JPH0515184B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0515184B2 JPH0515184B2 JP13387885A JP13387885A JPH0515184B2 JP H0515184 B2 JPH0515184 B2 JP H0515184B2 JP 13387885 A JP13387885 A JP 13387885A JP 13387885 A JP13387885 A JP 13387885A JP H0515184 B2 JPH0515184 B2 JP H0515184B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- evoh
- group
- lower alkyl
- mol
- multilayer structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
A 産業上の利用分野
本発明は共押出成形時、厚みむら、スジなどが
なく、しかも、加熱延伸時、ピンホール、クラツ
ク、局所的偏肉などがないガスバリアー性を優れ
た多層構造体に関するもので、とくに食品包装用
に適するものである。 B 従来の技術 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下
EVOHと記す)は今日、食品包装用フイルム、
特に酸素に対する保護が必要な食品及び他の製品
に対する使用を目的とするフイルムにおいて、か
なりの価値を持つている事が認められている。し
かしながら、EVOHで作つた単層フイルムはタ
フネスに欠け、脆く、また、このフイルムは水又
は水蒸気に対して有効なバリアー性を示さないな
どの欠点がある。 これらの欠点を改善する為、EVOH樹脂は通
常、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹
脂を1種類又はそれ以上含む構造層と、アイオノ
マー、エチレン−酢酸ビニル共重合体などに代表
される各種熱シーラント層とを積層してなる多層
フイルムの形で用いられている。 ところでEVOHを含有する該多層構造体は最
近の技術進歩により多数の押出機より同時に多種
の樹脂を押出し一つのダイスより多層積層体を得
る、共押出成形法により製造される場合が多い。
また多層構造体の強度を増す為、加熱共延伸する
場合もある。しかし、この様な成形加工時、
EVOHを含有する為に下記の様な問題点があり、
食品包装材としての使用が困難な場合が多い状況
にあつた。 まず第1にEVOHを有する多層構造体を共押
出法により成形加工する場合、EVOHと飽和ポ
リエステル、ポリアミドとの粘性特性が大巾に異
なる為か多層構造体の全体の厚み分布を均一にし
てもEVOH層の厚み分布が均一でなく、ガスバ
リアー用食品包装材としてはバリアー性を保証す
る為に必要以上にEVOH層を厚くする必要があ
る。またEVOH層の厚み不均一の為、加熱延伸
時、クラツク、局所的偏肉によりガスバリアー性
が大巾に悪化する場合もしばしばであつた。 第2にさらに悪い事には、共押出成形時、長期
間運転するとEVOH層に微少なスジ、ブツが発
生し、外観をそこねるのみならず、加熱延伸時、
EVOH層のクラツク、微少偏肉が増加し、ガス
バリアー性の悪化により食品包装材として使用に
耐えない。 第3のEVOH層の厚み分布を出来る限り均一
になる様成形条件、成形装置の改善を行なつて
も、又は、厚み均一なEVOHシートをドライラ
ミネート法により積層したシートにおいても、加
熱延伸加工時しばしばEVOH層のクラツク、局
所的偏肉等によりガスバリアー性が大巾に悪化
し、使用に耐えない場合があつた。 最後にこの様にして延伸した多層製造体(フイ
ルム、シート又は容器)に食品を充填した後、70
℃〜120℃で加熱し、包装材を収縮させ、食品と
密着包装する、いわゆる収縮(シユリンク)包装
に使用する場合EVOHの収縮応力あるいは収縮
率が小さい為か、食品との密着が不完全となつた
り、包装袋におれじわが生じたり、その部分にピ
ンホールが発生しやすくなり、ガスバリアー性包
装袋の役目をはたさない場合があつた。 そこで従来から、共押出成形時の厚み分布均一
化に対しては、飽和ポリエステル、ポリアミド及
び接着性脂肪の溶融粘性(メルトインデツクス・
MI)をEVOHに近い銘柄を選定する方法及び共
押出装置の改善による方法が取られてきたが、前
者について本質的にEVOHと他の樹脂とは粘度
の剪断速度依存性が異なる為、たとえ剪断速度一
定条件下での粘性(メルトンデツクス)をあわせ
ても厚み分布の大巾な改善は不可能であり、ま
た、飽和ポリエステル、ポリアミド及び接着性樹
脂の粘性が規制される為、目的とする食品包装材
が得られない問題があつた。一方、共押出装置の
改造により時としてEVOH層が均一なものが得
られる場合があるが、運転条件が非常に狭い為、
吐出速度、吐出温度の微少な変動より厚み分布が
変化し、安定生産が出来にくい事、また樹脂の銘
柄変更を行なう場合には装置自身の大巾な改造を
試行錯誤で実施する必要があり、条件確立までに
多大の労力、時間、原料が必要であるばかりでな
く、設計計算の精度が現在の所非常にレベルが低
い為、設備の改造又は新増設時には再度多大な労
力と時間と原料を投入し条件確立する必要があ
り、大きな問題である。そこでEVOHに添加剤
を加え厚み分布を改善するこころみも行なわれて
はいるが(特開昭59年20345)、効果は十分でな
く、また長期運転時、ブツ、スジ、流れムラが発
生しやすく、使用に耐えない。 一方、加熱延伸加工時に発生するEVOH層の
ピンホール、クラツク、局所的偏肉等を防止する
対策としてEVOHにポリアミド系樹脂のブレン
ド、芳香族スルホンアミド系可塑剤の場合(特開
昭59−20345)、さらにはグリセリン、各種グリコ
ール、ポリヒドリツク化合物に代表されるヒドロ
キシル基含有可塑剤等の混合(特開昭53−
888067)等が検討されてはいるが、いずれの場合
も下記の点で十分満足すべきものではない事が判
明した。すなわちポリアミド系樹脂をEVOHに
ポリアーブレンドし多層構造物を得る場合ポリア
ミド系樹脂とEVOHとが反応し成形物に多数の
ゲル状物(フイツシユアイ)が発生するとともに
着色がはげしく使用にたえない。また多層構造物
を二次成形により容易にした場合EVOH層のク
ラツク、ピンホール等の発生を防止する為に添加
するポリアミド系樹脂の含有量はEVOH100重量
部に対し10〜30重量部と多大に添加する必要があ
る。その結果ガスバリアー性が大巾に低下し、成
形容器は良好であつても、高いガスバリアー性を
特長とする食品包装分野での使用は不可能であ
る。 またヒドロキシル基含有可塑剤系においても添
加量がEVOH100部に対してポリアミド系樹脂と
同様に10〜20重量部必要であり、ガスバリアー性
が大巾に低下する。さらに悪い事にはEVOHと
の相容性が十分でない為か可塑剤がブリードし、
多層積層容器におけるEVOH層と他の樹脂層と
の接着強度が経時的に大巾に低下し、容器の型態
をそこねる。すなわち、上記添加剤は使用に耐え
がたいものである。 また収縮性(シユリンク性)に関しては、現在
の所ポリアミド又はポリエステル側に収縮応力及
び伸度を増加させ、EVOH層の分担を低下させ
る対策等が取られている。すなわち、ポリアミド
又はポリエステル樹脂の粘度をあげる方法あるい
は架橋変性物の使用又は共押出成形時あるいは成
形後局部的に架橋した後延伸する方法等がある。
しかし、これらの方法は共押出成形時のEVOH
層の厚み分布を悪くしたり、また成膜時あるいは
延伸時生じる不良品の回収が困難であつたりする
為、現在この分野への展開に大きな障害となつて
いる。 それ故、ガスバリアー性の低下がほとんどなく
かつ共押出成形時EVOH層の厚みが均一であり
また長期運転時、ゲル、ブツ、流れムラのない
EVOHが、さらに該多層構造体を加熱延伸する
に際し、ピンホール、クラツク、微少偏肉が生じ
ないばかりでなく、加熱収縮性が増す特性が付加
されれば操業性、コスト面よりガスバリアー性食
品包装分野への多大な貢献が予想される。 C 発明が解決しようとする問題点 本発明は、前記欠点のない、製品間にも、成形
品内においても斑のない、従つて前記各特性のバ
ラツキのない、極めて均一度の高い、改質された
ケイ素含有EVOHを使用して、共押出多層構造
体を得んとするものである。 D 問題点を解決するための手段 本発明は酢酸ビニル、エチレン及び特定の分子
内にケイ素を含有するオレフイン性不飽和単量体
の共重合体をけん化して得られるEVOHからな
る溶融成形材料、すなわち酢酸ビニル、エチレン
及び下記一般式()、()及び()で表わさ
れるケイ素を含有するオレフイン性不飽和単量体
の中から選ばれた1種または2種以上の共重合体
をけん化して得た酢酸ビニル成分のけん化度95モ
ル%以上、エチレ含有量25〜60モル%、好ましく
は25〜55モル%、ケイ素含有量0.0005〜0.2モル
%であるケイ素含有EVOHの層の少なくとも片
面に飽和ポリエステル系樹脂またはポリアミド系
樹脂層を有する共押出多層構造体である。 E 発明の作用効果 EVOH層の片面又は両面に接着性樹脂を介し
て飽和ポリエステル又はポリアミド層を有する各
種積層多層構造体を共押出法にて作成する場合、
接着性樹脂及び飽和ポリエステル又はポリアミド
の銘柄及び粘度を種々変更しても、また共押出装
置の樹脂流路を構造及び流速を変化させても共押
出機ダイスより吐出する樹脂の吐出方向に垂直な
方向のEVOH層の厚み分布を均一にする事は非
常に困難であつた。その結果、EVOH層の厚み
分布不均一による加熱延伸時のクラツク、局所的
偏肉によるガスバリアー性の低下、またガスバリ
アー性を得る為、必要以上にEVOH層を厚くし
なければならない事など多くの問題があつた。 そこで上記問題の根本原因は飽和ポリエステル
又はポリアミド及び接着性樹脂の粘度−剪断速度
依存性がEVOH樹脂のそれと異なる為と考えら
れたのでEVOHに対する各種添加剤(可塑剤、
架橋剤など)による改質及び共重合組成物の変更
による改質を行なつた。その結果、多価アルコー
ル系可塑剤、カルボン酸アミド系可塑剤、芳香族
スルホン酸系可塑剤等は粘性を低下させる効果は
あるものの、EVOH層の厚み分布改善効果は微
笑であり実用的でない。また過酸化物添加し
EVOHを架橋することにより粘度の剪断速度依
存性を変更する方法は多少効果は認められるも長
期運転時、ブツ、流れムラ等の発生により外見上
使用に耐えがたいものであつた。しかしおどろく
べき事に、ケイ素含有EVOH組成物は、EVOH
単体及び他の可塑剤、架橋剤、添加EVOH組成
物と比較してEVOH層の厚み分布が均一である
ばかりでなく、長期運転時、ブツ、スジ、流れム
ラがほとんど発生しない非常に良好なものである
事が判明した。さらにおどろくべきことに、該
EVOH層に飽和ポリエステル又はポリアミド層
を有する多層構造体を加熱延伸した場合、
EVOH単体及び他の可塑剤等を含有するEVOH
組成物と比較してEVOH層のピンホール、クラ
ツク、微少偏肉がほとんど無い非常に良好な成形
物が得られるだけでなく、成形物のガスバリアー
性、とくに高湿度下におけるガスバリアー性が優
れている事がわかり本発明にいたつた。また、該
加熱延伸多層構造体の加熱収縮性が大巾に改善さ
れる事実が見い出されたのは、まつたく予想され
ない事であつた。この事実は以下詳細に述べる実
施例からも明らかである。 ケイ素含有EVOH組成物が上記した様にまつ
たく予想外の成形性改良効果を持つ原因はさだか
ではないが、ケイ素化合物を含有する低重合度
EVOHが、ケイ素化合物を介して部分的、可逆
的に架橋している為、高剪断速度域では低分子量
樹脂として、又、低剪断速度域では高分子量樹脂
として作用する為か、飽和ポリエステル、ポリア
ミド、又は接着性樹脂との粘性−剪断速度依存性
及び放線応力特性が一致し、共押出成形時の
EVOH層の厚み分布が均一化しやすいことに基
くものと考えられる。また、長期運転時に発生し
やすいブツ、スジ、流れムラの原因である
EVOHのゲル化に関しても低重合度EVOHの特
性ではないかと思われる。すなわち、見掛粘性は
ケイ素化合物の部分的、可塑的架橋により所定の
値を示すが実質的には低重合度EVOHの集合体
であり、低重合度樹脂ほどゲル化しにくいという
一般的に認められる事実は上記推論(ケイ素化合
物の特異性)を支持するものである。さらに加熱
延伸加工においての成形性改善効果も前述した様
にケイ素化合物の部分的、可塑的架橋効果、すな
わち高速変形(延伸)時には見掛上低分子量樹脂
として作用し、変形を容易にする反面、架橋によ
る高分子量成分の強度が加味される為、延伸性が
大巾に増加したためではないかと思われる。 一方、加熱時の収縮性に関しては、ケイ素化合
物の部分的、可塑的架橋効果、すなわち低速変形
(収縮)時高分子量架橋樹脂として作用し、ゴム
状弾性回復効果と同様、収縮応力及び収縮率の増
加をもたらせたのではないかと考えられる。 F 発明のより詳細な説明 本発明における該EVOHからなる溶融成形材
料はエチレン含有量25〜60モル%、好ましくは25
〜55モル%であり、該共重合体の酢酸ビニル成分
のけん化度が95モル%以上のものが好ましく、エ
チレン含有量が25モル%より小さいと良好な溶融
成形加工性を保持しながら酸素等のバリヤー性の
湿度依存性等の改善効果を大きく向上させること
が困難となり、また一方55モル%、とくに60モル
%を越えるとEVOHの特性である酸素等のバリ
ヤー性、保香性が低下する。またけん化度が95モ
ル%未満では、該バリヤー性、耐油性が低下し、
EVOH本来の特性を保持し得なくなるばかりか、
本発明の効果を享受し難くなる。 本発明に用いられるケイ素を含有するオレフイ
ン性不飽和単量体は下記一般式()、()及び
()で表わされる化合物の中から選ばれた1種
または2種以上のものを好適に用いることができ
る。 〔但し、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は
低級アルキル基、アリール基またはアリール基を
有する低級アルキル基、R2は炭素数1〜40の直
鎖状または分岐状のアルコキシル基であり、該ア
ルコキシ基は酸素を含有する置換基を有していて
もよい。R3は水素原子又はメチル基、R4は水素
原子また低級アルキル基、R5はアルキレン基ま
たは連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によつて相
互に結合された2価の有機残基、R6は水素原子、
ハロゲン原子、低級アルキル基、アリール基、ま
たはアリール基を有する低級アルキル基、R7は
アルコキシル基またはアシロキシル基(ここでア
ルコキシル基またはアシロキシル基は酸素または
窒素を有する置換基を有していてもよい。)、R8
は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ア
リール基または、アリール基を有する低級アルキ
ル基、R9は低級アルキル基である。〕 さらに詳細に述べればR1は炭素数1〜5の低
級アルキル基、炭素数6〜18のアリール基、また
は炭素数6〜18のアリール基を有する炭素数1〜
5の低級アルキル基を示し、R4は水素原子また
は炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、R5は
炭素数1〜5のアルキレン基または連鎖炭素原子
が酸素もしくは窒素によつて相互に結合された2
価の有機残基を示し、R6は水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6
〜18のアリール基、または炭素数6〜18のアリー
ル基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R7は炭素数1〜40のアルコキシルまたはア
シロキシル基(ここでアルコキシル基またはアシ
ロキシル基は酸素もしくは窒素を有する置換基を
有していてもよい。)を示し、R8は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭
素数6〜18のアリール基または炭素数6〜18のア
リール基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基
を示し、R9は炭素数1〜5の低級アルキル基を
示す。 一般式()で表わされるケイ素含有オレフイ
ン性不飽和単量体としては、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニル
ジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジ
メチルエトシシラン、アリルトリメトキシシラ
ン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルジメ
チルメトキシシラン、アリルトリエトキシシラ
ン、アリルジメチルエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルイソ
ブチルジメトキシシラン、ビニルエチルジメトキ
シシラン、ビニルメトキシジブトキシシラン、ビ
ニルジメトキシブトキシシラン、ビニルトリブト
キシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラ
ン、ビニルジメトキシヘキシロキシシラン、ビニ
ルトリヘキシロキシシラン、ビニルメトキシジオ
クチロキシシラン、ビニルジメトキシオクチロキ
シシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビニ
ルメトキシシラウリロキシシラン、ビニルジメト
キシラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレ
イロキシシラン、ビニルジメトキシオレイロキシ
シラン、 一般式 (ここでmは前記と同じ。xは1〜20を示す) で表わされるビニルメトキシシランのポリエチレ
ングリコール誘導体等が挙げられるが経済的にみ
てビニルトリメトキシシランが好ましい。 一般式()で表わされるケイ素含有オレフイ
ン性不飽和単量体としては 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメ
トキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエ
トキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(β−メトキシエトキシ)シラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(N−メチルアミノエトキシ)シラン 2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリメト
キシシラン 1−(メタ)アクリルアミド−メチルトリメト
キシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルトリメトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−イソプロピルト
リメトキシシラン (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−直鎖又は分岐アルキルトリアルコ
キシシラン N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン CH2=CRCONHCH2CH2NH(CH2)3Si(OCH3)3 (3−(メタ)アクリルアミド−プロピル)−オ
キシプロピルトリメトキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3O(CH2)3Si(OCH3)3 (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−含窒素又は、含酸素アルキルトリ
アルコキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリア
セトキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3Si(OCOCH3)3 2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリアセ
トキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3Si(OCOCH3)3 4−(メタ)アクリルアミド−ブチルトリアセ
トキシシラン CH2=CRCONH(CH2)4Si(OCOCH3)3 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリプ
ロピオニロキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3Si(OCOCH2CH3)3 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルトリアセトキシシラン N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチル)ア
ミノプロピルトリアセトキシシラン CH2=CRCONHCH2CH2NH(CH2)3Si(OCOCH3)3 (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−アルキルトリアシロキシシラン、 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルイソブ
チルジメトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−エチルジメチル
メトキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−エチルジメチル
メトキシシラン 1−(メタ)アクリルアミド−メチルフエニル
ジアセトキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルベンジ
ルジエトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルモノクロルジメトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルハイドロジエンメトキシシラン (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−アルキルジ又はモノアルコキシあ
るいは、ジ又は、モノアシロキシシラン、 3−(N−メチル(メタ)アクリルアミド)−プ
ロピルトリメトキシシラン 2−(N−エチル−(メタ)アクリルアミド)−
エチルトリアセトキシシラン (Rは水素又はメチル基を示す)等の(N−アル
キル−(メタ)アクリルアミド)アルキルトリア
ルコキシ又はトリアセトキシシラン等が挙げられ
る。これらのうち3−(メタ)アクリルアミド−
プロピルトリメトキシシランおよび3−(メタ)
アクリルアミド−プロピルトリアセトキシシラン
は工業的製造が比較的容易で安価であること、又
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピ
ルトリメトキシシランおよび2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロピルトリアセトキシシ
ランはアミド結合が酸又はアルカリに対して著し
く安定である点で好ましく用いられる。ここで一
般式()で表わされるケイ素含有重合性単量体
を酢酸ビニル及びエチレンと共に共重合させ、得
られる共重合体をけん化することにより得られる
変性されたケイ素含有EVOHは下記一般式()
で示される共重合単位を含有する。 (ここでR3、R4、R5、R6、mは前記に同じ。
R10は水酸基、一般式OMで示される水酸基の塩
(Mはアルカリ金属又はNH4を示す)を示す。) 一般式()で表わされるケイ素含有オレフイ
ン性不飽和単量体としては、 ビニルトリアセトキシシラン ビニルトリプロピオニロオキシシラン イソプロペニルトリアセトキシシラン ビニルイソブチルジアセトキシシラン ビニルメチルジアセトキシシラン ビニルジメチルアセトキシシラン ビニルフエニルジアセトキシシラン ビニルモノクロルジアセトキシシラン ビニルモノハイドロジエンジアセトキシシラン 等が挙げられるが、経済的にみてビニルトリアセ
トキシシランが好ましい。 上述したケイ素含有オレフイン性不飽和単量体
と、酢酸ビニル及びエチレンとの共重合は、アル
コールの存在下で溶液重合で実施することが好ま
しい。アルコールは通常メタノール、エタノール
など低級アルコールが工業的に好ましい。共重合
は回分方式、連続方式のいずれにても実施可能で
ある。EVOHのエチレン含有量は、主として共
重合系内に存在する酢酸ビニルと該系内に溶存す
るエチレン量によつて決り、後者は重合エチレン
圧力及び温度などに主として依存するので、エチ
レン含有量が同じ場合には変性EVOHのケイ素
含有量は、主として該系内に存在する酢酸ビニル
とケイ素含有オレフイン性不飽和単量体との量的
関係に支配される。回分式の場合共重合反応性比
に従つて重合率とともに共重合体組成が変動して
いくことによく知られているが、単量体組成が一
定となるように一方もしくは両方の単量体を添加
していくいわゆる半回分方式を採用することが均
一な共重合組成を有する共重合体を得るために
は、より望ましい。この場合の添加量の算出方法
の一例としては、アール、ジエ、ハンナ(R.J.
Hanna)がインダストリアル アンド エンジ
ニアリング ケミストリー(Industrial and
Engineering Chemistry)Vol.49、No.2、208〜
209(1957)に提出している式が挙げられる。連続
方式の場合撹拌混合槽を共重合反応槽とする完全
混合型1段の流系反応方式が最も好適であり、又
2段以上の多段の該流系反応方式の場合には、前
記と同様の理由で各段の共重合槽内の単量体組成
が一定となる如く、2段以降の該槽に単量体を添
加しながら行うことがより好ましい。重合開始剤
としては、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2,4
−トリメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリルなどのニトリル類、ジ−n−
プロピルパーオキシカーボネート、ビス−4−t
−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ビス−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート、などのカーボネート類、アセチルシク
ロヘキサンスルフオニルパーオキシド、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物など
の公知のラジカル開始剤が使用できる。就中半減
期のより短かい、重合開始剤は共重合途上経時的
に認められる重合系に不溶のゲル状物の生成をほ
ぼ完全に、あるいは大きく抑制しうる点で長期連
続重合操作に際して好適に用いられる。 重合で得られた共重合体は、次いでけん化反応
に供せられる。けん化反応は、たとえばアルカリ
性触媒を用いて公知の方法すなわち通常該共重合
体をアルコール溶液として実施し、アルコリシス
により反応を行わしめるのが有利である。就中、
日本特許第572889号及び同611557号に開示され
た、塔型反応器を用い、けん化反応途上副生する
酢酸メチルを塔底にアルコール蒸気を吹き込んで
塔頂から除去しながら行う方法が最も好適に用い
ることができる。 けん化反応に用いるアルカリ性触媒としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸化物、ナトリウムメチラート、カリウ
ムメチラートなどのアルコラートなどが用いられ
る。就中水酸化ナトリウムが工業的には、経済的
に有利である。けん化温度は60〜175℃の範囲か
ら好適に選ばれる。就中、前記塔型反応器を用い
る場合には、該共重合体の組成にも関連するが反
応時間の短縮、該ケイ素含有EVOHのアルコー
ル類への溶解性等から100℃以上が好適である。 けん化反応においてビニルアルコキシシラン単
位も部分的あるいは高度にけん化されてビニルシ
ラノール単位、そのアルカリ塩あるいはその相互
縮合物に転換される。しかし前出の一般式()
で示される単量体含有の該共重合体は、アルカリ
性触媒によるけん化反応においてケイ素含有重合
性単量体単位のアミド結合が分解するということ
なく安定に保たれる。しかし、けん化反応時一般
式()で表わされるケイ素含有単量体単位のケ
イ素に結合したアルコキシル基、カルボキシル
基、水素及びハロゲンも同時に部分的あるいは高
度にけん化され水酸基または水酸基のアルカリ塩
に転換される。さらにこれらの水酸基の一部は、
けん化反応後得られた変性EVOH成形材料を乾
燥する際、乾燥条件によつてこれらの反応基同志
を結合させシロキサン結合を形成させてもよい。
シロキサン結合を多く形成せしめた該改質
EVOH成形材料は熱溶融性が悪化する場合がみ
られるので、このような場合にはケイ素含有単量
体の含有量を調整するか、ケイ素含有重合性単量
体単位としてアルカリに対して著しく安定性の高
い(メタ)アクリルアミド−分岐アルキルシラン
単位を有する改質EVOH成形材料とすることが
好ましい。 けん化反応後、変性EVOH成形材料を単離す
るに当つては、公知の方法が適用可能であるが、
就中日本特許725520号に開示されたストランド状
に析出させ、該ポリマーを分離する方法が好適に
用いられる。析出単離された該EVOH成形材料
は公知の方法で水洗後、酸処理等の公知の熱安定
化処理を行い、乾燥させる。該酸処理時けん化反
応の際ケイ素に結合したアルコキシル基、カルボ
キシル基、水素及びハロゲンが水酸基のアルカリ
塩に転換された部分は水酸基となる。 本発明による変性されたケイ素含有EVOH成
形材料はEVOH樹脂本来の特性の向上、他の各
樹脂、各加工法に適合した特性の付与等の観点か
ら、極めて満足するものであり、該共重合体のケ
イ素含有単量体の含有量を目的に応じて、変化せ
しめて各ケースに好適な該変性EVOH溶融成形
材料を得ることができる。たとえばエチレン含有
量の増加と共にEVOHの溶融粘性指数(メルト
インデツクス)は大きくなり、他の底溶融粘性
指数をもつ樹脂を複合する場合に溶融粘性差が大
きく、溶融粘性不整合性を示す現象が認められる
場合にしばしば遭遇するが、かかる場合に、該組
成を保持しつつEVOH樹脂の溶融粘性指数を本
発明の変性によつて低下せしめた該変性EVOH
樹脂成形材料を使用して、該溶融粘性不整合を解
消できるなど本発明の変性EVOH成形材料の有
用性はその改質の均一性と相俟つて極めて大き
い。該ケイ素含有単量体の含有量はあまり少なす
ぎると、改質の効果が発揮されず、また多すぎれ
ば架橋の程度が増大しすぎて熱不溶融性が発現す
る。該含有量はそれぞれの目的に応じて選定され
るが、0.0005〜0.2モル%、特に0.001〜0.1モル%
の範囲が好適である。ここでケイ素含有量とは、
ケイ素含有単量体−酢酸ビニル−エチレン共重合
体中のケイ素含有単量体の量(モル%)をいう。 本発明の変性されたケイ素含有EVOHは従来
からの使用目的の全般に亘つて、より満足に使用
できることは、前述の通りであるが、ケイ素を含
有するという特徴に由来する新たな特性、たとえ
ばアルミ箔、他の樹脂等との接着性の向上等を有
利に活用できる。 本発明における変性されたEVOHのASTMD
−1238−Tによつて測定された溶融粘性指数(メ
ルト インデツクス)は190℃、荷重2160gにて
0.05g/10分間以上、さらに0.05〜10g/10分間
のものが好ましく、特に0.1〜10g/10分間のも
のがフイルム、シート、容器等の各用途に未延伸
のまま、また少くとも一軸に延伸されて好適に用
いられる。 本発明のケイ素含有EVOHは酢酸ビニル、エ
チレン及び前記特定のケイ素を含有するオレフイ
ン性不飽和単量体の共重合体をけん化して得られ
る特定のエチレン含有量及びケイ素含有量をもつ
たEVOHからなるものであるが、該共重合体は
その特性に影響を及ぼさない範囲で他の第3物質
を共重合成分として含むことができる。該第3物
質としては、たとえば炭素数3以上のα−オレフ
イン、アクリル酸、メタ−アクリル酸およびこれ
らの酸のエステルなどがあげられる。またこのケ
イ素含有EVOHには通常のEVOHを本発明の目
的を阻害しない程度に配合することは自由であ
る。 既述の如く本発明のケイ素含有EVOHは飽和
ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂と
複合化して用いられるが、近年特に要求される特
性の多様化、高級化などと相俟つて、他の種々の
樹脂を組合せて2層または、2層以上の多層の積
層構造物として好適に用いられる。複合化に際し
て、共押出法が採られるが、この場合飽和ポリエ
ステル系樹脂またはポリアミド系樹脂と溶融粘性
不整合を起さない所望のエチレン含有量の
EVOHをケイ素含有量を適宜選定して得ること
ができる。該多層構造体の層構成としては、たと
えば、飽和ポリエステル(以下PETと記す)/
接着層(以下ADと記す)/ケイ素含有EVOH
(以下Si−EVOHと記す)、PET/AD/Si−
EVOH/AD/PET、PET/AD/Si−EVOH/
AD/PE、PET/AD/Si−EVOH/AD/アイ
オノマー、PET/AD/Si−EVOH/AD/PP、
ポリアミド(以下PAと記す)/Si−EVOH/
PA、PA/AD/Si−EVOH/AD/PE、PA/
AD−Si−EVOH/AD/アイオノマー、PET/
AD/Si−EVOH/AD/PAなどが例示されるが
特に限定されるものではない。 本発明においてポリアミド系樹脂は、W−アミ
ノカルボン酸の重縮合反応や二塩基性酸とジアミ
ンの重縮合反応により製造され、6−ナイロン、
6−6ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、
12−ナイロン及びこれらの共重合体等であり、特
に、ε−カプロラクタムとアジピン酸ヘキサメチ
レンジアンモニウムとの共重合体ポリアミド樹脂
が好ましい。 また飽和ポリエステル樹脂は飽和二塩基酸とグ
リコール類の縮合により得られるものであり、例
えばエチレングリコールとテレフタル酸より得ら
れるポリエチレンテレフタレート、フタル酸、イ
ソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、グルタル酸、コハク酸、シユウ酸などの飽
和二塩基酸を共重合体成分としたポリエチレンテ
レフタレート共重合体、およびジオール成分とし
て1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコールなどを共
重合体成分としたポリエチレンテレフタレート共
重合体またはポリブチレンあるいはこれらのブレ
ンド品である。 接着層に用いる接着性樹脂は、Si−EVOHに
隣接して積層される樹脂の種別によつても異なる
が、たとえば無水マレイン酸グラフト変性PE、
無水マレイン酸グラフト変性PP、無水マレイン
酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸
グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等か
ら選ばれた1種または2種以上の混合物、或いは
これらと、Si−EVOHのブレンド物などがあり、
これらの中から選定して用いることができる。 該積層構造物を容器等へ商品化するに当つて
は、成形時生ずる該積層物の屑、不合格品を再使
用することが経済的に重要となるが、Si−
EVOHと積層される他の樹脂及び/または接着
剤とのブレンド物を単独または、Si−EVOH或
いは他の熱可塑性樹脂と積層して使用することが
できる。 本発明において多層構造体を得る方法としては
Si−EVOHと飽和ポリエステル又はポリアミド
系樹脂とを接着性樹脂を介して共押出ミートに成
形(フイードブロツク法はマルチマニホーハド
法)する方法、共押出ラミする方法、共押出パイ
プを作成する方法あるいは共射出成形によりパリ
ソンを作成する方法、あるいはこのようにして得
た積層体を真空圧空深絞り成形、二軸延伸成形、
二軸延伸ブロー成形等により再加熱、延伸操作を
行なう方法などがあげられる。また、該延伸多層
構造体を熱収縮用々途に使用するにあたつては、
延伸完了後可能な限り早い時期に急冷操作を行な
う事がのぞましく、金型、金属ロール等で急冷す
る方法、水又はエアー等で急冷する方法がある
が、常用の方法であれば特に限定されるものでは
ない。 一方、該延伸多層構造体のままで食品包装用々
途に使用される場合には、しばしば強度、寸法安
定性改善の目的で熱固定処理がほどこされる場合
があるが、処理条件、方法等は、ポリエステル又
はポリアミドで一般に使用されている方法が適用
出来、特に限定されるものではない。たとえば、
ポリエステル含有多層フイルムの場合3×3倍逐
次二軸延伸後それにつづく熱処理ロール又はテン
ターにて190〜230℃で熱固定を行なう等の方法が
ある。 さらに多層構造体の厚み構成に関しても特に限
定されるものではないが、成形性、コスト等を考
慮した場合には全層の厚みに対するEVOH層の
厚み比は2〜20%程度が好適である。 また、本発明において加熱延伸するにあたり多
層構造体の一構成物であるEVOH組成物層の含
水率に関しては特に規制はないが0.01〜10%以内
である事が好適である。 この様にして得られた本発明の多層構造体及び
その加熱延伸物はEVOH組成物層の厚みが均一
であり、スジ、ブツもなく、延伸時発生しやすい
ピンホール、クラツク、偏肉がみられないのでガ
スバリアー性が極めて良好であり、食品包装用材
料、容器、あるいはガスバリアー性を要求される
容器として有用である。 以下実施例により本発明をさらに説明するが、
本発明はこれによりなんら限定を受けるものでは
ない。なお、実施例中、部又は%はことわりのな
い限り、重量部又は重量%を示す。 <共押出成形物の厚み分布測定> フイードブロツク型3種5層共押出装置におい
てダイス巾550cmより吐出するPET/AD/
EVOH/AD/PET又はPA/AD/EVOH/
AD/PAシート(PP、AD、PSの銘柄厚みは下
記参照)を1m/minの引取速度で製膜したシー
トについて測定を行つた。 上記シートの中央部のEVOH層の厚みをAμ、
中央より左右10cmの平均厚みをBμとした場合、
EVOH層の厚み変動率(X%)をX=(B−
A)/A×100(%)と定義する。 PET ポリエステル(日本ユニペツト、ユニペ
ツトRT533) 450μ PA ナイロン(三菱化成ノバミド1030) 450μ AD 接着性樹脂(東洋ソーダ メルセン
M5420) 50μ EVOH 中央厚み 50μ目標 <EVOH層の水分の測定法> 加熱延伸加工直前の多層構造体にあるEVOH
層をはくりし、120℃24時間熱風乾燥機に放置し、
重量減少よりEVAL層の水分を求める。この値を
パーセント表示し揮発分と称する事にする。 実施例 1 容量10で内部に冷却用コイルをもつ撹拌機付
重合槽において、ケイ素含有エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を得るため以下に示す条件により連続
重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 480g/hr メタノール供給量 40g/hr ビニル−トリ−メトキシシラン供給量 355mg/hr 2,2′−アゾビスイソプチロニトリル 33mg/hr 重合温度 77℃ 重合槽エチレン圧力 60Kg/cm2G 平均滞留時間 6hrs 酢酸ビニルの重合率は約50%であつた。該共重
合反応液を追出塔に供給し、塔下部からのメタノ
ール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂よ
り除去した後、該共重合体の45%のメタノール溶
液を得た。該共重合体は核磁気共鳴分析によりビ
ニルトリメトキシシラン単位を0.027モル%、酢
酸ビニル単位を59.5モル%、エチレン単位を約
40.5モル%含有することが確認された。該共重合
体のメタノール溶液を塔式けん化反応器に導入
し、さらに水酸化ナトリウムを該共重合体に含ま
れる酢酸ビニル成分に対するモル比が0.05となる
如く該反応器に供給し、塔下部よりメタノール蒸
気を吹込み、塔頂より副生する酢酸メチルを除去
しながら、けん化反応を行い、塔底より改質
EVOHのメタノール溶液を得た。該メタノール
溶液に重量比メタノール/水=7/3の混合蒸気
を吹込み、該溶液中の溶剤組成を水/メタノール
混合系に変えた後、5℃のメタノール10%水溶液
中にストランド状に吐出させ、凝固析出させ、切
断して、該EVOHをペレツト状物として単離し
た。十分水洗した後、希薄酢酸水に浸漬処理して
65℃〜110℃で乾燥した。けん化度は99.3モル%
であつた。 該EVOH、ナイロン(三菱化成ノバミド1030)
及び接着性樹脂{東洋ソーダ社製「メルセン
M5420」(無水マレイン酸グラフトエチレン−酢
酸ビニル共重合体)}をフイードブロツク型3種
5層共押出装置は供給し、250℃のダイス温度、
1m/minのシート引取装置にてPA/AD/Si−
EVOH/AD/PA構成の全厚み約1mmのシート
を得た。各層の厚みはPA層が各約450μ、接着層
(AD)が各約50μ、EVOH層が約50μである。こ
のシートのEVOH層の厚み変動率(吐出とは直
角方向の厚み分布)は5%であり、スジ、ブツ、
流れムラもほとんど認められなかつた。得られた
シートを真空圧空成形機(浅野研究所製FK−
0431)にかけシート温度120℃にて深絞り成形を
行なつた(成形前のEVOH層の揮発分は0.7%で
あつた)。その結果成形容器の透明性は良好であ
り、またクラツク、微少偏肉も認められなかつた
(成形容器の深絞り比は1.5)。 この絞り成形容器を20℃−100%RH及び20℃
−65%RHでそれぞれ十分調湿(約1ケ月)した
後、モコン酸素分析器(Mocon社製)にて酸素
透過量の測定を行なつた。その結果、EVOH層
の酸素透明量は1.1c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20
℃・65%RH)、10c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20
℃−100%RH)であり非常に良好なガスバリア
ー性を示した。 比較例 1 ビニルトリメトキシシランを使用しなかつた以
外は、実施例1と同様に行い、エチレン含有量
40.7モル%、けん化度99.4モル%のEVOHを得
た。実施例1と同様に溶融製膜した。その結果、
シートのEVOH層の厚み変動率は65%と非常に
不均一であるばかりでなく、2〜3時間製膜後よ
りスジ、ブツの発生が目立ち、全巾にわたつての
使用が困難であつた。また、このシートの厚み変
動が小さな場合について真空圧空成成形機にかけ
SPPF(固相圧空成形)成形を行なつたが、成形
品の側面に多数のクラツクが肉眼でもはつきり観
察され、使用に耐えなかつた。この容器の酸素透
過量は400c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100%
RH)と多大であり、EVOH層が切断されている
事がわかつた。真空圧空成形前の原反の酸素透過
量は1.0c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−65%
RH)、20c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃、100%
RH)であつた。 比較例 2 比較例1において、真空圧空成形時、成形品の
側面に発生したクラツクの原因を調べる為、比較
例1で使用したEVOHを40φ単量押出機で製膜を
行ない、厚み均一の単量EVOH層を得た(50μフ
イルム、厚み変動率5%)。このEVOHフイルム
をアンカーコート(東洋モートンAT−335A)処
理した1000μナイロンシート(三菱化成ノバミド
1030単量シート)にドライラミした後、真空圧空
成形機にて深絞り成形を行なつたが、比較例1と
同様、容器側面に微少クラツクが認められた。こ
の時のEVOH層の揮発分は0.8%であつたそれ故、
比較例1で生じた深絞り成形時の異常(クラツ
ク)は、シート作成時のEVOH層の厚みムラ及
びスジ、ブツによるものでなく、本質的に比較例
1で使用したEVOHの特性である事が判明した。 比較例 3 実施例1で使用したEVOHの〔η〕pH(15%含
水フエノール30℃での測定)は0.084(/g)で
あり、MI190(190℃荷重2160gで測定したメルト
インデツクス値)は2.1(g/10分)であるのに比
較して、比較例1で使用したEVOHの〔η〕pH=
0.081(/g)に対し、MI190=16.5(g/10分)
である。MI190の差が製膜性及び深絞り成形性の
異常の原因と考えられる可能性がある事より比較
例1で用いたEVOH100重量部に対してBPO(過
酸化ベンゾイル)0.35重量部を配合し、40φ押出
機220℃にて架橋ペレツト化を実施した。得られ
たペレツトを90℃、16時間乾燥し、MI190を測定
した所1.8g/10分であつた。このEVOHを用い
実施例1と同様に製膜を行なつた結果、シートの
EVOH層の厚み変動率は48%と比較例1よりは
低いものの、とうてい実施例1にはおよばなかつ
た。またこのシートのEVOH層には微少なブツ
が運転初期より認められ、2〜3時間後にはス
ジ、流れムラが増加し、運転の継続が困難となつ
た。運転初期の比較的ブツ、スジの少ない、また
厚み分布が比較的良好な部分について、実施例1
と同様に真空圧空成形を行なつたが、成形品の側
面に多数のクラツクが発生し使用に耐えなかつ
た。 実施例 2 実施例1と同じ重合槽を用いて、以下に示す条
件で連続重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 440g/hr t−ブタノール供給量 60g/hr 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル) 110mg/hr 3−アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラ
ン 150mg/hr 重合温度 60℃ 平均滞留時間 8hrs 重合槽エチレン圧力 46Kg/cm2G 酢酸ビニルの重合率は約55%であつた。該共重
合体は核磁気共鳴分析により、3−アクリルアミ
ド−プロピルトリメトキシシラン単位を0.013モ
ル%、酢酸ビニル単位を65モル%、エチレン単位
を約35モル%含有することが確認された。 実施例1と同様にけん化し単離して、後処理を
行つた後、乾燥して、変性EVOHを得た。けん
化度は99.2モル%であり、MI190は0.7g/10分で
あつた。 実施例1と同様、共押出装置にてPA/AD/
Si−EVOH/AD/PA構成の全厚み約1mmのシ
ートを得た。このシートの厚み変動率は5%であ
り、長期運転(2〜3日以上)してもスジ、ブ
ツ、流れムラは非常にわずかであつた。得られた
シートを二軸延伸試験装置(パンダグラフ式、東
洋精機製)にかけ、シート温度120℃にて3×3
倍同時二軸延伸を行なつた。延伸前のEVOH層
の揮発分は1.6%であつた。その結果、EVOH層
にクラツクの無い厚み分布均一な、かつ透明性良
好な共延伸フイルムが得られる事がわかつた。こ
のフイルムを、170℃で10分間熱固定を行なつた
後の酸素透過量は0.5c.c.・20μ/m2・24hr・atm
(20℃−65%RH)、18c.c.・20μ/m2・24hr・atm
(20℃−100%RH)であり、非常に良好なガスバ
リアー性を示した。 比較例 4 3−アクリルアミド−プロピルメトキシシラン
を使用しなかつた以外は実施例2と同様に行な
い、エチレン含有量35モル%、けん化度99.3モル
%、MI190が2.1g/10分のEVOHを得た。実施例
2と同様に共押出製膜を行ない、得られたシート
のEVOH層の厚み変動率は68%と非常に悪く、
不均一であるばかりでなく、3〜4時間連続運転
後よりスジ、ブツ、流れムラが顕著になつた。運
転初期でかつ、EVOH層の厚み変動及びムラが
比較的小さい部分について実施例2と同様に二軸
延伸を行なつた。この時のEVOH層の揮発分は
0.28%であつた。この二軸延伸フイルムは全面に
網目状にクラツクが発生し、まつたく使用に耐え
ないものであつた。この共延伸フイルムの酸素透
過量は4000c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100
%RH)以上でありEVOH層が切断された事を示
している。真空圧空成形前の原反の酸素透過量は
0.6c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−65%RH)、
31c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100%RH)
であつた。 比較例 5 比較例4で用いたEVOH100重量部に対して可
塑剤としてN−エチルトルエンスルホンアミド15
重量部を配して、40φ押出機を用いて、ダイス温
度220℃にてペレツト化を行なつた。このペレツ
トを95℃−16時間乾燥した後実施例2と同様に共
押出製膜を行なつた。得られたシートの厚み変動
率は21%と多少改善の傾向は認められるが、十分
ではなくさらに悪い事に運転開始20〜30分後より
シートにスジ、流れムラが多発し長期運転が困難
であつた。運転開始初期であり、かつ厚み分布が
比較的良好な部分をサンプリングし、実施例2と
同様に共延伸を行なつた。その結果、多少のびム
ラはあるものの、クラツクなどがない比較的良好
な延伸フイルムが得られた様に一見見受けられた
が、酸素透過性の測定を行なつた所5c.c.・20μ/
m2・24hr・atm(20℃−65%RH)、98c.c.・20μ/
m2・24hr・atmと酸素の透過量が大きくガスバリ
アー性食品包装用材料としては十分満足いくもの
ではない事が判明した。可塑剤添加により
EVOHの結晶性が低下する為、成形性は改善の
方向になるが結晶化度と関連が強いガスバリアー
性が結晶性低下により悪化したためではないかと
考えられる。 実施例 3 実施例2において、共押出原反シートの厚み構
成をPA層各300μ、AD層各100μ、EVOH層200μ
に変更した以外は実施例2と同様に作成した
PA/AD/EVOH/AD/PA共押出原反シート
をパンダグラフ式二軸延伸装置(東洋精機製)に
かけ、シート温度110℃にて、3×3倍、同時二
軸延伸を行なつた。延伸完了直後、装置に付属し
ている冷風急冷装置(冷風温度−10℃〜0℃)を
作動させエアーノズルより吹出す冷風にて急冷を
行なつた。 得られた急冷、共延伸多層フイルムの熱収縮率
及び応力を測定した所表1に示す様な結果となつ
た。後述する比較例6との対比において熱収縮性
が大巾に改善されている事がわかる。また該フイ
ルムをヒートミーラーにて袋状にし、直径約10
cm、高さ2cmのハムを収縮包装機にかけた所、折
れじわのない良好なものが得られた(表1参照)。 比較例 6 比較例4において作成したPA/AD/
EVOH/AD/PA共押出原反シートを用いて実
施例3と同様の操作を行ない急冷共延伸多層フイ
ルムを得た。このフイルムの熱収縮率、応力を表
1に示すが、ケイ素化合物含有EVOH(実施例
3)系フイルムと比較して熱収縮性が悪い。ま
た、実施例3と同様ハムによる実包装テストを行
なつた所、完全な密着包装とはならず、フイルム
に折れじわ、ねじれ等が発生し実用に耐えないも
のであつた。
なく、しかも、加熱延伸時、ピンホール、クラツ
ク、局所的偏肉などがないガスバリアー性を優れ
た多層構造体に関するもので、とくに食品包装用
に適するものである。 B 従来の技術 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下
EVOHと記す)は今日、食品包装用フイルム、
特に酸素に対する保護が必要な食品及び他の製品
に対する使用を目的とするフイルムにおいて、か
なりの価値を持つている事が認められている。し
かしながら、EVOHで作つた単層フイルムはタ
フネスに欠け、脆く、また、このフイルムは水又
は水蒸気に対して有効なバリアー性を示さないな
どの欠点がある。 これらの欠点を改善する為、EVOH樹脂は通
常、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹
脂を1種類又はそれ以上含む構造層と、アイオノ
マー、エチレン−酢酸ビニル共重合体などに代表
される各種熱シーラント層とを積層してなる多層
フイルムの形で用いられている。 ところでEVOHを含有する該多層構造体は最
近の技術進歩により多数の押出機より同時に多種
の樹脂を押出し一つのダイスより多層積層体を得
る、共押出成形法により製造される場合が多い。
また多層構造体の強度を増す為、加熱共延伸する
場合もある。しかし、この様な成形加工時、
EVOHを含有する為に下記の様な問題点があり、
食品包装材としての使用が困難な場合が多い状況
にあつた。 まず第1にEVOHを有する多層構造体を共押
出法により成形加工する場合、EVOHと飽和ポ
リエステル、ポリアミドとの粘性特性が大巾に異
なる為か多層構造体の全体の厚み分布を均一にし
てもEVOH層の厚み分布が均一でなく、ガスバ
リアー用食品包装材としてはバリアー性を保証す
る為に必要以上にEVOH層を厚くする必要があ
る。またEVOH層の厚み不均一の為、加熱延伸
時、クラツク、局所的偏肉によりガスバリアー性
が大巾に悪化する場合もしばしばであつた。 第2にさらに悪い事には、共押出成形時、長期
間運転するとEVOH層に微少なスジ、ブツが発
生し、外観をそこねるのみならず、加熱延伸時、
EVOH層のクラツク、微少偏肉が増加し、ガス
バリアー性の悪化により食品包装材として使用に
耐えない。 第3のEVOH層の厚み分布を出来る限り均一
になる様成形条件、成形装置の改善を行なつて
も、又は、厚み均一なEVOHシートをドライラ
ミネート法により積層したシートにおいても、加
熱延伸加工時しばしばEVOH層のクラツク、局
所的偏肉等によりガスバリアー性が大巾に悪化
し、使用に耐えない場合があつた。 最後にこの様にして延伸した多層製造体(フイ
ルム、シート又は容器)に食品を充填した後、70
℃〜120℃で加熱し、包装材を収縮させ、食品と
密着包装する、いわゆる収縮(シユリンク)包装
に使用する場合EVOHの収縮応力あるいは収縮
率が小さい為か、食品との密着が不完全となつた
り、包装袋におれじわが生じたり、その部分にピ
ンホールが発生しやすくなり、ガスバリアー性包
装袋の役目をはたさない場合があつた。 そこで従来から、共押出成形時の厚み分布均一
化に対しては、飽和ポリエステル、ポリアミド及
び接着性脂肪の溶融粘性(メルトインデツクス・
MI)をEVOHに近い銘柄を選定する方法及び共
押出装置の改善による方法が取られてきたが、前
者について本質的にEVOHと他の樹脂とは粘度
の剪断速度依存性が異なる為、たとえ剪断速度一
定条件下での粘性(メルトンデツクス)をあわせ
ても厚み分布の大巾な改善は不可能であり、ま
た、飽和ポリエステル、ポリアミド及び接着性樹
脂の粘性が規制される為、目的とする食品包装材
が得られない問題があつた。一方、共押出装置の
改造により時としてEVOH層が均一なものが得
られる場合があるが、運転条件が非常に狭い為、
吐出速度、吐出温度の微少な変動より厚み分布が
変化し、安定生産が出来にくい事、また樹脂の銘
柄変更を行なう場合には装置自身の大巾な改造を
試行錯誤で実施する必要があり、条件確立までに
多大の労力、時間、原料が必要であるばかりでな
く、設計計算の精度が現在の所非常にレベルが低
い為、設備の改造又は新増設時には再度多大な労
力と時間と原料を投入し条件確立する必要があ
り、大きな問題である。そこでEVOHに添加剤
を加え厚み分布を改善するこころみも行なわれて
はいるが(特開昭59年20345)、効果は十分でな
く、また長期運転時、ブツ、スジ、流れムラが発
生しやすく、使用に耐えない。 一方、加熱延伸加工時に発生するEVOH層の
ピンホール、クラツク、局所的偏肉等を防止する
対策としてEVOHにポリアミド系樹脂のブレン
ド、芳香族スルホンアミド系可塑剤の場合(特開
昭59−20345)、さらにはグリセリン、各種グリコ
ール、ポリヒドリツク化合物に代表されるヒドロ
キシル基含有可塑剤等の混合(特開昭53−
888067)等が検討されてはいるが、いずれの場合
も下記の点で十分満足すべきものではない事が判
明した。すなわちポリアミド系樹脂をEVOHに
ポリアーブレンドし多層構造物を得る場合ポリア
ミド系樹脂とEVOHとが反応し成形物に多数の
ゲル状物(フイツシユアイ)が発生するとともに
着色がはげしく使用にたえない。また多層構造物
を二次成形により容易にした場合EVOH層のク
ラツク、ピンホール等の発生を防止する為に添加
するポリアミド系樹脂の含有量はEVOH100重量
部に対し10〜30重量部と多大に添加する必要があ
る。その結果ガスバリアー性が大巾に低下し、成
形容器は良好であつても、高いガスバリアー性を
特長とする食品包装分野での使用は不可能であ
る。 またヒドロキシル基含有可塑剤系においても添
加量がEVOH100部に対してポリアミド系樹脂と
同様に10〜20重量部必要であり、ガスバリアー性
が大巾に低下する。さらに悪い事にはEVOHと
の相容性が十分でない為か可塑剤がブリードし、
多層積層容器におけるEVOH層と他の樹脂層と
の接着強度が経時的に大巾に低下し、容器の型態
をそこねる。すなわち、上記添加剤は使用に耐え
がたいものである。 また収縮性(シユリンク性)に関しては、現在
の所ポリアミド又はポリエステル側に収縮応力及
び伸度を増加させ、EVOH層の分担を低下させ
る対策等が取られている。すなわち、ポリアミド
又はポリエステル樹脂の粘度をあげる方法あるい
は架橋変性物の使用又は共押出成形時あるいは成
形後局部的に架橋した後延伸する方法等がある。
しかし、これらの方法は共押出成形時のEVOH
層の厚み分布を悪くしたり、また成膜時あるいは
延伸時生じる不良品の回収が困難であつたりする
為、現在この分野への展開に大きな障害となつて
いる。 それ故、ガスバリアー性の低下がほとんどなく
かつ共押出成形時EVOH層の厚みが均一であり
また長期運転時、ゲル、ブツ、流れムラのない
EVOHが、さらに該多層構造体を加熱延伸する
に際し、ピンホール、クラツク、微少偏肉が生じ
ないばかりでなく、加熱収縮性が増す特性が付加
されれば操業性、コスト面よりガスバリアー性食
品包装分野への多大な貢献が予想される。 C 発明が解決しようとする問題点 本発明は、前記欠点のない、製品間にも、成形
品内においても斑のない、従つて前記各特性のバ
ラツキのない、極めて均一度の高い、改質された
ケイ素含有EVOHを使用して、共押出多層構造
体を得んとするものである。 D 問題点を解決するための手段 本発明は酢酸ビニル、エチレン及び特定の分子
内にケイ素を含有するオレフイン性不飽和単量体
の共重合体をけん化して得られるEVOHからな
る溶融成形材料、すなわち酢酸ビニル、エチレン
及び下記一般式()、()及び()で表わさ
れるケイ素を含有するオレフイン性不飽和単量体
の中から選ばれた1種または2種以上の共重合体
をけん化して得た酢酸ビニル成分のけん化度95モ
ル%以上、エチレ含有量25〜60モル%、好ましく
は25〜55モル%、ケイ素含有量0.0005〜0.2モル
%であるケイ素含有EVOHの層の少なくとも片
面に飽和ポリエステル系樹脂またはポリアミド系
樹脂層を有する共押出多層構造体である。 E 発明の作用効果 EVOH層の片面又は両面に接着性樹脂を介し
て飽和ポリエステル又はポリアミド層を有する各
種積層多層構造体を共押出法にて作成する場合、
接着性樹脂及び飽和ポリエステル又はポリアミド
の銘柄及び粘度を種々変更しても、また共押出装
置の樹脂流路を構造及び流速を変化させても共押
出機ダイスより吐出する樹脂の吐出方向に垂直な
方向のEVOH層の厚み分布を均一にする事は非
常に困難であつた。その結果、EVOH層の厚み
分布不均一による加熱延伸時のクラツク、局所的
偏肉によるガスバリアー性の低下、またガスバリ
アー性を得る為、必要以上にEVOH層を厚くし
なければならない事など多くの問題があつた。 そこで上記問題の根本原因は飽和ポリエステル
又はポリアミド及び接着性樹脂の粘度−剪断速度
依存性がEVOH樹脂のそれと異なる為と考えら
れたのでEVOHに対する各種添加剤(可塑剤、
架橋剤など)による改質及び共重合組成物の変更
による改質を行なつた。その結果、多価アルコー
ル系可塑剤、カルボン酸アミド系可塑剤、芳香族
スルホン酸系可塑剤等は粘性を低下させる効果は
あるものの、EVOH層の厚み分布改善効果は微
笑であり実用的でない。また過酸化物添加し
EVOHを架橋することにより粘度の剪断速度依
存性を変更する方法は多少効果は認められるも長
期運転時、ブツ、流れムラ等の発生により外見上
使用に耐えがたいものであつた。しかしおどろく
べき事に、ケイ素含有EVOH組成物は、EVOH
単体及び他の可塑剤、架橋剤、添加EVOH組成
物と比較してEVOH層の厚み分布が均一である
ばかりでなく、長期運転時、ブツ、スジ、流れム
ラがほとんど発生しない非常に良好なものである
事が判明した。さらにおどろくべきことに、該
EVOH層に飽和ポリエステル又はポリアミド層
を有する多層構造体を加熱延伸した場合、
EVOH単体及び他の可塑剤等を含有するEVOH
組成物と比較してEVOH層のピンホール、クラ
ツク、微少偏肉がほとんど無い非常に良好な成形
物が得られるだけでなく、成形物のガスバリアー
性、とくに高湿度下におけるガスバリアー性が優
れている事がわかり本発明にいたつた。また、該
加熱延伸多層構造体の加熱収縮性が大巾に改善さ
れる事実が見い出されたのは、まつたく予想され
ない事であつた。この事実は以下詳細に述べる実
施例からも明らかである。 ケイ素含有EVOH組成物が上記した様にまつ
たく予想外の成形性改良効果を持つ原因はさだか
ではないが、ケイ素化合物を含有する低重合度
EVOHが、ケイ素化合物を介して部分的、可逆
的に架橋している為、高剪断速度域では低分子量
樹脂として、又、低剪断速度域では高分子量樹脂
として作用する為か、飽和ポリエステル、ポリア
ミド、又は接着性樹脂との粘性−剪断速度依存性
及び放線応力特性が一致し、共押出成形時の
EVOH層の厚み分布が均一化しやすいことに基
くものと考えられる。また、長期運転時に発生し
やすいブツ、スジ、流れムラの原因である
EVOHのゲル化に関しても低重合度EVOHの特
性ではないかと思われる。すなわち、見掛粘性は
ケイ素化合物の部分的、可塑的架橋により所定の
値を示すが実質的には低重合度EVOHの集合体
であり、低重合度樹脂ほどゲル化しにくいという
一般的に認められる事実は上記推論(ケイ素化合
物の特異性)を支持するものである。さらに加熱
延伸加工においての成形性改善効果も前述した様
にケイ素化合物の部分的、可塑的架橋効果、すな
わち高速変形(延伸)時には見掛上低分子量樹脂
として作用し、変形を容易にする反面、架橋によ
る高分子量成分の強度が加味される為、延伸性が
大巾に増加したためではないかと思われる。 一方、加熱時の収縮性に関しては、ケイ素化合
物の部分的、可塑的架橋効果、すなわち低速変形
(収縮)時高分子量架橋樹脂として作用し、ゴム
状弾性回復効果と同様、収縮応力及び収縮率の増
加をもたらせたのではないかと考えられる。 F 発明のより詳細な説明 本発明における該EVOHからなる溶融成形材
料はエチレン含有量25〜60モル%、好ましくは25
〜55モル%であり、該共重合体の酢酸ビニル成分
のけん化度が95モル%以上のものが好ましく、エ
チレン含有量が25モル%より小さいと良好な溶融
成形加工性を保持しながら酸素等のバリヤー性の
湿度依存性等の改善効果を大きく向上させること
が困難となり、また一方55モル%、とくに60モル
%を越えるとEVOHの特性である酸素等のバリ
ヤー性、保香性が低下する。またけん化度が95モ
ル%未満では、該バリヤー性、耐油性が低下し、
EVOH本来の特性を保持し得なくなるばかりか、
本発明の効果を享受し難くなる。 本発明に用いられるケイ素を含有するオレフイ
ン性不飽和単量体は下記一般式()、()及び
()で表わされる化合物の中から選ばれた1種
または2種以上のものを好適に用いることができ
る。 〔但し、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は
低級アルキル基、アリール基またはアリール基を
有する低級アルキル基、R2は炭素数1〜40の直
鎖状または分岐状のアルコキシル基であり、該ア
ルコキシ基は酸素を含有する置換基を有していて
もよい。R3は水素原子又はメチル基、R4は水素
原子また低級アルキル基、R5はアルキレン基ま
たは連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によつて相
互に結合された2価の有機残基、R6は水素原子、
ハロゲン原子、低級アルキル基、アリール基、ま
たはアリール基を有する低級アルキル基、R7は
アルコキシル基またはアシロキシル基(ここでア
ルコキシル基またはアシロキシル基は酸素または
窒素を有する置換基を有していてもよい。)、R8
は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ア
リール基または、アリール基を有する低級アルキ
ル基、R9は低級アルキル基である。〕 さらに詳細に述べればR1は炭素数1〜5の低
級アルキル基、炭素数6〜18のアリール基、また
は炭素数6〜18のアリール基を有する炭素数1〜
5の低級アルキル基を示し、R4は水素原子また
は炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、R5は
炭素数1〜5のアルキレン基または連鎖炭素原子
が酸素もしくは窒素によつて相互に結合された2
価の有機残基を示し、R6は水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6
〜18のアリール基、または炭素数6〜18のアリー
ル基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R7は炭素数1〜40のアルコキシルまたはア
シロキシル基(ここでアルコキシル基またはアシ
ロキシル基は酸素もしくは窒素を有する置換基を
有していてもよい。)を示し、R8は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭
素数6〜18のアリール基または炭素数6〜18のア
リール基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基
を示し、R9は炭素数1〜5の低級アルキル基を
示す。 一般式()で表わされるケイ素含有オレフイ
ン性不飽和単量体としては、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニル
ジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジ
メチルエトシシラン、アリルトリメトキシシラ
ン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルジメ
チルメトキシシラン、アリルトリエトキシシラ
ン、アリルジメチルエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルイソ
ブチルジメトキシシラン、ビニルエチルジメトキ
シシラン、ビニルメトキシジブトキシシラン、ビ
ニルジメトキシブトキシシラン、ビニルトリブト
キシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラ
ン、ビニルジメトキシヘキシロキシシラン、ビニ
ルトリヘキシロキシシラン、ビニルメトキシジオ
クチロキシシラン、ビニルジメトキシオクチロキ
シシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビニ
ルメトキシシラウリロキシシラン、ビニルジメト
キシラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレ
イロキシシラン、ビニルジメトキシオレイロキシ
シラン、 一般式 (ここでmは前記と同じ。xは1〜20を示す) で表わされるビニルメトキシシランのポリエチレ
ングリコール誘導体等が挙げられるが経済的にみ
てビニルトリメトキシシランが好ましい。 一般式()で表わされるケイ素含有オレフイ
ン性不飽和単量体としては 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメ
トキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエ
トキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(β−メトキシエトキシ)シラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(N−メチルアミノエトキシ)シラン 2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリメト
キシシラン 1−(メタ)アクリルアミド−メチルトリメト
キシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルトリメトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−イソプロピルト
リメトキシシラン (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−直鎖又は分岐アルキルトリアルコ
キシシラン N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン CH2=CRCONHCH2CH2NH(CH2)3Si(OCH3)3 (3−(メタ)アクリルアミド−プロピル)−オ
キシプロピルトリメトキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3O(CH2)3Si(OCH3)3 (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−含窒素又は、含酸素アルキルトリ
アルコキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリア
セトキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3Si(OCOCH3)3 2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリアセ
トキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3Si(OCOCH3)3 4−(メタ)アクリルアミド−ブチルトリアセ
トキシシラン CH2=CRCONH(CH2)4Si(OCOCH3)3 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリプ
ロピオニロキシシラン CH2=CRCONH(CH2)3Si(OCOCH2CH3)3 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルトリアセトキシシラン N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチル)ア
ミノプロピルトリアセトキシシラン CH2=CRCONHCH2CH2NH(CH2)3Si(OCOCH3)3 (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−アルキルトリアシロキシシラン、 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルイソブ
チルジメトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−エチルジメチル
メトキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−エチルジメチル
メトキシシラン 1−(メタ)アクリルアミド−メチルフエニル
ジアセトキシシラン 3−(メタ)アクリルアミド−プロピルベンジ
ルジエトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルモノクロルジメトキシシラン 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルハイドロジエンメトキシシラン (Rは水素又はメチル基を示す)等の(メタ)ア
クリルアミド−アルキルジ又はモノアルコキシあ
るいは、ジ又は、モノアシロキシシラン、 3−(N−メチル(メタ)アクリルアミド)−プ
ロピルトリメトキシシラン 2−(N−エチル−(メタ)アクリルアミド)−
エチルトリアセトキシシラン (Rは水素又はメチル基を示す)等の(N−アル
キル−(メタ)アクリルアミド)アルキルトリア
ルコキシ又はトリアセトキシシラン等が挙げられ
る。これらのうち3−(メタ)アクリルアミド−
プロピルトリメトキシシランおよび3−(メタ)
アクリルアミド−プロピルトリアセトキシシラン
は工業的製造が比較的容易で安価であること、又
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピ
ルトリメトキシシランおよび2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロピルトリアセトキシシ
ランはアミド結合が酸又はアルカリに対して著し
く安定である点で好ましく用いられる。ここで一
般式()で表わされるケイ素含有重合性単量体
を酢酸ビニル及びエチレンと共に共重合させ、得
られる共重合体をけん化することにより得られる
変性されたケイ素含有EVOHは下記一般式()
で示される共重合単位を含有する。 (ここでR3、R4、R5、R6、mは前記に同じ。
R10は水酸基、一般式OMで示される水酸基の塩
(Mはアルカリ金属又はNH4を示す)を示す。) 一般式()で表わされるケイ素含有オレフイ
ン性不飽和単量体としては、 ビニルトリアセトキシシラン ビニルトリプロピオニロオキシシラン イソプロペニルトリアセトキシシラン ビニルイソブチルジアセトキシシラン ビニルメチルジアセトキシシラン ビニルジメチルアセトキシシラン ビニルフエニルジアセトキシシラン ビニルモノクロルジアセトキシシラン ビニルモノハイドロジエンジアセトキシシラン 等が挙げられるが、経済的にみてビニルトリアセ
トキシシランが好ましい。 上述したケイ素含有オレフイン性不飽和単量体
と、酢酸ビニル及びエチレンとの共重合は、アル
コールの存在下で溶液重合で実施することが好ま
しい。アルコールは通常メタノール、エタノール
など低級アルコールが工業的に好ましい。共重合
は回分方式、連続方式のいずれにても実施可能で
ある。EVOHのエチレン含有量は、主として共
重合系内に存在する酢酸ビニルと該系内に溶存す
るエチレン量によつて決り、後者は重合エチレン
圧力及び温度などに主として依存するので、エチ
レン含有量が同じ場合には変性EVOHのケイ素
含有量は、主として該系内に存在する酢酸ビニル
とケイ素含有オレフイン性不飽和単量体との量的
関係に支配される。回分式の場合共重合反応性比
に従つて重合率とともに共重合体組成が変動して
いくことによく知られているが、単量体組成が一
定となるように一方もしくは両方の単量体を添加
していくいわゆる半回分方式を採用することが均
一な共重合組成を有する共重合体を得るために
は、より望ましい。この場合の添加量の算出方法
の一例としては、アール、ジエ、ハンナ(R.J.
Hanna)がインダストリアル アンド エンジ
ニアリング ケミストリー(Industrial and
Engineering Chemistry)Vol.49、No.2、208〜
209(1957)に提出している式が挙げられる。連続
方式の場合撹拌混合槽を共重合反応槽とする完全
混合型1段の流系反応方式が最も好適であり、又
2段以上の多段の該流系反応方式の場合には、前
記と同様の理由で各段の共重合槽内の単量体組成
が一定となる如く、2段以降の該槽に単量体を添
加しながら行うことがより好ましい。重合開始剤
としては、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2,4
−トリメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリルなどのニトリル類、ジ−n−
プロピルパーオキシカーボネート、ビス−4−t
−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ビス−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート、などのカーボネート類、アセチルシク
ロヘキサンスルフオニルパーオキシド、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物など
の公知のラジカル開始剤が使用できる。就中半減
期のより短かい、重合開始剤は共重合途上経時的
に認められる重合系に不溶のゲル状物の生成をほ
ぼ完全に、あるいは大きく抑制しうる点で長期連
続重合操作に際して好適に用いられる。 重合で得られた共重合体は、次いでけん化反応
に供せられる。けん化反応は、たとえばアルカリ
性触媒を用いて公知の方法すなわち通常該共重合
体をアルコール溶液として実施し、アルコリシス
により反応を行わしめるのが有利である。就中、
日本特許第572889号及び同611557号に開示され
た、塔型反応器を用い、けん化反応途上副生する
酢酸メチルを塔底にアルコール蒸気を吹き込んで
塔頂から除去しながら行う方法が最も好適に用い
ることができる。 けん化反応に用いるアルカリ性触媒としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸化物、ナトリウムメチラート、カリウ
ムメチラートなどのアルコラートなどが用いられ
る。就中水酸化ナトリウムが工業的には、経済的
に有利である。けん化温度は60〜175℃の範囲か
ら好適に選ばれる。就中、前記塔型反応器を用い
る場合には、該共重合体の組成にも関連するが反
応時間の短縮、該ケイ素含有EVOHのアルコー
ル類への溶解性等から100℃以上が好適である。 けん化反応においてビニルアルコキシシラン単
位も部分的あるいは高度にけん化されてビニルシ
ラノール単位、そのアルカリ塩あるいはその相互
縮合物に転換される。しかし前出の一般式()
で示される単量体含有の該共重合体は、アルカリ
性触媒によるけん化反応においてケイ素含有重合
性単量体単位のアミド結合が分解するということ
なく安定に保たれる。しかし、けん化反応時一般
式()で表わされるケイ素含有単量体単位のケ
イ素に結合したアルコキシル基、カルボキシル
基、水素及びハロゲンも同時に部分的あるいは高
度にけん化され水酸基または水酸基のアルカリ塩
に転換される。さらにこれらの水酸基の一部は、
けん化反応後得られた変性EVOH成形材料を乾
燥する際、乾燥条件によつてこれらの反応基同志
を結合させシロキサン結合を形成させてもよい。
シロキサン結合を多く形成せしめた該改質
EVOH成形材料は熱溶融性が悪化する場合がみ
られるので、このような場合にはケイ素含有単量
体の含有量を調整するか、ケイ素含有重合性単量
体単位としてアルカリに対して著しく安定性の高
い(メタ)アクリルアミド−分岐アルキルシラン
単位を有する改質EVOH成形材料とすることが
好ましい。 けん化反応後、変性EVOH成形材料を単離す
るに当つては、公知の方法が適用可能であるが、
就中日本特許725520号に開示されたストランド状
に析出させ、該ポリマーを分離する方法が好適に
用いられる。析出単離された該EVOH成形材料
は公知の方法で水洗後、酸処理等の公知の熱安定
化処理を行い、乾燥させる。該酸処理時けん化反
応の際ケイ素に結合したアルコキシル基、カルボ
キシル基、水素及びハロゲンが水酸基のアルカリ
塩に転換された部分は水酸基となる。 本発明による変性されたケイ素含有EVOH成
形材料はEVOH樹脂本来の特性の向上、他の各
樹脂、各加工法に適合した特性の付与等の観点か
ら、極めて満足するものであり、該共重合体のケ
イ素含有単量体の含有量を目的に応じて、変化せ
しめて各ケースに好適な該変性EVOH溶融成形
材料を得ることができる。たとえばエチレン含有
量の増加と共にEVOHの溶融粘性指数(メルト
インデツクス)は大きくなり、他の底溶融粘性
指数をもつ樹脂を複合する場合に溶融粘性差が大
きく、溶融粘性不整合性を示す現象が認められる
場合にしばしば遭遇するが、かかる場合に、該組
成を保持しつつEVOH樹脂の溶融粘性指数を本
発明の変性によつて低下せしめた該変性EVOH
樹脂成形材料を使用して、該溶融粘性不整合を解
消できるなど本発明の変性EVOH成形材料の有
用性はその改質の均一性と相俟つて極めて大き
い。該ケイ素含有単量体の含有量はあまり少なす
ぎると、改質の効果が発揮されず、また多すぎれ
ば架橋の程度が増大しすぎて熱不溶融性が発現す
る。該含有量はそれぞれの目的に応じて選定され
るが、0.0005〜0.2モル%、特に0.001〜0.1モル%
の範囲が好適である。ここでケイ素含有量とは、
ケイ素含有単量体−酢酸ビニル−エチレン共重合
体中のケイ素含有単量体の量(モル%)をいう。 本発明の変性されたケイ素含有EVOHは従来
からの使用目的の全般に亘つて、より満足に使用
できることは、前述の通りであるが、ケイ素を含
有するという特徴に由来する新たな特性、たとえ
ばアルミ箔、他の樹脂等との接着性の向上等を有
利に活用できる。 本発明における変性されたEVOHのASTMD
−1238−Tによつて測定された溶融粘性指数(メ
ルト インデツクス)は190℃、荷重2160gにて
0.05g/10分間以上、さらに0.05〜10g/10分間
のものが好ましく、特に0.1〜10g/10分間のも
のがフイルム、シート、容器等の各用途に未延伸
のまま、また少くとも一軸に延伸されて好適に用
いられる。 本発明のケイ素含有EVOHは酢酸ビニル、エ
チレン及び前記特定のケイ素を含有するオレフイ
ン性不飽和単量体の共重合体をけん化して得られ
る特定のエチレン含有量及びケイ素含有量をもつ
たEVOHからなるものであるが、該共重合体は
その特性に影響を及ぼさない範囲で他の第3物質
を共重合成分として含むことができる。該第3物
質としては、たとえば炭素数3以上のα−オレフ
イン、アクリル酸、メタ−アクリル酸およびこれ
らの酸のエステルなどがあげられる。またこのケ
イ素含有EVOHには通常のEVOHを本発明の目
的を阻害しない程度に配合することは自由であ
る。 既述の如く本発明のケイ素含有EVOHは飽和
ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂と
複合化して用いられるが、近年特に要求される特
性の多様化、高級化などと相俟つて、他の種々の
樹脂を組合せて2層または、2層以上の多層の積
層構造物として好適に用いられる。複合化に際し
て、共押出法が採られるが、この場合飽和ポリエ
ステル系樹脂またはポリアミド系樹脂と溶融粘性
不整合を起さない所望のエチレン含有量の
EVOHをケイ素含有量を適宜選定して得ること
ができる。該多層構造体の層構成としては、たと
えば、飽和ポリエステル(以下PETと記す)/
接着層(以下ADと記す)/ケイ素含有EVOH
(以下Si−EVOHと記す)、PET/AD/Si−
EVOH/AD/PET、PET/AD/Si−EVOH/
AD/PE、PET/AD/Si−EVOH/AD/アイ
オノマー、PET/AD/Si−EVOH/AD/PP、
ポリアミド(以下PAと記す)/Si−EVOH/
PA、PA/AD/Si−EVOH/AD/PE、PA/
AD−Si−EVOH/AD/アイオノマー、PET/
AD/Si−EVOH/AD/PAなどが例示されるが
特に限定されるものではない。 本発明においてポリアミド系樹脂は、W−アミ
ノカルボン酸の重縮合反応や二塩基性酸とジアミ
ンの重縮合反応により製造され、6−ナイロン、
6−6ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、
12−ナイロン及びこれらの共重合体等であり、特
に、ε−カプロラクタムとアジピン酸ヘキサメチ
レンジアンモニウムとの共重合体ポリアミド樹脂
が好ましい。 また飽和ポリエステル樹脂は飽和二塩基酸とグ
リコール類の縮合により得られるものであり、例
えばエチレングリコールとテレフタル酸より得ら
れるポリエチレンテレフタレート、フタル酸、イ
ソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、グルタル酸、コハク酸、シユウ酸などの飽
和二塩基酸を共重合体成分としたポリエチレンテ
レフタレート共重合体、およびジオール成分とし
て1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコールなどを共
重合体成分としたポリエチレンテレフタレート共
重合体またはポリブチレンあるいはこれらのブレ
ンド品である。 接着層に用いる接着性樹脂は、Si−EVOHに
隣接して積層される樹脂の種別によつても異なる
が、たとえば無水マレイン酸グラフト変性PE、
無水マレイン酸グラフト変性PP、無水マレイン
酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸
グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等か
ら選ばれた1種または2種以上の混合物、或いは
これらと、Si−EVOHのブレンド物などがあり、
これらの中から選定して用いることができる。 該積層構造物を容器等へ商品化するに当つて
は、成形時生ずる該積層物の屑、不合格品を再使
用することが経済的に重要となるが、Si−
EVOHと積層される他の樹脂及び/または接着
剤とのブレンド物を単独または、Si−EVOH或
いは他の熱可塑性樹脂と積層して使用することが
できる。 本発明において多層構造体を得る方法としては
Si−EVOHと飽和ポリエステル又はポリアミド
系樹脂とを接着性樹脂を介して共押出ミートに成
形(フイードブロツク法はマルチマニホーハド
法)する方法、共押出ラミする方法、共押出パイ
プを作成する方法あるいは共射出成形によりパリ
ソンを作成する方法、あるいはこのようにして得
た積層体を真空圧空深絞り成形、二軸延伸成形、
二軸延伸ブロー成形等により再加熱、延伸操作を
行なう方法などがあげられる。また、該延伸多層
構造体を熱収縮用々途に使用するにあたつては、
延伸完了後可能な限り早い時期に急冷操作を行な
う事がのぞましく、金型、金属ロール等で急冷す
る方法、水又はエアー等で急冷する方法がある
が、常用の方法であれば特に限定されるものでは
ない。 一方、該延伸多層構造体のままで食品包装用々
途に使用される場合には、しばしば強度、寸法安
定性改善の目的で熱固定処理がほどこされる場合
があるが、処理条件、方法等は、ポリエステル又
はポリアミドで一般に使用されている方法が適用
出来、特に限定されるものではない。たとえば、
ポリエステル含有多層フイルムの場合3×3倍逐
次二軸延伸後それにつづく熱処理ロール又はテン
ターにて190〜230℃で熱固定を行なう等の方法が
ある。 さらに多層構造体の厚み構成に関しても特に限
定されるものではないが、成形性、コスト等を考
慮した場合には全層の厚みに対するEVOH層の
厚み比は2〜20%程度が好適である。 また、本発明において加熱延伸するにあたり多
層構造体の一構成物であるEVOH組成物層の含
水率に関しては特に規制はないが0.01〜10%以内
である事が好適である。 この様にして得られた本発明の多層構造体及び
その加熱延伸物はEVOH組成物層の厚みが均一
であり、スジ、ブツもなく、延伸時発生しやすい
ピンホール、クラツク、偏肉がみられないのでガ
スバリアー性が極めて良好であり、食品包装用材
料、容器、あるいはガスバリアー性を要求される
容器として有用である。 以下実施例により本発明をさらに説明するが、
本発明はこれによりなんら限定を受けるものでは
ない。なお、実施例中、部又は%はことわりのな
い限り、重量部又は重量%を示す。 <共押出成形物の厚み分布測定> フイードブロツク型3種5層共押出装置におい
てダイス巾550cmより吐出するPET/AD/
EVOH/AD/PET又はPA/AD/EVOH/
AD/PAシート(PP、AD、PSの銘柄厚みは下
記参照)を1m/minの引取速度で製膜したシー
トについて測定を行つた。 上記シートの中央部のEVOH層の厚みをAμ、
中央より左右10cmの平均厚みをBμとした場合、
EVOH層の厚み変動率(X%)をX=(B−
A)/A×100(%)と定義する。 PET ポリエステル(日本ユニペツト、ユニペ
ツトRT533) 450μ PA ナイロン(三菱化成ノバミド1030) 450μ AD 接着性樹脂(東洋ソーダ メルセン
M5420) 50μ EVOH 中央厚み 50μ目標 <EVOH層の水分の測定法> 加熱延伸加工直前の多層構造体にあるEVOH
層をはくりし、120℃24時間熱風乾燥機に放置し、
重量減少よりEVAL層の水分を求める。この値を
パーセント表示し揮発分と称する事にする。 実施例 1 容量10で内部に冷却用コイルをもつ撹拌機付
重合槽において、ケイ素含有エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を得るため以下に示す条件により連続
重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 480g/hr メタノール供給量 40g/hr ビニル−トリ−メトキシシラン供給量 355mg/hr 2,2′−アゾビスイソプチロニトリル 33mg/hr 重合温度 77℃ 重合槽エチレン圧力 60Kg/cm2G 平均滞留時間 6hrs 酢酸ビニルの重合率は約50%であつた。該共重
合反応液を追出塔に供給し、塔下部からのメタノ
ール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂よ
り除去した後、該共重合体の45%のメタノール溶
液を得た。該共重合体は核磁気共鳴分析によりビ
ニルトリメトキシシラン単位を0.027モル%、酢
酸ビニル単位を59.5モル%、エチレン単位を約
40.5モル%含有することが確認された。該共重合
体のメタノール溶液を塔式けん化反応器に導入
し、さらに水酸化ナトリウムを該共重合体に含ま
れる酢酸ビニル成分に対するモル比が0.05となる
如く該反応器に供給し、塔下部よりメタノール蒸
気を吹込み、塔頂より副生する酢酸メチルを除去
しながら、けん化反応を行い、塔底より改質
EVOHのメタノール溶液を得た。該メタノール
溶液に重量比メタノール/水=7/3の混合蒸気
を吹込み、該溶液中の溶剤組成を水/メタノール
混合系に変えた後、5℃のメタノール10%水溶液
中にストランド状に吐出させ、凝固析出させ、切
断して、該EVOHをペレツト状物として単離し
た。十分水洗した後、希薄酢酸水に浸漬処理して
65℃〜110℃で乾燥した。けん化度は99.3モル%
であつた。 該EVOH、ナイロン(三菱化成ノバミド1030)
及び接着性樹脂{東洋ソーダ社製「メルセン
M5420」(無水マレイン酸グラフトエチレン−酢
酸ビニル共重合体)}をフイードブロツク型3種
5層共押出装置は供給し、250℃のダイス温度、
1m/minのシート引取装置にてPA/AD/Si−
EVOH/AD/PA構成の全厚み約1mmのシート
を得た。各層の厚みはPA層が各約450μ、接着層
(AD)が各約50μ、EVOH層が約50μである。こ
のシートのEVOH層の厚み変動率(吐出とは直
角方向の厚み分布)は5%であり、スジ、ブツ、
流れムラもほとんど認められなかつた。得られた
シートを真空圧空成形機(浅野研究所製FK−
0431)にかけシート温度120℃にて深絞り成形を
行なつた(成形前のEVOH層の揮発分は0.7%で
あつた)。その結果成形容器の透明性は良好であ
り、またクラツク、微少偏肉も認められなかつた
(成形容器の深絞り比は1.5)。 この絞り成形容器を20℃−100%RH及び20℃
−65%RHでそれぞれ十分調湿(約1ケ月)した
後、モコン酸素分析器(Mocon社製)にて酸素
透過量の測定を行なつた。その結果、EVOH層
の酸素透明量は1.1c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20
℃・65%RH)、10c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20
℃−100%RH)であり非常に良好なガスバリア
ー性を示した。 比較例 1 ビニルトリメトキシシランを使用しなかつた以
外は、実施例1と同様に行い、エチレン含有量
40.7モル%、けん化度99.4モル%のEVOHを得
た。実施例1と同様に溶融製膜した。その結果、
シートのEVOH層の厚み変動率は65%と非常に
不均一であるばかりでなく、2〜3時間製膜後よ
りスジ、ブツの発生が目立ち、全巾にわたつての
使用が困難であつた。また、このシートの厚み変
動が小さな場合について真空圧空成成形機にかけ
SPPF(固相圧空成形)成形を行なつたが、成形
品の側面に多数のクラツクが肉眼でもはつきり観
察され、使用に耐えなかつた。この容器の酸素透
過量は400c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100%
RH)と多大であり、EVOH層が切断されている
事がわかつた。真空圧空成形前の原反の酸素透過
量は1.0c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−65%
RH)、20c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃、100%
RH)であつた。 比較例 2 比較例1において、真空圧空成形時、成形品の
側面に発生したクラツクの原因を調べる為、比較
例1で使用したEVOHを40φ単量押出機で製膜を
行ない、厚み均一の単量EVOH層を得た(50μフ
イルム、厚み変動率5%)。このEVOHフイルム
をアンカーコート(東洋モートンAT−335A)処
理した1000μナイロンシート(三菱化成ノバミド
1030単量シート)にドライラミした後、真空圧空
成形機にて深絞り成形を行なつたが、比較例1と
同様、容器側面に微少クラツクが認められた。こ
の時のEVOH層の揮発分は0.8%であつたそれ故、
比較例1で生じた深絞り成形時の異常(クラツ
ク)は、シート作成時のEVOH層の厚みムラ及
びスジ、ブツによるものでなく、本質的に比較例
1で使用したEVOHの特性である事が判明した。 比較例 3 実施例1で使用したEVOHの〔η〕pH(15%含
水フエノール30℃での測定)は0.084(/g)で
あり、MI190(190℃荷重2160gで測定したメルト
インデツクス値)は2.1(g/10分)であるのに比
較して、比較例1で使用したEVOHの〔η〕pH=
0.081(/g)に対し、MI190=16.5(g/10分)
である。MI190の差が製膜性及び深絞り成形性の
異常の原因と考えられる可能性がある事より比較
例1で用いたEVOH100重量部に対してBPO(過
酸化ベンゾイル)0.35重量部を配合し、40φ押出
機220℃にて架橋ペレツト化を実施した。得られ
たペレツトを90℃、16時間乾燥し、MI190を測定
した所1.8g/10分であつた。このEVOHを用い
実施例1と同様に製膜を行なつた結果、シートの
EVOH層の厚み変動率は48%と比較例1よりは
低いものの、とうてい実施例1にはおよばなかつ
た。またこのシートのEVOH層には微少なブツ
が運転初期より認められ、2〜3時間後にはス
ジ、流れムラが増加し、運転の継続が困難となつ
た。運転初期の比較的ブツ、スジの少ない、また
厚み分布が比較的良好な部分について、実施例1
と同様に真空圧空成形を行なつたが、成形品の側
面に多数のクラツクが発生し使用に耐えなかつ
た。 実施例 2 実施例1と同じ重合槽を用いて、以下に示す条
件で連続重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 440g/hr t−ブタノール供給量 60g/hr 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル) 110mg/hr 3−アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラ
ン 150mg/hr 重合温度 60℃ 平均滞留時間 8hrs 重合槽エチレン圧力 46Kg/cm2G 酢酸ビニルの重合率は約55%であつた。該共重
合体は核磁気共鳴分析により、3−アクリルアミ
ド−プロピルトリメトキシシラン単位を0.013モ
ル%、酢酸ビニル単位を65モル%、エチレン単位
を約35モル%含有することが確認された。 実施例1と同様にけん化し単離して、後処理を
行つた後、乾燥して、変性EVOHを得た。けん
化度は99.2モル%であり、MI190は0.7g/10分で
あつた。 実施例1と同様、共押出装置にてPA/AD/
Si−EVOH/AD/PA構成の全厚み約1mmのシ
ートを得た。このシートの厚み変動率は5%であ
り、長期運転(2〜3日以上)してもスジ、ブ
ツ、流れムラは非常にわずかであつた。得られた
シートを二軸延伸試験装置(パンダグラフ式、東
洋精機製)にかけ、シート温度120℃にて3×3
倍同時二軸延伸を行なつた。延伸前のEVOH層
の揮発分は1.6%であつた。その結果、EVOH層
にクラツクの無い厚み分布均一な、かつ透明性良
好な共延伸フイルムが得られる事がわかつた。こ
のフイルムを、170℃で10分間熱固定を行なつた
後の酸素透過量は0.5c.c.・20μ/m2・24hr・atm
(20℃−65%RH)、18c.c.・20μ/m2・24hr・atm
(20℃−100%RH)であり、非常に良好なガスバ
リアー性を示した。 比較例 4 3−アクリルアミド−プロピルメトキシシラン
を使用しなかつた以外は実施例2と同様に行な
い、エチレン含有量35モル%、けん化度99.3モル
%、MI190が2.1g/10分のEVOHを得た。実施例
2と同様に共押出製膜を行ない、得られたシート
のEVOH層の厚み変動率は68%と非常に悪く、
不均一であるばかりでなく、3〜4時間連続運転
後よりスジ、ブツ、流れムラが顕著になつた。運
転初期でかつ、EVOH層の厚み変動及びムラが
比較的小さい部分について実施例2と同様に二軸
延伸を行なつた。この時のEVOH層の揮発分は
0.28%であつた。この二軸延伸フイルムは全面に
網目状にクラツクが発生し、まつたく使用に耐え
ないものであつた。この共延伸フイルムの酸素透
過量は4000c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100
%RH)以上でありEVOH層が切断された事を示
している。真空圧空成形前の原反の酸素透過量は
0.6c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−65%RH)、
31c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100%RH)
であつた。 比較例 5 比較例4で用いたEVOH100重量部に対して可
塑剤としてN−エチルトルエンスルホンアミド15
重量部を配して、40φ押出機を用いて、ダイス温
度220℃にてペレツト化を行なつた。このペレツ
トを95℃−16時間乾燥した後実施例2と同様に共
押出製膜を行なつた。得られたシートの厚み変動
率は21%と多少改善の傾向は認められるが、十分
ではなくさらに悪い事に運転開始20〜30分後より
シートにスジ、流れムラが多発し長期運転が困難
であつた。運転開始初期であり、かつ厚み分布が
比較的良好な部分をサンプリングし、実施例2と
同様に共延伸を行なつた。その結果、多少のびム
ラはあるものの、クラツクなどがない比較的良好
な延伸フイルムが得られた様に一見見受けられた
が、酸素透過性の測定を行なつた所5c.c.・20μ/
m2・24hr・atm(20℃−65%RH)、98c.c.・20μ/
m2・24hr・atmと酸素の透過量が大きくガスバリ
アー性食品包装用材料としては十分満足いくもの
ではない事が判明した。可塑剤添加により
EVOHの結晶性が低下する為、成形性は改善の
方向になるが結晶化度と関連が強いガスバリアー
性が結晶性低下により悪化したためではないかと
考えられる。 実施例 3 実施例2において、共押出原反シートの厚み構
成をPA層各300μ、AD層各100μ、EVOH層200μ
に変更した以外は実施例2と同様に作成した
PA/AD/EVOH/AD/PA共押出原反シート
をパンダグラフ式二軸延伸装置(東洋精機製)に
かけ、シート温度110℃にて、3×3倍、同時二
軸延伸を行なつた。延伸完了直後、装置に付属し
ている冷風急冷装置(冷風温度−10℃〜0℃)を
作動させエアーノズルより吹出す冷風にて急冷を
行なつた。 得られた急冷、共延伸多層フイルムの熱収縮率
及び応力を測定した所表1に示す様な結果となつ
た。後述する比較例6との対比において熱収縮性
が大巾に改善されている事がわかる。また該フイ
ルムをヒートミーラーにて袋状にし、直径約10
cm、高さ2cmのハムを収縮包装機にかけた所、折
れじわのない良好なものが得られた(表1参照)。 比較例 6 比較例4において作成したPA/AD/
EVOH/AD/PA共押出原反シートを用いて実
施例3と同様の操作を行ない急冷共延伸多層フイ
ルムを得た。このフイルムの熱収縮率、応力を表
1に示すが、ケイ素化合物含有EVOH(実施例
3)系フイルムと比較して熱収縮性が悪い。ま
た、実施例3と同様ハムによる実包装テストを行
なつた所、完全な密着包装とはならず、フイルム
に折れじわ、ねじれ等が発生し実用に耐えないも
のであつた。
【表】
実施例 4
実施例2においてケイ素含有単量体として3−
アクリルアミド−アロピルトリアセトキシシラン
を290mg/hrで用いた以外は実施例2と同様に操
作した。重合体は核磁気共鳴分析により3−アク
リルアミド−プロピルトリアセトキシシラン単位
を0.02モル%を含み、酢酸ビニル及びエチレンに
ついては実施例2とほぼ同じ組成であることが確
認された。なお該変性EVOHのけん化度は99.5モ
ル%であり、MI190は0.3g/10分であつた。 該EVOH、飽和ポリエステル(日本ユニペツ
ト社製、「ユニペツトRT533」)及び接着性樹脂
(東洋ソーダ社製メルセンM420)をマルチマニホ
ールド型3種5層共押出装置に供給し、270℃の
ダイス温度、1m/minのシート引取装置にて
PET/AD/EVOH/AD/PET構成のTotal厚
み約1mmのシートを得た。各層の厚みはPET層
が各450μ接着層が各50μ及びEVOH層が約50μで
あつた。 このシートのEVOH層の厚み変動率(吐出方
向と直角な方向の厚み分布)は3%であり、20〜
24時間の長期運転でもEVOH層のスジ、ブツ、
流れムラがほとんど認められなかつた。得られた
シートを真空圧空成形機(浅野研究所製絞り比
1.5角型金型使用)にかけ、95℃で絞り成形を行
なつた所、クラツクの無い良好な成形物が得られ
た。この容器の酸素透過量は0.4c.c.・20μ/m2・
24hr・atm(20℃−65%RH)、19c.c.・20μ/m2・
24hr・atm(20℃−65%RH)と非常に良好なガス
バリアー性を示した。 比較例 7 3−アクリルアミド−プロピルトリアセトキシ
シランを使用しなかつた以外は、実施例3と同様
に行ないエチレン含有量34.5モル%、けん化度
99.5モル%、MI190が1.9g/10分のEVOHを得
た。実施例4と同様に共押出製膜を行なつた。得
られたシートのEVOH層の厚み支持率は38%と
大きく、不均一であるばかりでなく、3〜4時間
製膜後よりスジ、ブツの発生が目立つた。また、
このシートの厚み変動が小さな部分について実施
例3と同様に深絞り成形を行なつた結果、成形品
の側面に多数の延びムラが認められた。それ故外
見上使用に耐えるものは得られなかつた。 比較例 8 比較例6で用いたEVOH100重量部に対して、
可塑剤としてジエチレングリコール10重量部を配
して、40φ押出機を用いてダイス温度220℃にて
ペレツト化を行なつた。このペレツトを95℃−16
時間乾燥した後、実施例3と同様に共押出製膜を
行なつた。得られたシートの厚み変動率は45%と
ほとんど改善の傾向は認められず、さらに悪い事
には3〜4時間後より流れムラ、スジ等が多発し
はじめた。厚み分布が比較的均一な部分をサンプ
リングし、実施例3と同様、深絞りを行なつた
所、延びむらは多少改善される方向にあつた。し
かし、この容器の酸素透過量は240c.c.・20μ/
m2・24hr・atm(20℃−100%RH)と大きく、ガ
スバリアー性容器としての使用には耐えなかつ
た。 実施例 4 実施例2において重合槽エチレン圧力を35Kg/
cm2Gとし、ケイ素含有オレフイン性不飽和単量体
としてビニルトリエトキシシランを用い、該供給
量を100mg/hrとした以外は同様に行つた。得ら
れた共重合体はビニルトリエトキシシラン単位を
0.008モル%、酢酸ビニル単位を72モル%、エチ
レン単位を約28モル%含有するものであつた。実
施例2に準じて変性EVOHを得た。けん化度は
99.4モル%であり、210℃、2160g荷重で測定し
た溶融粘性指数MI210は0.80g/10分であつた。 該EVOH、ポリエステル(日本ユニペツト
RT533)及び接着性樹脂(東洋ソーダ製メルセ
ンM5420(無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ン)}をスパイラハフロータイプ3種5層共押出
パイプ成形機に供給し、270℃のダイス温度、0.6
m/minパイプ引取装置にてPET/AD/Si−
EVOH/AD/PET構成の全層厚み3m/m、外
径30m/mのパイプを得た。各層の厚みは、PP
層が各々約1200μ、AD層が各々約150μ、EVOH
層が約200μである。このパイプの断面のEVOH
層の厚み分布は、顕微鏡(×100倍)で見る限り
均一であり、パイプの流れ方向へのスジ、ブツ、
流れムラは、外見上ほとんど認められなかつた
(約24時間連続運転)。このパイプを切断し、口部
及び底部を成形しパリソンを作成した後、100℃
に加熱後二軸延伸ブロー装置にかけ容器を作成し
た所、外見上クラツクのない良好なボトルが得ら
れた。 比較例 9 実施例4においてビニルトリエトキシシランを
用いなかつた以外は実施例4と同様に行ない、エ
チレン含有量28.3モル%、ケン化度99.5モル%、
MI190 2.3g/10分のEVOHを得た。このEVOH
を用いて実施例4と同様にパイプ成形を行ない、
断面のEVOH層を観察した所、数ケ所局部的な
厚みムラが認められた。また、パイプの流れ方向
に、EVOH層のスジ、流れムラが、認められた。
このパイプを実施例4と同様に延伸ブロー成形し
た所、ボトル表面にタテスジ、特に口金部に近い
部分(肩部)にスジ状の偏肉が認められ、使用に
耐えなかつた。 実施例 6 容量50で内部に冷却用コイルをもつ撹拌機付
重合槽において、ケイ素含有エチレン酢酸ビニル
共重合体を得るため以下に示す条件により回分式
重合を実施した。 酢酸ビニル仕込量 15Kg メタノール仕込量 5.8Kg ビニルトリメトキシシラン仕込量 6.4g 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル仕込量
2.7g 重合温度 60℃ 重合槽エチレン圧力 33Kg/cm2G 重合時間 6.5hr 酢酸ビニル重合率は31%であつた。該共重合体
は核磁気共鳴分析によりビニルトリメトキシシラ
ン単位を0.02モル%、酢酸ビニル単位を68モル
%、エチレン単位を32モル%含有することが確認
された。実施例1と同様にけん化し、単離して後
処理を行つた後、乾燥して、変性EVOHを得た。
けん化度は99.5モル%、MI190は0.55g/10分で
あつた。 該EVOH、ポリエステル(日本ユニペツト
RT335)及び接着性樹脂(東洋ソーダM5420)
を実施例4と同様な方法で共押出シートを得た。
各層の厚みはPET層が各500μ、接着層が50μ、及
びEVOH層が約50μである。このシートの厚み変
動率は7%であり、24時間連続運転してもスジ、
流れムラ、ブツなどは非常にわずかであつた。得
られたシートをパンタグラフ式二軸延伸装置(東
洋精機K.K.)にからシート温度95℃で3×3倍
の遂次二軸延伸を行なつた。この時のEVOH層
の揮発分は0.18%であつた。該共延伸フイルムは
クラツク、偏肉等がほとんど無く厚みも均一で非
常に良好であつた。このフイルムを220℃つづい
て140℃空気浴中定巾で熱固定を行なつた後、フ
イルムのEVOH層の酸素透加量を測定した所、
0.3c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−65%RH)、
18c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100%RH)
であり非常に良好なガスバリアー性を示した。 比較例 10 実施例6において、ピニルメルキシシランを用
いなかつた以外は実施例6と同様に行ないエチレ
ン含有率31.8モル%、けん化度99.6モル%MI190
5.1g/10分のEVOHを得た。このEVOHを用い
て実施例6と同様に共押出成形を行なつたが、
EVOH層の厚み変動率は36%と好ましくなかつ
た。また、実施例6と同様二軸延伸を行なつた
所、部分的に微少なのびムラが認められ使用に耐
えなかつた。また、EVOH層の厚み変動による
ものか、延伸時破れを生じる確立が高いと言う問
題もあつた。延伸前EVOH層の含水率は0.21%で
あつた。 実施例 7 実施例1と同じ重合槽を用いて、以下に示す条
件で連続重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 400g/hr メタノール供給量 100g/hr ビニルトリメトキシシラン 240mg/hr 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル) 170mg/hr 重合温度 60℃ 平均滞留時間 5hr 重合槽エチレン圧力 46Kg/cm2G 酢酸ビニルの重合率は約45%であつた。該共重
合体は核磁気共鳴分析により、ビニルトリメトキ
シシラン単位を0.023モル%、酢酸ビニル単位を
61モル%、エチレン単位を約39モル%含有するこ
とが確認された。 実施例1と同様にけん化し、単離して、後処理
を行つた後、乾燥して、改質EVOHを得た。け
ん化度は99.4モル%であり、MI190は1.5g/10分
であつた。 該EVOH、飽和ポリエステル(イーストマン
社製PET−G9921)を、2種3層共射出成形機
(日精ASB)に供給し多層バリソンを作成した。
PET/Si−EVOH/PET構成品の各層の厚みは
PET層が各々1200μ、EVOH層が200μであつた。
このパイプの断面のEVOH層の厚み分布は顕微
鏡(×100倍)で見る限り均一であつた。このバ
リソンを105℃に加熱し、二軸延伸プロー成形装
置(日新ASB)にかけ、容器を作成した所外見
上、クラツクのない良好なボトル得られた。 比較例 11 実施例7において、ビニルトリメトキシシラン
を用いなかつた以外は実施例7と同様に行ないエ
チレン含有量39モル%、けん化度99.4モル%、
MI190 1.5g/10分のEVOHを得た。このEVOH
を用いて、実施例7と同様にパリソンを作成し、
延伸ブロー成形を行なつた所、ボトル表面にタテ
スジ、クラツクがまた特に口金部に近い部分(肩
部)にスジ状偏肉が認められ使用に耐えなかつ
た。
アクリルアミド−アロピルトリアセトキシシラン
を290mg/hrで用いた以外は実施例2と同様に操
作した。重合体は核磁気共鳴分析により3−アク
リルアミド−プロピルトリアセトキシシラン単位
を0.02モル%を含み、酢酸ビニル及びエチレンに
ついては実施例2とほぼ同じ組成であることが確
認された。なお該変性EVOHのけん化度は99.5モ
ル%であり、MI190は0.3g/10分であつた。 該EVOH、飽和ポリエステル(日本ユニペツ
ト社製、「ユニペツトRT533」)及び接着性樹脂
(東洋ソーダ社製メルセンM420)をマルチマニホ
ールド型3種5層共押出装置に供給し、270℃の
ダイス温度、1m/minのシート引取装置にて
PET/AD/EVOH/AD/PET構成のTotal厚
み約1mmのシートを得た。各層の厚みはPET層
が各450μ接着層が各50μ及びEVOH層が約50μで
あつた。 このシートのEVOH層の厚み変動率(吐出方
向と直角な方向の厚み分布)は3%であり、20〜
24時間の長期運転でもEVOH層のスジ、ブツ、
流れムラがほとんど認められなかつた。得られた
シートを真空圧空成形機(浅野研究所製絞り比
1.5角型金型使用)にかけ、95℃で絞り成形を行
なつた所、クラツクの無い良好な成形物が得られ
た。この容器の酸素透過量は0.4c.c.・20μ/m2・
24hr・atm(20℃−65%RH)、19c.c.・20μ/m2・
24hr・atm(20℃−65%RH)と非常に良好なガス
バリアー性を示した。 比較例 7 3−アクリルアミド−プロピルトリアセトキシ
シランを使用しなかつた以外は、実施例3と同様
に行ないエチレン含有量34.5モル%、けん化度
99.5モル%、MI190が1.9g/10分のEVOHを得
た。実施例4と同様に共押出製膜を行なつた。得
られたシートのEVOH層の厚み支持率は38%と
大きく、不均一であるばかりでなく、3〜4時間
製膜後よりスジ、ブツの発生が目立つた。また、
このシートの厚み変動が小さな部分について実施
例3と同様に深絞り成形を行なつた結果、成形品
の側面に多数の延びムラが認められた。それ故外
見上使用に耐えるものは得られなかつた。 比較例 8 比較例6で用いたEVOH100重量部に対して、
可塑剤としてジエチレングリコール10重量部を配
して、40φ押出機を用いてダイス温度220℃にて
ペレツト化を行なつた。このペレツトを95℃−16
時間乾燥した後、実施例3と同様に共押出製膜を
行なつた。得られたシートの厚み変動率は45%と
ほとんど改善の傾向は認められず、さらに悪い事
には3〜4時間後より流れムラ、スジ等が多発し
はじめた。厚み分布が比較的均一な部分をサンプ
リングし、実施例3と同様、深絞りを行なつた
所、延びむらは多少改善される方向にあつた。し
かし、この容器の酸素透過量は240c.c.・20μ/
m2・24hr・atm(20℃−100%RH)と大きく、ガ
スバリアー性容器としての使用には耐えなかつ
た。 実施例 4 実施例2において重合槽エチレン圧力を35Kg/
cm2Gとし、ケイ素含有オレフイン性不飽和単量体
としてビニルトリエトキシシランを用い、該供給
量を100mg/hrとした以外は同様に行つた。得ら
れた共重合体はビニルトリエトキシシラン単位を
0.008モル%、酢酸ビニル単位を72モル%、エチ
レン単位を約28モル%含有するものであつた。実
施例2に準じて変性EVOHを得た。けん化度は
99.4モル%であり、210℃、2160g荷重で測定し
た溶融粘性指数MI210は0.80g/10分であつた。 該EVOH、ポリエステル(日本ユニペツト
RT533)及び接着性樹脂(東洋ソーダ製メルセ
ンM5420(無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ン)}をスパイラハフロータイプ3種5層共押出
パイプ成形機に供給し、270℃のダイス温度、0.6
m/minパイプ引取装置にてPET/AD/Si−
EVOH/AD/PET構成の全層厚み3m/m、外
径30m/mのパイプを得た。各層の厚みは、PP
層が各々約1200μ、AD層が各々約150μ、EVOH
層が約200μである。このパイプの断面のEVOH
層の厚み分布は、顕微鏡(×100倍)で見る限り
均一であり、パイプの流れ方向へのスジ、ブツ、
流れムラは、外見上ほとんど認められなかつた
(約24時間連続運転)。このパイプを切断し、口部
及び底部を成形しパリソンを作成した後、100℃
に加熱後二軸延伸ブロー装置にかけ容器を作成し
た所、外見上クラツクのない良好なボトルが得ら
れた。 比較例 9 実施例4においてビニルトリエトキシシランを
用いなかつた以外は実施例4と同様に行ない、エ
チレン含有量28.3モル%、ケン化度99.5モル%、
MI190 2.3g/10分のEVOHを得た。このEVOH
を用いて実施例4と同様にパイプ成形を行ない、
断面のEVOH層を観察した所、数ケ所局部的な
厚みムラが認められた。また、パイプの流れ方向
に、EVOH層のスジ、流れムラが、認められた。
このパイプを実施例4と同様に延伸ブロー成形し
た所、ボトル表面にタテスジ、特に口金部に近い
部分(肩部)にスジ状の偏肉が認められ、使用に
耐えなかつた。 実施例 6 容量50で内部に冷却用コイルをもつ撹拌機付
重合槽において、ケイ素含有エチレン酢酸ビニル
共重合体を得るため以下に示す条件により回分式
重合を実施した。 酢酸ビニル仕込量 15Kg メタノール仕込量 5.8Kg ビニルトリメトキシシラン仕込量 6.4g 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル仕込量
2.7g 重合温度 60℃ 重合槽エチレン圧力 33Kg/cm2G 重合時間 6.5hr 酢酸ビニル重合率は31%であつた。該共重合体
は核磁気共鳴分析によりビニルトリメトキシシラ
ン単位を0.02モル%、酢酸ビニル単位を68モル
%、エチレン単位を32モル%含有することが確認
された。実施例1と同様にけん化し、単離して後
処理を行つた後、乾燥して、変性EVOHを得た。
けん化度は99.5モル%、MI190は0.55g/10分で
あつた。 該EVOH、ポリエステル(日本ユニペツト
RT335)及び接着性樹脂(東洋ソーダM5420)
を実施例4と同様な方法で共押出シートを得た。
各層の厚みはPET層が各500μ、接着層が50μ、及
びEVOH層が約50μである。このシートの厚み変
動率は7%であり、24時間連続運転してもスジ、
流れムラ、ブツなどは非常にわずかであつた。得
られたシートをパンタグラフ式二軸延伸装置(東
洋精機K.K.)にからシート温度95℃で3×3倍
の遂次二軸延伸を行なつた。この時のEVOH層
の揮発分は0.18%であつた。該共延伸フイルムは
クラツク、偏肉等がほとんど無く厚みも均一で非
常に良好であつた。このフイルムを220℃つづい
て140℃空気浴中定巾で熱固定を行なつた後、フ
イルムのEVOH層の酸素透加量を測定した所、
0.3c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−65%RH)、
18c.c.・20μ/m2・24hr・atm(20℃−100%RH)
であり非常に良好なガスバリアー性を示した。 比較例 10 実施例6において、ピニルメルキシシランを用
いなかつた以外は実施例6と同様に行ないエチレ
ン含有率31.8モル%、けん化度99.6モル%MI190
5.1g/10分のEVOHを得た。このEVOHを用い
て実施例6と同様に共押出成形を行なつたが、
EVOH層の厚み変動率は36%と好ましくなかつ
た。また、実施例6と同様二軸延伸を行なつた
所、部分的に微少なのびムラが認められ使用に耐
えなかつた。また、EVOH層の厚み変動による
ものか、延伸時破れを生じる確立が高いと言う問
題もあつた。延伸前EVOH層の含水率は0.21%で
あつた。 実施例 7 実施例1と同じ重合槽を用いて、以下に示す条
件で連続重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 400g/hr メタノール供給量 100g/hr ビニルトリメトキシシラン 240mg/hr 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル) 170mg/hr 重合温度 60℃ 平均滞留時間 5hr 重合槽エチレン圧力 46Kg/cm2G 酢酸ビニルの重合率は約45%であつた。該共重
合体は核磁気共鳴分析により、ビニルトリメトキ
シシラン単位を0.023モル%、酢酸ビニル単位を
61モル%、エチレン単位を約39モル%含有するこ
とが確認された。 実施例1と同様にけん化し、単離して、後処理
を行つた後、乾燥して、改質EVOHを得た。け
ん化度は99.4モル%であり、MI190は1.5g/10分
であつた。 該EVOH、飽和ポリエステル(イーストマン
社製PET−G9921)を、2種3層共射出成形機
(日精ASB)に供給し多層バリソンを作成した。
PET/Si−EVOH/PET構成品の各層の厚みは
PET層が各々1200μ、EVOH層が200μであつた。
このパイプの断面のEVOH層の厚み分布は顕微
鏡(×100倍)で見る限り均一であつた。このバ
リソンを105℃に加熱し、二軸延伸プロー成形装
置(日新ASB)にかけ、容器を作成した所外見
上、クラツクのない良好なボトル得られた。 比較例 11 実施例7において、ビニルトリメトキシシラン
を用いなかつた以外は実施例7と同様に行ないエ
チレン含有量39モル%、けん化度99.4モル%、
MI190 1.5g/10分のEVOHを得た。このEVOH
を用いて、実施例7と同様にパリソンを作成し、
延伸ブロー成形を行なつた所、ボトル表面にタテ
スジ、クラツクがまた特に口金部に近い部分(肩
部)にスジ状偏肉が認められ使用に耐えなかつ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 酢酸ビニル、エチレン及び下記一般式()、
()及び()で表わされるケイ素を含有する
オレフイン性不飽和単量体の中から選ばれた1種
または2種以上の共重合体をけん化して得た酢酸
ビニル成分のけん化度95モル%以上、エチレン含
有量25〜60モル%、ケイ素含有量0.0005〜0.2モ
ル%であるケイ素含有エチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物からなる層の少なくとも片面に飽和
ポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹脂層を
有する共押出ガスバリアー性多層構造体。 〔但し、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は
低級アルキル基、アリール基、またはアリール基
を有する低級アルキル基、R2は炭素数1〜40の
アルコキシル基であり、該アルコキシ基は酸素を
含有する置換基を有していてもよい。R3は水素
原子またはメチル基、R4は水素原子また低級ア
ルキル基、R5はアルキレン基または連鎖炭素原
子が酸素もしくは窒素によつて相互に結合された
2価の有機残基、R6は水素原子、ハロゲン原子、
低級アルキル基、アリール基またはアリール基を
有する低級アルキル基、R7はアルコキシル基ま
たはアシロキシル基(ここでアルコキシル基また
はアシロキシル基は酸素もしくは窒素を有する置
換基を有していてもよい。)、R8は水素原子、ハ
ロゲン原子、低級アルキル基、アリール基または
アリール基を有する低級アルキル基、R9は低級
アルキル基である。〕 2 多層構造体が加熱延伸された食品包装用容器
である特許請求の範囲第1項記載のガスバリアー
性多層構造体。 3 多層構造体が加熱延伸された後、ただちに急
冷処理した食品包装用収縮性フイルムである特許
請求の範囲第1項記載のガスバリアー性多層構造
体。 4 多層構造体が加熱延伸された後、熱処理固定
した食品包装用共延伸フイルムである特許請求の
範囲第1項記載のガスバリアー性多層構造体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13387885A JPS61290047A (ja) | 1985-06-18 | 1985-06-18 | ガスバリア−性多層構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13387885A JPS61290047A (ja) | 1985-06-18 | 1985-06-18 | ガスバリア−性多層構造体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61290047A JPS61290047A (ja) | 1986-12-20 |
| JPH0515184B2 true JPH0515184B2 (ja) | 1993-02-26 |
Family
ID=15115187
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13387885A Granted JPS61290047A (ja) | 1985-06-18 | 1985-06-18 | ガスバリア−性多層構造体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61290047A (ja) |
-
1985
- 1985-06-18 JP JP13387885A patent/JPS61290047A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61290047A (ja) | 1986-12-20 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN104603163B (zh) | 改性乙烯‑乙烯醇共聚物、其制造方法及其用途 | |
| JP6921867B2 (ja) | 樹脂組成物及びその用途 | |
| JPH068327B2 (ja) | 溶融成形材料 | |
| JP4883281B2 (ja) | 積層構造体 | |
| JPH11106592A (ja) | 樹脂組成物およびその積層体 | |
| CN101472980A (zh) | 成型品及其制造方法 | |
| JPS63230757A (ja) | 樹脂組成物 | |
| JPH069832A (ja) | 接着性樹脂組成物 | |
| KR20210154976A (ko) | 에틸렌-비닐 알코올 공중합체 및 이의 제조 방법 | |
| JP2721542B2 (ja) | エチレン―ビニルアルコールランダム共重合体、成形体および積層体 | |
| JPH10180867A (ja) | エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物延伸フィルムの製造法 | |
| JP2012207054A (ja) | 熱収縮性フィルム | |
| JP2710844B2 (ja) | エチレン‐ビニルアルコール共重合体組成物および多層構造体 | |
| JPH0515184B2 (ja) | ||
| JP2836934B2 (ja) | 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体 | |
| JP2000143736A (ja) | エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物 | |
| CN116057084A (zh) | 改性乙烯-乙烯醇系树脂和其制造方法 | |
| JP2000212369A (ja) | 樹脂組成物およびその用途 | |
| JP2860127B2 (ja) | 樹脂組成物及びその用途 | |
| JPH0515185B2 (ja) | ||
| JP3161878B2 (ja) | 多層構造体 | |
| JPS61290046A (ja) | ラミネ−ト構造体 | |
| JPH07717B2 (ja) | エチレン―ビニルアルコール共重合体組成物 | |
| JPH1158501A (ja) | 樹脂組成物の成形法 | |
| JPH09241393A (ja) | 成形物の製造法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |