JPH05169324A - 高強度ハイポイド歯車 - Google Patents
高強度ハイポイド歯車Info
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- JPH05169324A JPH05169324A JP35589291A JP35589291A JPH05169324A JP H05169324 A JPH05169324 A JP H05169324A JP 35589291 A JP35589291 A JP 35589291A JP 35589291 A JP35589291 A JP 35589291A JP H05169324 A JPH05169324 A JP H05169324A
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- Japan
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- fatigue strength
- carburizing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高トルク下においても疲労強度の優れたハイ
ポイト歯車。 【構成】 ハイポイド歯車対のドライブピニオンまたは
リングギヤのいずれか一方または両方の歯部大端にエン
ドレム加工を施し、歯部に浸炭焼入れした後ショットピ
ーニング処理をし、さらに化学研磨を施した。大端部の
エンドレムによりトルク入力時の歯当たり移動量が制御
されヒールでの局部当たりから適正位置での歯当たりに
近づけることができる。また、歯部の浸炭焼入れ処理お
よびショットピーニング処理後に化学研磨により浸炭異
常層等の表面欠陥層を除去したので、ドライブピニオン
とリングギヤとの歯当たりが疲労強度に優れた部位での
面当たりとなり、疲労強度を著しく向上することができ
る。
ポイト歯車。 【構成】 ハイポイド歯車対のドライブピニオンまたは
リングギヤのいずれか一方または両方の歯部大端にエン
ドレム加工を施し、歯部に浸炭焼入れした後ショットピ
ーニング処理をし、さらに化学研磨を施した。大端部の
エンドレムによりトルク入力時の歯当たり移動量が制御
されヒールでの局部当たりから適正位置での歯当たりに
近づけることができる。また、歯部の浸炭焼入れ処理お
よびショットピーニング処理後に化学研磨により浸炭異
常層等の表面欠陥層を除去したので、ドライブピニオン
とリングギヤとの歯当たりが疲労強度に優れた部位での
面当たりとなり、疲労強度を著しく向上することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の動力伝達装置で
ある減速歯車に関し、特にハイポイド歯車に関する。
ある減速歯車に関し、特にハイポイド歯車に関する。
【0002】
【従来の技術】減速歯車はプロペラシャフトからの回転
動力を受けるドライブピニオンとこれに直角に交わり減
速を行うリングギヤから構成されるが、その中でもハイ
ポイド歯車はリングギヤとドライブピニオンの中心を偏
心したものであって、大きな駆動力を伝えることができ
る。
動力を受けるドライブピニオンとこれに直角に交わり減
速を行うリングギヤから構成されるが、その中でもハイ
ポイド歯車はリングギヤとドライブピニオンの中心を偏
心したものであって、大きな駆動力を伝えることができ
る。
【0003】これら自動車の動力伝達用の歯車は、高強
度が要求され、焼入れ処理、特に浸炭焼入れ処理が施さ
れて使用されている。これにより硬さが高く、圧縮の残
留応力を有する浸炭焼入れ層が形成され、その両者の作
用によって疲労強度が向上すると言われている。
度が要求され、焼入れ処理、特に浸炭焼入れ処理が施さ
れて使用されている。これにより硬さが高く、圧縮の残
留応力を有する浸炭焼入れ層が形成され、その両者の作
用によって疲労強度が向上すると言われている。
【0004】然るに、最近機械装置の高性能化に伴い、
構成部品は高速、高負荷の苛酷な条件で使用されるよう
になっており、このため部品の強度を高めることが産業
界で要求されている。特に自動車産業においては、燃費
向上を目的とした車両軽量化が重要課題となっており、
そのため、各種部品の高強度化技術の開発が強く求めら
れている。
構成部品は高速、高負荷の苛酷な条件で使用されるよう
になっており、このため部品の強度を高めることが産業
界で要求されている。特に自動車産業においては、燃費
向上を目的とした車両軽量化が重要課題となっており、
そのため、各種部品の高強度化技術の開発が強く求めら
れている。
【0005】そのため、自動車の動力伝達用の歯車にお
いても、前記の浸炭焼入れ処理に加えて、ショットピー
ニング処理を付加することが多くなっている。ショット
ピーニングは金属部品の疲れ強さの向上を目的として比
較的球形に近い鉄の粒子を高速度で部品の表面に衝突さ
せる表面処理方法である。このショットピーニング処理
は、鋼部材の表面下200〜400μmにわたって大き
な圧縮残留応力が付与されるため、疲労強度が向上する
と言われている。
いても、前記の浸炭焼入れ処理に加えて、ショットピー
ニング処理を付加することが多くなっている。ショット
ピーニングは金属部品の疲れ強さの向上を目的として比
較的球形に近い鉄の粒子を高速度で部品の表面に衝突さ
せる表面処理方法である。このショットピーニング処理
は、鋼部材の表面下200〜400μmにわたって大き
な圧縮残留応力が付与されるため、疲労強度が向上する
と言われている。
【0006】しかしながら、このショットピーニングに
より鋼部材に発生する残留応力は、表面下10〜100
μm内部の位置でピークを有し、より表面層では、圧縮
応力値が小さいという基本的な特性を有する。また、シ
ョットピーニングは、硬質粒子を高速で衝突させるた
め、部材の表面に疵が生じ易い。
より鋼部材に発生する残留応力は、表面下10〜100
μm内部の位置でピークを有し、より表面層では、圧縮
応力値が小さいという基本的な特性を有する。また、シ
ョットピーニングは、硬質粒子を高速で衝突させるた
め、部材の表面に疵が生じ易い。
【0007】さらに、鋼部材が浸炭焼入れの場合には、
表面から5〜50μmにわたって浸炭異常層と呼ばれる
不完全焼入れ層が存在する。この低強度の異常層はショ
ットピーニング処理によっても除去されず残留するた
め、表面疵等とともに疲労破壊の起点になりやすく、安
定かつ大幅な疲労強度の向上は望めないのが実情であ
る。
表面から5〜50μmにわたって浸炭異常層と呼ばれる
不完全焼入れ層が存在する。この低強度の異常層はショ
ットピーニング処理によっても除去されず残留するた
め、表面疵等とともに疲労破壊の起点になりやすく、安
定かつ大幅な疲労強度の向上は望めないのが実情であ
る。
【0008】これらの従来技術の問題点を解決する方法
として、疲労強度の向上を阻害している前記表面層を除
去するために、表面硬化処理を行った後ショットピーニ
ングを行い、さらに立方晶窒化ホウ素ホイールで研削加
工して仕上歯切を行う「高強度歯車の製造方法」(特開
平1−264727号)等の機械的研磨法が提案されて
いる。
として、疲労強度の向上を阻害している前記表面層を除
去するために、表面硬化処理を行った後ショットピーニ
ングを行い、さらに立方晶窒化ホウ素ホイールで研削加
工して仕上歯切を行う「高強度歯車の製造方法」(特開
平1−264727号)等の機械的研磨法が提案されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】疲労強度の観点から欠
陥を有する表面層を除去し、かつできるだけ平滑な仕上
げ面とすることが要求されるが、前記提案のような機械
的研磨方法では焼入れ鋼部材の硬さが高いため研削仕上
げの加工効率が大変低い。特に、歯車等の形状が複雑な
部品の場合には、疲労強度向上が問題となる歯元部をよ
く研磨しようとすると加工効率が著しく低下するという
問題がある。
陥を有する表面層を除去し、かつできるだけ平滑な仕上
げ面とすることが要求されるが、前記提案のような機械
的研磨方法では焼入れ鋼部材の硬さが高いため研削仕上
げの加工効率が大変低い。特に、歯車等の形状が複雑な
部品の場合には、疲労強度向上が問題となる歯元部をよ
く研磨しようとすると加工効率が著しく低下するという
問題がある。
【0010】かかる問題点を解決するため、発明者等は
先の出願(特願平2−328190)において、ショッ
トピーニングを施した鋼部材の表面を化学研磨する鋼部
材の疲労強度向上方法を提案している。この提案におい
ては、従来技術のような機械的研磨あるいは電解研磨の
ように特別な外部からの作用ではなく、化学研磨処理液
が有する化学的な溶解力に基づいているため、化学研磨
処理液と接する被処理材表面では材料の硬さおよび形状
によらず均一な研磨が進行する。
先の出願(特願平2−328190)において、ショッ
トピーニングを施した鋼部材の表面を化学研磨する鋼部
材の疲労強度向上方法を提案している。この提案におい
ては、従来技術のような機械的研磨あるいは電解研磨の
ように特別な外部からの作用ではなく、化学研磨処理液
が有する化学的な溶解力に基づいているため、化学研磨
処理液と接する被処理材表面では材料の硬さおよび形状
によらず均一な研磨が進行する。
【0011】その結果、ショットピーニング工程後に存
在する疲労破壊の原因になりやすい各種欠陥の研磨除去
が完全に行われ、部分的な取り残しをなくすことができ
る。また、この化学研磨処理後の鋼表面は、化学研磨作
用により著しい平滑化がなされるため、疲労破壊の起点
部での応力集中が緩和され、大幅かつ安定した疲労強度
の向上が可能となる。
在する疲労破壊の原因になりやすい各種欠陥の研磨除去
が完全に行われ、部分的な取り残しをなくすことができ
る。また、この化学研磨処理後の鋼表面は、化学研磨作
用により著しい平滑化がなされるため、疲労破壊の起点
部での応力集中が緩和され、大幅かつ安定した疲労強度
の向上が可能となる。
【0012】このように、浸炭処理を施した後ショット
ピーニングを行い、さらに化学研磨処理を行うという前
記提案においては、鋼部材の最表面は極めて高硬度、高
圧縮残留応力、しかも良好な表面状態(面粗度良好、浸
炭異常層なし)が得られるので、極めて高い疲労強度が
得られる。従って、この提案は部品の軽量設計をする上
で有効な手段であると考えられる。
ピーニングを行い、さらに化学研磨処理を行うという前
記提案においては、鋼部材の最表面は極めて高硬度、高
圧縮残留応力、しかも良好な表面状態(面粗度良好、浸
炭異常層なし)が得られるので、極めて高い疲労強度が
得られる。従って、この提案は部品の軽量設計をする上
で有効な手段であると考えられる。
【0013】そこで、発明者等は、前記提案を自動車用
ディファレンシャルの疲労強度を高めるため、その構成
部品であるハイポイドギヤ対に適用を試みた。表2は自
動車ディファレンシャルのユニット状態で一定のトルク
を入力し、破損までの繰り返し数を比較したもので、従
来例1は浸炭後ショットピーニングを施したもの、従来
例2はそれにさらに化学研磨処理を追加したものであ
る。
ディファレンシャルの疲労強度を高めるため、その構成
部品であるハイポイドギヤ対に適用を試みた。表2は自
動車ディファレンシャルのユニット状態で一定のトルク
を入力し、破損までの繰り返し数を比較したもので、従
来例1は浸炭後ショットピーニングを施したもの、従来
例2はそれにさらに化学研磨処理を追加したものであ
る。
【0014】ところが、表2に示したように、従来例2
はショットピーニング後化学研磨を施すことにより、大
幅な疲労強度の向上が期待されたにもかかわらず、破損
に到るまでの寿命は、従来例1の79万回に対して従来
例2は50万回であって、ユニット状態での耐久試験に
おいて疲労強度が逆に低下している。
はショットピーニング後化学研磨を施すことにより、大
幅な疲労強度の向上が期待されたにもかかわらず、破損
に到るまでの寿命は、従来例1の79万回に対して従来
例2は50万回であって、ユニット状態での耐久試験に
おいて疲労強度が逆に低下している。
【0015】本発明は浸炭処理を施した後ショットピー
ニングを行い、さらに化学研磨処理を行ったハイポイド
ギヤ対が、浸炭処理を施した後ショットピーニングを行
っただけのハイポイドギヤ対よりも疲労強度において劣
るという前記のごとき問題点を解決すべくなされたもの
であって、浸炭処理を施した後ショットピーニングを行
い、さらに化学研磨処理を施すことにより、従来よりも
さらに疲労強度に優れた高強度ハイポイド歯車を提供す
ることを目的とする。
ニングを行い、さらに化学研磨処理を行ったハイポイド
ギヤ対が、浸炭処理を施した後ショットピーニングを行
っただけのハイポイドギヤ対よりも疲労強度において劣
るという前記のごとき問題点を解決すべくなされたもの
であって、浸炭処理を施した後ショットピーニングを行
い、さらに化学研磨処理を施すことにより、従来よりも
さらに疲労強度に優れた高強度ハイポイド歯車を提供す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】発明者等は、先ず化学研
磨処理を行ったハイポイドギヤ対が、何故疲労強度に劣
るのか、その原因を追求するため、ユニット状態で疲労
強度評価を行った従来例1および従来例2のハイポイド
ギヤ対の破壊面の観察を行った。図2は従来例1のリン
グギヤの破壊面の模写図、図3は従来例2のリングギヤ
の破壊面の模写図である。
磨処理を行ったハイポイドギヤ対が、何故疲労強度に劣
るのか、その原因を追求するため、ユニット状態で疲労
強度評価を行った従来例1および従来例2のハイポイド
ギヤ対の破壊面の観察を行った。図2は従来例1のリン
グギヤの破壊面の模写図、図3は従来例2のリングギヤ
の破壊面の模写図である。
【0017】これらの破壊面から1次破損部位を特定す
ることは容易でないが、本発明者等はマクロおよびミク
ロ・フラクトグラフィー的に特定することを試みた。そ
の結果、図2および図3において○印の部位が破壊の起
点であることが特定できた。なお、図4は図2の破壊起
点における金属組織を表す1000倍の顕微鏡写真であ
り、図5は図3の破壊起点における金属組織を表す10
00倍の顕微鏡写真であって、いずれも疲労破壊である
ことが明らかである。
ることは容易でないが、本発明者等はマクロおよびミク
ロ・フラクトグラフィー的に特定することを試みた。そ
の結果、図2および図3において○印の部位が破壊の起
点であることが特定できた。なお、図4は図2の破壊起
点における金属組織を表す1000倍の顕微鏡写真であ
り、図5は図3の破壊起点における金属組織を表す10
00倍の顕微鏡写真であって、いずれも疲労破壊である
ことが明らかである。
【0018】図2に示したように従来例1は歯すじ方向
中央部から疲労破壊が始まっているのに対して、図3に
示したように従来例2は大端エッジ部より疲労破壊が始
まっている。従来例1も従来例2も共にラッピング工程
において歯当たりを歯すじ方向中央部になるように調整
しており、単なる歯当たりの違いで破損状態の差異が生
じたものではない。そこで、本発明者等はトルク入力時
の歯当たり移動という観点から次の仮説を立てた。
中央部から疲労破壊が始まっているのに対して、図3に
示したように従来例2は大端エッジ部より疲労破壊が始
まっている。従来例1も従来例2も共にラッピング工程
において歯当たりを歯すじ方向中央部になるように調整
しており、単なる歯当たりの違いで破損状態の差異が生
じたものではない。そこで、本発明者等はトルク入力時
の歯当たり移動という観点から次の仮説を立てた。
【0019】ハイポイドギヤ対は入力トルクを増すに従
って、ベアリング支持部、ギヤ類を取り付けるケース類
にたわみが生じてゆくことで、徐々に大端歯先部に歯当
たりが移動してゆくが、その移動量は従来例2の方が従
来例1より大きくなり、上記破損状態の差異を生じさせ
た。また、そのトルク入力に対する歯当たり移動量の差
は、次のようなことに起因していると考えた。
って、ベアリング支持部、ギヤ類を取り付けるケース類
にたわみが生じてゆくことで、徐々に大端歯先部に歯当
たりが移動してゆくが、その移動量は従来例2の方が従
来例1より大きくなり、上記破損状態の差異を生じさせ
た。また、そのトルク入力に対する歯当たり移動量の差
は、次のようなことに起因していると考えた。
【0020】従来例1と従来例2では歯形には全く差異
がないため、トルク入力に対して同じように大端歯先に
移動してゆくが、従来例1は最表面に浸炭異常層という
Hv400〜500程度の軟質層が存在するため、潰れ
が生じ面当たりになるのに対して、従来例2は浸炭異常
層を化学研磨によって完全に除去したので、上記クッシ
ョン作用は生じず大端歯先に局部当たりとなってしま
い、実質の歯当たり移動量が大きくなったものと考え
た。
がないため、トルク入力に対して同じように大端歯先に
移動してゆくが、従来例1は最表面に浸炭異常層という
Hv400〜500程度の軟質層が存在するため、潰れ
が生じ面当たりになるのに対して、従来例2は浸炭異常
層を化学研磨によって完全に除去したので、上記クッシ
ョン作用は生じず大端歯先に局部当たりとなってしま
い、実質の歯当たり移動量が大きくなったものと考え
た。
【0021】そこで、発明者等は前記の歯当たり移動量
を制御してヒール当たりから正しい当たりに近づけれ
ば、浸炭異常層のない疲労強度に優れた部位での面当た
りを可能とし、疲労強度の向上を図れるものと考え、歯
当たり移動量を制御できる方策について鋭意検討を重ね
た。その結果、ハイポイドギヤ対に適当なエンドレム加
工を施すことを着想し、実際に試作、評価を重ねるうち
に本発明に到ったものである。
を制御してヒール当たりから正しい当たりに近づけれ
ば、浸炭異常層のない疲労強度に優れた部位での面当た
りを可能とし、疲労強度の向上を図れるものと考え、歯
当たり移動量を制御できる方策について鋭意検討を重ね
た。その結果、ハイポイドギヤ対に適当なエンドレム加
工を施すことを着想し、実際に試作、評価を重ねるうち
に本発明に到ったものである。
【0022】本発明の高強度ハイポイド歯車は、ハイポ
イド歯車対のドライブピニオンまたはリングギヤのいず
れか一方または両方の歯部大端にエンドレム加工を施
し、歯部に浸炭焼入れした後、ショットピーニング処理
し、さらに化学研磨を施したことを要旨とする。
イド歯車対のドライブピニオンまたはリングギヤのいず
れか一方または両方の歯部大端にエンドレム加工を施
し、歯部に浸炭焼入れした後、ショットピーニング処理
し、さらに化学研磨を施したことを要旨とする。
【0023】歯部大端に施すエンドレム加工は、ハイポ
イド歯車対のドライブピニオンまたはリングギヤのいず
れか一方でも良く、あるいは両方であっても良い。要は
ドライブピニオンとリングギヤの歯当たり移動量が適正
に制御できれば良い。
イド歯車対のドライブピニオンまたはリングギヤのいず
れか一方でも良く、あるいは両方であっても良い。要は
ドライブピニオンとリングギヤの歯当たり移動量が適正
に制御できれば良い。
【0024】エンドレム量については、例えばリングギ
ヤにのみ施す場合、図1に示したように、エンドレム1
0の長さLは大端12から小端14までの距離の1/1
5〜1/4、高さxは0.02〜0.3mmとすること
が好ましい。エンドレムの長さLが1/15未満では歯
当たり移動量の抑制効果が充分でなく、良好な強度特性
が得られず、また1/4を越えると実質の噛み合い率の
低下により振動、騒音レベルが急激に高くなるため、大
端から小端までの距離の1/15〜1/4に限定した。
エンドレムの高さxについては、0.02mm未満では
歯当たり移動量の抑制効果が充分でなく、良好な強度特
性が得られず、また0.3mmを越えるとエッヂ効果が
急激に顕著になるため、ピッチングの発生が著しくなる
ので、0.02〜0.3mmに限定した。
ヤにのみ施す場合、図1に示したように、エンドレム1
0の長さLは大端12から小端14までの距離の1/1
5〜1/4、高さxは0.02〜0.3mmとすること
が好ましい。エンドレムの長さLが1/15未満では歯
当たり移動量の抑制効果が充分でなく、良好な強度特性
が得られず、また1/4を越えると実質の噛み合い率の
低下により振動、騒音レベルが急激に高くなるため、大
端から小端までの距離の1/15〜1/4に限定した。
エンドレムの高さxについては、0.02mm未満では
歯当たり移動量の抑制効果が充分でなく、良好な強度特
性が得られず、また0.3mmを越えるとエッヂ効果が
急激に顕著になるため、ピッチングの発生が著しくなる
ので、0.02〜0.3mmに限定した。
【0025】浸炭焼入れはCr鋼、Cr−Mo鋼または
Ni−Cr−Mo鋼等の肌焼鋼を用い、固体浸炭剤等に
接触させて加熱する固体浸炭法、浸炭性雰囲気ガス中で
加熱するガス浸炭法、あるいは浸炭性塩浴に浸漬する液
体浸炭法等特に限定はない。
Ni−Cr−Mo鋼等の肌焼鋼を用い、固体浸炭剤等に
接触させて加熱する固体浸炭法、浸炭性雰囲気ガス中で
加熱するガス浸炭法、あるいは浸炭性塩浴に浸漬する液
体浸炭法等特に限定はない。
【0026】ショットピーニングを行う装置は従来のも
のを用いることができる。ショットの投射装置として
は、回転する翼車の羽によって加速する遠心式投射装
置、あるいは圧縮空気がノズルから噴射するときの空気
速度を利用する空気式吹付投射装置のいずれをも使用す
ることができる。
のを用いることができる。ショットの投射装置として
は、回転する翼車の羽によって加速する遠心式投射装
置、あるいは圧縮空気がノズルから噴射するときの空気
速度を利用する空気式吹付投射装置のいずれをも使用す
ることができる。
【0027】ショット材質としては、大きなピーニング
効果を得るためには、鋼のような比較的大きな密度を有
するものが好ましい。ショット材質が鋼の場合には、通
常ビッカース硬さ(Hv)で450〜600程度のもの
でも良いが、疲労強度効果を高めるためには600〜8
00程度のものの方が好ましい。
効果を得るためには、鋼のような比較的大きな密度を有
するものが好ましい。ショット材質が鋼の場合には、通
常ビッカース硬さ(Hv)で450〜600程度のもの
でも良いが、疲労強度効果を高めるためには600〜8
00程度のものの方が好ましい。
【0028】ショットピーニングを施すときの強さは、
アークハイトで表すと0.1mm以上とするのが良い。
アークハイトが0.1mm未満ではピーニング効果を得
ることが困難となる。また、カバレージは、ショット投
射面全体にピーニング効果を付与できるよう100%以
上とすることが好ましい。投射粒子の速度は、30〜7
0m/secで0.5〜10分程度のショット時間が好
ましい。
アークハイトで表すと0.1mm以上とするのが良い。
アークハイトが0.1mm未満ではピーニング効果を得
ることが困難となる。また、カバレージは、ショット投
射面全体にピーニング効果を付与できるよう100%以
上とすることが好ましい。投射粒子の速度は、30〜7
0m/secで0.5〜10分程度のショット時間が好
ましい。
【0029】化学研磨処理工程において用いる化学研磨
液は、酸+酸化剤とから構成される一般のものを使用で
きるが、本発明では、特に、酸としてフッ酸を、酸化剤
として過酸化水素を用いたものであることが好ましい。
フッ酸は通常の酸としての働きにより、鋼材表面を化学
的に除去する。また、過酸化水素はその強い酸化力に加
え、鉄イオンを錯体として固定するため、過酸化水素の
分解作用を抑制し、長時間の安定的な処理を可能とす
る。
液は、酸+酸化剤とから構成される一般のものを使用で
きるが、本発明では、特に、酸としてフッ酸を、酸化剤
として過酸化水素を用いたものであることが好ましい。
フッ酸は通常の酸としての働きにより、鋼材表面を化学
的に除去する。また、過酸化水素はその強い酸化力に加
え、鉄イオンを錯体として固定するため、過酸化水素の
分解作用を抑制し、長時間の安定的な処理を可能とす
る。
【0030】
【作用】本発明の高強度ハイポイド歯車は、ハイポイド
歯車対のドライブピニオンまたはリングギヤのいずれか
一方または両方の歯部大端にエンドレム加工を施したの
で、トルク入力時の歯当たり移動量を制御してヒールで
の局部当たりから適正なる歯当たりに近づけることがで
きる。また、歯部の浸炭焼入れ処理およびショットピー
ニング処理後に浸炭異常層等の表面欠陥層を除去したの
で、疲労強度に優れた部位での面当たりを可能とし、疲
労強度が著しく向上した。
歯車対のドライブピニオンまたはリングギヤのいずれか
一方または両方の歯部大端にエンドレム加工を施したの
で、トルク入力時の歯当たり移動量を制御してヒールで
の局部当たりから適正なる歯当たりに近づけることがで
きる。また、歯部の浸炭焼入れ処理およびショットピー
ニング処理後に浸炭異常層等の表面欠陥層を除去したの
で、疲労強度に優れた部位での面当たりを可能とし、疲
労強度が著しく向上した。
【0031】
【実施例】本発明の実施例を従来例と比較しつつ説明
し、本発明の効果を明らかにする。本発明例としてJI
S SCM420鋼素材から熱間鍛造にてハイポイドギ
ヤ対の粗形材を製作し、ブランク加工後ヘリックスフォ
ームにて歯切り加工を行った。その際に図1に示すエン
ドレムの長さL=6mm、エンドレムの高さx=0.1
mmの大端エンドレムをつけるため、リードカムを通常
のものから変更して加工を行った。なお、ハイポイドギ
ヤ対の主な諸元は表1に示す通りである。
し、本発明の効果を明らかにする。本発明例としてJI
S SCM420鋼素材から熱間鍛造にてハイポイドギ
ヤ対の粗形材を製作し、ブランク加工後ヘリックスフォ
ームにて歯切り加工を行った。その際に図1に示すエン
ドレムの長さL=6mm、エンドレムの高さx=0.1
mmの大端エンドレムをつけるため、リードカムを通常
のものから変更して加工を行った。なお、ハイポイドギ
ヤ対の主な諸元は表1に示す通りである。
【0032】
【表1】
【0033】その後有効硬化深さ1.0mm、表面炭素
濃度0.8%を狙って浸炭焼入れを施し、平均粒径0.
8mm、硬度Hv700のショット粒で投射速度50m
/secにて、カバレージ600%のショットピーニン
グを施した。その時のアークハイト値は0.67mmで
あった。
濃度0.8%を狙って浸炭焼入れを施し、平均粒径0.
8mm、硬度Hv700のショット粒で投射速度50m
/secにて、カバレージ600%のショットピーニン
グを施した。その時のアークハイト値は0.67mmで
あった。
【0034】次に、HF−H2O2系化学系研磨液に3分
間浸漬して浸炭異常層を完全に除去し、表面を鏡面化さ
せた。その時の面粗度を歯面において測定したところR
z〜1.5μmであった。そして、ギヤ・キットのラッ
ピング、組み付け工程を経てユニット状態での疲労評価
に供した。なお、比較のために本実施例と同様の大端部
にエンドレム加工を施し、浸炭焼入れおよびショットピ
ーニング後の化学研磨を省略した比較例についても、同
一条件で破損に至るまでの繰り返し数を測定した。得ら
れた結果は、エンドレム加工を施さなかった従来例1お
よび従来例2と共に表2にまとめて示した。
間浸漬して浸炭異常層を完全に除去し、表面を鏡面化さ
せた。その時の面粗度を歯面において測定したところR
z〜1.5μmであった。そして、ギヤ・キットのラッ
ピング、組み付け工程を経てユニット状態での疲労評価
に供した。なお、比較のために本実施例と同様の大端部
にエンドレム加工を施し、浸炭焼入れおよびショットピ
ーニング後の化学研磨を省略した比較例についても、同
一条件で破損に至るまでの繰り返し数を測定した。得ら
れた結果は、エンドレム加工を施さなかった従来例1お
よび従来例2と共に表2にまとめて示した。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、大端部にエンド
レム加工および化学研磨の無かった従来例1は79万回
であるのに、これに化学研磨を施した従来例2は歯当た
り移動量が多くヒールでの局部当たりのため、寿命が5
0万回と却って疲労強度に劣ったことは前記の通りであ
るが、大端部にエンドレム加工を施し化学研磨の無かっ
た比較例は、歯幅が細くなったため、寿命は55万回で
あって、寿命の向上は見られなかった。これに対して、
本実施例はエンドレム加工によって、歯当たり移動量の
制御により、寿命が161万回であって、本発明により
疲労強度が大幅に向上することが確認された。
レム加工および化学研磨の無かった従来例1は79万回
であるのに、これに化学研磨を施した従来例2は歯当た
り移動量が多くヒールでの局部当たりのため、寿命が5
0万回と却って疲労強度に劣ったことは前記の通りであ
るが、大端部にエンドレム加工を施し化学研磨の無かっ
た比較例は、歯幅が細くなったため、寿命は55万回で
あって、寿命の向上は見られなかった。これに対して、
本実施例はエンドレム加工によって、歯当たり移動量の
制御により、寿命が161万回であって、本発明により
疲労強度が大幅に向上することが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明の高強度ハイポイド歯車は以上詳
述したように、ハイポイド歯車対のドライブピニオンま
たはリングギヤのいずれか一方または両方の歯部大端に
エンドレム加工を施し、歯部に浸炭焼入れした後ショッ
トピーニング処理をし、さらに化学研磨を施したことを
特徴とするものであって、大端部のエンドレムによりト
ルク入力時の歯当たり移動量が制御されヒールでの局部
当たりから適正位置での歯当たりに近づけることができ
る。また、歯部の浸炭焼入れ処理およびショットピーニ
ング処理後に化学研磨により浸炭異常層等の表面欠陥層
を除去したので、ドライブピニオンとリングギヤとの歯
当たりが疲労強度に優れた部位での面当たりとなり、疲
労強度を著しく向上することができる。
述したように、ハイポイド歯車対のドライブピニオンま
たはリングギヤのいずれか一方または両方の歯部大端に
エンドレム加工を施し、歯部に浸炭焼入れした後ショッ
トピーニング処理をし、さらに化学研磨を施したことを
特徴とするものであって、大端部のエンドレムによりト
ルク入力時の歯当たり移動量が制御されヒールでの局部
当たりから適正位置での歯当たりに近づけることができ
る。また、歯部の浸炭焼入れ処理およびショットピーニ
ング処理後に化学研磨により浸炭異常層等の表面欠陥層
を除去したので、ドライブピニオンとリングギヤとの歯
当たりが疲労強度に優れた部位での面当たりとなり、疲
労強度を著しく向上することができる。
【図1】大端部にエンドレム加工したリングキヤの歯部
の部分斜視図である。
の部分斜視図である。
【図2】化学研磨をしなかった従来例のリングギヤの破
損部位の模写図である。
損部位の模写図である。
【図3】化学研磨を施した従来例のリングギヤの破損部
位の模写図である。
位の模写図である。
【図4】図2の従来例の破損起点部の金属組織を表す1
000倍の顕微鏡写真である。
000倍の顕微鏡写真である。
【図5】図3の従来例の破損起点部の金属組織を表す1
000倍の顕微鏡写真である。
000倍の顕微鏡写真である。
10 エンドレム 12 大端 14 小端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 昌澄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 康行 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 憲一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 梶野 正樹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 清水 富美男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 ハイポイド歯車対のドライブピニオンま
たはリングギヤのいずれか一方または両方の歯部大端に
エンドレム加工を施し、歯部に浸炭焼入れした後、ショ
ットピーニング処理し、さらに化学研磨を施したことを
特徴とする高強度ハイポイド歯車。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35589291A JPH05169324A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 高強度ハイポイド歯車 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35589291A JPH05169324A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 高強度ハイポイド歯車 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05169324A true JPH05169324A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18446266
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35589291A Pending JPH05169324A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 高強度ハイポイド歯車 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05169324A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002009903A1 (fr) * | 2000-08-01 | 2002-02-07 | Aisin Aw Co., Ltd. | Roue d'engrenage, procede et dispositif pour realiser la finition de la face dentee de cette roue d'engrenage |
| CN111015137A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-04-17 | 江西江铃集团车桥齿轮有限责任公司 | 一种提高延伸外摆线准双曲面齿轮nvh性能的方法 |
-
1991
- 1991-12-20 JP JP35589291A patent/JPH05169324A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002009903A1 (fr) * | 2000-08-01 | 2002-02-07 | Aisin Aw Co., Ltd. | Roue d'engrenage, procede et dispositif pour realiser la finition de la face dentee de cette roue d'engrenage |
| CN111015137A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-04-17 | 江西江铃集团车桥齿轮有限责任公司 | 一种提高延伸外摆线准双曲面齿轮nvh性能的方法 |
| CN111015137B (zh) * | 2019-12-30 | 2021-07-23 | 江西江铃集团车桥齿轮有限责任公司 | 一种提高延伸外摆线准双曲面齿轮nvh性能的方法 |
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