JPH05176664A - 薫蒸装置 - Google Patents

薫蒸装置

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JPH05176664A
JPH05176664A JP34679591A JP34679591A JPH05176664A JP H05176664 A JPH05176664 A JP H05176664A JP 34679591 A JP34679591 A JP 34679591A JP 34679591 A JP34679591 A JP 34679591A JP H05176664 A JPH05176664 A JP H05176664A
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fumigation
gas
air
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fumigation chamber
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洋志 清水
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和夫 山内
Hironori Wakamatsu
寛徳 若松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、薫蒸装置の加熱源として水を使用
せず、貴重な被薫蒸物を汚すことなく安全に薫蒸庫の加
熱ができ、庫内空気の攪拌に特別な装置を使用すること
なく薫蒸用ガスの攪拌ができ、薫蒸後の作業も安全に行
なうことができる薫蒸装置を提供することを目的とす
る。 【構成】本発明は、加熱源として電気発熱体を使用し、
薫蒸用ガスは薫蒸庫の頂部からシャワー状に流すととも
に攪拌用の空気も同様に流したので、薫蒸庫内に撹拌機
等が不要となり、センサー等により薫蒸庫及び薫蒸室内
をチェックするようにしたので、無味無臭無色の薫蒸用
ガスであっても安全に作業ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文化財、美術工芸品等
が黴や虫等により被害を受けないようにする薫蒸装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】貴重な文化財や美術工芸品等は、長期間
にわたり変質することなく安全に保護されることが望ま
しいが、これら文化財等は、それを設置する環境によっ
て種々の害を受ける虞がある。例えば、木彫仏像、屏風
等の木彫物はケブカシバンムシ、書物や書画はフルホン
シバムシやクロゴキブリあるいはカワキアオコウジカ
ビ、毛織物はイガやヒメカツオブシムシ、金属品はアオ
コウジカビ、建築物はナミダタケやアラゲカワラタケ等
により汚染、剥離、損傷、崩壊等の種々の害を被る虞が
ある。
【0003】このような種々の害を防止する対策として
従来から行なわれているものが薫蒸法である。この薫蒸
法は、被薫蒸物により異なるが、例えば鉄筋コンクリー
ト造のような気密性の高いものに対して施こされる密閉
薫蒸法、野外の大型文化財に対して施工される被覆薫蒸
法、小型の文化財に対して施こされる減圧薫蒸法等があ
る。一般的な薫蒸法としては、薫蒸庫内に被薫蒸物を収
納して密閉状態となるように封止し、庫内を所定の温度
を維持して、この庫内に酸化エチレン及び臭化メチル等
からなる薫蒸ガスを充填し、所定時間薫蒸することによ
り殺虫、殺黴、殺卵等を行なうものである。
【0004】このような薫蒸法に使用される薫蒸装置と
しては、従来から図7に示すようなものが使用されてい
る。この薫蒸装置100は、大別して薫蒸庫101と、
この薫蒸庫101内を所定温度に加熱する加熱部102
と、薫蒸ガスを供給するガス供給部103と、庫内の空
気を攪拌する攪拌部104とを有している。
【0005】前記薫蒸庫101は、外壁105と内壁1
06とからなる二重構造をした壁体107を有し、この
壁体107の内部に被薫蒸物Wを収納する庫内空間10
8を形成し、壁体107の外壁105と内壁106との
間の空間109に保温用の断熱材110を設ける一方、
この壁体107の一側壁に開閉扉111を設け、これを
閉鎖することにより全体が密閉構造となるようにしたも
のである。前記空間109内には、庫内空間108を所
定温度にするための温水配管112が設けられ、この温
水配管112は閉鎖回路とされ、回路内に制御弁11
3、温水循環ポンプ114及びボイラー115が設けら
れ、全体として加熱部103を構成している。温水循環
ポンプ114及びボイラー115を作動すれば、所定温
度の温水が薫蒸庫101の周囲を流れ、庫内空間108
を所定温度(一般的には、10〜20℃)に加温し、こ
れを維持する。なお、薫蒸庫101は、一般に博物館等
のように空気調和された家屋内において使用されるの
で、庫内を冷却するための装置は通常設けられていな
い。ただし、植物等を薫蒸するとき等のように薫蒸ガス
による悪影響が生じる虞がある場合には、冷却装置を使
用することはある。
【0006】薫蒸庫101の上部には、薫蒸用ガスを吐
出する吐出口116が設けられ、吐出口116とガス気
化器117が管路118によって連通されている。ガス
気化器117は、ボンベBからのガス又は液化ガスを所
定量気化するもので、このガスは、主として殺虫力のあ
る臭化メチルと、主として殺菌力、殺黴力のある酸化エ
チレン等である。バルブ119を開くことにより薫蒸用
ガスが庫内に注入されると、ファン等の攪拌部104を
作動して庫内を攪拌し、ガスが被薫蒸物Wに均一に当る
ようにしている。
【0007】このような薫蒸装置100を用いて薫蒸作
業を行なう場合には、被薫蒸物Wの重要性に鑑み、細心
の注意が払われ、慎重に時間をかけて行なう。薫蒸作業
は、まず、庫内に被薫蒸物Wを慎重に収納した後に、扉
111を閉めて庫内を密閉状態とする。つぎに、加熱部
102のボイラーを作動させて温水を作り、温水循環ポ
ンプ114により薫蒸庫101の周囲に循環させ、庫内
を所定温度とする。
【0008】ここに、加熱源の熱媒体として水を使用し
ているのは、万一異常事態が発生しても、庫内温度が1
00℃以上に上昇せず、また急激に温度変化しないから
である。
【0009】そして、バルブ119を操作して薫蒸用ガ
スをゆっくりと薫蒸庫101内に充填しつつ攪拌部10
4により庫内の空気を攪拌する。ガスが所定量注入され
たならば、再度バルブ119を操作してガスの注入を停
止し、庫内の温度を所定温度に保持したまま、薫蒸を行
なう。薫蒸時間、薫蒸ガスの量等は、被薫蒸物が変質し
ないように慎重に設定される。この薫蒸時間は、被薫蒸
物により異なるが、小物では約4〜5時間、大型のもの
では数日間であり、比較的時間をかけてゆっくりと行な
う。この薫蒸時も前記攪拌部104は常に作動させるこ
とが好ましい。薫蒸された被薫蒸物Wは、殺黴、殺虫、
殺卵等の処理が施こされる。薫蒸が完了すると、外気導
入部120より外気を導入して庫内のガスを希釈化し、
ガス放出部121より大気中に放出する。そして、庫内
に作業者が入り、被薫蒸物Wを取出す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
薫蒸装置の加熱源の熱媒体として水を使用すると、予熱
に要する時間が長くなったり、水配管のために庫内スペ
ースが狭少となり、被薫蒸物の大きさが制限されたり、
腐蝕した配管部分等から洩れた水が庫内に滲出し貴重な
被薫蒸物を汚す虞がある。特に、文化財は、急激な温度
上昇により物理的劣化を引き起す虞があるが、前記水を
熱媒体とすると細かな温度制御を行なうことが難しく、
文化財の劣化防止が容易でないという不具合がある。
【0011】また、薫蒸庫内の空気を攪拌するときに、
長時間にわたってファン等を使用すると庫内での空気及
びガスの流れが一定となる虞があり、この場合に高濃度
のガスが被薫蒸物に当りすぎると、被薫蒸物を害する虞
がある。
【0012】さらに、薫蒸後に、薫蒸庫から被薫蒸物を
取出すとき、庫内に薫蒸用ガスが残留していると、この
ガスにより作業者が害される虞がある。
【0013】庫内は密閉状態で長時間薫蒸作業を行なう
ときに、薫蒸庫の周囲環境の温度が変化すると庫内温度
も変化する虞があるが、これにより被薫蒸物が劣化する
虞もある。
【0014】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、薫蒸装置の加熱源として水を使用せ
ず、貴重な被薫蒸物を汚すことなく安全に薫蒸庫の加熱
ができ、庫内空気の攪拌に特別な装置を使用することも
なく、薫蒸後の作業も安全で、外部環境の温度変化に対
する庫内温度への影響も防止するようにした薫蒸装置を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、被薫蒸物が収納された薫蒸庫を薫蒸室内に
設置し、この薫蒸庫内を加熱部により所定温度に保温す
るとともに庫内に薫蒸用ガスを充満させ、所定時間庫内
を密閉状態に保持することにより被薫蒸物の薫蒸を行な
うようにした薫蒸装置において、前記薫蒸庫の頂部に設
けられたノズルに薫蒸室内の空気を給気弁を介して導入
するようにした空気供給部と、前記薫蒸庫の頂部からシ
ャワー状に薫蒸用ガスを流出するように、薫蒸庫の頂部
に設けられた放出部とブロアの吸引側との間を循環吐出
弁を介して連通するガス供給管路を備えたガス供給部
と、前記薫蒸庫に臨むように設けられたガス排気口と前
記ブロアとの間を吸引弁を介して連通したガス排出管路
及び、前記ブロアから吐出されたガスを排気弁を介して
ガス吸着槽に導くガス吸着管路を有するガス排気部と、
前記薫蒸室内と外部とを連通する空気排出管路に換気ブ
ロアを設けた空気排出部と、庫内にガス及び空気を供給
する給気時に前記給気弁及び循環吐出弁を開放するとと
もに吸引弁及び排気弁を閉鎖し、排気時に吸引弁及び排
気弁を開放するとともに循環吐出弁を閉鎖する給気−排
気ボタンを備え、かつ前記加熱部を制御し前記薫蒸庫内
を所定温度を制御するようにした制御部とを有し、前記
ガス供給部にボンベ内のガスをガス気化器を介して導く
ように構成するとともに前記導入したガス圧力と加熱部
の温度制御による昇温に応じて薫蒸庫内の圧力を調節す
るように前記ガス吸着槽と前記薫蒸庫とを調圧弁を有す
る調圧管路により連通したことを特徴とする薫蒸装置で
ある。前記薫蒸室は、内部に薫蒸庫から漏洩した薫蒸用
ガスを検知するセンサーが設けられ、このセンサーと前
記空気排出部の換気ブロアとを接続し、センサーからの
信号により換気ブロアを回転し、薫蒸室内の空気を外部
に排出するようにすることが好ましい。前記加熱部は、
前記薫蒸庫の内壁の外面に添着され、電流が供給される
一対の導線と、この導線を外部から覆うように設けられ
た伝熱部材と、この伝熱部材を被覆する絶縁部材とから
なる偏平な帯状発熱体であり、この帯状発熱体を前記薫
蒸庫の少なくとも3つの側壁に配設することが好まし
い。
【0016】
【作用】このように構成した薫蒸装置は、薫蒸装置の加
熱源として水を使用せず偏平な帯状発熱体からなる電気
発熱体により行なうため、迅速に予熱を行なうことがで
き、経済性に優れ、貴重な被薫蒸物を汚すことなく安全
に薫蒸庫の加熱保温ができ、腐蝕の問題もないので耐久
性のあるものとなる。
【0017】薫蒸用ガスの導入とともに空気供給部を動
作させると、薫蒸室内の空気をノズルから散布でき、薫
蒸庫の上方からシャワーのように降る薫蒸用ガスをノズ
ルから散布される空気により攪拌することができ、庫内
に攪拌用のファン等を設けなくても庫内のガス濃度が偏
ることもなく、空気攪拌のため、庫内を流れるガス及び
空気は一定の流れとならず、しかも、薫蒸中に空気及び
ガスを庫内を流しつつ庫内圧力を調節しつつ薫蒸を行な
うので、庫内温度の上昇も少なく、被薫蒸物に対する温
度上昇に伴なう悪影響がなく、長時間の薫蒸も被薫蒸物
Wに悪影響を与えることもなく、薫蒸を行なうことがで
きる。薫蒸ガスに着火性のあるものを使用しても空気攪
拌のため、ガスが着火せず、防爆性の高いものとなる。
【0018】さらに、薫蒸庫あるいは薫蒸室内のガス濃
度をセンサーやガス濃度測定部により測定した後に、異
常時にはブロア等を用いて換気しているので、薫蒸用ガ
スが無味無臭無色であっても、薫蒸用ガスによって害さ
れることなく、作業者は安全に薫蒸作業を行なうことが
できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面について説明
する。図1は、本発明の一実施例を示す概略構成図であ
る。図1に示す薫蒸装置10は、大別して、薫蒸室R内
に設置され、内部に被薫蒸物Wを収納する薫蒸庫11
と、この薫蒸庫11を加熱する加熱部12と、薫蒸庫1
1内に薫蒸用ガスを供給するガス供給部13と、薫蒸庫
11内に薫蒸室Rの空気を供給する空気供給部14と、
薫蒸庫11内のガスを薫蒸室Rの外部に排出するガス排
気部15と、薫蒸室R内の空気を外部に排出する空気排
出部16と、薫蒸庫11内のガス及び空気の状態を制御
する制御部Cとを有している。
【0020】前記薫蒸庫11は、図2に示すように、外
壁20と内壁21とからなる二重構造の壁体22を有
し、この壁体22の外壁と内壁との間の空間23に保温
用のグラスウール等からなる断熱材24が設けられ、こ
の壁体22の一側壁にはハンドル(図示せず)を回転さ
せることにより気密をもって閉鎖できる開閉扉25が設
けられている。
【0021】外壁と内壁との間の空間23内には、庫内
を所定温度にするための加熱部12が設けられている。
加熱部12は、図3に示すように、加熱源となる偏平な
帯状発熱体26(株式会社ヤガミ製の商品名イソトレー
スを使用することが好ましい)を有し、この帯状発熱体
26は、電流が供給されると発熱する一対の導線27
と、この導線27を外部から覆うように設けられた金属
製の薄板からなる伝熱部材28と、この伝熱部材28を
被覆するゴム等からなる絶縁部材29とから構成されて
いる。この帯状発熱体26は、図4に示すように、薫蒸
庫11の内壁21外面にテープ30等により添着固定さ
れ、図5に示すように、開閉扉25を除く薫蒸庫11の
3つの側壁に沿って配設され、制御部Cを制御し導線2
7の一端に電流を流すことにより直接薫蒸庫11を側部
外周から加熱し、庫内を所定温度(一般的には、10〜
20℃)に加温している。なお、薫蒸庫は、一般に博物
館等のように空気調和された家屋内において使用される
ので、庫内冷却用の装置は通常設けられていない。
【0022】次に、図1において、薫蒸庫11内に薫蒸
用ガスを供給するガス供給部13は、薫蒸庫11の頂部
に設けられた放出部31とブロア32との間を循環吐出
弁33を介して連通するガス供給管路34を有してい
る。このように放出部31を庫内頂部に設けたのは、薫
蒸用ガスが、空気の比重を1としたときに、2.82と
重く、上方から落下すると自重により下方に移動し、シ
ャワー効果により被薫蒸物Wに降りかかるようになるた
めである。
【0023】しかし、薫蒸用ガスを上方からシャワー効
果により落下させても、直接濃度の高い薫蒸用ガスが被
薫蒸物Wに当ると好ましくないので、薫蒸庫11の上方
には空気供給部14が設けられている。空気供給部14
は、ファンを備えたフィルタ35及び給気弁36を介し
て導入された薫蒸室R内の空気をノズル37から散布す
るものであり、ノズル37から散布された空気により庫
内の薫蒸用ガスを攪拌するようにしている。ノズル37
から散布される空気により庫内の薫蒸用ガスを攪拌すれ
ば、庫内に攪拌用のファン等を設けなくても庫内のガス
濃度が偏ることはない。しかも、空気によりガスを攪拌
すれば、庫内を流れるガス及び空気は一定の流れを作る
ことがなく、長時間にわたって薫蒸を行なっても被薫蒸
物Wに悪影響を与えることはない。
【0024】前記ガス排気部15は、薫蒸庫頂部のガス
排気口38と前記ブロア32との間を吸引弁39を介し
て連通したガス排出管路40を有している。このガス排
出管路40と前記ガス供給管路34とは、1つのブロア
32によりガスの給排を循環して行なうようになってい
る。したがって、ボンベBからのガスは、ガス排出管路
40かガス供給管路34のいずれかに導入すればよい
が、本実施例ではガス排出管路40に導入するようにな
っている。このボンベBは、複数個設けられ、これら各
ボンベBには、主として殺虫力を発揮する臭化メチル
と、主として殺菌力、殺黴力を発揮する酸化エチレンか
らなる無色無臭の薫蒸用ガスが貯溜されている。この薫
蒸用ガスは、外周あるいは底部に加熱部材を有するガス
気化器41を作動することによりボンベBから制御弁4
2により制御されて引き出され、ブロア32に引かれて
前記ガス供給管路34に導入される。なお、ボンベBか
らのガスの流れは分注器Dにより確認できるようになっ
ている。
【0025】一方、ガス排気部15によって排出された
薫蒸用ガスは、ブロア32によりガス排出管路40を通
り、ブロア32を経てガス吸着管路43によりガス吸着
槽44に導かれる。このガス吸着管路43中には排気弁
45が設けられ、ガス排出の可否が制御されるようにな
っている。ガス吸着槽44は、内部に仕切板46が設け
られ、活性炭等からなるガス吸着部材47を通過しない
限り、出口側に流入できないようになっている。この出
口側には、排出管路48が連通され、この排出管路48
は、逆止弁的に機能する調圧弁49を介して前記空気排
出部16の空気排出管路50と連通されている。
【0026】前記ガス供給部13によって薫蒸用ガスを
外部に排出しても、薫蒸室R内には残留ガスが存在する
可能性もあるので、このような場合に作業者が直ちに薫
蒸室R内に入ることは好ましくない。したがって、薫蒸
室R内の空気を場合によっては外部に排出する必要があ
ることから空気排出部16が設けられている。この空気
排出部16は、薫蒸室R内に空気取込み口51を設け、
この空気取込み口51と換気ブロア52の吸い込み側と
を連結するとともに換気ブロア52の吐出側に空気排出
管路50を連結したものである。この空気排出部16の
換気ブロア52によって排出されるものは、大部分が空
気であり、薫蒸用ガスが含まれていても微量であること
から、ガス排出管路48の出口端を空気排気管路50に
連結し、ガス吸着槽44で吸着されなかったガスを空気
により希釈化して外部に排出するようにしている。ただ
し、この空気排気管路50から外部に排出されるガス及
び空気は、場合によっては排出が好ましくない程度の濃
度を有する場合もあるので、このような事態を防止する
ために、空気排気管路50を流通する空気の一部を管路
60によりセンサー54bまで導き、このセンサー54
bにより排気する空気に含まれるガス濃度を感知し、所
定濃度以上のガスが空気排気管路50を流通している場
合には換気ブロア52を停止するなどの手段を講じるこ
とにしている。 そして、庫内にガス及び空気を供給す
る給気時に給気ボタンを押すと、前記給気弁36及び循
環吐出弁33は開放され、排気時に排気ボタンを押す
と、循環吐出弁33が閉鎖され、吸引弁39及び排気弁
45が開放されるようになっている。この給気−排気ボ
タンは、制御部Cに設けられているが、図示は省略して
ある。この制御部Cは、前記加熱部12を制御し薫蒸庫
11内の温度を制御する部分も有している。
【0027】ガス濃度測定部53は、高濃度域ガス濃度
測定部53hと低濃度域ガス濃度測定部53lとから構
成され、高濃度域ガス濃度測定部53hは、薫蒸庫内の
ガス濃度状態の確認に用いられ、低濃度域ガス濃度測定
部53lは、薫蒸庫内のガス濃度が作業者が被薫蒸物を
取出すために庫内に入室可能か否かを判断するために用
いられる。各測定部53は、センサー部を1本又は複数
本有し、その先端は薫蒸庫11内に臨まされ、例えば、
非分散形赤外線分析法等によりガス分析し、その値を外
部から目視できるように記録するようになっている。た
だし、これらガス濃度測定部53の記録部で記録された
結果のみから、作業者が入室可能か否かを判断すると、
作業者が庫内に入るときの安全性が完全に確保されない
こともあるので、庫内のガス濃度を検知する必要があ
る。
【0028】したがって、本実施例では、前記制御部C
に、薫蒸室R内のガス洩れを検知するセンサー54aか
らの信号が入力されるようにし、センサー54aからの
信号が入力されると、換気ブロア52が回転して薫蒸室
R内の空気を外部に排出するようにしている。
【0029】また、この制御部Cには、薫蒸室Rから外
部に排出される空気とガスとの混合気体のガス濃度も検
知するセンサー54bからの信号も入力されるようにな
っている。センサー54bからの信号が入力されると、
換気ブロア52の回転を停止したりあるいは排気弁45
を閉鎖し、薫蒸室R等の空気が外部に排出されないよう
になっている。なお、好ましくは、センサー54が所定
値以上の濃度を検知するとガス洩れ警報器等を作動する
ことが望ましい。
【0030】ただ、薫蒸用ガスを庫内に投入すると庫内
の圧力は上昇することになり、この上昇した圧力状態を
保持したままで薫蒸していると、庫内が高温高圧となる
可能性があるため、本実施例では、薫蒸庫内の圧力が常
に所望の圧力状態となるように、薫蒸庫11とガス吸着
槽44との間を調圧弁55を有する調圧管路56により
連通し、薫蒸庫11内の圧力状態が調節されるようにし
ている。
【0031】次に、実施例の作用を説明する。
【0032】この薫蒸装置を用いて薫蒸を行なう場合に
は、被薫蒸物の重要性に鑑み、細心の注意が払われ、慎
重に時間をかけて薫蒸作業を行なう。薫蒸作業を行なう
に当っては、まず、庫内に被薫蒸物Wを慎重に収納した
後に、開閉扉25を閉めて庫内を密閉状態とする。つぎ
に、加熱部12の帯状発熱体26を作動させ庫内を所定
温度とする。この加熱に要する時間は、水を使用しない
ので短時間となり、予熱時間も短くてすむ。そして、庫
内温度を所定温度に維持した状態で、給気ボタンを押す
と、給気弁36及び循環吐出弁33は開放され、吸引弁
39及び排気弁45閉鎖される。そして、制御弁42を
操作すれば、薫蒸用ガスがボンベBからガス気化器41
に移動する。この状態で、ブロア32を動作すれば、薫
蒸用ガスは、ガス供給管路34を通って薫蒸庫11内に
導入される。この薫蒸用ガスの導入と同時あるいはそれ
より早く空気供給部14のファンを備えたフィルタ35
を動作させると、薫蒸室R内の空気がノズル37から散
布される。この散布される空気は、上方からシャワーの
ように降る薫蒸用ガスと攪拌される。したがって、薫蒸
用ガスが被薫蒸物Wに当ることはなく、庫内に攪拌用の
ファン等を設けなくても庫内のガス濃度が偏ることもな
い。また、空気によりガスを攪拌すれば、庫内を流れる
ガス及び空気は一定の流れを作ることがなく、長時間に
わたって薫蒸を行なっても被薫蒸物Wに悪影響を与える
こともない。ガス濃度は、高濃度域ガス濃度測定部53
hにより検知され、外部の記録部で表示されるので、こ
れにより庫内のガス状態がチェックすることができる。
なお、ガス及び空気を過剰に導入した場合には、調圧弁
55の作用により庫内圧力は調節される。
【0033】そして、庫内の温度を所定温度に保持した
まま、所定時間薫蒸を行なう。
【0034】この薫蒸中の庫内温度を測定した実験結果
を図6に示す。この実験は、8m3 の内容積を有する薫
蒸庫を使用し、庫内のガスの風速を0.2m/秒、設定
温度を17℃、千葉県において11月16日〜18日の
丸2昼夜行なった。実験結果は、外気温を破線(図6
A)、外気の湿度を1点鎖線(図6B)、庫内温度を実
線(図6C)、庫内湿度を2点鎖線(図6D)で示して
いる。この実験結果から明らかなように、庫内温度は長
期にわたり略一定の17℃を維持していることが分り、
調圧弁55により薫蒸庫11内が調圧され、確実に所定
温度に維持されることが判明した。
【0035】このようにして薫蒸を所定時間かけてゆっ
くりと行なった後に、被薫蒸物を取出す場合には、ま
ず、排気ボタンを押し、循環吐出弁33を閉鎖し、吸引
弁39及び排気弁45を開放する。そして、空気供給部
14を作動させて庫内に空気を導入しつつブロア32を
動作し庫内の薫蒸用ガスを排出しつつ換気ブロア52を
動作し、排気するガスを希釈する。低濃度域ガス濃度測
定部53lが所定のガス濃度以下を示し、センサー54
a,54bも異常を示さないようになるまで排気を行な
う。そして、低濃度域ガス濃度測定部53lもセンサー
54a,54bも異常を示さないことを確認した後に、
薫蒸室R内に入り、庫内の被薫蒸物Wを取出す。この場
合、センサー54a,54bが異常を検知すると、空気
排出部16の換気ブロア52を動作して薫蒸室R内の空
気及びガスを再度外部に排出することになる。
【0036】なお、上述したものは、本発明の一実施例
であり、本発明は、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱
することなく、種々変更することができる。例えば、前
記実施例では、美術工芸品等を薫蒸するものであるが、
これのみでなく、薫蒸により殺菌するものあるいは殺黴
等するものであればどのようなものに対しても本発明は
適用できる。また、加熱部は、偏平な帯状発熱体を薫蒸
庫の3つの側壁に配設したが、これのみでなく、開閉扉
にも設けてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の薫蒸装置
は、薫蒸装置の加熱源として水を使用せず、迅速に予熱
を行なうことができ、経済性に優れ、貴重な被薫蒸物を
汚すことなく安全に薫蒸庫の加熱保温ができ、腐蝕の問
題もないので耐久性のあるものとなる。また、薫蒸用ガ
スの攪拌も簡単で、庫内に攪拌用のファン等を設けなく
ても庫内のガス濃度が偏ることもなく、長時間の薫蒸も
被薫蒸物に悪影響を与えることもなく、薫蒸ガスに着火
性のあるものを使用しても空気攪拌のため防爆性の高い
ものとなる。さらに、薫蒸用ガスが無味無臭無色であっ
ても、薫蒸用ガスによって害されることなく、作業者は
安全に薫蒸作業を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例を示す概略構成図、
【図2】は、同実施例の薫蒸庫の断面概略図、
【図3】は、帯状発熱体の斜視図、
【図4】は、帯状発熱体の取付け状態を示す断面図、
【図5】は、帯状発熱体の配置を示す概略斜視図、
【図6】は、本発明の一実施例の実験結果を示すグラ
フ、
【図7】は、従来の薫蒸庫を示す断面概略図である。
【符号の説明】
11…薫蒸庫、 12…加熱部、
13…ガス供給部、 14…空気供給部、15…ガス
排気部、 16…空気排出部、21…
薫蒸庫の内壁、 26…帯状発熱体、2
7…導線、 28…伝熱部材、29…絶縁部材、
31…放出部、32…ブロア、
33…循環吐出弁、34…ガス供給
管路、 36…給気弁、37…ノズル、
38…ガス排気口、39…吸引弁、
40…ガス排出管路、41…ガス気化
器、 43…ガス吸着管路、44…ガス吸着槽、
45…排気弁、50…空気排出管路、
52…換気ブロア、53…ガス濃度測定
部、 54…センサー、55…調圧弁、
56…調圧管路、B…ボンベ、
C…制御部、R…薫蒸室、
W…被薫蒸物。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被薫蒸物(W) が収納された薫蒸庫(11)を
    薫蒸室(R) 内に設置し、この薫蒸庫(11)内を加熱部(12)
    により所定温度に保温するとともに庫内に薫蒸用ガスを
    充満させ、所定時間庫内を密閉状態に保持することによ
    り被薫蒸物(W) の薫蒸を行なうようにした薫蒸装置にお
    いて、 前記薫蒸庫(11)の頂部に設けられたノズル(37)に薫蒸室
    (R) 内の空気を給気弁(36)を介して導入するようにした
    空気供給部(14)と、 前記薫蒸庫(11)の頂部からシャワー状に薫蒸用ガスを流
    出するように、薫蒸庫(11)の頂部に設けられた放出部(3
    1)とブロア(32)の吸引側との間を循環吐出弁(33)を介し
    て連通するガス供給管路(34)を備えたガス供給部(13)
    と、 前記薫蒸庫(11)に臨むように設けられたガス排気口(38)
    と前記ブロア(32)との間を吸引弁(39)を介して連通した
    ガス排出管路(40)及び、前記ブロア(32)から吐出された
    ガスを排気弁(45)を介してガス吸着槽(44)に導くガス吸
    着管路(43)を有するガス排気部(15)と、 前記薫蒸室(R) 内と外部とを連通する空気排出管路(50)
    に換気ブロア(52)を設けた空気排出部(16)と、 庫内にガス及び空気を供給する給気時に前記給気弁(36)
    及び循環吐出弁(33)を開放するとともに吸引弁(39)及び
    排気弁(45)を閉鎖し、排気時に吸引弁(39)及び排気弁(4
    5)を開放するとともに循環吐出弁(33)を閉鎖する給気−
    排気ボタンを備え、かつ前記加熱部(12)を制御し前記薫
    蒸庫(11)内を所定温度を制御するようにした制御部(C)
    とを有し、 前記ガス供給部(13)にボンベ(B) 内のガスをガス気化器
    (41)を介して導くように構成するとともに前記導入した
    ガス圧力と加熱部(12)の温度制御による昇温に応じて薫
    蒸庫(11)内の圧力を調節するように前記ガス吸着槽(44)
    と前記薫蒸庫(11)とを調圧弁(55)を有する調圧管路(56)
    により連通したことを特徴とする薫蒸装置。
  2. 【請求項2】 前記薫蒸室(R) は、内部に薫蒸庫(11)か
    ら漏洩した薫蒸用ガスを検知するセンサー(54)が設けら
    れ、このセンサー(54)と前記空気排出部(16)の換気ブロ
    ア(52)とを接続し、センサー(54)からの信号により換気
    ブロア(52)を回転し、薫蒸室(R) 内の空気を外部に排出
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の薫蒸
    装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱部(12)は、前記薫蒸庫(11)の内
    壁(21)の外面に添着され、電流が供給される一対の導線
    (27)と、この導線(27)を外部から覆うように設けられた
    伝熱部材(28)と、この伝熱部材(28)を被覆する絶縁部材
    (29)とからなる偏平な帯状発熱体(26)であり、この帯状
    発熱体(26)を前記薫蒸庫(11)の少なくとも3つの側壁に
    配設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の薫蒸
    装置。
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