JPH0513678B2 - - Google Patents

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JPH0513678B2
JPH0513678B2 JP10056988A JP10056988A JPH0513678B2 JP H0513678 B2 JPH0513678 B2 JP H0513678B2 JP 10056988 A JP10056988 A JP 10056988A JP 10056988 A JP10056988 A JP 10056988A JP H0513678 B2 JPH0513678 B2 JP H0513678B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、表面に鮮明な有色紋様を有する美粧
刃物、並びにそのような刃物を作製するのに用い
る刃物材料の製造法に関するもので、ナイフ、
鋏、包丁などの刃物産業の分野において利用可能
である。
〔従来の技術〕
日本古来の日本刀(月山流刀剣)の刃身に見ら
れる乱れ紋様やダマスカス鋼(Damascus steel)
を用いたダマスカス刀に見られるダマスク紋様
(damask)は、カスタムナイフの作家や愛好家
に愛用され、これらを模した紋様を有する家庭用
包丁、鋏なども美的効果に優れた高級刃物として
好評である。
ところが、これらのダマスク紋様は硬・軟の鉄
系金属同士を組合せることによつて表出するもの
であることから、その接合境界部が圧延鍛接加工
や焼入・焼戻などの熱処理などの際に加工熱を履
歴することによつて拡散現象が生じ紋理境界が不
鮮明になるという弊害があつたのに加え、 この種の美粧刃物においては色沢が同系統を呈す
る金属材料が用いられており、そのまゝの状態で
は紋様のコントラストが判然とせず不鮮明にしか
見えないため、シヨツトピーニングないし酸にて
腐食処理して紋様を際立たせる必要があり、生産
能率の面および生産コストの面において改善の必
要があつたのである。
〔解決すべき問題点〕
本発明は、従来の美粧刃物における前述の問題
点を解決すると共に、更に一歩進んで、鮮やかで
色彩性に富んだ新しいタイプの美粧刃物、および
そのような美粧刃物を作製するに好適な材料を効
率的に整合することができる方法を提供すること
を技術的課題とするものである。
また、本発明の他の技術的課題は、刃物製作過
程において必然的に履歴することになる加工熱に
よつても何ら拡散現象を起さず、シヨツトピーニ
ングや腐蝕処理などを必要とすることなく製作で
きる美粧刃物およびそのような美粧刃物を作製す
るに適した材料を製造する方法を提供することに
ある。
〔問題点を解説するための手段〕
本発明者が上記技術的課題を解決するために採
用した手段は、次のとおりである。
即ちう、本発明は、局軟鋼または低炭素ステン
レス鋼のごとき鉄系金属材料と、銅もしくは銅合
金またはニツケルもしくはニツケル合金のごとき
非鉄系金属材料とを交互に、かつ、隣に位置する
金属材料相互の色調コントラスト差が大となるよ
うに多重に配列積層されたクラツド母材層と;こ
の母材層における前記非鉄金属材料が形成する層
に対して冶金的に接合されたハイアーボンの刃物
鋼層といつた色彩配列および拡散防止作用を巧み
に組合せた金属材料の配列手段を採用することに
よつて、前記刃物鋼層は刃付加工を経て形成され
る切刃に焼入・焼戻などの熱処理を施して硬度
HRC54°以上に硬化せしめても、接合層間に拡散現
象が生ずることなくクラツド母材層面にコントラ
ストに富んだ鮮明な有色紋様を顕出して何らシヨ
ツトピーニングや腐蝕処理を施す必要がない美粧
刃物を実現したのである。
しかして、上記の如き手段を採択して構成され
る本発明刃物は、鉄系金属部分が特有の深みのあ
る灰黒色沢を、銅部分が赤色系を、銅合金は金色
系又は白濁色系を、さらにニツケルが白色性を呈
しつつ、その境界部に濁りを生ずることなく際立
つたコントラストで波紋状に並んで従来ダマスカ
ス刃物には奇態できない色鮮やかな絢爛たる紋様
が顕出して高い商品価値を創成することができる
のである。
次に、上記の如き美粧刃物の製作に用いる材料
は、次のような方法的手段により製造することが
できる。
即ち、極軟鋼または低炭素ステンレス鋼のごと
き鉄系金属材料と、銅もしくは銅合金またはニツ
ケルもしくはニツケル合金のごとき非鉄系金属材
料とを多重積層するにあたり、鉄系金属材料と非
鉄系金属材料との色調コントラストの差が大とな
るよう前記両金属を隣合せに配列して積層クラツ
ドスラブとなし、このクラツドスラブにおける非
鉄金属材料面に対し切刃となるべき刃物鋼材料を
配置し、これら交互に配置される鉄系金属材料と
非鉄系金属材料とを相互に拡散防止層として機能
させながら、これを800〜950℃温度下で圧延して
全体厚を50%以上圧下するという方法を採れば、
前記のように配列積層した各種の金属材料は冶金
的に層着一体化して、刃付加工に伴う研削・研
磨・鍛打処理を経ることによつて色鮮やかな絢爛
たる多色紋様が顕出し、焼入・焼戻などの熱処理
を履歴しても、金属各層が相互に拡散を防止しあ
つて層境界に濁りを生じず、際立つた多色紋様の
刃物を得ることができるのである。
〔実施例〕
以下、本発明を添附図面に示す実施例に基い
て、更に具体的に説明する。なお、第1図は本発
明の実施例品であるナイフの正面図、第2図は同
実施例品におけるA−A線断面図、第3図〜第5
図は前記実施例品を作製するための材料を製造す
るプロセスを段階的に表した斜視図説明図、第6
図は第5図の材料を型抜きにして得た刃物基体の
斜視図、第7図は同刃物基体に刃付加工・熱処理
を施して握柄津のナイフとした実施例品の正面図
である。
第1図および第2図において、符号11で指示
する部分はクラツド母材層であつて、低炭素ステ
ンレス鋼30、銅31、低炭素ステンレス鋼3
0、銅合金32、低炭素ステンレス鋼30、ニツ
ケル33、低炭素ステンレス鋼30、および銅3
1…といつた具合に鉄系金属材料と非鉄系金属材
料とが交互に積層され、しかも隣接する層を形成
する金属材料相互の色調コントラストの差は相対
的に大きい配列となつている。
また、符号12で指示する部分はハイカーボン
の刃物鋼層であつて、前記クラツド母材層11,
11の非鉄金属層に冶金的に接合されており、刃
付加工部端縁に沿つて切刃21を形成すると共
に、焼入・焼戻による熱処理を履歴し刃物として
の切れ味を保障するべき硬度HRC54°以上に硬化さ
れている。
第1図および第2図に示される本実施例品(ナ
イフ)は、上記のような材料配列になつているた
めクラツド加工の階段および焼入・焼戻などの熱
履歴の際にも、非鉄系金属材料は鉄系金属に対し
て拡散防止層として作用し、また鉄系金属材料は
非鉄系金属材料に対して拡散防止層として作用す
るので、層境界が濁ることがなく、際立つた多色
紋様を呈して豪華性を醸している。
次に、上記実施例品である美粧ナイフを作製す
るのに有利な金属材料の製造方法例について説明
する。
まず、第3図に示すように低炭素ステンレス鋼
30、銅31、低炭素ステンレス鋼30、銅合金
31、低炭素ステンレス鋼30、ニツケル33、
低炭素ステンレス鋼30、銅31…といつた具合
に隣接する鉄系金属材料と非鉄系金属材料との色
調コントラストの差が大となるように交互に積重
した積層クラツドスラブ41,41を作製すると
ともに、この積層クラツドスラブ41,41の外
表には非鉄金属を位置させて、同非鉄金属の間に
切刃を形成るべきハイカーボン刃物鋼42を配置
せしめる。この場合、前記各金属材料各々の接合
面は研磨、バフ等により洗浄化し、各接合面をカ
バー鉄法などにより外気と遮断する密封処理した
クラツドスラブ50を組上げる(第4図参照)。
ついで、上記クラツドスラブを、800〜950℃の
温度の条件下において、総圧下率(次式) 〔総圧下率=総厚−仕上厚/総厚×100〕 50%以上の熱間圧延加工を行えば、第5図に示
ごとき美粧刃物用(クラツド)材料60が得られ
るのである。
こうして得られた材料60は、型抜き、鍛造、
荒研、熱処理、仕上研、柄付など周知の加工処理
を施すことにより、際立つたコントラストの色鮮
やかな絢爛たる波紋状紋様を呈した豪華な美粧刃
物(ナイフ)80となるのである。
しかして、上記工程において、鉄系金属と非鉄
系金属を交互に重ね合せたクラツドスラプ50を
用いるのは、例えば銅と銅合金、あるいは銅とニ
ツケルのように非鉄系金属同士が隣り合うように
重ねると、その接合境界面において、拡散層が新
たな銅合金層の色彩を呈して紋様境界が不鮮明に
なるからであり、これら非鉄系金属間に鉄系金属
を介在させることによつて、非鉄系金属の拡散は
防止されて鮮明な紋様を得ることができるのであ
り、同時に鉄系金属相互間の拡散現象も非鉄系金
属の介在によつて遮断することができるからであ
る。
また、圧延温度を800〜950℃に限定したのは、
鉄系金属と非鉄系金属という特に熱間での変形抵
抗値が大きく異なる材料同士を圧延法により接合
する困難性を鑑み、種々の思考錯誤の結果、800
℃以下あるいは950℃以上では、鉄系金属と非鉄
系金属の熱間変形抵抗値が大きく異なり、特に
950℃以上の場合には銅合金運が溶融する温度に
近くなるので当該溶融物が飛散する惧れもあつて
非常に作業が危険となる等の事情もあつて、圧延
加工による冶金的な接着が困難となつて、仮に接
着したとしても製品歩留りが大きく低下すること
が判明したからである。
つぎにまた、総圧下率を50%以上としたのは、
鉄系金属の世紀の熱間圧延温度は1100〜1150℃で
あるのい対し、圧延温度が800〜950℃と低温度で
圧延するので、充分な接着強度を得るために最低
50%以上の総圧下率を施すことが必要であること
を実験により確認したからである。
また、本実施例品(ナイフ)におけるクラツド
母材層11を組成する部分、つまり積層クラツド
スラブ41を組織する場合の材質選定に際して
も、例えば、 極軟鋼として(SAE−1006)、 低炭素ステンレス鋼としてJIS(SUS 410)、
あるいはJIS(SUS 430)、 銅として(JIS C 1220)、 銅合金として(JIS C 2600) などを使用することができるが、刃物の使用目
的、条件などに応じて適宜選択して配列するもの
であり、これまた特に限定意思がない。
なお、念のため付言しておくと、上記積層クラ
ツドスラブ41におけるの非鉄金属層の数は余り
少なくては、その美的効果が得られず、本発明者
の試行的実験によれば、非鉄金属層数が最低でも
5層以上設けることが好ましい。もつとも、刃物
の形状、大きさなどにより、その層数は適時増減
変更することは当然であり、特に限定する意思は
ない。
なおまた、美粧刃物用(クラツド)材料60の
製造する場合においては、当該材料60の最終仕
上寸法、および片刃用にするか、あるいは双刃用
するかの構成上の問題は具体的な必要に応じて適
宜対応するものとし、 さらに積層クラツドスラブ41とハイカーボン刃
物鋼42とを一括して大きさ積層クラツドスラブ
50を組付けても、積層クラツドスラブ41の層
数や層厚の違いなどの事情によつては圧延などの
処理が困難な場合もあることから、予じめ適寸厚
の積層クラツドスラブ41を熱間圧延してクラツ
ドしておき、しかるのち、この積層地鉄部材と刃
部材を重ねて熱間圧延するという複雑段階の熱間
圧延を繰り返して美粧刃物用(クラツド)材料6
0を得ることも無論可能である。
以上の如く製造した美粧刃物クラツド材料60
は、型抜きして刃物基材70にして、そのまゝこ
れを 荒研磨熱処理仕上研磨柄付け などの工程を経て刃物に仕上げれは、刃身部に表
われる紋様は色際立つた鮮明な縦縞模様となり、
前記刃物基材70に部分的削去加工、あるいはハ
ンマーリング乱打鍛造工程を施したうえで、 荒研磨熱処理仕上研磨柄付け を施して刃物に仕上げれば刃身部に表出する紋様
は乱れ波紋様となり、一層美的効果あある刃物8
0を得ることができるものである。
〔製造例〕
積層クラツドスラブの構成材として、低炭素ス
テンレス板(JIS SUS 410)1.5×150×200m/
m〜18枚、銅板(JIS C 1220)0.5×150×200
m/m〜6枚、金色の銅合金板((JIS C 2600)
0.5×150×200m/m〜6枚、ニツケル板0.5×
150×200〜4枚、切刃となる刃物鋼材料として、
高炭素ステンレス刃物鋼(主要成分 C%0.7〜
0.8Cr%13〜14、武生特殊鋼材株式会社の商品
め:V金5号)13×170×220〜1枚を準備し、各
接合表面を研磨、バフにて洗浄化し、カバー鉄法
にて密封処理した多積層クラツドスラブを得た。
次に、加熱炉にて850〜900℃に加熱保持した後、
圧延加工(総圧下率91.7%)を施し4×150×
2000m/mの美粧刃物用クラツド材料を得た。
かくして得られたクラツド材料を、常套の慣用
の製造工程(型抜き削去、鍛造荒研磨熱処
理仕上研磨柄付けなどの工程)を経て刃物を
得たが刃身部に赤、金、白、金属光沢の多彩な淫
れ紋様が顕出し、シヨツトプーニングや腐食処理
などの後加工を全く必要としなかつた。
〔本発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明によれば鉄系金属
部分が特有の深い灰黒色沢を、棒部分が赤色系
を、銅合金は金色系又は白濁色系を、さらにニツ
ケルが白色系を呈しつつ、その境界部に濁りを生
ずることなく際たつたコントラストで波紋状に並
んで従来ダマスカス刃物には期待できない色鮮や
かな絢爛たる紋様が顕出して高い商品価値の刃物
を実現することができるのでありう、 また、鉄系金属と非鉄系金属の多積層材という組
合せの美粧刃物用クラツド材料を容易にかつ、歩
留り良く製造することができ、しかも前述のよう
に配列積層した各種の金属材料を冶金的に総着一
体化するという方法によつて得た当該材料は、刃
付加工に伴う研削、研磨、鍛打処理を経ることに
よつて色鮮やかな絢爛たる多色紋様が研出し、焼
入、焼戻などの熱処理を履歴しても、金属各層が
相互に拡散防止しあつて総境界に濁り生じず、際
立つた多色紋様の刃物を効果的に作製することを
可能にするのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例品であるナイフの正面
図、第2図は同実施例品におけるA−A線断面
図、第3図〜第5図は前記実施例品を作製するた
めの材料を製造するプロセスを段階的に表した斜
視図説明図、第6図は第5図の材料を型抜きにし
て得た刃物基体の斜視図、第7図は同刃物基体に
刃付加工・熱処理を施して握柄津のナイフとした
実施例品の正面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極軟鋼または低炭素ステンレス鋼のごとき鉄
    系金属材料1と、銅もしくは銅合金またはニツケ
    ルもしくはニツケル合金のごとき非鉄系金属材料
    2とを交互に、かつ、隣に位置する金属材料相互
    の色調コントラスト差が大となるように多重に配
    列積層されたクラツド母材層11と;この母材層
    11における前記非鉄金属材料が形成する層に対
    して冶金的に接合された刃物鋼層12とを含み、
    この刃物鋼層12は刃付加工を経て切刃21を形
    成すると共に焼入、焼戻などの熱処理を履歴して
    硬度HRC54°以上に硬化されており、また前記クラ
    ツド母材層11は刃付加工により削去された面に
    コントラストに富んだ鮮明な有色紋様を顕出して
    いることを特徴とした美粧刃物。 2 極軟鋼または低炭素ステンレスイ鋼のごとき
    鉄系金属材料と、銅もしくは銅合金またはニツケ
    ルもしくはニツケル合金のごとき非鉄系金属材料
    とを多重積層するにあたり、鉄系金属材料と非鉄
    系金属材料との色調コントラストの差が大となる
    よう前記両金属を隣合せに配列して積層クラツド
    スラブとなし、このクラツドスラブにおける非鉄
    金属材料面に対し、切刃となるべき刃物鋼を配置
    し、これら交互に配置される鉄系金属材料と非鉄
    系金属材料とを相互に拡散防止層として機能させ
    つつこれを800〜950℃温度下で圧延して全体厚を
    50%以上圧下し、冶金的に接合一体化せしめるこ
    とを特徴とする美粧刃物用材料の製造法。
JP10056988A 1988-04-22 1988-04-22 鮮明な有色紋様を有する美粧刃物,および同刃物に用いる材料の製造法 Granted JPH01270889A (ja)

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