JPH05154672A - 高強度および高靱性クラッド鋼板の製造法 - Google Patents
高強度および高靱性クラッド鋼板の製造法Info
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- JPH05154672A JPH05154672A JP31677391A JP31677391A JPH05154672A JP H05154672 A JPH05154672 A JP H05154672A JP 31677391 A JP31677391 A JP 31677391A JP 31677391 A JP31677391 A JP 31677391A JP H05154672 A JPH05154672 A JP H05154672A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐食性に優れた高強度および高靱性クラッド
鋼板を製造する。 【構成】 C:0.03重量%以下を含有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼またはオーステナイト系Ni基合金から
なる合せ材と、C:0.08 重量%以下を含有する炭素鋼ま
たは低合金鋼からなる母材とから非対称クラッドスラブ
を組立て、該非対称クラッドスラブを、1050℃以上の温
度域に加熱し、850 〜1000℃の温度域で30%以上の累積
圧下を加えた後、750 〜850 ℃の温度域で30%以上の累
積圧下を加えて750 ℃以上850 ℃以下の温度域で圧延を
終了し、その後空冷する。
鋼板を製造する。 【構成】 C:0.03重量%以下を含有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼またはオーステナイト系Ni基合金から
なる合せ材と、C:0.08 重量%以下を含有する炭素鋼ま
たは低合金鋼からなる母材とから非対称クラッドスラブ
を組立て、該非対称クラッドスラブを、1050℃以上の温
度域に加熱し、850 〜1000℃の温度域で30%以上の累積
圧下を加えた後、750 〜850 ℃の温度域で30%以上の累
積圧下を加えて750 ℃以上850 ℃以下の温度域で圧延を
終了し、その後空冷する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度および高靱性ク
ラッド鋼板の製造法に関する。
ラッド鋼板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】腐食環境にさらされる部材用の素材、例
えば腐食性のガス・石油輸送管用の素材として、クラッ
ド鋼板の需要が高まっている。しかも、これまでステン
レス鋼等の耐食性材料を合せ材とするクラッド鋼板に要
求される特性は、主として優れた耐食性であったが、近
年では、母材側にさらに高強度および高靱性が要求され
るようになってきた。
えば腐食性のガス・石油輸送管用の素材として、クラッ
ド鋼板の需要が高まっている。しかも、これまでステン
レス鋼等の耐食性材料を合せ材とするクラッド鋼板に要
求される特性は、主として優れた耐食性であったが、近
年では、母材側にさらに高強度および高靱性が要求され
るようになってきた。
【0003】クラッド鋼板の従来の製造法として、特開
昭60−216984号公報には、2枚の合せ板を2枚の母材間
に挿入してなるサンドイッチ型組立スラブ (以下、「対
称クラッドスラブ」という) を圧延してステンレスクラ
ッド鋼板を製造する際に、前記対称クラッドスラブを10
50℃以上の温度に加熱し、次いで前記対称クラッドスラ
ブを、850 ℃以上950 ℃以下の温度域、30%以上80%未
満の累積圧下率で、かつ、850 ℃以上の仕上がり温度で
圧延し、その後直ちに450℃以上650 ℃以下の温度域に
加速冷却した後、放冷する方法が、特開昭63−130283号
公報には、C:0.05重量%(以下、本明細書においては
特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味する
ものとする)以下を含有する鋼母材と高合金鋼合せ材と
をクラッドスラブに組立てて加熱した後、1000℃以下90
0 ℃超の温度域で製品厚の2倍以上の厚みを残して粗圧
延を行い、さらに900 ℃以下800 ℃以上により仕上げ圧
延を行う方法が、さらに、特開平2−30712 号公報に
は、合せ材と母材とから構成される組立てコンポジット
を1050℃以上に加熱して、前記合せ材の平均温度が900
℃を超えるように圧延を完了させ、次いで800 ℃以上か
つ850 ℃以下の温度域までを2℃/sec未満の冷却速度で
冷却した後、800 ℃以上の温度から2℃/sec以上20℃/s
ec以下の平均冷却速度で450 ℃以上550 ℃以下の温度域
まで冷却し、その後空冷する方法が、それぞれ提案され
ている。
昭60−216984号公報には、2枚の合せ板を2枚の母材間
に挿入してなるサンドイッチ型組立スラブ (以下、「対
称クラッドスラブ」という) を圧延してステンレスクラ
ッド鋼板を製造する際に、前記対称クラッドスラブを10
50℃以上の温度に加熱し、次いで前記対称クラッドスラ
ブを、850 ℃以上950 ℃以下の温度域、30%以上80%未
満の累積圧下率で、かつ、850 ℃以上の仕上がり温度で
圧延し、その後直ちに450℃以上650 ℃以下の温度域に
加速冷却した後、放冷する方法が、特開昭63−130283号
公報には、C:0.05重量%(以下、本明細書においては
特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味する
ものとする)以下を含有する鋼母材と高合金鋼合せ材と
をクラッドスラブに組立てて加熱した後、1000℃以下90
0 ℃超の温度域で製品厚の2倍以上の厚みを残して粗圧
延を行い、さらに900 ℃以下800 ℃以上により仕上げ圧
延を行う方法が、さらに、特開平2−30712 号公報に
は、合せ材と母材とから構成される組立てコンポジット
を1050℃以上に加熱して、前記合せ材の平均温度が900
℃を超えるように圧延を完了させ、次いで800 ℃以上か
つ850 ℃以下の温度域までを2℃/sec未満の冷却速度で
冷却した後、800 ℃以上の温度から2℃/sec以上20℃/s
ec以下の平均冷却速度で450 ℃以上550 ℃以下の温度域
まで冷却し、その後空冷する方法が、それぞれ提案され
ている。
【0004】このように、これまでのクラッド鋼板の製
造法は、合せ材と母材との密着性向上および合せ材の耐
食性劣化防止の観点から、圧延仕上温度を800 ℃以上と
高めに設定し、この圧延仕上温度範囲を前提として母材
の強度および靱性を可及的に確保しようとするものであ
った。
造法は、合せ材と母材との密着性向上および合せ材の耐
食性劣化防止の観点から、圧延仕上温度を800 ℃以上と
高めに設定し、この圧延仕上温度範囲を前提として母材
の強度および靱性を可及的に確保しようとするものであ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、耐食性を確保するために圧延仕上温度を高くする
と、得られるクラッド鋼板の母材に高強度および高靱性
をもたらすには限界があり、近年要求されるような高強
度および高靱性を得ることはできなかった。ここに、本
発明の目的は、上記課題を解決することが可能な高強度
および高靱性クラッド鋼板の製造法を提供することにあ
る。
うに、耐食性を確保するために圧延仕上温度を高くする
と、得られるクラッド鋼板の母材に高強度および高靱性
をもたらすには限界があり、近年要求されるような高強
度および高靱性を得ることはできなかった。ここに、本
発明の目的は、上記課題を解決することが可能な高強度
および高靱性クラッド鋼板の製造法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】クラッド鋼板の製造にお
いては、まず、合せ材と母材との密着性および合せ材の
耐食性をそれぞれ確保する必要があり、さらに母材の高
強度および高靱性を確保する必要がある。
いては、まず、合せ材と母材との密着性および合せ材の
耐食性をそれぞれ確保する必要があり、さらに母材の高
強度および高靱性を確保する必要がある。
【0007】ところで、公知文献である「圧力技術21(1
983)p.139 」によれば、クラッド鋼板において、合せ材
のC含有量を低く設定しておくことにより、圧延仕上温
度を低下とするとともにその後に熱処理を施しても、得
られる製品の耐食性は劣化しないことが報告されてい
る。そこで、本発明者は、この報告を活用し、合わせ材
と母材との密着性は850 ℃以上1000℃以下の高温域にお
ける累積圧下率を限定することにより確保しつつ圧延仕
上温度を低く押えることにより、前記課題を解決するこ
とができるのではないかと考え、さらに検討を重ねた。
その結果、 圧延仕上温度を低下した場合にも合せ材の耐食性を確
保するため、合せ材のC含有量を0.03重量%以下と抑制
すること、および 合せ材と母材との密着性を確保するため、 850℃以上
1000℃以下における累積圧下率を30%以上確保すること により、最終的な仕上圧延温度を800 ℃未満に低下させ
ても、得られるクラッド鋼板の密着性および耐食性と
も、高温での仕上圧延を行ったクラッド鋼板に何ら遜色
ないことを知見した。
983)p.139 」によれば、クラッド鋼板において、合せ材
のC含有量を低く設定しておくことにより、圧延仕上温
度を低下とするとともにその後に熱処理を施しても、得
られる製品の耐食性は劣化しないことが報告されてい
る。そこで、本発明者は、この報告を活用し、合わせ材
と母材との密着性は850 ℃以上1000℃以下の高温域にお
ける累積圧下率を限定することにより確保しつつ圧延仕
上温度を低く押えることにより、前記課題を解決するこ
とができるのではないかと考え、さらに検討を重ねた。
その結果、 圧延仕上温度を低下した場合にも合せ材の耐食性を確
保するため、合せ材のC含有量を0.03重量%以下と抑制
すること、および 合せ材と母材との密着性を確保するため、 850℃以上
1000℃以下における累積圧下率を30%以上確保すること により、最終的な仕上圧延温度を800 ℃未満に低下させ
ても、得られるクラッド鋼板の密着性および耐食性と
も、高温での仕上圧延を行ったクラッド鋼板に何ら遜色
ないことを知見した。
【0008】本発明者は、さらに検討を重ねた結果、 母材の強度および靱性を確保するためには母材のC含
有量を0.08重量%以下と抑制するとともに、 一枚の母材の片面に一枚の合せ材を接合した非対称組
立クラッド鋼板 (オープンサンドイッチクラッド鋼板)
を製造する場合には、圧延時に生じる鋼板のそり防止、
および合せ材と母材との熱膨張率の差に起因する加速冷
却時のそり防止の観点から、 750℃以上850 ℃以下の温
度域で30%以上の累積圧下を加えて750 ℃以上800 ℃未
満で圧延を終了させてその後空冷し、または 一枚の合わせ材の両面に母材をそれぞれ一枚接合した
対称組立クラッド鋼板(サンドイッチ鋼板) に対して
は、前記項に記した圧延時、および加速冷却時のそり
の発生が軽減されるため、700 ℃以上800 ℃未満の温度
域で30%以上の累積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満
で圧延を終了させ、その後に、(i) 450 ℃以上650 ℃以
下の温度域に、母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速
冷却し、しかる後に放冷すること、(ii) 450℃以下の温
度域に、母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速冷却す
ること、または(iii)450℃以下の温度域に、母材部の冷
却速度2℃/sec 以上で加速冷却した後、650 ℃以下の
温度域で焼戻し処理することにより、上記課題を解決で
きることを知見して、本発明を完成した。
有量を0.08重量%以下と抑制するとともに、 一枚の母材の片面に一枚の合せ材を接合した非対称組
立クラッド鋼板 (オープンサンドイッチクラッド鋼板)
を製造する場合には、圧延時に生じる鋼板のそり防止、
および合せ材と母材との熱膨張率の差に起因する加速冷
却時のそり防止の観点から、 750℃以上850 ℃以下の温
度域で30%以上の累積圧下を加えて750 ℃以上800 ℃未
満で圧延を終了させてその後空冷し、または 一枚の合わせ材の両面に母材をそれぞれ一枚接合した
対称組立クラッド鋼板(サンドイッチ鋼板) に対して
は、前記項に記した圧延時、および加速冷却時のそり
の発生が軽減されるため、700 ℃以上800 ℃未満の温度
域で30%以上の累積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満
で圧延を終了させ、その後に、(i) 450 ℃以上650 ℃以
下の温度域に、母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速
冷却し、しかる後に放冷すること、(ii) 450℃以下の温
度域に、母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速冷却す
ること、または(iii)450℃以下の温度域に、母材部の冷
却速度2℃/sec 以上で加速冷却した後、650 ℃以下の
温度域で焼戻し処理することにより、上記課題を解決で
きることを知見して、本発明を完成した。
【0009】ここに、本発明の要旨とするところは、
C:0.03%以下を含有するオーステナイト系ステンレス
鋼またはオーステナイト系Ni基合金からなる合せ材と、
C:0.08 %以下を含有する炭素鋼または低合金鋼からな
る母材とから非対称クラッドスラブを組立て、該非対称
クラッドスラブを、1050℃以上の温度域に加熱し、850
〜1000℃の温度域で30%以上の累積圧下を加えた後、75
0 〜850 ℃の温度域で30%以上の累積圧下を加えて750
℃以上800 ℃未満の温度域で圧延を終了し、その後空冷
することを特徴とする高強度および高靱性クラッド鋼板
の製造法である。図1(a)には、上記の本発明の工程を模
式的にグラフで示す。
C:0.03%以下を含有するオーステナイト系ステンレス
鋼またはオーステナイト系Ni基合金からなる合せ材と、
C:0.08 %以下を含有する炭素鋼または低合金鋼からな
る母材とから非対称クラッドスラブを組立て、該非対称
クラッドスラブを、1050℃以上の温度域に加熱し、850
〜1000℃の温度域で30%以上の累積圧下を加えた後、75
0 〜850 ℃の温度域で30%以上の累積圧下を加えて750
℃以上800 ℃未満の温度域で圧延を終了し、その後空冷
することを特徴とする高強度および高靱性クラッド鋼板
の製造法である。図1(a)には、上記の本発明の工程を模
式的にグラフで示す。
【0010】別の面からは、本発明は、C:0.03%以下
を含有するオーステナイト系ステンレス鋼またはオース
テナイト系Ni基合金からなる合せ材と、C:0.08 %以下
を含有する炭素鋼または低合金鋼からなる母材とから対
称クラッドスラブを組立て、該対称クラッドスラブを、
1050℃以上の温度域に加熱し、850 〜1000℃の温度域で
30%以上の累積圧下を加えた後、700 〜850 ℃の温度域
で30%以上の累積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満の
温度域で圧延を終了し、その後直ちに、450 〜650 ℃の
温度域に母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速冷却
し、しかる後放冷することを特徴とする高強度および高
靱性クラッド鋼板の製造法である。図1(b)には、上記の
本発明の工程を模式的にグラフで示す。
を含有するオーステナイト系ステンレス鋼またはオース
テナイト系Ni基合金からなる合せ材と、C:0.08 %以下
を含有する炭素鋼または低合金鋼からなる母材とから対
称クラッドスラブを組立て、該対称クラッドスラブを、
1050℃以上の温度域に加熱し、850 〜1000℃の温度域で
30%以上の累積圧下を加えた後、700 〜850 ℃の温度域
で30%以上の累積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満の
温度域で圧延を終了し、その後直ちに、450 〜650 ℃の
温度域に母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速冷却
し、しかる後放冷することを特徴とする高強度および高
靱性クラッド鋼板の製造法である。図1(b)には、上記の
本発明の工程を模式的にグラフで示す。
【0011】対称クラッドスラブを利用する上記の本発
明においては、図1(c)に示すように、圧延終了後に450
℃以下の温度域に母材部の冷却速度で2℃/sec以上で加
速冷却を行うこと、さらに必要に応じて、図1(d)に示す
ように、前記加速冷却後に650 ℃以下の温度域で焼戻し
処理を行うことが望ましい。
明においては、図1(c)に示すように、圧延終了後に450
℃以下の温度域に母材部の冷却速度で2℃/sec以上で加
速冷却を行うこと、さらに必要に応じて、図1(d)に示す
ように、前記加速冷却後に650 ℃以下の温度域で焼戻し
処理を行うことが望ましい。
【0012】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。ま
ず、本発明では、合せ材として、C:0.03%以下を含有
するオーステナイト系ステンレス鋼またはオーステナイ
ト系Ni基合金を用いる。合せ材のC含有量の上限を0.03
%と設けた理由は、圧延仕上温度を低下しても高い耐食
性を確保するためであり、C>0.03%であると、圧延仕
上温度の低下あるいはその後に熱処理を行うこと等によ
り合せ材の耐食性が劣化してしまうからである。
ず、本発明では、合せ材として、C:0.03%以下を含有
するオーステナイト系ステンレス鋼またはオーステナイ
ト系Ni基合金を用いる。合せ材のC含有量の上限を0.03
%と設けた理由は、圧延仕上温度を低下しても高い耐食
性を確保するためであり、C>0.03%であると、圧延仕
上温度の低下あるいはその後に熱処理を行うこと等によ
り合せ材の耐食性が劣化してしまうからである。
【0013】合せ材の種類をオーステナイト系ステンレ
ス鋼またはオーステナイト系Ni基合金としたのは、これ
らの材料は耐食性に優れるからである。ここで言うオー
ステナイト系ステンレス鋼、オーステナイト系Ni基合金
とは、JIS G3601 ステンレスクラッド鋼において合せ材
として適用されているステンレス鋼のうちオーステナイ
ト系のもの、ならびにJIS G3602 ニッケルおよびニッケ
ル合金クラッド鋼において合せ材として適用されている
もののうちオーステナイト系のものを指す。
ス鋼またはオーステナイト系Ni基合金としたのは、これ
らの材料は耐食性に優れるからである。ここで言うオー
ステナイト系ステンレス鋼、オーステナイト系Ni基合金
とは、JIS G3601 ステンレスクラッド鋼において合せ材
として適用されているステンレス鋼のうちオーステナイ
ト系のもの、ならびにJIS G3602 ニッケルおよびニッケ
ル合金クラッド鋼において合せ材として適用されている
もののうちオーステナイト系のものを指す。
【0014】本発明では、母材として、C:0.08 %以下
を含有する炭素鋼または低合金鋼を用いる。母材のC含
有量の上限値を0.08%と限定したのは、母材および溶接
継手部の靱性をともに確保するためであり、C>0.08%
になると、加速冷却時のマルテンサイト析出による母材
の靱性劣化あるいは、溶接継手部製作時における島状マ
ルテンサイト形成による硬度上昇および靱性劣化をもた
らす。
を含有する炭素鋼または低合金鋼を用いる。母材のC含
有量の上限値を0.08%と限定したのは、母材および溶接
継手部の靱性をともに確保するためであり、C>0.08%
になると、加速冷却時のマルテンサイト析出による母材
の靱性劣化あるいは、溶接継手部製作時における島状マ
ルテンサイト形成による硬度上昇および靱性劣化をもた
らす。
【0015】母材の種類を通常の炭素鋼または低合金鋼
としたのは、クラッド鋼板に求める特性および製造コス
トを勘案したためである。炭素鋼、低合金鋼のC以外の
組成としては、以下の内容を例示することができる。な
お、前記組成の限定理由を併せて示す。
としたのは、クラッド鋼板に求める特性および製造コス
トを勘案したためである。炭素鋼、低合金鋼のC以外の
組成としては、以下の内容を例示することができる。な
お、前記組成の限定理由を併せて示す。
【0016】Si: 0.05〜0.7 % Siは鋼中にあっては脱酸剤として作用するため、0.05%
以上と限定する。一方、0.7 %超添加すると、溶接性が
劣化する。そこで、Si含有量は、0.05%以上0.7 %以下
と限定することが望ましい。
以上と限定する。一方、0.7 %超添加すると、溶接性が
劣化する。そこで、Si含有量は、0.05%以上0.7 %以下
と限定することが望ましい。
【0017】Mn: 0.5 〜2.0 % Mnは強度および靱性をともに確保するために0.5 %以上
添加するが、2.0 %超添加すると、HAZ の靱性が劣化す
る。そこで、Mn含有量は0.5 %以上2.0 %以下と限定す
ることが望ましい。
添加するが、2.0 %超添加すると、HAZ の靱性が劣化す
る。そこで、Mn含有量は0.5 %以上2.0 %以下と限定す
ることが望ましい。
【0018】sol.Al: 0.01〜0.08% Alは鋼中にあって脱酸作用を奏することから、0.01%以
上とし、0.08%超ではHAZ 溶金靱性が劣化してしまう。
そこで、sol.Al含有量は0.01%以上0.08%以下と限定す
ることが望ましい。
上とし、0.08%超ではHAZ 溶金靱性が劣化してしまう。
そこで、sol.Al含有量は0.01%以上0.08%以下と限定す
ることが望ましい。
【0019】残部鉄および不可避不純物からなるものを
基本成分とし、必要に応じてさらに下記成分を1種以上
添加しても良い。
基本成分とし、必要に応じてさらに下記成分を1種以上
添加しても良い。
【0020】Nb: 0.005 〜0.10% Nbは、圧延組織の細粒化と析出硬化による強度・靱性向
上のために0.005 %以上添加するが、0.10%未満では、
HAZ 溶金靱性を劣化させる。そこで、Nb含有量は0.005
以上0.10%以下と限定することが望ましい。
上のために0.005 %以上添加するが、0.10%未満では、
HAZ 溶金靱性を劣化させる。そこで、Nb含有量は0.005
以上0.10%以下と限定することが望ましい。
【0021】V: 0.005 〜0.15% Nbと同様の理由により0.005 %以上0.15%以下と限定す
ることが望ましい。
ることが望ましい。
【0022】Ni: 0.1 〜3.0 % Niは、HAZ 靱性に悪影響を与えることなく、母材の強度
靱性を向上させるために0.1 %以上添加するが、高価な
ため上限を3.0 %とする。そこで、本発明では、Ni:0.1
〜3.0 %と限定することが望ましい。
靱性を向上させるために0.1 %以上添加するが、高価な
ため上限を3.0 %とする。そこで、本発明では、Ni:0.1
〜3.0 %と限定することが望ましい。
【0023】Cu: 0.1 〜2.0 % Niと同様の効果があるため、下限を0.1 %と限定する
が、多いと熱間脆性を生じやすく鋼板の表面性状が劣化
するので上限を2.0 %とする。そこで、本発明では、0.
1 %以上2.0 %以下と限定することが望ましい。
が、多いと熱間脆性を生じやすく鋼板の表面性状が劣化
するので上限を2.0 %とする。そこで、本発明では、0.
1 %以上2.0 %以下と限定することが望ましい。
【0024】Cr: 0.1 〜1.0 % Crは、微細なベイナイト、マルテンサイトを生成し強度
・靱性を向上させるため0.1 %以上添加するが、溶接性
を劣化させるので上限を1.0%とする。そこで、本発明
では、0.1 %以上1.0 %以下と限定することが望まし
い。
・靱性を向上させるため0.1 %以上添加するが、溶接性
を劣化させるので上限を1.0%とする。そこで、本発明
では、0.1 %以上1.0 %以下と限定することが望まし
い。
【0025】Mo: 0.05〜0.5 % Moは、0.05%以上添加することにより、圧延時のγ粒を
微細かつ整粒化し、さらに微細なベイナイト、マルテン
サイトを生成するため強度・靱性を向上させるが、溶接
性を損ね、また高価でもあるので0.5 %を上限とする。
そこで、Mo含有量は、0.05%以上0.5 %以下と限定する
ことが望ましい。
微細かつ整粒化し、さらに微細なベイナイト、マルテン
サイトを生成するため強度・靱性を向上させるが、溶接
性を損ね、また高価でもあるので0.5 %を上限とする。
そこで、Mo含有量は、0.05%以上0.5 %以下と限定する
ことが望ましい。
【0026】Ti: 0.005 〜0.10% Nbと同様の理由により、0.005 %以上0.10%以下と限定
することが望ましい。微量 (≦0.025 %) 添加の場合に
はTiN として析出し、初期γの微細化に有効である。0.
10%超添加するとHAZ 溶金靱性が劣化する。
することが望ましい。微量 (≦0.025 %) 添加の場合に
はTiN として析出し、初期γの微細化に有効である。0.
10%超添加するとHAZ 溶金靱性が劣化する。
【0027】本発明では、これらの合せ材および母材か
ら、(a) 一枚の合せ材の片面に一枚の母材を接合した非
対称組立クラッド鋼板 (オープンサンドイッチクラッド
鋼板) 、または(b) 一枚の合せ材の両面に母材をそれぞ
れ一枚接合した対称組立クラッド鋼板 (サンドイッチ鋼
板)を組立てる。組立て手段は、従来から公知の手段に
よればよく、本発明では何ら限定を要さない。例えば、
厚板粗圧延により合せ材と母材とをそれぞれ所定の板厚
に圧延した後、表面をグラインダー等により浄化し、次
いで四隅を溶接してから合せ材と母材との間の空気を除
去する方法や、いわゆる爆着方法を例示することができ
る。
ら、(a) 一枚の合せ材の片面に一枚の母材を接合した非
対称組立クラッド鋼板 (オープンサンドイッチクラッド
鋼板) 、または(b) 一枚の合せ材の両面に母材をそれぞ
れ一枚接合した対称組立クラッド鋼板 (サンドイッチ鋼
板)を組立てる。組立て手段は、従来から公知の手段に
よればよく、本発明では何ら限定を要さない。例えば、
厚板粗圧延により合せ材と母材とをそれぞれ所定の板厚
に圧延した後、表面をグラインダー等により浄化し、次
いで四隅を溶接してから合せ材と母材との間の空気を除
去する方法や、いわゆる爆着方法を例示することができ
る。
【0028】まず、非対称組立クラッド鋼板について説
明する。
明する。
【0029】(a) 非対称組立クラッド鋼板の場合には、
該非対称組立クラッド鋼板を、1050℃以上の温度域に加
熱する。スラブ加熱温度を設定したのは、合せ材と母材
との密着性を確保するとともに合せ材にCr炭化物を十分
固溶させるためであり、1050℃未満の加熱温度である
と、高温における十分な圧下ができなくなり、合せ材と
母材との密着性を確保できなくなるとともに、優れた耐
食性、特に耐粒界腐食性を確保できなくなるからであ
る。上限は、母材靱性の観点から1200℃とすることが望
ましい。
該非対称組立クラッド鋼板を、1050℃以上の温度域に加
熱する。スラブ加熱温度を設定したのは、合せ材と母材
との密着性を確保するとともに合せ材にCr炭化物を十分
固溶させるためであり、1050℃未満の加熱温度である
と、高温における十分な圧下ができなくなり、合せ材と
母材との密着性を確保できなくなるとともに、優れた耐
食性、特に耐粒界腐食性を確保できなくなるからであ
る。上限は、母材靱性の観点から1200℃とすることが望
ましい。
【0030】こうして、加熱された非対称組立クラッド
鋼板に熱間圧延を開始するが、本発明では、850 ℃以上
1000℃以下の温度域で、30%以上の累積圧下となる熱間
圧延を行う。850 ℃以上1000℃以下における累積圧下率
の下限値を30%と限定したのは、高温の再結晶域におけ
る圧下による合せ材と母材との密着性を確保するためで
あり、累積圧下率が30%未満であると、密着性が低下し
てしまう。そこで、本発明では、熱間圧延の際に、850
℃以上1000℃以下の温度域で、30%以上の累積圧下とな
る熱間圧延を行う。
鋼板に熱間圧延を開始するが、本発明では、850 ℃以上
1000℃以下の温度域で、30%以上の累積圧下となる熱間
圧延を行う。850 ℃以上1000℃以下における累積圧下率
の下限値を30%と限定したのは、高温の再結晶域におけ
る圧下による合せ材と母材との密着性を確保するためで
あり、累積圧下率が30%未満であると、密着性が低下し
てしまう。そこで、本発明では、熱間圧延の際に、850
℃以上1000℃以下の温度域で、30%以上の累積圧下とな
る熱間圧延を行う。
【0031】そして、本発明では、750 ℃以上850 ℃以
下の温度域で30%以上の累積圧下を加える。本発明、す
なわち非対称組立クラッド鋼板における 750℃以上850
℃以下における累積圧下率の下限値を30%と限定したの
は、低温の未再結晶域/二相域におけるこのような圧下
は、母材の強度および靱性向上に有効だからである。75
0 ℃以上850 ℃以下における累積圧下率が少なすぎると
母材の強度および靱性が劣化する。
下の温度域で30%以上の累積圧下を加える。本発明、す
なわち非対称組立クラッド鋼板における 750℃以上850
℃以下における累積圧下率の下限値を30%と限定したの
は、低温の未再結晶域/二相域におけるこのような圧下
は、母材の強度および靱性向上に有効だからである。75
0 ℃以上850 ℃以下における累積圧下率が少なすぎると
母材の強度および靱性が劣化する。
【0032】そして、本発明では、750 ℃以上800 ℃未
満の温度域で圧延を終了する。非対称組立クラッド鋼板
における仕上温度の下限値を750 ℃と限定したのは、圧
延時のそりを防止するためであり、750 ℃未満の温度域
で圧延を終了すると圧延終了時の成品の平坦度を確保す
ることが困難になる。一方、圧延仕上温度が800 ℃以上
であると、製品の靱性および強度を向上させることがで
きない。そこで、本発明では、圧延仕上温度を750 ℃以
上800 ℃未満と限定する。
満の温度域で圧延を終了する。非対称組立クラッド鋼板
における仕上温度の下限値を750 ℃と限定したのは、圧
延時のそりを防止するためであり、750 ℃未満の温度域
で圧延を終了すると圧延終了時の成品の平坦度を確保す
ることが困難になる。一方、圧延仕上温度が800 ℃以上
であると、製品の靱性および強度を向上させることがで
きない。そこで、本発明では、圧延仕上温度を750 ℃以
上800 ℃未満と限定する。
【0033】そして、最後に空冷を行う。冷却条件を空
冷としているのは、鋼板の反りを防止するためである。
このようにして、本発明により、所望の耐食性、強度お
よび靱性を有する高強度および高靱性クラッド鋼板を製
造することが可能となる。次に、対称組立クラッド鋼板
について、説明する。
冷としているのは、鋼板の反りを防止するためである。
このようにして、本発明により、所望の耐食性、強度お
よび靱性を有する高強度および高靱性クラッド鋼板を製
造することが可能となる。次に、対称組立クラッド鋼板
について、説明する。
【0034】(b) この場合にも、前記合せ材および母材
から対称組立クラッド鋼板を組立て、1050℃以上の温度
域に加熱し、850 ℃以上1000℃以下の温度域で30%以上
の累積圧下を加えるまでは、前述の(a) の場合と同じで
ある。その後、700 ℃以上850℃以下の温度域にて30%
以上の累積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満の温度域
で圧延を終了する。700 ℃以上850 ℃以下における累積
圧下率の下限値を30%としたのは、低温における未再結
晶域/二相域における圧下により母材の強度および靱性
の確保を図るためである。
から対称組立クラッド鋼板を組立て、1050℃以上の温度
域に加熱し、850 ℃以上1000℃以下の温度域で30%以上
の累積圧下を加えるまでは、前述の(a) の場合と同じで
ある。その後、700 ℃以上850℃以下の温度域にて30%
以上の累積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満の温度域
で圧延を終了する。700 ℃以上850 ℃以下における累積
圧下率の下限値を30%としたのは、低温における未再結
晶域/二相域における圧下により母材の強度および靱性
の確保を図るためである。
【0035】前述の(a) の場合に比較して、仕上圧延温
度域が750℃以上800 ℃未満から700 ℃以上800 ℃未満
へと拡大しているが、これは圧延時および加速冷却時の
そりの発生が、対称組立クラッド鋼板であるために低減
されるからである。仕上圧延温度が700 ℃未満となる
と、母材靱性が劣化するため、本発明では、仕上圧延温
度域を700 ℃以上800 ℃未満と限定する。
度域が750℃以上800 ℃未満から700 ℃以上800 ℃未満
へと拡大しているが、これは圧延時および加速冷却時の
そりの発生が、対称組立クラッド鋼板であるために低減
されるからである。仕上圧延温度が700 ℃未満となる
と、母材靱性が劣化するため、本発明では、仕上圧延温
度域を700 ℃以上800 ℃未満と限定する。
【0036】このように、圧延を終了した後、直ちに、
450 ℃以上650 ℃以下の温度域に母材部の冷却速度2℃
/sec以上で加速冷却し、しかる後放冷する。母材部の冷
却速度を2℃/sec以上と限定するのは、母材の靱性劣化
を防止するためである。また、加速冷却による温度条件
を450 ℃以上650 ℃以下の温度域としたのも母材の靱性
劣化を防止するためである。450 ℃未満であると母材が
硬化し靱性が劣化するためであり、一方未再結晶域/二
相域における圧下によりある程度まで変形帯密度が高め
られたオーステナイトからフェライトへ変態する場合、
本発明のように加速冷却を行うことにより微細なフェラ
イト・パーライト+ベイナイト組織となり靱性が向上す
るものの、加速冷却が充分に行われず冷却温度が 650℃
超では靱性の向上は図れない。そこで、本発明では、加
速冷却による冷却温度を450 ℃以上650 ℃以下と限定す
る。
450 ℃以上650 ℃以下の温度域に母材部の冷却速度2℃
/sec以上で加速冷却し、しかる後放冷する。母材部の冷
却速度を2℃/sec以上と限定するのは、母材の靱性劣化
を防止するためである。また、加速冷却による温度条件
を450 ℃以上650 ℃以下の温度域としたのも母材の靱性
劣化を防止するためである。450 ℃未満であると母材が
硬化し靱性が劣化するためであり、一方未再結晶域/二
相域における圧下によりある程度まで変形帯密度が高め
られたオーステナイトからフェライトへ変態する場合、
本発明のように加速冷却を行うことにより微細なフェラ
イト・パーライト+ベイナイト組織となり靱性が向上す
るものの、加速冷却が充分に行われず冷却温度が 650℃
超では靱性の向上は図れない。そこで、本発明では、加
速冷却による冷却温度を450 ℃以上650 ℃以下と限定す
る。
【0037】なお、上記の対称組立クラッド鋼板を用い
た本発明では、圧延の終了後に、450 ℃以下の温度域に
母材部の冷却速度2℃/sec以上で加速冷却を行ってもよ
く、母材強度の向上を図ることができる。すなわち、45
0 ℃以下の温度域に加速冷却を行うことにより、母材が
著しく高強度化される。なお、このような加速冷却を行
っても、本発明では、母材のC含有量を0.08重量%以下
と限定しているため、著しい靱性劣化を防止できる。
た本発明では、圧延の終了後に、450 ℃以下の温度域に
母材部の冷却速度2℃/sec以上で加速冷却を行ってもよ
く、母材強度の向上を図ることができる。すなわち、45
0 ℃以下の温度域に加速冷却を行うことにより、母材が
著しく高強度化される。なお、このような加速冷却を行
っても、本発明では、母材のC含有量を0.08重量%以下
と限定しているため、著しい靱性劣化を防止できる。
【0038】さらに、このようにして加速冷却を行った
後、650 ℃以下の温度域で焼戻し処理を行うことが、母
材の靱性向上のためにはより望ましい。上記450 ℃以下
への加速冷却を行うことにより、強度が高く成り過ぎる
場合には、650 ℃以下の温度域にて焼戻し処理を行うこ
とにより、強度の低下と靱性の向上とが図れる。焼戻し
温度が650 ℃を超えると強度低下が著しくなる。そこ
で、本発明で焼戻しを行う場合には焼戻し温度を650℃
以下に限定する。なお、合せ材のC含有量を低く抑制し
てはいるものの、鋭敏化につながる恐れもあるため、焼
戻し温度は550 ℃以下に限定することが好ましい。
後、650 ℃以下の温度域で焼戻し処理を行うことが、母
材の靱性向上のためにはより望ましい。上記450 ℃以下
への加速冷却を行うことにより、強度が高く成り過ぎる
場合には、650 ℃以下の温度域にて焼戻し処理を行うこ
とにより、強度の低下と靱性の向上とが図れる。焼戻し
温度が650 ℃を超えると強度低下が著しくなる。そこ
で、本発明で焼戻しを行う場合には焼戻し温度を650℃
以下に限定する。なお、合せ材のC含有量を低く抑制し
てはいるものの、鋭敏化につながる恐れもあるため、焼
戻し温度は550 ℃以下に限定することが好ましい。
【0039】以上のようにして、本発明により、耐食性
に優れた高強度および高靱性クラッド鋼板を製造するこ
とが可能になる。さらに、本発明を実施例を参照しなが
ら詳述するが、これはあくまでも本発明の例示であり、
これにより本発明が限定されるものではない。
に優れた高強度および高靱性クラッド鋼板を製造するこ
とが可能になる。さらに、本発明を実施例を参照しなが
ら詳述するが、これはあくまでも本発明の例示であり、
これにより本発明が限定されるものではない。
【0040】
【実施例1】表1に示す炭素含有量および板厚の合せ材
(C:0.01%、Si:0.55 %、Mn:1.00%、Cu:0.25 %、Ni:
12.15%、Cr:18.00%、Mo:2.50 %、N:0.0150%) と、
同じく表1に示す炭素含有量の母材 (C:0.04%、Si:0.3
0 %、Mn:1.51 %、Cu:0.25%、Ni:0.40 %、Nb:0.040
%、V:0.05%、sol.Al:0.047%) とを用いて、サンドイ
ッチクラッド鋼板およびオープンサンドイッチクラッド
鋼板を製造した。
(C:0.01%、Si:0.55 %、Mn:1.00%、Cu:0.25 %、Ni:
12.15%、Cr:18.00%、Mo:2.50 %、N:0.0150%) と、
同じく表1に示す炭素含有量の母材 (C:0.04%、Si:0.3
0 %、Mn:1.51 %、Cu:0.25%、Ni:0.40 %、Nb:0.040
%、V:0.05%、sol.Al:0.047%) とを用いて、サンドイ
ッチクラッド鋼板およびオープンサンドイッチクラッド
鋼板を製造した。
【0041】すなわち、前記合せ材と前記母材とから非
対称クラッドスラブを組立て、該非対称クラッドスラブ
を、表1に示すスラブ加熱温度に加熱し、850 〜1000℃
の温度域における累積圧下率が表1に示す値となるよう
に圧延を行った後、オープンサンドイッチクラッド鋼板
の場合には750 〜850 ℃の温度域での累積圧下率が表1
に示す値となるように、サンドイッチクラッド鋼板の場
合には700 〜850 ℃の温度域での累積圧下率が表1に示
す値となるように、それぞれ圧延を行い、表1に示す圧
延仕上温度で圧延を終了した。
対称クラッドスラブを組立て、該非対称クラッドスラブ
を、表1に示すスラブ加熱温度に加熱し、850 〜1000℃
の温度域における累積圧下率が表1に示す値となるよう
に圧延を行った後、オープンサンドイッチクラッド鋼板
の場合には750 〜850 ℃の温度域での累積圧下率が表1
に示す値となるように、サンドイッチクラッド鋼板の場
合には700 〜850 ℃の温度域での累積圧下率が表1に示
す値となるように、それぞれ圧延を行い、表1に示す圧
延仕上温度で圧延を終了した。
【0042】圧延終了後に、そのまま放冷するか、表1
に示す冷却速度および冷却温度で加速冷却を行うか、ま
たは前記加速冷却後に表1に示す焼戻し温度で焼戻しを
行って、クラッド鋼板を製造した。このようにして得
た、試料No.1ないし試料No.14 のクラッド鋼板につい
て、剪断応力を測定し、母材部のYS(kgf/mm2) 、TS(kgf
/mm2)およびvTs(℃) を測定するとともに、合せ材の耐
食性をJIS G0575 の耐粒界腐食試験によりそれぞれ調査
した。結果を表1に併せて示す。
に示す冷却速度および冷却温度で加速冷却を行うか、ま
たは前記加速冷却後に表1に示す焼戻し温度で焼戻しを
行って、クラッド鋼板を製造した。このようにして得
た、試料No.1ないし試料No.14 のクラッド鋼板につい
て、剪断応力を測定し、母材部のYS(kgf/mm2) 、TS(kgf
/mm2)およびvTs(℃) を測定するとともに、合せ材の耐
食性をJIS G0575 の耐粒界腐食試験によりそれぞれ調査
した。結果を表1に併せて示す。
【0043】なお、本実施例では、前述のYS≧36(kgf/m
m2) 、50≦TS≦65(kgf/mm2) 、vTs≦60 (℃) 、剪断応
力≧10(kgf/mm2)であって、前記JIS G0575 の耐粒界腐
食試験結果で割れがないものを合格とした。
m2) 、50≦TS≦65(kgf/mm2) 、vTs≦60 (℃) 、剪断応
力≧10(kgf/mm2)であって、前記JIS G0575 の耐粒界腐
食試験結果で割れがないものを合格とした。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、本発明により製
造された試料(No.1 〜No.4) は、全て前記基準を満足し
たことがわかる。これに対し、試料No.5は合せ材の炭素
含有量が本発明の範囲の上限を超えているため、一部で
粒界腐食が発生し、合せ材の耐食性が劣化していること
がわかる。
造された試料(No.1 〜No.4) は、全て前記基準を満足し
たことがわかる。これに対し、試料No.5は合せ材の炭素
含有量が本発明の範囲の上限を超えているため、一部で
粒界腐食が発生し、合せ材の耐食性が劣化していること
がわかる。
【0046】試料No.6は、850 〜1000℃の累積圧下率が
本発明の範囲の下限を下回っているため、母材と合せ材
との密着性が低下し、剪断応力が大幅に低下しているこ
とがわかる。試料No.7は、スラブの加熱温度が本発明の
範囲の下限を下回っているため、耐粒界腐食性を確保で
きなくなり、一部に粒界腐食が発生していることがわか
る。
本発明の範囲の下限を下回っているため、母材と合せ材
との密着性が低下し、剪断応力が大幅に低下しているこ
とがわかる。試料No.7は、スラブの加熱温度が本発明の
範囲の下限を下回っているため、耐粒界腐食性を確保で
きなくなり、一部に粒界腐食が発生していることがわか
る。
【0047】試料No.8は、母材のC含有量が本発明の範
囲の上限を上回っているため、加速冷却時のマルテンサ
イト析出による母材の靱性が劣化したため、vTs が高く
なっていることがわかる。試料No.9は、圧延終了後に、
加速冷却および焼戻しを行った場合であるが、前記焼戻
し温度が本発明の範囲の上限を超えているため、強度YS
の低下が著しい。
囲の上限を上回っているため、加速冷却時のマルテンサ
イト析出による母材の靱性が劣化したため、vTs が高く
なっていることがわかる。試料No.9は、圧延終了後に、
加速冷却および焼戻しを行った場合であるが、前記焼戻
し温度が本発明の範囲の上限を超えているため、強度YS
の低下が著しい。
【0048】試料No.10 は、仕上圧延温度が本発明の範
囲の下限を下回っているため、得られた成品の平坦度の
低下が著しい。試料No.11 は、750 〜850 ℃の温度域に
おける圧下率が本発明の範囲の下限を下回っているた
め、母材の靱性が劣化している。
囲の下限を下回っているため、得られた成品の平坦度の
低下が著しい。試料No.11 は、750 〜850 ℃の温度域に
おける圧下率が本発明の範囲の下限を下回っているた
め、母材の靱性が劣化している。
【0049】試料No.12 は、仕上圧延温度が本発明の範
囲の下限を下回っているため、母材の靱性劣化が著し
い。試料No.13 は、圧延を終了した後に加速冷却を行っ
た場合であるが、加速冷却時の冷却速度が本発明の範囲
の下限を下回っているため、靱性の劣化が著しい。
囲の下限を下回っているため、母材の靱性劣化が著し
い。試料No.13 は、圧延を終了した後に加速冷却を行っ
た場合であるが、加速冷却時の冷却速度が本発明の範囲
の下限を下回っているため、靱性の劣化が著しい。
【0050】試料No.14 は、仕上圧延温度が本発明の範
囲を超えているため、靱性の劣化が著しい。
囲を超えているため、靱性の劣化が著しい。
【0051】
【実施例2】表2に示す組成の合せ材および母材を用い
て、オープンサンドイッチ鋼板およびサンドイッチ鋼板
を作製した。
て、オープンサンドイッチ鋼板およびサンドイッチ鋼板
を作製した。
【0052】製造条件は、 〔オープンサンドイッチ鋼板〕スラブ加熱温度:1150
℃、850 〜1000℃の累積圧下率:50%、750 〜850 ℃の
累積圧下率:50%、圧延仕上温度:780 ℃であり、また 〔サンドイッチ鋼板〕スラブ加熱温度:1100℃、850 〜
1000℃の累積圧下率:60%、750 〜850 ℃の累積圧下
率:30%、圧延仕上温度: 720℃、冷却速度:10℃/se
c、冷却停止温度:550 ℃であり、いずれも本発明の範
囲を満足する条件であった。
℃、850 〜1000℃の累積圧下率:50%、750 〜850 ℃の
累積圧下率:50%、圧延仕上温度:780 ℃であり、また 〔サンドイッチ鋼板〕スラブ加熱温度:1100℃、850 〜
1000℃の累積圧下率:60%、750 〜850 ℃の累積圧下
率:30%、圧延仕上温度: 720℃、冷却速度:10℃/se
c、冷却停止温度:550 ℃であり、いずれも本発明の範
囲を満足する条件であった。
【0053】このようにして製造した試料No.1ないし試
料No.5について、実施例1と全く同様にして、剪断応力
を測定し、母材部のYS(kgf/mm2) 、TS(kgf/mm2) および
vTs(℃) を測定するとともに、合せ材の耐食性をJIS G0
575 の耐粒界腐食試験によりそれぞれ調査した。結果を
表2に併せて示す。
料No.5について、実施例1と全く同様にして、剪断応力
を測定し、母材部のYS(kgf/mm2) 、TS(kgf/mm2) および
vTs(℃) を測定するとともに、合せ材の耐食性をJIS G0
575 の耐粒界腐食試験によりそれぞれ調査した。結果を
表2に併せて示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2の結果から明らかなように、本発明に
よれば、耐食性に優れた高強度および高靱性クラッド鋼
板を製造できた。
よれば、耐食性に優れた高強度および高靱性クラッド鋼
板を製造できた。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、耐
食性に優れた高強度および高靱性クラッド鋼板を製造す
ることが可能となった。かかる効果を有する本発明の意
義は極めて著しい。
食性に優れた高強度および高靱性クラッド鋼板を製造す
ることが可能となった。かかる効果を有する本発明の意
義は極めて著しい。
【図1】本発明にかかる高強度および高靱性クラッド鋼
板の製造法の加工工程を示す略式説明図である。
板の製造法の加工工程を示す略式説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.03重量%以下を含有するオーステ
ナイト系ステンレス鋼またはオーステナイト系Ni基合金
からなる合せ材と、C:0.08 重量%以下を含有する炭素
鋼または低合金鋼からなる母材とから非対称クラッドス
ラブを組立て、該非対称クラッドスラブを、1050℃以上
の温度域に加熱し、850 〜1000℃の温度域で30%以上の
累積圧下を加えた後、750 〜850 ℃の温度域で30%以上
の累積圧下を加えて750 ℃以上800 ℃未満の温度域で圧
延を終了し、その後空冷することを特徴とする高強度お
よび高靱性クラッド鋼板の製造法。 - 【請求項2】 C:0.03重量%以下を含有するオーステ
ナイト系ステンレス鋼またはオーステナイト系Ni基合金
からなる合せ材と、C:0.08 重量%以下を含有する炭素
鋼または低合金鋼からなる母材とから対称クラッドスラ
ブを組立て、該対称クラッドスラブを、1050℃以上の温
度域に加熱し、850 〜1000℃の温度域で30%以上の累積
圧下を加えた後、700 〜850 ℃の温度域で30%以上の累
積圧下を加えて700 ℃以上800 ℃未満の温度域で圧延を
終了し、その後直ちに、450 〜650 ℃の温度域に母材部
の冷却速度2℃/sec 以上で加速冷却し、しかる後放冷
することを特徴とする高強度および高靱性クラッド鋼板
の製造法。 - 【請求項3】 前記圧延を終了した後、450 ℃以下の温
度域に母材部の冷却速度2℃/sec 以上で加速冷却を行
うことを特徴とする請求項2記載の高強度および高靱性
クラッド鋼板の製造法。 - 【請求項4】 前記加速冷却を行った後、650 ℃以下の
温度域で焼戻し処理を行うことを特徴とする請求項3記
載の高強度および高靱性クラッド鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31677391A JPH05154672A (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 高強度および高靱性クラッド鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31677391A JPH05154672A (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 高強度および高靱性クラッド鋼板の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05154672A true JPH05154672A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18080763
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31677391A Withdrawn JPH05154672A (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 高強度および高靱性クラッド鋼板の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05154672A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4828871A (en) * | 1986-02-13 | 1989-05-09 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Method of providing shaped polymeric articles with improved receptivity to organic coatings |
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