JPH05203932A - 液晶材料の塗布方法及び液晶部材の作製方法 - Google Patents

液晶材料の塗布方法及び液晶部材の作製方法

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JPH05203932A
JPH05203932A JP30445492A JP30445492A JPH05203932A JP H05203932 A JPH05203932 A JP H05203932A JP 30445492 A JP30445492 A JP 30445492A JP 30445492 A JP30445492 A JP 30445492A JP H05203932 A JPH05203932 A JP H05203932A
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liquid crystal
crystal material
coating
electrodeposition
solution
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JP30445492A
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Satoshi Takeuchi
敏 武内
Masayuki Ando
雅之 安藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の問題点を解決し、液晶塗布厚みが
均一である各種液晶部材を歩留まり良く且つ容易に形成
可能な液晶材料の塗布方法を提供すること。 【構成】 高分子バインダー溶液を用いる電着塗布方法
において、該バインダー溶液が、該溶液中に微分散され
た電気泳動性液晶材料を含み、該溶液中に塗布基板とな
る主電極と対向電極を配置して通電し、塗布基板の全面
又は任意領域に微分散液晶材料を電気的に吸着又は電気
化学的に反応沈積させ、次いで塗布基板を取り出して溶
剤を乾燥除去することを特徴とする液晶材料の塗布方
法、及び該液晶含有層を他物体に転写することを特徴と
する液晶部材の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶材料の塗布方法に係
わり、更に詳しくはバインダー溶液中に微分散された液
晶材料に電着性を付与して電気的に塗布可能とし、各種
液晶部材の生産を容易にし且つ歩留まりを向上せしめる
液晶材料の塗布方法及び液晶部材の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バインダー水溶液中に分散された液晶を
基板上に塗布して作製される所謂高分子分散型液晶パネ
ルの製造は、パネル電極面に液晶材料を含む溶液を塗布
することを基本としている。液晶材料の微油滴分散液や
マイクロカプセル型の高分子分散型液晶液をパネル面に
塗布する一般的方法は、液晶材料を含む溶液をワイヤー
バーコート、ナイフコート、ギーサー、その他の方法を
用い、所定の厚さになる様にパネル面に均一な厚さに塗
布し、次いで溶剤(水)を乾燥させた後に、対極パネル
を接着して液晶パネルとしている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】高分子分散型液
晶液は、液晶の微油滴分散乳化やマイクロカプセルの製
造を容易にする為に水溶液中でその処理を行なってお
り、更に結合材としてポリビニルアルコール、その他の
水溶性高分子材料を適当量含んでいる。従って液晶材料
を含む液は、水系のチキソトロピックな溶液である。そ
の為一般に塗布特性が悪く、泡の混入等により均一な液
晶層を形成させるのが容易でない。又、液晶材料層の厚
さを乾燥時に数μmから十数μmとする為には、十分な
時間を費やして長時間乾燥しなければならないという問
題がある。高分子分散型液晶パネルを高品質表示体パネ
ルとして用いる為には、液晶材料層内にごみ、泡、塗布
むら等が存在してはならず、従って塗布液の脱泡や塗布
・乾燥の難しさ等から、パネルの製造速度、良品率、そ
の他に大きな課題が発生し、高品質表示パネルを安価に
製造することが出来ないのが現状である。従って本発明
の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、液晶塗布厚
みが均一である各種液晶部材を歩留まり良く、且つ容易
に作製可能な液晶材料の塗布方法を提供することであ
る。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、高分子バインダ
ー溶液を用いる電着塗布方法において、該バインダー溶
液が、該溶液中に微分散された電気泳動性液晶材料を含
み、該溶液中に塗布基板となる主電極と対向電極を配置
して通電し、塗布基板の全面又は任意領域に微分散液晶
材料を電気的に吸着又は電気化学的に反応沈積させ、次
いで塗布基板を取り出して溶剤を乾燥除去することを特
徴とする液晶材料の塗布方法、及び該液晶含有層を他物
体に転写することを特徴とする液晶部材の作製方法であ
る。
【0005】
【作用】チキソトロピックな液晶材料を含む水溶液を、
数μm以上又は適宜必要な厚さに高精度で塗布する技術
は、実験的には可能であっても量産手段としては極めて
難しいことは前述した通りである。これに対して、本発
明では液晶材料の塗布に電気泳動技術を利用することに
よって、液晶塗布厚みが厚く、且つ均一である各種液晶
部材を歩留まり良く且つ容易に提供することが出来る。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明で使用する電気的塗
布方法とは、水溶液中に溶解又は分散している塗膜形成
材料を電気的に主電極板(電着電極)面に沈積させ塗膜
化するものである。かかる電気的塗布方法で実用されて
いる類似技術としては、金属板に塗料を塗装する電着塗
装法があるが、これは高分子溶液中に着色顔料を分散さ
せ、塗布を目的とする部材を主電極板として、その部材
上に着色塗装する方法として良く知られている。又、電
着塗装には、主電極の極性によるイオン反応によってカ
チオン電着とアニオン電着とがあり、電着物質がカチオ
ンとして挙動するか、或はアニオンとして挙動するかで
分類されている。
【0007】従来の電着塗装は、顔料を含む着色皮膜を
強固に形成させる為に、塗装後熱処理等によって高分子
材料をキュアリングし、皮膜強度を増加させて実用に供
している。本発明の方法で使用する電着液は、バインダ
ー水溶液中に微細に乳化分散している液晶材料を含むも
のであって、従来の顔料を分散させる電着塗装法とは多
くの点で異なり、未だ前例を見ていない。しかしなが
ら、本発明では、バインダー溶液中に微分散せしめた液
晶材料をカチオン又はアニオンとして挙動させることが
出来るので、同じ原理で電着を可能にすることが出来る
ことを見出した。但し形成される被膜それ自体の膜強度
はそれほど必要がないので、塗装後には結合材としての
高分子材料を強烈にキュアリング処理する必要はなく、
溶媒を完全に除去する程度の処理を行なえば、それで本
発明の目的を十分に達成することが出来る。
【0008】バインダー溶液中に微分散している液晶材
料は、液晶の油滴そのものでもよいし、種々のカプセル
壁材料でマイクロカプセル化されたものであってもよ
い。この液晶材料が微分散しているバインダー溶液中か
ら、塗布基板である電極板面に液晶材料を電着積層させ
る為には幾つかの方法を採用することが出来、例えば、
好ましい方法としては次の如き方法が挙げられる。 (1)電着性高分子物質の電着挙動に付随して、液晶油
滴又はカプセル部材を主電極面に共沈させる方法(電着
塗装と同様)。 (2)カプセル壁材料にイオン解離性を保有させる方
法。 (3)液晶油滴又はカプセル壁膜材の表面に、イオン解
離性物質を吸着させて見かけのイオン解離性を付与させ
る方法。 (4)カプセルを高分子ミセル内に包含させ、対極電極
面で酸化させてカプセルを電極面に放出させる方法(ミ
セルがカプセルキャリアーとなる)。 (5)電気絶縁性溶媒中にカプセルを分散し、カプセル
表面に接触電荷を発生させ、対極電極面に電気泳動させ
る方法等。
【0009】本発明において使用する電着液は、媒体と
その中に微分散した液晶材料とからなり、該媒体中に液
晶油滴又はそのカプセル化物を微分散(乳化)させるこ
とは容易である。例えば、一般の乳化液作製方法に準
じ、適当な乳化剤の存在で水溶液中に液晶油滴又はその
カプセル化物を混合し、強力な機械的撹拌や超音波撹
拌、その他の手段で液晶油滴又はそのカプセル化物の乳
化液を作製することが出来る。更に結合剤として共存す
る水溶性高分子物質(例えば、ポリビニルアルコール
等)が安定的に乳化を促進することもある。液晶材料等
の疎水性液体材料を、水溶液中に乳化分散する原理は、
油滴周囲に乳化剤又は共存水溶性高分子物質の極性基配
位によって安定に存在させることであり、この原理は良
く知られていて、工業的にも広く利用されているので詳
細の説明は省略する。
【0010】液晶のマイクロカプセル化法は、他の材料
に適用されている一般的マイクロカプセル化技術をその
まま使用することが出来る。一般的マイクロカプセル化
法には、化学的作製法、物理化学的作製法及び物理的・
機械的作製法がある。化学的作製法については、合成反
応を用いる界面重合法、in situ 重合法及び高分子物性
変化を生じさせる液中硬化被覆法がある。界面重合法は
重縮合或いは重付加反応する様な二種のモノマーとし
て、水溶性のものと油溶性のものを選択し、いずれかを
分散させてその界面で反応させる方法である。in situ
重合法は核材の内又は外の一方からリアクタント(モノ
マーや開始剤)を供給し、カプセル壁膜表面で反応させ
る方法である。液中硬化被覆法(オリフィス法)は予め
核材を壁膜材でカプセル化した後、その壁膜を硬化液中
で硬化する方法である。物理化学的作製法としては、相
分離を利用したコアセルベーション法、界面沈殿法(液
中濃縮法、液中乾燥法、二次エマルジョン法)及び融解
分散法がある。
【0011】コアセルベーション法は水溶液系でも、有
機溶媒系でも用いることが出来る。水溶液系では、溶解
性の減少により相分離を生じさせる単純コアセルベーシ
ョン法、電気的相互作用により相分離を生じさせる複合
コアセルベーション法を用いることが出来る。有機溶媒
系では溶解性や温度等の変化による相分離現象を利用す
る。界面沈殿法は、激しい反応や急激なpH変化等が伴
わない、温和な条件でカプセル化可能な方法で、例え
ば、液晶核材を分散した水溶液を疎水性高分子の溶剤溶
液中に分散させた後、更に保護コロイド溶液に分散させ
るものである。融解分散法は、壁膜材としてワックスや
ポリエチレンの様な蝋状物質を用いるもので、加熱下で
核材を蝋状物質と共に液中に分散した後冷却する方法で
ある。
【0012】物理的・機械的作製方法としてスプレー・
ドライング法、気中懸濁被覆法、真空蒸着被覆法等が挙
げられるが、核材である液晶は常温で液体であり、その
大きさを整えるエマルジョンの作製が前提となる為、液
晶のカプセル作製法としては適していない。上記各種の
基本的な液晶の乳化油滴法やカプセル化法を応用するこ
とによって、本発明で使用する電気的に泳動可能な乳化
液晶溶液又はカプセル分散溶液を作製することが出来
る。電気的に如何に泳動させるかによって、液晶乳化液
又はカプセル分散溶液の特性を適切に選ぶことが必要で
あり、それらの特性の下に前記(1)〜(5)に示した
特性を利用して、塗布基板である主電極板面上への電着
積層塗布層が形成される。以下にそれらの方法を概述す
る。
【0013】(1)電着性高分子物質による液晶材料の
共電着法:電着性高分子物質溶液から高分子物質を電着
させる時に、共存する微分散液晶油滴又はカプセル化液
晶を電極板面に共電着させる方法で、電着する高分子物
質は液晶材料の結合材となって塗布膜を安定させる(電
着塗装参照)。電着に用いられる有機高分子物質として
は、天然樹脂系、合成油系、アルキッド樹脂系、エステ
ル樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等、各種の
ものが使用可能である。電着用高分子物質は高分子分散
型液晶表示素子のマトリックスポリマーとなる為、光学
特性、電気特性及び耐久性に優れたものであることが必
要である。特にマトリックスポリマーとしては光学的に
透明でなければならず、アクリル系樹脂及びビニル系樹
脂が好ましい。マトリックスポリマーの屈折率は、液晶
をカプセル化する高分子の屈折率と近似している必要が
あり、マトリックスポリマー及びカプセル化ポリマー共
に屈折率1.3〜1.7の範囲であることが好ましい。
更に耐候性という観点からアクリル系樹脂が好ましく用
いられる。
【0014】この様なアクリル系樹脂は電着並びに液晶
或は液晶のカプセルを分散するという観点から、イオン
解離性機能を有する必要があり、イオン解離性基を有す
るモノマーと共重合することによって得られる。代表的
な解離性基としては、カルボン酸基及びスルホン酸基等
が挙げられる。イオン解離性基を有するモノマーとして
は(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸、2−スル
ホエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリ
カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モ
ノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸
モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。これらをあらゆるアクリル系モノマー又はあらゆ
るビニル系モノマーと適度な割合で共重合すればよい。
【0015】コモノマーの好ましい例としては、例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、ノルマル−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、セチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、ベヘニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキキエチレングルコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール
−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コール−ポリテトラエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、
(イソ)ノニル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピ
ル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メ
タ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メ
タ)アクリレート、ノニルフェノキシプロピル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンチニルオキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリカプロラクトン(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アク
リレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)
アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビ
ニル、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0016】アニオン型では古くからマレイン化油系や
ポリブタジエン系樹脂が知られており、樹脂の硬化は酸
化重合反応による。従って空気中に放置することによっ
て樹脂が硬化する特徴がある。カチオン型は一般的な電
着塗装に広く用いられ、エポキシ樹脂系が多く、単独又
は変性されて利用されている。硬化にはイソシアネート
系架橋剤がよく用いられる。他にはポリブタジエン系樹
脂、メラミン樹脂系、アクリル系樹脂等の所謂ポリアミ
ノ樹脂系が多い。液晶材料と共に電析した有機高分子膜
の硬化には、使用する高分子物質の性質に応じて酸化重
合や熱重合或いは光架橋硬化法等があり、液晶材料を主
電極板面に安定的に固定する役割を持っている。 (2)イオン解離性カプセル法:化学的作製法を用いる
場合、イオン解離性基を有するモノマーや開始剤の使用
によって液晶カプセル自体にイオン解離性を保有させる
ことが出来る。又、界面重合法の場合は水溶液中でイオ
ン解離性基を有する材料を用いることによって、カプセ
ル壁膜にイオン解離性基を導入することが出来る。in s
itu重合法の場合にも、ラジカル反応性を有するイオン
性界面活性剤を用い、過硫酸カリウムの様な分散媒であ
る水に可溶な重合開始剤で重合させればよい。更に物理
化学的作製法に関しても、前記コアセルベーション法や
界面沈殿法において、壁膜材料に予めイオン解離性基を
導入しておくことによってイオン解離性カプセルを得る
ことが出来る。
【0017】水溶液中に分散しているカチオン又はアニ
オンのイオン解離性カプセルは、該カプセルと逆極性の
電極面においてイオンが酸化又は還元され、その電極面
に電着されて液晶カプセルの塗膜を形成する。 (3)液晶油滴又はカプセル壁膜表面へのイオン解離性
物質吸着法:既に形成されている液晶油滴又はカプセル
の壁膜の表面にイオン解離性物質を吸着させ、この吸着
イオンと同様の挙動を行なわせることが出来る。即ち、
物理的吸着を用いる場合には、イオン解離性物質として
イオン性界面活性剤やイオン解離性基を有するポリマ
ー、例えば、(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸
等を含む共重合体を保護コロイドとして用いればよい。
この保護コロイドは、前記(1)の共電着法で示した共
重合体の構造と基本的に変わらないが、共重合体組成及
び中和剤の配合量によって保護コロイドとして作用させ
ることが出来る。又、化学的吸着を用いる場合には、カ
プセル壁膜材としてカルボキシル基、アミノ基等の様な
官能基を有する材料を用い、それらと反応性を有するイ
オン解離性物質を導入付加することによって得ることが
出来る。これらの方法は、本来イオン解離性基を導入す
ることが出来ない液晶油滴や、カプセル化する場合にそ
の壁膜材にイオン解離性基を直接導入することが困難な
場合に有効である。
【0018】(4)カプセルのミセル搬送法:本法で
は、特殊なカプセル化法を採用する必要がない方法で、
基本的には液晶とイオン性界面活性剤或いはイオン解離
性基を有する保護コロイドを水中に分散させればよい。
しかしながら、一般にカプセル粒子を微細化することが
必要である。本法は、ある種の界面活性剤水溶液に有機
顔料を分散させ、電極基板上で電気化学的に界面活性剤
を酸化すると、分散していた顔料が凝集沈降して電極面
に顔料薄膜を形成することが出来、ミセル電解法と名付
けられている(参考文献:特開昭48-26825号公報、特開
昭63-243298 号公報、佐治哲夫、表面 Vol.30 No.4(1
991). Chem.Lett.,693(1988). Bull. Chem. Soc. Jan.,
Vol62, 2992(1989). Electrochem. Soc.,Vol.136. 2953
(1989). J. Am. Chem. Soc.,Vol103,450(1991).etc.参
照)。ミセル電解法を応用して有機顔料を液晶カプセル
に置換することによって本法が成立する。
【0019】フェロセン含有の非イオン性界面活性剤
(市販)を、微細カプセルを含む水溶液に添加すると、
カプセルを十分に分散させることが出来る。これは界面
活性剤が形成するミセル構造内に該カプセルを取り込み
(又はカプセル壁膜面に吸着)、完全な水溶液中への分
散形態を採ることが出来る為である。この水溶液中に主
電極基板を入れ酸化電位下で電解すると、ミセルが酸化
されてカプセル面に吸着していた界面活性剤が脱着され
る。この時カプセルは分散状態を維持することが出来な
くなり主電極面上に凝集沈降する。酸化された界面活性
剤は反対電極に吸引されて還元され、再び元のミセル形
成可能な活性状態となる。従って界面活性剤の挙動はサ
イクリックに行なわれるので、あたかもカプセルをミセ
ルが搬送している様な状態を呈する。この方法によれ
ば、緻密で良質のカプセル膜を形成することが出来る
が、所望の膜厚(例えば10μm)を得るのに長時間を
必要とするのが欠点である。又、液晶油滴では電着後に
結合剤が存在しないので膜形成が出来ず、使用すること
が出来ない。
【0020】(5)荷電カプセルの電気泳動法:一般に
電気絶縁性溶媒中に分散した粒子は、その溶媒と粒子と
の相関関係において一定の接触電位を発生する。この原
理は電子写真や静電印刷における液体現像法に利用され
ている良く知られた現象である。この原理を利用して液
晶カプセルの電気泳動による塗膜形成が可能である。荷
電カプセルは、一般的な方法で液晶材料をマイクロカプ
セル化し、電気絶縁性溶媒と溶媒置換するか、カプセル
核材にイオン解離性物質を混入させるか、或いはイオン
解離性を付与してやればよい。後者の場合には、核材で
ある液晶液内にイオン解離性物質を混在させると、壁膜
が半透性を有する為、対イオンがカプセル外部に出るこ
とが可能で、これによってカプセル周囲に電気二重層が
形成され、カプセル表面に電荷が発生する。但し、液晶
とイオン解離性物質の共存は好ましいことではない(静
電荷発生のメカニズムは不透明なことが多いので十分に
は理論付けられない)。
【0021】何れにしても電気絶縁性溶媒中のカプセル
は、荷電粒子として存在するので、その電荷と反対電荷
の電極面に泳動して静電的に膜形成させることが出来
る。以上の説明で明らかな様に、夫々の電着(電析)に
適した電気的に泳動可能な液晶油滴や液晶マイクロカプ
セルを作製し、塗布基板である適当な電極部材上に液晶
材料を電気的に吸着或いは電気化学的に反応沈積させ、
液晶パネルに要求される高性能な高分子分散型液晶フィ
ルム塗膜を安定して形成することが出来る。実際の液晶
表示体に用いるパネルの製造においては、パネルの表示
領域はITOやその他の導電性材料で構成されているの
で、そのパネルを液晶材料電着の主電極として直接利用
すれば、パネル面に必要な膜厚の高分子分散型液晶材料
を塗布形成することが出来る。この場合の液晶の状態
は、油滴状、カプセル状、不定形連続状等である。
【0022】ITO膜を電着の主電極に用いる場合、カ
チオン型ではその中和剤により電着時に表面の結晶が変
質し、黒褐色の抵抗値の高い不透明な基板となる為、ア
ニオン型を用いる方が好ましい。カチオン型を用いる場
合には、ITO膜表面に透明で極めて薄い保護層を設け
る必要がある。又、パネルには用いない電着専用の導電
性基板(必要に応じてパターン化しておいてもよい)
に、液晶材料の適性な塗膜を形成した後、他のパネル部
材面の所定位置に液晶含有層を転写してもよい。この方
法によれば、アニオン型電着法を用いることが出来、選
択することが出来る電着用樹脂の幅が拡がる。又、良好
な塗膜のみを選択的にパネル化することが出来るし、電
着用の電気配線を1枚毎にパネル面に作製しておく必要
がなく、電着基板は反復して使用することが出来、簡便
且つ合理的な工程を組むことが出来る等の多くの利点が
ある。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断りのない限
り重量基準である。 実施例1 アニオン性アクリル樹脂55部、エチルセロソルブ15
部、イソプロピルアルコール3部、トリエチルアミン
(中和剤)約1部及び純水1,000部からなるアクリ
ル樹脂水溶液に、PDLC用液晶材料(商品No.BL
009:メルク・リミテッド社製)10部を添加し、強
力撹拌下で液晶の乳化液を作製した。この乳化液を電着
浴に入れ、負極に白金板を、正極に電着主電極としてI
TO透明導電膜を形成したパネル用ガラス板を用い、室
温にて電圧20〜60Vで適当時間電着を行ない、10
μm厚さの高分子分散型液晶膜を形成させた。次いでパ
ネル用ガラス板を引き上げ、約50℃で乾燥させたとこ
ろ最終的に8μm膜厚の白色高分子分散型液晶膜が形成
された。このパネルの液晶膜面に他の導電性透明基板を
重ねて密着し、20Vの直流電圧を印加したところ液晶
膜が透明になり、又、電圧印加を断った時に白色に戻っ
たので高分子分散型液晶膜が形成されているのが確認さ
れた。
【0024】実施例2 カチオン性アクリル樹脂55部、エチルセロソルブ15
部、イソプロピルアルコール3部、酢酸(中和剤)約1
部及び純水1,000部からなるアクリル樹脂水溶液
に、PDLC用液晶材料(商品No.BL009:メル
ク・リミテッド社製)10部を添加し、強力撹拌下で液
晶の乳化液を作製した。この乳化液を電着浴に入れ、正
極に白金板を、そして負極に主電極として表面平滑な
0.1mm厚のステンレスチール板を用いた。主電極板
面には予め常法によって電気絶縁性フォトレジストで液
晶材料の電着領域パターンを作製しておいた。次いで剥
離用に用いられている市販シリコーン樹脂液を十分に希
釈して浸漬し、電着に影響のない薄い剥離層を形成し
た。この主電極を用いて前例に従い10μm厚さの高分
子分散型液晶膜を形成した。一方、前記主電極と同じパ
ターンのITO透明導電層を持つガラス基板のITO膜
面に、感光性アクリル樹脂接着剤を0.3μm厚にスピ
ンコーティングし、前記高分子分散型液晶膜形成済みの
主電極板をガラス面のITO膜パターンと位置合わせし
て密着し、背面からゴムローラーで均一に圧着した後、
主電極を引き剥がして電着高分子分散型液晶膜をガラス
面に転写した。ガラス面に転写された後、前記のテスト
をして本発明の目的が達成されていることを確認した。
又、主電極は反復使用することが出来た。
【0025】実施例3 後述する液晶を含有するカプセルが分散している水溶液
に、フェロセン誘導体系の非イオン性ミセル化剤(界面
活性剤:商品名フェロセニルPEG、同仁化学製)を添
加(3mM/1000ml)し、十分に超音波撹拌して
分散液を調製した。次いで主電極に実施例1のITO膜
付きのガラス板を、対向電極に白金板を、参照電極とし
て飽和カルメロ電極を用い、支持電解質としてLiBr
(0.05mM)を加えて電解液とし、電圧+0.9V
で1時間電解し、ITO膜面上に液晶カプセル膜を形成
させた。以上で使用したカプセルは以下の如くして製造
した。ネマチック液晶(E−44、メルク・リミテッド
社製)50部にポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト(ミリオネートMR−400)10部を溶解した。次
いでそれをジエチレントリアミンを含むポリオキシエチ
レンオクタデシルアミン(ナイミーンS−215、日本
油脂社製)水溶液に添加し、超音波分散した。このエマ
ルジョン溶液を60℃で5時間放置し、液晶マイクロカ
プセルを製造した。
【0026】実施例4 ネマチック液晶(E−44、メルク・リミテッド社製)
20部に、スチレン5部及びジビニルベンゼン1部を溶
解したものを、反応性界面活性剤ニューフロンティアA
229E(第一工業製薬社製)1部とカチオン性の反応
性界面活性剤ニューフロンティアC−1615(第一工
業製薬社製)0.3部を純水2,000部に溶解させた
ところに添加し、超音波分散を行なった。次いで窒素気
流下で50℃に保ち、過硫酸カリウム0.01部及び亜
硫酸水素ナトリウム0.01部を加え、6時間静置重合
を行なってイオン化カプセル(カチオン性)を作製し
た。この乳化液を用いて実施例1と同様に電着を行な
い、高分子分散型液晶膜を形成させ、イオン解離性物質
の反応付加による電着塗布が可能であることが判明し
た。
【0027】
【効果】以上の如き本発明の方法によれば、従来良好な
塗布が困難であった高分子分散型(カプセル型)液晶パ
ネルを、電着(又は電析)や電気泳動等の技術要素を利
用することによって簡便容易に製造することが出来る。
本発明方法の他の利点は、大型液晶表示体やパターン化
された液晶表示体の製造も安定的に、容易に可能である
ことから安価な表示体を提供することが出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子バインダー溶液を用いる電着塗布
    方法において、該バインダー溶液が、該溶液中に微分散
    された液晶材料を含み、該溶液中に塗布基板となる主電
    極と対向電極を配置して通電し、塗布基板の全面又は任
    意領域に微分散液晶材料を電気的に吸着又は電気化学的
    に反応沈積させ、次いで塗布基板を取り出して溶剤を乾
    燥除去することを特徴とする液晶材料の塗布方法。
  2. 【請求項2】 液晶材料が界面活性剤で乳化されている
    請求項1に記載の塗布方法。
  3. 【請求項3】 液晶材料がマイクロカプセル化されてい
    る請求項1に記載の塗布方法。
  4. 【請求項4】 液晶材料が電気泳動性である請求項1に
    記載の塗布方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において塗布基板上に形成
    された液晶含有層を他物体に転写することを特徴とする
    液晶部材の作製方法。
JP30445492A 1991-10-21 1992-10-19 液晶材料の塗布方法及び液晶部材の作製方法 Pending JPH05203932A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018143473A1 (ja) * 2017-02-06 2019-11-21 国立大学法人 東京大学 温度応答性色材

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JPWO2018143473A1 (ja) * 2017-02-06 2019-11-21 国立大学法人 東京大学 温度応答性色材

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