JPH05125094A - α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造方法 - Google Patents

α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造方法

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JPH05125094A
JPH05125094A JP4099320A JP9932092A JPH05125094A JP H05125094 A JPH05125094 A JP H05125094A JP 4099320 A JP4099320 A JP 4099320A JP 9932092 A JP9932092 A JP 9932092A JP H05125094 A JPH05125094 A JP H05125094A
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apm
methyl ester
aspartyl
phenylalanine methyl
benzyloxycarbonyl
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Choichiro Higuchi
長一郎 樋口
Ikumi Kitada
幾美 北田
Akinori Nagatomo
昭憲 長友
Tsuyoshi Enomoto
堅 榎本
Masanobu Ajioka
正伸 味岡
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に効率よくα−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステル製造する方法を提供
する。 【構成】 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルを接
触水素化還元してα−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニンメチルエステルを製造する方法において、該接
触水素化還元を、N−ベンジルオキシカルボニル−α−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ルの平均粒径が800μm以下の粒子を含む水性懸濁液
を用いて行なうことを特徴とするα−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンメチルエステル(以下、α−A
PMと略記する)の製造方法に関する。
【0002】α−APMはジペプチド系の甘味料として
広く知られており、良質な甘味特性ならびに蔗糖の20
0倍近い高甘味度を有し、ダイエット甘味剤としてその
需要が大きく伸長しているものである。
【0003】
【従来の技術】α−APMは、L−アスパラギン酸とL
−フェニルアラニンメチルエステルとから成るジペプチ
ド化合物であり、その製法に関しては化学的製造法を中
心に既に多数の方法が知られているが、N−保護−L−
アスパラギン酸無水物とL−フェニルアラニンメチルエ
ステルを出発原料とする方法が一般的である。
【0004】例えば、N−ベンジルオキシカルボニル−
L−アスパラギン酸無水物とL−フェニルアラニンメチ
ルエステル塩を、L−フェニルアラニンメチルエステル
塩の少なくとも当量の塩基の存在する不活性溶媒中で反
応し、生成したN−ベンジルオキシカルボニル−α−L
−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
(以下、Z−α−APMと略記する)をアルカリ塩とし
て水に取り出し、酸性にして水不混和性有機溶剤を用い
て抽出し、これをメタノール中で接触水素化還元するこ
とによりα−APMを得る方法が知られている(USP
3,808,190)。しかしこの方法は、抽出の際、
酸、アルカリを使うためにZ−α−APMの加水分解が
起こり、接触水素化還元後にα−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニン(以下、α−APと略記する)が生
成してしまう。
【0005】また、特公昭51−40071号公報に
は、N−ベンジルオキシカルボニル無水アスパラギン酸
とL−フェニルアラニンメチルエステルを有機溶媒中縮
合して得られるZ−α−APMを酢酸或いは酢酸、水混
合溶液を溶媒として接触水素化してα−APMを得る方
法が示されている。しかし、この方法では、還元後α−
APMを単離するために酢酸を留去する必要があり、そ
の際に甘味を持たない3−ベンジル−6−カルボキシメ
チル−2,5−ジケトピペラジン(以下、DKPと略記
する)が生成し、収率の低下と品質の劣化をもたらす。
【0006】あるいは、特公昭57−25537号公報
には、Z−α−APMを鉱酸水溶液の存在下白金族触媒
を用いて還元し、次いで得られた反応生成物水溶液を中
和するα−APMの製造法が示されている。しかしなが
ら、この方法では還元中に鉱酸によって生成したα−A
PMが加水分解してα−APを副生すること、又還元後
に塩基で中和する工程が必要である。さらにそれらの鉱
酸と塩基から生ずる塩類が、単離したα−APM中に混
入することは避けられず、アスパルテ−ムの製品品質の
低下をもたらす。
【0007】また、特公昭57−25538号公報に
は、N−ベンジルオキシカルボニル無水アスパラギン酸
とL−フェニルアラニンメチルエステルを脂肪族有機溶
剤中で反応させ、Z−α−APMを単離するか、もしく
は単離することなく鉄族触媒及び白金族触媒よりからな
る群から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下、接触
的に水素化して得られるα−APMを鉱酸水溶液に溶解
せしめ中和することによりα−APMを製造する方法が
示されている。しかしながら、単離されたZ−α−AP
Mは還元に適さない固体で、粉砕も困難である。また、
鉱酸水溶液を用いるために上記と同様に、α−APMが
加水分解して甘味のないα−APが副生することおよび
精製後のα−APMに無機塩が混入し、好ましくないと
いう欠点を有している。
【0008】また前述したいずれの従来技術においても
N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸を
出発原料とする場合、目的とするα−APMの他にβ−
APMの副生を避けることができない。このβ−APM
は、甘味効果がなくむしろ苦みを呈するため、その混入
はα−APMの商品価値を低下させる。
【0009】これら、α−APMとβ−APMの混合物
からα−APMを分離する方法としては、特開昭49−
6305号公報には、α−APMとβ−APMを水性媒
体中、β−レゾルシル酸と接触させ、α−APMを難溶
性の付加物とし、不純物のβ−APMと分離する方法が
示されている。この方法は、多量に含有する不純物とα
−APMを分離することができるものの、α−APMお
よびβ−APMと同量のβ−レゾルシル酸を用いるこ
と、また希薄水溶液中からα−APM付加塩を単離した
のち、水から再結晶することなど、操作が繁雑であるば
かりなく高価なα−APMの回収率が低く、経済的に不
利である。
【0010】また、特開昭49−41425号公報に
は、β−APMを含むα−APMを水性媒体中でハロゲ
ン化水素酸と接触させることによって、難溶性のα−A
PMのハロゲン化水素酸塩を生成させ、不純物として共
存するβ−APMを分離する方法が示されている。しか
しながら、ハロゲン化水素酸水溶液を過剰量使用して行
うこの分離方法は、α−APM中のβ−APMとの分離
は良好なものの、ハロゲン化水素酸水溶液に溶解させる
ため、α−APMのメチルエステルの加水分解が進行し
易く、α−APMハロゲン化水素塩の回収率が低い、ま
た反応器の材質に高価な耐酸性材料を用いる必要がある
などの欠点を有する。
【0011】また、このように酸の付加物として一担単
離したα−APMの鉱酸塩からα−APMを得るために
は、中和工程が必要である。通常、中和操作はα−AP
M鉱酸塩を水に溶解して、これに塩基を加えて中和する
ことにより、結晶として生成したα−APMを分離する
方法がとられるが、水溶液中にかなりの量のα−APM
を失うために、収率が低くなる。さらに、この濾液は、
鉱酸と塩基から生成した塩類を多量に含んでいるため、
前の工程に、再び使用することは困難である。また、こ
の方法で単離したα−APMは、塩類を多く含んでお
り、最終製品にするために、再結晶や脱塩等の操作が必
要であり、さらに収率が低下する。
【0012】このように、従来公知のα−APMの製造
法は、それぞれ欠点を有し、工業的な製法とするには必
ずしも満足できる方法ではない。特に、従来のZ−α−
APM還元工程における問題点を解決するためには、水
溶媒中で還元反応を行うことが望まれたが、この水還元
に適したZ−α−APM水性懸濁液を効率良く得る方法
はこれまで存在しなかったし、Z−β−APMを含むZ
−α−APMを接触還元した後、α−APMを単離する
方法において、高純度のものを高収率で得る方法は見出
されてはいなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不純物の含
有量の少ないα−APMを効率良くしかも高収率で工業
的に製造する方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、Z−α−APMを
水性溶媒中で白金属触媒存在下で接触還元して、α−A
PMを製造する際に、微細なZ−α−APMの水性懸濁
液を用いると、反応が速く進むだけでなく、副生物、特
に、α,βの組合せで4つの異性体を持つL−アスパル
チル−L−フェニルアラニンメチルエステルの生成が少
ないことを見出した。また、30重量%以下のZ−β−
APMを含むZ−α−APMを原料とする場合には、Z
−α−APMの水懸濁液を白金族触媒の存在下に還元し
た後、生成したα−APMを完全に溶解する温度で触媒
を分離し、その瀘洗液をβ−APMが析出しない温度ま
で冷却し、析出したα−APMを分離して、続いて水性
溶媒で再結晶生成を行うとともに、この再結晶工程で分
離されたα−APMを含む水性溶液部分を上記水懸濁液
に循環使用すると、接触水素還元後のα体とβ体との比
率(α/β比)が向上し、α−APMの単離収率が向上
することを見出し、本発明を完成した。
【0015】すなわち本発明の第1の部分は、N−ベン
ジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステルを接触水素化還元してα
−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
テルを製造する方法において、該接触水素化還元を、N
−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−
L−フェニルアラニンメチルエステルの平均粒径が80
0μm以下の粒子を含む水性懸濁液中で行うことを特徴
とするα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメ
チルエステルの製造方法である。
【0016】また本発明の第2の部分は、30重量%以
下のN−ベンジルオキシカルボニル−β−L−アスパル
チル−L−フェニルアラニンメチルエステルを含むN−
ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステルの水性懸濁液を白金
族触媒の存在下水素で還元した後、生成したα−L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルを完
全に溶解する温度で触媒を分離し、その濾洗液をβ−L
−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
が析出しない温度まで冷却し、析出したα−L−アスパ
ルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルを分離し
て、続いて水溶媒で再結晶精製を行うとともに、この再
結晶工程で分離されたα−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンメチルエステルを含む水性溶液部分を、上
記水懸濁液に循環使用することを特徴とするα−L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製
造方法である。
【0017】第1の発明の特徴は、Z−α−APMを水
性溶媒中で、接触水素還元する際に、微細なZ−α−A
PMの水性懸濁液を用いるところにある。通常原料のZ
−α−APMは、有機溶媒中で、N−ベンジルオキシカ
ルボニルアスパラギン酸無水物(以下Z−Asp無水物
と略記する)と、L−フェニルアラニンメチルエステル
(以下L−PMと略記する)を反応させて得られる少量
の未反応Z−Asp無水物を含んでいる。このZ−α−
APMを酢酸等の有機溶媒中で接触水素化還元すると、
生成したα−APMと、Z−Asp無水物が反応し、さ
らに接触水素化されて、αーL−アスパルチ−α−L−
アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
と、β−L−アスパルチル−α−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステルの2種の異性体が生
成する。原料Z−α−APMが、Z−β−APMを含ん
でいる場合には、α、βの組み合わせで4つの異性体が
できる(以下まとめてA2PMと略記する)。これに対
して水性溶媒中でこの還元反応を行うと、A2PMの生
成量が減少することを見いだした。しかし、ある程度粒
径の大きなZ−α−APMの水性懸濁液を用いる場合に
は、その効果が小さく、微細なZ−α−APMを用いる
と、A2PMの生成が著しく小さくなる。
【0018】第1の発明において使用するZ−α−AP
Mは、不純物としてZ−β−APMを含んでいても良
い。
【0019】第2の発明は、(a)Z−β−APMを3
0重量%以下を含むZ−α−APMを水性溶媒に懸濁さ
せ、白金族金属触媒存在化、接触水素還元し、(b)
(a)工程で得られた反応液を、生成したα−APMが
すべて溶解する温度で触媒を除き、必要により、副生し
たトルエンを分液して除き、(c)(b)工程で得られ
た水性溶液を、β−APMが析出しない温度まで冷却
し、析出したα−APMを固液分離して粗APMを得、
(d)(c)工程で得られた粗APMを水性溶媒に高温
で溶解し、冷却して析出したα−APMを固液分離して
精APMを得、(e)(d)工程で固液分離されたα−
APMを含む水性溶液部分を、(a)工程の水性溶媒と
して再使用する、ものである。
【0020】第2の本発明の特徴は、(d)工程で分離
されたα−APMを含む水性溶液部分を(a)の接触水
素化還元工程の水性溶媒として再使用することにある。
【0021】再結晶工程において分離された水性溶液部
分にはα−APMが、その再結晶温度により変化する
が、例えば5℃では瀘液、洗液100gあたり約0.6
gが含まれる。また、甘味剤として相応しくないβ−A
PMあるいはDKPも混入している。しかしながらこれ
をそのまま捨てることは収率の低下になり望ましくな
い。従ってこれを前の工程に循環することが必要であ
る。
【0022】この(d)工程で分離された水性溶液部分
をそのまま(d)の工程内で循環循環することは技術的
に可能であるが、この方法では、この循環する水性溶液
中にβ−AMPおよびDKP等が蓄積し、これらが製品
に混入する。
【0023】それに比較して本発明のように(d)工程
で分離されたα−APMを含む水性溶液部分を(a)の
Z−APMの還元工程に再循環する場合には、β−AP
MおよびDKP等の副生成物は、(c)工程での粗AP
Mの単離時に分離された溶液中に排出され、次の(d)
工程への影響はほとんど無いために、(d)工程で分離
され、(a)工程で循環再使用される溶液中に蓄積する
ことはない。したがって、(d)工程から得られる精A
PMは、不純物の少ない毎回同じ条件下から単離される
ため、高純度で安定した品質となる。
【0024】また、(a)工程では、(d)工程から循
環される溶液中にα−APMを含んでいるために、還元
反応後の溶液中におけるβ−APMに対するα−APM
の比が、原料Z−β−APMに対するZ−α−APMの
比より大きくなっており、(c)工程におけるα−AP
Mとβ−APMの分離効率が高くなる。したがって、
(a)〜(d)工程を通算したZ−αAPMに対するα
−APMの通算収率が高くなる。
【0025】第2の本発明で用いられるZ−β−APM
を含むZ−α−APMは、どんな合成法によって得られ
たものでも良いが、Z−β−APMが30重量%以下の
Z−α−APMに対し効果的に用いられる。なぜなら
ば、α−APMとβ−APMの水に対する溶解度はほと
んど同じなので、Z−β−APMが30重量%以上含む
場合には、還元触媒濾過後にβ−APMの析出しない温
度まで冷却し、析出したα−APMを単離しても収率が
低く、β−APMと共に濾液中にロスするα−APMの
量が多く効率が悪くなる。
【0026】また、第1の発明、第2の発明いずれの場
合でも原料Z−α−APMは、α−APMの析出を阻害
しない有機溶媒であれば、多少含んでいても構わない。
具体的には、メチルアルコール・エチルアルコール・n
−プロピルアルコ−ル・イソプロピルアルコール等の低
級脂肪族アルコール類,テトラヒドロフラン・ジオキサ
ン等のエーテル類,アセトニトリル・プロピオニトリル
等のニトリル類,ギ酸・酢酸・プロピオン酸等の有機カ
ルボン酸類,ベンゼン・トルエン・キシレン等の芳香族
炭化水素類,ジクロルメタン・1.2−ジクロルエタン
等の塩素化炭化水素類を挙げることができる。
【0027】本発明の方法において用いるZ−α−AP
M懸濁液は、Z−α−APMを含む有機溶媒溶液と水性
溶媒を混合して作ることが出来る。有機溶媒が水と混和
するものであれば、析出したZ−α−APMを濾過等の
操作により分離したのち、水性溶媒に懸濁すればよい。
このような有機溶媒としては酢酸、プロピオン酸等の有
機カルボン酸類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のア
ミド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類が挙げられる。
【0028】上記の方法において微細なZ−α−APM
を得るためには、Z−α−APMを含む有機溶媒を混合
する際に、Z−α−APMを含んだ有機溶媒を水に添加
する方法が好ましい。この様な混合は、一般に攪拌機を
備えた晶析機で行われるが、この時の攪拌の速度が高い
ほど得られるZ−α−APMの粒系は小さくなり好まし
い。通常は撹拌翼の終端速度は、0.1m/sec以上
好ましくは0.2m/sec以上である。
【0029】有機溶媒が水と混和しない場合には、水と
共沸するか水より低沸点の溶媒であれば本発明の方法に
に用いることができる。つまり、Z−α−APMを含む
有機溶剤と水とを混合した後に蒸留操作で有機溶媒を除
くことにより水性懸濁液を作ることができる。このよう
な有機溶媒として、ベンゼントルエン、ノルマルヘキサ
ン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、1,
2−ジクロロメタン等の塩素化炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸メチル、プ
ロピオン酸エチル等のエステル類等が挙げられる。
【0030】上記の方法における有機溶媒中のZ−α−
APMの濃度は特に限定されないが、通常、5〜30%
である。N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラ
ギン酸無水物とL−フェニルアラニンメチルエステルの
反応を上記有機溶媒中で行ったときは、この溶液をその
まま用いることもできる。
【0031】本発明の方法を実施するには、Z−α−A
PMの有機溶剤溶液を始めから水と混合し、有機溶媒を
留去しても良いが、この方法では析出したZ−α−AP
Mが癒着し易く、粒径が大きくなり易い。微細なZ−α
−APMの水性懸濁液を得るためにも、有機溶剤溶液を
水の中に滴下しながら留出させる。この方法によれば、
細かな均一な粒径のZ−α−APMを含んだ懸濁液が得
られ、続く還元工程での反応速度が高くなり、著しく副
生物も少なくなる。
【0032】上記有機溶剤の留出は60℃以下で行う。
これより高いと析出したZ−α−APMが癒着し、粒径
が大きくなって、以後の還元反応の速度が極端に遅くな
り、副生物の生成をまねく。通常、還元反応に用いられ
るZ−α−APM水性懸濁液中のZ−α−APMの粒径
は、10〜800μmである。この粒径が小さいほど還
元反応は速くなり、還元反応が短いほどα−AP、DK
P等の不純物の生成量が少なくα−APM収率が高くな
る。好ましくは、平均粒径200μm以下の懸濁液が還
元に用いられる。
【0033】本発明の接触水素化を行う水性溶媒は、水
または水と低級アルコールからなるものである。低級ア
ルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等が挙げられるが特にメタノールが好ましい。この
水性溶媒は、少量の他の有機溶媒を含んでいてもかまわ
ない。
【0034】還元に用いる触媒としては、パラジウム・
白金・コバルト・ニッケル・ルテニウム・ロジウム等の
白金族触媒が良く、特にパラジウムが好適であり、例え
ば、パラジウム−炭素が好ましい。その使用量は特に制
限はないが、Z−APMに対して0.5〜10重量%が
好ましい。
【0035】還元は、常圧あるいは加圧下で行うことが
できる。
【0036】本発明における還元温度は、80℃以下で
あり、好ましくは40〜60℃である。また、還元時間
は温度により異なるが、一般に2〜10時間で充分であ
る。本発明の方法における水性懸濁液中のZ−α−AP
M濃度は、特に制限されないが、通常は3〜20%程度
である。生成懸濁液の濃度が20%以上になると、懸濁
液の撹拌が困難となるだけでなく、Z−α−APMの粒
径が大きくなり好ましくない。これ以下の濃度では容積
効率が低く、経済的でない。濃度が高い場合には、還元
後生成したα−APMは完全に溶解せずスラリー状態な
るため、そのまま触媒を濾過することができない。この
ような状態でも還元反応は完結する。このような場合に
は還元終了後に、溶媒を添加するか、温度を上げること
により、α−APMを溶解すれば、触媒を濾過すること
ができる。
【0037】還元後、触媒を濾過する温度は、生成した
α−APM等が完全に溶解する温度以上であるが、80
℃以上ではα−APM等の加水分解によりα−L−アス
パルチル−L−フェニルアラニン等及びDKPを生成し
てα−APMの単離収率が低下する。好ましくは40〜
60℃で行う。触媒を濾過する際のα−APMの濃度
は、その温度におけるα−APMの飽和溶解度付近が好
ましいが、40〜60℃の温度では、2〜4重量%程度
である。これより大巾に低濃度では、冷却して析出する
結晶が少なく収率が低下する。
【0038】ベンジルオキシカルボニル基の脱離によっ
て生じたトルエンは、還元反応中または後に、蒸発させ
除くこともできるが、通常触媒を除いた後に分液して除
く。触媒を濾過し、必要によりトルエンを分離した後、
冷却して粗α−APMの結晶を分離する場合の冷却の手
段は特に限定する必要はない。間接冷却であれば、機械
的撹拌を伴う強制対流伝熱方法あるいは伝導伝熱方式の
いずれでもよい。直接冷却では溶媒を減圧条件下で蒸発
させ、その蒸発潛熱により冷却を行う方法がある。
【0039】晶析温度については、β−APMが飽和に
なる温度以上であれば良いが、できるだけ低温で収率を
上げる方が良い。
【0040】析出した粗α−APMの結晶の固液分離す
る方法としては、濾過・遠心分離等の常法で良い。
【0041】得られた粗α−APMを水溶媒での再結晶
精製する方法としては、80℃以下、好ましくは40〜
60℃で粗α−APMを2〜4重量%溶解させた後、5
℃以下まで冷却して析出したα−APMの結晶を濾過・
洗浄してβ−APMを全く含まないα−APMを単離す
る。ここで分離されたα−APMを含む水性溶液は、
(a)工程のZ−APMの還元に循環使用する。濾洗液
の組成は、通常α−APM濃度が0.6重量%,β−A
PMは0.065重量%、DKP・α−APは0.01
重量%程度であり、前述したようにこの水性溶液をZ−
APMの還元工程に再使用することにより還元工程での
α−APMとβ−APMの比が原料Z−APMのα,β
比より高くなり晶析分離し易くなる。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明の方法を詳しく説明
する。
【0043】参考例1 L−フェニルアラニンメチルエテル358.4gを含む
酢酸溶液658.8gとN−ベンジオルオキシカルボニ
ルアスパルギン酸無水物505.9gを含む酢酸溶液4
382gを15〜20℃で3時間反応させた。得られた
反応液を1813gまで濃縮した。この溶液を、スパン
15cmの撹拌翼を備えた10L反応器中の水3530
gに300rpmの撹拌下、25℃で、30分をかけて
滴下した。析出したZ−α−APMとZ−β−APMの
混合物を濾過し、乾燥することにより、856.9gの
Z−APM結晶を得た。高速液体クロマトグラフィー
(HLC)による分析の結果、Z−α−APM658.
1gとZ−β−APM164.5gが含まれていた。
【0044】実施例1 参考例1で得られたZ−α−APM76.8g(0.1
79mol)を含むZ−APM100gを溶解した酢酸
溶液137.17gをスパン10cmの攪拌羽根で回転
数400rpmで攪拌している水369.5gに排出
し、析出したZ−α−APMを濾取した。得られた平均
粒径90μmのZ−α−APM72.40gを含むwe
t cake201.0gに水1348.4gを加え、
5%パラジウムカーボン(50%wet)2.93gを
加え、60℃で接触水素化を行ったところ3時間で反応
が完結した。触媒を濾別した後の溶液は、α−APM4
8.74g(0.1656mol)、DKP0.30
g、α−AP0.21g、A2PM0.0146gを含
んでいた。
【0045】実施例2 参考例1で得られたZ−α−APM76.8g(0.1
79mol)を含むZ−APM100gを溶解した酢酸
溶液137.17gをスパン10cmの攪拌羽根で回転
数200rpmで攪拌している水369.53gに排出
し、析出したZ−α−APMを濾取した。得られた平均
粒径600μmのZ−α−APM72.4gを含むwe
t cake201.0gに水1348.4gを加え、
5%パラジウムカーボン(50%wet)2.93gを
加え、60℃で接触水素化を行ったところ3時間で反応
が完結した。触媒を濾別した後の溶液は、α−APM4
8.74g(0.1656mol)、DKP0.30
g、α−AP0.21g、A 2PM0.054gを含ん
でいた。
【0046】比較例1 参考例1で得られたZ−α−APM76.8g(0.1
79mol)を含むZ−APM100gを溶解した酢酸
溶液137.17gをスパン10cmの攪拌羽根で回転
数400rpmで攪拌し、水369.5gを加えてZ−
α−APMを析出させ濾取した。得られた平均粒径30
00μmのZ−α−APM72.40gを含むwet
cake200.97gに水1348.4gを加え、5
%パラジウムカーボン(50%wet)2.93gを加
え、60℃で5時間、接触水素化を行った。反応は完結
していず、触媒を濾別した後の瀘液は、Z−α−APM
31.9g(0.07453mol)、α−APM2
7.26g(0.09263mol)、DKP0.98
g、α−AP2.08g、A2PM0.27gを含んで
いた。
【0047】実施例3 L−フェニルアラニンメチルエステル17.83gを含
む1,2−ジクロロエタン(以下、EDCと略す)溶液
55.72gとN−ベンジルオキシカルボニル無水アス
パラギン酸26.0gを含むEDC溶液370.5gを
15〜20℃で3時間縮合した。得られた35.37g
のZ−α−APMと7.25gのZ−β−APMを含む
EDC溶液426.21gを40℃、減圧下で水74
9.37gに1時間にわたって滴下しながらEDCを留
出させた。777.7gの懸濁液が得られ、Z−α−A
PMとZ−β−APMの平均粒径は、120μmであっ
た。 実施例4 参考例1で得られたZ−α−APM40.96gが溶解
している酢酸エチル溶液426.21gを60℃減圧下
で水749.37gに1Hrにわたって滴下しながら酢
酸エチルを留出さた。725.2gの懸濁液が得られ、
Z−α−APMの平均粒径は、170μmであった。
【0048】実施例5 参考例1で得られたZ−α−APM40.96gが溶解
しているクロロホルム溶液426.21gを減圧下40
℃に保ち、そこへ水749.37gを1Hrにわたって
滴下しながら60℃でクロロホルムを留出せた。750
gの懸濁液が得られ、Z−α−APMの平均粒径は、6
50μmであった。
【0049】実施例6 参考例1で得られたZ−α−APM48.33g(0.
1128mol)が溶解している酢酸ブチル溶液57
6.0gに水780gを加え、減圧下45℃で1時間に
わたって酢酸ブチルを留出させた。796gの懸濁液が
得られ、Z−α−APMの平均粒径は、220μmであ
った。その後、5%パラジウムカーボン(50% we
t)2.87gを加え、60℃で接触水素化を行った。
3時間で反応が完結した。触媒を濾別した後の溶液は、
α−APM31.56g、DKP0.51g、α−AP
0.63g、A2PM0.025gを含んでいた。
【0050】実施例7 参考例1で得られたZ−α−APM23.33g(0.
05446mol)が溶解しているEDC溶液221.
74gを40℃減圧下で水377.8gに1Hrにわた
って滴下しながらEDCを留出させ、403.5gの懸
濁液が得られ、Z−α−APMの平均粒径は、110μ
mであった。その後、更に水131.8gを加え、5%
パラジウムカーボン(50%wet)1.08gを加
え、60℃で接触水素化を行ったところ3時間で反応が
完結した。触媒を濾別した後の溶液は、α−APM1
5.50g(0.05267mol)、DKP0.17
g、α−AP0.32g、A2PM0.005gを含ん
でいた。
【0051】比較例2 Z−α−APM40.96g(0.09561mol)
が溶解しているEDC溶液426.21gを80℃減圧
下で水749.37gに1Hrにわたって滴下しながら
EDCを留出させた。649.7gの懸濁液が得られ、
Z−α−APMの平均粒径は、1200μmであった。
その後、更に水402.3gを加え、5%パラジウムカ
ーボン(50% wet)2.15gを加え、80℃で
接触水素化を行ったところ6時間で反応は完結していな
かった。触媒を濾別した後の溶液は、Z−α−APM
7.84g(0.01830mol)、α−APM1
6.47g(0.05596mol)、DKP3.97
g、α−AP0.53g、A 2PM0.09gを含んで
いた。
【0052】実施例8 Z−β−APMを8.6gとZ−α−APM34.2g
の混合物を水610gに懸濁させ、これに5%パラジウ
ム−炭素0.9gを加えて常圧60℃で2時間接触還元
を行った後、同温度で触媒を濾別し、トルエン層を分液
して水層を徐々に冷却して5℃で1時間撹拌後、同温度
にて析出している結晶を濾過・洗浄して64.0gのα
−APM湿体を単離した。単離したα−APM湿体に水
472.7gを加えて60℃にて溶解させた後、徐々に
冷却して5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出している
結晶を濾過・洗浄・乾燥することによりα−APM1
5.6gを単離した。この時、同時にα−APM3.7
gとβ−APM0.4gを含む濾洗液537.5gが得
られた。
【0053】得られた結晶を高速液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果α−APMの含有量は15.1g(6
4.0%/対Z−α−APM)であり、βーAPMは全
く含まれていなかった。Z−β−APM8.6gとZ−
α−APM34.2gの混合物を前記の再結晶精製の濾
洗液528gと水227gに懸濁させ、これに5%パラ
ジウム−炭素0.9gを加えて常圧60℃で2時間接触
還元を行った後、同温度で触媒を濾別し、トルエン層を
分液して水層を5℃まで徐々に冷却して、同温度にて析
出している結晶を濾過・洗浄して75.1gのα−AP
M湿体を単離した。単離したα−APM湿体に水52
9.4gを加えて60℃にて溶解させた後、徐々に冷却
して5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出している結晶
を濾過・洗浄・乾燥することによりα−APM18.4
gを単離した。この時、同時にα−APM4.1gとβ
−APM0.4gを含む濾洗液623.2gが得られ
た。得られた結晶を高速液体クロマトグラフィーで分析
した結果α−APMの含有量は17.9g(76.2%
/対Z−α−APM)であり、β−APMは全く含まれ
ていなかった。また、Cl,SO4 ,Naイオンは10
ppm以下であった。
【0054】実施例9 Z−β−APM8.6gとZ−α−APM34.2gの
混合物を実施例8の再結晶精製の濾洗液610.7gと
水117.1gに懸濁させ、これに5%パラジウム−炭
素0.9gを加えて常圧40℃で3時間接触還元を行っ
た後、60℃で析出している結晶を溶解させ、同温度で
を濾別し、トルエン層を分液して水層を徐々に冷却して
5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出している結晶を濾
過・洗浄して77.1gのα−APM湿体を単離した。
単離したα−APM湿体に水539.5gを加えて60
℃にて溶解させた後、徐々に冷却して5℃で1時間撹拌
後、同温度にて析出している結晶を濾過・洗浄・乾燥す
ることによりα−APM18.5gを単離した。このと
き同時にα−APM4.2g、β−APM0.4gを含
む濾洗液635.8gを得た。得られた結晶を高速液体
クロマトグラフィーで分析した結果α−APMの含有量
は17.9g(76.2%/Z−α−APM)であり、
β−APMは全く含まれていなかった。
【0055】実施例10〜17 実施例9で再結晶精製の濾洗液を再利用して実施例3と
同様の操作をした。以上の操作を8回繰り返した。実施
例8〜17までのα−APMの単離収率を第1表(表
1)に示す。
【0056】
【表1】
【0057】実施例17までで得られたα−APMには
全くβ−APMが含まれていなかった。
【0058】実施例 18 Z−β−APM12.8gとZ−α−APM30.0g
の混合物を水529.5gに懸濁させ、これに5%パラ
ジウム−炭素0.9gを加えて常圧60℃で2時間接触
還元を行った後、同温度で触媒を濾別し、トルエン層を
分液して水層を徐々に冷却して5℃で1時間撹拌後、同
温度にて析出している結晶を濾過・洗浄して50.0g
のα−APM湿体を単離した。単離したα−APM湿体
に水350.0gを加えて60℃にて溶解させた後、徐
々に冷却して5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出して
いる結晶を濾過・洗浄・乾燥することによりα−APM
11.9gを単離した。この時、同時にα−APM2.
9gとβ−APM0.6gを含む濾洗液420.3gが
得られた。得られた結晶を高速液体クロマトグラフィー
で分析した結果α−APMの含有量は11.5g(5
5.8%/Z−α−APM)あり、β−APMは全く含
まれていなかった。Z−β−APM12.8gとZ−α
−APM30.0gの混合物を前記の再結晶精製した濾
洗液411.9gと水196.4gに懸濁させ、これに
5%パラジウム−炭素0.9gを加えて常圧60℃で2
時間接触還元を行った後、同温度で触媒を濾別し、トル
エン層を分液して水層を徐々に冷却して5℃で1時間撹
拌後、同温度にて析出している結晶を濾過・洗浄して5
8.7gの湿体を単離した。単離したα−APM湿体に
水396.9gを加えて69℃にて溶解させた後、徐々
に冷却して5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出してい
る結晶を濾過・洗浄・乾燥することによりα−APM1
3.5gを単離した。得られた結晶を高速液体クロマト
グラフィーで分析した結果α−APMの含有量は13.
1g(63.6%/Z−α−APM)あり、β−APM
は全く含まれていなかった。
【0059】比較例 3 Z−β−APM8.6gとZ−α−APM34.2gの
混合物をメタノール235mlに溶かし、これに1N−
塩酸210mlおよび還元触媒として5%パラジウム−
炭素4.7gを加えて常圧室温で3時間接触還元を行っ
た後、触媒を濾別し、その濾液中のメタノールを減圧下
留去し、析出した結晶を室温で濾過・洗浄して36.9
gのα−APM塩酸塩湿体を単離した。単離したα−A
PM塩酸塩湿体に水265mlを加え、室温にて10%
アンモニア水で中和し、5℃まで冷却し、同温度で1時
間撹拌後、析出した結晶を濾過・洗浄して60.0gの
α−APM湿体を単離し、そのα−APM湿体に水45
5mlを加えて60℃にて溶解させた後、徐々に冷却し
て5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出している結晶を
濾過・洗浄・乾燥することによりα−APM14.9g
を単離した。得られた結晶を高速液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果α−APMの含有量は14.4g(6
1.2%/Z−α−APM)であり、β−APMは全く
含まれていなかった。しかし、Clイオンは300pp
mであった。 比較例4(濾洗液を再結晶工程に再使用) Z−β−APMを160.5gとZ−α−APM642
gの混合物を水9150gに懸濁させ、これに5%パラ
ジウム−炭素13.5gを加えて常圧60℃で3時間接
触還元を行った後、同温度で触媒を別し、トルエン層を
分液して水層を徐々に冷却して5℃で1時間撹拌後、同
温度にて析出している結晶を濾過・洗浄して960.7
gのα−APM湿体を単離した。単離したα−APM湿
体の一部64.0gを取り、水472.7gを加えて6
0℃にて溶解させた後、徐々に冷却して5℃で1時間撹
拌後、同温度にて析出している結晶を濾過・洗浄。乾燥
することによりα−APM15.6gを単離した。この
時、同時にα−APM3.7gとβ−APM0.4gを
含む濾洗液537.5gが得られた。得られた結晶を高
速液体クロマトグラフィーで分析した結果α−APMの
含有量は15.1g(64.0%/対Z−α−APM)
であり、β−APMは全く含まれていなかった。次に、
α−APM湿体の一部64.0gを取り、再結晶濾洗液
528gを加えて60℃にて溶解させた後、徐々に冷却
して5℃で1時間撹拌後、同温度にて析出している結晶
を濾過・洗浄・乾燥することによりα−APM 17.
9gを単離した。得られた結晶を高速液体クロマトグラ
フィーで分析した結果α−APMの含有量は17.4g
(76.2%/対Z−α−APM)であり、β−APM
は全く含まれていなかった。以上の操作(濾洗液の再使
用)を4回繰り返した。α−APMの単離収率を第2表
(表2)に示す。
【0060】
【表2】
【0061】再使用3回目から単離したα−APM中に
β−APMが0.1〜0.3%含有していた。このため
再度の再結晶が必要であった。
【0062】実施例19 L−フェニルアラニンメチルエステル60.6gを含む
酢酸溶液111.4gとN−ベンジルオキシカルボニル
アスパラギン酸無水物52.0gを含む酢酸溶液74
1.0gを15〜20℃で3時間反応した。得られた反
応液を306.6gまで濃縮すした。この溶液を、スパ
ン10cmの撹拌翼を備えた1L反応機中の水597.
0gに、400rpmの撹拌下、25℃で30分をかけ
て滴下した。析出したZ−α−APMとZ−β−APM
の混合物を濾過して、平均粒径90μmのウェットケー
キ390.3gを得た。HLC分析の結果、113.8
gのZ−α−APMと26.7gのZ−β−APMを含
んでいた。このウェットケーキ146.8gを実施例1
3の再結晶精製の濾洗液610.7gと水117.1g
に懸濁し、5%パラジウム−炭素0.9gを加えて、常
圧60℃で2時間接触還元を行った後、同温度で触媒を
濾別し、トルエン層を分液して水層を5℃まで冷却し
て、同温度で1時間撹拌後、析出している結晶を濾過、
洗浄して、α−APM26.2gを含む87.3gの湿
体を離した。HLC分析の結果、α−APMに対する不
純物の含有量は、DKP0.6%、α−AP0.4%、
APM0.03%であた。上記α−APM湿体に水52
2.0gを加え、60℃にて溶解させた後、徐々に5℃
まで冷却して、同温度で1時間撹拌後、析出している結
晶を濾過、洗浄、乾燥することにより、α−APM2
1.6gを得た。HLCで分析した結果、α−APMは
21.0g(71.4%対Z−α−APM)であり、不
純物含有量は、DKP0.2%、α−AP0.1%、A
2 PM0.03%であり、β−APMは、検出されなか
った。
【0063】
【発明の効果】本発明の方法によれば、Z−α−APM
の還元反応により、短い反応時間と高収率でα−APM
水性溶液を得ることができる。また、この反応液から触
媒、必要によりトルエンを除いた後、冷却するだけでα
−APMが得られ、これを再結晶精製すると、高純度の
α−APMが得られる。さらに、再結晶工程で分離され
るα−APMを含んだ水性溶液をZ−α−APMの還元
で再使用することにより、還元後のα−APMとβ−A
PMの比が原料のZ−α−APMのα、β比より高くな
り、晶析工程でβ−APMが析出しない条件でα−AP
Mを晶析分離する際に、高い収率が得られる。また、こ
の際結晶工程から分離される水性溶液は、加熱濃縮等の
工程を経ることなく、再使用できるので、DKP、α−
AP等の不純物の生成がない。更に、Z−APMから鉱
酸を用いないでα−APMを得ることができ、中和工程
が必要ではなく、鉱酸と塩基から生じた塩が含まれるこ
とがない。このように本発明の方法は、不純物をほとん
ど含まない高純度のα−APMを効率良く製造する工業
的な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 (72)発明者 榎本 堅 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井東 圧化学株式会社内 (72)発明者 味岡 正伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井東 圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井東 圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    を接触水素化還元してα−L−アスパルチル−L−フェ
    ニルアラニンメチルエステルを製造する方法において、
    該接触水素化還元を、N−ベンジルオキシカルボニル−
    α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエ
    ステルの平均粒径が800μm以下の粒子を含む水性懸
    濁液を用いて行なうことを特徴とするα−L−アスパル
    チル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    が、有機溶媒中で、N−ベンジルオキシカルボニルアス
    パルギン酸無水物と、L−フェニルアラニンメチルエス
    テルを反応させて得られるものである請求項1記載のα
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
    テルの製造方法。
  3. 【請求項3】 平均粒径800μm以下の粒子を含む水
    性懸濁液が、N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−
    アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの
    有機溶剤溶液を水と混合し、析出した結晶を分離し、水
    性溶液に懸濁させることにより得られるものである請求
    項1記載のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
    ンメチルエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 平均粒径が800μm以下の粒子を含む
    水性懸濁液が、N−ベンジルオキシカルボニル−α−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    の有機溶剤溶液を水と混合し、60℃以下で有機溶剤を
    留出させることにより得られるものである、請求項1記
    載のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチ
    ルエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 平均粒径が800μm以下の粒子を含む
    水性懸濁液が、N−ベンジルオキシカルボニル−α−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    の有機溶剤溶液を水の中に滴下しながら留出させること
    により得られるものである、請求項1記載のα−L−ア
    スパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 30重量%以下のN−ベンジルオキシカ
    ルボニル−β−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
    ンメチルエステルを含むN−ベンジルオキシカルボニル
    −α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
    エステルの水性懸濁液を白金族触媒の存在下水素で還元
    した後、触媒を分離し、β−L−アスパルチル−L−フ
    ェニルアラニンメチルエステルが析出しない温度まで冷
    却し、析出したα−L−アスパルチル−L−フェニルア
    ラニンメチルエステルを分離して、続いて水溶媒で再結
    晶精製を行うとともに、この再結晶工程で分離されたα
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
    テルを含む水性溶液部分を、上記水懸濁液に循環使用す
    ることを特徴とするα−L−アスパルチル−L−フェニ
    ルアラニンメチルエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    が、有機溶媒中で、N−ベンジルオキシカルボニルアス
    パルギン酸無水物と、L−フェニルアラニンメチルエス
    テルを反応させて得られるものである請求項6記載のα
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
    テルの製造方法。
  8. 【請求項8】 水性懸濁液が、平均粒径が800μm以
    下の粒子である請求項6記載のα−L−アスパルチル−
    L−フェニルアラニンメチルエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 平均粒径800μm以下の粒子を含む水
    性懸濁液が、N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−
    アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの
    有機溶剤溶液を水と混合し、析出した結晶を分離し、再
    び水性溶媒に懸濁させることにより得られるものである
    請求項8記載のα−L−アスパルチル−L−フェニルア
    ラニンメチルエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 水性懸濁液が、N−ベンジルオキシカ
    ルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
    ンメチルエステルとN−ベンジルオキシカルボニル−β
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
    テル混合物の有機溶剤溶液を水と混合し、60℃以下で
    有機溶剤を留出させることにより得られるものである、
    請求項6記載のα−L−アスパルチル−L−フェニルア
    ラニンメチルエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】 水性懸濁液が、N−ベンジルオキシカ
    ルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
    ンメチルエステルとN−ベンジルオキシカルボニル−β
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエス
    テル混合物の有機溶剤溶液を水の中に滴下しながら、6
    0℃以下で有機溶剤を留出させることにより得られるも
    のである、請求項10記載のα−L−アスパルチル−L
    −フェニルアラニンメチルエステルの製造方法。
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