逆関数として減少する。
それは地下層内での種々の分解過程および拡散と
混合の過程のためである。 地下層内の微生物相を、増大してゆく濃度の過
酸化水素に耐えるように順応させることが本発明
の方法において重要である。然し、汚染物質を酸
化する微生物相の付近の過酸化水素濃度がこれら
の微生物相を不活化もしくは破壊するほど十分に
上昇しないようにすることも臨界的である。それ
故、過酸化水素の24時間平均濃度の所望の増加率
を決定することが重要であり、そしてそのような
決定は不当に多くの実験を行なうことなしに任意
の便利な周知の方法により当業者によつて容易に
達成しうることである。たとえば、最大増加率は
微生物相の実際の順応速度、過酸化水素水溶液の
分解速度および全体の水理地質学を測定するため
の中心部試料を使用する実験室的測定値から計算
することができる。過酸化水素濃度の増加率は最
大増加率である必要はなく、好ましくはこのよう
な最大増加率の20〜90%である。あるいはまた、
過酸化水素濃度の所望の増加率は導入位置から下
方に傾斜しているモニタ井戸からの流出液のバク
テリア数を検査することによつても決定すること
ができる。 最適の結果のためには、地下層に導入する過酸
化水素の実際の濃度を短時間のあいだ周期的に増
大させて微生物相に対して毒性のある十分に高濃
度の過酸化水素のスラグ又はパツドを導入位置ま
たはその隣接位置において与え、このような区域
に存在する細胞物質、粘質物、または他の生物量
を分解して可溶化することが必要である。 高濃度過酸化水素の少量すなわちスラグ(スパ
イクまたはオパツドとも呼ぶ)を地下層中に導入
するが、このスラグ中の過酸化水素濃度は逆混
合、拡散、および希釈、ならびに分解細胞物質の
酸化および分解による酸素の生成の結果として減
少する。また、分解した細胞物質は過酸化水素導
入位置から更に離れた微生物相に栄養物を与え
る。このようにして、活性な微生物相は追加の栄
養物によつて促進され且つ増大した過酸化水素濃
度のスラグもしくはパツドによつて順応せしめら
れる。当業者はスラグ(少量の補給成分)導入す
る過酸化水素の量を容易に計算することができ、
それによつて過酸化水素を導入位置から1〜2m
以内の地下層中のバクテリアに対して毒性でない
ようにすることができる。 任意に、塩酸または酢酸のような希酸を、高濃
度酢酸化水素のスラグもしくはパツドを形成する
水溶液の一部に混合することができる。酸の量は
臨界的ではない。然し、約3〜約1のPHを生じる
に十分な塩酸水溶液または酢酸水溶液が好まし
い。当業者は加えるべき酸の量を計算することが
でき、それによつてスラグを導入位置から1〜2
m離れたバクテリアに対して毒性でないようにす
ることができる。 バクテリアの酸化活性促進は処理場所中くまな
く均一には起らないが、その代りとして最大バク
テリア生育の移動前面として見ることができる。
前面の先端で、汚染物質は実質的に最小に変形さ
れる。前面のうしろで、汚染物質は完全に鉱物質
化した細胞物質に転化するか又は危険性の小さい
形体に変形する。前面の先端の役目を果す又は酸
化性のバクテリアは実質的にそのもとの又は背景
の水準にとどまる。前面のうしろで、役目を果す
バクテリアは比較的不活性である。汚染物質がも
はや食料源として存在しないためである。多くの
場合、第2世代のバクテリアが発生して汚染物質
を酸化する役目を果すバクテリアの細胞物質を同
化して該細胞物質を鉱物質化した形体に変える。
前面の保持は過酸化水素から酸素への付随する制
御された分解を必要とする。分解速度が速すぎる
と、処理流体中の酸素の溶解度が超過してガスが
放出され、地下層の閉鎖が生じる。他方、分解速
度が遅すぎると、必要な酸素水準を保つために大
過剰の過酸化水素が必要となり、この過剰が副反
応を増大させ、バクテリアのストレスを増大さ
せ、そして実質的に処理コストを増大させる。 大部分の地下層は過酸化水素の不均一分解を生
ぜしめ、ガス閉塞の区域と高濃度過酸化水素区域
をもたらす傾向がある。過酸化水素のこのような
不均一分解のために、汚染された地下層のバイオ
酸化をくまなく制御することは困難であり、不完
全な処理が生じうる。最大バクテリア活性の前面
の保持は遊離過酸化水素と分子状酸素との間の有
効酸素の臨界的なバランスを必要とする。過酸化
水素から分子状酸素への最大転化率は最大バクテ
リア活性と一致すべきである。 適切なバランスは過酸化水素分解剤の使用によ
つて及び添加する過酸化水素の濃度を変えること
によつて達成しうる。はじめには活性前面は注入
位置に近い。然し、このような注入位置に密接す
る場所での過酸化水素から酸素への転化は最大活
性を刺戟するには遅すぎることがある。このよう
な場合、過酸化水素分解触媒たとえば酵素または
(キレートもしくはイオン状態の)遷移金属を加
えるのが望ましいことがある。鉄、銅、マンガ
ン、クロムまたは任意の周知の触媒金属のような
金属を使用することができる。然し、使用する金
属は過酸化水素を分解しうるのみならず、使用す
る濃度において所望微生物に対して毒性のないも
のでなければならない。バイオ酸化は中性PHにお
いて容易に起るので、多くの活性金属は沈殿して
不活性になりうる。それ故、キレート化金属を使
用するのが好ましい。金属の分解活性の制御に加
えて、キレートはバクテリアに及ぼす金属の効果
を温和にする。許容しうるキレートはエチレンジ
アミン四酢酸の塩もしくは誘導体;オルソニ官能
芳香族化合物たとえばカテコール;フタレート
類、シトレート類、または縮合ホスフエート類で
ある。他のキレートを使用することもできるけれ
ども、上記の金属はバクテリアによつて同化され
従つて生育を抑制せず、あるいは処理を受ける地
下層を更に汚染することもない。好適な酵素はパ
ーオキシダーゼまたはオキシダーゼの酵素類たと
えばグルコースオキシダーゼ、ホーセラデイツシ
ユパーオキシダーゼ、モノオキシジエノーゼ、お
よびキサンチンオキシダーゼである。分解触媒は
別途加えることができ、あるいはまた地下層に導
入される過酸化水素水溶液の部分として加えるこ
ともできる。過酸化水素水溶液は任意に有効量の
流動性調節剤(水和性ポリマー物質、界面変性
剤、および密度増加剤から成る群からえらばれ
る)を含むことができ、これによつて地下層内の
過酸化水素水溶液の流れを変性することができ
る。 水和性ポリマー物質は油井の水力流体の粘度を
調節してプロツピング剤またはパンキング剤の懸
濁を容易にするのに有用であることが知られてい
る。過酸化水素水溶液の粘度を変えることによつ
て浸透性地下層たとえば砂、砂利、または土壌の
中の過酸化水素水溶液の水平流と垂直流の比率を
制御しうることが予想外にも発見された。地下水
を含む地下層において、過酸化水素水溶液の粘度
が増大すると該水溶液から地下水への過酸化水素
の拡散が減少し、地下層内の水溶液の流量も減少
することが発見された。 当業者は汚染物質の酸化が完了した後に地下層
から除去しやすくするために水和性ポリマー物質
含有水溶液の粘度を減少させることが望ましいこ
とがわかるであろう。水力流体の粘度が触媒作用
を受けた過酸化水素のような酸化剤によつて数時
間のうちに減少もしくは「破壊」しうることは周
知である。 水和性ポリマー物質はまた酸化が比較的短時間
内に終了する際の本発明において使用するのにも
好適である。本発明に有用な代表的なポリマー物
質として水和性多糖類、ポリアクリルアミド、お
よびポリアクリルアミドコポリマーがあげられ
る。特に望ましい多糖類としてガラクトマンナン
ゴム、その誘導体、およびセルローズ誘導体があ
げられる。代表的な多糖類には次のようなものが
ある:グアゴム、ローカストビーンゴム、カラギ
ヤゴム、ナトリウムカルボキシメチルグア、ヒド
ロキシエチルグア、ヒドロキシプロピルグア、ナ
トリウムイドロキシメチルセルローズ、ナトリウ
ムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロー
ズ、およびヒドロキシエチルセルローズ、然し、
過酸素化合物の存在下での破壊に耐性のあるポリ
マー物質を使用するのが好ましいときには、米国
特許第4130501号に記載されているような、α−
β−低級カルボン酸の交差結合インターポリマー
または米国特許第3449844号に記載されているよ
うなポリアクリルサクロースを含むアクリル酸コ
ポリマーがえらばれる。 水和性ポリマー物質の使用量は水性処理液に望
まれる濃度に依存する。水性処理液1m3当り1〜
10Kgの水和性ポリマーが望ましく使用される。 本発明の目的にとつて「界面変性剤」は多孔質
物質への該水溶液の毛管上昇を増大させうる、又
は表面を湿潤する該水溶液の能力を増大させうる
化合物と定義される。水溶液の表面張力を減少さ
せことの知られている表面活性剤は界面変性剤で
ある。 表面活性剤は粘土が膨潤するのを防ぎ、汚染区
域にくまなく物質を分散させ、そして金属の過酸
化物分解活性を減少させるという追加の利点をも
ちうる。水性処理液1m3当り0.5〜40Kgの表面活
性剤を使用するのが望ましい。 オルトイン酸の可溶性塩および縮合リン酸の可
溶性塩は多孔性物質への水溶液の毛管上昇を増大
させ、従つて本発明による界面変性剤でもあるこ
とが予想外にも見出された。本発明の目的のため
に、オルトリン酸の可溶性塩および縮合リン酸の
可溶性塩は以後単に「リン酸塩」と呼ぶ。リン酸
塩は水溶液の表面張力に影響を及ぼさない。然
し、リン酸塩と表面活性剤は共に水面より上の毛
管浸入を増大させて浸透性地下層中の汚染物質に
隣接する水性処理液に含まれる過酸化水素を水面
より上に分布させることによつて流動性調節剤と
しての機能を果す。望ましくはリン酸塩の使用量
は0.5〜40Kg/m3である。 水溶液中にとかしたときその密度を増大させる
塩をしばしば“密度増加剤”(densifier)と呼
ぶ。密度増加剤は井戸孔中に完成流体柱に対して
地下層の静止水圧を均衡させるために井戸完成流
体中に使用されている。地下層に導入する水溶液
の密度を増大させるために密度増加剤を使用する
ことによつて、水溶液と地下水との混合が最小に
なることが発見された。それ故、地下層中にたと
えば帯水層底部に又は水の地下層体の底部層に汚
染物質が配置されているとき、過酸化水素水溶液
中の密度増加剤の存在は該水溶液が汚染物質のな
い地下層よりも汚染物質の方によく分布するのを
助ける。井戸の水力的処理にふつうに使用される
密度増加剤として塩化ナトリウム、塩化亜塩、塩
化カルシウムおよび臭化ナトリウムがあげられ
る。これらの塩は本発明の方法における密度増加
剤として有用でありうるけれども、密度増加剤と
してリン酸塩を使用するのが更に望ましい。2種
以上の流動性調節剤の組合せが地下層中の汚染物
質に隣接する水溶液を分布させるのに好ましいこ
とがある。 地下層内の過酸化水素の分解を制御して汚染物
質に隣接する水溶液の分布を遅延もしくは閉塞す
る遊離酸素ガスの生成を避けることが本発明の方
法にとつて重要である。任意に、過酸化水素の安
定化剤を水溶液に加えてこのような制御を行なう
ことができる。適当な安定化剤は当業者にとつて
周知であり、従来技術によつて、たとえば
SchumbらのHydrogen Peroxide(米国ニユーヨ
ーク州Reinhold Publishing Corporation、1955
年刊行)によつて示されている。これらには無機
リン酸塩および有機キレート剤のような錯化剤が
包含される。 別法として、過酸化水素分解を最小にするため
に又は分解触媒を汚染区域中に均一に分布するた
めに、地下層を予備処理することができる。これ
は過酸化水素分解触媒と反応して、またはこれを
錯化して、またはこれを溶解および/または除去
して、または浸透性地下層の触媒的に活性な表面
を不活性化して過酸化水素分解触媒を不活性にす
る化合物を含む予備処理用流体を地下層に導入す
ることによつて達成しうる。好適な予備処理用流
体は上記のSchumbらの刊行物および他の従来技
術を参照することによつて当業者が容易にえらぶ
ことができる。リン酸塩は予備処理用流体に配合
するのに特に望ましい。オルトリン酸塩は過酸化
水素用の多くの触媒を沈殿させあるいは触媒的に
活性な表面に沈殿させることが知られている。縮
合リン酸塩特にピロリン酸塩は過酸素系の安定化
剤として周知であり、他の縮合リン酸塩は過酸化
水素用触媒をしばしば分解させる可溶化多価イオ
ンを錯化、不活性、または可溶化するのに好適で
あるものとして周知である。 浸透性地下層の予備処理はまた、粘土を含む地
下層の浸透性を改良するために、あるいは汚染物
質を含まない地下層部分に水溶液が流れるのを阻
止するために望ましいものでありうる。リン酸カ
リウムと表面活性剤とを含む流体による予備処理
が粘土を含む地下層の浸透性を改良するのに特に
望ましいのに対して、ナトリウム塩または他の粘
土膨潤剤による予備処理は過酸化水素水溶液が地
下層の非汚染部分と接触するのを阻止するのに望
ましい。 リン酸塩を水溶液および/または予備処理流体
に配合するのが特に望ましい。リン酸塩はPH緩衝
剤として有用であり、また安定化剤、流動性調節
剤、醋化/沈殿剤、および表面不活性剤という多
重機能をも与えるからである。 次の実験A〜F(実験Fは第4表〜第6表に示
す実験No.1〜16を含む)に示す基礎実験ならびに
後述の実施例1に示す本発明の最良の態様によつ
て本発明を更に具体的に説明する。 実験A 微生物堆積による地下層の浸透性減少に及ぼす過
酸化水素の効果 粘液質物質および細胞物質の蓄積である微生物
量(バイオマス)の堆積は地下層の浸透性の減少
をもたらすことがある。これは該微生物量が処理
液の導入位置において地下層を閉塞するときに特
に問題となる。多孔質のセラミツクおよび耐火レ
ンガの試験試料(1.2×7.6×0.6mm)をサクロース
溶液含有の培養タンク中に懸垂させて粘液質物質
の被覆でこれを汚染させた。染料により試験はこ
の被覆が主としてグラム陽性細胞であることを示
した。試験試料を0.5%、1.8%、および3%の過
酸化水素希薄溶液中に浸漬した。2種の試験試料
からの粘液質物質の平均除去%を第1表に示す。 実験B 過酸化水素に希酸を添加して使用する場合の効果 過酸化水素および希酸を使用して実施例1をく
りかえした。濃度および結果を第2表に示す。4
塩酸溶液のPHおよび4%酢酸溶液のPHはそれぞれ
約1および約3である。 実験C 過酸化水素の使用による微生物蓄積の制御 水を循環させた充てんカラム中で水溶性ガソリ
ン留分を使用し、バクテリアによつて生産された
粘液質物質を除去するため過酸化水素水溶液を使
用した。このカラムはポリプロピレンのサドルパ
ツキンを充てんした直径0.9m、高さ4mの向流
垂直空気スクラバーであつた。2ケ月間で、空気
による水溶性ガソリン留分の酸化のスクラバー効
率は99%から90%に低下した。充てん物上に堆積
した微生物量(バイオマス)はスクラバー効率の
低下に基因するものと信ぜられた。スクラバーを
通る正常の流れは約150/分であつたが、激し
い微生物汚染による適正な排出流は妨げられ、パ
ツキンより上のスクラバー中にフラツジングが生
じた。スクラバーの流れを68/分に減少させて
更なるフラツジングを防いだ。0.8%過酸化水素
で2時間処理したところ、流れは150/分に回
復した。 実験D 閉塞地下層への過酸化水素の注入 レイモンドの米国特許第3846290号の方法によ
るガソリンのバイオ分解中に注入井戸がバイオマ
スでひどく閉塞された。地下層は3〜5mの深さ
に水を含む固められていない砂の層であり、砂1
m3当り5のガソリンを含んでいた。第3表に示
すように0.8%までの過酸化水素を用いて過酸化
水素の注入を行なつた。流れは1時間たつと14
/分から19/分に増大し、4時間たつともと
の流れ28/分にまで増大した。下向傾斜8mの
試験位置での溶解酸素は96時間に0.4mg/から
15mg/以上に上昇した。 実験E ガラス管内での本発明の模擬実験 60cm×1.5cm(内径)のガラス管にガソリン洩
れの場所から砂を充てんすることによつて作つた
砂カラムを使用して地下層内のバイオ酸化を促進
した。この砂はガソリンを飽和させ、、余剰液を
排出し、そして1500mgの蒸留水で洗つたものであ
つた。この場所からの地下水を使用して、0.1%
NH4NO3、0.04%KH2PO4、0.06%Na2HPO4、
0.02%MgSO4・H2O、0.001%CaCl2、および
0.00055%FeSO4・7H2Oならびに第4表および第
5表に示す量の過酸化水素を含む栄養液を作つ
た。この溶液を2のヘツドタンクから300ml/
日の割合でカラムに供給した。このヘツドタンク
は毎日再充てんした。ヘツドタンクおよび48時間
毎のカラム流出液からのバクテリア数を“E”型
表示法(3.5E6は3.5×106コロニー/mlである)
を用いて第4表に示した。7日目にヘツドタンク
中の過酸化水素濃度を167%だけ増加(150mg/
から250mg/へ、または300mg/から500mg/
へ増加)させ、8日目のバクテリア数が24時間
の増大過酸化水素濃度を反映するようにした。第
4表は測定したバクテリア数を表わす。第5表お
よ第6表はこれらのデータを比として比較してい
る。実験1〜実験4は対照標準を示し、平均の供
給および流出のカウント数は時間と共に顕著には
変わつていないことがわかる。はじめの供給物の
バクテリア数は4日目のカウント数の減少を示し
ているが、8日目の増加は7日目の過酸化水素の
濃度の増大にもかかわらず順応が行なわれている
こを示すものである。実験5〜12および実験13〜
16の流出液は時間経過に伴なう及び供給物中の過
酸化水素濃度の増大に伴なう順応の証拠を示して
いる。 地下層(砂のカラム)内の過酸化水素濃度増大
に対するバクテリアの順応性は予想外にも過酸化
水素水溶液(供給タンクからの供給物)中の順応
性よりも大きいことが特に顕著なこととして注目
される。 実験F 微生物に及ぼす過酸化水素の毒性効果 生物相に及ぼす過酸化水素の毒性効果を、過酸
化水素水溶液と酸素飽和水とを比較するボトル試
験において実証した。 ガソリンの洩れている場所から採取した水を約
0.01g/のリン酸塩、0.01g/の塩化アンモ
ニウムおよび30mg/のガソリンの初期添加物に
よつて培養した。約1500mlをグラスウームを通し
て過し、50mlの液を32オンスの狭口のガラス
びんに加えた。栄養濃縮物を次に加え、その後に
1滴のガソリンをそれぞれのびんに加えた。アル
ミニウム箔内張りを使用してこれらのびんに蓋を
した。試験中、隔日毎に1滴のガソリンを加え
た。 試験期間の終了時に、1mlの35%HClを加えて
沈殿金属を溶解させた。試料を遠心分離、過お
よび乾燥して、固体を秤量した。細胞の塊りをバ
クテリア生育の決定因子として使用して第7表お
よび第8表に示す。 第7表は約10mg/のH2O2の存在がバイオマ
スの生育を促進することおよび過酸化水素濃度の
50mg/から100mg/への増大がバイオマスの
生育速度を低下させることを示している。データ
の外挿は過酸化水素の最大初期濃度が少なくとも
1000mg/(0.1%)であることを示唆している。 第8表は試験の第1週中にバイオマスの生育は
100mg/の過酸化水素含有試料において酸素飽
和試料中においてよりも小さかつたことを示して
いる。然し第2週中にバイオマスの生育速度は
100mg/のH2O2を含む試料中で加速された。こ
れは順応を示すものである。 実施例 1 70m×100mの場所をベンゼン、トルエンおよ
びキシレンから成る工業用溶媒混合物(BTX)
で汚染させる。この汚染物を0.3mの飽和帯域お
よび0.6mの不飽和帯域中に配置する。平均の土
壌汚染は約5000ppmであり、地下水は80ppmの合
計BTX濃度を示す。地下層は粗い砂と砂利とか
ら成り、その流体浸透性は4001/分の流体通過量
を維持するに足りる。地表から地下層の下にある
地下水層までの深さは7mである。 50m×1m×1.2mの溝から成る注入道を掘る
ことによつて注入場所を作る。注入道の掘り方は
注入道が天然地下水層に対して垂直になるように
且つ注入道が天然地下水層から回収井戸に対して
上方傾斜するように行なわれる。この注入道の頂
部付近の地下層は0.3mにわたつて粗岩層から成
るが、その更岩層の頂部付近にある注入道の頂部
に直径10cmの孔あきパイプを挿入し、そのまわり
を追加の粗岩で覆つて固定する。土壌汚染の周囲
において、下方傾斜で、回収井戸を設置し、水面
から下3mの深さまで水面からスクリーニングす
る。回収井戸を垂直にして地下水が注入道に戻り
うるようにする。 汚染区域から取り出した地下水と中心試料を分
析して処理用流体(以下に述べるRestoreTM352お
よびRestoreTM105のそれぞれの流体)との粗溶性
を調べる。その区域にもとからある炭化水素分解
微生物はシエードモナス層のアルソバクター、ノ
ルカルジア、およびアシネトバクターと同定され
る。炭化水素利用バクテリアは1gの土壌当り
102〜103コロニーの集団レベルをもつ混合培養物
であることがわかつた。この場所からの地下水試
料についての生育研究をアンモニウムイオンおよ
びオルトリン酸塩イオンを含むRestoreTM352微生
物栄養剤(エフ・エム・シー・コーポレーシヨン
製)の0.2%溶液を用いて行なう。上記の
RestoreTM352微生物栄養剤は塩化アンモニウム5
重量部、リン酸二・ナトリウム塩3重量部および
リン酸一・ナトリウム塩2重量部を含む粉末製品
である。鉄、マグネシウム、マンガンおよびカル
シウムのような痕跡量の成分を試料に加える。上
記のRestoreTM352溶液の上記の鉄、マグネシウ
ム、マンガンおよびカルシウムのような痕跡量の
成分を加えた微生物栄養剤試料の他にRestoreTM
105(35%過酸化水素水溶液)を加える。この際、
RestoreTM105の他に0.5mg/1の鉄を加えると更
に好ましい結果がえられることがわかつた。 20%RestoreTM352微生物栄養剤の1200バツチ
を次々に、リサイクル地下水中のアンモニウムお
よび合計リン(リン酸塩として)の濃度が200〜
500mg/に達するまで、加えることによつて注
入場所に注入すべき流体を形成する。ポンプ/注
入の速度は200/分で均衡させる。RestoreTM
352と共に加えるRestoreTM105によつて初期に導
入する過酸化水素の24時間平均濃度が200〜
500ppm(0.02〜0.05%)の水準に達したならば、
RestoreTM352微生物栄養剤を絶えず加えて必要な
水準のアンモニウムイオンおよび合計ホスフエー
トイオンを保ちながら、循環を2週間続ける。地
下水の分析は炭化水素バクテリアの水準が104〜
105/mlに増大したことを示す。 この期間の後に、RestoreTM105のような過酸化
水素溶液(エフ・エム・シー・コーポレーシヨン
製)の過酸化水素溶液を注入道の上流の地下水に
加える。初期添加濃度は過酸化水素10〜100mg/
であり、リサイクル地下水中のバクテリア数が
105〜106コロニー/mlに達するまで続ける。過酸
化水素濃度を100〜200mg//週の割合で、500
mg/以上の水準に達するまで、段階的に増大さ
せる。過酸化水素濃度の上限はバクテリア数が著
るしく減少する点によつて決定され、一般には
10000mg/(または0.1%)未満である。
RestoreTM352微生物栄養剤、鉄溶液、および
RestoreTM105の注入を続け最適な生育を保持す
る。 バイオ酸化の期間中に周期的に、注入道への注
入が注入道の中のおよびそのまわりの細胞物質の
堆積により減少するときは、RestoreTM105微生物
栄養剤(水性過酸化水素)を使用して0.5〜1%
の少量の過酸化水素を0.5〜3時間導入する。こ
れは注入が細胞物質の溶解によつて回復するまで
6〜12時間の遅延をおいてくりかえす。(この実
施は最大活性の帯域中の微生物が悪影響を受けな
いことを保証する。) 栄養剤と過酸化水素の添加は場所の分析により
土壌汚染の90〜95%がバクテリアによつて分解さ
れたことがわかるまで続ける。この時点でアンモ
ニウムおよび全ホスフエートのイオン濃度を50〜
100mg/に減少させ、過酸化水素濃度は500mg/
以上に保ちつづけて吸収栄養物を消費させる。
土壌汚染がもとの98%以下に減少したとき、栄養
物の注入をやめて過酸化水素の濃度を100mg/
に減少させる。地下水および過酸化水素の注入を
更に1ケ月つづける。最後に、過酸化水素の導入
はやめるが、地下水注入は残存アンモニウムおよ
びホスフエートの濃度が規定の要件に合うまでつ
づける。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
した。
【表】
【表】
増大した。
【表】
で隔日添加。
【表】
mg/ 1週間 2週間 1週間
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 酸素と栄養物を微生物相に有効に供給して地
下層内の汚染物質のバイオ酸化を促進する方法に
おいて;少なくとも1つの位置において地下層中
に過酸化水素水溶液を導入し、且つその際に初期
に導入する過酸化水素の24時間平均濃度を0.0001
%〜0.1%となし、過酸化水素の24時間平均濃度
を地下層内の微生物相に利用される酸素を対応し
て増大させるに十分な割合で然し微生物相に毒性
の環境を与えないように時間と共に増大させ;そ
して過酸化水素の導入位置またはこれに密に隣接
する位置における微生物相に対して毒性であるに
十分なように地下層に導入する過酸化水素の濃度
を短期間のあいだ間けつ的に増大させ、それによ
つて微生物相を除いて過酸化水素導入位置または
これに隣接する位置における地下層の浸透性が増
大させる;ことから成る地下層中の汚染物質のバ
イオ酸化を促進する方法。 2 過酸化水素水溶液中の過酸化水素濃度の短期
間の増大が0.5重量%〜3重量%である特許請求
の範囲第1項に記載の方法。 3 過酸化水素水溶液中の過酸化水素濃度の短期
間の増大が0.5重量%〜3重量%であり、そして
更に該水溶液中に酸を含有させてPHを3以下に下
げる特許請求の範囲第1項に記載の方法。 4 酸素、遷移金属イオン、および遷移金属イオ
ンのキレートから成る群からえらばれた過酸化水
素分解触媒を過酸化水素の分解を制御して、汚染
物質に隣接する過酸化水素水溶液の分布を阻止す
る遊離酸素ガスの生成を避けるに十分な量で、地
下層に導入する過酸化水素に含有させる特許請求
の範囲第1項〜第3項のいづれか1項に記載の方
法。 5 過酸化水素水溶液が地下層内の過酸化水素水
溶液の流れを変性するに十分な、水和性ポリマー
物質、界面変性剤、および密度増加剤から成る群
からえらばれた流動性調節剤の有効量をも含む特
許請求の範囲第1項〜第4項のいづれか1項に記
載の方法。 6 地下層中にリン酸塩水溶液を導入することに
よつて地下層を予備処理する工程を含む特許請求
の範囲第1項〜第5項のいづれか1項に記載の方
法。 7 過酸化水素水溶液に流動性調節剤を含有させ
且つ地下層をリン酸塩および必要に応じて遊離酸
素ガスの生成を避ける量の過酸化水素分解剤の溶
液で処理する特許請求の範囲第1項〜第6項のい
づれか1項に記載の方法。
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|---|---|---|---|
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