JPH05109382A - 荷電粒子ビーム・システム - Google Patents

荷電粒子ビーム・システム

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JPH05109382A
JPH05109382A JP4086914A JP8691492A JPH05109382A JP H05109382 A JPH05109382 A JP H05109382A JP 4086914 A JP4086914 A JP 4086914A JP 8691492 A JP8691492 A JP 8691492A JP H05109382 A JPH05109382 A JP H05109382A
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ion
magnet
ion beam
ion source
focusing
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John H Keller
ジヨン・ハワード・ケラー
Dennis K Coultas
デニス・ケイス・カルタス
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    • H01J2237/004Charge control of objects or beams
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    • H01J2237/055Arrangements for energy or mass analysis magnetic

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、異なるイオン源からの、
異なる質量のイオンをビームとターゲットの間の垂直な
関係を維持しつつ、分析器の磁石の異なる部分へと独立
に操作して、単一の幅広いビームに収束させる、イオン
・ビーム付着装置を提供することにある。 【構成】 ビームをスリット型の減速レンズにより、付
着に適したエネルギーに減速する。次に、減速されたビ
ームを横切ってターゲットを走査する。電子を磁石から
離して閉じ込め、または分析器の磁石内部の低圧の雰囲
気にエネルギーを与え、あるいはその両方によって、ビ
ームは高イオン流及び低圧に維持し、ビームの空間電荷
を十分に中和するための、電子及び帯電粒子のプラズマ
を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電粒子ビーム・システ
ムに関し、詳細には、電子デバイスの製造中、特にエピ
タキシャル成長層として、半導体構造上に材料を付着さ
せるためのイオン・ビーム・システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電場及び磁場により荷電粒子ビームを操
作することは古くから知られており、この効果を利用し
た多くの装置が開発されている。たとえば、テレビジョ
ンやオシロスコープに使用される陰極線管は、電子線を
操作して可視像を作成する。大規模集積回路(VLS
I)の製造でも、高精度のパターン付き領域の製造に電
子線リソグラフィが使用される。イオン・ビーム装置等
で、他の種類の荷電粒子のビームを発生し、操作するこ
とも知られている。このようなイオン・ビーム装置は、
不純物の注入等、半導体デバイス製造のある種の態様で
利用されている。
【0003】イオン・ビームによる不純物注入は、多く
の理由により好ましい。またイオン・ビームの流れと注
入エネルギーはきわめて正確に制御でき、きわめて正確
な不純物濃度及び分布と注入深さが得られる。このよう
なイオン注入工程は、低温でも行え、低温マスキング材
料が使用できる。
【0004】さらに、イオンの質量と電荷の比は、静電
場または磁場によってイオンが軸方向及び横方向に加速
される加速度に影響を与える。したがって、分子量が異
なるイオンはビームから離れた位置に偏向するので、チ
ップの所期の領域に達するビームはきわめて純粋にな
り、所要の材料以外の注入が避けられる。イオン・ビー
ム装置のイオン・ビーム光学系のこのような特徴は、質
量分析と呼ばれ、一般にビームを弧状に偏向させ、分子
量の異なるイオンを効果的に分離するサイズの出口開口
を使用することによって実施される。
【0005】このような注入工程は、動力学的効果を使
用し、高エネルギーで半導体材料内にイオンを注入す
る。最近では、溶接等、ターゲット材料の表面への付着
が必要な目的にイオン・ビーム法を使用する試みがなさ
れている。容易に理解できるように、イオン・ビームに
よる付着工程は、イオン粒子のエネルギーが注入の行わ
れるエネルギーよりはるかに低いことを必要とする。こ
のようにイオンのエネルギーが低くなると、同一の電荷
のイオンが相互に反発するため、イオン・ビームの収束
を維持することが困難になる。しかし、このような応用
例では、通常材料の量が少ないため、高いビーム電流は
不要である。
【0006】半導体材料、特に導電性を決定する不純物
を含む単結晶エピタキシャル層の生成は、各種の半導体
デバイスの製造にしばしば必要となる。この方法は、約
1100〜1200℃のきわめて高温で、気相成長によ
って行うことが多い。P型にドーピングした及び真性シ
リコンなどの例外を除いて、約1000℃より低温では
高品質の単結晶の成長は困難である。このように単結晶
エピタキシャル層の形成に高温が必要なので、特にドー
ピングされた他の構造がすでに形成されている場合は、
領域間にガス抜き効果または外方拡散が生じるという欠
点が生じる。デバイスの設計でこのような影響を補償す
ることは困難または不可能なことが多く、不純物の外方
拡散距離が約2μmより薄いエピタキシャル層、または
同様な横方向の寸法の領域を容易に上回るので、特定の
製造収率を得るためには、デバイス中の導電性領域の最
小寸法も制限される。また高温の工程によるこのような
外方拡散により、その後に単結晶エピタキシャル層に不
純物を添加するためにイオン注入を使用するときでも、
ドーパントの分布が完全には制御できなくなる。
【0007】イオン注入法は、イオン注入自体が低温で
行われるにしても、イオン注入によって結晶の格子構造
に損傷を与え、その後の加工を行う前に、損傷を修復す
るためにアニーリングが必要となることが多いので、そ
れによって高温法が完全に不要になるわけではない。
【0008】イオン・ビームを使った単結晶のエピタキ
シャル層を生成するための低温法を実現することは既に
達成され、米国特許第4151420号及び第4179
312号明細書に開示されている。これらの方法は、多
開口イオン源を使用して高イオン・ビーム電流を得るこ
とを特徴とする。このような多開口イオン源を使うと広
いビームが生成し、重なったビームのそれぞれに集光レ
ンズを使用するとしても、イオン質量の良好な分離を得
ようとする場合、質量分析開口で大量のイオン・ビーム
電流が失われることは容易に分かる。
【0009】これらの方法では、約500eVというか
なり低いエネルギーで、ターゲットの所で比較的高いビ
ーム電流が得られた。しかし、これらのビーム電流は、
ターゲットの比較的大きい面積(たとえばビームの直径
約15cm)一面に広がってしまう。したがって、約1
mA/cm2のビーム電流では、材料付着速度がこの方
法のスループットを制限する。また、このように大きい
ビーム直径を使用すると、エピタキシャル成長法がウェ
ーハ全体にわたるこの方法の実行のみに制限され、選択
的エピタキシャル成長を実際のチップ面積に限定するこ
とさえできず、ウェーハのチップ間にある領域に向かう
ビーム電流が無駄になる。
【0010】上記特許の発明者等はまた、半導体デバイ
スやその他の物体、たとえばマスクや較正グリッドなど
の製造中にエピタキシャル成長を行わせるには、さらに
低いイオン・エネルギーが望ましいことを見出した。た
とえば、注入は通常約20keVのエネルギーで行われ
るが、上記特許の発明者等は、エピタキシャル成長には
2keV以下のエネルギーが必要であり、さらに低いエ
ネルギーが望ましいことを発明した。上記の特許の装置
は、ターゲットで約0.5keVのエネルギーを達成し
たが、50〜300eVのエネルギーであれば、エピタ
キシャル成長はさらに速く行われる。また、下記に詳細
に述べるいくつかの理由により、エピタキシャル成長
が、複数の元素(たとえばシリコンと、必要な導電型に
応じてホウ素、ヒ素などの不純物元素)を含む材料から
なり、エピタキシャル成長を均一にするためにそれらの
元素を同時に同一位置に付着させなければならない場
合、質量分析の性能を良好にするには、約5keVのエ
ネルギーが望ましいことが分かった。このような均一性
を得るためには、特にエピタキシャル成長の必要な領域
をビームが走査する場合、エピタキシャル成長の方向で
の元素の分布に差が生じることを避けるために、異なる
材料のイオンが同じ入射角で、好ましくはターゲットに
垂直に、ターゲットに到達することが必要である。ま
た、エピタキシャル成長の均一性を確保するため、ビー
ムの収束を良好に維持することも必要である。
【0011】上記特許の装置は減速レンズを使用してい
るが、質量分析のエネルギーと付着エネルギーにこのよ
うな差があると、ターゲットで高いビーム電流を確実に
得ることが困難になる。イオン・ビーム装置でエピタキ
シャル成長を行わせる工程には、この他にも矛盾する必
要条件がある。具体的には、付着物の汚染の可能性を最
小にし、存在するイオンと気体分子の間での電荷の交換
によって通常なら減少するはずのビーム電流を維持する
ために、高真空で工程を実施することが望ましい。加速
されたイオンから電荷を除去すると、質量分析をさらに
続けて、イオンを誘導しビーム内に保持することができ
なくなり、ビーム電流が減少する。汚染を避けるため
に、通常はネオン、シラン(SiH4)などの不活性気
体の雰囲気を使用する。また電荷の交換によるビーム電
流の減少を抑えるために、高真空を使用する。
【0012】イオンは同じ正の電荷を運ぶので、ビーム
の空間電荷を中和する反対の電荷を有する粒子がなけれ
ば、イオンは相互に反発し合う。粒子のエネルギーが1
0keVより高いときは、高真空下でも、イオン・ビー
ム装置内の極端に低圧の雰囲気に付与されたビームのエ
ネルギーにより、プラズマが発生し、高真空下で空間電
荷をほぼ完全に中和する。しかし、イオン・ビームのエ
ネルギーが5keV以下に下がると、ビームの空間電荷
を中和するには、約1x10-4トールの、さらに低い真
空が必要であることが分かった。このような低圧でも、
電荷の交換によるビーム電流が大幅に減少する。空間電
荷が完全には中和されない場合、特に、本発明者等が質
量分析改善のために望ましいことを発見した方法である
が、ビームを合焦もしくは収束させ、またはその他の方
法でビーム電流の密度を増大させた場合は、イオン同士
の反発による妨害効果により、質量分析中にビーム電流
が失われる。
【0013】また、静電減速レンズは、粒子のエネルギ
ーを約1〜10keVから約0.5keVに低下させる
ためにかなり低い電圧を使用したときでも、ビームを発
散させる。減速する前に空間電荷を中和する粒子をイオ
ン・ビームから除去しなければならないので、ビームの
発散がさらに増大する。したがって、粒子のビームを減
速が望ましいビームの経路に沿った実質的に同じ点に合
焦させなければならないために、イオン同士の反発が大
きくなる。したがって、特にビーム電流密度が高いとき
は、ビームの発散が最小になるように、静電減速レンズ
に必要な動作電圧を低下させるために、ビームのエネル
ギーを低く保つことが特に望ましい。しかし、このこと
は、上記のようにビーム電流密度を高くし、エネルギー
を低くするという、質量分析の性能と重大な矛盾があ
る。
【0014】減速レンズは静電気を利用するもので、通
常ある種の開口の形をとることにも留意されたい。さら
に、上記の特許に開示されているように、ビームは質量
分離プレートによって実質的に平行になる。質量分離プ
レートは付着させた材料の純度を高める働きをするが、
ビーム電流を減少させたり、付着した各種イオンの相対
量を変えたりするのでない場合、特に高いビーム電流を
得るために広い多開口イオン源を使用する場合は、異な
る元素のイオン・ビームの合焦が特に重要になる。減速
レンズについてもそうであり、ターゲットにおけるビー
ム・パターンの両端間の分布に差がでることを避けるた
めに、ビームを正確に平行にすることが必要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イオ
ン・ビーム電流とビーム電流密度を増大させた、質量分
析されたイオン・ビームを用いて、結晶材料をエピタキ
シャル成長させるための方法及び装置を提供することに
ある。
【0016】本発明の他の目的は、高ビーム電流、高真
空下で、均一なエピタキシャル結晶成長が生じるのに十
分に低いエネルギーで、複数の材料を同時に付着させる
装置及び方法を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、高解像度、高ビーム
電流密度で、均一な、幅の広い合焦した、質量分析され
た複数の元素のイオン・ビームを発生させるための装置
及び方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記その他の目
的を達成するために、少なくとも第1のイオン源を含む
半導体材料の低温エピタキシャル成長用のイオン・ビー
ム付着装置が提供される。この装置には、少なくとも上
記の第1のイオン源からのイオン・ビームを質量分析
し、上記イオン・ビームを合焦させてアスペクト比の高
いパターンにする磁石を含む。
【0019】本発明の他の態様によれば、質量分析と同
時に、弧状のイオン光軸を有する磁石により、上記ビー
ムを少なくとも1つの平面に合焦させる工程を含む抽出
開口の二次元アレイを有する少なくとも1つのイオン源
から出るイオン・ビームから、イオン付着により材料を
表面に付着させる方法が提供される。
【0020】本発明の他の態様によれば、イオン化可能
な気体のイオン・ビームの空間電荷を中和させるための
電子濃度を増大させる手段を含む、高真空下で上記イオ
ン化可能な気体中で上記イオン・ビームを発生させる装
置が提供される。
【0021】
【実施例】図面、特に図1を参照すると、本発明による
イオン・ビーム・エピタキシャル成長装置10の全体図
が示されている。この装置の主要な構成要素は、高電流
シリコン・イオン源11、ホウ素不純物イオン源12、
ヒ素不純物イオン源13、合焦用磁石14、真空チャン
バ15、減速レンズ16、及びターゲット・ウェーハ1
7である。他の不純物元素を付着させる場合には、不純
物源12、13の位置を、イオンの質量差を補償し、イ
オンがシリコン・イオン・ビームに重なるほぼ正しい位
置で合焦用磁石に入るように変える必要がある。合焦用
磁石14の焦点距離も、異なるイオン源からのイオン・
ビームが重なるように、弓形のスロット18により合焦
用磁石の角位置を変えることによって、調節することが
できる。
【0022】イオン・ビーム電流のシリコン成分は、通
常、不純物イオン成分よりはるかに大きい。したがっ
て、シリコン・イオン源11は多開口イオン源として示
し、不純物イオン源12、13は、単開口イオン源とし
て示してある。必要があれば、イオン・ビーム電流の不
純物成分を増大させるために多開口イオン源を使用する
こともできる。たとえば、GaAsまたはGaAlAs
を付着させる装置では、2個、3個、またはそれ以上の
多開口イオン源を使用することが好ましい。また、いわ
ゆる単開口イオン源では、イオンは、実際に本発明の好
ましい実施例に見られるような、スクリーン状の格子に
よる一列に並んだ複数の開口で形成された格子状の構造
を通してイオン源中のプラズマから引き出される。
【0023】本発明の基本構成及び構成要素は、上記従
来の技術中の特許に開示された装置と構造及び動作が表
面上は類似しているが、本発明の各種態様によれば、質
量分析用磁石が合焦用磁石としても機能することが最も
重要であり、またイオン源が、静電的合焦及び操作を行
うため、性能が大幅に改善されるような形で組み合わさ
れて機能するように変更されている。図示されていない
が、ターゲットに供給されるイオン・ビーム電流を強化
するための装置、具体的には、プラズマを閉じこめ、強
化する構造も、本発明の他の態様では、これらの変更と
組み合せて提供される。本発明のこれらの態様について
順次説明する。
【0024】合焦用磁石14は、質量分析と合焦機能の
両方を行う。このため、合焦用磁石は、図2の21に示
すように、比較的広いギャップを有する弧状に形成され
ている。この磁石の設計により、ギャップ21の幅全体
にほぼ均一な磁場が生じる。この弧状の形によって、磁
石を通る通路の長さが、合焦用磁石のギャップに入る位
置に応じてほぼ直線的に変化する。
【0025】イオン源11ないし13のうちの任意の1
つからの所与の質量のイオンを考えると、磁石はビーム
成分が合焦用磁石に入る位置によって合焦を行う。たと
えば、軸19に沿って合焦用磁石に入るイオンは、図示
されているように弧状の通路を通る。合焦用磁石は弧状
の形を有し、幅の広いギャップの両端間でほぼ均一な磁
場を生成するので、通路19aに沿って入るイオンは、
磁石を通る通路が長くなり、通路19を通るイオンより
も大きく偏向する。反対に、通路19bを通るイオン
は、磁石を通る通路が短かいので、偏向は小さい。この
ように、異なる位置から弧状の合焦用磁石に入るイオン
は、(たとえば複数の平行スリット開口など抽出開口の
二次元アレイを有する)比較的広い多開口イオン源11
からのイオンと同様に、半径方向の放射状平面内の共通
焦点に運ばれ、これにより潜在的に高いアスペクト比を
有するビームが生じる。
【0026】シリコンより軽いホウ素や、シリコンより
重いヒ素など、質量の異なるイオンは、弧状の合焦用磁
石によって同様の影響を受けるが、質量が異なるため、
通路19c及び19dで示すように、偏向はそれぞれ大
きくまたは小さくなる。したがって、弧状の合焦用磁石
は、質量の異なるイオンのビームを収束させるのに使用
できる質量分析特性を有するが、同時に他のイオンを質
量分析開口から偏向させることができる。下記に述べる
ように、イオンが合焦用磁石に入る角度と位置は、イオ
ンが合焦用磁石によって偏向される位置に影響を与え
る。
【0027】イオン源11のような広い多開口のイオン
源を、12、13などのスリット・イオン源の代りに質
量の異なるイオンに使用すると、上記のように、イオン
・ビーム全体の偏向がイオンの質量に応じて増減して
も、広いイオン源から合焦させて、イオン源11に対し
て、高アスペクト比のビームを得ることができる。
【0028】ビームのアスペクト比が高いと、狭いスリ
ットの質量分析開口を使用することが可能になる。この
スリットは、上記特許に開示された開口に比べて狭いの
で、質量分析により、付着させたいイオンと質量の異な
るイオンを精密に分離することができる。
【0029】さらに、上記の合焦用磁石の説明から明ら
かなように、合焦用磁石のビームの軸19に対する角度
位置を調節することにより、通路19aと19bの相対
的通路長の差を変えることができる。この通路長の差の
変更は、磁石を通る通路の角度と、磁極片22の弧状部
分20の磁極片の他の部分に対する位置による、磁極片
の長さの物理的変更によって行われる。同様の調節機構
が磁極片23にも設けられている。したがって、合焦用
磁石の角度の調節により、合焦用磁石の焦点距離を精密
に調節することができる。またこれによって、正確に焦
点に位置する、または複数のビームの交点に位置する、
スリット型の減速レンズを使用することが可能になる。
【0030】ギャップの幅方向ならびに深さ及び長さ方
向に均一な磁場を形成するための、合焦用磁石14の重
要な特徴は、ビームの通路の両側に励磁コイル24、2
5を備えることである。磁石のイオン・ビームに対する
作用は、設けた通路長の関数となるので、磁場が長さ方
向に実質的に均一であることが重要である。コイル25
は円形であり、ビームの軸19のほぼ曲率中心に位置
し、コイル24は細長いまたは弧状の楕円形で、合焦用
磁石の長さ方向に均一な磁場を形成する。この点に関し
て、理論的には楕円形が好ましいが、このような形状は
形成し難く、図示した形状が本発明の実施に完全に適し
ていることが分かった。同時に、合焦用磁石のギャップ
の断面積は、使用する多開口イオン源の幅と深さを収納
できるものでなければならず、その幅方向に実質的に均
一な磁場を有することが必要である。この効果を達成す
るため、励磁コイル24、25それぞれの巻数をほぼ等
しくして、等しい磁束を発生させる。このようにする
と、一方のコイルの磁束による合焦用磁石のギャップの
幅21方向の磁場のばらつきが、他方のコイルによって
完全に補償される。このような理由で、米国特許第46
33138号明細書に示されているようないわゆるC型
磁石、及びピクチャー・フレーム型の磁石は、この適用
分野には不適である。ピクチャー・フレーム型の磁石
は、磁気回路を形成する長方形のヨークの両側に位置す
る磁極片の周囲にコイルが巻いてある。どちらの構成で
も、発生する磁場はギャップが大きいと不均一になり、
磁場がほぼ均一になる有効領域は、磁極片の縁部からギ
ャップの長さ以上離れた磁極片の領域のみに限定され
る。したがって、磁極片の幅がギャップの寸法の2倍を
超えない場合は、使用可能な磁場の均一性のある有効領
域は存在しない。同様の理由で、同等の有効領域を得る
には、ピクチャー・フレーム型の磁石のギャップは、本
発明の磁石のギャップの3倍にする必要がある。良好な
合焦特性を得るには、上記の均一性が磁石の寸法による
磁場の0次元ならびに1次元及び2次元のばらつきにも
適用できることを認識されたい。
【0031】したがって、本発明の好ましい実施例によ
って設計した合焦用磁石の扇形磁極片22、23は、図
示するように、大きなギャップ幅と、断面領域26の制
限を排除するのに十分な深さ27と、磁極面の幅のほぼ
2倍である軸19に沿ったギャップの長さにわたって、
実質的に一定な磁場を形成する。この長さは、弧状磁石
の軸19の半径のほぼ半分でもある。
【0032】要約すれば、質量分析のため、及びイオン
・ビームを半径面で合焦させるために磁石を同時に使用
することにより、質量分析が改善され、広いビーム源と
異なる質量のイオン・ビームが正確に合焦されて潜在的
にアスペクト比の高いビームになる。この高いアスペク
ト比のために、ビームの投影断面に対して一定の角度で
ビームを横切ってウェーハまたはチップを走査すること
により、ウェーハの限定された面積またはウェーハ全体
にエピタキシャル成長を行うことが可能となる。合焦コ
イル及び質量分析スリットの配置による質量分析の改善
によって、背景ガスからの電子及びプラズマ・イオン
が、ターゲット表面に近い減速レンズを通る前により高
い効率でビームから除去され、そのためイオンのエネル
ギーが最終的な低い付着エネルギーに減少する。
【0033】イオン・ビーム源11ないし13は周知の
どのような種類のものでもよいが、上記に示したよう
に、少なくともシリコン・イオン源には図示したような
多開口ビーム源が必要なことが予想される。本発明をシ
リコン源について説明したが、幾何形状及びイオンの質
量による磁場の強さを適当に変えることにより、他の半
導体材料も、同様に使用できることを理解されたい。本
発明の実施にとって、特定のイオン源の設計は重要では
ないが、上記の特許のイオン源装置が本発明の実施に適
している。イオン源に適した別の設計は、米国特許第4
383177号明細書に詳細に記載されている。イオン
源設計の必要条件は、イオン源が必要なイオン流を生成
することができること、及び合焦用磁石の所で予期でき
る幾何形状を有するビームが得られるように、イオン源
でビームの何らかの合焦が行われることである。この理
由で、磁石の合焦と組合せてソースの合焦を行うこと
が、本発明の重要な態様である。
【0034】しかし、上記のように、異なる種類のイオ
ンのターゲットへの衝突角度を、ターゲットに対して実
質的に垂直に保つことが好ましい。さらに、狭いスリッ
トの質量分析プレートまたは減速レンズ16を使用する
ので、各イオン源からターゲットへの各ビームの衝突角
度を実質的に垂直に保ちながら、各イオン源からのビー
ムを正確に重ね合せることができることが重要である。
従来技術において、質量分析後にイオン・ビームを偏向
させることが知られており、このような質量分析後の偏
向でビームを重ね合わせることは潜在的に可能である
が、衝突角度は変化する。さらに、このような質量分析
後の偏向は大きな空間を取り、低いエネルギーでビーム
を収束させておくことが困難となる。したがって、質量
分析後の偏向は、本発明に使用するには適当ではないと
考えられる。本発明の合焦用磁石の磁場の調節を利用し
て、質量分析中に収束を行うこともできるが、それには
装置全体の幾何形状だけでなく、動作電圧、動作電流な
どの調節も必要であり、したがって装置全体の動作が複
雑になる。
【0035】先に指摘したように、合焦用磁石を通過す
るビームの実際の通路は、合焦用磁石に入る角度及び位
置に依存する。したがって、合焦用磁石の特定の機能が
与えられているとすれば、ビーム位置の選択的微調整を
行うために、3本のビームのうち、少なくとも2本が操
作可能なことが望ましい。
【0036】この理由で、本発明の1態様によれば、ス
プリット加速プレートが設けられる。イオン源に、イオ
ン源中のプラズマからイオンを抽出し、このイオンを所
期のエネルギーに加速するための電極またはレンズを設
けることが必要であるが、本発明によれば、加速プレー
トとして機能する少なくとも1つの電極またはレンズ
を、図3に示すように、ビームの両側に隣接する2つの
部分に分割する。
【0037】図3は、図1のイオン源12、13のいず
れかに対応するイオン源30を示す。スプリット加速プ
レートを、左半分31と右半分32とに分けて示してあ
る。これらのプレート31、32に供給される電圧の平
均値が、従来の技術における加速構造と同様に、ビーム
中のイオンのエネルギーを制御する。しかし、プレート
31、32に接続された端子33、34にわずかに異な
る電圧を印加すると、これらのプレートは、静電偏向板
としても機能し、ビームの長さ方向に垂直な面内でビー
ムを操作することが可能である。
【0038】次に図4を参照すると、ビームの横方向の
偏向によって、ビームが合焦用磁石に入る角度と位置が
変化することが分かる。また、ビームが図の左方に偏向
する場合は、右方に偏向する場合よりも磁石中の長い通
路を通ることも容易に理解される。すなわち、上記のよ
うに、左に偏向したビームは合焦用磁石中で右に偏向し
たビームよりも大幅に偏向し、これらの偏向の角度の差
は、イオン源を合焦用磁石の前方焦面に置くことによ
り、正確に補償できる。全体的結果として、衝突角度が
変化することなく、単にターゲット上の衝突点がシフト
する。したがって、不純物イオン・ビームを、この図で
破線19で示す、合焦用磁石のイオン光軸で表されるシ
リコンのイオン・ビームと正確に一致するように操作す
ることが可能となる。
【0039】ビームの衝突角度を正確に補償しながら、
衝突位置を変化させるように操作することが可能である
が、実際にはこのことはあまり重要ではないことが分か
っている。操作によって起こるイオン軌跡の角度変化は
比較的小さく、合焦用磁石によってある程度は補償され
る。したがって、正確な補償のための調節を行わなくて
も、衝突角のばらつきは通常減速レンズによって生じる
衝突角のばらつきより小さく、また通常はそれによって
対処できる分散角の範囲内である。
【0040】このような本発明の質量分析前に偏向を行
う態様は、光学系全体の幾何形状を保持しながら、質量
分析後の構造を追加する必要がない。これは、抽出器/
加速レンズが、加速用ギャップ(たとえばイオン源のプ
ラズマとスプリット加速プレートの間隔)の約3倍の負
の焦点距離を有する円筒形の発散レンズであるためであ
る。ビームの操作は、加速レンズを図4の矢印36で示
すように移動することによって行うこともできる。この
場合、静電補償を行っても行わなくてもよい。合焦用磁
石によって補償が行われるので、操作電圧差の調節は、
システムの他の操作パラメータとは無関係であり、ター
ゲットにおける最大不純物イオン流または質量分析開口
の出力の調節のみが必要である。
【0041】次に図5は、全般的に図2に対応する合焦
用磁石の断面図を示す。この実施例は、以下に詳細に説
明する3対のコイル54、54^、55、55^及び5
6、56^を含む。磁極片22、23は図2に対応する
ものである。通常は120A程度の等しい電流が各コイ
ル対を通過する場合、上記のように破線57で示す高い
均一性を持った磁場が生じる。
【0042】上記のように、高真空で不活性ガスとシラ
ンの混合物中で、ビーム・エネルギーが約5keVを超
えるときでも、イオン・ビームに沿ってプラズマが発生
する。このプラズマは、イオンと電子を含み、イオン・
ビーム51内及びその周囲に定常状態で分布して、ビー
ムの空間電荷を完全に中和すると考えられる。また上記
のように、ビームのエネルギーがそれより低いときは、
空間電荷の中和が不十分になり、イオンの相互反発が生
じて合焦用磁石の質量分析機能を妨害するため、ビーム
電流が減少する。低イオン・エネルギーで空間電荷を中
和するために気圧を高くしてプラズマ密度を増大させる
と、真空チャンバ内の大気分子との電荷の交換により、
ビーム電流が失われる。
【0043】高エネルギー装置では、ガス・レーザ、核
融合炉等、いくつかのプラズマ閉じ込め技術が知られて
いるが、これらはこれまで、固有のプラズマ密度を保持
するために、比較的低いエネルギーの装置に利用された
ことはなかった。したがって、本発明の別の態様では、
発生したプラズマをイオン・ビーム装置の磁石内に閉じ
込める。これにより、イオンのエネルギーが低くても、
プラズマ密度を、高い平衡レベルに保持することがで
き、イオンのエネルギー、真空中の大気密度、あるいは
その両方を下げることが可能になる。このことにより、
これまではこのような高いビーム電流が維持できなかっ
た、真空中及びイオン・エネルギー条件下でも、質量分
析中に高いビーム電流を維持することが可能になる。
【0044】磁石中を高真空にすると、ビームは、正に
帯電したイオンが磁石のギャップの中心に向かって分布
する。発生したプラズマは、最初は電子と正に帯電した
イオンの数が等しく、それらが急速に分布して平衡状態
に達する。電子はビーム51内及びその周囲に多く、ビ
ームを取り巻く正のプラズマ・イオンの相互反発が、5
2に示すように、ビーム中のイオンの相互反発と(もち
ろんビーム中の電子に向かう引力によって穏やかに)平
衡になる。電子はまた、磁石のギャップ内の磁極片の表
面近くの一般に53で示す領域の磁力線上で捕捉され
る。
【0045】イオン・ビーム装置では通常レースウェイ
を使用する。磁石のギャップ内を通る従来のレースウェ
イは、全ての表面を共通の電位、通常は接地電位に保
ち、ビームの通路が妨害されないようにするためのもの
であった。したがって、多くのプラズマ電子がレースウ
ェイ壁面との接触によって失われ、ビームの空間電荷の
中和に用いられるプラズマ密度が低下した。本発明で
も、図4及び図5で44に示す一般的構成のレースウェ
イを使用するが、下記に詳細に説明するように、プラズ
マ密度の空乏化を防止するために、静電的または磁気的
にこれらの電子を閉じ込める。したがって、電子はレー
スウェイ44との接触によりプラズマから除去されない
ので、背景ガスのイオン化は、従来技術よりも低いイオ
ン・エネルギーまたは高い真空度、あるいはこれらの両
方で、有効なビーム誘導プラズマ源となりうる。
【0046】本発明の好ましい実施例で使用するのに適
した磁気閉じ込めは、図6に図示する磁気ミラー閉じ込
めと呼ばれる形をとることができる。このタイプのプラ
ズマ閉じ込めは、磁力線61で示すように、磁極の近く
で磁場の勾配を増大させる。一定の磁位の輪郭は磁力線
に垂直であり、合焦用磁石の磁極片の所にある鎖線62
で示す。磁場の構成は、たとえば180Aの大電流をコ
イル54、54、56、56に通し、たとえば0ないし
60Aのこれより小さい電流をコイル55、55に通す
ことによって形成できる。明らかに、磁場は、単に質量
分析開口16におけるイオン・ビーム電流を最大にする
ことによって正しいビームの合焦を維持しながら、磁気
ミラー閉じ込めが最適になるようにコイル55、55^
を流れる電流を変化させることによって、随意の形にす
ることができる。本発明の他の形態では、磁気ミラー閉
じ込めは、磁極片の形状を変えることによっても行うこ
とができる。電子が磁極片に近付くにつれて、増大する
磁場が電子を偏向させ、ついには電子が磁極片に到達し
なくなる。
【0047】米国特許第4383177号明細書に開示
されている、イオン源として使用された代替の適切な磁
気閉じ込めも、適当に簡単な構成であり、多極閉じ込め
と呼ばれる。この種のプラズマ電子閉じ込めでは、図7
及び図8に示すように、小型の永久磁石64を磁極片の
内側もしくは外側に置き、あるいは永久磁区を磁極片自
体の内部に形成することができる。多極閉じ込めでは、
少数の磁区または磁石(以下では「磁区」と総称する)
を反対の向きに配向させながら、磁極片の表面の主要部
分の上で磁場がわずかに強くなるように磁石または磁区
を配置することができる。図4の線C−Cに垂直な線B
−Bに沿った合焦用磁石の断面を示す図8に示すよう
に、磁石または磁区の分布は、二次元であり、磁極片の
表面全体にわたって規則的であることが好ましい。磁区
69のパターンが蜂の巣形になるように六角形のアレイ
になった、磁区69に対応する反対の極性の6つの磁区
で囲まれた、磁区68に対応するある極性の磁区など、
多くのパターンが可能である。一方の磁極片上の磁区
が、他方の磁極片の対応する磁区と整列することが望ま
しいが、その効果は主として局部的なものであり、イオ
ン・ビームの外側であるため、本発明の実施にはそれほ
ど重要ではない。磁気ミラー閉じ込めの場合と同様に、
このパターンに従って変更した磁場は、磁区の位置に対
応するくぼみを形成して、磁極片の形状を変えることに
よっても形成できるが、この方法はあまり効果的ではな
く、磁極片の磁気抵抗を低く保ちながら、くぼみが収容
できるように磁極片を大きくする必要がある。
【0048】このように磁極片の表面上の磁場の強さを
局部的に変化させる手段をパターンに従って配置する
と、磁極片表面の大部分の上の磁場が増大し、図7に鎖
線63で示すように、これらの領域で磁気ミラー効果が
生じる。もちろん、磁場が低下した領域で一部の電子が
失われるが、これらの領域の磁極片の表面全体に対する
割合にほぼ比例する割合で失われるにすぎない。
【0049】この特定の応用分野での静電閉じ込めで
は、図9に示すように、導電性電極66を、好ましくは
絶縁体65により、レースウェイ44の断面内で、磁極
の表面上またはその上方に設け、直流供給源67から−
5〜−200Vの範囲の負電圧を印加して、捕捉された
電子を電極及びレースウェイからわずかな距離だけ反発
させる。これにより、電子が、磁極片を通ってまたはレ
ースウェイ44を通って接地される電流を形成すること
が、効果的に防止される。何らかの方法で、たとえば合
焦用磁石の上流側にあるビーム成形用開口によってイオ
ン・ビームから保護するなら、絶縁体も使用できる。
【0050】どんな方法で実施しようと、プラズマ電子
閉じ込めの効果は明らかである。図6に示すように、本
発明によれば磁気ミラー閉じ込めの実験の結果、ビーム
電流が少なくとも20%増大した。したがって、従来は
空間電荷の不完全な(たとえば約99%未満の)中和ま
たは電荷の移動のためにイオン・ビーム電流が減少して
いた、合焦用磁石内でのプラズマ閉じ込めによって、か
なりの動作の余裕が得られる。
【0051】上記のプラズマ閉じ込めによるプラズマ密
度の増大に加えて、本発明によれば、上記のようにイオ
ン・ビーム自体のエネルギーによる以外の方法で、磁石
内にプラズマを発生させることも可能である。これは、
本発明によれば、高周波の電場または磁場を磁石自体の
キャビティ(たとえばレースウェイ44を使用する場合
はその内部)に導入することによって行う。背景ガスと
の結合エネルギーと、5keV未満のビーム・イオン・
エネルギーのイオン・ビームによって発生された電子と
が、プラズマ密度、特に磁石内の電子密度を増大させ、
したがってイオン・ビームの空間電荷を中和するために
より多数の電子が利用できるようになる。ビームの空間
電荷を中和するのにより高密度の電子が使用できるの
で、低い圧力(たとえば高真空レベル)及びビーム・イ
オン・エネルギーでビームを損なわれない状態に保つこ
とができ、したがって電荷の交換によって失われるイオ
ン・ビーム電流の量がさらに減少し、減速レンズの設計
及び動作の要件が軽減される。本発明によれば、上記の
ようなプラズマ閉じ込め技術を使用するかしないかにか
かわらず、高周波及びマイクロ波によるビーム・プラズ
マが使用できるが、付着装置の必要電力に関して効率を
最大にし、ビーム電流を高め、質量分析中のビーム・イ
オン・エネルギーを最小にし、減速の必要性を最小に
し、減速中のビーム収束のロスを最小にし、イオン付着
エネルギーを最小にするためには、これらの技術を併用
することが好ましいことに留意されたい。
【0052】次に図10を参照すると、図5、図6、図
7、図9と同様の合焦用磁石の、断面C−Cで切った断
面図が再び示されている。レースウェイ44を使用する
こともあるが、わかりやすいようにこれらの図ではそれ
を省略してある。本発明の1実施例によれば、好ましく
は図のように薄い、合焦用磁石またはレースウェイの内
部に合致する一般に長方形のコイル71、72を設け
る。これらのコイルは、図のような極性にし、好ましく
は約15〜40MHzの範囲の周波数で、約100〜3
00Wの電力で駆動することが好ましい。これらのコイ
ルは、本質的に高周波(RF)アンテナを構成し、イオ
ン・ビーム電流及び合焦用磁石の磁場の両方に垂直な高
周波磁場を発生させる。不可欠な要件は、高周波アンテ
ナによって発生する磁場が、合焦用磁石の直流磁場に実
質的に垂直であることである。これによりヘリコン波が
発生し、プラズマを励起させる。他のコイルの構成も可
能であり、そのほうが有利なこともある。たとえば、サ
ーペンタイン・コイルと呼ばれる構成を使用して、イオ
ン・ビームを包囲し、レースウェイの断面の制限を避け
ることもできる。イオン速度または合焦用磁石を通る通
過時間に比べて、周波数が高いので、イオン・ビームの
通路は、合焦用磁石内の背景ガスへの高周波エネルギー
の結合によって実質的に影響を受けず、低イオン・エネ
ルギーのイオン・ビームによって発生するプラズマの小
さい密度を補完するためのプラズマを発生させることが
できる。
【0053】合焦用磁石内のプラズマの高周波磁気駆動
の代替方法として、図11及び図12に示すようにマイ
クロ波駆動を使用することもできる。図13では、レー
スウェイ44が示されているが、それはこの実施例に好
都合な構成をもたらすからであり、他の実施例と同様必
ずしも必要ではない。プラズマのマイクロ波駆動では、
好ましくは約100〜250Wで、2.4GHzまたは
磁石中の磁場のサイクロトロン共鳴周波数に近い周波数
のマイクロ波を、好ましくはアンテナ73を形成する同
軸ケーブル74で形成される導波管を通じて、合焦用磁
石のギャップに供給する。同軸ケーブルは、図12に示
すように、好ましくはレースウェイ中の、イオン源から
のイオン・ビームが合焦用磁石に入る磁極片の近くにあ
る孔及び真空シールを介してキャビティに誘導する。こ
の位置は重要ではなく、磁石の磁極片に孔をあけて導波
管及び真空シール75用の窓を形成してもよいが、特に
そうする理由もない。
【0054】この特定の形のプラズマ駆動の利点は、エ
ネルギーを磁石中の背景ガスに結合する手段が、最小量
の磁石断面積しか必要としないことである。この点に関
連して、磁石キャビティに貫入しない他の形の導波管も
使用できる。
【0055】次に図4の断面C−Cで切った断面図を示
す図13を参照すると、プラズマへの高周波エネルギー
の静電結合を利用した別の形のプラズマ駆動が示されて
いる。接地したレースウェイ44内に絶縁体75を設け
て、磁極片22、23の上方で導電性プレート76を支
持する。導電性プレート76は、スイッチ73を閉じて
高周波エネルギーを合焦用磁石内の背景ガス及び電子に
結合したとき、結合ネットワーク72及び変圧器74を
介して高周波源71から駆動され、上記の磁気及びマイ
クロ波の実施例と同様にプラズマを生成する。
【0056】合焦用磁石またはレースウェイの内部の構
造は、ビーム誘導プラズマの静電閉じ込めに使用した図
9のものと同一である。したがって、静電閉じ込めを選
択すべき場合は、この静電結合した高周波駆動装置も、
イオン・ビームが通過する合焦用磁石のキャビティをさ
らに狭くせずに使用することができる。この場合、磁気
閉じ込め電位は、直流電源79から供給できる。電源7
9は、図9の67に類似しているが、さらに高周波信号
が直流電源67に妨害を与えることを防止するためのチ
ョーク78を含んでいる。
【0057】以上のことから、質量分析式イオン・ビー
ム装置によって低温で単結晶半導体をエピタキシャル成
長させる装置が提供される。この装置は特に、ビームの
均一性とビーム電流が高く、かつ質量の異なるイオンを
簡単にしかも正確に収束させながら、すべてのイオン源
からターゲット上への衝突角が均一なことを特徴とす
る。新規の合焦/質量分析用磁石の設計と、磁石内での
プラズマ閉じ込めまたはプラズマ発生により、質量分析
用磁石の半径方向の平面内にビームを合焦させることに
よって、高純度の質量分析と矛盾しない高いビーム電流
が維持されて、イオン・ビームの空間電荷が中和され、
背景ガスによる電荷の移動による収束またはビーム電流
のロスが避けられる。この背景ガスの圧力を、他のシス
テム要件に矛盾しないように減少させて、低イオン・エ
ネルギーでの付着純度と付着ビーム電流を増大させるこ
とができる。
【0058】本発明の様々な特徴は、単独でも、どのよ
うに組み合せても使用でき、従来の技術で知られている
イオン付着システムより性能が改善されるが、イオン付
着及び付着装置自体の操作の効率を最高にするには、そ
れらの特徴を同時に併用するのが好ましいことを理解さ
れたい。
【0059】本発明を、好ましい実施例及び、特定の特
徴を有する様々な実施例について説明したが、当業者に
は、本発明を頭記の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で
変更を加えて実施できることが理解されよう。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
イオン・ビーム電流とビーム電流密度を増大させた、質
量分析したイオン・ビームを用いて、結晶材料をエピタ
キシャル成長させるための方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイオン・ビーム・エピタキシャル
成長装置の全体図である。
【図2】図1の合焦用磁石を図1のA−Aに沿って切っ
た断面図である。
【図3】本発明による、ビームを操作するための分割加
速プレートの使用を示す、イオン源の概略図である。
【図4】図3の分割加速プレートの動作の図をわかりや
すくするために、一部の構成要素を除去した、図1の装
置を示す図である。
【図5】図1及び図4の本発明による合焦コイルを、図
4のC−Cに沿って切った断面図である。
【図6】磁気ミラーによるプラズマの閉じ込めを示す、
図5に類似の合焦コイルの断面図である。
【図7】多極磁気プラズマ閉じ込めを示す、図4の合焦
コイルを線C−Cに沿って切った断面図である。
【図8】多極磁気プラズマ閉じ込めを示す、図4の合焦
コイルを線C−Cに沿って切った断面図である。
【図9】静電プラズマ閉じ込めを示す、図5に類似の合
焦コイルの断面図である。
【図10】ヘリコン高周波プラズマ発生を示す、図5に
類似の合焦コイルの断面図である。
【図11】マイクロ波プラズマ発生を示す、図4の合焦
コイルを線C−C及びB−Bに沿って切った断面図であ
る。
【図12】マイクロ波プラズマ発生を示す、図4の合焦
コイルを線C−C及びB−Bに沿って切った断面図であ
る。
【図13】静電結合高周波プラズマ発生を示す、図5に
類似の合焦コイルの断面図である。
【符号の説明】
11、12、13 イオン源 14 磁石 15 真空チャンバ 16 減速レンズ 17 ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デニス・ケイス・カルタス アメリカ合衆国12533、ニユーヨーク州ホ ープウエル・ジヤンクシヨン、オークリツ ジ・ロード 3番地

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1のイオン源を有する、半導
    体材料の低温エピタキシャル成長用のイオン・ビーム付
    着装置において、 上記イオン・ビームを合焦させてアスペクト比の高いパ
    ターンにする手段を含み、さらに上記少なくとも第1の
    イオン源からのイオン・ビームを質量分析する手段を有
    する磁石手段を含むことを特徴とするイオン・ビーム付
    着装置。
  2. 【請求項2】上記磁石手段が、 弓形のイオン光軸と、上記弓形のイオン光軸の中心近く
    に位置する第1の磁石の極と上記第1の磁石から見て上
    記イオン・ビームの反対側に位置する第2の磁石の対応
    する極とを接合する2個の磁極片とを有し、これにより
    上記磁石手段内にキャビティを画定することを特徴とす
    る、請求項1の装置。
  3. 【請求項3】上記第1及び第2の磁石が電磁石であるこ
    とを特徴とする、請求項2の装置。
  4. 【請求項4】上記イオン源が多開口イオン源であり、 上記磁石手段が、焦点距離を調節して、上記多開口イオ
    ン源からのイオン・ビームを少なくとも1つの平面内に
    収束させる手段を含むことを特徴とする、請求項1の装
    置。
  5. 【請求項5】さらに少なくとも1つの第2のイオン源を
    有することを特徴とする、請求項1の装置。
  6. 【請求項6】さらに上記磁石手段内で発生するプラズマ
    を閉じ込める手段を有することを特徴とする、請求項1
    の装置。
  7. 【請求項7】抽出開口の二次元アレイを有する少なくと
    も1つのイオン源からのイオン・ビームから材料をイオ
    ン付着させることにより、表面上に材料を付着させる方
    法において、 弓形のイオン光軸を有する単一の磁石手段を用いて、上
    記ビームを質量分析させると同時に、少なくとも1つの
    平面内に合焦させる工程を含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】さらに、上記磁石手段の幅に沿った、上記
    イオン・ビームが上記磁石手段に入る位置に応じて、上
    記イオン・ビームの少なくとも一部分を、上記ビームの
    他の部分のパス長と異なる選択可能なパス長に従わせる
    工程を含む、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】さらに、上記磁石手段内で発生したプラズ
    マを、上記磁石手段の磁極から離れた位置に閉じ込める
    工程を含む、請求項7の方法。
  10. 【請求項10】さらに、上記磁石手段内で、上記イオン
    ・ビームとは独立にプラズマを発生させる工程を含む、
    請求項7の方法。
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