JPH05192151A - リボザイムを用いた新規rna転写システム - Google Patents
リボザイムを用いた新規rna転写システムInfo
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- JPH05192151A JPH05192151A JP29184691A JP29184691A JPH05192151A JP H05192151 A JPH05192151 A JP H05192151A JP 29184691 A JP29184691 A JP 29184691A JP 29184691 A JP29184691 A JP 29184691A JP H05192151 A JPH05192151 A JP H05192151A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 転写されるRNAの5′末端と3′末端とを
各々、セルフプロセッシングにより切断するリボザイム
RNAをコードするDNAが連結されたベクター、また
は転写されるRNAの5′末端と3′末端をセルフプロ
セッシングするリボザイムとそれらの間に特定の配列を
持つRNAを一つのユニットとし、あるいは転写される
RNAの3′末端をセルフプロセッシングするリボザイ
ムとその上流に特定の配列を持つRNAを一つのユニッ
トとし、それらのユニットを複数連結させたRNAをコ
ードするDNA配列を含むベクター、それらを用いたR
NA転写物の製造方法及び前記ベクターにより形質転換
された微生物又は動植物細胞。 【効果】 本発明の2つのリボザイムRNAをコードす
るDNA断片を含むベクターは、環状のままでも制限酵
素を用いることなく5′末端及び3′末端側において余
分な塩基配列が付加されていないRNA転写物を製造す
ることができる。
各々、セルフプロセッシングにより切断するリボザイム
RNAをコードするDNAが連結されたベクター、また
は転写されるRNAの5′末端と3′末端をセルフプロ
セッシングするリボザイムとそれらの間に特定の配列を
持つRNAを一つのユニットとし、あるいは転写される
RNAの3′末端をセルフプロセッシングするリボザイ
ムとその上流に特定の配列を持つRNAを一つのユニッ
トとし、それらのユニットを複数連結させたRNAをコ
ードするDNA配列を含むベクター、それらを用いたR
NA転写物の製造方法及び前記ベクターにより形質転換
された微生物又は動植物細胞。 【効果】 本発明の2つのリボザイムRNAをコードす
るDNA断片を含むベクターは、環状のままでも制限酵
素を用いることなく5′末端及び3′末端側において余
分な塩基配列が付加されていないRNA転写物を製造す
ることができる。
Description
【発明の詳細な説明】本発明はリボザイムを用いた新規
RNA転写システムに関するものである。
RNA転写システムに関するものである。
【従来の技術】従来、すべての酵素はタンパク質から構
成されていると確信されていたが、1981年に酵素活
性を有するRNA分子、すなわちリボザイムが発見さ
れ、従来の酵素に関する概念は打ち破られた。この画期
的発見はコロラド大学のT.Cech教授らによっても
たらされ、原生動物のテトラヒメラのリボソームRNA
(rRNA)前駆体はタンパク質の力を借りずに、遺伝
情報伝達上不必要なイントロン(IVS)をセルフスプ
ライシングにより取り除くことを証明した(Natur
e Vol.308,p.820−825(198
4))。その後、ホスホジエステル結合をセルフスプラ
イシングするような触媒機能を有するRNA分子が次々
と発見されているほか、他のRNA分子を切断するリボ
ザイムも見い出されている。このような中で、最近、
J.HaseloffとW.L.Gerlachは、数
種の植物ウイルスのリボザイムの間で共通に保持されて
いる塩基配列に着目し、わずか24塩基で触媒活性部位
を構成する人工リボザイムの構築に成功している(Na
ture Vol.334,p.585−591(19
88))。図1はこの人工リボザイムのデザインを示す
もので、この人工リボザイムは、基質となるRNA分子
の塩基配列を認識して塩基対を形成するバインディング
サイトCと、24個の特定の塩基配列を有する触媒活性
部位Bから構成されており、Substrateとして
示された基質RNAのA(GUC)部分に隣接する位置
でRNAの切断を行う(図中、矢印で示す)。なお、こ
のA部分のRNA配列は、GUCのみでなく、他の配列
に変更することも可能である。そして、このJ.Has
eloff等の人工リボザイムの構築において使用した
手法は、上記のリボザイムのデザインに基づいてリボザ
イムRNAと相補塩基配列を有し、リボザイムRNAを
コードするDNAを合成してプラスミドに挿入し、さら
にこの組み換えプラスミドを形質転換して得られたクロ
ーンを制限酵素で切断して、リボザイムRNAをコード
するDNA断片を得、これを鋳型としてin vitr
oで転写して人工リボザイムを得るもので、この実施に
おいてはバインディグサイトの塩基配列が異なる3種の
リボザイムを合成し、この3種のリボザイムがクロラム
フェニコールアセチルトランスフェラーゼに対応するm
RNAを各々異なる位置で切断することを明らかにして
いる。一方、特定のRNA転写物を得ようとする場合、
従来法においては、目的とするRNAをコードするDN
Aを鋳型として、RNAに転写する際に、該DNAによ
り組み換えられたプラスミドを制限酵素で切断してから
転写するという余分の手間を要するものであった(ラン
・オフ法と呼ばれている)。この理由は、該プラスミド
に挿入されたDNA断片を鋳型としてRNAを転写する
場合には、5′末端側と3′末端側における余分な塩基
配列が転写されてしまい、この余分な塩基配列をできる
だけ転写させないようにするためであった。すなわち、
5′末端側は、プロモータのすぐ下流に上記DNAを連
結させることによって処理していたが、3′末端側の処
理は、RNAの転写において未だユニバーサルなターミ
ネータが見い出されていないので、3′末端側の処理に
際して制限酵素を使用するいわゆるランオフ法を採らざ
るを得なかったものであり(図2参照)、前述したリボ
ザイムRNAの製造においても、このランオフ法を採用
していた。
成されていると確信されていたが、1981年に酵素活
性を有するRNA分子、すなわちリボザイムが発見さ
れ、従来の酵素に関する概念は打ち破られた。この画期
的発見はコロラド大学のT.Cech教授らによっても
たらされ、原生動物のテトラヒメラのリボソームRNA
(rRNA)前駆体はタンパク質の力を借りずに、遺伝
情報伝達上不必要なイントロン(IVS)をセルフスプ
ライシングにより取り除くことを証明した(Natur
e Vol.308,p.820−825(198
4))。その後、ホスホジエステル結合をセルフスプラ
イシングするような触媒機能を有するRNA分子が次々
と発見されているほか、他のRNA分子を切断するリボ
ザイムも見い出されている。このような中で、最近、
J.HaseloffとW.L.Gerlachは、数
種の植物ウイルスのリボザイムの間で共通に保持されて
いる塩基配列に着目し、わずか24塩基で触媒活性部位
を構成する人工リボザイムの構築に成功している(Na
ture Vol.334,p.585−591(19
88))。図1はこの人工リボザイムのデザインを示す
もので、この人工リボザイムは、基質となるRNA分子
の塩基配列を認識して塩基対を形成するバインディング
サイトCと、24個の特定の塩基配列を有する触媒活性
部位Bから構成されており、Substrateとして
示された基質RNAのA(GUC)部分に隣接する位置
でRNAの切断を行う(図中、矢印で示す)。なお、こ
のA部分のRNA配列は、GUCのみでなく、他の配列
に変更することも可能である。そして、このJ.Has
eloff等の人工リボザイムの構築において使用した
手法は、上記のリボザイムのデザインに基づいてリボザ
イムRNAと相補塩基配列を有し、リボザイムRNAを
コードするDNAを合成してプラスミドに挿入し、さら
にこの組み換えプラスミドを形質転換して得られたクロ
ーンを制限酵素で切断して、リボザイムRNAをコード
するDNA断片を得、これを鋳型としてin vitr
oで転写して人工リボザイムを得るもので、この実施に
おいてはバインディグサイトの塩基配列が異なる3種の
リボザイムを合成し、この3種のリボザイムがクロラム
フェニコールアセチルトランスフェラーゼに対応するm
RNAを各々異なる位置で切断することを明らかにして
いる。一方、特定のRNA転写物を得ようとする場合、
従来法においては、目的とするRNAをコードするDN
Aを鋳型として、RNAに転写する際に、該DNAによ
り組み換えられたプラスミドを制限酵素で切断してから
転写するという余分の手間を要するものであった(ラン
・オフ法と呼ばれている)。この理由は、該プラスミド
に挿入されたDNA断片を鋳型としてRNAを転写する
場合には、5′末端側と3′末端側における余分な塩基
配列が転写されてしまい、この余分な塩基配列をできる
だけ転写させないようにするためであった。すなわち、
5′末端側は、プロモータのすぐ下流に上記DNAを連
結させることによって処理していたが、3′末端側の処
理は、RNAの転写において未だユニバーサルなターミ
ネータが見い出されていないので、3′末端側の処理に
際して制限酵素を使用するいわゆるランオフ法を採らざ
るを得なかったものであり(図2参照)、前述したリボ
ザイムRNAの製造においても、このランオフ法を採用
していた。
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の制限酵素を使用する方法においては、制限酵素を使
用するという余分の手間に加えて、転写において切断さ
れた線状のDNAを使用するため、in vitroで
は、RNAを合成することも可能であるが、生体内にお
いて、RNAをコードするDNA断片を含む組み換えベ
クターを保持、増殖せしめつつRNA転写物を産生させ
ることはできないものであった。また、5′末端側の処
理においてプロモーターのすぐ下流に目的とするRNA
に対応するDNAを連結したとしても、転写開始点から
目的とするRNAに対応するDNAまでの間の余分な塩
基配列が付加してしまうということはさけられなかっ
た。本発明の課題は、上記のような制限酵素による切断
を行わずに、目的とするRNA転写物をコードするDN
Aにより組み換えられた環状のベクターをそのまま鋳型
として用いることができるとともに余分な塩基配列を有
しないRNAを転写することができ、かつ生体内におい
ても該組み換えベクターを保持増殖させながら目的とす
るRNA転写物を産生できる、リボザイムを用いた新規
なRNA転写システムを提供しようとするものである。
来の制限酵素を使用する方法においては、制限酵素を使
用するという余分の手間に加えて、転写において切断さ
れた線状のDNAを使用するため、in vitroで
は、RNAを合成することも可能であるが、生体内にお
いて、RNAをコードするDNA断片を含む組み換えベ
クターを保持、増殖せしめつつRNA転写物を産生させ
ることはできないものであった。また、5′末端側の処
理においてプロモーターのすぐ下流に目的とするRNA
に対応するDNAを連結したとしても、転写開始点から
目的とするRNAに対応するDNAまでの間の余分な塩
基配列が付加してしまうということはさけられなかっ
た。本発明の課題は、上記のような制限酵素による切断
を行わずに、目的とするRNA転写物をコードするDN
Aにより組み換えられた環状のベクターをそのまま鋳型
として用いることができるとともに余分な塩基配列を有
しないRNAを転写することができ、かつ生体内におい
ても該組み換えベクターを保持増殖させながら目的とす
るRNA転写物を産生できる、リボザイムを用いた新規
なRNA転写システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、ベクターの構築において、目的とするRNA転
写物の5′端末と3′端末とを各々セルフプロセッシン
グにより切断するリボザイムRNAをコードするDNA
を連結することにより、上記課題を解決し得ることを見
い出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明は、(1)転写されるRNAの5′末端と
3′末端とを各々、セルフプロセッシングにより切断す
るリボザイムRNAをコードするDNAが連結されたベ
クター、(2)転写されるRNAの5′末端と3′末端
をセルフプロセッシングするリボザイムとそれらの間に
特定の配列を持つRNAを一つのユニットとし、そのユ
ニットを複数(2〜100)連結させたRNAをコード
するDNA配列を含むべクター。(3)転写されるRN
Aの3′末端をセルフプロセッシングするリボザイムと
その上流に特定の配列を持つRNAを一つのユニットと
し、そのユニットを複数連結させたRNAをコードする
DNA配列を含むベクター。(4)上記(1)乃至
(3)のいずれか記載のベクターを鋳型としてRNAに
転写することを特徴をする、5′末端側と3′末端側が
セルフプロセッシングされたRNA転写物の製造方法、
(5)上記(1)乃至(3)のいずれか記載のベクター
により形質転換された微生物又は動植物細胞、にある。
以下、本発明を更に詳述する。本発明におけるベクター
の構築においては、目的とするRNA転写物の5′末端
側と3′末端側を処理するため2つのリボザイムRNA
をコードするDNA断片を連結する。このうち、第1の
DNA配列は、RNA転写物の5′末端側を処理するた
めのもので、リボザイムRNAの触媒活性部位をコード
する部分と、その両端の基質となる転写されるRNAの
切断部位(5′端末側)を認識するバインディングサイ
トをコードする部分を含む。このリボザイムRNAとコ
ードするDNAは目的とするRNA転写物をコードする
DNAの5′上流側に連結する。また、同じく挿入され
る第2のDNA配列は、転写されたRNAの3′末端側
を処理するためのもので前記目的とするRNA転写物を
コードするDNAの3′下流側に連結され、リボザイム
RNAの触媒活性部位をコードする部分とその両端の基
質となる転写されるRNAの切断部位(3′端末側)を
認識するバインディングサイトをコードする部分より成
る。そして、本発明において、このベクターを用いてR
NA転写物を製造する場合は、該組み換えベクターを試
験管内あるいは酵母、カビ、植物、動物等の生体中に保
持せしめてRNAの転写を行う。転写は、プロモーター
の3′の下流側の転写開始点から開始され、目的とする
RNA転写物の領域をすぎても終了せず、目的とするR
NA転写物よりも長鎖のRNA転写物が生成するが、こ
の生成したRNAの3′末端及び5′端末は、すでにリ
ボザイムによるセルフプロセッシングにより切断されて
余分な塩基配列は付加されない。以上の点を図3、4、
5に基づき更に具体的に説明する。例えば図3は、酵母
の凝集性に関する遺伝子由来mRNA(以下、SFL1
mRNAという。)を切断し得る本発明の組み換えプラ
スミドpGENE 8459v3の構造を表すものであ
り、前述のpGENE 8459(多比良等、特願平1
−3298831及びK.Taira et al.P
rotein Engineering,3,733−
737(1990))のEcoRI/SacI断片を取
り除き、常法により化学合成した新たなオリゴヌクレオ
チドEcoRI/SacI断片を代わりに挿入した。挿
入した塩基配列は図3のpGENE8459v3のEc
oRlサイトからSacIサイトに相当し、両鎖とも化
学合成した後、それぞれの5′未満をリン酸化してリガ
ーゼを用いて連結した。 該プラスミドは、T7RNA
ポリメラーゼのためのプロモータの下流側にSFL1m
RNAの切断部位を認識するバインディングサイトをコ
ードする部分とループ状の触媒活性部位をコードする部
分からなるリボザイムRNAに対応するDNA部分を有
しており、更にその5′上流側と3′下流側において転
写されたRNAがセルフプロセッシングにより切断され
る切断部位(Cleavage site)と、この切
断を行うループ状の触媒活性部位及び上記セルフプロセ
ッシングの切断部位を認識するバインディングサイトか
らなるリボザイムRNAをコードする2つのDNA配列
を有している。そして、上記バインディングサイトをコ
ードするDNA配列は、切断部位直前にある一つの塩基
部分を除いてその両側の塩基配列と相補の関係にあり塩
基対を形成する。該プラスミドは、転写をT7プロモー
タの下流+1から始め、SFL1用のリボザイム部分及
びその下流側の塩基配列部分を順次RNAに転写してい
くが、転写されたRNAは前記した5′末端及び3′末
端の切断部位において2つのリボザイムによりセルフプ
ロセッシングされることにより、余分な塩基配列は得ら
れるリボザイムには付加されない。したがって、この図
3の組み換えプラスミドを鋳型として転写することによ
り得られるリボザイムRNAは図4の塩基配列を有する
ものとなる。このリボザイムRNAは5′及び3′末端
側に相補の塩基配列を有し、塩基対を形成してヘアピン
構造となっており、このため生体内におけるエキソヌク
レアーゼによる分解に対し、安定性を有するものであ
る。この図3の組み換えプラスミドの構築においては、
製造するリボザイムとしてSFL1切断用のリボザイ
ム、プロモータとしてT7RNAポリメラーゼのための
プロモータ及びベクターとしてpUC119を用いてい
るが、本発明は特にこれらにより限定されるものではな
い。すなわち、上記の図3のプラスミドはリボザイムR
NAを製造するためのものではあるが本発明は、このR
NAに限らず、例えばRNAウイルスのRNA、アンチ
センスRNA、種々のmRNA等、広くRNA転写産物
の製造に適用できることは容易に理解されよう。また、
プロモータも例えばSP6、GAL7等種々のものを使
用でき、さらに組み換えるベクターについても本発明の
組み換えベクターは、特に環状のままでも、RNAを転
写できるため種々の生体中においても充分機能を有する
ものであって、リボザイム機能を発揮させようとする生
体例えば植物、動物等の種類に応じて適当なベクターを
選択すればよいものである。また、従来、転写因子やプ
ロモータ領域の研究においてGフリーシステムが用いら
れている(図7)。このシステムを用いると、前述した
ように転写効率の良い環状DNAを用いることができる
ために、活性の弱い転写因子の研究にも利用できるから
である。しかし、このシステムを利用するためには、シ
チジンを含まないDNA領域を合成して環状DNAに挿
入する必要がある(Sawadogoand Roed
er,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,82,4394−4398)。また、転写を行なう
場合には、GTPを除いた条件、もしくはGTPを含む
場合にはRNase T1を併用し、またベクター領域
での伸長反応を停止させるために3′−O−メチル−G
TPも添加する必要がある。我々が発明した系を用いる
と、上記の制限なく、転写因子やプロモータ領域の研究
を行なうことができる。すなわち、我々が開発したベク
ターを一般的に表すと図8のようになり、Gフリー配列
の代わりに、鋳型DNA(DNA Template)
より転写されて5′と3′が処理されたRNA転写産物
の量を測定することにより、転写因子の強さやプロモー
タ領域の重要性を調べることができる。つまり、例えば
図3の構築を用いた場合には、「SFL1用リボザイ
ム」(図5)の発現量を測定することにより、定量化が
可能となる。図5において「SFL1用リボザイム」の
量が、(H)よりも(D)の方が多いという観測に基づ
き、環状DNA(D)の方が線状DNA(H)よりも転
写効率が優れていると結論付けたが、同様な測定を行な
うことにより転写因子やプロモータの強度を調べること
ができる訳である。また、3′−O−メチル−GTPや
RNase T1などを併用する必要もないので、Gフ
リーシステムより簡便である。このベクターの最大の利
用価値は、抗エイズウイルス用リボザイムの開発におい
てであろう。最近、リボザイムを抗エイズウイルス剤と
して利用する開発が世界中で進められているが、従来の
ベクターを用いるとエイズウイルスの一ケ所を切断する
リボザイムしか導入できない。しかし、エイズウイルス
は変り身が速いので有名で、エイズ遺伝子に変異が起こ
りやすい。そこで、一ケ所をターゲットとしたリボザイ
ムを導入しても、そのターゲットサイトに変異が起こっ
た場合、リボザイムは抗ウイルス剤としての機能を忘
う。そこで、数ケ所を同時に攻撃するリボザイムの導入
が望まれるが、そのようなものは従来知られておらず本
発明によるベクターにより初めて可能となる。例えば、
従来のベクターを用いて数ケ所を攻撃するリボザイムを
作成しようとすると図9のような構築になる。ここで、
「リボザイムA」はエイズウイルスのA部位を切断する
リボザイム、また「リボザイムB」はB部位を、「リボ
ザイムC」はC部位をそれぞれ切断するリボザイムとし
よう。これらのリボザイムはプロモータとターミネータ
の間に導入されているので、すべてのリボザイムが一本
の長いRNA鎖の中に埋め込まれた型で転写される。結
果として、リボザイムAがA部位を攻撃している間は、
リボザイムBはB部位を攻撃することができない。それ
ぞれのリボザイムが独立に行動できないだけでなく、図
9の構築では相同性の高い領域を持つリボザイムが一本
のRNA鎖の中に多数存在するので、実際は、図9のよ
うにきれいにリボザイムが並んだような構造はとらず、
リボザイムAの一部がリボザイムCの一部と塩基対を形
成するなど、それぞれのリボザイムが不活性化する。こ
の問題を解決する手段が我々が開発したベクターであ
る。具体的には、図8の鋳型DNAの領域にエイズウイ
ルスのA部位を攻撃するリボザイムAを導入する。ま
た、平行して、別の試験管内では鋳型DNA領域にB部
位を攻撃するリボザイムBを導入する。同様にして、数
ケ所のターゲットサイトを持つリボザイムをそれぞれ鋳
型DNA領域に導入した後、それぞれのエイズウイルス
を攻撃するリボザイムの上流と下流に位置する5′及び
3′端処理用リボザイムを含む型で切り出し(これを1
ユニットとする)、最終的にすべてのユニットを図10
のように連結させる。図10においては、エイズウイル
スを攻撃するリボザイムは生体内での安定化を計るため
に(Cotten and Birnstiel,EM
BO J.,8,3861−3866(1989))t
RNAに埋め込んである(図11)。図10の構築を用
いると、エイズウイルスを攻撃するそれぞれのリボザイ
ムは、5′と3′端で切断を受けるので、それぞれのリ
ボザイムが独立して、設計された位置を攻撃し、エイズ
ウイルスを切断する。この場合、A部位に変異が起き
て、リボザイムAが作用できなくなったとしても、リボ
ザイムBが変異が起こっていないB部位でエイズウイル
スを切断するのでエイズウイルスを失活させることがで
きる。
の結果、ベクターの構築において、目的とするRNA転
写物の5′端末と3′端末とを各々セルフプロセッシン
グにより切断するリボザイムRNAをコードするDNA
を連結することにより、上記課題を解決し得ることを見
い出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明は、(1)転写されるRNAの5′末端と
3′末端とを各々、セルフプロセッシングにより切断す
るリボザイムRNAをコードするDNAが連結されたベ
クター、(2)転写されるRNAの5′末端と3′末端
をセルフプロセッシングするリボザイムとそれらの間に
特定の配列を持つRNAを一つのユニットとし、そのユ
ニットを複数(2〜100)連結させたRNAをコード
するDNA配列を含むべクター。(3)転写されるRN
Aの3′末端をセルフプロセッシングするリボザイムと
その上流に特定の配列を持つRNAを一つのユニットと
し、そのユニットを複数連結させたRNAをコードする
DNA配列を含むベクター。(4)上記(1)乃至
(3)のいずれか記載のベクターを鋳型としてRNAに
転写することを特徴をする、5′末端側と3′末端側が
セルフプロセッシングされたRNA転写物の製造方法、
(5)上記(1)乃至(3)のいずれか記載のベクター
により形質転換された微生物又は動植物細胞、にある。
以下、本発明を更に詳述する。本発明におけるベクター
の構築においては、目的とするRNA転写物の5′末端
側と3′末端側を処理するため2つのリボザイムRNA
をコードするDNA断片を連結する。このうち、第1の
DNA配列は、RNA転写物の5′末端側を処理するた
めのもので、リボザイムRNAの触媒活性部位をコード
する部分と、その両端の基質となる転写されるRNAの
切断部位(5′端末側)を認識するバインディングサイ
トをコードする部分を含む。このリボザイムRNAとコ
ードするDNAは目的とするRNA転写物をコードする
DNAの5′上流側に連結する。また、同じく挿入され
る第2のDNA配列は、転写されたRNAの3′末端側
を処理するためのもので前記目的とするRNA転写物を
コードするDNAの3′下流側に連結され、リボザイム
RNAの触媒活性部位をコードする部分とその両端の基
質となる転写されるRNAの切断部位(3′端末側)を
認識するバインディングサイトをコードする部分より成
る。そして、本発明において、このベクターを用いてR
NA転写物を製造する場合は、該組み換えベクターを試
験管内あるいは酵母、カビ、植物、動物等の生体中に保
持せしめてRNAの転写を行う。転写は、プロモーター
の3′の下流側の転写開始点から開始され、目的とする
RNA転写物の領域をすぎても終了せず、目的とするR
NA転写物よりも長鎖のRNA転写物が生成するが、こ
の生成したRNAの3′末端及び5′端末は、すでにリ
ボザイムによるセルフプロセッシングにより切断されて
余分な塩基配列は付加されない。以上の点を図3、4、
5に基づき更に具体的に説明する。例えば図3は、酵母
の凝集性に関する遺伝子由来mRNA(以下、SFL1
mRNAという。)を切断し得る本発明の組み換えプラ
スミドpGENE 8459v3の構造を表すものであ
り、前述のpGENE 8459(多比良等、特願平1
−3298831及びK.Taira et al.P
rotein Engineering,3,733−
737(1990))のEcoRI/SacI断片を取
り除き、常法により化学合成した新たなオリゴヌクレオ
チドEcoRI/SacI断片を代わりに挿入した。挿
入した塩基配列は図3のpGENE8459v3のEc
oRlサイトからSacIサイトに相当し、両鎖とも化
学合成した後、それぞれの5′未満をリン酸化してリガ
ーゼを用いて連結した。 該プラスミドは、T7RNA
ポリメラーゼのためのプロモータの下流側にSFL1m
RNAの切断部位を認識するバインディングサイトをコ
ードする部分とループ状の触媒活性部位をコードする部
分からなるリボザイムRNAに対応するDNA部分を有
しており、更にその5′上流側と3′下流側において転
写されたRNAがセルフプロセッシングにより切断され
る切断部位(Cleavage site)と、この切
断を行うループ状の触媒活性部位及び上記セルフプロセ
ッシングの切断部位を認識するバインディングサイトか
らなるリボザイムRNAをコードする2つのDNA配列
を有している。そして、上記バインディングサイトをコ
ードするDNA配列は、切断部位直前にある一つの塩基
部分を除いてその両側の塩基配列と相補の関係にあり塩
基対を形成する。該プラスミドは、転写をT7プロモー
タの下流+1から始め、SFL1用のリボザイム部分及
びその下流側の塩基配列部分を順次RNAに転写してい
くが、転写されたRNAは前記した5′末端及び3′末
端の切断部位において2つのリボザイムによりセルフプ
ロセッシングされることにより、余分な塩基配列は得ら
れるリボザイムには付加されない。したがって、この図
3の組み換えプラスミドを鋳型として転写することによ
り得られるリボザイムRNAは図4の塩基配列を有する
ものとなる。このリボザイムRNAは5′及び3′末端
側に相補の塩基配列を有し、塩基対を形成してヘアピン
構造となっており、このため生体内におけるエキソヌク
レアーゼによる分解に対し、安定性を有するものであ
る。この図3の組み換えプラスミドの構築においては、
製造するリボザイムとしてSFL1切断用のリボザイ
ム、プロモータとしてT7RNAポリメラーゼのための
プロモータ及びベクターとしてpUC119を用いてい
るが、本発明は特にこれらにより限定されるものではな
い。すなわち、上記の図3のプラスミドはリボザイムR
NAを製造するためのものではあるが本発明は、このR
NAに限らず、例えばRNAウイルスのRNA、アンチ
センスRNA、種々のmRNA等、広くRNA転写産物
の製造に適用できることは容易に理解されよう。また、
プロモータも例えばSP6、GAL7等種々のものを使
用でき、さらに組み換えるベクターについても本発明の
組み換えベクターは、特に環状のままでも、RNAを転
写できるため種々の生体中においても充分機能を有する
ものであって、リボザイム機能を発揮させようとする生
体例えば植物、動物等の種類に応じて適当なベクターを
選択すればよいものである。また、従来、転写因子やプ
ロモータ領域の研究においてGフリーシステムが用いら
れている(図7)。このシステムを用いると、前述した
ように転写効率の良い環状DNAを用いることができる
ために、活性の弱い転写因子の研究にも利用できるから
である。しかし、このシステムを利用するためには、シ
チジンを含まないDNA領域を合成して環状DNAに挿
入する必要がある(Sawadogoand Roed
er,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,82,4394−4398)。また、転写を行なう
場合には、GTPを除いた条件、もしくはGTPを含む
場合にはRNase T1を併用し、またベクター領域
での伸長反応を停止させるために3′−O−メチル−G
TPも添加する必要がある。我々が発明した系を用いる
と、上記の制限なく、転写因子やプロモータ領域の研究
を行なうことができる。すなわち、我々が開発したベク
ターを一般的に表すと図8のようになり、Gフリー配列
の代わりに、鋳型DNA(DNA Template)
より転写されて5′と3′が処理されたRNA転写産物
の量を測定することにより、転写因子の強さやプロモー
タ領域の重要性を調べることができる。つまり、例えば
図3の構築を用いた場合には、「SFL1用リボザイ
ム」(図5)の発現量を測定することにより、定量化が
可能となる。図5において「SFL1用リボザイム」の
量が、(H)よりも(D)の方が多いという観測に基づ
き、環状DNA(D)の方が線状DNA(H)よりも転
写効率が優れていると結論付けたが、同様な測定を行な
うことにより転写因子やプロモータの強度を調べること
ができる訳である。また、3′−O−メチル−GTPや
RNase T1などを併用する必要もないので、Gフ
リーシステムより簡便である。このベクターの最大の利
用価値は、抗エイズウイルス用リボザイムの開発におい
てであろう。最近、リボザイムを抗エイズウイルス剤と
して利用する開発が世界中で進められているが、従来の
ベクターを用いるとエイズウイルスの一ケ所を切断する
リボザイムしか導入できない。しかし、エイズウイルス
は変り身が速いので有名で、エイズ遺伝子に変異が起こ
りやすい。そこで、一ケ所をターゲットとしたリボザイ
ムを導入しても、そのターゲットサイトに変異が起こっ
た場合、リボザイムは抗ウイルス剤としての機能を忘
う。そこで、数ケ所を同時に攻撃するリボザイムの導入
が望まれるが、そのようなものは従来知られておらず本
発明によるベクターにより初めて可能となる。例えば、
従来のベクターを用いて数ケ所を攻撃するリボザイムを
作成しようとすると図9のような構築になる。ここで、
「リボザイムA」はエイズウイルスのA部位を切断する
リボザイム、また「リボザイムB」はB部位を、「リボ
ザイムC」はC部位をそれぞれ切断するリボザイムとし
よう。これらのリボザイムはプロモータとターミネータ
の間に導入されているので、すべてのリボザイムが一本
の長いRNA鎖の中に埋め込まれた型で転写される。結
果として、リボザイムAがA部位を攻撃している間は、
リボザイムBはB部位を攻撃することができない。それ
ぞれのリボザイムが独立に行動できないだけでなく、図
9の構築では相同性の高い領域を持つリボザイムが一本
のRNA鎖の中に多数存在するので、実際は、図9のよ
うにきれいにリボザイムが並んだような構造はとらず、
リボザイムAの一部がリボザイムCの一部と塩基対を形
成するなど、それぞれのリボザイムが不活性化する。こ
の問題を解決する手段が我々が開発したベクターであ
る。具体的には、図8の鋳型DNAの領域にエイズウイ
ルスのA部位を攻撃するリボザイムAを導入する。ま
た、平行して、別の試験管内では鋳型DNA領域にB部
位を攻撃するリボザイムBを導入する。同様にして、数
ケ所のターゲットサイトを持つリボザイムをそれぞれ鋳
型DNA領域に導入した後、それぞれのエイズウイルス
を攻撃するリボザイムの上流と下流に位置する5′及び
3′端処理用リボザイムを含む型で切り出し(これを1
ユニットとする)、最終的にすべてのユニットを図10
のように連結させる。図10においては、エイズウイル
スを攻撃するリボザイムは生体内での安定化を計るため
に(Cotten and Birnstiel,EM
BO J.,8,3861−3866(1989))t
RNAに埋め込んである(図11)。図10の構築を用
いると、エイズウイルスを攻撃するそれぞれのリボザイ
ムは、5′と3′端で切断を受けるので、それぞれのリ
ボザイムが独立して、設計された位置を攻撃し、エイズ
ウイルスを切断する。この場合、A部位に変異が起き
て、リボザイムAが作用できなくなったとしても、リボ
ザイムBが変異が起こっていないB部位でエイズウイル
スを切断するのでエイズウイルスを失活させることがで
きる。
【発明の効果】本発明の2つのリボザイムRNAをコー
ドするDNA断片を含むベクターは、環状のままでも制
限酵素を用いることなく5′末端及び3′末端側におい
て余分な塩基配列が付加されていないRNA転写物を製
造することが可能なものであり、従来のように制限酵素
を用いる場合に比べて簡便な操作でRNA転写物の製造
を行うことができるほか、試験管内のみでなく、生体内
においても該組み換えベクターを保持増殖せしめなが
ら、RNA転写物の産生を図ることができる。さらに、
図5の電気泳動図より明らかなように、線状DNAを鋳
型とする従来のラン・オフ法(図2)よりも、環状pG
ENE 8459v3DNAを鋳型として用いた方が、
転写効率が優れている。これはRNAポリメラーゼがよ
りナチュラルな環状DNAを鋳型として好むためと思わ
れ、RNAを単離する場合、転写効率及び純度などの面
からpGENE 8459v3を用いる方が従来のラン
・オフ法より優れている。また、このプラスミドを用い
ることにより、Gフリーシステムより簡便に、さらによ
りナチュラルな条件下で転写因子やプロモーター領域を
調べることができる。さらに、抗エイズウィルス剤とし
てリボザイムを用いる際、エイズウィルスの数カ所を同
時に攻撃するシステムが望まれる。これは現在のとこ
ろ、我々が開発したユニット(5′および3′処理用リ
ボザイムおよび分子間で働くリボザイムの3種類のリボ
ザイム領域より構成される)を図10のように連結する
ことにより始めて可能となる。以下、本発明を実施例に
より具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例
によりその技術的範囲が限定されるものではない。
ドするDNA断片を含むベクターは、環状のままでも制
限酵素を用いることなく5′末端及び3′末端側におい
て余分な塩基配列が付加されていないRNA転写物を製
造することが可能なものであり、従来のように制限酵素
を用いる場合に比べて簡便な操作でRNA転写物の製造
を行うことができるほか、試験管内のみでなく、生体内
においても該組み換えベクターを保持増殖せしめなが
ら、RNA転写物の産生を図ることができる。さらに、
図5の電気泳動図より明らかなように、線状DNAを鋳
型とする従来のラン・オフ法(図2)よりも、環状pG
ENE 8459v3DNAを鋳型として用いた方が、
転写効率が優れている。これはRNAポリメラーゼがよ
りナチュラルな環状DNAを鋳型として好むためと思わ
れ、RNAを単離する場合、転写効率及び純度などの面
からpGENE 8459v3を用いる方が従来のラン
・オフ法より優れている。また、このプラスミドを用い
ることにより、Gフリーシステムより簡便に、さらによ
りナチュラルな条件下で転写因子やプロモーター領域を
調べることができる。さらに、抗エイズウィルス剤とし
てリボザイムを用いる際、エイズウィルスの数カ所を同
時に攻撃するシステムが望まれる。これは現在のとこ
ろ、我々が開発したユニット(5′および3′処理用リ
ボザイムおよび分子間で働くリボザイムの3種類のリボ
ザイム領域より構成される)を図10のように連結する
ことにより始めて可能となる。以下、本発明を実施例に
より具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例
によりその技術的範囲が限定されるものではない。
(1) 組み換えベクターpGENE 8459v3の
構築 先に述べた方法(多比良等、特願平1−329831
号;Taira K.,Oda,M.,Shinsh
i,H.,Maeda,H., and Furuka
wa,K.(1990)Protein Engine
ering,3,733−737)で図3のEcoRI
/SacI断片を化学合成し、うまく連結されたポジテ
ィブなクローンの確認には制限酵素Xho I及びDN
Aシークエンサー(アプライドバイオシステム社製37
0A)を用いた。 (2) リボザイムの製造 前述の方法(多比良等、特願平1−329831号;T
aira K.,Oda,M.,Shinshi,
H.,Maeda,H., and Furukaw
a,K.(1990)Protein Enginee
ring,3,733−737)でRNAの転写を行っ
た。その結果を図5の電気泳動図に示す。図5におい
て、(A)から(D)は、鋳型DNAとして環状のpG
ENE 8459v3を用いた場合を、また、(E)か
ら(H)は鋳型DNAとしてHindIIIにより切断
した線状pGENE 8459v3を用いた場合をそれ
ぞれ示している。転写反応時間は、(A)と(E)の場
合30分、(B)と(F)の場合1時間、(C)と
(G)の場合2時間30分、(D)と(H)の場合6時
間であった。32Pでラベル化された上記(A)〜
(H)の各転写産物は8.3%尿素を含む6%ポリアク
リルアミドゲルを用いて解析した。図5には約50塩基
から130塩基までの領域を示す。 (3)リボザイム反応 図5の「SFL1用リボザイム」及び線状pAM19S
FLlac(PstI)を鋳型として同様に転写及び電
気泳動された「SFL1mRNA」をそれぞれポリアク
リルアミドゲルより切り出し、400μLの0.3M酢
酸ナトリウム/0.1mMEDTA/20mM Tri
s・HCl(pH8)を用いてそれぞれのRNAを抽出
した。常法によりエタノール沈澱を行い、単離した基質
(SFL1mRNA)が酵素(SFL1用リボザイム)
より過剰な条件で混合し、50mM Tris・HCl
(pH8)/10mMMgCl2中37℃で切断反応を
追った。図5と同じ組成のゲルで解析した結果を図6に
示す。(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の反応
時間は、それぞれ0.1、2.5、5.5、9.5時間
である。時間と共にSFL1mRNAが図4のような複
合体をリボザイムと形成し、SFL1mRNAが二つに
切断される。図5及び図6の結果より明らかなように、 A. 環状のpGENE 8459v3を鋳型とした場
合、61塩基で構成されるSFL1用リボザイムが放出
された。これは5′端処理用及び3′端処理用のリボザ
イムが効率よく作用したためである。また、5′端処理
用リボザイムとSFLl用リボザイムが連結した断片も
徐々に切断を受け二つに別れる(図5、A〜D)。 B, 3′端処理用リボザイムのすぐ下流にあるHin
dIIIサイトを切断した線状pGENE 8495v
3を鋳型とした場合、まず5′端処理用リボザイム、S
FL1用リボザイム、及び3′端処理用リボザイムが連
結された状態で産生され、徐々に切断を受けるが、環状
のpGENE 8459v3を鋳型とした場合と比べて
転写効率が悪く、また副産物も多い(図5、E〜H)。 C. 図5より明らかなように、5′端及び3′端処理
用リボザイムの間に挿入された配列(図8の鋳型DNA
領域、今回の場合はSFLl用リボザイム配列)は、
5′端及び3′端処理用リボザイムの外側の配列に関係
なく、転写後、切り出される。このことは、5′端処理
用リボザイムと3′端処理用リボザイム及びその間に挿
入された特定の配列(例えば、分子間で働くリボザイ
ム)を一つのユニットとし、そのユニットを複数(1〜
100)連結させても、挿入された配列に由来するRN
Aが切り出されることを意味する。 D. T7RNAポリメラーゼを用いてSFL1遺伝子
の転写産物を作成し、その後、単離したSFL1用リボ
ザイムと混ぜた場合においては、SFL1用リボザイム
がうまく作用すると76塩基のSFL1転写産物が切り
出されるように結合部位を設計したものであり(図
4)、実際予想どおり76塩基の断片が確認できた(図
6)。 以上の結果をまとめると、5′端処理用リボザイムと
3′端処理用リボザイムは分子内で設計どおりに切断反
応を起こした。また、SFL1用リボザイムも設計どお
りに分子間で切断反応を起こした。また環状DNAを鋳
型とする方が転写効率および純度の面で優れており、ま
たpGENE 8459v3の「SFL1用リボザイ
ム」領域はカセット式になっており他の配列と置き換え
ることができるので、特に短いRNA転写産物を単離す
る場合、pGENE 8459v3の方が従来のラン・
オフ法より優れている。また、制限酵素を用いて切断す
る手間もはぶける。なお、本発明のプラスミドpGEN
E 8459v3は大腸菌JM109に導入し、工業技
術院微生物工業技術研究所にJM109/pGENE
8459v3として寄託している。そして、その寄託番
号は微工研条寄第3331号(FERM BP−333
1)である。
構築 先に述べた方法(多比良等、特願平1−329831
号;Taira K.,Oda,M.,Shinsh
i,H.,Maeda,H., and Furuka
wa,K.(1990)Protein Engine
ering,3,733−737)で図3のEcoRI
/SacI断片を化学合成し、うまく連結されたポジテ
ィブなクローンの確認には制限酵素Xho I及びDN
Aシークエンサー(アプライドバイオシステム社製37
0A)を用いた。 (2) リボザイムの製造 前述の方法(多比良等、特願平1−329831号;T
aira K.,Oda,M.,Shinshi,
H.,Maeda,H., and Furukaw
a,K.(1990)Protein Enginee
ring,3,733−737)でRNAの転写を行っ
た。その結果を図5の電気泳動図に示す。図5におい
て、(A)から(D)は、鋳型DNAとして環状のpG
ENE 8459v3を用いた場合を、また、(E)か
ら(H)は鋳型DNAとしてHindIIIにより切断
した線状pGENE 8459v3を用いた場合をそれ
ぞれ示している。転写反応時間は、(A)と(E)の場
合30分、(B)と(F)の場合1時間、(C)と
(G)の場合2時間30分、(D)と(H)の場合6時
間であった。32Pでラベル化された上記(A)〜
(H)の各転写産物は8.3%尿素を含む6%ポリアク
リルアミドゲルを用いて解析した。図5には約50塩基
から130塩基までの領域を示す。 (3)リボザイム反応 図5の「SFL1用リボザイム」及び線状pAM19S
FLlac(PstI)を鋳型として同様に転写及び電
気泳動された「SFL1mRNA」をそれぞれポリアク
リルアミドゲルより切り出し、400μLの0.3M酢
酸ナトリウム/0.1mMEDTA/20mM Tri
s・HCl(pH8)を用いてそれぞれのRNAを抽出
した。常法によりエタノール沈澱を行い、単離した基質
(SFL1mRNA)が酵素(SFL1用リボザイム)
より過剰な条件で混合し、50mM Tris・HCl
(pH8)/10mMMgCl2中37℃で切断反応を
追った。図5と同じ組成のゲルで解析した結果を図6に
示す。(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の反応
時間は、それぞれ0.1、2.5、5.5、9.5時間
である。時間と共にSFL1mRNAが図4のような複
合体をリボザイムと形成し、SFL1mRNAが二つに
切断される。図5及び図6の結果より明らかなように、 A. 環状のpGENE 8459v3を鋳型とした場
合、61塩基で構成されるSFL1用リボザイムが放出
された。これは5′端処理用及び3′端処理用のリボザ
イムが効率よく作用したためである。また、5′端処理
用リボザイムとSFLl用リボザイムが連結した断片も
徐々に切断を受け二つに別れる(図5、A〜D)。 B, 3′端処理用リボザイムのすぐ下流にあるHin
dIIIサイトを切断した線状pGENE 8495v
3を鋳型とした場合、まず5′端処理用リボザイム、S
FL1用リボザイム、及び3′端処理用リボザイムが連
結された状態で産生され、徐々に切断を受けるが、環状
のpGENE 8459v3を鋳型とした場合と比べて
転写効率が悪く、また副産物も多い(図5、E〜H)。 C. 図5より明らかなように、5′端及び3′端処理
用リボザイムの間に挿入された配列(図8の鋳型DNA
領域、今回の場合はSFLl用リボザイム配列)は、
5′端及び3′端処理用リボザイムの外側の配列に関係
なく、転写後、切り出される。このことは、5′端処理
用リボザイムと3′端処理用リボザイム及びその間に挿
入された特定の配列(例えば、分子間で働くリボザイ
ム)を一つのユニットとし、そのユニットを複数(1〜
100)連結させても、挿入された配列に由来するRN
Aが切り出されることを意味する。 D. T7RNAポリメラーゼを用いてSFL1遺伝子
の転写産物を作成し、その後、単離したSFL1用リボ
ザイムと混ぜた場合においては、SFL1用リボザイム
がうまく作用すると76塩基のSFL1転写産物が切り
出されるように結合部位を設計したものであり(図
4)、実際予想どおり76塩基の断片が確認できた(図
6)。 以上の結果をまとめると、5′端処理用リボザイムと
3′端処理用リボザイムは分子内で設計どおりに切断反
応を起こした。また、SFL1用リボザイムも設計どお
りに分子間で切断反応を起こした。また環状DNAを鋳
型とする方が転写効率および純度の面で優れており、ま
たpGENE 8459v3の「SFL1用リボザイ
ム」領域はカセット式になっており他の配列と置き換え
ることができるので、特に短いRNA転写産物を単離す
る場合、pGENE 8459v3の方が従来のラン・
オフ法より優れている。また、制限酵素を用いて切断す
る手間もはぶける。なお、本発明のプラスミドpGEN
E 8459v3は大腸菌JM109に導入し、工業技
術院微生物工業技術研究所にJM109/pGENE
8459v3として寄託している。そして、その寄託番
号は微工研条寄第3331号(FERM BP−333
1)である。
【図1】J.Haseloff等が示した人工リボザイ
ムのデザインを示す図である。
ムのデザインを示す図である。
【図2】従来の転写手段であるラン・オフ法を示す模式
図である。
図である。
【図3】本発明における組み換えプラスミドpGENE
8459v3の構造を示す図である。
8459v3の構造を示す図である。
【図4】SFL1用リボザイムの塩基配列とその5′端
および3′端におけるシステム構造、さらにSFL1m
RNAとの複合体を示す図である。
および3′端におけるシステム構造、さらにSFL1m
RNAとの複合体を示す図である。
【図5】環状および線状のpGENE 8459v3を
鋳型として転写して得られた各種転写産物の電気泳動図
である。
鋳型として転写して得られた各種転写産物の電気泳動図
である。
【図6】SFL1用リボザイムによるSFL1mRNA
の切断を示す電気泳動図である。
の切断を示す電気泳動図である。
【図7】従来のGフリーRNA転写システムを示す。
【図8】図3の組換えプラスミドを一般化したものを示
す図。
す図。
【図9】従来の方法で、異なる部位を攻撃する数種類の
リボザイムを連結させた場合の模式図。
リボザイムを連結させた場合の模式図。
【図10】今回開発したベクターを用いて、異なる部位
を攻撃する数種類のリボザイムを連結させる模式図。
を攻撃する数種類のリボザイムを連結させる模式図。
【図11】図8のDNA鋳型領域にtRNAに埋め込ま
れた安定なリボザイムを挿入した例を示す図。
れた安定なリボザイムを挿入した例を示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】 転写されるRNAの5′末端と3′末端
とを各々、セルフプロセッシングにより切断するリボザ
イムRNAをコードするDNAが連結されたベクター。 - 【請求項2】 転写されるRNAの5′末端と3′末端
をセルフプロセッシングするリボザイムとそれらの間に
特定の配列を持つRNAを一つのユニットとし、そのユ
ニットを複数連結させたRNAをコードするDNA配列
を含むベクター。 - 【請求項3】 転写されるRNAの3′末端をセルフプ
ロセッシングするリボザイムとその上流に特定の配列を
持つRNAを一つのユニットとし、そのユニットを複数
連結させたRNAをコードするDNA配列を含むベクタ
ー。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のベク
ターを鋳型としてRNAに転写することを特徴をする、
5′末端側と3′末端側がセルフプロセッシングされた
RNA転写物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載のベク
ターにより形質転換された微生物又は動植物細胞。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29838390 | 1990-11-02 | ||
| JP2-298383 | 1990-11-02 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05192151A true JPH05192151A (ja) | 1993-08-03 |
| JP2580512B2 JP2580512B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17858990
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3291846A Expired - Lifetime JP2580512B2 (ja) | 1990-11-02 | 1991-08-20 | リボザイムを用いた新規rna転写システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2580512B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997017433A1 (en) * | 1995-11-08 | 1997-05-15 | Medical University Of South Carolina | Tissue-specific and target rna-specific ribozymes |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002541822A (ja) | 1999-04-14 | 2002-12-10 | エム ユー エス シー ファンデーション フォー リサーチ ディベロップメント | 組織特異的および病原体特異的毒性物質ならびにリボザイム |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03219874A (ja) * | 1989-12-19 | 1991-09-27 | Agency Of Ind Science & Technol | リボザイムの新規合成系 |
-
1991
- 1991-08-20 JP JP3291846A patent/JP2580512B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03219874A (ja) * | 1989-12-19 | 1991-09-27 | Agency Of Ind Science & Technol | リボザイムの新規合成系 |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997017433A1 (en) * | 1995-11-08 | 1997-05-15 | Medical University Of South Carolina | Tissue-specific and target rna-specific ribozymes |
| EP1561815A3 (en) * | 1995-11-08 | 2007-11-07 | Medical University of South Carolina | Tissue-specific and target rna-specific ribozymes |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2580512B2 (ja) | 1997-02-12 |
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