JPH0514213A - 軟判定復号方法 - Google Patents

軟判定復号方法

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JPH0514213A
JPH0514213A JP3157115A JP15711591A JPH0514213A JP H0514213 A JPH0514213 A JP H0514213A JP 3157115 A JP3157115 A JP 3157115A JP 15711591 A JP15711591 A JP 15711591A JP H0514213 A JPH0514213 A JP H0514213A
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Masami Abe
政美 阿部
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  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原信号のビットエラーレートを低くし、高精
度な復号を行う。 【構成】 PSK変調方式で変調された信号を復調した
位相空間上の座標情報bから、位相と原点からの距離と
を位相・距離演算処理S11,S14で演算し、位相選
択処理S12へ送る。位相選択処理S12では、入力位
相を、PSK変調方式で送信する固有の位相と比較し、
位相ずれの絶対値が小さい該固有の位相を選択する。位
相尤度演算処理S13では、位相ずれに基づき位相尤度
を演算し、その演算結果に基づき位相尤度補正処理S1
6で補正位相尤度を求める。この補正位相尤度を軟判定
復号に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相シフトキーイング
(Phase Shift Keying;PSK)等の位相変調方式を採用す
るセルラ移動通信等の無線通信における軟判定復号方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば次のような文献に記載されるものがあった。
【0003】文献1;村野・海上著「情報・通信におけ
るディジタル信号処理」初版(昭62−11−25)昭
晃堂P.32−91 文献2;アイ イー イー イー トランスアクション
ズ オン コミニケーションズ テクノロジィ(IEEE T
ransactions On Communications Technology)、COM
−19[5](1971−10)(米)A.J.VIT
ERBI“カンバルーショナル コードス アンド ゼ
ア パフォーマンス イン コミニケーション システ
ムズ(Convolutional Codes and Their Performance in
Communications Systems )”P.751−772 文献3;B.SKLAR“ディジタル コミニケーショ
ンズ(DIGITALCOMMUNICATION
S)”(1988)PRENTICE HALL(米)
sec.6.3.4、P.333−337 従来、位相変調方式の復号に関し、文献1に記載される
ものがあり、搬送波の位相にビット列を割り当てるPS
K変調方式について説明する。
【0004】θiを搬送波の位相、fcを変調周波数と
し、該位相θiがシンボル送信間隔T毎に変化すること
を考慮すると、変調波は次式(1)となる。 h(t)は、インパルスレスポンスが隣接のシンボルに
干渉しないように設定されるロールオフフィルタH
(f)の時間領域関数である。このh(t)は、次の条
件を満たす。 h(t)=1 (t=0) h(t)=0 (t=nT;t≠0) m相PSKは、m通りのθiを使用する。例えば、4相
PSK(QPSK)の場合、1位相に対して2ビットが
割り当てられ、位相0の時(0,0)、位相π/2の時
(0,1)、位相πの時(1,1)、位相3π/2の時
(1,0)が送信される。(1)式から、PSK変調
は、sin(θi)及びcos(θi)を周波数fcの
直交する搬送波でそれぞれ変調したものを加えることで
得られることがわかる。
【0005】受信側では、(1)式に直交搬送波を乗じ
ることにより、ヘースバンド信号を得る。(1)式のs
(t)に直交搬送波exp(j2π fc t)を乗じ
ると、(2)式となる。
【0006】
【数1】
【0007】この(2)式の高調波成分を除去すること
により、ベースバンド信号wiが得られる。
【0008】しかし、実際の通信では、伝送路の周波数
特性、或いは搬送波に対する位相変動や、周波数オフセ
ット等の影響を考慮する必要がある。以下、図2によ
り、従来の復号方法の受信部における処理について説明
する。
【0009】図2は、従来の無線信号送受信装置の受信
部を示す構成ブロック図である。
【0010】この受信部では、無線回線におけるマルチ
パスフェージング等の影響を受けた無線周波数帯信号
(RF帯受信信号)aを復調して位相空間上の座標情報
bを検出する復調部10と、該座標情報bに基づきベー
スバンド信号のビットエラーを修正して再生信号cを得
る硬判定復号部20とを、備えている。
【0011】復調部10は、バンドパスフィルタ11、
アナログ/ディジタル変換部(A/D変換部)12、自
動利得制御部(AGC)13、直交搬送波発生部14、
ローパスフィルタ15a,15b、等化器16、及び位
相同期回路17等より構成されている。さらに、硬判定
復号部20は、データ判定部21、デインタリーブ部2
2、及び復号部23を有している。
【0012】この受信部の処理において、前記(1)式
の変調波が、伝送路の周波数特性或いは搬送波に対する
位相変動(ジッタ)、周波数ずれ(オフセット)等の影
響を受けるため、RF帯受信信号a(=r(t))の受
信波形は(3)式のように表される。 但し、 go(t);伝送路の周波数特性G(f)の時間領域関
数g(t)とexp(j2π fc t)との積 ga;伝送路における損失に起因するレベルの変動分 fo;周波数オフセット θ(t);位相ジッタ この(3)式のRF帯受信信号aは、バンドパスフィル
タ11で所定周波数帯域が抽出され、A/D変換部12
でディジタル信号に変換されて離散信号となる。(3)
式のゲイン定数gaは、伝送路の状態に応じて変動する
ので、AGC13により、受信信号レベルが一定に保た
れるように補正し、以後のディジタル信号処理を同一の
レベルで実行できるようにする。
【0013】(2)式では、直交搬送波をexp(j2
π fc t)としたが、実際には、受信波を2分し、
それぞれにcos(2π fc t)とsin(2π
fct)のサンプリングポイントにおける値を乗じる処
理を行う。直交搬送波は直交搬送波発生部14で発生す
る。直交搬送波を乗じた受信波それぞれに対し、ローパ
スフィルタ15aと15bにより、高調波成分を除去す
る。
【0014】伝送路の周波数特性或いは搬送波に対する
位相変動や周波数ずれ等の影響が小さい場合、前記ベー
スバンド信号をそのまま座標情報bとして使用すること
が可能である。これに対して影響が大きい場合、等化器
16により、(3)式の伝送路の周波数特性go(n−
k)を補正する。また、位相同期回路17により、搬送
波に対する位相変動2πn fo/fsと周波数ずれθ
(n)を補正する。
【0015】こうして得られた受信複素ベースバンド信
号の2次元平面の信号点配置が座標情報bである。座標
情報bは、伝送路の周波数特性或いは搬送波に対する位
相変動や、周波数ずれ等の影響の補正が必ずしも適性で
ないため、正確に送信位相θiを取るわけではない。そ
こで、硬判定復号部20内のデータ判定部21では、座
標情報bに最も近い送信位相を選択する事により、送信
シンボルを予測している。送信シンボルの判定は、2次
元平面に設定された判定境界により、座標情報bがどの
領域に入るかにより一意に決められる。一意に決められ
たデータは、デインタリーブ部22によって並べ変えら
れた後、復号部23で復号処理を受ける。
【0016】インタリーブ変換とは、メモリに入力した
信号ビットを、並べ変えて出力する変換で、連続して発
生するビットエラーをランダムエラーに置き換える効果
がある。このように、推定シンボルに対応するビット列
を復号処理にそのまま使用するのが硬判定復号である。
復号部23では、ブロック符号、たたみこみ符号等の符
号化に応じて復号処理を行う。例えば、たたみこみ符号
に対しては、ビタビ復号を実施する。
【0017】次に、前記文献2,3に記載されたたたみ
こみ符号とビタビ復号における硬判定と軟判定について
説明する。
【0018】一般に、移動通信、衛星通信等の無線通信
においては、無線回線における信号の品質劣化を改善す
るため、種々のダイバーシチ受信、等化、符号誤り制御
等の対策が施される。符号誤り制御の一種であるたたみ
こみ符号化は、符号化レート、拘束長、生成多項式によ
り一意に決まるたたみこみ符号生成規則に基づいて行わ
れる。この生成規則を図形化したものがトレリス図形と
呼ばれる一種の状態遷移図である。たたみこみ符号は、
その復号の際、受信信号とトレリス図形上の可能な経路
(パス)を照らし合わせ、最もそれらしいパス(最適パ
ス)を選択することで、受信信号のビット誤りを訂正す
ることが可能である。ビタビ復号は、たたみこみ符号の
復号法として最も一般的な方法であり、信号値そのもの
によりトレリス図形の選択可能な信号系列と比較する硬
判定と、信号値がその値をとる確からしさ(尤度)によ
り比較する軟判定とがある。
【0019】ビタビ復号方法については、前記文献2に
記載されており、その方法を図3及び図4を参照しつつ
説明する。
【0020】図3は、たたみこみ符号化説明図である。
【0021】たたみこみ符号化を行う場合、入力mビッ
トに対し、出力nビットが生成される時、符号化レート
はm/nとなる。最新の入力ビットを含めて過去のkビ
ットから出力を生成する時、拘束長kという。この場
合、長さkの生成多項式がn個必要となる。図3は符号
化レート1/2、拘束長3、生成多項式111、101
の場合を示す。
【0022】図3では、最新入力ビットを含む3ビット
がバッファ25に蓄えられ、たたみこみにより、2ビッ
トの出力が得られる。生成多項式は111と101であ
るから、出力の一方はバッファ25の全ビットの論理和
となり、もう一方はバッファ25の1番目と3番目のビ
ットの論理和となる。
【0023】図4は、図3のたたみこみ符号化の生成規
則を状態遷移図化したトレリス図形である。
【0024】この図4の縦方向は最新ビットを含まない
バッファ25内の状態を示し、2k- 1 の状態が生じる。
例では4となる。各状態において、0が入力された場合
は、実線に沿って次の状態に移り、線上の2ビットが出
力される。また、1が入力された場合は、破線に沿って
次の状態に移り、線上の2ビットが出力される。
【0025】図4を参照しつつ、たたみこみ符号化され
た符号を復号する方法として、最も一般的なビタビアル
ゴリズムについて説明する。
【0026】復号側では、トレリス図上の実線或いは破
線上のビット列に相当する信号を受信し、トレリス図上
での経路を予測することで、原信号を再生する。但し、
後述するように、パスメモリ長分の遅延(ディレイ)が
生じる。トレリス図にあるように、各状態に入力される
経路(ブランチ)は、それぞれ2本ずつあり、各ブラン
チには符号化と同じ規則に基づいた2ビットのブランチ
シンボルが割り当てられている。
【0027】まず、2ビット入力されると、各状態への
入力ブランチについて、それぞれ入力ビットとのブラン
チメトリック(metric、規準)を計算し、該ブランチメ
トリックのまさる方を選択する。選択されたブランチが
つながる前の状態におけるブランチメトリックの累積
(パスメトリック)と、選択されたブランチのメトリッ
クの和を取り、各状態における新たなパスメトリックと
する。こうして、各状態につながるブランチが求まる毎
に、各状態に至る経路(パス)情報をメモリ(パスメモ
リ)に蓄えておく。ここで、ブランチを選択していく結
果の累積がパスになる。或いは、パスの最小単位がブラ
ンチである。
【0028】2ビット入力毎に前記処理を繰り返すと、
前記文献3に記載されたパス絞り込みの過程に従い、や
がて過去のパスは一つに絞られていくので、求められた
パスから、たたみこみ符号化前の信号が求められる。実
際の装置のパスメモリ長は有限となるので、パスメモリ
長を越えてもパスが収束しない場合は、その時点でパス
メトリック最良の経路を選択することになる。
【0029】次に、硬判定と軟判定の違いについて説明
する。
【0030】入力ビット値そのものを使用して、トレリ
ス図上の可能なパスとのメトリックを計算する方法が硬
判定と呼ばれる。一方、入力ビット値がその値をとる確
からしさ(尤度)を使用する方法が軟判定と呼ばれる。
軟判定の方が、硬判定より、メトリック計算の精度が高
くなり、ビットエラー訂正能力は高くなる。
【0031】例えば、無線に限らず、ディジタル信号伝
送において、硬判定の場合は、ある受信レベルを閾値と
し、受信信号のレベルが閾値より大きい場合は、入力ビ
ットを1とし、小さい場合は0とすることで信号値を決
定する。これに対し、軟判定の場合は、まず、7値の閾
値を設定し、受信信号のレベルに応じ、8通りの領域に
分割し、それぞれに0〜7の値Nsを与える。即ち、1
であることが確実な領域、0であることが確実な領域、
0でも1でもどちらでもとれる領域、どちらかといえば
1に近い領域等に分ける。ここで、図4のトレリス図上
のブランチシンボル0、1を−1、1とし、0〜7の値
Nsを(2×Ns−7)に変換することで、入力ビット
とブランチシンボルの積和(相関)が大きいブランチを
選択していくビタビアルゴリズムが可能となる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
復号方法では、送信ビット列を確定してしまい、その位
相をとる確からしさを考慮に入れていないという問題が
あった。
【0033】即ち、変調波は、伝送路の周波数特性、或
いは搬送波に対する位相変動や、周波数ずれ等の影響を
受ける。伝送路の周波数特性は等化器16で、搬送波に
対する位相変動や周波数ずれは位相同期回路17でそれ
ぞれ補正しているが、変調波の歪みの程度或いは補正方
式により、歪みの補正がうまくいく場合と、うまくいか
ない場合が生じる。補正が成功した場合、推定されたビ
ット列が、実際に送信されたビット列と一致する確率は
高いが、補正しきれなかった場合は、その確率が小さい
ものとなる。こうした伝送状態に応じた補正の成否によ
る推定ビット列の信憑性の高低が、復号の際に十分反映
しているとは言えなかった。
【0034】本発明は前記従来技術が持っていた課題と
して、PSK変調方式における復号の際、ビット列を確
定してしまい、推定ビット列を実際に送信した可能性
(ビット尤度)を考慮していないという点について解決
した軟判定復号方法を提供するものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、位相空間上における検出位相の選択位相と
のずれ及び原点からの距離からビット尤度を算出し、こ
の尤度を軟判定復号に使用することを特徴としている。
【0036】即ち、位相変調方式で変調された信号を復
調した位相空間上の座標情報から、位相と原点からの距
離とを演算する位相・距離演算処理と、前記位相・距離
演算処理で求められた位相を、前記位相変調方式で送信
する固有の位相と比較し、位相ずれの絶対値が小さい該
固有の位相を選択する位相選択処理と、前記位相ずれの
大きさに対して単調減少し、かつ位相ずれの絶対値が0
の時は尤度の最大値をとり、位相ずれの絶対値が(2π
/前記位相変調方式で送信する固有の位相の数)の時は
尤度の最小値をとる関数により、位相尤度をそれぞれ演
算する位相尤度演算処理とを実行する。
【0037】さらに、前記原点からの距離が大きくなる
程、単調増加し、かつ、前記原点からの距離が第1の設
定値以下の場合は尤度の最小値をとり、前記原点からの
距離が第2の設定値以上の時は最大値をとる係数を前記
位相尤度に乗じて補正位相尤度を求める位相尤度補正処
理を実行する。そして、前記補正位相尤度を、ビット値
をとる確からしさを表す値として復号処理に使用するよ
うにしている。
【0038】
【作用】本発明によれば、以上のように軟判定復号方法
を構成したので、位相変調方式で変調された信号を復調
した位相空間上の座標情報が位相・距離演算処理に入力
されると、該位相・距離演算処理では、入力された座標
情報から、位相及び距離を演算し、その演算結果を位相
選択処理へ送る。位相選択処理では、入力された位相
を、位相変調方式で送信する固有の位相と比較し、位相
ずれの絶対値が小さい該固有の位相を選択する。位相尤
度演算処理では、位相ずれに基づき、位相尤度を演算
し、その演算結果を位相尤度補正処理へ送る。位相尤度
補正処理では、前記距離に基づき、前記位相尤度に応じ
た補正位相尤度を求める。この補正位相尤度を軟判定復
号におけるメトリック等の演算に使用すれば、的確な再
生信号が得られる。従って、前記課題を解決できるので
ある。
【0039】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す軟判定復号方法
の処理ステップのフローチャート、及び図5はその軟判
定復号方法を実施するための無線信号送受信装置の受信
部を示す構成ブロック図である。図5において、従来の
図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されてい
る。変調方式として、π/4シフトDQPSK方式を仮
定する。
【0040】まず、図5に示す無線信号送受信装置の受
信部について説明する。
【0041】この受信部は、従来の図2と同一の復調部
10を備え、その出力側には軟判定復号部30が接続さ
れている。軟判定復号部30は、復調部10から出力さ
れる位相空間上の座標情報bを入力し、ベースバンド信
号のビットエラーを修正して再生信号cを得るもので、
大規模集積回路(LSI)等を用いた個別回路、或いは
プロセッサを用いたプログラム制御等で構成される。
【0042】なお、無線信号送受信装置に設けられる送
信部の図は省略するが、該送信部では、原信号を符号化
(ブロック符号化、たたみこみ符号化等)、及びインタ
リーブ(interieave, 交錯)変換し、π/4シフトDQ
PSK方式で変調する。本実施例は、符号化或いはイン
タリーブ変換を実施しない場合にも、有効であるが、実
施する場合の方が一般的なので、図に含めている。
【0043】軟判定復号部30は、座標情報bから軟判
定データを算出する軟判定データ演算部40を有してい
る。この軟判定復号部40は、位相演算部41、位相選
択部42、位相尤度演算部43、距離演算部44、距離
係数演算部45、位相尤度補正部46、ビット尤度演算
部47、及び判定データ出力部48より構成され、その
出力側には、デインタリーブ部50が接続されている。
【0044】デインタリーブ部50は、軟判定データ演
算部40で算出された軟判定データを記憶する機能を有
し、その出力側に復号部60が接続されている。デイン
タリーブ部50に記憶されたデータは送信時に並べ変え
られたビット順序をもとに戻しながら、復号部60に読
み出されるので、該復号部60では、読み出された軟判
定データを使用して復号処理を実施し、再生信号cを出
力する機能を有している。
【0045】次に、本実施例の軟判定復号方法を、図1
を参照しつつ説明する。
【0046】図5の復調部10では、RF帯受信信号a
が入力されると、ステップS1において、該RF帯受信
信号aの位相空間上の座標(即ち、同相成分zpと直交
成分zq)を検出し、その検出した座標情報bを軟判定
復号部30内の軟判定データ演算部40へ送る。軟判定
データ演算部40では、ステップS11〜S18に従
い、軟判定データ処理S10を行う。
【0047】即ち、座標情報bが入力されると、ステッ
プS11で、位相演算部41によって位相演算が行われ
る。位相ziradは式(4)で与えられる。算出され
る位相は0〜2πの任意の値をとる。 zirad=tan-1(zq/zp) …(4) ステップS12では、位相選択部42によって位相選択
が行われる。π/4シフトDQPSK方式を仮定してい
るので、その検出位相信号が奇数番目に入力された場合
は、(0、π/2、π、3π/2)の4位相の内の1つ
を選択し、偶数番目に入力された場合は、(π/4、3
π/4、5π/4、7π/4)の4位相の内の1つを選
択する。t番目に入力された位相の選択値irad
(t)は、次式(5)に示すように、検出された位相z
iradと候補となる位相kπ/4の差の絶対値θ
(k)が最小となる位相とする。 irad(t)=kπ/4|θ(k)が最小になるk …(5) 但し、θ(k)=|zirad−kπ/4| k=0,2,4,6 t=2n+1 =1,3,5,7 t=2n この(5)式を満足するkに対し、θ(k)は、0≦θ
(k)≦(π/PSK方式で送信する固有の位相の数)
を満たす。π/4シフトDQPSK方式で送信する固有
の位相の数は4である。
【0048】ステップS13では、位相尤度演算部43
により、ステップS12で選択した位相をとる確からし
さ(尤度)を算出する。尤度は選択された位相kπ/4
と検出位相ziradの位相ずれθ(k)の関数とし、
次式(6)のように表す。選択される位相irad
(t)をとる尤度をprad(t)とする。 prad(t)=(cos2θ(k)+1)/2 …(6) ステップS14では、距離演算部44により、検出座標
(zp,zq)から、原点からの距離zzを(7)式の
ように算出する。 zz2 =zp2 +zq2 …(7) 次に、ステップS15では、距離係数演算部45によ
り、原点からの距離に応じて、距離係数plen(t)
を(8)式より算出する。 plen(t)=0 (zz2 ≦zz2 th1 ) =1 (zz2 >zz2 th2 ) …(8) 但し、本実施例では、設定値zzth1 ,zzth2 を同じ
値とし、AGC13により、パワーの平均が1に設定さ
れているとして、zzth1 ,zzth2 を次のように定め
た。 zzth1 =zzth2 =0.24 zz2 th1 =zz2 th2 =0.0576 検出座標(zp,zq)、検出位相zirad、原点か
らの距離zz、選択される位相irad(t)、設定値
zzth1 の関係を図6に示す。
【0049】図6はt=2n+1の場合で、検出位相z
iradの値から、irad(t)=0となる。なお、
検出位相ziradが同じ値で、t=2nの場合は、i
rad(t)=π/4となる。(8)式は、座標が2点
鎖線の内側にある場合、この座標情報を信用せず、2点
鎖線の外側にある場合のみ、有効情報として扱うことを
意味する。実線の丸は、AGC13による平均電力を示
す。
【0050】ステップS16では、位相尤度補正部46
により、ステップS15で得られた距離係数より、
(9)式のように、(6)式の尤度prad(t)に補
正を加え、prad2(t)を得る。 prad2(t)=prad(t)*plen(t) …(9) π/4シフトDQPSK方式の場合、ステップS16で
選択された位相と1つ前に選択された位相との位相差を
(10)式のように算出する。1つ前に選択された位相と
その尤度は、位相尤度補正部46内のメモリに保存され
ている。 idif=irad(t)−irad(t−1) …(10) 位相差の尤度を次式(11)のように、連続する時点の位
相尤度の内、低い方の尤度として算出する。但し、本実
施例では、位相差尤度の算出は(11)式に限らない。 pdif=min(prad(t),prad(t−1)) …(11) ステップS17では、ビット尤度演算部47により、前
記のように選択された位相差に対応するビット列を、ビ
ット尤度演算部47内のメモリから読み出す。位相差π
/4の時(0、0)、3π/4の時(0、1)、5π/
4の時(1、1)、7π/4の時(1、0)が対応す
る。位相差idifに対応するビットを順にib1、i
b2とする。ib1、ib2は、0或いは1をとる。
【0051】ビット尤度pb1、pb2は次式(12)よ
り算出する。このビット尤度は−1〜1で考えた。 pb1=1−2pdif ib1=0の時 =2pdif−1 ib1=1の時 pb2=1−2pdif ib2=0の時 =2pdif−1 ib2=1の時 以上の処理により得られたpb1,pb2をビット尤度
とし、ビット値が0、或いは1である可能性を示す。p
b1は−1から1の間の任意の値を取り、pb1が1に
近い時、1である可能性が高く、pb1が−1に近い
時、0である可能性が高い。pb2も同様である。
【0052】軟判定データ処理S10の最終段ステップ
S18では、判定データ出力部48から軟判定データを
出力し、デインタリーブ部50を介して復号部60へ送
る。復号部60では、ステップS20において、入力さ
れた軟判定データを使用して復号処理を行い、再生信号
cを出力する。復号処理として、例えば符号がたたみこ
み符号化されている場合はビタビ復号を実施する。ブロ
ック符号化に対しても、高精度な復号が可能である。
【0053】本実施例の軟判定復号方法をビタビ復号に
適用した場合のビットエラー特性のシミュレーション結
果を図7に示す。横軸は1ビット当りの平均信号エネル
ギーEbと雑音電力密度Noの比Eb/No、縦軸はビ
ットエラーレートである。図中の曲線は、△がたたみこ
み符号化をしなかった場合、□が従来のたたみこみ符号
を軟判定ビタビ復号した場合、○が本実施例の軟判定ビ
タビ復号した場合である。
【0054】図7のシミュレーション条件について説明
する。1スロット当り171ビットの原信号をクラス1
(89ビット)とクラス2(82ビット)に分け、クラ
ス1の信号のみ、たたみこみ符号化する。たたみこみ符
号化の符号化レート1/2、拘束長6、生成多項式11
0101、101111とする。たたみこみ符号化後、
クラス1の信号(178ビット)とクラス2の信号(8
2ビット)を26×10の配列により、インタリーブ変
換し、π/4シフトDQPSK方式で変調後、位相情報
に誤りをランダムに与える。受信側では、位相情報をビ
ット情報(軟判定の場合はビット尤度)に変換後、デイ
ンタリーブ変換し、クラス1のみビタビ復号する。前記
処理を200スロット分、実行し、クラス1とクラス2
のそれぞれについて、ビットエラーレートを計算する。
【0055】この図7から明らかなように、本実施例で
は、同じEb/Noで送信する場合、従来の硬判定ビタ
ビ復号と比較し、ビットエラーレートが小さくなる。逆
に言えば、同じビットエラーレートにしたい時、送信電
力が少なくて済む。
【0056】なお、本実施例は上記実施例に限定され
ず、種々の変形が可能である。その変形例としては、例
えば次のようなものがある。
【0057】(1)図1のステップS12において、位
相尤度の計算式は、(6)式に限らず、θ(k)の大き
さに対し単調減少し、かつ、θ(k)が0の場合は尤度
の最大値をとり、θ(k)が(2π/差動型PSK方式
で送信する固有の位相の数)の場合は尤度の最小値をと
る関数であれば良い。上記実施例では、尤度を0〜1で
考えたが、場合により、0〜100、或いは−1〜1と
しても良い。
【0058】(2)図1のステップS18において、ス
テップS17で求めたビット尤度をそのまま軟判定デー
タとしても良いが、ステップS17のビット尤度は実数
なので、適当な量子化を行って、この値を軟判定データ
としても良い。また、このビット尤度は、ビタビアルゴ
リズムのメトリック演算法として、積和演算を行う場合
は、そのまま使用でき、差分演算等の別の方法でメトリ
ックを計算する場合も、多少の変更で転用が可能であ
る。
【0059】(3)図1の軟判定データ算出処理S10
は、ブロック(Block)符号の軟判定復号方法にも
使用できる。ブロック符号の軟判定復号の場合も、軟判
定ビタビ復号の場合と同じ理由で、ビット尤度による計
算の方がビットエラー訂正能力が向上する。また、ブロ
ック符号の復号とビタビ復号の併用も可能である。
【0060】(4)図1のビタビ復号は、種々のダイバ
ーシチ受信との併用も可能である。判定帰還型の等化と
の組み合わせも可能である。ブロック符号、インタリー
ブの他、ARQ(AUTOMATIC REPEAT
REQUEST)型の符号誤り制御(誤り検出時、情報
を再送する方式)との併用も可能である。
【0061】(5)図1のステップS15における振幅
係数plen(t)の計算式は、(8)式に限らず、距
離zzの大きさに対して単調増加し、かつzzが第1の
設定値以下の場合は尤度の最小値をとり、zzが第2の
設定値以上の時は尤度の最大値をとる関数であればよ
い。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、位相変調方式において、受信された搬送波からビ
ット尤度を求める過程で、位相空間上における検出位相
の選択位相とのずれ及び原点からの距離からビット尤度
を算出し、この尤度を軟判定復号に使用するようにした
ので、従来の硬判定復号と比較し、原信号のビットエラ
ーレートを低くでき、高精度な復号が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す軟判定復号方法の処理ス
テップを示すフローチャートである。
【図2】従来の無線信号送受信装置における受信部の構
成ブロック図である。
【図3】たたみこみ符号化の説明図である。
【図4】トレリス図形を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す無線信号送受信装置にお
ける受信部の構成ブロック図である。
【図6】図1における検出座標と選択される位相の関係
を示す図である。
【図7】図1のビットエラー特性図である。
【符号の説明】
10 復調部 30 軟判定復号部 40 軟判定データ演算部 41 位相演算部 42 位相選択部 43 位相尤度演算部 44 距離演算部 45 距離係数演算部 46 位相尤度補正部 47 ビット尤度演算部 48 判定データ出力部 50 デインタリーブ部 60 復号部 a RF帯受信信号 b 座標情報 c 再生信号 S1 座標検出処理 S10 軟判定データ処理 S11 位相演算処理 S12 位相選択処理 S13 位相尤度演算処理 S14 距離演算処理 S15 距離係数演算処理 S16 位相尤度補正処理 S17 ビット尤度演算処理 S18 判定データ出力処理 S20 軟判定復号実施処理

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 位相変調方式で変調された信号を復調し
    た位相空間上の座標情報から、位相と原点からの距離と
    を演算する位相・距離演算処理と、 前記位相・距離演算処理で求められた位相を、前記位相
    変調方式で送信する固有の位相と比較し、位相ずれの絶
    対値が小さい該固有の位相を選択する位相選択処理と、 前記位相ずれの大きさに対して単調減少し、かつ位相ず
    れの絶対値が0のときは尤度の最大値をとり、位相ずれ
    の絶対値が(2π/前記位相変調方式で送信する固有の
    位相の数)のときは尤度の最小値をとる関数により、位
    相尤度をそれぞれ演算する位相尤度演算処理と、 前記原点からの距離が大きくなる程、単調増加し、か
    つ、前記原点からの距離が第1の設定値以下の場合は尤
    度の最小値をとり、前記原点からの距離が第2の設定値
    以上のときは最大値をとる係数を前記位相尤度に乗じて
    補正位相尤度を求める位相尤度補正処理とを実行し、 前記補正位相尤度を、ビット値をとる確からしさを表す
    値として復号処理に使用することを特徴とする軟判定復
    号方法。
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