JPH05202910A - 流体駆動型アクチュエータ - Google Patents

流体駆動型アクチュエータ

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JPH05202910A
JPH05202910A JP1516792A JP1516792A JPH05202910A JP H05202910 A JPH05202910 A JP H05202910A JP 1516792 A JP1516792 A JP 1516792A JP 1516792 A JP1516792 A JP 1516792A JP H05202910 A JPH05202910 A JP H05202910A
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JP
Japan
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fluid
actuator
substrate
photoelectric converter
micro
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Application number
JP1516792A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Komatsu
清 小松
Taketoshi Mori
武寿 森
Takeshi Kudo
剛 工藤
Hitomi Sumino
仁美 角野
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロマシンの作業モジュールとして適応
することのできるアクチュエータを提供することであ
る。 【構成】 アクチュエータ可動部2、マイクロポンプ5
および光電変換器6よりなり、好ましくはこれらが一体
化形成されたことを特徴とする流体駆動型アクチュエー
タにより上記諸目的は達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体駆動型アクチュエ
ータに関する。詳しく述べると、例えば、微小な物体の
把握操作等、マイクロマシンの作業モジュールとして用
いられる流体駆動型アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシンの作業モジュール
において、例えばマイクログリッパ、ドリル、鋸、ドラ
イバー等のアクチュエータは、実作業を行うには欠くこ
とのできない重要なユニットである。このためマイクロ
マシンの実用化に向けて、種々の研究、開発が盛んに行
われている。
【0003】マイクロマシン用のアクチュエータは表1
に示すように分類されるが、一般産業分野で駆動体の方
式が用途により各々の特色を生かすことで実用化されて
いるのに対し、マイクロマシンの世界では、現在、必ず
しも実用的な段階であるとは言い難い。
【0004】
【表1】
【0005】一般には実用的であっても、マイクロマシ
ンの用いられる領域での実用化が困難な理由としては、
機械的な伝達損失や摺動抵抗の問題、磨耗による耐久
性、寿命の問題、構造の問題等が挙げられ、特に、ミク
ロン領域において、通常の観念では通用しない物理現象
として粘性力や摩擦力の問題がある。こらは、物の寸法
を小さくしていくと、長さの2乗に比例する面積より
も、3乗に比例する体積の減少が相対的に大きいため
に、面積に依存する粘性力や摩擦力が、体積(質量)に
依存する慣性力の影響よりもはるかに大きくなってく
る。つまり、小さな物体ほど流体中では運動が困難にな
るわけである。最近は、マイクロマシニング技術で直径
100μm前後のマイクロモーターの製作が成功して回
転動作が確認されているが、上述のような理由でこれを
動力源としてマイクロマシン本体やアクチュエータとし
て実用化した例はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、マイクロマシンの作業モジュールとして適応す
ることのできるアクチュエータを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、アクチュ
エータ可動部、マイクロポンプおよび光電変換器よりな
ることを特徴とする流体駆動型アクチュエータにより達
成される。
【0008】本発明は、アクチュエータ可動部、マイク
ロポンプおよび光電変換器が一体化形成されていること
を特徴とする流体駆動型アクチュエータである。
【0009】
【作用】本発明の流体駆動型アクチュエータは、流体の
流れもしくは圧力により可動する例えばマイクログリッ
パ、ドリル、鋸、ドライバー等のアクチュエータ可動部
と、該アクチュエータ可動部を動かすために流体の流れ
を造出すマイクロポンプおよび該マイクロポンプの動力
源となる電気を発生させる光電変換器よりなるものであ
り、好ましくはこれらアクチュエータ可動部、マイクロ
ポンプおよび光電変換器が一体化形成されているもの
で、その大きさは、例えば幅2×長さ4×厚さ1mm程
度のものである。
【0010】本発明におけるアクチュエータ可動部は、
アクチュエータを動かすための動力の伝達を流体により
行うために、機構が簡単で、伝達損失も小さくすること
ができる。また、流体を用いることにより、パスカルの
原理によって簡単に倍力や駆動力の設定が可能であり応
用範囲が広く、例えばマニュピレータの伸縮や確実に物
を固定する際の大きな力、マイクログリッパで大きな把
握力を得たいときなどに利点があり、また、ドリル、
鋸、ドライバー等の回転作業ユニットを動かすことも可
能である。
【0011】本発明におけるマイクロポンプは、基本的
には、リニアアクチュエータを用いた容量変化型ポンプ
であり、往復運動するピストンがシリンダ内の容積を変
えて送流を行い、逆流防止弁が流体の流れ方向を制限
し、一定方向への吸引と吐出を行うものである。
【0012】通常、この種のポンプでは、シリンダ部
と、動力源に連結してシリンダ内を運動させ圧縮比を得
るピストンよりなるが、本発明においては、このピスト
ンを可動電極とし、シリンダを固定電極とすることによ
り、この可動電極および固定電極に交流を印加すること
により静電引力によって可動電極であるピストンを動か
すものである。
【0013】これによって、ポンプの駆動源とポンプ本
体とが一体化しているため、ポンプ本体の駆動源を別に
必要とすることなく、極小さなポンプを得ることが可能
となり、また、ポンプ自身が駆動源を兼ねてポンプのピ
ストンを直接動かすことで、駆動力の伝達損失を抑える
ことができ、より小さな駆動力により動作させることが
可能となる。
【0014】本発明における光電変換器は、与えられた
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素
子、光電変換素子により得られた直流電気を交流に変え
る自励発振回路および得られた電気エネルギーをマイク
ロマシンの駆動体に適した電圧にする変圧器、さらに、
必要により、電気エネルギーを一時的に蓄え、より大き
なエネルギーを供給できるようにした蓄電機構を形成し
たものである。
【0015】これによって、光エネルギーとしては、パ
ルス光源を用いたり、光源をチョピングする等の光電変
換器とは別の2次的手段を必要とすることなく単純な連
続光により必要な交流電力を得ることができ上述のマイ
クロポンプの動力源となる交流を供給することができ
る。
【0016】光電変換器に用いられる光源としては太陽
光等の白色光でもよいが、好ましくは、光電変換素子の
特性にあった波長のレーザ光、例えば、汎用的なHe−
Ne(波長0.633μm)やGaAs(波長0.84
3μm)レーザ等を光ファイバーケーブルや光導波管等
により光電変換素子の受光部に導くことにより光エネル
ギーとして与えることができる。
【0017】この様なレーザ光を用いるのは、Siのp
n接合によるフォトセルの光起電力の波長依存性が、
0.75μmの波長のとき最も変換効率がよくなってい
るのに対し、太陽光を光エネルギー源として用いた場合
には、太陽光の光エネルギーの最も強い波長がその波長
(0.75μm)と一致していないので、効率のよいエ
ネルギー変換ができないためである。これに対し、He
−Ne(波長0.633μm)やGaAs(波長0.8
43μm)レーザ等0.75μm付近の波長の光を用い
ることにより変換効率よく光エネルギーを電気エネルギ
ーに変換することができる。
【0018】本発明は、上述のアクチュエータ可動部、
マイクロポンプおよび光電変換器が一体化形成されてい
ることが好ましい。これは、マイクロポンプおよび光電
変換器による駆動源とアクチュエータ可動部が極近傍、
より好ましくは同一基板上に形成することにより、動力
伝達損失の少ないアクチュエータ駆動システムを作るこ
とができるからである。特に、マイクロマシンのような
微小作業モジュールにあっては、配線の引回しや流体の
流路を長く繋ぎ合わせる等の周辺構造が不要となり、好
適に用いることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、以下の実施例は、本発明を説明するためのも
のであり、本発明がこの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0020】図1は本実施例の流体駆動型アクチュエー
タを説明するための平面概要図であり、図2は断面概要
図である。
【0021】本実施例の流体駆動型アクチュエータは、
マイクログリッパ、マイクロポンプ、流路切換器および
光電変換器を形成した基板101と、逆止弁を形成した
基板102および流路を形成した基板103を積層した
ものである。まず、基板101には、アクチュエータ可
動部であるマイクログリッパの固定アーム1、可動アー
ム2、流体の流入により可動アーム2を動かすためのバ
ルーン3a,3b、流路切換弁401、流路切換弁の拡
散層402、流路切換弁の導電性サポート403よりな
る流路切換器4a,4b,4c,4d、ピストン電極5
01およびピストン電極501を支持および電力を供給
する導電性サポート502、シリンダ固定電極となる拡
散層領域503よりなるマイクロポンプ5、マイクロポ
ンプに電力を供給する光電変換器6、流路切換器4a,
4dに電力を供給する光電変換器7、流路切換器4b,
4cに電力を供給する光電変換器8およびバルーン3
a,3bと流路切換器4a,4b,4c,4dを結ぶ流
路9aがすべて同一基板上に一体形成されるものであ
る。なお、13は光電変換器からマイクロポンプおよび
流路切換器へ電力を供給するための金属配線である(詳
細は図示せず)。基板102はマイクロポンプ5の逆止
弁10a,10b、流路9bを形成する基板103とを
結ぶ貫通孔11および流体排出用逆止弁12が形成され
る。基板103はマイクロポンプ5より送り出させる流
体を流路9aへ送る流路9bが形成される。
【0022】具体的な形成方法としては、まず、マイク
ログリッパ部分の形成は、始めに基板101上に厚いポ
リイミド膜等を成膜し、グリッパ形成部分のみをホトリ
ソグラフィー工程で露出させ、以後に形成する流路切換
器4、マイクロポンプ5および光電変換器6,7,8を
形成する部分を保護する。その後、基板101内に可動
アーム2とバルーン3a,3bが入り可動アーム2が動
くことのできるスペースをホトリソグラフィーおよびエ
ッチングにより形成し、一旦このスペース内部を含む基
板上にCVD法により酸化膜を成膜する。その後、ポリ
シリコンを成膜して、このポリシリコンを可動アーム2
の形状をホトリソグラフィーおよびエッチングにより形
成して、露出している部分(可動アーム2が形成されて
いない部分)の酸化膜を除去する。その後、可動アーム
2のあるスペースにバルーン3a,3bを、例えば高分
子膜等により形成する。
【0023】次に、マイクロポンプ5部分および流路切
換器4a,4b,4c,4dを形成する。このマイクロ
ポンプと流路切換器は大きさおよび機能が異なるのみ
で、その構造は全く同じで同時に形成することができ
る。形成方法についてはマイクロポンプを例に挙げ説明
する。まず、ピストン部分を形成する。図3aに示すよ
うに、基板101上にマスク材を全面に形成する。この
マスク材は、以後の工程で、基板101にピストン可動
領域を形成するために用いるもので、例えば、シリコン
酸化膜、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜22とシ
リコン窒化膜23を積層したもの等である。このマスク
材の上にホトレジスト24によりパターニングを行いマ
スク材を図3bに示すように、エッチングする。この
時、流路9aを形成するためのパターニングおよびエッ
チングも行う。
【0024】次に、図3cに示すように、例えば、反応
性イオンエッチング(RIE)やウエットエッチング
等、好ましくは、寸法精度の点からRIEにより、基板
101をエッチングする。エッチングする深さは、5〜
100μm程度、好ましくは30〜80μm程度であ
る。
【0025】次に、図3dに示すように、例えば、CV
D法等によりシリコン酸化膜25を厚さ0.5〜2μm
程度、好ましくは0.6〜1.0μm程度成膜し、次
で、このシリコン酸化膜上にポリシリコン26を、例え
ば、CVD法等により30〜80μm程度成膜する。こ
こで、このシリコン酸化膜25は、ピストンとなるポリ
シリコンを形成するためでのもので、後に基板とポリシ
リコンの間のシリコン酸化膜25も除去する必要がある
ため、その厚みはあまり薄すぎると完全に除去すること
が出来ず不都合である。また、ポリシリコンの厚みは、
基板の堀込みよりわずかに薄い程度、例えば、基板の堀
込みに対して0.1〜0.3μm程度薄くするのが好ま
しい。
【0026】次に、ホトリソグラフィー工程で、レジス
ト塗布、パターニングを行い、図4eに示すように、ポ
リシリコンを好ましくはRIEによりエッチングしてピ
ストンを形成する。そして、ピストンを覆うように、ホ
トリソグラフィーにより、レジスト27塗布、パターニ
ングを行う。この時、基板に形成したピストン可動部分
の堀込みの側面にある酸化膜が露出するようにレジスト
27をパターニングし、この側面のシリコン酸化膜をC
DE等の等方性エッチングにより除去し堀込み側面のシ
リコンを露出させる。これは、以後に形成するピストン
を支持する導電性サポートの端を基板と固着させ、かつ
充分に可動することを可能にするためである。
【0027】次に、図4fに示すように、金属膜28、
例えばニッケル、銅等比較的柔軟性のある金属を蒸着法
またはスパッタリング法により成膜し、ホトリソグラフ
ィーによりパターニングを行いRIEでエッチングして
導電性サポート502を形成する。
【0028】次に、図4gに示すように、シリコン基板
上のマスク材22,23を除去し表面を平坦化する。そ
の後、レジストを塗布し、ホトリソグラフィーによりレ
ジストをパターニングして、基板上およびピストンにボ
ロン、リンまたは砒素等をイオンインプラすることによ
り電極となる部分の拡散層を形成し、さらに、基板全体
をフッ化水素水溶液、好ましくは高濃度のフッ酸に浸漬
して、ピストンと基板の間のシリコン酸化膜25を除去
する。この時、先に形成しておいたグリッパの可動アー
ム下の酸化膜も除去される。これによってピストンおよ
び可動アームが可動するようになる。
【0029】次に、別の基板102を用いて逆流防止弁
の作成する。
【0030】まず、図5aに示すように、両面をミラー
ポリッシュ仕上げした厚さ100〜400μm、好まし
くは100〜200μmの基板102の両面にシリコン
酸化膜42を成膜し、以後の工程で弁を形成する部分お
よび弁の腕を基板に固定する部分のシリコン酸化膜をホ
トリフォグラフィーによりパターニングして除去する。
【0031】次に、図5bに示すように、PSG膜43
等を成膜する。このPSG膜43は、弁の下部の段差を
出すためのもので厚さは約0.5〜1μm程度である。
弁の腕を基板に固定する部分のPSG膜43をホトリフ
ォグラフィーによりパターニングして除去する。
【0032】次に、図5cに示すように、ポリシリコン
膜44をCVD法等により厚さ4〜8μm程度成膜し
て、ホトリフォグラフィーによりパターニングし、RI
EまたはCDEエッチングして、弁体と弁の固定部分を
形成する。
【0033】次に、図5dに示すように、ポリシリコン
膜45をCVD法等により厚さ2〜4μm程度成膜し
て、ホトリフォグラフィーによりパターニングし、RI
EまたはCDEエッチングして、弁の腕の部分を形成す
る。
【0034】次に、図5eに示すように、流路形成のた
めに、表面(上述の弁部分の形成をした面)および裏面
にシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜を形成しマスク
材とする。そして、裏面の流路となる部分のシリコン酸
化膜およびシリコン窒化膜46を除去して、異方性エッ
チングを行って、貫通孔を開ける。この異方性エッチン
グは、RIE等のドライエッチングでもよいが、好まし
くは、35重量%程度の水酸化カリウム溶液を用いて、
ウェットエッチングするのがよい。これは、水酸化カリ
ウム溶液を用い、基板がシリコンの場合には図に示すよ
うな適度な斜め形状のロート状の流路が形成されるため
である。
【0035】最後に、図5fに示すように、高濃度のフ
ッ酸に基板全体を浸漬して、シリコン酸化膜42、PS
G膜43およびシリコン窒化膜とシリコン酸化膜46を
すべて除去し、逆流防止弁の形成工程を終了する。
【0036】上述のようにしてピストンと弁を形成した
それぞれの基板を積層して張り合わせてマイクロポンプ
を完成する。この張り合わせには、例えば、基板102
の下面に低融点ガラスをスパッタ成膜し、基板101お
よび基板102を積層して位置合わせした後、150〜
170℃に加熱した状態で100V程度の直流電圧を印
加して陽極接合することで行うことができる。さらに、
この上に、マイクロポンプ5の逆止弁10aより送り出
させる流体を流路切換器4a,4b,4c,4dにつな
がる流路9aへ送るための9bが形成された基板103
を同様の陽極接合により積層して張り合わせる。
【0037】なおここで、逆止弁を形成した基板102
および流路基板103は、基板101上に形成する光電
変換器の上面を塞がない形状としておく。
【0038】次に光電変換器部分を形成する。説明のた
めに光電変換器の平面構造を図6aに、図6aにおける
フォトセル部1を通るA−A´断面を図6bに、図6a
における変圧器を通るB−B´断面を図6cに示す。
【0039】この光電変換器は、図6bに示すように、
半導体基板101を、例えばn型シリコン基板として
おき、この基板上に、あらかじめn型エピタキシャルシ
リコン512を、例えばシート抵抗15Ωcmで厚さ1
6μm程度成長させた基板を用いて、図6aに示すよう
に、フォトセル51、自励発振回路に用いるMOSトラ
ンジスタ52および変圧器である外鉄型薄膜トランス5
3を一体形成し、1次側電極54および2次側電極55
を設けたものである。なお、図6a中56および57は
金属配線である。
【0040】光電変換素子であるフォトセルの受光部
は、図6bに示すように、エピタキシャル層512上
に、例えば500μm×500μm程度の領域にホウ素
を熱拡散してp型層513を形成してフォトセルのpn
接合を形成し、照射された光を効率よく変換するため
に、素子の上に適当な屈折率を持つ材料、例えば酸化膜
等を適当な膜厚、例えば0.1〜0.3μmの反射防止
膜514を形成したものである。また、フォトセルの構
造としてはこの他に、pn接合を層状に形成し、入射光
を効率よく吸収させることで起電力を増加させ、あるい
はpn接合を直列接続する等して発生電圧値を上げるよ
うに形成することも可能である。
【0041】自励発振回路は、光電変換素子により得ら
れた直流電圧を交流に変換するためのもので、これは、
変圧器(トランス)により電圧を変圧するためには交流
が必要なためであり、直流を交流に効率よく変換できる
ものであればどの様なものでもよいが、例えば、図7の
等価回路に示すようなトランジスタ(FET)1個によ
り形成されたものが好適である。この回路は、光電変換
素子61に光が照射されることにより、電流が発生し、
この電流が変圧器の1次側コイル62およびFET63
のソース−ドレイン間に流れる。1次側コイルに電流が
流れると2次側コイル64に電圧が誘起して2次側の回
路に電流が流れ、それによりFET63のゲートに電圧
が加わる。これによりFET63のソース−ドレイン間
に流れていた電流が遮断され、1次側コイルに電流が流
れなくなると同時に2次側コイル64に流れた電流も切
れ、FET63のゲートに加わっていた電圧がなくな
る。この様にFETをスイッチング動作させること、す
なわち、1次側回路に接続されたFETのソース−ドレ
イン間に流れる電流を、2次側に発生した電圧をFET
のゲートにフィードバックすることによりON,OFF
し、これが繰り返されることにより、直流を交流に変換
するものである。ここで、1次側コイル62とコンデン
サー65が共振回路を形成している。なお、このコンデ
ンサー65はコイルの巻線間の線間容量である。コイル
とコンデンサーによって共振する周波数がFETのスイ
ッチング動作に適した値になるように適宜FETを設計
する。
【0042】図6aにおいて、上述の自励発振回路のF
ETとなるMOSトランジスタ52は図6bに示すよう
に、エピタキシャル層512にイオン注入法によりホウ
素をイオン注入し、熱拡散を行いP−Well領域51
5を形成し、該P−Well領域515にMOSトラン
ジスタのソース516およびドレイン517となるn
層を、ホトリソグラフィーによりパターニングして、イ
オン注入法によりリンまたは砒素をイオン注入して熱拡
散を行うことにより形成し、MOSトランジスタ上にゲ
ート酸化膜518およびポリシリコンゲート519を形
成したものである。
【0043】変圧器は、光電変換素子により得られた電
気を、マイクロマシンの駆動体が必要とする電圧に変換
するためのもので、通常のコアに1次コイルおよび2次
コイルを巻き付けたトランスでもよいが、本実施例は、
上述の光電変換素子および自励発振回路等と同一基板上
に一体的に形成するために、例えば、図6cに示すよう
に、コイルをドーナツ状に磁性体薄膜コアで取り囲む外
鉄型薄膜トランスがその形状を極小さく形成できること
から好適に用いられる。このトランスは、磁性体薄膜コ
ア524として、例えばフェライトやパーマロイ等透磁
率の高い材料により厚さ1〜100μm程度の薄膜を形
成し、さらに、抵抗値の小さな金属材料、例えばAl、
Cu等により薄膜を成膜し、ホトリソグラフィーにより
パターニングして1次コイル525および2次コイル5
26を形成する。このコイル間の絶縁は絶縁材527、
例えばポリイミドフォトレジストや酸化膜等を金属薄膜
形成時に挟み込むようにして形成する。このコイルをさ
らにフェライトやパーマロイ等によりドーナツ状に取り
囲むようにして磁性体薄膜コアを形成して、微小な外鉄
型薄膜トランスを製作したものである。なお、コイルの
巻数については、その変圧量により適宜選択して決定す
るとよいが、例えば本実施例の場合、1次側で得られる
電圧が0.6V程度であるとすると、これを2次側にお
いて5V程度とする場合には1次:2次の比を1:8と
するとよい。
【0044】上述のようにグリッパ、マイクロポンプ、
流路切換器および光電変換器等を一体化形成した流体駆
動型アクチュエータは、光電変換器6に光を照射するこ
とによりマイクロポンプ5を作動させ、流体を逆止弁1
0aより送出し、光電変換器8に光を照射することによ
り流路切換器4b,4cを同時に開くことにより、流体
が流路切換器4b通ってバルーン3aに導かれる。これ
と同時に、バルーン3b内の流体が開いている流路切換
器4bを通って排出用逆止弁12より排出される。これ
によってグリッパの可動アーム2が物をつかむように可
動させることができる。
【0045】逆に、グリッパを開く(解放する)方向に
可動させるには、光電変換器6に光を照射することによ
りマイクロポンプ5を作動させ、流体を逆止弁10aよ
り送出し、光電変換器7に光を照射することにより流路
切換器4a,4dを同時に開くことにより、流体が流路
切換器4d通ってバルーン3bに導かれる。これと同時
に、バルーン3a内の流体が開いている流路切換器4a
を通って排出用逆止弁12より排出されることにより行
われる。
【0046】用いられる流体としては、特に限定される
ものではないが、本発明の流体駆動型アクチュエータは
非常に微小なものであるため、この様な微小な空間を効
率よく動くことのできる粘性の少ない液体もしくは空気
等の気体が好ましい。
【0047】以上の実施例は、アクチュエータとして、
マイクログリッパを用いたものであるが、このほかにも
本発明においては、マイクログリッパ部分の代りに、流
体を駆動力伝達手段として用いることができる作業ユニ
ットや回転体ユニット等を取付けまたは一体化形成する
ことにより各種のマイクロマシンを作ることが可能であ
る。
【0048】また、大きな仕事量を必要とするような流
体駆動型アクチュエータの場合には、光電変換器に必要
により蓄電機構を設けることにより、仕事量の大きな流
体駆動型アクチュエータを駆動するための大きな電力を
得ることができる。
【0049】この蓄電機構は、例えば、図8に示すよう
な倍電圧整流回路により実現される。この回路では、図
8に示した電圧e<0の時に、コンデンサー76がチャ
ージされ、e>0のときにダイオード78を通じて出力
側に電流が流れるようになっている。コンデンサー79
は出力電圧に含まれるリップル成分を低減すると共に、
電荷を蓄積し、仕事量の大きな作業モジュールに一時に
大きな電気エネルギーを供給することができる。なお、
図8中71はフォトセル、72は1次側コイル、73は
FET、74は2次側コイルおよび75はコンデンサー
であり、上述の自励発振回路を形成している。
【0050】実際の製作に当たってはコンデンサー76
および79各々はエピタキシャルn型層にホウ素を高濃
度に拡散したpシリコンで形成されており、その表面
には絶縁材料、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜
好ましくは誘電率の高いテフロン等の高分子誘電体を、
厚さ0.01〜0.1μm程度を形成する。その上に、
Alを0.1μm程度の厚さに成膜してコンデンサーの
もう一方の電極を形成する。
【0051】一方、整流用ダイオード77および78
は、エピタキシャルn型層にイオン注入法(または熱拡
散法)によりホウ素を1×1016cm-3程度注入し、p
型シリコンでアノードを形成する。さらに、p型シリコ
ン中にはイオン注入法により砒素を高濃度(1×1020
cm-3程度)に注入し、カソード電極を形成する。各々
の電極上には、Alで電気配線を形成し、コンデンサー
やトランス等、他の素子とを相互に接続することによ
り、蓄電機構を設けた光電変換器を一体化形成すること
ができる。
【0052】ここで、用いられる基板101および10
2は、半導体素子等を製造するための微細加工技術によ
り加工することが可能な材料であればよく、例えば、シ
リコン基板、ガリウム−砒素基板、サファイア基板、ガ
ラス基板等で、加工性や経済性等から一般の半導体素子
に用いられているシリコン基板が好ましい。
【0053】
【発明の効果】本発明のアクチュエータ可動部、マイク
ロポンプおよび光電変換器よりなり、好ましくはこれら
が一体化形成された流体駆動型アクチュエータは、マイ
クロポンプおよび光電変換器による駆動源とアクチュエ
ータ可動部が極近傍、より好ましくは同一基板上に形成
することにより、動力伝達損失の少ないアクチュエータ
駆動システムを作ることができる。特に、マイクロマシ
ンのような微小作業モジュールにあっては、配線の引回
しや流体の流路を長く繋ぎ合わせる等の周辺構造が不要
となり、好適に用いることができる。さらに、本発明の
流体駆動型アクチュエータは一体化形成により微小に製
作されているためこれまで用いることのできなかった微
小な空間はもとより、医用分野において生体内における
作業モジュールとして用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の流体駆動型アクチュエータを説明す
るための平面概要図である。
【図2】 本発明の流体駆動型アクチュエータを説明す
るための断面概要図である。
【図3】 本発明の流体駆動型アクチュエータのマイク
ロポンプ部分の製造工程を説明するための図面である。
【図4】 図4に続く本発明の流体駆動型アクチュエー
タを説明するための断面概要図である。
【図5】 本発明の流体駆動型アクチュエータのマイク
ロポンプ部分の逆止弁の製造工程を説明するための図面
である。
【図6】 本発明の流体駆動型アクチュエータの光電変
換器部分を説明するための図面である。
【図7】 本発明の流体駆動型アクチュエータの光電変
換器部分における回路図である。
【図8】 本発明の流体駆動型アクチュエータの光電変
換器部分に蓄電機構を設けた回路図である。
【符号の説明】
1…固定アーム、2…可動アーム、3a,3b…バルー
ン、4a,4b,4c,4d…流路切換器、5…マイク
ロポンプ、6,7,8…光電変換器、9a,9b…流
路、10a,10b…逆止弁、11…貫通孔、12…排
出用逆止弁、13…配線、22,25…シリコン酸化
膜、23…シリコン窒化膜、24,27…ホトレジス
ト、26…ポリシリコン、28…ニッケルまたは銅、4
1…シリコン基板、42…シリコン酸化膜、43…PS
G膜、44,45…ポリシリコン膜、46…シリコン酸
化膜およびシリコン窒化膜、51…フォトセル、52…
MOSトランジスタ、53…トランス、54…1次側電
極、55…2次側電極、56,57…金属配線、61,
71…フォトセル、62,64,72,74…コイル、
66,76…FET、65,65,76,79…コンデ
ンサー、77,78…ダイオード、101,102,1
03…基板、401…流路切換弁、402…流路切換弁
の拡散層、403…流路切換弁の導電性サポート、50
1…ピストン電極、502…導電性サポート、503…
シリンダ固定電極、512…エピタキシャル層、513
…p型層、514…反射防止膜、515…P−Well
領域、516…ソース、517…ドレイン、518…ゲ
ート酸化膜、519…ポリシリコンゲート、523…シ
リコン酸化膜、524…磁性体薄膜コア、525.52
6…コイル、527…ポリイミド絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角野 仁美 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータ可動部、マイクロポンプ
    および光電変換器よりなることを特徴とする流体駆動型
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 アクチュエータ可動部、マイクロポンプ
    および光電変換器が一体化形成されていることを特徴と
    する流体駆動型アクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996011342A1 (de) * 1994-10-08 1996-04-18 Forschungszentrum Karlsruhe Gmbh Mikromechanischer aktor
JP2010019547A (ja) * 1994-07-29 2010-01-28 Battelle Memorial Inst 微小部品シート構造体

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019547A (ja) * 1994-07-29 2010-01-28 Battelle Memorial Inst 微小部品シート構造体
WO1996011342A1 (de) * 1994-10-08 1996-04-18 Forschungszentrum Karlsruhe Gmbh Mikromechanischer aktor

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