JPH05145130A - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

Info

Publication number
JPH05145130A
JPH05145130A JP3309134A JP30913491A JPH05145130A JP H05145130 A JPH05145130 A JP H05145130A JP 3309134 A JP3309134 A JP 3309134A JP 30913491 A JP30913491 A JP 30913491A JP H05145130 A JPH05145130 A JP H05145130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quasi
current
layer
superconducting
particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3309134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2955415B2 (ja
Inventor
Koichi Mizushima
公一 水島
Jiro Yoshida
二朗 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3309134A priority Critical patent/JP2955415B2/ja
Publication of JPH05145130A publication Critical patent/JPH05145130A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2955415B2 publication Critical patent/JP2955415B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しい動作原理に基づく、超高速動作および
入出力分離が可能な三端子型の超電導素子、さらには電
流、電圧利得が得られる超電導素子を提供する。 【構成】 超電導体S1 /常伝導体N/超電導体S2
造を有するSNS接合と、このSNS接合内に準粒子を
注入する準粒子注入部とを具備する超電導素子である。
準粒子注入部は、常伝導体N′や非平衡状態にある超電
導体S* によって構成する。SNS接合内に準粒子を注
入して準粒子電流を形成し、この準粒子電流と逆方向に
誘起される超電導電流により、SNS接合の電流−電圧
特性を変化させ、オン−オフ制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導素子に係り、特
に準粒子注入型超電導三端子素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在まで、超高密度電子素子や超高速電
子素子の開発は、シリコンおよび化合物半導体を中心と
して進められてきた。ところで、従来の半導体素子の高
密度化と高速化は、高度の微細加工技術、均質で完全性
の高い結晶作製技術およびシミュレーションを利用した
素子設計技術により成し遂げられてきた。
【0003】しかし、半導体素子の高密度化や高速化等
をさらに図る上で、今後ますます重要になる問題とし
て、駆動・動作発熱が挙げられる。つまり、半導体素子
自体の結晶の完全性や微細加工技術とは別に、半導体素
子の駆動・動作発熱が、高密度化や高速化の限界を与え
る大きい要因になると考えられるからである。
【0004】このような問題に対して、ジョセフソン接
合素子に代表される超電導素子は、駆動・動作発熱の点
で半導体素子等の電子素子に比べて優れるという利点を
有している。しかし、超電導素子はこれまでのところ、
本格的な実用化の目途は十分たっているとはいえない。
その理由としては、ジョセフソン素子は本質的に二端子
素子であるために使い難いことや、また膨大な蓄積をも
つ半導体回路との整合性が悪いこと等が挙げられる。
【0005】そこで、近年、ジョセフソン接合素子の二
端子素子という欠点を解消するものとして、超電導体と
半導体とを結合した超電導トランジスタが試作されてい
る。この超電導トランジスタは、半導体層の一方の面に
微少間隔をもって対向する一対の超電導体膜ないし電極
(ソース、ドレイン領域ないし電極)を設け、他方の面
に半導体層内のキャリア濃度分布を制御する電極(ゲー
ト電極)を設けた構造を有している。
【0006】上記したような構成を有する超電導トラン
ジスタにおいては、ゲート電極によりソース電極および
ドレイン電極近傍のキャリア濃度が減少する方向のバイ
アスを与えると、ソース、ドレイン両電極間にはジョセ
フソン接合が形成されないため、ソース、ドレイン両電
極間には超電導電流が流れない状態となる。これがトラ
ンジスタのオフ状態である。一方、ゲート電極によりソ
ース電極およびドレイン電極近傍のキャリア濃度を増大
させるバイアスを与えると、ある一定電圧以上でソー
ス、ドレイン両電極間にジョセフソン接合(超電導接
合)が形成され、トランジスタはオン状態になる。
【0007】このような超電導トランジスタは、従来厚
み方向に対向させていたジョセフソン素子の一対の超電
導電極を平面上に展開した形とし、その超電導電極間の
キャリア濃度の制御により、超電導接合を形成するか否
かを制御するようにしたものということができる。しか
も、超電導接合には抵抗零で電流が流れるから、この超
電導トランジスタはオン状態で発熱がない。このような
超電導トランジスタは、三端子素子であるという点で、
従来のジョセフソン素子の欠点を解消しようとするもの
であるが、電界効果をその動作原理としているため、制
御電圧が大きくなり、電圧利得を得ることが難しいとい
う問題を有している。
【0008】一方、上記電界効果を利用した超電導トラ
ンジスタとは、異なる動作原理を持つ超電導三端子素子
として、図15および図16に示したような構成を有す
る準粒子注入型素子が知られている。図15に示す準粒
子注入型超電導素子は、超電導体S1 、超電導体S2
超電導体S3 がトンネル絶縁膜I1 、トンネル絶縁膜I
2 を介して積層された構造となっている。このような構
造を有する素子では、注入電極端子1から電流を流し込
むと、超電導体S3 から超電導体S2 へ準粒子が注入さ
れ、超電導体S2 の超電導ギャップが減少し、超電導体
1 /トンネル絶縁膜I1 /超電導体S2 で構成される
ジョセフソン接合の電流−電圧特性が変化する。換言す
れば、S1 /I1 /S2 接合の特性を外部電流で変化さ
せることができ、超電導三端子素子として動作する。
【0009】また、図16に示す準粒子注入型超電導素
子は、超電導体S3に代えて金属あるいは半導体等から
なる常伝導体N層を用いることにより、同様な動作特性
を得ている。すなわち、N層として半導体を用いた場合
には、トンネル絶縁膜I2 に代えて、超電導体S2 と常
伝導体Nとの間に形成されるショットキー障壁を準粒子
注入障壁として用いることができる。
【0010】これらの準粒子注入型素子は、電界効果を
利用していないため、制御電圧を小さくできるという特
徴を有しているが、数10nm〜数 100nmの厚さを持つ超電
導体S2 の超電導ギャップを変化させるために、多量の
準粒子を注入しなければならず、接合の臨界電流が飛躍
的に増大しない限り、ピコ秒オーダーの高速動作は困難
であるという問題を有している。さらに、これらの準粒
子注入型素子は、構造上、入出力の分離が難しいという
問題点も抱えている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、超電
導素子は発熱が少ないという点で、従来の半導体素子の
高密度化や高速化の限界を超え得るものとして注目され
ている。しかしながら、これまでの超電導三端子素子
は、それぞれ電圧利得がとれない、高速動作および入出
力分離が難しい等という問題を有しており、実用化が妨
げられてきた。
【0012】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、新しい動作原理に基づく超高速動作
が可能な三端子型の超電導素子を提供することを基本的
な目的としており、さらには入出力分離が可能で、電
流、電圧利得が得られる超電導素子を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の超電
導素子は、超電導体/常伝導体/超電導体構造を有する
SNS接合と、このSNS接合内に準粒子を注入する準
粒子注入部とを具備し、前記準粒子の注入によって前記
SNS接合内に準粒子電流を形成し、この準粒子電流と
逆方向に誘起される超電導電流により、該SNS接合の
電流−電圧特性を制御するよう構成したことを特徴とし
ている。
【0014】
【作用】本発明の超電導素子においては、SNS接合に
準粒子注入部を隣接させて設けている。準粒子注入部か
らSNS接合内に準粒子を注入すると、SNS接合内に
準粒子電流が流れる。素子内で電流の保存則が成立つた
めには、準粒子電流と逆方向に大きさの等しい超電導電
流が流れなければならない。この超電導電流によって、
SNS接合の電流−電圧特性が変化する。例えば、超電
導電流がSNS接合の臨界電流を超えると、SNS接合
は電圧V=0 からV≠0 の状態へと変化する。すなわ
ち、従来の準粒子素子では、超電導体内の準粒子濃度の
制御を素子の動作原理としているが、本発明の準粒子注
入型超電導三端子素子は、超電導体および超電導体/常
伝導体/超電導体(SNS)接合を流れる準粒子電流を
制御することをその動作原理としている。このように、
本発明に係る準粒子注入型超電導三端子素子は、準粒子
電流の制御をその動作原理とするため、従来の準粒子素
子と異なり、ピコ秒(psec)あるいはそれ以下の応答が可
能となる。また、入出力分離が可能となる。さらには、
準粒子注入部の選択によって、大きな電流利得が得られ
ると共に、入力インピーダンスを大きくできるために、
ファンアウトを大きくすることが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施例による準粒子注
入型超電導三端子素子をモデル化して示す図である。同
図に示す超電導三端子素子は、超電導体S1/常伝導体
N/超電導体S2 構造によるSNS接合と、このSNS
接合上にトンネル絶縁膜Iを介して設けられた常伝導体
層N′からなる準粒子注入部とを有している。なお、S
NS接合における常伝導体Nとしては、BiやSb等の半金
属およびそれらの合金を用いることが好ましい。これ
は、それらの半金属が準粒子は流しやすく、かつキャリ
アは少ないためであり、これによりオフ時に電圧が得ら
れやすくなる。
【0017】準粒子注入部の常伝導体層N′には、入力
端子1が設けられている。また、SNS接合中の準粒子
注入部と隣接する超電導体S1 は接地(G)されてお
り、他方の超電導体S2 には出力端子2が接続されてい
る。
【0018】上記超電導三端子素子の動作原理を説明す
る。なお、図1は本発明の超電導素子の動作原理を最も
簡単な形で示したものである。図1における横軸は素子
内の位置座標を、縦軸はそれぞれの位置でのペアポテン
シャルの大きさを模式的に示している。準粒子をトンネ
ル絶縁膜Iを介して注入し、入力電圧Vinが超電導ギャ
ップ△1 を超えると、素子内に準粒子電流Iq が流れ
る。素子内で電流の保存則が成立つためには、Iq と逆
方向に大きさの等しい超電導電流Is が流れなければな
らず、出力端子2とグラウンドGとの間で観測されるS
NS接合の電流−電圧特性が変化する。例えば、Is
c (Ic はSNS接合の臨界電流)となると、SNS
接合は電圧V=0 からV≠0 の状態へと変化する。この
状況を図2に示す。このようにして、超電導電流Is
なわち準粒子電流Iq により、SNS接合の電流−電圧
特性を変化させることによって、超高速で動作可能な三
端子素子として機能する。
【0019】ただし、この実施例の超電導三端子素子
は、電流、電圧利得共に1以下である。すなわち入力電
流以上の出力電流は得られず、入力電圧以上の出力電圧
は得られない。
【0020】図3は、図1の素子の欠点を改良した、本
発明の他の実施例による超電導三端子素子をモデル化し
て示す図である。図3では、超電導体を半導体モデルに
よって記述してある。図3に示した超電導三端子素子
は、準粒子源として非平衡状態にある超電導体S* を用
いていると共に、トンネル絶縁膜IとSNS接合中の超
電導体S2 との間に常伝導体層N″を介在させている。
【0021】ここで、非平衡状態にある超電導体S*
は、多くの電子的および正孔的準粒子が励起されてい
る。このような超電導体S* を用いると、図1の場合と
異なり、△1 より小さな入力電圧で準粒子を注入するこ
とができるため、出力電圧として△1 程度の出力が得ら
れれば、電圧利得を得ることができる。SNS接合で大
きな出力電圧、すなわちIc ・Rn 積を得るには、Bi等
の半金属を用いることが好ましく、Pb/Bi/Pb接合では
c ・Rn 積〜1mV 〜△1 が得られる。
【0022】また、常伝導体層N″は、電流利得を得る
ために挿入されている。N″層は通常の金属で形成され
ており、その結果としてN″層へのペアポテンシャル浸
み出しは極めて小さく、S* /I/N″で構成されるト
ンネル接合の電流−電圧特性を考える際には無視するこ
とができる。S* /I/N″接合の電流−電圧特性は、
動作温度Tが臨界温度Tc (S)よりかなり小さけれ
ば、図4に示すようになることはよく知られており、ま
たこの特性は、Sが非平衡状態Sであっても変らない
(多量の準粒子励起による△1 の減少とブランチインバ
ランスに伴う微小な原点シフトは無視する)。図4から
分かるように、端子1とグランドG間を流れる電流はV
in<△で、ほとんど零となる。すなわち、この素子の入
力インピーダンスは極めて大きく、かつVin<△で準粒
子は注入されている。入力回路を流れる電流が零である
理由は、電子的準粒子と正孔的準粒子が同数注入されて
いるためである。注入された電子的準粒子は、図1の場
合と同様に、SNS接合を横切って流れる。一方、正孔
的準粒子は、N″/S2 界面で反射(アンドリーフ反
射)され、N″層内にとどまっている。すなわち、この
素子では微少な入力電流によって、大きな電子的準粒子
電流Iq と、それによって誘起される超電導電流Is
流すことができるため、電流利得を得ることができる。
【0023】図5に示す超電導三端子素子は、図3に示
した素子をさらに改良したものであり、準粒子源とし
て、より大きな超電導ギャップを有する(例えば△2
2△1 )非平衡状態のS′* 層を用い、これに伴って準
粒子障壁としてS′層をN″/S2 間に介在させてい
る。なお、S′層を挿入する代わりに、S2 /N/S1
接合をS′/N/S1 接合としてもよい。また、この実
施例の超電導三端子素子素子では、準粒子の再結合時間
が短いD層(Decay Layer)をSNS接合の背後に形成し
ている。
【0024】S* をS′* に変更する理由は、以下の通
りである。すなわち第1に、超電導ギャップ△2 を動作
温度の熱エネルギーkTより十分大きくすることによっ
て、入力抵抗をより高くすることができ、よって電流利
得を大きくすることができる。第2には、準粒子の有効
電荷および群速度を増大させ、準粒子電流を増大させる
ためである。超電導ギャップエネルギーと同程度のエネ
ルギーをもつ準粒子の有効電荷および群速度は、電子の
電荷およびフェルミ速度に比較して、かなり減少するこ
とが知られている。すなわち、図3で示す素子のSNS
接合中のN層を横切る準粒子電流は、準粒子を電子と考
えた場合に比べ減少しているが、この準粒子の特徴によ
る電流の減少は、図5のように準粒子のエネルギーを増
大させることにより回避することができる。第3の理由
は、SNS接合に電圧が発生した場合に、SNS接合を
流れる準粒子電流を減少させないためである。すなわ
ち、図3に示す素子のSNS接合中の右側のS1 層によ
るアンドリーフ反射を避けるためである。
【0025】また、再結合時間の短いD層を設けた理由
は、準粒子の反射によって準粒子電流が減少するのを防
ぐためであり、再結合時間がpsec以下で平均自由行程が
短い材料で形成する。
【0026】これら各実施例による超電導三端子素子の
応答速度を決定する要因は 3つある。第1は準粒子の走
行時間である。準粒子の走行距離を 500nm程度とする
と、フェルミ速度は〜108 cm/sec程度なので、 5×10
-13 sec=0.5psec となる。第2の要因は、SNSジョセ
フソンの応答時間〜 h/2π△であるが、この時間もpsec
以下である。第3の要因は、準粒子注入のための電圧を
印加するのに必要な時間、すなわち出力抵抗Rとトンネ
ルキャパシタンスCによって決まるRC時定数である。
この時定数は、現在のジョセフソン素子の応答速度を決
めているRC時定数と同じであり、psec以下にすること
は極めて困難である。すなわち、この実施例による素子
においても、応答速度はジョセフソン素子と同様に、R
C時定数によって決定され、数psecである。
【0027】なお、第2および第3の実施例で用いた非
平衡状態の超電導体S* あるいはS′* は、トンネル障
壁を介して準粒子をS層あるいはS′層に注入すること
によって、または赤外線等を照射することによって得ら
れる。
【0028】本発明の超電導素子が大きな電流、電圧利
得が得られる理由は、上述したように非平衡状態のS*
あるいはS′* を用いているからである。トンネル注入
によって非平衡状態のS* 、S′* をつくる場合には、
ギャップ電圧以上の電圧とギャップ電流以上の電流を流
さなければならず、このため、この素子の消費電力は、
通常のジョセフソン素子に比べ約 1桁大きいが、半導体
素子に比較すれば 3〜4桁小さい。また、S* 層やS′
* 層内には、準粒子の再結合に伴うフォノンが多数励起
されている。このフォノンがI層を横切ってN″層内に
拡散すると、N″層内の有効温度が上昇し、入力抵抗を
減少させ素子特性を悪化させる。このようなN″層内へ
のフォノンの侵入を防ぐためには、S* 層およびS′*
層とN″層として、互いに音速が大きく異なる物質、す
なわちデバイ温度が大きく異なる物質を用い、フォノン
の反射を大きくすることが重要である。
【0029】なお、各実施例の素子が入出力分離されて
いることは、これまで述べた動作原理から明らかであ
る。
【0030】次に、上記した各実施例の超電導素子の具
体例について述べる。
【0031】実施例1 図6および図7に示すように、 SrTiO3 (001)基板11
上に、 (001)面をもつY-Ba-Cu-O系酸化物超電導体(以
下、YBCOと記す)膜12とAg膜13をインサイチュー(i
n-situ) に形成した。YBCO膜12の形成は、 3元RFス
パッタを用い、Ar/O2 混合ガス中にて基板温度 600℃の
条件で行った。YBCO膜12およびAg膜13の厚さは、そ
れぞれ 100nmおよび50nmとした。 (001)YBCO膜12は、
Ag膜13との界面近傍で超電導特性が消失しており、ま
た膜内での準粒子の寿命はピコ秒以下と短いため、前述
したD層として用いることができる。
【0032】次に、上記D層14上に、超電導体S1
してPb層15、常伝導体NとしてBi層16、超電導体S
2 としてPb層17を順に積層形成し、SNS接合18を
作製した。そして、このSNS接合18上に、トンネル
絶縁膜Iとしての PbOx 膜19を介してPb層20を成膜
し、準粒子注入部21を構成した。接合部Cの面積は1
μm × 1μm とし、層間絶縁には SiO層22、23を用
いた。Pb層15、17の厚さは 100nm、Bi層16の厚さ
は 300nmとした。また、超電導体S2 としてのPb層17
をグランド端子Gとし、超電導体S1 としてのPb層15
に出力端子2を、また準粒子注入部21となるPb層20
に入力端子1を接続した。
【0033】そして、入力端子1とグランド端子G間に
電流を流すことによって、Pb層15/Bi層16/Pb層1
7からなるSNS接合18に準粒子を注入し、出力端子
2とグランド端子G間の電流−電圧特性を準粒子注入下
で測定した。
【0034】図8に示したように、注入電圧Vinj が 2
△(Pb)〜 2mVを超えると、Pb/Bi/Pb接合18の電流−電
圧特性の電流原点がシフトするのが観測された。この原
点シフトを注入電圧および注入電流に対してプロットし
たものが図9である。このシフトは、Pb/Bi/Pb接合18
を流れる準粒子電流と逆向きに流れる超電導電流によっ
て生じたものと考えることができる。すなわち、準粒子
を注入して準粒子電流を流すことにより、SNS接合1
8の特性を変化させることができた。この素子は、出力
から入力への電流、電圧の戻りがないという意味におい
て、入出力分離がなされている。ただし、原点シフトは
注入電流にほぼ等しく、出力電圧の変化も注入電圧以下
であり、電流、電圧利得は共に 1以下である。
【0035】実施例2 図10に示すように、実施例1の超電導三端子素子にお
ける準粒子注入部(Pb層20)を、Pb1 層/ PbOx 層/
Pb2 層の 3層構造による準粒子注入部とすると共に、Pb
(S1 )/Bi(N)/Pb(S2 )接合と準粒子注入部と
の間に、 AlOx 層(I)を介してAl層(N″)を介在さ
せた。また、準粒子注入部における上層側のPb1 層に補
助端子1′を接続した。そして、入力端子1と補助端子
1′との間に 4mVの電圧を印加し、準粒子注入部の下層
側のPb2 層を非平衡状態の超電導体S* とし、このPb2
* 層を準粒子注入電極として使用した。なお、Pb1 層の
厚さは 100nm、Pb2 層の厚さは50nm、Al層の厚さは 100
nmとした。
【0036】また、これら以外の構成は、実施例1によ
る超電導三端子素子と同様とした。よって、この実施例
の素子の構成を準粒子注入部側(上部側)から順に示す
と、Pb1 層/ PbOx 層/Pb2 層(S* )/ AlOx
(I)/Al層(N″)/Pb層(S2 )/Bi層(N)/Pb
層(S1 )/Ag層/ YBCO層(D)となる。
【0037】実施例1と同様に、超電導体S2 としての
Pb層をグランド端子Gとし、Pb2 * 層に接続された入力
端子1とグランド端子G間に電流を流すことにより、Pb
(S1 )/Bi(N)/Pb(S2 )接合に準粒子を注入し
た。そして、超電導体S1 としてのPb層、具体的にはAg
層に接続された出力端子2とグランド端子G間の電流−
電圧特性を準粒子注入下で測定した。
【0038】実施例1の場合と同様に、Pb/Bi/Pb接合の
電流−電圧特性は、準粒子注入によって変化し、電流原
点のシフトが観測された。この原点シフトを注入電圧お
よび注入電流に対してプロットしたものを図11に示
す。図11が図9と異なる点は、約0.6mV 以下の注入電
圧で注入電流より大きな電流シフトが見られ、この素子
が電流利得をもっていることが分かる。ただし、電圧利
得は 1以下である。
【0039】実施例3 図12に示すように、実施例2の超電導三端子素子にお
ける準粒子注入部(Pb1 / PbOx /Pb2 )を、 NbN1
/NbNOx 層/ NbN2 層の 3層構造による準粒子注入部と
すると共に、Pb(S1 )/Bi(N)/Pb(S2 )接合と
Al層(N″)との間に NbN3 層(S′)を介在させた。
NbN1 層および NbN3 層の厚さは 100nm、 NbN2 層の厚
さは50nmとした。そして、準粒子注入部の上層側の NbN
1 層に接続した補助端子1′と入力端子1との間に 8mV
の電圧を印加し、準粒子注入部の下層側の NbN2 層を非
平衡状態の超電導体S* とし、この NbN2 * 層を準粒子
注入電極として使用した。この実施例では、準粒子注入
電極として超電導ギャップエネルギの大きい(〜2.5mV)
NbN2 * 層を用いている。
【0040】また、これら以外の構成は実施例2による
超電導三端子素子と同様とした。この実施例の素子の構
成を準粒子注入部側(上部側)から順に示すと、 NbN1
層/NbNOx 層/ NbN2 * 層(S* )/ AlOx 層(I)/
Al層(N″)/ NbN3 層(S′)/Pb層(S2 )/Bi層
(N)/Pb層(S1 )/Ag層/YBCO 層(D)となる。こ
の超電導三端子素子も、実施例2と同様にPb/Bi/Pb接合
の電流−電圧特性は準粒子注入によって変化し、電流原
点のシフトが観測された。この原点シフトを注入電圧お
よび注入電流に対してプロットしたものを図13に示
す。注入電圧1.5mV以下で図11と比較して、約 1桁大
きな電流利得が得られている。また、この素子を図14
のように結線し、端子1とグランド端子G間に±0.5mV
の電圧を入力したところ、電圧利得約 2、電流利得約1
0、電力利得約20の出力が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、S
NS接合に準粒子を注入して準粒子電流を形成し、この
準粒子電流と逆向きに超電導電流を誘起することによっ
て、SNS接合の電流−電圧特性を変調することが可能
となる。これによって、超高速(ピコ秒オーダー)で動
作する三端子型の超電導素子を提供することが可能とな
る。また、準粒子注入部の選択によって、入出力分離が
なされ、電流、電圧利得がある超高速三端子素子が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の超電導素子をモデル化して
示す図である。
【図2】図1に示す超電導素子におけるSNS接合の電
流−電圧特性を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例の超電導素子をモデル化し
て示す図である。
【図4】図3に示す超電導素子の準粒子注入部としての
IN′接合の電流−電圧特性を示す図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例の超電導素子をモデ
ル化して示す図である。
【図6】本発明の実施例による超電導三端子素子の具体
的な構成を示す断面図である。
【図7】図6に示す超電導三端子素子の平面図である。
【図8】図6に示す超電導三端子素子の電流−電圧特性
が注入電圧によって変化する様子を示す図である。
【図9】図6に示す超電導三端子素子の電流シフトの注
入電圧および注入電流依存性を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例による超電導三端子素子
の具体的な構成を示す平面図である。
【図11】図10に示す超電導三端子素子の電流シフト
の注入電圧および注入電流依存性を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例による超電導三端
子素子の具体的な構成を示す平面図である。
【図13】図12に示す超電導三端子素子の電流シフト
の注入電圧および注入電流依存性を示す図である。
【図14】図12に示す超電導三端子素子を用いた入出
力回路を示す図である。
【図15】従来の準粒子注入型超電導三端子素子の構成
を示す図である。
【図16】従来の準粒子注入型超電導三端子素子の他の
構成を示す図である。
【符号の説明】
I……トンネル絶縁膜 N……SNS接合中の常伝導体層 N′……準粒子注入部としての常伝導体層 S1 、S2 ……SNS接合中の超電導体層 S* 、S* ′……非平衡状態の超電導体層 C……接合部 1……入力端子 2……出力端子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導体/常伝導体/超電導体構造を有
    するSNS接合と、このSNS接合内に準粒子を注入す
    る準粒子注入部とを具備し、前記準粒子の注入によって
    前記SNS接合内に準粒子電流を形成し、この準粒子電
    流と逆方向に誘起される超電導電流により、該SNS接
    合の電流−電圧特性を制御するよう構成したことを特徴
    とする超電導素子。
JP3309134A 1991-11-25 1991-11-25 超電導素子 Expired - Fee Related JP2955415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3309134A JP2955415B2 (ja) 1991-11-25 1991-11-25 超電導素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3309134A JP2955415B2 (ja) 1991-11-25 1991-11-25 超電導素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05145130A true JPH05145130A (ja) 1993-06-11
JP2955415B2 JP2955415B2 (ja) 1999-10-04

Family

ID=17989309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3309134A Expired - Fee Related JP2955415B2 (ja) 1991-11-25 1991-11-25 超電導素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2955415B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6995390B2 (en) * 2000-11-17 2006-02-07 Katsuyuki Tsukui Switching device using superlattice without any dielectric barriers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6995390B2 (en) * 2000-11-17 2006-02-07 Katsuyuki Tsukui Switching device using superlattice without any dielectric barriers
US7314765B2 (en) 2000-11-17 2008-01-01 Katsuyuki Tsukui Switching device using superlattice without any dielectric barriers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2955415B2 (ja) 1999-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hao et al. Thin-film superconductor in an exchange field
US4157555A (en) Superconducting transistor
JPS63299282A (ja) 超伝導素子
GB1244011A (en) Superconductive barrier devices
US3370210A (en) Magnetic field responsive superconducting tunneling devices
US11005023B2 (en) Superconducting logic element
US3564351A (en) Supercurrent devices
JP2955415B2 (ja) 超電導素子
US3521133A (en) Superconductive tunneling gate
JPH0262082A (ja) 超伝導トランジスタ
US3204115A (en) Four-terminal solid state superconductive device with control current flowing transverse to controlled output current
JPH0315355B2 (ja)
Nevirkovets A superconducting transistorlike device having good input-output isolation.
JPH0217943B2 (ja)
JP2585269B2 (ja) 超伝導トランジスタ
Nevirkovets et al. Fabrication and characterization of multiterminal superconductor-insulator-normal metal-insulator-superconductor Josephson devices
Tamura et al. A superconducting resonant tunneling transistor with insulating base layer
JPS6288381A (ja) 超導電性スイツチング装置
Hunt et al. Three terminal, non-equilibrium quasiparticle device experiments with submicron tunnel junctions
JP2957631B2 (ja) 超電導トランジスタ
Mimura Voltage-controlled DNR in unijunction transistor structure
US3245055A (en) Superconductive electrical device
Giazotto et al. Superconducting logic element
JPH03274775A (ja) 超伝導素子
JP3026482B2 (ja) 超電導素子とその製法および動作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990706

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees