JPH05137966A - レーザ光を用いた気相光化学反応装置 - Google Patents
レーザ光を用いた気相光化学反応装置Info
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- JPH05137966A JPH05137966A JP32988591A JP32988591A JPH05137966A JP H05137966 A JPH05137966 A JP H05137966A JP 32988591 A JP32988591 A JP 32988591A JP 32988591 A JP32988591 A JP 32988591A JP H05137966 A JPH05137966 A JP H05137966A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レーザ光化学反応において、レーザ媒質から
取り出し得るレーザパワーの殆ど全てを有効に利用し、
レーザパワー当りの光化学反応効率の大幅な改善並びに
低コストの反応工程を実現する。 【構成】 レーザ光化学反応装置において、全反射鏡M
1と共にレーザ発振器を構成する部分反射鏡M2 の外側
にテレスコープと全反射鏡M3 を設け、テレスコープの
間に反応容器2を設置し、三つの共振器M1 −M2 ,M
2 −M3 ,M1 −M3 での空間モードプロフィルがそれ
ぞれ一致するようテレスコープの焦点距離と間隙を制御
することで、回折損失を被ることなく、レーザビームを
多重反射させる。
取り出し得るレーザパワーの殆ど全てを有効に利用し、
レーザパワー当りの光化学反応効率の大幅な改善並びに
低コストの反応工程を実現する。 【構成】 レーザ光化学反応装置において、全反射鏡M
1と共にレーザ発振器を構成する部分反射鏡M2 の外側
にテレスコープと全反射鏡M3 を設け、テレスコープの
間に反応容器2を設置し、三つの共振器M1 −M2 ,M
2 −M3 ,M1 −M3 での空間モードプロフィルがそれ
ぞれ一致するようテレスコープの焦点距離と間隙を制御
することで、回折損失を被ることなく、レーザビームを
多重反射させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザビームを利用し
て同位体分離等の光化学反応を行うための反応装置に係
わり、特にレーザ媒質から取り出し得るレーザエネルギ
の大半を光化学反応に有効に利用できる気相光化学反応
装置に関する。
て同位体分離等の光化学反応を行うための反応装置に係
わり、特にレーザ媒質から取り出し得るレーザエネルギ
の大半を光化学反応に有効に利用できる気相光化学反応
装置に関する。
【0002】
【従来技術】近年のレーザ技術における大出力化、発振
波長の多様化はレーザを光化学反応に利用しようという
研究を促進させてきた。レーザの光化学反応への応用の
最も典型的な例は、水素からウランに至る種々の元素の
同位体分離・濃縮技術であり、これは原料物質の光吸収
特性の同位体シフトを利用し、所望の同位体元素を含む
物質のみの化学反応を促進させることによるものであ
る。そして、従来この様なレーザビームによる同位体分
離・濃縮反応については種々の方法及び装置が提案され
ている。例えば、特開昭60−132,629号公報の
第1図に開示されているものは、パルス炭酸ガスレーザ
光を長焦点レンズで集光して反応器内に導入し、その焦
点面近傍で光化学反応を行わせるものである。この様な
赤外多光子吸収を用いた光化学反応においては、一般に
レーザのエネルギ密度がある値まではその増加と共に指
数関数的に反応効率が向上し、それ以上では反応効率は
飽和するという所謂クリティカルフルーエンスが存在す
る。このために、レーザビームはその集光された位置で
クリティカルフルーエンスが得られるような焦点距離の
集光レンズで収束され、その焦点近傍で反応が進行す
る。従って、この様な反応器においては反応器内の一部
でのみレーザパワーが有効に使われるに過ぎず、反応器
内でクリティカルフルーエンスに満たない領域では、反
応に寄与することなくレーザエネルギが吸収され、更に
残存したエネルギは反応器出射端から散逸するため、実
際にレーザ発振器から出力されたレーザパワーの数%か
ら20%程度しか有効に化学反応に用いられないという
問題点があった。
波長の多様化はレーザを光化学反応に利用しようという
研究を促進させてきた。レーザの光化学反応への応用の
最も典型的な例は、水素からウランに至る種々の元素の
同位体分離・濃縮技術であり、これは原料物質の光吸収
特性の同位体シフトを利用し、所望の同位体元素を含む
物質のみの化学反応を促進させることによるものであ
る。そして、従来この様なレーザビームによる同位体分
離・濃縮反応については種々の方法及び装置が提案され
ている。例えば、特開昭60−132,629号公報の
第1図に開示されているものは、パルス炭酸ガスレーザ
光を長焦点レンズで集光して反応器内に導入し、その焦
点面近傍で光化学反応を行わせるものである。この様な
赤外多光子吸収を用いた光化学反応においては、一般に
レーザのエネルギ密度がある値まではその増加と共に指
数関数的に反応効率が向上し、それ以上では反応効率は
飽和するという所謂クリティカルフルーエンスが存在す
る。このために、レーザビームはその集光された位置で
クリティカルフルーエンスが得られるような焦点距離の
集光レンズで収束され、その焦点近傍で反応が進行す
る。従って、この様な反応器においては反応器内の一部
でのみレーザパワーが有効に使われるに過ぎず、反応器
内でクリティカルフルーエンスに満たない領域では、反
応に寄与することなくレーザエネルギが吸収され、更に
残存したエネルギは反応器出射端から散逸するため、実
際にレーザ発振器から出力されたレーザパワーの数%か
ら20%程度しか有効に化学反応に用いられないという
問題点があった。
【0003】また、レーザビームを用いた光化学反応工
程においては、初期コストやランニングコストの何れに
おいてもレーザの占める割合が最も高く、低コストのレ
ーザ光化学反応工程を実現するためには、レーザパワー
の有効利用技術が必須の要件となる。そこで、この様な
問題に対応するため、特開昭59−123,517号公
報の第3図に示されている様な直列多段集光系が提案さ
れている。しかしながら、この方法では、集光段数が多
くなればなるほど上記の方法に比べてレーザパワーの利
用率が高くなるが、反応器が莫大な長さとなり、光軸の
安定性の確保が困難であること、各段の焦点前後での原
料物質の吸収による反応に寄与しないレーザエネルギの
損失が大きい等の問題点があった。前者の問題点の対応
として、反応器の長さが短く、かつレーザパワーを有効
に利用できる方式として、特開昭54−12,290号
公報の第1図に示される様な多重反射鏡対を設けた反応
器の例がある。この場合、ビームの多重反射においては
焦点を結ぶことなく重畳を繰り返すので、要求されるク
リティカルフルーエンスが1J/cm2 程度の低い値の
場合には非常に有効な方法であるが、高フルーエンス、
例えば5〜6J/cm2 が要求されるような場合には重
畳領域全域でこれを実現することは困難である。更に、
反射鏡の表面形状が複雑になり、また反射鏡の近傍でも
反応が起きるので、反応生成物によって反射鏡表面が汚
損され、長時間にわたる安定した反応が実現出来ない問
題点もある。
程においては、初期コストやランニングコストの何れに
おいてもレーザの占める割合が最も高く、低コストのレ
ーザ光化学反応工程を実現するためには、レーザパワー
の有効利用技術が必須の要件となる。そこで、この様な
問題に対応するため、特開昭59−123,517号公
報の第3図に示されている様な直列多段集光系が提案さ
れている。しかしながら、この方法では、集光段数が多
くなればなるほど上記の方法に比べてレーザパワーの利
用率が高くなるが、反応器が莫大な長さとなり、光軸の
安定性の確保が困難であること、各段の焦点前後での原
料物質の吸収による反応に寄与しないレーザエネルギの
損失が大きい等の問題点があった。前者の問題点の対応
として、反応器の長さが短く、かつレーザパワーを有効
に利用できる方式として、特開昭54−12,290号
公報の第1図に示される様な多重反射鏡対を設けた反応
器の例がある。この場合、ビームの多重反射においては
焦点を結ぶことなく重畳を繰り返すので、要求されるク
リティカルフルーエンスが1J/cm2 程度の低い値の
場合には非常に有効な方法であるが、高フルーエンス、
例えば5〜6J/cm2 が要求されるような場合には重
畳領域全域でこれを実現することは困難である。更に、
反射鏡の表面形状が複雑になり、また反射鏡の近傍でも
反応が起きるので、反応生成物によって反射鏡表面が汚
損され、長時間にわたる安定した反応が実現出来ない問
題点もある。
【0004】本願出願人らは、簡便な光学系を用いて反
射重畳を実現する方法として、行きと帰りのビームの集
光位置を一致させ、かつ2つ以上のビームがその焦点位
置近傍で重畳するレーザ集光方法として、2パス重畳の
例を特開平2−251,227号公報に、また多重パス
反射重畳の例を特願平2−126,836号として提示
した。これらの方法においては、反射鏡の曲率を適宜選
択することにより任意の所望のフルーエンスを実現で
き、かつ反射ビーム光軸とレーザ発振光軸が最終的に一
致するように設定されるので、最低2ビーム以上の重畳
が確実に実現される。しかしながら、これらの方法にお
いてはレーザエネルギの利用効率を改善するため反射パ
ス数を増加させ、レーザ伝搬距離を長くすると、反射鏡
のアライメントの安定な保持が困難になる問題がある。
更に、多重反射系においては、レーザ発振器における回
折に起因するビーム発散ならびに反応物質によるレーザ
ビームの自己集束・拡散効果のためレーザ集光プロフィ
ルが逐次変化して行くため、反射パス数に自ずから最大
値が存在し、レーザ発振器から取り出された全てのエネ
ルギを反応に用いることは不可能であった。また反応に
寄与しなかった残存レーザエネルギはレーザ発振器側に
戻るが、一般にこの反射ビームの空間モードはレーザ発
振器のそれと一致しないことから、たとえレーザ発振器
内に反射ビームが戻っても、回折損失によって失われ
る。また甚だしい場合には、レーザ発振器に係わる光学
部品の破損につながる可能性もある。
射重畳を実現する方法として、行きと帰りのビームの集
光位置を一致させ、かつ2つ以上のビームがその焦点位
置近傍で重畳するレーザ集光方法として、2パス重畳の
例を特開平2−251,227号公報に、また多重パス
反射重畳の例を特願平2−126,836号として提示
した。これらの方法においては、反射鏡の曲率を適宜選
択することにより任意の所望のフルーエンスを実現で
き、かつ反射ビーム光軸とレーザ発振光軸が最終的に一
致するように設定されるので、最低2ビーム以上の重畳
が確実に実現される。しかしながら、これらの方法にお
いてはレーザエネルギの利用効率を改善するため反射パ
ス数を増加させ、レーザ伝搬距離を長くすると、反射鏡
のアライメントの安定な保持が困難になる問題がある。
更に、多重反射系においては、レーザ発振器における回
折に起因するビーム発散ならびに反応物質によるレーザ
ビームの自己集束・拡散効果のためレーザ集光プロフィ
ルが逐次変化して行くため、反射パス数に自ずから最大
値が存在し、レーザ発振器から取り出された全てのエネ
ルギを反応に用いることは不可能であった。また反応に
寄与しなかった残存レーザエネルギはレーザ発振器側に
戻るが、一般にこの反射ビームの空間モードはレーザ発
振器のそれと一致しないことから、たとえレーザ発振器
内に反射ビームが戻っても、回折損失によって失われ
る。また甚だしい場合には、レーザ発振器に係わる光学
部品の破損につながる可能性もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の2パス重畳、多重反射重畳において問題となっている
発振器側に戻ってくるレーザビームの残存エネルギを回
折損失などで失うことなく、再度反応物質に投入し、こ
れを繰り返すことによってレーザ媒質から取り出し得る
エネルギの殆ど全てを反応に有効に寄与させる簡便な装
置を実現することで、レーザ光化学気相反応工程におい
て最も高い価格を占めるレーザビームのエネルギの利用
効率を従来法に比べて大幅に改善し、廉価なプロセスを
実現できる反応装置を提供することにある。
の2パス重畳、多重反射重畳において問題となっている
発振器側に戻ってくるレーザビームの残存エネルギを回
折損失などで失うことなく、再度反応物質に投入し、こ
れを繰り返すことによってレーザ媒質から取り出し得る
エネルギの殆ど全てを反応に有効に寄与させる簡便な装
置を実現することで、レーザ光化学気相反応工程におい
て最も高い価格を占めるレーザビームのエネルギの利用
効率を従来法に比べて大幅に改善し、廉価なプロセスを
実現できる反応装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザビーム
を集光して気相原料物質が存在する反応容器内の反応領
域に導入し、原料物質の光吸収特性を用いて所望の化学
反応を行うためのレーザ光を用いた気相光化学反応装置
において、全反射鏡M1 と部分反射鏡M2 によって構成
されるレーザ共振器の部分反射鏡M2 の外側に一対の集
光光学系からなるテレスコープを設置し、その間のレー
ザ集光位置に反応容器を設置し、さらにテレスコープの
後方に全反射鏡M3 を設置し、全反射鏡対M1 ,M3 な
らびにそれらの間に存在する光学部品からなるファブリ
ペロ共振器において形成されるレーザビームの空間モー
ドのM1 ,M2 間での空間プロフィルならびにM2 ,M
3 間での空間プロフィルと、全反射鏡・部分反射鏡対M
1 ,M2 ならびにM3 ,M2 からなるそれぞれのファブ
リペロ共振器において形成されるレーザビームの空間プ
ロフィルとを一致させることを特徴とするレーザ光を用
いた気相光化学反応装置であり、これによってレーザ媒
質から取り出し得るレーザエネルギの殆ど全てを光化学
反応に有効に利用し得る装置を提供するものである。
を集光して気相原料物質が存在する反応容器内の反応領
域に導入し、原料物質の光吸収特性を用いて所望の化学
反応を行うためのレーザ光を用いた気相光化学反応装置
において、全反射鏡M1 と部分反射鏡M2 によって構成
されるレーザ共振器の部分反射鏡M2 の外側に一対の集
光光学系からなるテレスコープを設置し、その間のレー
ザ集光位置に反応容器を設置し、さらにテレスコープの
後方に全反射鏡M3 を設置し、全反射鏡対M1 ,M3 な
らびにそれらの間に存在する光学部品からなるファブリ
ペロ共振器において形成されるレーザビームの空間モー
ドのM1 ,M2 間での空間プロフィルならびにM2 ,M
3 間での空間プロフィルと、全反射鏡・部分反射鏡対M
1 ,M2 ならびにM3 ,M2 からなるそれぞれのファブ
リペロ共振器において形成されるレーザビームの空間プ
ロフィルとを一致させることを特徴とするレーザ光を用
いた気相光化学反応装置であり、これによってレーザ媒
質から取り出し得るレーザエネルギの殆ど全てを光化学
反応に有効に利用し得る装置を提供するものである。
【0007】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。図2は本発明
に基づく光学部品の配置例を示したものである。レーザ
媒質に対するレーザ共振器はレーザ発振波長を選択する
ためにリトロウ型に配置されたグレーテイングからなる
全反射鏡M1と部分反射鏡M2 で構成される。レーザ出
力鏡である部分反射鏡M2 から出力されたレーザビーム
1はレンズL1 によって集光され反応容器2を通過した
後、レンズL2 でビーム変換され、全反射鏡M3 に到り
反射される。反射されたレーザビーム1は、部分反射鏡
M2 から全反射鏡M3 に到る経路におけるビームプロフ
ィルと同一のプロフィルを保ったままレンズL2 、反応
容器2、レンズL1 を介して部分反射鏡M2 に戻る。部
分反射鏡M2 に到ったレーザビーム1は、部分反射鏡M
2 の反射率に従って二つのビームに分割され、一方は全
反射鏡M1 の方へ透過し、また他方はレンズL1 の方へ
反射される。ここで、全反射鏡M1 の方へ透過したレー
ザビームの空間モードは元々のM1 ,M2 によって構成
されるレーザ共振器のそれと一致するように制御されて
いるので、回折損失を被ることなく全反射鏡M1 に到
り、反射された後、部分反射鏡M2 へ到る。また、レン
ズL1 の方へ反射されたレーザビームの空間プロフィル
は、元々の発振ビームのそれと一致していることから、
最初のビームと完全に同一の空間プロフィルで反応容器
2へ到る。全反射鏡対M1 ,M3 によって構成される共
振器のM1 ,M2 間のモード並びにM2 ,M3 間のモー
ドは、それぞれM1 ,M2 ならびにM2 ,M3 によって
構成される個々の共振器の空間モードと一致しているこ
とから、以上の動作は、回折損失を被ることなく無限回
数の反射重畳を繰り返すことになる。ここで、レンズL
1 ,L2 はレーザ発振波長に対する無反射コーテイング
がほどこされており、また反応容器2のレーザ光導入用
の窓は反射損失を防止するためにブリュースター角に設
定されていることから、原理的にはレーザ媒質から取り
出し得るエネルギの内、反射鏡における反射損失以外は
全て反応容器2内で消費され反応に寄与することにな
る。図3は以上の動作におけるレーザパワーの流れを模
式的に示したものである。図中、P0 はレーザ発振器か
ら初めに取り出されたパワー、r1 ,r2 ,r3 はそれ
ぞれ反射鏡M1 ,M2 ,M3 の反射率(r1 〜r3 〜
1、r2 <1)、Gはレーザ媒質を一往復した際のパワ
ー利得、αは反応容器2を一往復した際に反応媒質によ
って吸収されるパワーの割合を示す。図に示されている
ようにレーザビームは部分反射鏡M2 に到達する度に二
つの成分に分割されるため複雑な挙動を示すが、反射を
繰り返す内にレーザ媒質から取り出し得るパワー(レー
ザ利得Gに相当)は、反応容器2内に存在する反応媒質
による吸収パワー(パワー損失αに相当)へと移行して
ゆくことになる。
に基づく光学部品の配置例を示したものである。レーザ
媒質に対するレーザ共振器はレーザ発振波長を選択する
ためにリトロウ型に配置されたグレーテイングからなる
全反射鏡M1と部分反射鏡M2 で構成される。レーザ出
力鏡である部分反射鏡M2 から出力されたレーザビーム
1はレンズL1 によって集光され反応容器2を通過した
後、レンズL2 でビーム変換され、全反射鏡M3 に到り
反射される。反射されたレーザビーム1は、部分反射鏡
M2 から全反射鏡M3 に到る経路におけるビームプロフ
ィルと同一のプロフィルを保ったままレンズL2 、反応
容器2、レンズL1 を介して部分反射鏡M2 に戻る。部
分反射鏡M2 に到ったレーザビーム1は、部分反射鏡M
2 の反射率に従って二つのビームに分割され、一方は全
反射鏡M1 の方へ透過し、また他方はレンズL1 の方へ
反射される。ここで、全反射鏡M1 の方へ透過したレー
ザビームの空間モードは元々のM1 ,M2 によって構成
されるレーザ共振器のそれと一致するように制御されて
いるので、回折損失を被ることなく全反射鏡M1 に到
り、反射された後、部分反射鏡M2 へ到る。また、レン
ズL1 の方へ反射されたレーザビームの空間プロフィル
は、元々の発振ビームのそれと一致していることから、
最初のビームと完全に同一の空間プロフィルで反応容器
2へ到る。全反射鏡対M1 ,M3 によって構成される共
振器のM1 ,M2 間のモード並びにM2 ,M3 間のモー
ドは、それぞれM1 ,M2 ならびにM2 ,M3 によって
構成される個々の共振器の空間モードと一致しているこ
とから、以上の動作は、回折損失を被ることなく無限回
数の反射重畳を繰り返すことになる。ここで、レンズL
1 ,L2 はレーザ発振波長に対する無反射コーテイング
がほどこされており、また反応容器2のレーザ光導入用
の窓は反射損失を防止するためにブリュースター角に設
定されていることから、原理的にはレーザ媒質から取り
出し得るエネルギの内、反射鏡における反射損失以外は
全て反応容器2内で消費され反応に寄与することにな
る。図3は以上の動作におけるレーザパワーの流れを模
式的に示したものである。図中、P0 はレーザ発振器か
ら初めに取り出されたパワー、r1 ,r2 ,r3 はそれ
ぞれ反射鏡M1 ,M2 ,M3 の反射率(r1 〜r3 〜
1、r2 <1)、Gはレーザ媒質を一往復した際のパワ
ー利得、αは反応容器2を一往復した際に反応媒質によ
って吸収されるパワーの割合を示す。図に示されている
ようにレーザビームは部分反射鏡M2 に到達する度に二
つの成分に分割されるため複雑な挙動を示すが、反射を
繰り返す内にレーザ媒質から取り出し得るパワー(レー
ザ利得Gに相当)は、反応容器2内に存在する反応媒質
による吸収パワー(パワー損失αに相当)へと移行して
ゆくことになる。
【0008】次に、テレスコープを構成する集光光学系
の焦点距離ならびにそれらの間隙によってそれぞれの共
振器における空間モードを制御する方法について説明す
る。図4は、図2の光学部品配置において l1 =2000mm, l2 =200mm, l3 =14
20mm, l4 =200mm f1 =f2 =800mm R1 =4000mm(凹面), R2 =R3=∞(平面),
R4 =4000mm(凹面) の条件の際の、ガウスビームの空間伝搬プロフィルをA
BCD行列を用いて光線追跡法による解析を行った結果
を示したものである。図4は全反射鏡M1 ,部分反射鏡
M2 で構成される共振器において発生するガウスビーム
のプロフィルと、そのガウスビームが全反射鏡M3 まで
伝搬する空間プロフィルを実線で描き、全反射鏡M3 か
ら部分反射鏡M2まで反射して戻ってくるビームのプロ
フィルを一点鎖線で描いたものである。図に示されてい
るように、この条件下においては全反射鏡M3 からの反
射ビームは、部分反射鏡M2 からの出力ビームが初めに
集光された位置よりも全反射鏡M3 に近い位置で集光さ
れていることがわかる。図5は図4と同一の条件に対し
てM1 −M2 ,M2−M3 ,M1 −M3 をそれぞれ独立
のファブリペロ共振器と見なして、それぞれの共振器に
対して立ち得るガウスビームのプロフィルをM1 −M3
に対して実線で、M1 −M2 に対して一点鎖線で、M2
−M3 に対して波線で示したものである。図から明らか
なように、それぞれの共振器に対する空間モードプロフ
ィルは一致していないことから、M1 −M2 共振器から
取り打されたレーザビームは全反射鏡M3 で反射した
後、大半の成分が回折損失によって失われる。それに対
してテレスコープレンズL1 ,L2 の間隙のみをl3 =
1300mmに変更し、全反射鏡M3 は固定した状態と
し、すなわちl4 =320mm とした場合の図4及び
図5と同様の計算結果を図6及び図7に示す。図6よ
り、図2において説明したように、全反射鏡M3 によっ
て反射されたレーザビームはほぼ同じ空間プロフィルを
保って、部分反射鏡M2 まで反射することがわかり、ま
た図7より三つの共振器におけるレーザビームの空間モ
ードプロフィルはほぼ一致していることがわかる。な
お、テレスコープレンズ間隙l3 をさらに制御すること
で、それぞれの空間モードを完全に一致させることが出
来るが、ここではそれぞれを判別できるように若干ずれ
ている例を示した。以上の結果より、テレスコープレン
ズL1,L2 の間隙を制御することによりそれぞれの共
振器における空間モードプロフィルの整合をとることが
可能であることが判明した。また、レンズL1 ,L2 の
焦点距離f1,f2は反応容器2内で要求されるフルーエ
ンスに従って適宜選択される。
の焦点距離ならびにそれらの間隙によってそれぞれの共
振器における空間モードを制御する方法について説明す
る。図4は、図2の光学部品配置において l1 =2000mm, l2 =200mm, l3 =14
20mm, l4 =200mm f1 =f2 =800mm R1 =4000mm(凹面), R2 =R3=∞(平面),
R4 =4000mm(凹面) の条件の際の、ガウスビームの空間伝搬プロフィルをA
BCD行列を用いて光線追跡法による解析を行った結果
を示したものである。図4は全反射鏡M1 ,部分反射鏡
M2 で構成される共振器において発生するガウスビーム
のプロフィルと、そのガウスビームが全反射鏡M3 まで
伝搬する空間プロフィルを実線で描き、全反射鏡M3 か
ら部分反射鏡M2まで反射して戻ってくるビームのプロ
フィルを一点鎖線で描いたものである。図に示されてい
るように、この条件下においては全反射鏡M3 からの反
射ビームは、部分反射鏡M2 からの出力ビームが初めに
集光された位置よりも全反射鏡M3 に近い位置で集光さ
れていることがわかる。図5は図4と同一の条件に対し
てM1 −M2 ,M2−M3 ,M1 −M3 をそれぞれ独立
のファブリペロ共振器と見なして、それぞれの共振器に
対して立ち得るガウスビームのプロフィルをM1 −M3
に対して実線で、M1 −M2 に対して一点鎖線で、M2
−M3 に対して波線で示したものである。図から明らか
なように、それぞれの共振器に対する空間モードプロフ
ィルは一致していないことから、M1 −M2 共振器から
取り打されたレーザビームは全反射鏡M3 で反射した
後、大半の成分が回折損失によって失われる。それに対
してテレスコープレンズL1 ,L2 の間隙のみをl3 =
1300mmに変更し、全反射鏡M3 は固定した状態と
し、すなわちl4 =320mm とした場合の図4及び
図5と同様の計算結果を図6及び図7に示す。図6よ
り、図2において説明したように、全反射鏡M3 によっ
て反射されたレーザビームはほぼ同じ空間プロフィルを
保って、部分反射鏡M2 まで反射することがわかり、ま
た図7より三つの共振器におけるレーザビームの空間モ
ードプロフィルはほぼ一致していることがわかる。な
お、テレスコープレンズ間隙l3 をさらに制御すること
で、それぞれの空間モードを完全に一致させることが出
来るが、ここではそれぞれを判別できるように若干ずれ
ている例を示した。以上の結果より、テレスコープレン
ズL1,L2 の間隙を制御することによりそれぞれの共
振器における空間モードプロフィルの整合をとることが
可能であることが判明した。また、レンズL1 ,L2 の
焦点距離f1,f2は反応容器2内で要求されるフルーエ
ンスに従って適宜選択される。
【0009】次に、従来技術と本発明の差異について説
明する。図8は、従来技術との対比を行うために、評価
の対象とした光学部品の配置を示したものであり、図2
に比べてレーザ発振器を構成する全反射鏡M1 の表面形
状が平面であり、部分透過鏡M2 の全反射鏡M1 側の表
面形状が凹面であり、さらに光学部品数を減らすために
テレスコープ用レンズL2 と全反射鏡M3 を同一のもの
にした構成となっている。以上の構成は従来技術である
特開平2−251,227号公報の第1図と反応容器の
形状を除いて同一の構成となっている。図9は図8の光
学部品配置において l1 =2800mm, l2 =500mm, l3 =33
60mmf1 =2000mm R1 =∞(平面), R2 =15000mm (凹面),
R3 =∞(平面),R4 =1500mm(凹面) の条件の際の、ガウスビームの空間伝搬プロフィルを光
線追跡した結果を示したものであり、同図9及び図10
は図4及び図5と同一の様式で描かれている。図9に示
されているように部分反射鏡M2 からのレーザ発振器の
出力ビームの集光位置と全反射鏡M3 からの反射ビーム
の集光位置は一致しているが二つのビームの空間モード
は一致しない条件となっている。その結果、図10に示
されているように三つの共振器に対するガウスモードの
空間プロフィルはそれぞれ一致しなくなり回折損失によ
って大きなエネルギ損失を被ることになる。これに対し
て、図8の光学部品配置において l1 =2800mm, l2 =500mm, l3 =40
10mm f1 =2000mm R1 =∞(平面), R2 =15000 mm (凹面), R3
=∞(平面), R4 =2000mm(凹面) とした場合の、図9及び図10と同様の光線追跡計算結
果を図11及び図12に示す。この例においては図1
1、図12共、それぞれの空間モードプロフィルが完全
に一致しているので、一本の線によって表されている。
以上のごとく、本発明においてはテレスコープに相当す
る球面鏡の焦点距離(曲率半径R4 )とテレスコープ間
隙(l3)を制御することにより、それぞれの共振器に対
する空間モードの整合をとることができるので、回折損
失によるエネルギ損失を防止することができる。
明する。図8は、従来技術との対比を行うために、評価
の対象とした光学部品の配置を示したものであり、図2
に比べてレーザ発振器を構成する全反射鏡M1 の表面形
状が平面であり、部分透過鏡M2 の全反射鏡M1 側の表
面形状が凹面であり、さらに光学部品数を減らすために
テレスコープ用レンズL2 と全反射鏡M3 を同一のもの
にした構成となっている。以上の構成は従来技術である
特開平2−251,227号公報の第1図と反応容器の
形状を除いて同一の構成となっている。図9は図8の光
学部品配置において l1 =2800mm, l2 =500mm, l3 =33
60mmf1 =2000mm R1 =∞(平面), R2 =15000mm (凹面),
R3 =∞(平面),R4 =1500mm(凹面) の条件の際の、ガウスビームの空間伝搬プロフィルを光
線追跡した結果を示したものであり、同図9及び図10
は図4及び図5と同一の様式で描かれている。図9に示
されているように部分反射鏡M2 からのレーザ発振器の
出力ビームの集光位置と全反射鏡M3 からの反射ビーム
の集光位置は一致しているが二つのビームの空間モード
は一致しない条件となっている。その結果、図10に示
されているように三つの共振器に対するガウスモードの
空間プロフィルはそれぞれ一致しなくなり回折損失によ
って大きなエネルギ損失を被ることになる。これに対し
て、図8の光学部品配置において l1 =2800mm, l2 =500mm, l3 =40
10mm f1 =2000mm R1 =∞(平面), R2 =15000 mm (凹面), R3
=∞(平面), R4 =2000mm(凹面) とした場合の、図9及び図10と同様の光線追跡計算結
果を図11及び図12に示す。この例においては図1
1、図12共、それぞれの空間モードプロフィルが完全
に一致しているので、一本の線によって表されている。
以上のごとく、本発明においてはテレスコープに相当す
る球面鏡の焦点距離(曲率半径R4 )とテレスコープ間
隙(l3)を制御することにより、それぞれの共振器に対
する空間モードの整合をとることができるので、回折損
失によるエネルギ損失を防止することができる。
【0010】図13は本発明のさらに別の形態の光学部
品の配置例を示したものである。この例においては、図
8の配置に比べて光学部品の点数をさらに減らすため、
部分反射鏡M2 の形状をメニスカス凸レンズとして、部
分反射鏡M2 とレンズL1 を同一のものとした例であ
る。この配置における空間モード挙動として、空間モー
ド整合がとれていない条件として、 l1 =2000mm, l2 =3100mm R1 =∞(平面), R2 =4000mm(凹面), R3
=1167mm(凸面), R4 =1500mm(凹面) の場合の計算結果を図4及び図5と同様な様式で描いた
ものを図14及び図15に、また空間モード整合がとれ
ている条件として l1 =2000mm, l2 =2630mm R1 =∞(平面), R2 =4000mm(凹面), R3
=1167mm(凸面), R4 =1500mm(凹面) の場合の計算結果を図4及び図5と同様な様式で描いた
ものを図16及び図17に示す。前出の例と同様に全反
射鏡M3 の位置を制御することで、空間モードの整合を
実現できることが明かである。
品の配置例を示したものである。この例においては、図
8の配置に比べて光学部品の点数をさらに減らすため、
部分反射鏡M2 の形状をメニスカス凸レンズとして、部
分反射鏡M2 とレンズL1 を同一のものとした例であ
る。この配置における空間モード挙動として、空間モー
ド整合がとれていない条件として、 l1 =2000mm, l2 =3100mm R1 =∞(平面), R2 =4000mm(凹面), R3
=1167mm(凸面), R4 =1500mm(凹面) の場合の計算結果を図4及び図5と同様な様式で描いた
ものを図14及び図15に、また空間モード整合がとれ
ている条件として l1 =2000mm, l2 =2630mm R1 =∞(平面), R2 =4000mm(凹面), R3
=1167mm(凸面), R4 =1500mm(凹面) の場合の計算結果を図4及び図5と同様な様式で描いた
ものを図16及び図17に示す。前出の例と同様に全反
射鏡M3 の位置を制御することで、空間モードの整合を
実現できることが明かである。
【0011】以上ここまでは、三つのファブリペロ共振
器における空間モード整合の実現の仕方について説明し
てきた。ここで、全反射鏡M1 と部分反射鏡M2 によっ
て構成されるレーザ共振器から考えると、空間モードが
整合するように全反射鏡M3 を設置することは外部共振
器を設けることと等しい。これは、レーザ共振器内で共
振している光波に対して外部共振器からのレーザ光がフ
ィードバックされることを意味し、共振光とフィードバ
ック光との間で位相干渉を引き起こすことになる。この
位相干渉は、一般に短パルス発振動作に対しては大きな
問題とならないが、連続波発振動作の場合は発振の不安
定性の要因となり得る。このような位相干渉はM1 −M
2 共振器と、M2 −M3 共振器の長さの差が発振波長の
整数倍となるように制御することによって解決すること
が出来る。このような制御は、例えば全反射鏡M1 もし
くは全反射鏡M3 をピエゾ素子で駆動する構成とし、複
合共振器中のレーザ出力を基準としてその出力が最大と
なるようにピエゾ素子の駆動電圧を制御することによっ
て実現される。
器における空間モード整合の実現の仕方について説明し
てきた。ここで、全反射鏡M1 と部分反射鏡M2 によっ
て構成されるレーザ共振器から考えると、空間モードが
整合するように全反射鏡M3 を設置することは外部共振
器を設けることと等しい。これは、レーザ共振器内で共
振している光波に対して外部共振器からのレーザ光がフ
ィードバックされることを意味し、共振光とフィードバ
ック光との間で位相干渉を引き起こすことになる。この
位相干渉は、一般に短パルス発振動作に対しては大きな
問題とならないが、連続波発振動作の場合は発振の不安
定性の要因となり得る。このような位相干渉はM1 −M
2 共振器と、M2 −M3 共振器の長さの差が発振波長の
整数倍となるように制御することによって解決すること
が出来る。このような制御は、例えば全反射鏡M1 もし
くは全反射鏡M3 をピエゾ素子で駆動する構成とし、複
合共振器中のレーザ出力を基準としてその出力が最大と
なるようにピエゾ素子の駆動電圧を制御することによっ
て実現される。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明に係わるレ
ーザ光を用いた気相光化学反応装置を具体的に説明す
る。図1に、本発明による気相光化学反応装置の一例を
示す。同図において、レーザ発振器3は大気圧動作横方
向励起(TEA)CO2 レーザである。レーザ用全反射
鏡M1 は多数存在するCO2 レーザの発振線の内の一本
を選択するためにリトロウ型に配置された平面グレーテ
イングであり、その角度は発振波長が9.57μmにな
るように設定されている。出力ミラーである部分反射鏡
M2 はレーザ共振器側が曲率半径15mの凹面、大気側
が平面のZnSe部分透過鏡であり、レーザ共振器側に
反射率30%のコーテイングが、大気側に無反射コーテ
イングが施されている。レーザ共振器長は2.8mであ
る。以上のレーザ発振器から、パルス半値幅約80ns
ec.、パルスエネルギ8J/パルスのレーザパルスが
出力される。焦点距離2mの無反射コーテイングが施さ
れたZnSe集光レンズL1 は部分透過鏡M2 から50
cmの位置に設置され、そこから4.01mの位置に曲
率半径2mの凹面全反射鏡M3 が設置されている。以上
の条件は図11及び図12の計算条件と一致するもので
ある。全反射鏡M3 はGe基板に高反射コーテイング(反
射率99.6%)が施されたものであり、その後方にエ
ネルギメーター4が設置され、わずかに透過するエネル
ギから複合共振器内のレーザエネルギを推定する。さら
に全反射鏡M3 の裏面にはピエゾ素子5が装着され、そ
の駆動電圧は前記エネルギメーターの指示値が最大にな
るようにコントローラ6によってフィードバック制御さ
れている。反応容器2は、円筒形のガラス製容器であ
り、その両端には、入射角がブリュースター角度に設定
されたNaCl基板がレーザビーム導入用の窓として設
置されている。反応物質7は、反応容器2の一端から導
入され、レーザ照射を受けた後、他端から排出される構
成となっている。
ーザ光を用いた気相光化学反応装置を具体的に説明す
る。図1に、本発明による気相光化学反応装置の一例を
示す。同図において、レーザ発振器3は大気圧動作横方
向励起(TEA)CO2 レーザである。レーザ用全反射
鏡M1 は多数存在するCO2 レーザの発振線の内の一本
を選択するためにリトロウ型に配置された平面グレーテ
イングであり、その角度は発振波長が9.57μmにな
るように設定されている。出力ミラーである部分反射鏡
M2 はレーザ共振器側が曲率半径15mの凹面、大気側
が平面のZnSe部分透過鏡であり、レーザ共振器側に
反射率30%のコーテイングが、大気側に無反射コーテ
イングが施されている。レーザ共振器長は2.8mであ
る。以上のレーザ発振器から、パルス半値幅約80ns
ec.、パルスエネルギ8J/パルスのレーザパルスが
出力される。焦点距離2mの無反射コーテイングが施さ
れたZnSe集光レンズL1 は部分透過鏡M2 から50
cmの位置に設置され、そこから4.01mの位置に曲
率半径2mの凹面全反射鏡M3 が設置されている。以上
の条件は図11及び図12の計算条件と一致するもので
ある。全反射鏡M3 はGe基板に高反射コーテイング(反
射率99.6%)が施されたものであり、その後方にエ
ネルギメーター4が設置され、わずかに透過するエネル
ギから複合共振器内のレーザエネルギを推定する。さら
に全反射鏡M3 の裏面にはピエゾ素子5が装着され、そ
の駆動電圧は前記エネルギメーターの指示値が最大にな
るようにコントローラ6によってフィードバック制御さ
れている。反応容器2は、円筒形のガラス製容器であ
り、その両端には、入射角がブリュースター角度に設定
されたNaCl基板がレーザビーム導入用の窓として設
置されている。反応物質7は、反応容器2の一端から導
入され、レーザ照射を受けた後、他端から排出される構
成となっている。
【0013】以上に示した系を用いて炭素13の同位体
濃縮をCHClF2を原料気体として用いて行った。そ
の結果、炭素13が天然濃度の50倍に濃縮されたC2
F4 が生成物として得られ、レーザパルス当りの13C
分離効率として7×10-7mol/パルスの効率が得ら
れた。比較のために、従来法に相当する図9及び図10
の条件に系を変更して同様な濃縮実験を行った結果、レ
ーザパルス当りの13C分離効率として3×10-7mo
l/パルスの効率が得られた。従って、本発明により、
単位レーザパルスエネルギ当りの光化学反応効率は従来
技術に比べて2倍以上に改善された。
濃縮をCHClF2を原料気体として用いて行った。そ
の結果、炭素13が天然濃度の50倍に濃縮されたC2
F4 が生成物として得られ、レーザパルス当りの13C
分離効率として7×10-7mol/パルスの効率が得ら
れた。比較のために、従来法に相当する図9及び図10
の条件に系を変更して同様な濃縮実験を行った結果、レ
ーザパルス当りの13C分離効率として3×10-7mo
l/パルスの効率が得られた。従って、本発明により、
単位レーザパルスエネルギ当りの光化学反応効率は従来
技術に比べて2倍以上に改善された。
【0014】以上の実施例においては、パルスCO2 レ
ーザの代表であるTEAレーザを例にとって示したが、
本発明がQスイッチ技術等によるその他のパルスCO2
レーザや連続波レーザ、さらには固体レーザや色素レー
ザなどの他のレーザに対しても適用が可能であることは
言うまでもない。
ーザの代表であるTEAレーザを例にとって示したが、
本発明がQスイッチ技術等によるその他のパルスCO2
レーザや連続波レーザ、さらには固体レーザや色素レー
ザなどの他のレーザに対しても適用が可能であることは
言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したごとく、本発明によれ
ば、レーザビームによる気相光化学反応工程の中で最も
高い価格を占めるレーザビームのパワーを有効に利用す
ることができ、レーザエネルギに対する光化学反応効率
の改善、並びにレーザの各種の費用の低減が可能であ
り、低コストのレーザ気相光化学反応工程を実現できる
利点を有する。
ば、レーザビームによる気相光化学反応工程の中で最も
高い価格を占めるレーザビームのパワーを有効に利用す
ることができ、レーザエネルギに対する光化学反応効率
の改善、並びにレーザの各種の費用の低減が可能であ
り、低コストのレーザ気相光化学反応工程を実現できる
利点を有する。
【図1】本発明のレーザ光を用いた気相光化学反応装置
の一実施例を示す構成図である。
の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明における光学部品の配置例を示した模式
図である。
図である。
【図3】図2の配置におけるレーザパワーの流れを説明
するための模式図である。
するための模式図である。
【図4】図2の光学部品配置において三つの共振器の空
間モード整合がとれない条件に対して、M1 −M2 共振
器から発振したガウスビームが全反射鏡M3 に到り、更
に反射され部分透過鏡M2 に到るまでの挙動を光線追跡
した結果を示す図である。
間モード整合がとれない条件に対して、M1 −M2 共振
器から発振したガウスビームが全反射鏡M3 に到り、更
に反射され部分透過鏡M2 に到るまでの挙動を光線追跡
した結果を示す図である。
【図5】図4と同条件について、M1 −M2 ,M2 −M
3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得るガウ
スビームの空間モードを光線追跡によって解析した結果
を示す図である。
3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得るガウ
スビームの空間モードを光線追跡によって解析した結果
を示す図である。
【図6】図2の光学部品配置において、本発明に相当す
る三つの共振器の空間モード整合がほぼとれている条件
に対して、M1 −M2 共振器から発振したガウスビーム
が全反射鏡M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に
到るまでの挙動を光線追跡した結果を示す図である。
る三つの共振器の空間モード整合がほぼとれている条件
に対して、M1 −M2 共振器から発振したガウスビーム
が全反射鏡M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に
到るまでの挙動を光線追跡した結果を示す図である。
【図7】図6と同条件について、M1 −M2 ,M2 −M
3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得るガウ
スビームの空間モードを光線追跡によって解析した結果
を示す図である。
3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得るガウ
スビームの空間モードを光線追跡によって解析した結果
を示す図である。
【図8】本発明における他の光学部品の配置例を示した
模式図である。
模式図である。
【図9】図8の光学部品配置において従来法に相当し三
つの共振器の空間モード整合がとれない条件に対して、
M1 −M2 共振器から発振したガウスビームが全反射鏡
M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に到るまでの
挙動を光線追跡した結果を示す図である。
つの共振器の空間モード整合がとれない条件に対して、
M1 −M2 共振器から発振したガウスビームが全反射鏡
M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に到るまでの
挙動を光線追跡した結果を示す図である。
【図10】図9と同条件について、M1 −M2 ,M2−
M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得るガ
ウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した結
果を示す図である。
M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得るガ
ウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した結
果を示す図である。
【図11】図8の光学部品配置において本発明に相当す
る三つの共振器の空間モード整合がとれている条件に対
して、M1 −M2 共振器から発振したガウスビームが全
反射鏡M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に到る
までの挙動を光線追跡した結果を示す図である。
る三つの共振器の空間モード整合がとれている条件に対
して、M1 −M2 共振器から発振したガウスビームが全
反射鏡M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に到る
までの挙動を光線追跡した結果を示す図である。
【図12】図11と同条件について、M1 −M2 ,M2
−M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得る
ガウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した
結果を示す図である。
−M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得る
ガウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した
結果を示す図である。
【図13】本発明における他の光学部品の配置例を示し
た模式図である。
た模式図である。
【図14】図13の光学部品配置において三つの共振器
の空間モード整合がとれない条件に対して、M1 −M2
共振器から発振したガウスビームが全反射鏡M3 に到
り、更に反射され部分透過鏡M2 に到るまでの挙動を光
線追跡した結果を示す図である。
の空間モード整合がとれない条件に対して、M1 −M2
共振器から発振したガウスビームが全反射鏡M3 に到
り、更に反射され部分透過鏡M2 に到るまでの挙動を光
線追跡した結果を示す図である。
【図15】図14と同条件について、M1 −M2 ,M2
−M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得る
ガウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した
結果を示す図である。
−M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得る
ガウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した
結果を示す図である。
【図16】図13の光学部品配置において本発明に相当
する三つの共振器の空間モード整合がとれている条件に
対して、M1 −M2 共振器から発振したガウスビームが
全反射鏡M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に到
るまでの挙動を光線追跡した結果を示す図である。
する三つの共振器の空間モード整合がとれている条件に
対して、M1 −M2 共振器から発振したガウスビームが
全反射鏡M3 に到り、更に反射され部分透過鏡M2 に到
るまでの挙動を光線追跡した結果を示す図である。
【図17】図16と同条件について、M1 −M2 ,M2
−M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得る
ガウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した
結果を示す図である。
−M3 ,M1 −M3 それぞれの共振器に対して立ち得る
ガウスビームの空間モードを光線追跡によって解析した
結果を示す図である。
1:レーザビーム 2:反応容器 3:レーザ発振器 4:エネルギメーター 5:ピエゾ素子 6:コントローラ 7:原料気体 M1 ,M3 :全反射鏡 M2 :部分反射鏡 L1 ,L2 :レンズ
フロントページの続き (72)発明者 坂井 辰彦 神奈川県相模原市淵野辺5−10−1、新日 本製鐵株式会社エレクトロニクス研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 レーザビームを集光して気相原料物質が
存在する反応容器内の反応領域に導入し、原料物質の光
吸収特性を用いて所望の化学反応を行うためのレーザ光
を用いた気相光化学反応装置において、全反射鏡M1 と
部分反射鏡M2 によって構成されるレーザ共振器の部分
反射鏡M2 の外側に一対の集光光学系からなるテレスコ
ープを設置し、その間のレーザ集光位置に反応容器を設
置し、さらにテレスコープの後方に全反射鏡M3 を設置
し、全反射鏡対M1 ,M3 ならびにそれらの間に存在す
る光学部品からなるファブリペロ共振器において形成さ
れるレーザビームの空間モードのM1 ,M2 間での空間
プロフィルならびにM2 ,M3 間での空間プロフィル
が、全反射鏡・部分反射鏡対M1 ,M2 ならびにM3 ,
M2 からなるそれぞれのファブリペロ共振器において形
成されるレーザビームの空間プロフィルと一致すること
を特徴とするレーザ光を用いた気相光化学反応装置。 - 【請求項2】 全反射鏡対M1 ,M3 ならびにそれらの
間に存在する光学部品からなるファブリペロ共振器にお
いて形成されるレーザビームの空間モードをテレスコー
プを構成する集光光学系の焦点距離ならびにそれらの間
隙によって制御することを特徴とする請求項1記載のレ
ーザ光を用いた気相光化学反応装置。 - 【請求項3】 反射鏡群M1 ,M2 ,M3 で構成される
複合共振器中のM1 ,M2 間のレーザビームと、全反射
鏡M1 ,部分透過鏡M2 で構成されるレーザ共振器中の
レーザビームが位相的に同期するよう、複合共振器中の
レーザ出力を基準として全反射鏡M1 ないしM3 の光軸
方向位置を制御する手段を備えたことを特徴とする請求
項1記載のレーザ光を用いた気相光化学反応装置。 - 【請求項4】 テレスコープを構成する一対の集光光学
系のうちの一つもしくは双方が全反射鏡M3 ないし部分
透過鏡M2 と一致する請求項1記載のレーザ光を用いた
気相光化学反応装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32988591A JPH05137966A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | レーザ光を用いた気相光化学反応装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32988591A JPH05137966A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | レーザ光を用いた気相光化学反応装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05137966A true JPH05137966A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=18226342
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32988591A Withdrawn JPH05137966A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | レーザ光を用いた気相光化学反応装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05137966A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100337623B1 (ko) * | 1998-11-10 | 2002-05-24 | 모리 마코토 | 광반응장치 |
| WO2018038130A1 (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | 日本電気株式会社 | 化学反応装置、及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP32988591A patent/JPH05137966A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100337623B1 (ko) * | 1998-11-10 | 2002-05-24 | 모리 마코토 | 광반응장치 |
| WO2018038130A1 (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | 日本電気株式会社 | 化学反応装置、及びその製造方法 |
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| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990204 |