JPH05140493A - インク及びこれを用いたインクジエツトプリンタ - Google Patents

インク及びこれを用いたインクジエツトプリンタ

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JPH05140493A
JPH05140493A JP30347791A JP30347791A JPH05140493A JP H05140493 A JPH05140493 A JP H05140493A JP 30347791 A JP30347791 A JP 30347791A JP 30347791 A JP30347791 A JP 30347791A JP H05140493 A JPH05140493 A JP H05140493A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、赤色から近赤外光を光源とする光学
的文字認識走査装置やバーコード型走査装置に使用する
インクジェットプリンタ及びこれに用いるインクを提供
することを目的とする。 【構成】本発明のインクは、化1の化合物を含有するこ
とを特徴とし、インクジェットプリンタのうち、熱エネ
ルギーをインク滴吐出エネルギーとして使うプリンタと
電気機械変換によるエネルギーを使うプリンタそれぞれ
とこのインクを組み合わせたことを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なインク組成物、特
には記録ヘッドに設けられた微細な吐出口(ノズル孔)
から吐出噴射させ、その液滴によって記録を行うインク
ジェット記録方式に適し、赤外線吸収特性を持つインク
の組成及びこのインクを用いたインクジェットプリンタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より通帳記載可能の現金自動支払機
(ATM)等に使われている光学的文字認識走査装置
(OCR、OMR)や、近年物流管理や製品管理等にお
いて様々な分野で使用されるようになったバーコード型
の走査装置は、632.8nmのHe−Neレーザー、
660nmの発光ダイオード、670nmの半導体レー
ザー、690nmの発光ダイオード、780nmの半導
体レーザー、940nmの赤外発光ダイオード等を光源
に用いていることから、これら走査装置用のプリンタと
しては、赤色光ないし近赤外光に感度を有する必要があ
り、カーボンブラック等の顔料を着色剤とするドット方
式のプリンタが使用されてきた。しかしながらドット方
式のプリンタは、印字音が大きいという問題がある。更
に、記録媒体に段差があると、その段差に記録ヘッドの
ワイヤピンが引っかかりピン折れが発生したり、ピンの
摩耗が促進され、記録ヘッド延いてはプリンタの信頼性
を損ねるという問題を有する。
【0003】そこで近年、赤外光を吸収する特定染料を
含有するインクジェットインクやこれを用いたインクジ
ェットプリンタの開発が活発に行われている。例えばク
ロム錯塩染料と特定の極性物質を組み合わせた方法(特
開昭56−135568)、サルファ・ブラック1等の
特定染料と凝固防止剤を組み合わせた方法(特開昭57
−14660)等が提案されている。これらの方法にお
いては、赤外光を吸収する特性を有するのみでなく、長
期間保存中にインクの物性値が変化したり、固形分が析
出することの無いインクとしての保存安定性についても
留意されている。
【0004】しかしながら、インクジェットプリンタに
使用されるインクについては、良好な記録を得るために
上記の特性以外に以下の諸条件を満足することが要求さ
れる。
【0005】(1)粘度、表面張力、電解度、密度等の
物性値が記録ヘッドのインク吐出特性に応じた適正範囲
内にあること。
【0006】(2)長期間の使用中に、記録ヘッドの材
料やインクを保持する部品とインクとの間の化学変化
や、インクに熱が作用することによる化学変化等により
固形分の析出が生じたり、インク物性値が変化しないこ
と。
【0007】(3)インクジェットプリンタの記録ヘッ
ドのノズル孔は、一般に直径10〜80μm程度であ
り、ノズル孔が目詰まりしたり、完全に詰まらなくても
ノズル近傍に固形分、粘着物が付着したり、ノズル内の
インクの物性値、特には粘度が大きく変化したりする
と、記録性、吐出安定性、吐出応答性が低下する。そこ
で記録休止中に記録ヘッドのノズル孔が目詰まりした
り、ノズル孔内のインクが増粘したりすることのないこ
と。
【0008】(4)記録に際して必要な印字濃度が得ら
れること。
【0009】一般にインク中の染料含有量を増して印字
濃度を高くしようとすると、上記(3)のノズル孔の目
詰まりが生じ易くなる傾向がある。従って、インクに使
用する溶媒に対する溶解度が高く、吸光係数(ある波長
の光を吸収する能力)の高い染料が求められる。
【0010】(5)インクが被記録材に速やかに定着し
て、ドットに不規則な滲みが無いこと。
【0011】(6)記録された画像が、耐水性、耐光
性、耐擦過性を有すること。
【0012】更に記録ヘッド内のインクに記録信号に対
応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより記録ヘ
ッドのノズル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔液滴
を形成し、記録媒体上にドット像を記録するインクジェ
ットプリンタにおいては、装置の使用寿命を向上させる
ために、記録ヘッドの繰り返し使用寿命(耐久寿命)を
向上させる必要がある。
【0013】上記のごとき記録ヘッドにおいては、記録
ヘッド内のインク流路に、ファクシミリ等で使用されて
いるサーマルヘッドを形成し、記録信号に応じてサーマ
ルヘッドを発熱させ、これによりインクに気泡を発生さ
せて、この圧力で液滴を吐出噴射させている。このため
上記のごとき記録法に適用される記録ヘッドの使用寿命
を決定している要因としては、具備されるサーマルヘッ
ドの寿命の他に、その表面への固形物の沈積が挙げられ
る。すなわち気泡の発生、消滅の繰り返しの際にインク
は高熱を受けるため、熱的に不安定なインクは、化学変
化を起こし固形物が沈積することが予想される。
【0014】実際、気泡の発生、消滅を長く継続させる
と、その結果としてサーマルヘッドの表面近傍におい
て、不溶物の生成沈積が起きることで、サーマルヘッド
が発熱し難くなり、記録ヘッドの吐出不能を生じること
が、多くの実験で経験され、且つ観察されている。
【0015】また、電気機械変換手段を用いてインクに
圧力を与えることにより、記録ヘッドのノズル孔から液
滴として吐出噴射させて飛翔液滴を形成し、記録媒体上
にドット像を記録するインクジェットプリンタにおいて
は、装置の信頼性を向上させるため、泡立ち難いインク
を使用する必要がある。
【0016】この記録ヘッドにおいては、記録ヘッド内
のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着され
た電気機械変換手段である圧電素子に電圧を印加するこ
とにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小してイ
ンク滴が吐出噴射される。然るに、記録ヘッドのインク
流路内に、インクの他に気体(気泡)が存在している
と、圧力室の容積が縮小しても、内在している気泡の体
積が小さくなるのみで、インク滴は吐出されなくなる。
インク流路内への気泡の浸入の原因として、泡立ち易い
インクを急激に流すことが考えられる。
【0017】実際、泡立ち難いインクを使っている場合
には、インク流路内に気泡が発生したり、吐出不能が発
生することはないが、泡立ち易いインクを使っている場
合には、インク流路内に気泡が発生したり、それ故圧電
素子が撓み圧力室の容積が縮小しても、記録ヘッドの吐
出不能を生じることが、多くの実験で経験され、且つ観
察されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来技
術では次のような欠点があった。
【0019】(1)特開昭56−135568のインク
を、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えること
により液滴を発生させるインクジェットプリンタに使用
したところ、数万回の液滴の吐出噴射により、サーマル
ヘッド表面への固形物の付着がみられ、更に数万回の液
滴の吐出噴射を続けると、記録ヘッドは吐出不能となっ
てしまった。またこのインクを、電気機械変換手段を用
いてインクに圧力を与えることにより液滴を発生させる
インクジェットプリンタに使用したところ、放置前には
印字していたプリンタが、室温で2〜3日放置し、その
後印字しようとしたところ印字不能となってしまった。
該プリンタの記録ヘッドのノズル孔を顕微鏡で観察した
ところ、ノズル孔に固形物の析出がみられた。
【0020】(2)特開昭57−14660のインク
を、電気機械変換手段を用いてインクに圧力を与えるこ
とにより液滴を発生させるインクジェットプリンタに使
用したところ、ヘッドの吐出不能を生じた。記録ヘッド
内のインク流路を拡大鏡を用いて観察したところ、直径
0.1mm程度の気泡が大量に存在した。
【0021】(3)上記の2件以外の従来技術において
も、要求される性能を個々に満足させるインク開発は行
われたが、それらを総合して全部もしくは複数の要求さ
れる性能を同時に満足させるインクは、いまだ開発され
ていない。
【0022】そこで、本発明は、筆者らの永年に渡る鋭
意研究の成果として、このような欠点を解決するために
なされたものであり、赤外線吸収性に優れているのみで
なく、上記の要求特性(1)から(6)を全て満たすこ
と。
【0023】更に、記録ヘッド内のインクに熱エネルギ
ーを与えることにより液滴を発生させるインクジェット
プリンタに特有の要求特性である、高温に繰り返しさら
されても化学変化を生じたり、サーマルヘッド表面に固
形物が沈積しないこと。
【0024】更に、電気機械変換手段を用いてインクに
圧力を与えることにより液滴を発生させるインクジェッ
トプリンタに特有の要求特性である、泡立ち難いこと。
【0025】これら全てを満たすインク、及びこのイン
クを使ったインクジェットプリンタを提供することを目
的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のインクは、記録
像を形成するインクとして、化4の化合物を含むことを
特徴とする。
【0027】
【化4】
【0028】また本発明のインクジェットプリンタは、
インクに熱エネルギーを作用させて、記録ヘッドのノズ
ル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔液滴を形成し、
記録媒体上にドット像を記録するインクジェットプリン
タにおいて、前記インクが化5の化合物を含むことを特
徴とする。
【0029】
【化5】
【0030】更に本発明のインクジェットプリンタは、
電気機械変換手段を用いてインクに圧力を与えることに
より、記録ヘッドのノズル孔から液滴として吐出噴射さ
せて飛翔液滴を形成し、記録媒体上にドット像を記録す
るインクジェットプリンタにおいて、前記インクが化6
の化合物を含むことを特徴とする。
【0031】
【化6】
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。
【0033】本発明に用いるインクの基本組成として
は、第1に着色剤、第2に溶媒である。着色剤として
は、少なくとも化7の化合物を含む。必要に応じてそれ
以外の水溶性染料を添加する。
【0034】
【化7】
【0035】溶媒としては、水(脱イオン水または純
水)と、水溶性の各種有機溶剤の混合物を主な液媒体成
分とする。水溶性の有機溶剤としては、蒸気圧が低く、
蒸発乾燥しにくいポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチ
レングリコール、トリエチレングリコール等のアルキレ
ングリコール類、グリセリン、エチレングリコールメチ
ル(エチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル
(エチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキル
エーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等や、エタノール、イソ
プロパノール等の表面張力の低い溶剤などがあげられ
る。
【0036】上記成分の他に更に物性値を最適化した
り、特性を向上するために、種々の添加剤を使用するこ
とができる。たとえば粘度調整剤、表面張力調整剤、防
カビ剤等である。
【0037】本発明のインク中の化8の化合物の含有量
は、インク全重量に対して0.1〜10重量%、より好
ましくは0.3〜4重量%の範囲内とすることが望まし
い。また他の水溶性染料を添加する場合には、化9の化
合物と合わせ0.1〜10重量%とすることが望まし
い。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】上記水溶性有機溶剤の含有量は、インク全
重量に対して0〜70重量%、より好ましくは2〜40
重量%の範囲である。又、水の含有量は、インク全重量
に対して、10〜90重量%、より好ましくは40〜8
5重量%の範囲とすることが望ましい。
【0041】次に本発明のインクジェットプリンタの記
録ヘッドの構成と、プリンタの駆動方法を説明する。
【0042】図1、図2、図3は、電気機械変換手段を
用いてインクに圧力を与えることにより、記録ヘッドの
ノズル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔液滴を形成
し、記録媒体上にドット像を記録する本発明の第一のイ
ンクジェットプリンタの一実施例を示す図である。
【0043】図1は記録ヘッドの第1の基板の平面図、
図2はインク滴吐出中の記録ヘッドの断面図、図3は記
録ヘッドの斜視図である。それぞれの図において、同一
番号は同じものを示す。また図3においては、簡単のた
めにノズル数を5個にして示してある。
【0044】10は第1の基板であり、ポリサルフォ
ン、ポリカーボネイト等のプラスチック樹脂やガラス、
セラミックを型成形やレーザー加工等で成形したり、ガ
ラス板をフォトリソ技術を使い加工したり、ガラス板や
金属板に融着ないし接着した光硬化性樹脂をフォトリソ
技術を使って加工し成形したものである。11はノズル
孔、13は圧力室、15は共通インク室、12、14は
ノズル側及び供給側インク流路であり、第1の基板10
に彫って形成されている。16はインク供給口である。
圧電素子17は第1の基板10に第2の基板18が溶着
ないし接着されてインク流路が形成された後に、図の位
置の第2の基板上に接着される。20は飛翔インク滴、
21は記録媒体である。
【0045】本発明による第一のインクジェットプリン
タの駆動方法は、第1の基板10と第2の基板18が接
着ないし、溶着されてできた記録ヘッドのインク供給口
16から供給されたインク19が、ノズル孔11まで満
たされた状態にて、第2の基板18の圧力室13に対面
した位置に接着された圧電素子17に電圧を印加するこ
とにより、圧電素子17が撓み、圧力室13の容積が縮
小してインク滴20が吐出噴射され、記録媒体21に向
かって飛翔する。
【0046】図4、図5、図6は、インクに熱エネルギ
ーを作用させて、記録ヘッドのノズル孔から液滴として
吐出噴射させて飛翔液滴を形成し、記録媒体上にドット
像を記録する本発明の第二のインクジェットプリンタの
一実施例を示す図である。
【0047】図4はインク滴吐出中の記録ヘッドの断面
図、図5は図4におけるA−Bでの断面図、図6は図
4、図5に示すサーマルヘッドを5個並べて構成した記
録ヘッドの斜視図である。それぞれの図において、同一
番号は同じものを示す。
【0048】記録ヘッドは、ファクシミリ等の感熱記録
に用いられているサーマルヘッド41と、基板40とか
ら構成される。基板40は、プラスチック樹脂やガラ
ス、セラミックを型成形やレーザー加工等で成形した
り、ガラス板をフォトリソ技術を使い加工したり、ガラ
ス板や金属板に融着ないし接着した光硬化性樹脂をフォ
トリソ技術を使って加工し成形したものである。サーマ
ルヘッド41は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、タ
ンタル酸化物等で形成される保護膜42、金、銅、アル
ミニウム等で形成される電極43−1、43−2、タン
タル・シリコン酸化物やポリシリコンで形成される発熱
抵抗体44、ガラス等でできた蓄熱層45、アルミナ
(酸化アルミニウム)等の放熱性の良い基板46より成
っている。
【0049】本発明による第二のインクジェットプリン
タの駆動方法は、基板40とサーマルヘッド41が接着
ないし、溶着されてできた記録ヘッドのインク流路にイ
ンク47が満たされている状態で、電極43−1、43
−2に電気信号が加わると、サーマルヘッド41のnで
示される部分が急激に発熱し、ここに接しているインク
47に気泡が発生し、その圧力でインクが吐出噴射し、
ノズル孔48よりインク滴49となり、記録媒体50に
向かって飛翔する。
【0050】ここで上記記録ヘッドとインクを用いたプ
リンタの実施例と比較例により、更に詳細に本発明を説
明し、併せて効果を例証する。
【0051】[実施例1]下記の成分を混合し、攪拌を
十分行って溶解させた後、穴径0.8μmのメンブラン
フィルターを用いて濾過して水溶性インクを作製した。
【0052】 着色剤:化10の化合物 2.5重量% 表面張力調整剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル (界面活性剤) 1.0重量% 溶媒:トリエチレングリコール 2.0重量% グリセリン 20.0重量% 水 74.5重量%
【0053】
【化10】
【0054】この水溶性インクを、ポリカーボネイトで
型成形により製造した第1の基板10とシート状のポリ
カーボネイトの第2の基板18とからなる記録ヘッドを
用いた本発明の第一のインクジェットプリンタに供給
し、インク滴を吐出噴射させた。記録ヘッドのノズル孔
11の寸法は、短辺60μm、長辺70μm、高さ30
μmの台形形状であり、ノズル孔の数は9個、ノズルピ
ッチは350μm、圧電素子の駆動電圧は常温で100
V、周波数2.0kHzである。
【0055】図7は、実施例1のインク滴吐出中の記録
ヘッドの透視図であり、インク供給口16から共通イン
ク室15、供給側インク流路14、圧力室13、ノズル
側インク流路12、ノズル孔11までインクで満たされ
ており、気泡の浸入がない。このためドット抜けが発生
することなく印字できる。
【0056】上記の条件にて、中性紙のPPC用紙(富
士ゼロックス製)と、酸性紙のレジスター用紙(大昭和
製紙製)、45kg上質紙(十條製紙製)、再生紙「や
まゆり」(本州製紙製)に印字を行い、インクが乾燥す
るまでの時間を目視で観察したところ、1秒以下であっ
た。更に印刷物の印字濃度を濃度計(マクベス社製、プ
リントコントラストメーターPCM−II)で測定し
た。約550nmに最大吸収を示す可視光型の感度特性
を持つフィルターを濃度計に挿入して印字ドットの反射
率を測定したところ、記録媒体により異なるが、平均し
て反射率は15%であった。これから印字濃度を計算す
ると、光学反射濃度OD値が0.8である。該フィルタ
ーに対するOD値が0.8あると、目でみたときにも十
分な黒さを感じる。
【0057】また約950nmに最大吸収を示す近赤外
線型の感度特性を持つフィルターを濃度計に挿入して印
字ドットの反射率を測定したところ、記録媒体によるば
らつきを平均して反射率は15%であった。これから印
字濃度を計算すると、光学反射濃度OD値が0.8であ
る。該フィルターに対するOD値が0.8あると、前に
記載した光学的文字認識走査装置や、バーコード型の走
査装置で認識することが十分可能である。
【0058】次にこのインクジェットプリンタを室温に
放置し、1週間後に印字したところ、正常に印字でき
た。プリンタの記録ヘッドのノズル孔を顕微鏡で観察し
たところ、ノズル孔はインクで満たされており、固形分
の析出は観察されなかった。
【0059】以上の評価結果を、以下に記載する実施例
2、3、4、比較例1の結果と共に、表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】[実施例2]アルミナ基板46上に、ガラ
ス層45をスクリーン印刷で5μm厚に形成し、続いて
発熱抵抗体44としてTaSiO2を1000オングス
トローム厚に、金を電極43−1、43−2として30
00オングストローム厚に積層した後、選択エッチング
によって50μm×200μmの発熱抵抗体パターンを
形成した。次にSiO2層をスパッタリングにより35
00オングストローム厚に保護膜42として積層して基
板上に電気・熱変換体を形成しサーマルヘッド41とし
た後、幅50μm×深さ50μmのインク流路を刻んだ
ポリサルフォンの基板40を、インク流路と発熱抵抗体
が合致するように接合した。引き続いて発熱抵抗体の先
端と、ノズル孔面48の距離が250μmになるように
ノズル面を研磨して本発明の第二のインクジェットプリ
ンタの記録ヘッドを作成した。この記録ヘッドを用いて
実施例1のインクを吐出させた。記録ヘッドの駆動条件
として、周波数5kHz、印加電圧40V、印加パルス
幅10μsecで駆動したところ、1億回のインク滴の
吐出噴射の後においても、正常に吐出を行った。この記
録ヘッドを分解し、サーマルヘッド部分を顕微鏡で観察
したところ、保護層への固形分の付着は観察されなかっ
た。
【0062】[実施例3]実施例1と同じ条件にて、下
記の成分の水溶性インクを作製した。
【0063】 着色剤:化11の化合物 1.0重量% C.I.ダイレクトブラック168 1.5重量% キレート剤:エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム 0.2重量% 防カビ剤:化12の化合物 0.3重量% 溶媒:ポリエチレングリコール#200 15.0重量% 水 82.0重量%
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】このインクを、フォトリソ技術を使い、ガ
ラス板にインク流路を形成した第1の基板10と、厚み
0.3mmのガラス板の第2の基板18とからなる記録
ヘッドを用いた本発明の第一のインクジェットプリンタ
に供給し、インク滴を吐出噴射させた。記録ヘッドのノ
ズル孔11の寸法は、長さ40μm、高さ25μmの長
方形形状であり、ノズル孔の数は24個、ノズルピッチ
は140μm、圧電素子の駆動電圧は常温で120V、
周波数2.5kHzである。
【0067】本実施例においても、図7に示す如く、イ
ンク吐出中にインク流路への気泡の発生はみられなかっ
た。また実施例1と同様の記録媒体に印字を行い、イン
クが乾燥するまでの時間を目視で観察したところ、10
秒程度であった。更に印刷物の印字濃度を濃度計で測定
したところ、約550nmに最大吸収を示す可視光型の
感度特性を持つフィルターを濃度計に挿入しての反射率
は、各記録媒体の平均で5%であった。これから印字濃
度を計算すると、光学反射濃度OD値が1.3である。
また約950nmに最大吸収を示す近赤外線型の感度特
性を持つフィルターを濃度計に挿入しての反射率は、各
記録媒体の平均で30%であった。これから印字濃度を
計算すると、光学反射濃度OD値が0.5である。この
フィルターに対するOD値が0.5であっても、上に記
載した光学的文字認識走査装置や、バーコード型の走査
装置で認識することが可能である。
【0068】次にこのインクジェットプリンタを室温に
放置し、1週間後に印字したところ、正常に印字でき
た。プリンタの記録ヘッドのノズル孔を顕微鏡で観察し
たところ、ノズル孔はインクで満たされており、固形分
の析出は観察されなかった。
【0069】[実施例4]実施例2において使用した本
発明の第二のインクジェットプリンタを用いて、上記の
実施例3のインクを吐出させた。記録ヘッドの駆動条件
は、実施例2と同じである。この場合にも1億回のイン
ク滴の吐出噴射の後においても、正常に吐出を行った。
更に記録ヘッドを分解し、サーマルヘッド部分を顕微鏡
で観察したところ、保護層への固形分の付着は観察され
なかった。
【0070】[比較例1]下記の成分を混合し、特開昭
57−14660に記載の方法と同様にして、水溶性イ
ンクを作製した。
【0071】 サルファ・ブラック1 1.0重量% ダイレクトブラック163 3.25重量% ソジウム2−ピリジメチオル−1−オキサイド 0.1重量% テトラソジウム・エチレンジアミンテトラアセテート 0.2重量% 2−ハイドロキシエチル置換ポリエチレンイミン 6.0重量% 炭酸ナトリウム 0.2重量% 重炭酸ナトリウム 0.1重量% ポロエチレングリコール#200 5.0重量% N−メチル−2−ピロリドン 4.0重量% エチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量% 水 77.15重量% この水溶性インクを、電気機械変換手段を用いてインク
に圧力を与えることにより、記録ヘッドのノズル孔から
液滴として吐出噴射させて飛翔液滴を形成し、記録媒体
上にドット像を記録するインクジェットプリンタに供給
し、インク滴を吐出噴射させた。記録ヘッドの構造、構
成と駆動条件は、実施例1と同じである。
【0072】図8は、比較例1のインク滴吐出中の記録
ヘッドの透視図である。81はノズル孔であり、82は
ノズル側流路、83は圧力室、84は供給側インク流
路、85は共通インク室、86はインク供給口であり、
インク供給口86からノズル孔81までインクで満たさ
れている。また87は気泡を示す。このように共通イン
ク室85、供給側インク流路84、圧力室83、ノズル
側インク流路82に直径0.1mm程度の大量の気泡8
7の浸入が見られる。圧力室83内に気泡がある状態
で、圧電素子に電圧を印加し、撓ませ、圧力室83の容
積を縮小させようとしても、容積縮小分を気泡が吸収し
てしまうために、インクが吐出噴射されず、印字中にド
ット抜けが多発する。この原因は、着色剤であるサルフ
ァ・ブラック1を水に溶かした場合、非常に泡立ち易く
なるためである。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、次のよう
な優れた効果を有する。
【0074】(1)化13の化合物が優れた赤外線吸収
特性を持つと共に、他の水溶性染料との併用が可能なた
め、インクとして印字することにより、目視での高い濃
度が確保できると共に、630nm〜940nmの赤色
あるいは近赤外の発光ダイオードや半導体レーザーを用
いた光学的文字認識装置(OCR、OMR)やバーコー
ド型の走査装置での認識が十分可能となり、これら装置
用のプリンタのインクとして使用できる。このような効
果が、再生紙を含むあらゆる種類の紙に対しても適用で
きる。
【0075】
【化13】
【0076】(2)化14の化合物は熱作用に対して
も、また記録ヘッドやインクを保持する部品を構成する
ガラス、プラスチック、セラミック、ゴム等との化学変
化に対しても安定である。このため本発明のインク
を、記録ヘッド内のインクに記録信号に対応した熱エネ
ルギーを与え、このエネルギーにより記録ヘッドのノズ
ル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔液滴を形成し、
記録媒体上にドット像を記録するインクジェットプリン
タに使用し繰り返しの熱作用を受けても、インクが化学
変化を起こしたり、固形分が沈積したり、吐出不能を起
こしたりすることはない。長期間の使用中や休止中
に、記録ヘッドの材料やインクを保持する部品と化学変
化を起こすことがなく、それ故、これが原因となる固形
分の析出やインク物性値の変化、吐出不能が発生しな
い。
【0077】
【化14】
【0078】(3)化15の化合物の、水やポリアルキ
レングリコール類、アルキレングリコール類、グリセリ
ン、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等の溶剤への溶解性が非常に良いことから、
本発明のインクを、記録ヘッド内のインクに記録信号に
対応した熱エネルギーを与え、このエネルギーにより記
録ヘッドのノズル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔
液滴を形成し、記録媒体上にドット像を記録するインク
ジェットプリンタに使用する場合においても、また、電
気機械変換手段を用いてインクに圧力を与えることによ
り、記録ヘッドのノズル孔から液滴として吐出噴射させ
て飛翔液滴を形成し、記録媒体上にドット像を記録する
インクジェットプリンタに使用する場合においても、ノ
ズル孔への固形分の析出や粘着物の付着、ノズル内のイ
ンクの粘度の大幅な増加はなく、長期間の記録休止後に
おいても正常に印字することができる。
【0079】
【化15】
【0080】(4)化16の化合物の水溶物は、非常に
泡立ち難く、それ故本発明のインクを電気機械変換手段
を用いてインクに圧力を与えることにより、記録ヘッド
のノズル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔液滴を形
成し、記録媒体上にドット像を記録するインクジェット
プリンタに使用する場合、記録ヘッドやプリンタのいか
なる駆動条件においても、記録ヘッドのインク流路内へ
の気泡の発生はない。
【0081】
【化16】
【0082】(5)更に本発明によれば、インクジェッ
トプリンタ共有の必要特性であるところの、インクの保
存安定性、高い吐出安定性と吐出応答性、印字物の速や
かなる定着と高い印字品質が確保できるという効果も有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す記録ヘッドの第1の基
板の平面図。
【図2】本発明の一実施例を示すインク滴吐出中の記録
ヘッドの断面図。
【図3】本発明の一実施例を示す記録ヘッドの斜視図。
【図4】本発明の別の実施例を示すインク滴吐出中の記
録ヘッドの断面図。
【図5】本発明の別の実施例を示す記録ヘッドの断面
図。
【図6】本発明の別の実施例を示す記録ヘッドの斜視
図。
【図7】本発明の一実施例を示すインク滴吐出中の記録
ヘッドの透視図。
【図8】従来技術の例を示すインク滴吐出中の記録ヘッ
ドの透視図。
【符号の説明】
10 第1の基板 11 ノズル孔 17 圧電素子 18 第2の基板 20 飛翔インク滴 21 記録媒体 41 サーマルヘッド 48 ノズル孔 49 飛翔インク滴 50 記録媒体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録像を形成するインクとして、化1の化
    合物を含むことを特徴とするインク。 【化1】
  2. 【請求項2】インクに熱エネルギーを作用させて、記録
    ヘッドのノズル孔から液滴として吐出噴射させて飛翔液
    滴を形成し、記録媒体上にドット像を記録するインクジ
    ェットプリンタにおいて、前記インクが化2の化合物を
    含むことを特徴とするインクを用いたインクジェットプ
    リンタ。 【化2】
  3. 【請求項3】電気機械変換手段を用いてインクに圧力を
    与えることにより、記録ヘッドのノズル孔から液滴とし
    て吐出噴射させて飛翔液滴を形成し、記録媒体上にドッ
    ト像を記録するインクジェットプリンタにおいて、前記
    インクが化3の化合物を含むことを特徴とするインクを
    用いたインクジェットプリンタ。 【化3】
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255323A (ja) * 2006-09-29 2008-10-23 Fujifilm Corp 近赤外吸収画像形成用組成物、それを用いたインクおよび電子写真用トナー、並びにそれらを用いたインクジェット記録方法、電子写真記録方法および近赤外線読み取り方法
JP2014047302A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Fujifilm Corp インク組成物および画像形成方法
JP2014047303A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Fujifilm Corp インク組成物および画像形成方法

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