JPH05154191A - 生体活性インプラント及びその製造方法 - Google Patents

生体活性インプラント及びその製造方法

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JPH05154191A
JPH05154191A JP3318876A JP31887691A JPH05154191A JP H05154191 A JPH05154191 A JP H05154191A JP 3318876 A JP3318876 A JP 3318876A JP 31887691 A JP31887691 A JP 31887691A JP H05154191 A JPH05154191 A JP H05154191A
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ceramic
ceramics
ceramic material
bioactive
substrate
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JP3318876A
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English (en)
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Tooru Nonami
亨 野浪
Hiroyasu Noma
弘康 野間
Shinya Nakajima
信也 中島
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックスの生体活性を高めると共に、
材料の低温焼成化を図り、セラミックス焼付け時の金属
基体の変形を防止し、セラミックスの密度、強度の向上
を図る。 【構成】 金属基体にセラミックス層を積層した生体
インプラントにおいて、セラミックス材料にアルカリ土
類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物の少なくとも1
種以上とSiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウム系
組成を有し、Pイオン、Caイオンを含有する水溶液中
でHAPを生成しうる生体活性セラミックス材料を用
い、且つ該セラミックス材料粉をBET値が10m2
g以上の微細粉とすることにより、焼成温度を1200
°C以下、剥離強度30MPa以上の物性をもつセラミ
ックス層とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工骨、人工歯根、人工
関節等に応用可能な生体活性インプラントに関するもの
であり、更に詳しくは、優れた生体活性を示す非燐酸カ
ルシウム系セラミックス材料を用い、これを金属等の基
体に複合したインプラントである。
【0002】
【従来の技術】これまで、人工骨、人工歯根、人工関節
等に用いられるの生体活性インプラントとしては、ステ
ンレス鋼、金属チタン、ニッケル・コバルト合金などの
金属類やアルミナ、ジルコンなどのセラミックスが用い
られてきた。
【0003】しかしながら、これらの材料は、骨等生体
組織と直接結合し同質一体化する性質(生体活性)を有
しないために、埋入手術後、繰り返し応力がかかる状況
下で時間が経過すると、骨とインプラントの境界面で隙
間を生じ、固定力が低下してぐらつきの原因にもなるこ
とがある。更に、これにより骨の吸収が生じ骨部を損な
うと共に脱落の恐れも生じうる。
【0004】これに対し、骨や歯の組成と類似した燐酸
カルシウム系材料は、生体活性を有し、生体内で経時的
に骨と同質一体化し直接結合するので、優れた生体親和
性、結合安定性を有する。
【0005】この為、最近では、水酸アパタイト(HA
P)、燐酸三カルシウム(TCP)、バイオガラス等を
主体とした燐酸カルシウム系セラミックスを用いたイン
プラントが注目されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
HAP等の燐酸カルシウム系セラミックスも新性骨と直
接結合する特徴を有するが、これらの材料によっても未
だ新生骨の成長、成熟、材料との結合には時間がかか
り、早期治癒には十分といえるものではなかった。
【0007】また、金属やアルミナ、ジルコニア等の金
属酸化物系セラミックスに比べ、機械的強度が低いた
め、セラミックス単体としては、極めて適用範囲が制限
されるという欠点があった。
【0008】また、強度補完のために金属等の高強度材
料に燐酸カルシウム系セラミックスを積層し複合化した
インプラントも特公昭58−39533等で提案されて
いるが、燐酸カルシウム系セラミックスの強度が弱いた
めに、剥離、カケの問題があった。
【0009】更に従来、生体活性を示すセラミックス材
料は生体組織と同じ燐酸カルシウム系化合物を基本とす
る組成でなければならないと、信じられていた為に組成
の選択範囲が限られ、必ずしも十分な物性改善を行う事
ができなかった。
【0010】本発明者等は、上記問題点に鑑み生体セラ
ミックス材料について種々研究を重ねた結果、CaO,
SiO2 を含むセラミックスは非燐酸カルシウム系セラ
ミックスでありながら、意外にも良好な生体活性を示す
ことを発見し、先にこれを出願した(特開平3−901
52、特願平2−131191)。
【0011】しかし、セラミック材料ペーストをチタン
等の金属基体の上に塗布、焼成してインプラントを形成
する方法では、セラミックス材料の焼成温度が金属基体
の融点を超えると基体の変形、強度の低下等の問題点を
生じるという問題点もあった。
【0012】上記非燐酸カルシュウム系セラミックス材
料は、高い機械的強度を持たせしめる為には、一般に1
000°Cを超える焼成温度を有するため、1000°
C近傍に融点を有する金属材料上に焼き付ける為には、
困難も伴った。
【0013】即ち、金属基体の融点以下の焼成では、セ
ラミックスの密度が上がらず材料自体の有する強度が得
られず、当該融点以上の焼結では、強度は得られるが基
体の変形の恐れがあった。
【0014】本発明は上記の従来のインプラントが持つ
欠点を克服し、優れた生体活性と強度を有するインプラ
ントを提供する事を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金属等
の基体表面にセラミックスを積層して成る生体インプラ
ントにおいて、当該外表面を構成するセラミックスがア
ルカリ土類金属酸化物およびアルカリ金属酸化物よりな
る群から選ばれた少なくとも一種以上の金属酸化物と、
SiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウム系組成を有
し、Caイオン、Pイオンを含有する水溶液中で表面に
燐酸カルシウム系化合物を析出しえる生体活性セラミッ
クス材料から成り、当該セラミックス材料の焼成温度が
500°C以上、且つ当該金属基体の軟化点以下であ
り、当該セラミックス材料の剥離強度が30MPa以上
である事を特徴とする生体活性セラミックインプラント
である。
【0016】また本発明のインプラントは、特に、下記
の構成を好ましい特徴として有しうるものである。即
ち、前該セラミックス材料の焼成温度が800°C〜1
200°Cである事。セラミックスの結晶粒径が0.0
1〜2μmである事。
【0017】また前記セラミックの組成については、実
質的に燐を含有しない組成である事。そして、前記アル
カリ土類金属酸化物がCaOを必須成分とする組成であ
るか、またはBaO,MgO,SrOの少なくとも一種
であり、且つCaOを実質的に含まない組成であるこ
と。
【0018】また本発明は、上記インプラントの製造方
法として,金属等の基体表面に、アルカリ土類金属酸化
物またはアルカリ金属酸化物の少なくとも一種以上の金
属酸化物と、SiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウ
ム系組成よりなるセラミック材料粉ペーストを塗布し、
500°C以上、且つ当該金属基体の軟化点以下温度範
囲で焼き付けた事を特徴とする生体活性セラミックイン
プラントの製造方法を含むものであり、特に、セラミッ
クス材料粉のBET値が10m2 /g以上であり、セラ
ミックス材料粉が液相合成法より製造された事が好まし
い。
【0019】
【作用】本発明では、セラミックス材料として、従来の
燐酸カルシウム系焼結セラミックスを用いず、アルカリ
土類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物の少なくとも
一種以上とSiO2 を含有する組成から成るセラミック
スを用い、かつ当該セラミックス原材料粉末の微細化に
より、活性を高め、金属基体の融点以下に焼成温度を低
下させる。
【0020】これにより、金属基体の変形を伴わず焼き
付け等のが可能となる。
【0021】また低温焼成化によりセラミックス層の結
晶粒径、結晶化度を低下させ生体骨との親和性を高め
る。
【0022】〔具体的構成〕以下本発明の具体的構成を
説明する。
【0023】〔基体材料〕本発明のインプラントは棒状
等の基体上にインプラント外表面を構成するセラミック
スを積層・複合化した構造を有する。
【0024】ここで用いられる基体材料は、生体に為害
性が無く、一定以上の強度(通常500MPa以上)が
あれば特に制限はないが、一般に金属チタン、チタン合
金、ステンレス鋼、ニッケル−コバルト合金、コバルト
−クロム合金、純タンタル等が用いられる。
【0025】生体親和性の点では、金属チタン、チタン
合金が好ましいが、セラミックスを焼き付ける為には、
融点は高いものがより好ましい。
【0026】〔セラミックス材料〕本発明に用いられる
セラミックス材料は、アルカリ土類金属酸化物またはア
ルカリ金属酸化物の少なくとも一種以上とSiO2 を含
有する組成から成るセラミック材料であり、且つ基本成
分として燐を実質的に含有しない非燐酸カルシウム系セ
ラミック材料である。
【0027】そして、本材料は、非燐酸カルシウム系で
ありながら生体活性を示し、Caイオン、Pイオンを含
有する水溶液(例えば体液、擬似体液)と接触した場
合、その接触面において燐酸カルシウム系化合物例えば
水酸アパタイト(HAP)を生成することを特徴とす
る。
【0028】これにより、生体内に移植した場合、体液
と反応して生体骨との接触面に生体親和性の良好なHA
Pが迅速、均一に析出し、新生骨の生成を促進する。
【0029】特に、ここで生成されたHAPは、通常の
焼結法でえられたHAPと異なり、極めて結晶化度が低
く、生体骨と近似した構造を有するため、新生骨の生
成、成熟が早く、またインプラントとの結合も迅速とな
る。
【0030】しかも、このようにして形成された生体骨
との結合部分は、組成中の成分が濃度勾配を形成し、結
晶的にもインプラントと生体骨の間で連続したものとな
っているので、非常に強固な結合を生じる。
【0031】これに対し、従来の焼結HAPからなるイ
ンプラントは表面に燐酸カルシウム系化合物を析出する
ことが無く、また骨との結晶化度も異なるので、新生骨
の生成は不均一で遅く、早期固定が弱いものとなる。
【0032】〔セラミックスの低温焼成化〕本発明で
は、金属等の基体上にセラミックスを焼き付け等で積層
する為、基体材料の融点以下にセラミックスの焼成温度
を抑えることが重要である。
【0033】例えば、主な金属材料の溶融温度としては
金属チタンでは1668°C、Ti−6Al−4V合金
では1650°C、ステンレス鋼では1400°C,ニ
ッケル合金では1300°C、である。
【0034】従って、セラミックスの焼成温度は120
0°C以下、好ましくは1000°C以下にする事が好
ましい。
【0035】低温焼成化の方法としては、後述の組成を
調整する方法のほか、原料粉末の微細化等によりセラミ
ックスの活性度を高める方法、セラミックス粉末に低融
点のガラスフリットを混合して焼成温度を低下する方法
が有効である。
【0036】これらは別個に用いることも出来るが、相
互組み合わせて実施するのが好ましい。
【0037】セラミックスの活性度を高める方法として
は、原料粉末の微細化を行う方法、セラミックス原料粉
の表面を酸処理し活性化する方法等がある。
【0038】原料粉末の微細化としては、セラミックス
の原料粉末粉径をBET値粒度で好ましくは5m2 /g
以上、より好ましくは10 〜200m2 /gの範囲に
する。
【0039】ここで、前記範囲より粒径が大きくBET
値が低いと低温焼成化が図られ難く、逆に前記範囲より
粒径が小さくBET値が高いと製造が通常困難となるた
めである。
【0040】また、活性を高めるうえでは、セラミック
ス材料粉末が微細であるとともに、均一であることがよ
り好ましい。
【0041】上記のような材料粉末を焼成前に塩酸等で
酸処理し、表面の活性を高めることを行っも良い。
【0042】また他にも、低融点ガラスフリットをセラ
ミックス粉末に混合してマトリックス状態にし、焼成温
度を低下させる方法も有効である。
【0043】この方法は、セラミックス粉末と低融点ガ
ラスフリットを水等の溶媒で混合してペースト化し、こ
れを基体に塗布、焼成して溶着するものである。
【0044】しかし、ガラスの添加は焼成温度の低下に
は有効であるが、生体活性を低下させる傾向があるの
で、生体活性の点では上記のセラミックスの活性度を高
める方法がより好ましい。
【0045】焼成温度は、ガラスの軟化温度以上で通常
400〜1000°Cで行なう。
【0046】ガラスとしては、例えば、シリカ系、ホウ
酸塩系、ケイ酸塩系、ホウケイ酸塩系、リン酸塩系等の
ものが挙げられ、特にホウケイ酸塩系ガラスは処理温度
が適当なので好ましい。
【0047】ガラスの配合量は、被覆材料全量に対し通
常5〜80重量%、好ましくは15〜60重量%の割合
で配合される。この配合量が上記範囲未満では、被着性
が低下し、これを越えると生体活性を低下させる。
【0048】〔セラミックス材料の合成方法〕本発明に
用いるセラミックス材料粉末は乾式合成法、湿式合成法
等により合成することができるが、微細で均一な粉末を
生成する為には、噴霧熱分解法、共沈法や沈澱法等の液
相合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法等の方法を用い
るのが好ましい。
【0049】即ち、噴霧熱分解法は、所望組成に調整
したセラミックス成分イオンを含む水溶液をガスまたは
超音波振動子により霧化し、これを加熱し合成を行うも
のであり、球状、中空の微細粒子を得ることができる。
また、得られた中空粒子を更に粉砕し、BET値を高め
ることも好ましい。
【0050】共沈法は、各セラミックス成分イオンを
水溶液状態で均一混合した後、溶解度の差を利用して化
学的に混合成分を同時に固相として析出させるものであ
り、成分純度が高く、60m2 /g以上の微粒子を得る
事が出来る。
【0051】アルコキシド法は、Caアルコキシドや
Siアルコキシド等を混合し、各セラミックス成分を含
むアルコキシド溶液を用意し、これを加水分解反応させ
て合成するものであり、高純度でBET値の大きい微細
粒子を得ることができる。
【0052】ゾルゲル法は、所望成分を水溶液で混合
しゾル状態とし、それを脱水しゲル化し、仮焼して酸化
物とするものである。
【0053】〔セラミックス材料組成〕本発明に使用す
るセラミックス材料の代表的セラミックス組成として
は、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物
の少なくとも一種以上とSiO2 を重量比で1:4ない
し6:1の範囲に有るものであり、好ましくは1:3な
いし2:1の範囲のものである。この範囲外では、生体
親和性または強度が低下するためである。
【0054】本組成において、SiO2 の添加量を増加
させることにより、熱膨張係数を増加させることができ
る。これにより金属基体の熱膨張係数との整合を図るの
が好ましい。
【0055】前記の金属基体上にセラミックス材を積層
する場合、SiO2の含有量をセラミックス組成全体に
対し30〜75重量%の範囲、好ましくは35〜70重
量%の範囲で含有させる事により熱膨張係数の比を0.
5〜1.5の範囲に制御する事ができる。
【0056】アルカリ土類金属酸化物としては、主にC
aO,MgO,SrO,BaO等の中から1種もしくは
2種以上が選ばれ、好ましくはCaO,MaOの中から
選ばれる。
【0057】{CaO必須組成}アルカリ土類金属酸化
物の中では、析出するHAP成分を含むCaOを必須成
分としたものが生体活性、強度、製造の容易さの点で好
ましい。
【0058】特に、セラミックス組成中にCaOを20
〜90重量%、特に30〜70重量%含有するものが好
ましい。
【0059】またCaOを必須成分とし、その一部にM
gO,SrO,BaO等の他のアルカリ土類金属酸化物
を用いることもでき、特にMgOの含有は、低温焼成化
と共に熱膨張係数の調整に寄与し好ましい。
【0060】即ち、(1−x)CaO・xMgO・2S
iO2 で示される組成において、xを増加させると熱膨
張係数が減少し、xを低下させると熱膨張係数が増大す
る。
【0061】MgOの含有量は、好ましくは、セラミッ
クス組成中に0.1〜60重量%の範囲で含有させる。
【0062】特に低温焼成化を図る場合には0.1〜3
5重量%の範囲が好ましく、またCaOを主体とする材
料系では、例えばCaO=10〜88重量%、MgO=
2〜35重量%、SiO2 =10〜80重量%、好まし
くはCaO=18〜47重量%、MgO=10〜25重
量%、SiO2 =37〜68重量%の範囲が好ましい。
【0063】{CaOを含有しない組成系}当初は、セ
ラミックス上でのHAPの生成については、HAP成分
を含むCaOの存在が不可欠と考えられた。しかし、そ
の後の研究により意外にもCaOを含まない組成系にお
いてもHAPの生成能があることを発見した。また、こ
の組成系においても従来の燐酸カルシウム系セラミック
ス以上の生体活性を示すことが判った。
【0064】即ち、CaOにかえて、MgO,SrO,
BaO等の他のアルカリ土類金属酸化物および/または
アルカリ金属酸化物の少なくとも一種以上の金属酸化物
を用いることも可能であり、この場合、CaOを実質的
に含有しない組成とすることも可能である。
【0065】MgO,SrO,BaO等の他のアルカリ
土類金属酸化物を用いる場合には、その含有量はは、セ
ラミックス組成中に0.1〜90重量%の範囲で用いら
れ、合計量としてセラミックス組成中に20〜90重量
%、特に30〜70重量%含有するものが好ましい。
【0066】また、上記のアルカリ土類金属酸化物にか
えて、またはその一部にアルカリ金属酸化物を用いるこ
とができる。
【0067】この場合は、主としてNa2 O,K2 O,
Li2 Oの中から1種もしくは2種以上が選ばれ、好ま
しくはCaO,MgOへの添加組成として用いられる。
【0068】この場合のアルカリ土類金属酸化物の含有
量は、セラミックス組成中に0.1〜90重量%の範囲
で用いられ、合計量としてセラミックス組成中に0.1
〜70重量%、特に50重量%以下の範囲が強度、生体
活性の点で好ましい。
【0069】{組成領域例}本発明で用いるセラミック
ス組成は、アルカリ土類金属酸化物を含有する材料系で
は、例えば、ディオプサイト(Diopside:(C
a,Mg)O−MgO−2SiO2 特に2SIO2 −C
aO−MgO)、ウオラトナイト(Wollaston
ite:β−(Ca,Mg)O−SiO2 特にCaO−
SiO2 )、エーライト(alite:3CaO−Si
O)、ベライト(belite:2CaO−Si
2 )、アーケルマナイト(Akermanite:2
CaO−MgO−2SiO2 )、モンチセライト(Mo
nticellite:CaO−MgO−SiO2 )、
ホルステライト(Forsterite:2(Mg,C
a)O−SiO2 )、プロトエンスタタイト(Prot
oenstatite:((Mg,Ca)O−Si
2 ))、トリジマイト(Tridymite:SiO
2 )などの領域に属するセラミックス材料を挙げること
ができる。
【0070】CaOを必須とする材料系では、好ましい
のはディオプサイト、ウオラトナイト、エーライト、ベ
ライト、アーケルマナイト、モンチセライトの各領域の
ものであり、中でも特に比較的低温で焼結しうるディオ
プサイト領域のもの、ウオラトナイト領域のものを主体
とするセラミックスは強度も高く好ましい。
【0071】また、CaOを含有しない材料系ではホル
ステライト領域のものが好ましい。
【0072】尚、上記の好ましい組成領域のセラミック
ス材料のみならず、前記の他の化合物との混合物も用い
る事ができる。
【0073】アルカリ金属酸化物を含有する材料系で
は、SiO2 −K2 O,SiO2 −Li2 O−MgO,
SiO2 −Li2 O−TiO2 ,SiO2 −TiO2
CaO,SiO2 −Na2 O系等の組成系のものがあ
る。
【0074】特に低温焼成できるのは、SiO2 −K2
O,SiO2 −Na2 O系のものである。
【0075】本発明で用いるセラミックスには、前記し
た成分の他に、必要に応じて所望の物性を損なわない程
度の量、通常は5重量%以下の範囲で任意成分、例えば
TiO2 ,ZnO,B2 3 ,FeO,ZrO2 等を配
合する事ができる。
【0076】特に、TiO2 等金属基体材料の酸化物を
セラミック中に含有せさることにより金属基体及び中間
層との接合強度の向上を図ることもできる。
【0077】但し、Al2 3 の含有は生体活性を低下
する傾向があるので余り好ましくない。
【0078】〔積層方法〕金属基体へのセラミックスの
積層方法としては、例えば、焼付け法等が好適に用いら
れる。
【0079】即ち、前記のセラミックス材料粉末に有機
樹脂等のバインダ成分やアルコ−ル類の溶媒成分を混合
し、ペ−スト化し、このペ−ストを金属基体上に塗布
し、焼成して焼き付けを行う。これにより、強固な接合
が可能になる。
【0080】この場合の焼成温度は、500°C以上で
金属基体の溶融温度以下、好ましくは800〜1200
°C、より好ましくは1000°C以下とする。
【0081】また、このほか溶射法、またはスパッタ法
等の気相成膜法等により積層することも可能である。
【0082】尚、溶射法により行う場合は、HAP材料
では高温加熱時にTCPへの転化が生じやすいが、本発
明の材料系ではこれらの転化は生じにくく有利である。
【0083】また、スパッタ法による場合は、通常、ス
パッタ後に熱処理を行うが、本発明の材料では、100
0°C以下の温度で可能となり、基体の変形を生じさる
おそれがない。
【0084】〔セラミックス被覆層の厚み〕金属基体上
に設けるセラミックス被覆層の厚みは、1〜5000μ
m、好ましくは10〜2000μm、更には50〜10
00μmが好ましい。
【0085】この範囲未満では新生骨の生成が不十分と
なりやすく、またこの範囲を越えると剥離強度が低下し
易い。
【0086】〔セラミックス被覆層の表面粗さ〕セラミ
ックス層の表面粗さは1〜200μmが好ましく、特に
5〜100μmが好ましい。
【0087】この範囲未満では表面が滑りやすくアンカ
ー効果がえられにくく、またこの範囲を越えると骨との
接触面が少なくなり、結合速度が遅くなる。
【0088】〔多孔質化〕また、強度を損なわない範囲
で、このセラミックス層の一部または全部を独立気孔及
び連続気孔を有する多孔質体にすることもできる。この
場合予め焼き付けた緻密質セラミックス層の上に多孔質
層を形成しても良い。
【0089】これにより骨芽細胞の保持及び骨芽細胞、
血液等の流通を促し、新生骨の生成、結合を促進するこ
とができる。
【0090】この多孔質層は、生体親和性の点では通
常、気孔径5〜2000μm、好ましくは10〜100
μm、気孔率は10〜80%、好ましくは20〜70
%、更には25〜60%の範囲が好ましい。
【0091】この多孔質層は、セラミックスの原材料粉
末に結晶性セルロース等の熱分解性物質粒子を所望の寸
法、量で混合し基体に焼き付けることにより製造でき
る。
【0092】熱分解性物質粒子としては、通常平均粒径
5〜2000μm、好ましくは10〜100μmのもの
を用い、セラミックス材料粉100重量部に対し通常1
0〜200重量部、好ましくは20〜100重量部の範
囲で混合する。
【0093】〔セラミックスの結晶粒径〕金属基体上に
焼付けられたセラミックスは、通常平均結晶粒径が0.
001〜100μmの範囲とする事が好ましい。
【0094】また、1000°C以上の焼成温度を有す
る材料では、0.01〜50μmの範囲が好ましく、
0.1〜20μmの範囲が更に好ましい。
【0095】他方、低温焼成材料では1μm以下が好ま
しく、0.1μm以下が更に好ましい。
【0096】結晶粒径がこれ未満だと製造が困難であ
り、他方これを超えると強度が低下するからである。
【0097】尚、結晶粒径は走査型電子顕微鏡(SE
M)により測定した結晶粒子面積からこれを円と仮定し
てその平均直径を求めて測定できる。
【0098】〔セラミックス層の剥離強度〕金属基体上
に焼付けられたセラミックスの剥離強度は、高いほど好
ましいが、生体内への埋め込み後の安定性の為には、後
述の剥離強度試験方法により測定して少なくとも30M
Pa以上、より好ましくは40MPa以上、更にこのま
しくは50MPa以上とする。
【0099】
【実施例】以下、本発明を実施例を示し説明する。
【0100】〔材料例A〜C〕Ca(C2 5 O)2
Si(C2 5 O)4 を所定割合にて混合してアルコキ
シド溶液をえた。これをアルコ−ルで10倍に薄め、5
0°CでPH9〜10で攪拌しながら水を加えて、沈澱
物を生成させた。この沈澱物を濾別し、乾燥してセラミ
ックス材料を得て、更に、これを800°Cで仮焼後、
粉砕してセラミックス材料粉とした。
【0101】ここで得られた、セラミックス材料粉の組
成、BET値を第1表に示す。
【0102】〔材料例D〜I〕上記と同様にアルコキシ
ド法により第1表に記載のセラミックス材料粉を得た。
これらのセラミックス材料粉の組成、BET値も第1表
に示す。
【0103】〔材料例J、K〕平均粒径5μmのCa
O,MgO及びSiO2 の粉末を所定割合で混合し80
°Cで5分間乾燥した後、950°Cで5時間仮焼し
た。次いでこの仮焼物を粉砕して、セラミックス材料粉
(材料例J)とした。
【0104】また同様に乾式合成法により得たHAP材
料についても、粉砕しセラミックス材料粉を得た(材料
例K)。
【0105】これらのセラミックス材料粉の組成、BE
T値も第1表に示す。
【0106】〔実施例1〜10、比較例11〕前記のセ
ラミックス材料粉をアルコ−ル溶媒と混合し塗布溶液と
し、これを、第2表に記載の金属基体上に塗布し、焼
成、焼き付けを行い各種サンプルを得た。各サンプルの
基体材料、及び焼成温度は第2表に記載のものとした。
【0107】また、各サンプルについて、セラミックス
層の剥離強度、焼成による基体の変形、生体活性につい
て調べた。
【0108】セラミックス層の剥離強度は、次の方法
により測定した。
【0109】長さ18mm、直径3mmの円柱状金属基
体をブラスト処理し、この表面に、厚さ200μmのセ
ラミックス層を形成してサンプルとし、このサンプルの
上面及び下面を露出した状態でエポキシ樹脂に埋め込み
硬化してサンプルを固定し、当該サンプルの露出した上
面部分を棒状の金属ピストンで押して、押し出し試験を
行なった。剥離強度はサンプルがエポキシ樹脂体から押
し出された時の圧力により評価した。尚、この時のヘッ
ドスピードは0.5mm/minで行なった。
【0110】基体の変形は、サンプルの外形寸法測定
により行った。
【0111】生体活性は、Na+ 142.0mmo
l,K+ 5.0mmol,Mg2+1.5mmol,Ca
2+2.5mmol,Cl- 148.8mmol,HCO
3 - 4.2mmol,及びHPO4 2- 1.0mmolを
含有する水溶液から成る擬似体液150mlを37°C
に保ち、この中に各サンプルを浸漬し14日後にSEM
でHAP析出相の有無を測定した。ここで、その析出の
程度により、全体に均一にHAPが析出しているものを
◎印、一部に析出しているものを〇印により表示した。
【0112】尚、析出相の成分は電子線回析により確認
した。
【0113】各結果を第2表に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】〔比較例12〕平均粒径5μmのCaO粉
末を73.7重量%と,SiO2 粉末26.3重量%を
混合し80°Cで5分間乾燥した後、950°Cで5時
間仮焼した。次いでこの仮焼物を粉砕して、BET値3
のセラミックス材料粉(材料例L)を得た。
【0117】このセラミックス材料粉末をアルコ−ル溶
媒と混合し塗布溶液とし、これをNi合金(融点130
0°C)基体上に塗布し、焼成、焼き付けを行いサンプ
ルを得た。
【0118】この結果、得られたサンプルのセラミック
ス被覆層は高強度は得られたが、金属基体に歪みが生じ
ていた。
【0119】以上のように、比較例のBET値が小さく
粒径の大きい原材料粉末を用いる場合には、低温の焼成
では密度が得られず、剥離強度が低下した。
【0120】また、セラミックス密度を上げる為、高温
焼成すると金属基体に変形をきたした。
【0121】これに対し、本発明のインプラントでは原
材料粉末が均一微細で活性度が高く低温にて焼成しても
密度がえられ、剥離強度を向上させることができた。
【0122】
【発明の効果】本発明では、セラミックス材料として、
従来の燐酸カルシウム系焼結セラミックスを用いず、ア
ルカリ土類金属酸化物またはアルカリ金属酸化物の少な
くとも一種以上とSiO2 を含有する組成から成るセラ
ミックスを用い、且つ当該セラミックス原料粉末の微細
化等により活性度を高め、焼成温度を金属基体の融点以
下にすることにより、金属基体にセラミックスを焼き付
けた場合でも、基体の変形を招くことなく、焼成密度と
強度の向上が図れる。
【0123】また結晶粒径、結晶化度を低下させること
により、生体骨との親和性を高めることもできる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工骨、人工歯根、人工
関節等に応用可能な生体活性インプラントに関するもの
であり、更に詳しくは、優れた生体活性を示す非燐酸カ
ルシウム系セラミックス材料を用い、これを金属等の基
体に複合したインプラントに関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】これまで、人工骨、人工歯根、人工関節
等に用いられるの 体インプラントとしては、ステンレ
ス鋼、金属チタン、ニッケル・コバルト合金などの金属
類やアルミナ、ジルコニアなどのセラミックスが用いら
れてきた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】本組成において、SiO2 の添加量を増加
させることにより、熱膨張係数を低下させることができ
る。これにより金属基体の熱膨張係数との整合を図るの
が好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】即ち、CaO・MgO・2SiO2
示される組成において、xを増加させると熱膨張係数が
増大しyを増加させると熱膨張係数が減少する。例え
ば、CaO・2SiO 2 、1/2CaO・1/2MgO
・2SiO 2 、MgO・2SiO 2 、の各組成の熱膨張
係数はそれぞれ10.0×10 -6 、9.5×10 -6
7.5×10 -6 となる。これにより熱膨張係数の調整が
可能である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体表面にセラミックスを積層して成る生
    体インプラントにおいて、当該外表面を構成するセラミ
    ックスがアルカリ土類金属酸化物およびアルカリ金属酸
    化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種以上の金属
    酸化物と、SiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウム
    系組成を有し、Caイオン、Pイオンを含有する水溶液
    中で表面に燐酸カルシウム系化合物を析出しえる生体活
    性セラミックス材料から成り、当該セラミックス材料の
    焼成温度が500°C以上、且つ当該基体の軟化点以下
    であり、当該セラミックス材料の剥離強度が30MPa
    以上である事を特徴とする生体活性セラミックインプラ
    ント。
  2. 【請求項2】前記セラミックス材料の焼成温度が800
    °C〜1200°Cである事を特徴とする請求項第1に
    記載の生体活性セラミックインプラント。
  3. 【請求項3】前記セラミックスの結晶粒径が0.01〜
    2μmである事を特徴とする請求項第1から第2のいず
    れかに記載の生体活性セラミックインプラント。
  4. 【請求項4】前記セラミックが実質的に燐を含有しない
    事を特徴とする請求項第1から第3のいずれかに記載の
    生体活性セラミックインプラント。
  5. 【請求項5】前記アルカリ土類金属酸化物がCaOを必
    須成分とする組成であることを特徴とする請求項第1か
    ら第4のいずれかに記載の生体活性セラミックインプラ
    ント。
  6. 【請求項6】前記アルカリ土類金属酸化物がBaO,M
    gO,SrOの少なくとも一種であり、且つCaOを実
    質的に含まない組成であることを特徴とする請求項第1
    から第5のいずれかに記載の生体活性セラミックインプ
    ラント。
  7. 【請求項7】基体表面に、アルカリ土類金属酸化物また
    はアルカリ金属酸化物の少なくとも一種以上の金属酸化
    物と、SiO2 を必須成分とする非燐酸カルシウム系組
    成よりなるセラミック材料粉ペーストを塗布し、500
    °C以上、且つ当該金属金属基体の軟化点以下温度範囲
    で焼き付けた事を特徴とする生体活性セラミックインプ
    ラントの製造方法。
  8. 【請求項8】前記セラミックス材料粉のBET値が10
    2 /g以上である事を特徴とす請求項第7に記載の生
    体活性セラミックインプラントの製造方法。
  9. 【請求項9】前記セラミックス材料粉が液相合成法より
    製造された事を特徴とする請求項第7から第8のいずれ
    かに記載の生体活性セラミックインプラントの製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102626345A (zh) * 2012-04-12 2012-08-08 王玉元 人工牙纯钛螺旋种植体表面熔附生物活性材料的方法

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