JPH05124875A - ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する物品 - Google Patents
ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する物品Info
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- JPH05124875A JPH05124875A JP3311487A JP31148791A JPH05124875A JP H05124875 A JPH05124875 A JP H05124875A JP 3311487 A JP3311487 A JP 3311487A JP 31148791 A JP31148791 A JP 31148791A JP H05124875 A JPH05124875 A JP H05124875A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ダイヤモンド様薄膜保護膜を強固に結合した
物品を得ること。 【構成】 ダイヤモンド様薄膜との親和性が悪い基体の
表面に、けい素と炭素の非晶質混合物からなる中間層を
設け、その上にダイヤモンド様薄膜を形成する。 【効果】 ダイヤモンド様薄膜保護膜の物品への結合が
強固になる。
物品を得ること。 【構成】 ダイヤモンド様薄膜との親和性が悪い基体の
表面に、けい素と炭素の非晶質混合物からなる中間層を
設け、その上にダイヤモンド様薄膜を形成する。 【効果】 ダイヤモンド様薄膜保護膜の物品への結合が
強固になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難接着性の物品基体に
対するダイヤモンド様薄膜の接着性ないし結合性を向上
させる技術に関する。
対するダイヤモンド様薄膜の接着性ないし結合性を向上
させる技術に関する。
【0002】
【従来技術】気相法により製造されるダイヤモンド様薄
膜は硬度が高く、耐摩耗性、耐久性、耐薬品性、耐食性
等に優れており、また任意形状の物品に被着できるた
め、こうした特性の一つ以上が必要な物品の保護膜とし
て有用である。気相法によるダイヤモンド様薄膜製造方
法には各種の形式がある(例えば「表面化学」第5巻第
108号(1984年)第108−115頁の各種の方
法参照)。ダイヤモンド様薄膜は任意形状の保護すべき
物品の表面に被覆され、耐食性、耐摩耗性などの保護膜
として広く利用される。
膜は硬度が高く、耐摩耗性、耐久性、耐薬品性、耐食性
等に優れており、また任意形状の物品に被着できるた
め、こうした特性の一つ以上が必要な物品の保護膜とし
て有用である。気相法によるダイヤモンド様薄膜製造方
法には各種の形式がある(例えば「表面化学」第5巻第
108号(1984年)第108−115頁の各種の方
法参照)。ダイヤモンド様薄膜は任意形状の保護すべき
物品の表面に被覆され、耐食性、耐摩耗性などの保護膜
として広く利用される。
【0003】ダイヤモンド様薄膜はシリコン等の基体に
は強固に結合し得るが、物品の種類によっては基体に対
する結合力が弱く、外力の作用で基体から剥離し易い問
題があった。そのため保護被覆として耐食性、耐摩耗性
等が必要な用途において充分に効果を発揮出来ない。特
にFe系の金属又は合金(例えば軟鋼(STC)、ステ
ンレス鋼、焼き入れ鋼(SKD、SKS)等)、その他
Co、Niなどの金属の合金、ガラス、セラミックス等
はダイヤモンド様薄膜に対する結合力が弱いことが知ら
れている。鉄を主成分とする基体は例えば機構部材、摺
動部材等最も工業的価値の高いものであるし、又ガラス
やセラミックスではサーマルヘッド等の摺動部分などに
使用されるなど、広い用途を有するので、これらの基体
の表面に形成されるダイヤモンド様薄膜の基体への接着
性を向上させることが重要である。
は強固に結合し得るが、物品の種類によっては基体に対
する結合力が弱く、外力の作用で基体から剥離し易い問
題があった。そのため保護被覆として耐食性、耐摩耗性
等が必要な用途において充分に効果を発揮出来ない。特
にFe系の金属又は合金(例えば軟鋼(STC)、ステ
ンレス鋼、焼き入れ鋼(SKD、SKS)等)、その他
Co、Niなどの金属の合金、ガラス、セラミックス等
はダイヤモンド様薄膜に対する結合力が弱いことが知ら
れている。鉄を主成分とする基体は例えば機構部材、摺
動部材等最も工業的価値の高いものであるし、又ガラス
やセラミックスではサーマルヘッド等の摺動部分などに
使用されるなど、広い用途を有するので、これらの基体
の表面に形成されるダイヤモンド様薄膜の基体への接着
性を向上させることが重要である。
【0004】基体に前処理を行なって接着性を向上する
ことは特開昭60−200898号、同60−2046
95号、同61−174376号等で提案されている。
ことは特開昭60−200898号、同60−2046
95号、同61−174376号等で提案されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】特開昭60−200898号
ではCo−WC合金を基体とし、その表面にダイヤモン
ド様薄膜を高硬度膜として付けるに当たり、基体の表面
に予めグロー放電を直接作用させることによりイオンエ
ッチングすることを提案しているが、加速電圧は印加さ
れていないからエッチング効率は接着性向上の面からは
充分でなく本発明が目的する接着性の向上は充分に得ら
れない。特開昭60−204695号も上記技術と同様
に成膜速度の向上を意図してArガスを減圧室内に導入
し正負電極間に電圧を加えてプラズマを作りこれを基体
に作用させるのであるが、プラズマのイオン濃度は低い
のでエッチング効果は接着性向上の観点からは低い。特
開昭61−174376号は基体の接着性を向上するた
めにプラズマガスで基体を処理した後、酸化処理して酸
化物被膜を形成することを記載している。しかし、プラ
ズマは先ず拡散によって正イオンが正電位のグリッドを
通り抜ける必要があり、成膜に必要な充分な量の正イオ
ンが基体に到達出来ないので結果として効率の悪い方法
である。従って従来公知の技術では基体とダイヤモンド
様薄膜との間の接着力が充分に高い成膜は可能でなかっ
た。また特開平3−80190号にはイオンを加速して
基体表面を衝撃する方法が記載され、上記の各方法より
は優れているが必ずしも充分な結合力が得られていな
い。
ではCo−WC合金を基体とし、その表面にダイヤモン
ド様薄膜を高硬度膜として付けるに当たり、基体の表面
に予めグロー放電を直接作用させることによりイオンエ
ッチングすることを提案しているが、加速電圧は印加さ
れていないからエッチング効率は接着性向上の面からは
充分でなく本発明が目的する接着性の向上は充分に得ら
れない。特開昭60−204695号も上記技術と同様
に成膜速度の向上を意図してArガスを減圧室内に導入
し正負電極間に電圧を加えてプラズマを作りこれを基体
に作用させるのであるが、プラズマのイオン濃度は低い
のでエッチング効果は接着性向上の観点からは低い。特
開昭61−174376号は基体の接着性を向上するた
めにプラズマガスで基体を処理した後、酸化処理して酸
化物被膜を形成することを記載している。しかし、プラ
ズマは先ず拡散によって正イオンが正電位のグリッドを
通り抜ける必要があり、成膜に必要な充分な量の正イオ
ンが基体に到達出来ないので結果として効率の悪い方法
である。従って従来公知の技術では基体とダイヤモンド
様薄膜との間の接着力が充分に高い成膜は可能でなかっ
た。また特開平3−80190号にはイオンを加速して
基体表面を衝撃する方法が記載され、上記の各方法より
は優れているが必ずしも充分な結合力が得られていな
い。
【0006】そこで本発明者らは特願平3−14267
8号でMoを中間層として接着性を改善することを提案
した。この中間層はすぐれた結合力を生じることがわか
った。本発明者らは中間層として他の物質を試みたとこ
ろ、同出願に記載したものと同等以上の効果を得た。し
たがって、本発明の目的は、基体に対する結合力ないし
接着力が大きく、耐剥離性で耐久性の向上したダイヤモ
ンド様薄膜を具備した物品を提供することにある。
8号でMoを中間層として接着性を改善することを提案
した。この中間層はすぐれた結合力を生じることがわか
った。本発明者らは中間層として他の物質を試みたとこ
ろ、同出願に記載したものと同等以上の効果を得た。し
たがって、本発明の目的は、基体に対する結合力ないし
接着力が大きく、耐剥離性で耐久性の向上したダイヤモ
ンド様薄膜を具備した物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、Co、Ni、
Feの少なくとも一種を含む合金、セラミックス及びガ
ラスよりなる群より選択され且つダイヤモンド様薄膜と
の親和性が悪い基体の表面に、けい素と炭素の非晶質混
合物からなる中間層と、ダイヤモンド様薄膜を順に形成
した保護膜を有する物品を提供する。なお、成形あるい
は加工用金型は他の特許出願の対象としたので本発明か
らは除外される。
Feの少なくとも一種を含む合金、セラミックス及びガ
ラスよりなる群より選択され且つダイヤモンド様薄膜と
の親和性が悪い基体の表面に、けい素と炭素の非晶質混
合物からなる中間層と、ダイヤモンド様薄膜を順に形成
した保護膜を有する物品を提供する。なお、成形あるい
は加工用金型は他の特許出願の対象としたので本発明か
らは除外される。
【0008】本発明に使用する中間層の物質は、次の3
種の物質のガスより誘導される非晶質の混合物である。
ここにガスとは次の1の炭素及びけい素を共に含有する
低分子量の化合物のガス、2と3、1と2、1と3、ま
たは1と2と3の低分子量の物質の混合ガスである。ダ
イヤモンド様薄膜を支持するので中間層も十分な硬度が
必要である。 (1)有機けい素化合物−メチルシランCH3 SiH
3 、ジメチルシラン(CH3 )2 SiH2 、トリメチル
シラン(CH3 )3 SiH、テトラメチルシランSi
(CH3 )4 。 (2)けい素化合物−シランSiH4 ,ジシランSi2
H6 、四フッ化けい素SiF4 。 (3)炭素化合物−メタンCH4 、エタンC2 H6、プ
ロピレンC3 H8 、エチレンC2 H4 、アセチレンC2
H2 。
種の物質のガスより誘導される非晶質の混合物である。
ここにガスとは次の1の炭素及びけい素を共に含有する
低分子量の化合物のガス、2と3、1と2、1と3、ま
たは1と2と3の低分子量の物質の混合ガスである。ダ
イヤモンド様薄膜を支持するので中間層も十分な硬度が
必要である。 (1)有機けい素化合物−メチルシランCH3 SiH
3 、ジメチルシラン(CH3 )2 SiH2 、トリメチル
シラン(CH3 )3 SiH、テトラメチルシランSi
(CH3 )4 。 (2)けい素化合物−シランSiH4 ,ジシランSi2
H6 、四フッ化けい素SiF4 。 (3)炭素化合物−メタンCH4 、エタンC2 H6、プ
ロピレンC3 H8 、エチレンC2 H4 、アセチレンC2
H2 。
【0009】中間層を形成するための方法は、特願平2
−14480号に記載されているバイアス印加プラズマ
CVD法、または特開昭58−174507号及び特開
平1−234396号に記載されたイオン化蒸着法が使
用できる。ここで中間層の成膜後、その膜を空気にさら
すことなく次のダイヤモンド様薄膜の形成工程に移行す
ることが望ましい。このため同じ真空槽を使用すること
が必要である。なお、好ましくはこの工程に先立って、
成膜装置の真空室内に前記基体を配置し、Ar等のボン
バード用ガスを前記真空室内に導入し、熱陰極フィラメ
ントとその周りに設けられた対陰極とよりなるイオン化
手段により電離してイオンの流れを形成し、これを前記
対陰極よりも低電位にあるグリッドにより加速して基体
の表面をボンバードして活性化する前工程を採用しても
よい。
−14480号に記載されているバイアス印加プラズマ
CVD法、または特開昭58−174507号及び特開
平1−234396号に記載されたイオン化蒸着法が使
用できる。ここで中間層の成膜後、その膜を空気にさら
すことなく次のダイヤモンド様薄膜の形成工程に移行す
ることが望ましい。このため同じ真空槽を使用すること
が必要である。なお、好ましくはこの工程に先立って、
成膜装置の真空室内に前記基体を配置し、Ar等のボン
バード用ガスを前記真空室内に導入し、熱陰極フィラメ
ントとその周りに設けられた対陰極とよりなるイオン化
手段により電離してイオンの流れを形成し、これを前記
対陰極よりも低電位にあるグリッドにより加速して基体
の表面をボンバードして活性化する前工程を採用しても
よい。
【0010】得られる中間層は結晶質ではなくて非晶質
である。後で比較する様に結晶質の中間層に比して大き
い結合力を生じる。また、中間層は最初はけい素成分を
多くし、成膜にしたがってけい素成分を減少させ、炭素
成分を多くすることが望ましい。これにより結合力を更
に向上させることができる。中間層の膜厚は0.02〜
3μmが好適であり、更に好ましくは0.05〜0.5
μmである。余り薄いと効果がなく、余り厚過ぎても効
果が飽和する。
である。後で比較する様に結晶質の中間層に比して大き
い結合力を生じる。また、中間層は最初はけい素成分を
多くし、成膜にしたがってけい素成分を減少させ、炭素
成分を多くすることが望ましい。これにより結合力を更
に向上させることができる。中間層の膜厚は0.02〜
3μmが好適であり、更に好ましくは0.05〜0.5
μmである。余り薄いと効果がなく、余り厚過ぎても効
果が飽和する。
【0011】イオン化蒸着法及びバイアス印加CVD法
による中間層の形成にあっては、前記の単独又は混合ガ
スを用いる。またイオン化蒸着法によるダイヤモンド様
薄膜の形成にあっては、炭化水素原料ガス又は分解又は
反応により炭化水素を生成し得る原料ガス(ここに炭化
水素とはメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化水素、
エチレン、プロピレン、アセチレン等の不飽和炭化水素
等があり、分解して炭化水素を生成し得る原料ガスはメ
チルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などがあ
り、又反応して炭化水素ガスを生成する原料ガスには一
酸化炭素、二酸化炭素と水素との混合ガス等がある。ま
た前記原料にはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
あるいは水素、酸素、窒素、水、一酸化炭素、二酸化炭
素、等の少なくとも一種を含ませることができる)を熱
陰極フィラメント−対陰極間のアーク放電、陰極熱フィ
ラメント−対陰極間の熱電子放出によるイオン化等の手
段でイオン化してイオン流とし、この流れを電場で加速
して基体に差し向けることによりダイヤモンド様薄膜を
成膜する方法であり、詳細は特開昭58−174507
号及び特開平1−234396号に記載されている。
による中間層の形成にあっては、前記の単独又は混合ガ
スを用いる。またイオン化蒸着法によるダイヤモンド様
薄膜の形成にあっては、炭化水素原料ガス又は分解又は
反応により炭化水素を生成し得る原料ガス(ここに炭化
水素とはメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化水素、
エチレン、プロピレン、アセチレン等の不飽和炭化水素
等があり、分解して炭化水素を生成し得る原料ガスはメ
チルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などがあ
り、又反応して炭化水素ガスを生成する原料ガスには一
酸化炭素、二酸化炭素と水素との混合ガス等がある。ま
た前記原料にはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
あるいは水素、酸素、窒素、水、一酸化炭素、二酸化炭
素、等の少なくとも一種を含ませることができる)を熱
陰極フィラメント−対陰極間のアーク放電、陰極熱フィ
ラメント−対陰極間の熱電子放出によるイオン化等の手
段でイオン化してイオン流とし、この流れを電場で加速
して基体に差し向けることによりダイヤモンド様薄膜を
成膜する方法であり、詳細は特開昭58−174507
号及び特開平1−234396号に記載されている。
【0012】図1に中間層及びダイヤモンド様薄膜の成
膜装置の好ましい例を示す。図中30は真空容器、31
はチャンバーであり、排気系38に接続されて10-6T
orr程度までの高真空に引かれる。32は基体Sの裏
面に設けられ負の電位Vaに保たれた電極である。基体
Sの表面に近接又は接触してダイヤモンド様薄膜の形状
を規制する窓を有するマスク42が設けられる。このマ
スクは基体に接していても良いが膜の周部の厚みを薄く
して割れ(クラック)を減じるためにはなるべくは離間
させる。33は基体と同一の電位Vaを与えられたグリ
ッドで成膜工程で炭化水素イオンの加速を行なうのに使
用される。このグリッド33は膜の連続性を高め且つ表
面を平滑にするため適正に定めた空間率(単位面積あた
りの穴の面積)と穴密度(単位長さあたりの穴の数)の
グリッドを使用し、或いはその面内方向に振動するため
の手段を有していても良い。34は負の電位Vdに維持
された熱陰極フィラメントであり、交流電源からの電流
Ifによって加熱されて熱電子を発生する。35は原料
ガスの供給口であり、37はガス供給通路、37’はプ
ラズマ励起室である。フィラメント34を取囲んで陽極
36が配置されている。この陽極はこの場合接地されて
いるが、フィラメントに対しては正の電圧Vdを有し、
電極32及びグリッド33に対しては正の電位Vaを与
えられている。フィラメント34、陽極36及び供給口
35の周りを取り囲んでイオン化ガスの閉じ込め用の磁
界を発生するために電源Vcからの電流Icで励磁され
る電磁コイル39が配置されている。従って、If、V
a、Vd、コイルの電流Icを調整することにより膜質
を変えることができる。
膜装置の好ましい例を示す。図中30は真空容器、31
はチャンバーであり、排気系38に接続されて10-6T
orr程度までの高真空に引かれる。32は基体Sの裏
面に設けられ負の電位Vaに保たれた電極である。基体
Sの表面に近接又は接触してダイヤモンド様薄膜の形状
を規制する窓を有するマスク42が設けられる。このマ
スクは基体に接していても良いが膜の周部の厚みを薄く
して割れ(クラック)を減じるためにはなるべくは離間
させる。33は基体と同一の電位Vaを与えられたグリ
ッドで成膜工程で炭化水素イオンの加速を行なうのに使
用される。このグリッド33は膜の連続性を高め且つ表
面を平滑にするため適正に定めた空間率(単位面積あた
りの穴の面積)と穴密度(単位長さあたりの穴の数)の
グリッドを使用し、或いはその面内方向に振動するため
の手段を有していても良い。34は負の電位Vdに維持
された熱陰極フィラメントであり、交流電源からの電流
Ifによって加熱されて熱電子を発生する。35は原料
ガスの供給口であり、37はガス供給通路、37’はプ
ラズマ励起室である。フィラメント34を取囲んで陽極
36が配置されている。この陽極はこの場合接地されて
いるが、フィラメントに対しては正の電圧Vdを有し、
電極32及びグリッド33に対しては正の電位Vaを与
えられている。フィラメント34、陽極36及び供給口
35の周りを取り囲んでイオン化ガスの閉じ込め用の磁
界を発生するために電源Vcからの電流Icで励磁され
る電磁コイル39が配置されている。従って、If、V
a、Vd、コイルの電流Icを調整することにより膜質
を変えることができる。
【0013】成膜にあたり、チャンバー31内を10-6
Torrまで高真空とし、ガス供給通路37のバルブを
操作して所定流量の中間層成膜用のガス、またはダイヤ
モンド成膜用のガス、場合によりそれと水素との混合ガ
ス、或いはそれとAr、He、Ne等のキャリアガス等
を各供給口35から導入しながら排気系38を調整して
所定のガス圧例えば10-1Torrとする。一方、複数
の熱陰極フイラメント34には交流電流Ifを流して加
熱し、フイラメント34と陽極36の間には電位差Vd
を印加して放電を形成する。供給口35から供給された
原料ガスは熱分解されるとともにフィラメントからの熱
電子と衝突してプラスのイオンと電子を生じる。この電
子は別の熱分解粒子と衝突する。電磁コイルの磁界によ
る閉じ込め作用の下に、このような現象を繰り返すこと
により原料ガスは熱分解物質のプラスイオンとなる。プ
ラスイオンは電極32、グリッド36に印加された負電
位Vaにより引き寄せられ、基体Sの方へ向けて加速さ
れ、基体に衝突して成膜反応を行ない、中間層またはダ
イヤモンド様薄膜を形成する。なお、各部の電位、電
流、温度等の条件については上に述べた条件の他、先に
引用した特許公報を参照されたい。
Torrまで高真空とし、ガス供給通路37のバルブを
操作して所定流量の中間層成膜用のガス、またはダイヤ
モンド成膜用のガス、場合によりそれと水素との混合ガ
ス、或いはそれとAr、He、Ne等のキャリアガス等
を各供給口35から導入しながら排気系38を調整して
所定のガス圧例えば10-1Torrとする。一方、複数
の熱陰極フイラメント34には交流電流Ifを流して加
熱し、フイラメント34と陽極36の間には電位差Vd
を印加して放電を形成する。供給口35から供給された
原料ガスは熱分解されるとともにフィラメントからの熱
電子と衝突してプラスのイオンと電子を生じる。この電
子は別の熱分解粒子と衝突する。電磁コイルの磁界によ
る閉じ込め作用の下に、このような現象を繰り返すこと
により原料ガスは熱分解物質のプラスイオンとなる。プ
ラスイオンは電極32、グリッド36に印加された負電
位Vaにより引き寄せられ、基体Sの方へ向けて加速さ
れ、基体に衝突して成膜反応を行ない、中間層またはダ
イヤモンド様薄膜を形成する。なお、各部の電位、電
流、温度等の条件については上に述べた条件の他、先に
引用した特許公報を参照されたい。
【0014】中間層を成膜する方法としては図2のバイ
アス印加プラズマCVD法も上記イオン化蒸着法より他
に使用できる。その中間層の成膜装置を例示する。51
はチャンバー、52はRF電源、53は基板電極、54
はRF電極、55は保護すべき基体、56は電極53、
54間にバイアス電圧を印加する可変直流バイアス電
源、57は原料ガスの導入口、及び58は排気口であ
る。電極間寸法は例えば約4cmである。バイアス電圧
は例えば−50V〜−5KVが使用できる。RF電力は
例えば50W〜2KW、反応時間は10〜60分等が使
用できる。中間層のけい素と炭素の非晶質混合物のビッ
カース硬度は300〜2500Kg/mm2が実現でき
る。以下に本発明を例示する。
アス印加プラズマCVD法も上記イオン化蒸着法より他
に使用できる。その中間層の成膜装置を例示する。51
はチャンバー、52はRF電源、53は基板電極、54
はRF電極、55は保護すべき基体、56は電極53、
54間にバイアス電圧を印加する可変直流バイアス電
源、57は原料ガスの導入口、及び58は排気口であ
る。電極間寸法は例えば約4cmである。バイアス電圧
は例えば−50V〜−5KVが使用できる。RF電力は
例えば50W〜2KW、反応時間は10〜60分等が使
用できる。中間層のけい素と炭素の非晶質混合物のビッ
カース硬度は300〜2500Kg/mm2が実現でき
る。以下に本発明を例示する。
【0015】
実施例1 原料としてSi2 H6 及びCH4 を用い、図1のイオン
化蒸着装置を使用して表1に示す物品基体(石英ガラス
(SUPRASIL(商品名):信越石英株式会社)及
びSKD11鋼板)の上に中間層を成膜し、次いでダイ
ヤモンド様薄膜を成膜した。すなわち、フィラメント3
4はコイル状としその幅3mm、その周りを取り囲む電
極36との隙間8mmとした。グリッド33は5mm/
分の速度で振動させた。If=25A、Va=−500
V、Vd=−30V、電磁コイルの磁束密度400Gの
条件で中間層を得た。X線で測定したところどこにもピ
ークが検出されず、中間層は非晶質であった。次に原料
をCH4 に切替え、If=25A、Va=−900V、
Vd=−30V、電磁コイルの磁束密度400Gの条件
で、膜厚3.0μmのダイヤモンド様薄膜を得た。
化蒸着装置を使用して表1に示す物品基体(石英ガラス
(SUPRASIL(商品名):信越石英株式会社)及
びSKD11鋼板)の上に中間層を成膜し、次いでダイ
ヤモンド様薄膜を成膜した。すなわち、フィラメント3
4はコイル状としその幅3mm、その周りを取り囲む電
極36との隙間8mmとした。グリッド33は5mm/
分の速度で振動させた。If=25A、Va=−500
V、Vd=−30V、電磁コイルの磁束密度400Gの
条件で中間層を得た。X線で測定したところどこにもピ
ークが検出されず、中間層は非晶質であった。次に原料
をCH4 に切替え、If=25A、Va=−900V、
Vd=−30V、電磁コイルの磁束密度400Gの条件
で、膜厚3.0μmのダイヤモンド様薄膜を得た。
【0016】実施例2 原料としてSi2 H6 及びCH4 を用い、図2のバイア
ス印加プラズマCVD装置を使用し、バイアス電圧−2
50V、流量60(cm3 min-1)、全圧0.025
Torr、RF電力500W、反応時間10分、基板温
度200℃、電極間距離4.0cm、の条件で中間層を
成膜した。X線で測定したところどこにもピークが検出
されず、中間層は非晶質であった。次いで実施例1によ
りイオン化蒸着法でダイヤモンド膜を成膜した。
ス印加プラズマCVD装置を使用し、バイアス電圧−2
50V、流量60(cm3 min-1)、全圧0.025
Torr、RF電力500W、反応時間10分、基板温
度200℃、電極間距離4.0cm、の条件で中間層を
成膜した。X線で測定したところどこにもピークが検出
されず、中間層は非晶質であった。次いで実施例1によ
りイオン化蒸着法でダイヤモンド膜を成膜した。
【0017】実施例3 原料として(CH3 )SiHを用い、実施例1と同様に
して中間層とダイヤモンド用薄膜を順に形成した。中間
層は非晶質であった。 実施例4
して中間層とダイヤモンド用薄膜を順に形成した。中間
層は非晶質であった。 実施例4
【0018】原料として(CH3 )SiHを用い、実施
例2と同様にして中間層とダイヤモンド用薄膜を順に形
成した。中間層は非晶質であった。
例2と同様にして中間層とダイヤモンド用薄膜を順に形
成した。中間層は非晶質であった。
【0019】比較例1 原料として、SiCl4 、CH4 、H2 、Arを用いプ
ラズマCVD法によりSiC中間層を成膜し、次いで実
施例1にしたがってダイヤモンド様薄膜を形成した。X
線で測定したところ中間層は結晶質であった。
ラズマCVD法によりSiC中間層を成膜し、次いで実
施例1にしたがってダイヤモンド様薄膜を形成した。X
線で測定したところ中間層は結晶質であった。
【0020】比較例2 Arガス中でSi3 N4 のターゲットを用い、RFスパ
ッタ法により中間層を成膜し、次いで、実施例1に従い
ダイヤモンド様薄膜を形成した。X線で測定したとこ
ろ、中間層は非晶質であった。
ッタ法により中間層を成膜し、次いで、実施例1に従い
ダイヤモンド様薄膜を形成した。X線で測定したとこ
ろ、中間層は非晶質であった。
【0021】得られた保護膜付き物品の保護膜の特性は
表1に示す通りであった。ただし密着力とスクラッチ力
の評価は次の通りであった。密着力は1cm角、長さ1
0cmの角柱をダイヤモンド様薄膜にエポキシ樹脂で接
着し、引張試験機(テンシロン−商品名)で引っ張って
剥離し測定を行なった。又スクラッチ力はRhesca
社製のCSR−02試験機で測定した。ただし、いずれ
の値も表1の第1行(イオン化蒸着法)の値を1.0と
した相対値である。
表1に示す通りであった。ただし密着力とスクラッチ力
の評価は次の通りであった。密着力は1cm角、長さ1
0cmの角柱をダイヤモンド様薄膜にエポキシ樹脂で接
着し、引張試験機(テンシロン−商品名)で引っ張って
剥離し測定を行なった。又スクラッチ力はRhesca
社製のCSR−02試験機で測定した。ただし、いずれ
の値も表1の第1行(イオン化蒸着法)の値を1.0と
した相対値である。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明によるとけい素と炭素の非晶質混
合物からなる比較例1、2よりけい素と炭素の結晶質の
中間層、けい素と炭素以外の中間層では非晶質でも密着
力が改善されず中間層を介在することによりダイヤモン
ド様薄膜を、通常では結合が困難な物品基体に施すこと
が可能になった。
合物からなる比較例1、2よりけい素と炭素の結晶質の
中間層、けい素と炭素以外の中間層では非晶質でも密着
力が改善されず中間層を介在することによりダイヤモン
ド様薄膜を、通常では結合が困難な物品基体に施すこと
が可能になった。
【図1】本発明に使用するイオン化蒸着装置の概要を示
す。
す。
【図2】本発明に使用するバイアス印加イオン化CVD
蒸着装置の概要を示す。
蒸着装置の概要を示す。
32 基体 33 グリッド 34 熱フィラメント 35 ガス導入口 36 陽極 39 電磁コイル 51 チャンバー 52 RF電源 53 基板電極 54 RF電極 55 保護すべき基体 56 電極53と54間にバイアス電圧を印加する直流
バイアス電源 57 ガス原料の導入口 58 排気口
バイアス電源 57 ガス原料の導入口 58 排気口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【発明の効果】本発明によるとけい素と炭素の非晶質混
合物からなる中間層を介在することにより、ダイヤモン
ド様薄膜を通常では結合が困難な物品基体に施すことが
可能になった。比較例1、2のように、けい素と炭素の
結晶質の中間層、けい素と炭素以外の中間層では非晶質
でも密着力が改善されない。
合物からなる中間層を介在することにより、ダイヤモン
ド様薄膜を通常では結合が困難な物品基体に施すことが
可能になった。比較例1、2のように、けい素と炭素の
結晶質の中間層、けい素と炭素以外の中間層では非晶質
でも密着力が改善されない。
Claims (4)
- 【請求項1】 Co、Ni、Feの少なくとも一種を含
む合金、セラミックス及びガラスよりなる群より選択さ
れ且つダイヤモンド様薄膜との親和性が悪い基体の表面
に、けい素と炭素の非晶質混合物からなる中間層と、ダ
イヤモンド様薄膜を順に形成した保護膜を有する物品。 - 【請求項2】 中間層はバイアス印加プラズマCVD法
またはイオン化蒸着法により形成されたものである請求
項1に記載の保護膜を有する物品。 - 【請求項3】 中間層の膜厚は0.02〜3.0μmで
ある請求項1または2に記載の保護膜を有する物品。 - 【請求項4】 中間層のけい素濃度が基体側からダイヤ
モンド様膜側へ向けて減少し、炭素濃度が逆の勾配にな
っていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
に記載の保護膜を有する物品。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3311487A JPH05124875A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する物品 |
| US08/209,337 US5541003A (en) | 1991-10-31 | 1994-03-10 | Articles having diamond-like protective thin film |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3311487A JPH05124875A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する物品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05124875A true JPH05124875A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=18017829
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3311487A Pending JPH05124875A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する物品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05124875A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000144426A (ja) * | 1998-11-17 | 2000-05-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 高硬度高密着性dlc膜の成膜方法 |
| WO2007132570A1 (ja) * | 2006-05-17 | 2007-11-22 | Toyo Advanced Technologies Co., Ltd. | ダイヤモンド様薄膜を備えた医療器具及びその製造方法 |
| JP2008230880A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | ダイヤモンド様薄膜の修飾方法及び超親水性材料、医療用材料、医療用器具とその製造方法 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP3311487A patent/JPH05124875A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000144426A (ja) * | 1998-11-17 | 2000-05-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 高硬度高密着性dlc膜の成膜方法 |
| WO2007132570A1 (ja) * | 2006-05-17 | 2007-11-22 | Toyo Advanced Technologies Co., Ltd. | ダイヤモンド様薄膜を備えた医療器具及びその製造方法 |
| US7931934B2 (en) | 2006-05-17 | 2011-04-26 | Toyo Advanced Technologies Co., Ltd. | Medical device having diamond-like thin film and method for manufacturing thereof |
| JP2008230880A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | ダイヤモンド様薄膜の修飾方法及び超親水性材料、医療用材料、医療用器具とその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010508 |