JPH05200514A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JPH05200514A
JPH05200514A JP18316492A JP18316492A JPH05200514A JP H05200514 A JPH05200514 A JP H05200514A JP 18316492 A JP18316492 A JP 18316492A JP 18316492 A JP18316492 A JP 18316492A JP H05200514 A JPH05200514 A JP H05200514A
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JP
Japan
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slab
corner
roll
cooling water
continuous casting
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JP18316492A
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English (en)
Inventor
Yuichi Tsukaguchi
友一 塚口
Hirotaka Miki
裕貴 三木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 断面に角部を有する鋳片を得るべく実施され
る連続鋳造方法において、角部の過冷却に起因するコー
ナ割れの発生を防止する。 【構成】 鋳片1に転接して案内するロール2に環状溝
(凹部)2aを設け、鋳片1とロール2との転接部位に生
じる溜まり水4aが、環状溝2aと鋳片1との間に形成され
る隙間から下方に流れ去るようにし、鋳片1の角部1a,
1aを伝って流下する伝い水4bを相対的に減じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造方法に関し、特
に、0.55〜1.20%なる炭素を含む高炭素鋼により、スラ
ブ、ブルーム等、断面に角部を有する鋳片を得るべく実
施される連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造方法は、鋳型に注入した溶鋼を
該鋳型の水冷された内壁に接触せしめて凝固させ、外側
を凝固シェルにて被覆された鋳片を得て、鋳型の下側開
口から送出されるこの鋳片を、鋳型の下部に並設された
多数のロールの並設経路に沿わせて案内し、この並設経
路の終端に配されたピンチロールの回転により連続的に
引き抜きつつ、前記各ロール間に配したスプレーノズル
が噴出する冷却水を吹き付けて更に冷却し、内奥側まで
凝固が進行した段階で適宜の寸法に切断し、圧延工程等
の後工程での素材となる製品鋳片を得る方法である。
【0003】ところが、スラブ用、ブルーム用等、断面
に角部を有する鋳片を得るべく実施される連続鋳造方法
においては、前述の如く吹き付けられる冷却水により鋳
片の角部が過冷却状態となり易く、特に高炭素鋼及び合
金鋼の連続鋳造においては、製品鋳片の角部に前記過冷
却に起因するひび割れ(コーナ割れ)が発生し、所定の
製品品質を確保するための後処理を強いられる問題があ
る。
【0004】図1は、鋳片の角部における過冷却の発生
過程の説明図である。図中1は、矩形断面をなすスラブ
用の鋳片であり、これを案内するロール2,2…は、図
示の如く、鋳片1の両長辺に適宜の間隔毎に転接してお
り、これらのロール2,2間に配された各複数のスプレ
ーノズル3,3…が噴出する冷却水4が鋳片1に吹き付
けられている。
【0005】鋳片1に吹き付けられた冷却水4は、該鋳
片1の表面に沿って流下するが、この流下は、前述の如
く鋳片1の表面に適宜の間隔毎に転接するロール2によ
り妨げられるため、前記流下水の一部は、鋳片1とロー
ル2との転接部位にて溜まり水4aとなり、次いでロール
2の長手方向両側に分岐して流れ、鋳片1の長手方向両
端の角部1a,1aに達した後は、これらを伝って流下する
伝い水4bとなる。従って、矩形形状を有する鋳片1の4
か所の角部1a,1a…の夫々は、他部よりもはるかに多く
の冷却水4と定常的に接触することになり、この接触に
伴う抜熱が過冷却を引き起こすのである。
【0006】コーナ割れの要因となる角部1a,1a…の過
冷却を防止する方法としては、従来から次の3つの方法
が採用されている。第1の方法は、鋳片1に吹き付けら
れる冷却水4の絶対量を減らす方法であり、第2の方法
は、鋳片1とロール2との転接部位に空気を吹き付け、
溜まり水4aを吹き飛ばす方法であり、第3の方法は、鋳
片1の両短辺に水切り板を接触させ、該短辺両側の角部
1a,1aを伝う伝い水4bを切る方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図2は、内部割れ及び
コーナ割れの発生率と冷却水量との相関関係を示すグラ
フである。本図に明らかな如く、冷却水量の減少は、コ
ーナ割れの発生率を低減させる反面、鋳片1の外側を覆
う凝固シェルの成長を遅らせ、シェル厚が薄くなること
からロール間バルジングが大きくなり、これに起因する
内部割れの発生率を増加させる。従って、前記第1の方
法の実施に際しては、内部割れ及びコーナ割れの発生率
を示す曲線の交点近傍にて、両者にある程度の低減効果
が得られる水量を維持せねばならず、この水量の維持が
正しく行なわれた場合であってもコーナ割れ及び内部割
れを十分に解消し得ない難点がある。
【0008】また第2の方法は、多数のロール2,2…
と鋳片1との転接部位に夫々生じている溜まり水4a,4a
…を吹き飛ばすために、多数本のエアーノズルを必要と
し、これらの保守に多大の手間を要する上、各エアーノ
ズルから噴出させるための多量の圧力空気を消費する難
点がある。
【0009】更に第3の方法は、鋳片1の両短辺に常時
接触する水切り板の耐久性に問題があり、頻繁な交換を
強いられる上、スラブ用として広く用いられている幅変
更が可能な鋳型を備えた連続鋳造設備においては、この
幅変更に伴う鋳片1の短辺位置の変化に応じて前記水切
り板の位置を変更する機構を必要とし、実用性に乏しい
という難点があった。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、鋳片角部の過冷却を簡素な構成にて有効に解消
でき、鋳片のコーナ割れ及び内部割れの発生を防止し得
る連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る連続鋳造方
法は、鋳型から送出される鋳片を、該鋳型の下方に並設
した多数のロールに沿わせて案内し、各ロール間にて冷
却水を吹き付けつつ連続的に引き抜くようにした連続鋳
造方法において、前記ロールの一部又は全部の周面に凹
部を形成し、この凹部と前記鋳片の表面との間の隙間を
経て前記冷却水を下方に流し去るようにしたことを特徴
とする。
【0012】更に前記方法に加えて、前記鋳型内部の溶
鋼に、該溶鋼中の硫黄Sの含有量に対する重量比が0.
3≦Ca/S≦1.5となる範囲のカルシウムCaを添
加すること、前記溶鋼中の窒素含有量〔N〕を、〔N〕
≦30ppm に調整すること、及び前記冷却水の比水量W
を、W≦0.70リットル/kgとすることの内の少なくとも
1つを実施することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明においては、各ロール間にて鋳片に吹き
付けられる冷却水は、各ロールと鋳片との転接部位に溜
まり長手方向両側に向けて流れる間に、ロールの周面に
形成された凹部と鋳片の表面との間に形成された隙間を
経て下方に流れ去る。これにより鋳片の角部を伝う冷却
水量が相対的に減り、該角部の過冷却及びこれに起因す
るコーナ割れの発生を防止する。
【0014】更に本発明においては、鋳型内部の溶鋼中
に適量添加されたカルシウムにより内部割れの発生を防
ぎ、また溶鋼中の窒素含有量〔N〕に上限を設け、鋼中
の酸可溶性アルミニウム(sol.Al)と窒素(N)とに
より生成されて延性の低下要因となるAl−Nの析出を
抑制し、コーナ割れの防止効果を高め、また冷却水の比
水量に上限を設け、冷却水量の低減により鋳片の表面温
度を高めて、表面近くに析出したAl−Nの固溶化を促
進し、これによりコーナ割れの防止を図る。
【0015】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図3は本発明に係る連続鋳造方法(以下本
発明方法という)の実施状態を示す模式的側面図、図4
は同じく正面図である。
【0016】図中1は、矩形断面を有するスラブ用の鋳
片であり、該鋳片1は、鋳型Mの下側開口部から送出さ
れた後、これの両長辺に適宜の間隔毎に転接する多数の
ロール2,2…の並設経路に沿って案内され、この並設
経路の終端に位置する図示しないピンチロールの回転に
より、下方に向けて連続的に引き抜かれている。
【0017】鋳型Mの下方の所定の範囲内にあるロール
2,2…間には、各複数のスプレーノズル3,3…が配
してあり、鋳型Mから引き抜かれる鋳片1は、これらの
スプレーノズル3,3…が噴出する冷却水4の吹き付け
により、前記引き抜きの間に除々に冷却されるようにな
っている。
【0018】スプレーノズル3,3…の配設範囲内のロ
ール2,2…は、図4に示す如く、夫々の周面に適宜の
幅を有して各1本の環状溝2a,2a…を備えている。な
お、各ロール2における環状溝2aの形成位置は、上下に
相隣するロール2,2間にて長手方向に整合しないよう
に設定されている。
【0019】図5は、以上の如き環状溝2aを有するロー
ル2と鋳片1との転接部位における冷却水4の流れ状態
の説明図である。鋳片1に吹き付けられた冷却水4の大
部分は、鋳片1の表面との接触により蒸発し、残部は、
鋳片1の表面に沿って流下する。そしてこの流下は、吹
き付け位置の下方にて鋳片1の表面に転接するロール2
により妨げられるため、流下水の一部は、ロール2と鋳
片1との転接部位にて溜まり水4aとなり、この転接部位
に沿ってロール2の長手方向両側に分岐して流れる。
【0020】ところが、前記ロール2は環状溝2aを有し
ており、この環状溝2aの形成部分においては鋳片1との
間に隙間が生じた状態にあるから、溜まり水4aの一部
は、この隙間を経て下方に流下することが可能である。
この結果、鋳片1の長手方向両端の角部1a,1aに達して
これらを伝って流下する伝い水4bの量が相対的に減じら
れ、この伝い水4bとの接触に伴う抜熱量が少なくなるこ
とから、角部1a,1aに過冷却が生じる虞は大幅に低減さ
れる。
【0021】以上の如く本発明方法は、表面に凹部を備
えたロール2を用い、この凹部と鋳片1との間の隙間か
ら溜まり水4aを流し去ることを特徴とするものであり、
前記凹部は、図4に示す如き態様にて形成された環状溝
2aに限らない。
【0022】図6は、本発明方法において使用可能なロ
ール2の他の実施例を示す正面図である。図6(a)に
示すロール2は、長手方向に複数本並設された細幅の環
状溝2b,2b…を備えたものであり、また図6(b)に示
すロール2は、周面の略全幅に螺旋溝2cを備えたもので
あり、更に図6(c)に示すロール2は、長手方向及び
周方向の相異なる位置に夫々略半周に亘って形成された
所定幅の窪み2d,2dを備えたものであり、これらのロー
ル2を用いた場合においても、角部1a,1aに過冷却が生
じる虞は同様に低減される。
【0023】また他の実施例として、周面に多数のディ
ンプル状の窪みを備えたロール2、自動車用のタイヤ表
面の如く所定のパターンに従って形成された凹溝を備え
たロール2等を用いることもできる。また以上の如き凹
部は、スプレーノズル3,3…の配設範囲内にあるロー
ル2,2…の全てに形成する必要はなく、これらの一部
にのみ形成してもよく、またスプレーノズル3,3…の
配設範囲よりも下方に位置するロール2,2…にも同様
の凹部を形成してもよい。
【0024】図7は、本発明方法と従来法とにより得ら
れた鋳片の角部において生じている焼入れ組織の面積を
比較した結果を示す図である。なおこの比較は、 960〜
1100mmなる幅と 210〜 230mmなる厚さとを有し、鋳込み
速度0.75m/分にて製造された炭素工具鋼( JIS SK-3 )
製のスラブ用鋳片に対するものである。
【0025】図7に示す如く、従来法によった場合、鋳
片の角部に生じる焼入れ組織の面積が3700mm2 であった
のに対し、本発明方法によった場合、同面積が 100mm2
となり、本発明方法の実施により角部の過冷却及びこれ
に伴うコーナ割れの発生を大幅に低減し得ることが明ら
かとなった。
【0026】また図7に示す結果は、鋳片1kg当たりの
冷却水量(比水量W)を、従来法においては0.90リット
ル/kgとし、本発明方法においては0.66リットル/kgと
して得られたものである。前述した如く本発明方法にお
いては、鋳片1の表面に吹き付けられる冷却水4がロー
ル2の凹部と鋳片1との間の隙間を経て流下し、鋳片1
の表面の全体に行き渡ることから、内部割れの発生を招
来することなく冷却水4の比水量Wを少なくすることが
できる。
【0027】コーナ割れの主たる要因として、鋳型M内
部の溶鋼中に含まれる酸可溶性アルミニウム(sol.A
l)と窒素(N)とから生成されるAl−Nが凝固の過
程において析出し、鋳片1の延性低下を招来することが
ある。図8は鋳片1の表面温度とAl−Nの析出量との
関係を示す図である。
【0028】本図に明らかな如くAl−Nの析出量は、
鋳片1の表面温度の上昇と共に低下する。これは、鋳片
1の表面温度の上昇が、表面近くに析出するAl−Nの
固溶化を促進するためである。一方、冷却水4の比水量
Wを少なくすることは鋳片1の表面温度を高める効果が
あり、Al−Nの析出量の低下によりコーナ割れの発生
につながる鋳片1の延性低下を抑制することができる。
前述した如き凹部を備えたロール2を用いる本発明方法
においては、鋳片1に内部割れの発生を招来することな
く冷却水4の比水量Wを低減できることから、コーナ割
れの防止効果を高めるべく、冷却水4の比水量Wを、0.
70リットル/kg以下に制限する。このような比水量Wの
制限下において実際の連続鋳造を行った結果、後述する
如く、コーナ割れの発生領域となるスプレーノズル3,
3…の配設領域(二次冷却帯)での鋳片1の表面温度を
1000℃前後に保つことができ、この表面温度でのAl−
Nの析出量は、図8から極めて小さいことがわかる。
【0029】また、鋳片1の内部割れを防止するために
は、鋳型M内部の溶鋼にカルシウム(Ca)を添加する
ことが有効である。Caの添加量は、溶鋼中の硫黄
(S)の含有量に応じて決定すればよい。図9は、Ca
の添加量を種々に変え、内部割れの発生状態を調べた結
果を示す図であり、図の横軸は、硫黄(S)の含有量に
対するカルシウム(Ca)の添加量の割合(=Ca/
S)である。
【0030】本図に明らかな如く、Ca添加量の増大に
応じて内部割れの発生率が低くなっており、Ca/Sが
0.3以上である領域においては、内部割れの発生を略完
全に防止できる。但し、Caの過剰な添加は、鋳片1中
のCaOクラスタの増加を招来することから、Caの適
正な添加量は次式の範囲に限定する。
【0031】0.3≦Ca/S≦ 1.5 …(1)
【0032】なお図9の結果は、炭素(C)含有量が0.
80〜1.10%であり、硫黄(S)含有量が 0.003〜0.006
%なる高炭素鋼により、比水量を0.60〜0.69リットル/
kgとし、鋳込み速度を0.75m/分として本発明方法により
製造された前述した寸法の鋳片において調べたものであ
る。
【0033】即ち、前述した如き凹部を備えたロール2
を用いる本発明方法を、鋳型M内部の溶鋼に(1)式に
示す範囲内のCaを添加しつつ実施した場合、コーナ割
れと共に内部割れの発生を防止でき、良質の製品鋳片を
安定して得ることができる。なお、Caを単独で溶鋼中
に添加した場合、この添加に伴う反応が強すぎることか
ら、実際のCa添加は、鋳型M内部の溶鋼中に、Caと
Si(シリコン)との合金製のワイヤを投入することに
より行われる。
【0034】また前記図8に明らかな如く、コーナ割れ
の要因となるAl−Nの析出量は、溶鋼中の酸可溶性ア
ルミニウムの含有量〔sol.Al〕及び窒素含有量〔N〕
の低下と共に低下するから、コーナ割れの防止のために
は、〔sol.Al〕及び〔N〕を低下せしめることが有効
である。これらの内前者の調整は、オーステナイト粒の
大きさ制御の観点から困難であるが、後者の調整は可能
であり、本発明方法においては、凹部を備えたロール2
を用いた連続鋳造法の実施に当たり、鋳型M内部の溶鋼
の窒素含有量〔N〕を調整することにより、コーナ割れ
の発生をより有効に防止する。
【0035】図10及び図11は、酸可溶性アルミニウムの
含有量〔sol.Al〕及び窒素含有量〔N〕が異なる3種
の試験片に対する高温引張試験の結果を示す図である。
この試験は、一旦1300℃まで加熱された後、略 100℃/m
inなる冷却速度にて二次冷却帯での鋳片1の温度に近い
温度にまで冷却された各試験片に対し、二次冷却帯にお
いて鋳片1に加わるそれと同等の歪速度(=10-3/s)
を与えて行われたものであり、両図の横軸は引張試験温
度、また図10の縦軸は延性破面率、図11の縦軸は試験片
の内部応力である。
【0036】図中に●印、○印及び×印により夫々示す
3種の試験片は、酸可溶性アルミニウムの含有量〔sol.
Al〕及び窒素含有量〔N〕において異なり、〔sol.A
l〕については、●印の試験片のみが 0.006%、他の2
種の試験片が共に 0.002%としてあり、また〔N〕につ
いては、●印の試験片が 0.028%(28ppm )、○印の試
験片が 0.027%(27ppm )であって、略同一となってお
り、×印の試験片のみが 0.037%(37ppm )としてあ
る。また●印の試験片は、Sの含有量に対する比が0.
6、即ち(1)式の条件を満たすCaを含有している。
sol.Al及びN以外の成分組成は、3種の試験片の全て
において略同一となっている。
【0037】図10及び図11に示す如く、二次冷却帯の平
均的な温度である 700℃〜 900℃において、〔N〕が大
きい×印の試験片の強度は他の2つの試験片よりも大き
く低下しており、溶鋼中の窒素含有量〔N〕の調整によ
りコーナ割れの発生防止が図れることは、この結果から
も明らかである。更に、これらの図及び図8から、窒素
含有量〔N〕を、〔N〕≦ 30ppmとすることにより、コ
ーナ割れの発生を有効に防止し得ることがわかる。なお
各試験片における〔sol.Al〕は、十分な大きさのオー
ステナイト粒を形成し、焼入れ性の向上を図るべく決定
されている。
【0038】鋳型M内部の溶鋼に対する〔N〕の調整
は、例えば、溶鋼中の炭素量の調整に用いる加炭材とし
て、電極粉を用いることにより達成される。図12は、炭
素工具鋼(JIS SK-3又はSK-5)製のスラブ用鋳片の連続
鋳造に際し、炭素量の調整のために種々の加炭材を用い
た各場合における成品中の窒素含有量〔N〕を調べた結
果を示す図である。図の横軸は成品中の炭素含有量の基
準含有量に対する百分率であり、縦軸は成品中の窒素含
有量(ppm)であって、加炭材として電極粉を用いた
場合、炭素含有量〔C〕の如何に拘わらず窒素含有量
〔N〕は 30ppm以下に保たれており、本発明方法におけ
る〔N〕≦ 30ppmなる条件を満たし得ることがわかる。
【0039】最後に種々の条件下にて連続鋳造方法を実
施し、夫々における試験鋳片のコーナ割れ及び内部割れ
の発生状況を調べた試験の結果を示す。この試験により
得られた4種の試験鋳片(A,B,C,D)の成分組成
は表1に、夫々に対する鋳造条件、並びにコーナ割れ及
び内部割れの発生状況は表2に夫々示してあり、図13は
各鋳片の表面温度の変化の様子を示す図である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】前記試験鋳片の内、前述した各条件、即
ち、0.3≦Ca/S≦1.5なる範囲のCaの添加、
窒素含有量〔N〕≦ 30ppm、及び冷却水4の比水量W≦
0.70リットル/kgなる3条件の全てを満たすのは試験鋳
片Cのみであり、試験鋳片A,Bは3条件の全てを満た
さず、また試験鋳片Dは、窒素含有量〔N〕≦ 30ppm及
び冷却水4の比水量W≦0.70リットル/kgなる2条件は
満たすが、Caの添加量が前記条件外にあるものであ
る。
【0043】表2に示す如く試験鋳片Dにおいては、全
体で3か所、長さ1m当たり0.01か所のコーナ割れとわ
ずかな内部割れとが観察された。また試験鋳片A,Bに
おいては、長さ1m当たり0.14か所のコーナ割れとわず
かな内部割れとが観察され、更に、コーナ割れの深さが
試験鋳片Dにおけるそれに比して大きいことがわかっ
た。これらに対し、前記3条件の全てを満たす試験鋳片
Cにおいては、その全長に亘ってコーナ割れ及び内部割
れの発生は皆無であり、本発明方法の実施により良好な
品質を有する鋳片が安定して得られることが明らかとな
った。
【0044】また図13に示す如く、冷却水4の比水量W
が前記制限下にある試験鋳片C,Dの表面温度は、同じ
く前記制限外にある試験鋳片A,Bのそれを 150℃程度
上回っており、コーナ割れの発生領域となるスプレーノ
ズル3,3…の配設域の略全体に亘って、1000℃以上に
安定して保たれている。一方、コーナ割れの発生要因と
なるAl−Nの析出量は、前記図8から明らかな如く、
1000℃を超えると共に急減しており、冷却水4の比水量
Wを0.70リットル/kg以下に制限することがコーナ割れ
の発生防止に有効であることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法において
は、鋳型の下方にて鋳片を案内するロールが凹部を備
え、この凹部と鋳片との間の隙間が、ロールと鋳片との
転接部位に溜まる冷却水の排出通路として機能するか
ら、鋳片の角部に冷却水が集中することがなくなり、こ
れに伴うコーナ割れの発生を有効に防止できると共に、
以上の効果がロールの小改良により得られる。更に、鋳
型内部の溶鋼中へのカルシウムの添加と、溶鋼の加熱度
の制限とにより内部割れの発生を抑制でき、また溶鋼中
の窒素含有量の制限と、冷却水の比水量の制限とにより
コーナ割れの要因となるAl−Nの析出が抑制され、コ
ーナ割れの発生防止効果が更に高められるから、良好な
品質を有する鋳片を安定して得ることができる等、本発
明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳片の角部における過冷却の発生過程の説明図
である。
【図2】コーナ割れ及び内部割れの発生率と冷却水量の
関係を示すグラフである。
【図3】連続鋳造設備における本発明方法の実施状態を
示す側面図である。
【図4】本発明方法の実施状態を示す正面図である。
【図5】本発明方法におけるロールと鋳片との転接部位
での冷却水の流れ状態の説明図である。
【図6】本発明方法において使用可能なロールの他の実
施例を示す正面図である。
【図7】本発明方法によるコーナ割れの低減効果を示す
図である。
【図8】鋳片の表面温度とAl−Nの析出量との関係を
示す図である。
【図9】内部割れの発生を防止するために必要なカルシ
ウム添加量の適正範囲を示す図である。
【図10】高温での引張に際しての窒素含有量の影響を
示す図である。
【図11】高温での引張に際しての窒素含有量の影響を
示す図である。
【図12】種々の加炭材を用いた場合における成品中の
窒素含有量を示す図である。
【図13】異なる比水量下における鋳片の表面温度の変
化の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳片 1a 角部 2 ロール 2a 環状溝 2b 環状溝 2c 螺旋溝 2d 窪み 3 スプレーノズル 4 冷却水 4a 溜まり水 4b 伝い水 M 鋳型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型から送出される鋳片を、該鋳型の下
    方に並設した多数のロールに沿わせて案内し、各ロール
    間にて冷却水を吹き付けつつ連続的に引き抜くようにし
    た連続鋳造方法において、前記ロールの一部又は全部の
    周面に凹部を形成し、この凹部と前記鋳片の表面との間
    の隙間を経て前記冷却水を下方に流し去るようにしたこ
    とを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記鋳型内部の溶鋼に、該溶鋼中の硫黄
    Sの含有量に対する重量比が、0.3≦Ca/S≦1.
    5となる範囲のカルシウムCaを添加することを特徴と
    する請求項1記載の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶鋼中の窒素含有量〔N〕を、
    〔N〕≦ 30ppmに調整することを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却水の比水量Wを、W≦0.70リッ
    トル/kgとすることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3記載の連続鋳造方法。
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