JPH05204007A - 第2高調波発生素子および第2高調波発生装置 - Google Patents

第2高調波発生素子および第2高調波発生装置

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JPH05204007A
JPH05204007A JP4012499A JP1249992A JPH05204007A JP H05204007 A JPH05204007 A JP H05204007A JP 4012499 A JP4012499 A JP 4012499A JP 1249992 A JP1249992 A JP 1249992A JP H05204007 A JPH05204007 A JP H05204007A
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JP
Japan
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refractive index
optical waveguide
light
index portion
harmonic generation
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Application number
JP4012499A
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Inventor
Keisuke Shinozaki
啓助 篠崎
Chiyousei Jiyo
長青 徐
Takeshi Kamijo
健 上條
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体レーザからの発振光を基本波光とし
て、発振波長が安定していて、しかも、光エネルギーの
第2高調波を出力出来るSHG素子およびこの素子を用
いたSHG装置。 【構成】 SHG素子は、基板上にそれぞれ均一の膜厚
の線形光導波路と非線形光導波路との複合光導波路を具
える。基板を熔融石英とし、線形光導波路をガラス層と
し、非線形光導波路を2−メチル−4−ニトロアニリン
(MNA)層とする。ガラス層に、イオン交換法により
高屈折率部と低屈折率部とを交互に作り込んだ屈折率周
期構造を設けるか、或いは、MNA層を周期的に部分的
に除去し、残存MNA層部分の高屈折率部とスペース部
の低屈折率部とで屈折率周期構造を設けている。高屈折
率部と低屈折率部との長さを異ならしめ、多周期として
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザを基本波光の
光源とする第2高調波発生素子、特に有機非線形薄膜結
晶を用いる薄膜導波路形の第2高調波発生素子に関す
る。また、この発明は、この第2高調波発生素子を用い
た第2高調波発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機非線形薄膜結晶を用いる薄膜
導波路形の第2高調波発生素子は、例えば、文献:「A
pplied Optics,Vol.25,No.
9,(1986),pp.1491〜1494」に開示
されているものがある。この発明の説明に先たち、この
発明の理解を容易にするために、以下、図5、図6、図
7の(A)および(B)を用いてこの素子の構造、その
製造方法、およびその使用方法を説明する。図5はこの
素子から第2高調波を発生させるための構成の一例であ
る。10はQ−スイッチYAGレーザ、12は偏向子、
14は赤外光(IR)透過フィルタ、16はレンズ、1
8は鏡、20はプリズム、22は2−メチル−4−ニト
ロアニリン(MNA)単結晶薄膜、24はバッファ領
域、26はプリズム、28はコーニング7059(商品
番号)ガラスを用いて形成したガラス光導波路、30は
熔融石英基板、32は硫酸銅水溶液フィルタ、34は絞
り、36は干渉膜フィルタ、38は光電子増倍管、40
はボックスカー積分器、42はペンレコーダである。
【0003】光導波路28は、高周波スパッタ法によ
り、コーニング7059ガラス(波長1.604μmの
光に対する屈折率は1.54、波長0.532μmの光
に対する屈折率は1.56)を熔融石英基板(波長1.
064μmの光に対する屈折率は1.45、波長0.5
32μmの光に対する屈折率は1.46)に付着させる
ことにより形成されている。この光導波路28の上にM
NA結晶薄膜22(波長1.064μmの光に対する屈
折率は1.80、波長0.532μmの光に対する屈折
率は2.2)が形成されている。
【0004】図4で概略的に示した単結晶薄膜22は光
導波路として機能させることを目的として形成されてお
り、厚さが場所により線形的に減少した形状(テーパ状
薄膜)になっている点に特色がある。薄膜22がテーパ
状構造に形成されている理由は、第2高調波発生のため
の位相整合条件を満足させるためである。
【0005】図5を用いてMNA単結晶薄膜22の形成
方法を説明する。図5はMNA融液50をビーカ52内
に用意し、成長基板54を準備した状態を示している。
この基板54において、56は熔融石英基板(図4の3
0に対応する)、58は高周波スパッタにより形成され
た光導波路(図4の28に対応する)のガラス層、60
はポリカーボネイトのスペーサである。62は、このス
ペーサ60をはさみ込んだために、対向するガラス層5
8の対向面間に出来た楔状のスペース(空間)である。
【0006】図6はMNA単結晶薄膜の形成方法を説明
する図である。62はモータ、64は成長基板(図5の
54に対応する。)、66はヒータ、68はガラス容器
(管)、70は油浴槽、72は温度制御装置、74は温
度検出器である。ビーカ52の上側に、それぞれ光導波
路のガラス層58を形成した2枚の基板56をスペーサ
60を介して光導波路側を対向させて用意する。このよ
うにして形成した成長基板64を図6に示すように、M
NA融液50に浸す。ビーカ52内のMNA融液50の
温度は130℃にされており、2枚の基板56を図に示
すようにMNA融液に浸すと、毛細管現象によりMNA
融液が2枚の基板56の光導波路のガラス層58とスぺ
ーサ60との隙間に入り込む。これを冷却するとテーパ
状のMNAの多結晶薄膜(図示せず)がガラス基板56
の上側に形成される。
【0007】このようにして形成されたMNA多結晶薄
膜は、図6に示した装置を用いてMNA単結晶薄膜とし
て形成する。モータ26によりMNA多結晶薄膜の付着
している成長基板64をゆっくりとした速さ(40mm
/day)で引き上げてゆっくりと冷却する。この過程
でテーパ状のMNA多結晶薄膜はテーパ状の単結晶薄膜
になる。このあと2枚のガラス基板56をゆっくりと剥
して、2層構造の光導波路を完成する。
【0008】このようにして形成した薄膜型光導波路
に、図4に示すような方法でYAGレーザからの基本波
光を導き第2高調波を発生させるている。
【0009】ここで、図7の(A)および(B)を用い
て基本波光と第2高調波とが光導波路中を伝播する様子
を説明する。図7は熔融石英基板30、コーニング70
59ガラス光導波路28、光導波路22、空気の4層か
ら成る複合光導波路中を基本波光(図7の(A))およ
び第2高調波(図7の(B))が伝播する場合の、光電
場の振幅分布をそれぞれ示している。基本波光は、図4
に示すようにプリズムカプラ20により光導波路28に
導かれ、光導波路28内を伝播して光導波路22と光導
波路28の2層が重なった構造(基板30、光導波路2
8、光導波路22、空気の4層構造である)になってい
る部分に達する。この4層構造部分では、この基本波光
は、図7に示すように、光導波路22と光導波路28の
両方の光導波路により導波される。光導波路22中を基
本波光が伝播するあいだに基本波光のエネルギーの一部
が第2高調波のエネルギーに変換され、図7の(B)に
示すようにこの第2高調波は4層から成る複合光導波路
中を伝播して行く。やがて光導波路22のない3層複合
光導波路(熔融石英基板30、コーニング7059ガラ
ス光導波路28、空気)中を伝播して外部に取り出され
る。
【0010】このとき位相整合は、光導波路22中を伝
播する基本波光の実効屈折率(有効屈折率あるいは導波
屈折率とも記述されることもある。)と第2高調波の実
効屈折率とを一致させることにより充足させられる。具
体的には、光導波路の厚さを変えることにより位相整合
条件を満足させることが出来る。すなわち光導波路の厚
さを変えることにより、基本波光および第2高調波の光
導波路内の伝播モード(伝播する際の光電場の強度分布
の形状を言う。図7の(A)および(B)に示したのが
この一例である。)が変わるので、これにより実効屈折
率をコントロールすることができる。単結晶薄膜をテー
パ状の形状としたのは、位相整合のとれる条件を見付け
るためである。すなわち、基本波光を位相整合のとれる
厚さのテーパ状の光導波路22中を伝播させるようにす
ることで、位相整合条件を充足させている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来構成の第2高調波発生素子を用いて従来方法によ
り第2高調波発生を実現しても、下記のような理由によ
り産業上の有用性はあまりない。
【0012】基本波光の光源にYAGレーザを用いて
いるため、第2高調波発生装置の小型化を図れない。本
来、第2高調波発生(以下、SHGとも言う。)素子
は、小型の短波長コーヒーレント光源として主に利用さ
れることが期待されているものであり、YAGレーザよ
りはるかに小型である半導体レーザ(LD)を使うこと
が要望されている。
【0013】従来構造のSHG素子では、位相整合が
とりにくく、かつ、安定した発振が期待出来ない。LD
は周囲の温度や注入電流値等により発振波長が変動して
しまう。発振縦モードの一つ分の発振波長の変化は、L
Dではごく普通に発生することはよく知られた事実であ
る(分布帰還型LDなどのように特に波長安定を図った
ものであっても、位相整合条件を満足する範囲内に安定
させることは、現在の技術をもってしても難しい。)。
このため、従来構造のSHG素子ではLDを基本波光の
光源とする場合には、基本波光の波長に対する位相整合
条件は非常に厳しく、LDの発振縦モード一つ分の発振
波長の変化でも位相整合条件から外れてしまう。従っ
て、LDとの組み合わせに対応してSHG素子も上述し
た従来構造のSHG素子とは異なる、位相整合の取り易
い構造に改良する必要がある。
【0014】また、上述した従来構造のSHG素子で
は、位相整合のとれる波長に関する自由度が著しく低
い。この従来素子では、非線形型光導波路の厚みを変え
ることによって位相整合条件を満足させている。しか
し、この手法により位相整合のとれる波長の範囲は、最
大でも数十ナノメートルである。
【0015】また、上述したSHG素子では、原理的
にリッジ形構造の光導波路を形成することが出来ないた
め、SHG変換効率を高めることができず、しかも、外
部に出力させる第2高調波の波面収差が大きい。
【0016】この発明の目的は、上述した従来の〜
の問題点の改善を図ったSHG素子およびこれを用いた
第2高調波発生装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明の第2高調波発生素子によれば、基本波光
を用いる第2高調波発生素子であって、基板と、この基
板に順次に重ねて設けた線形光導波路および非線形光導
波路をもって構成した複合光導波路とを具え、この複合
光導波路に、光の導波方向に沿って、基本波光に対する
実効屈折率が交互に周期的に異なる高屈折率部および低
屈折率部を形成してあり、この高屈折率部および低屈折
率部の、前記光の導波路方向に沿う長さを異なる長さと
してあり、この線形光導波路および非線形光導波路の厚
みをそれぞれ一定としてあることを特徴とする。
【0018】また、この発明の第2高調波発生装置によ
れば、少なくとも、端面を低反射面とした半導体レーザ
と第2高調波発生素子とを具えて構成とすることを特徴
とする。好ましくは、例えば、端面を低反射面とした半
導体レーザ、コリメータレンズと、1/2波長板と、集
光レンズと、上述した第2高調波発生素子とをこの順序
で、かつ、この半導体レーザが第2高調波発生素子から
の帰還光で発振する配置として構成するのが良い。
【0019】
【作用】上述したこの発明の第2高調波発生装置によれ
ば、複合光導波路を互いに屈折率の異なる2種類の部分
を交互に周期的に設けた構造となっている。この構造で
あると、基本波光が光屈折率部を伝播するときと、低屈
折率部を伝播するときとでは、伝播モードが異なるた
め、両部分で実効屈折率が異なる。このため、これら両
部分における基本波光から第2高調波へのエネルギー変
換効率(以下、SHG変換効率とも言う。)も異なる。
このため、高屈折率部で発生した第2高調波(S1 )の
エネルギー(E1 )と低屈折率部で発生した第2高調波
(S2 )のエネルギー(E2 )とでは大きさが異なる。
また、両第2高調波S1 およびS2 は逆位相となってい
るので、互いに干渉し合う。従って、一周期分のエネル
ギーの和はE1 −E2 の絶対値(なお、このエネルギー
1 >E2 として議論しても、不都合がないので、以
後、敢えて絶対値と断らずに説明する。また、両者のエ
ネルギーの和は常に正の値をとる。)となる。よって、
複合光導波路中に形成した屈折率周期構造(または、周
期的屈折率分布構造とも言う。)の周期を例えばN周期
と設定すれば、N(E1 −E2 )のエネルギーの第2高
調波を有効にかつ安定して発生させることができ、これ
を第2高調波発生素子の外部にとりだすことが出来る。
この周期Nを著しく大きな値と設定することが出来るの
で、第2高調波のエネルギーを著しく大きくすることが
可能である。
【0020】このように、この発明のSHG素子によれ
ば、この屈折率周期構造の周期を変えることによって、
事実上どのような波長の光に対しても位相整合をとるこ
とが出来る。従って、この発明のSHG素子は、小型の
半導体レーザ(LD)はもとより、小型のコヒーレント
光源を実現するといった目的以外であってLDを基本波
光の光源としない場合にも、適用することが出来る。
【0021】上述した屈折率周期構造は、光の導波方向
に沿って設ければSHG変換を行なうので、基板に対し
て線形または非線形光導波路のいずれに設けてもよい
し、また、プレーナ形として或いはリッジ形として形成
してもよい。
【0022】また、この発明の第2高調波発生装置の構
成によれば、SHG素子の周期的屈折率分布構造を作り
つけた複合光導波路に光を導入すると、この周期に対応
する特定の波長の光が強く反射される(ブラッグ反
射)。そこで、先ず、LDの端面を低反射(AR)コー
ティングすることにより発振しきい値を高くしておき、
このブラッグ反射してきた戻り光をLDに帰還させて、
このLDを発振させるように、SHG素子とLDとは配
置させている。このため、このSHG素子の複合光導波
路の周期的屈折率分布構造の周期を適切に設定すること
によって、このLDからの発振光を基本波光とした場
合、このSHG素子から上述したように、第2高調波を
有効に出力させることが可能となる。
【0023】従って、この発明の装置によれば、SHG
素子でのブラッグ反射によって帰還した光によってLD
が発振しているので、周囲温度や注入電流値の変動では
発振波長の変動は起こらず、従って、LDは安定して発
振する。このため、SHG素子から第2高調波も安定し
て採り出すことが出来る。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
つき説明する。なお、以下説明する実施例は、単なる好
適例にすぎず、従って、この発明はこの実施例にのみ限
定されるものではないことを理解されたい。
【0025】図1の(A)、(B)および(C)は、こ
の発明の第1実施例の説明に供する図で、(A)は、光
の導波方向に沿って採って示した断面の切り口を示した
図であり、(B)および(C)は、光の導波方向と直交
する方向のプレーナ形およびリッジ形の断面の切り口を
示した図である。また、断面図において、断面を表すハ
ッチング等は、一部分を除き省略して示してある。図は
この発明が理解出来る程度に、各構成成分の形状、寸法
および配置関係を概略的に示してあるにすぎない。
【0026】[SHG素子の第1実施例]先ず、この発
明の第2高調波発生(SHG)素子の実施例につき説明
する。このSHG素子は、基本波光を用いる素子であ
る。そして、基板100と、この基板100に順次に重
ねて設けた線形光導波路110および非線形光導波路1
20をもって構成した複合光導波路130とを具えてい
る(図1の(A)、(B)および(C))。この実施例
では、複合光導波路130を、光の導波方向に延在させ
て、ストライプ状に設けるのが好適である。基板100
として熔融石英基板を用いる。また、線形光導波路11
0は、コーニング社製の商品番号7059のガラス材料
を高周波スパッタリングによって基板100上に形成し
たガラス薄膜で構成する。
【0027】そして、この複合光導波路130に、光の
導波方向に沿って、基本波光に対する実効屈折率が交互
に周期的に異なる高屈折率部132および低屈折率部1
34を形成する。そして、この高屈折率部132および
低屈折率部134の、光の導波路方向に沿う長さを異な
る長さとする。この実施例では、ガラス薄膜110に公
知のイオン交換法により周期的屈折率分布構造(屈折率
周期構造)136を形成する(図1の(A)、(B)お
よび(C))。
【0028】このため、プレーナ形の実施例では、先
ず、ガラス薄膜110上に一旦クロム(Cr)薄膜を例
えば50nm程度の膜厚に蒸着し、続いて、フォトリソ
グラフィー技術を用いて高屈折率部132となる部分の
上側のCr膜部分を選択的に除去する。その後、残存C
r薄膜を有する基板の構造体の全体を200℃〜400
℃程度の温度の安息香酸に30分〜1時間程度浸す。そ
の後、この構造体を空気中引き上げて室温に戻す。次
に、基板100に付着している安息香酸をエチルアルコ
ール等で除去した後、硝酸第二セリアムアンモニウムに
より残存しているCr薄膜を剥離する。その後、200
℃〜400℃程度の温度でCr薄膜除去後の構造体に対
してアニールを行なう。その結果、ガラス薄膜110に
屈折率周期構造136が形成される(図1の(A)およ
び(B))。
【0029】一方、リッジ形の実施例では、先ず、ガラ
ス薄膜110にイオン交換法等によりリッジ光導波路を
形成する。そして、このリッジ光導波路上に重ねて、屈
折率周期構造を形成する。リッジ形光導波路中の高屈折
率部132にのみ選択的に重ねてイオン交換等をして、
周期的屈折率分布構造136をもつリッジ形光導波路と
する(図1の(A)および(C))。なお、リッジ形の
ほうが光閉じ込め効果が高いので、より優れたSHG素
子となる。
【0030】図1の(A)、(B)および(C)に示す
実施例では、高屈折率部132および低屈折率部134
の光導波方向に沿う方向の長さを、それぞれ、D1 およ
びD2 (但し、D1 ≠D2 でD1 >0およびD2 >0で
ある。)とし、周期をΛ(すなわちD1 +D2 )とす
る。
【0031】なお、この場合、線形光導波路であるガラ
ス薄膜110の膜厚は、光導波方向に沿って一定とす
る。
【0032】次に、この屈折率周期構造136が形成さ
れたガラス薄膜110上に、非線形光導波路120を形
成する。この実施例では、この非線形光導波路120
を、従来と同様に、有機非線形光学材料例えば2−メチ
ル−4−ニトロアニリン(MNA)の薄膜で形成する。
このMNA薄膜120を、既に図5および図6で説明し
た従来方法を利用して作製する。この発明では、非線形
光導波路であるMNA薄膜120の膜厚を均一とする必
要があるので、従来のテーパ状のスぺーサの代わりに、
同一寸法のスぺーサを2個用いて、MNA融液が毛細管
現象で入り込む空間を均一にする。また、なお、従来と
同様、線形光導波路が既に形成されている基板を2枚用
意する。そして、スぺーサ間にMNA融液が入り込んで
MNA多結晶薄膜が形成された後、この多結晶薄膜を、
従来と同様にして、MNA単結晶薄膜に変えて、スぺー
サを介して対向させてある2枚の基板を慎重に剥離す
る。これにより、MNA薄膜がいずれか一方の基板の線
形光導波路上に付着したまま残存する。よって、所望の
3層構造、すなわち、熔融石英基板100、ガラス薄膜
110およびMNA薄膜120からなるプレーナ形SH
G素子を得る。
【0033】[SHG素子の第2実施例]次に、この発
明のSHG素子の他の実施例につき説明する。この実施
例では、高屈折率部232および低屈折率部234を非
線形光導波路220に形成してある。この実施例の構造
を図2に断面図で示す。この実施例でも図1に示した実
施例の場合と同様に、熔融石英基板200上に、高周波
スパッタリング技術を用いてコーニング社製の商品番号
7059のガラス材料で、ガラス薄膜を線形光導波路2
10として形成する。このガラス薄膜210上に、上述
した図1の場合と同様な手法で、均一な膜厚のMNA薄
膜220を非線形光導波路薄膜として形成する。
【0034】その後、MNA薄膜220を耐有機溶剤系
フォトレジストである、ヘテロポリタングステン酸(H
PA)等を用いて、MNA薄膜220を格子状にパター
ニングする。その結果、図2に示すような構造のSHG
素子を得る。この場合、この格子の寸法は、残存してい
るMNA薄膜部分232が高屈折率部を構成しており、
その長さをD1 とする。また、除去されてスペースとな
っている部分(スペース部と称する)234が低屈折率
部を構成し、その長さをD2 とする。そして、格子の周
期ΛはD1 +D2 である。
【0035】図2に示す実施例の場合でも、図1の
(B)および(C)で説明した場合と同様に、ガラス薄
膜210をプレーナ形の光導波路として形成してもよい
し、或いは、好ましくはイオン交換法等により予めリッ
ジ形の光導波路として形成してもよい。なお、この実施
例でも、複合光導波路230を、光の導波方向に延在さ
せて、ストライプ状に設けるのが好適である。
【0036】ガラス薄膜210をリッジ形光導波路とし
て形成した後、格子状MNA単結晶薄膜232を形成し
て、この構造のSHG素子を得る。このリッジ形構造で
あると、図1の(B)につき既に説明したと同様に、プ
レーナ形構造と比べて光閉じ込め効果が高く、それだけ
SHG変換効率が高まるという利点がある。
【0037】この図2に示す構造の場合には、線形光導
波路すなわちガラス薄膜210を伝播する光に対する実
効屈折率は、残存MNA薄膜部分232の方が除去され
て形成されたスペース部234よりも大きくなる。そこ
で、前者の屈折率をN1 とし、後者の屈折率をN2 とす
ると、上述した寸法D1 およびD2 に関する設計方針は
図1の(A)に示した構造の場合と同じとなる。すなわ
ち、残存MNA薄膜部分232と選択的に除去されてス
ペースとなっている部分234との間で、実効屈折率に
差が生じることとなる。そのうえ、残存部分232で
は、第2高調波が発生するのに対して、スペース部23
4では第2高調波は発生しない。従って、非線形光導波
路の格子構造の周期を適切に設定することにより、第1
実施例の場合と同様に、位相整合がとれて、基本波光を
第2高調波に効率よく変換して、これを外部へと効率よ
く出力させることが出来る。基本波に対する実効屈折率
は、非線形光導波路が残っている部分232では大き
く、除去された部分234では小さいので、前者の第2
高調波(S1 )のエネルギーがE1 であり、後者のエネ
ルギーは0ということになる。
【0038】この発明のSHG素子は、既に説明した通
り、線形導波路と非線形導波路とからなる複合導波路に
おいて、この導波路を伝播する基本波光の実効屈折率が
周期的に変化すると共に、この周期的変化にリンクして
第2高調波発生効率も変化するように構成されている。
【0039】この発明のSHG素子は、上述した2つの
実施例にのみ限定されるものではなく、多くの変形およ
び変更を行ない得ることが明らかである。例えば、基板
100および200として熔融石英基板を用いる代わり
に、強誘電体であるLiNbO3 とか、LiTaO3
かの基板を用いても良い。また、線形光導波路110お
よび220として、ガラス薄膜を用いる代わりに、上述
した強誘電体薄膜を用い、これにイオン交換法でリッジ
光導波路を形成してもよい。また、非線形光導波路12
0および220として、MNAと同様な性質を有する材
料であってMNA以外の非線形光学材料を用いてもよ
い。例えば、2−(α−メチルベンジルアミノ)−5−
ニトロピリジン(MBANPと略称する。)や、DAN
や、1−ニトロピレン等を用いることが出来る。
【0040】[SHG素子を用いた第2高調波発生装
置]次に、この発明の第2高調波発生装置につき説明す
る。図3にこのSHG装置の各構成成分の配置構造を概
略的に示す。このSHG装置は、端面を低反射面(A
R)とした半導体レーザ300と、コリメータレンズ3
10と、偏光方向を制御するための1/2波長板312
と、集光レンズ314と、上述した第2高調波発生素子
320とをこの順序で、かつ、この半導体レーザ300
が第2高調波発生素子320からの帰還光で発振する配
置として、構成してある。なお、図中、302および3
04はARコーティング膜であり、例えば、フッ化マグ
ネシウム(MgF2 )とシリコン酸化膜(SiOx)の
多層膜構造として形成するのが良い。また、322は基
板、324は線形光導波路、326は非線形光導波路で
当て、この場合には、この非線形光導波路に屈折率周期
構造を組み込んである。328および330は上述した
と同様なAR反射膜である。
【0041】このような配置構成をとると、この発明の
SHG素子に対して、端面がARコーティングされてい
る半導体レーザ(LD)を基本波光の光源として用いた
場合、上述した複合光導波路からのブラッグ反射光がL
Dに帰還する。そして、この帰還光により、SHG素子
において位相整合条件を満足する基本波光をこのLDか
ら自動的に、しかも、安定して得ることが出来る。
【0042】この点につき以下説明する。通常、LD3
00は図3に示すような配置をさせずに、単独の状態で
駆動電流(注入電流)を流しても、ARコーティング膜
302および304が形成されているため、発振は起こ
らないか、或いは、発振しきい値が著しく高い。しか
し、図3に示すような配置構成として駆動電流を流す
と、光導波路324からの帰還光のために、LD300
は光導波路326の屈折率周期構造の周期Λに対応する
特定の波長λで発振する。この発振波長λが第2高調波
発生素子320の位相整合条件を満足するように、周期
Λを設定しておけば、図3に示すような第2高調波発生
装置が実現する。
【0043】そこで、この周期Λの決定方法につき説明
する。今、基本波光の波長をλとし、第2高調波の波長
を(1/2)λとする。さらに、p,q,s,tを正の
整数、NH1,NH2をそれぞれ高屈折率部の、基本波光お
よび第2高調波に対する実効屈折率、NL1,NL2をそれ
ぞれ低屈折率部の、基本波光および第2高調波に対する
実効屈折率、D1 ,D2 をそれぞれ光屈折率部および低
屈折率部の光の導波方向の長さ、およびΛを周期とす
る。
【0044】基本波光の光源としてLD300の利得の
範囲に波長λが存在するという条件の下に、下記の
(1)〜(4)の方程式が同時に満足する正の整数p,
q,s,tを求める。
【0045】 D1 =(2p−1)λ/[4(NH2−NH1)] (1) D2 =(2q−1)λ/[4(NL2−NL1)] (2) として、 D1 =s(λ/4NH1) (3) D2 =t(λ/4NL1) (4) および Λ=D1 +D2 (5) ここで求めるp,q,s,tの各値は、出来る限り小さ
いことが望ましい。その理由は、第2高調波発生効率が
この周期の繰り返し数の2乗に比例するので、周期的屈
折率分布構造の周期Λが小さいほど、単位長当たりの周
期の繰り返し数を多く出来、その結果、高第2高調波変
換効率を実現することが出来るからであるからである。
実際、D1 およびD2 の値として、有効桁数3桁程度で
一致させることを前提とすると、p,q(多くの場合、
p=q)が1〜3程度として、(1)〜(4)の方程式
を満足するs,t(多くの場合、s=t)を求めること
が出来る(多くの場合、D1 =D2 となるが、この発明
ではD1 =D2 の場合を除く。)。現実的には、この程
度の一致でこの発明を実現出来る。
【0046】方程式(3)および(4)を満足するよう
に屈折率周期構造が形成されていれば、波長λの光がブ
ラッグ反射条件を満たすので、この波長の光が強く反射
される。従って、図3に示したような配置構成とすれ
ば、光導波路324からは波長λの光が強く選択的に反
射され、その結果、LD300が波長λの光を発振す
る。また、この屈折率周期構造は、方程式(1)および
(2)も同時に満足しているので、波長λの発振光は位
相整合条件を満足した基本波光となっている。
【0047】LD300は外部共振器としての周期的屈
折率分布を持っている光導波路324からの帰還により
発振しているので、LD300への注入駆動電流の変動
や周囲温度の変化によっては、発振波長が変化すること
がない。すなわち、安定して第2高調波の発生を実現出
来る。なお、ここで用いるSHG素子としては、上述し
た実施例のいずれの構造のSHG素子であっても良い。
【0048】1/2波長板312は、光導波路324へ
の入射光の偏光方向を制御するために光学系に挿入して
あるので、基本波光がSHG素子320にTEモードで
入射するように、この波長板312を回転調整させてお
く。この場合、LD300の発振光が最も高い効率で光
導波路324に入射するように、LD324、コリメー
タレンズ310、1/2波長板312、集光レンズ31
4およびSHG素子320を配置して、その後で1/2
波長板312を回転させることにより、第2高調波発生
効率(第2高調波の強度)が最高となるように調整する
のが好適である。このため、従来装置とは異なり、LD
の発振波長が変化した場合に対応して、その都度位相整
合がとれるように基本波のSHG素子への入射位置を調
整するようなことを行なう必要がない。
【0049】このようにして、図3に示すような配置構
成の第2高調波発生装置を形成することが出来る。この
装置では、半導体レーザ(LD)を基本波光の光源とし
て使用出来るため、小型のコヒーレント光源を実現する
ことができる。
【0050】さらに、この装置の実施例では、レンズを
2枚用いてLDとSHG素子とを光学的に結合した構成
となっているが、この構成に限定されるものではないこ
と明らかである。例えば、光学系にプリズムカプラを利
用してLDとSHG素子とを結合させてもよい。また、
LDとSHG素子とを直接結合させる構成としても良
い。或いはまた、偏光方向保存(偏波面保存)ファイバ
を用いてLDとSHG素子とを結合させても良い。これ
らの場合には、SHG素子への入射光の偏光方向を何ら
かの方法で第2高調波の発生が可能な方向に調整すれば
良い。
【0051】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の第2高調波発生(SHG)素子によれば、基本
波光の光源として半導体レーザ(LD)を使用すること
が出来る。その結果、このSHG素子を用いた装置の小
型化を図ることが出来る。
【0052】また、この発明のSHG素子によれば、複
合光導波路に屈折率周期構造を設けてある。したがっ
て、SHG素子毎に、その周期を、LDの利得がとれる
範囲内に、予め設定しておけば、事実上いかなる波長の
光に対しても位相整合をとることが出来る。これによ
り、LDを基本波光源とした小型のコヒーレント光源の
実現といった目的以外の目的にも、この発明のSHG素
子を用いることが出来る。
【0053】また、この発明のSHG素子をリッジ形構
造とすることにより、基本波光の光導波中でのエネルギ
ー密度を高く出来るので、SHG変換効率を高くするこ
とが出来るとともに、SHG素子から外部へとりだされ
る第2高調波の波面収差を小さくすることが出来る。
【0054】さらに、この発明SHG素子とLDとを組
む合わせた装置によれば、SHG素子からのブラッグ反
射による帰還光によってLDが発振するので、LDでの
発振波長の、周囲温度や注入電流値に起因した発振波長
変動が生ずる恐れがない。従って、この発振光が基本波
光となってSHG素子に入射し、しかも、SHG素子内
での良好な位相整合に基づいて、基本波光が高効率で第
2高調波に変換される。よって、この発明のSHG装置
によれば、高エネルギーの、波長の安定した第2高調波
を出力させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)および(C)は、この発明の第
2高調波発生素子の第1実施例の説明に供する断面図で
ある。
【図2】この発明の第2高調波発生素子の第2実施例の
説明に供する断面図である。
【図3】この発明の第2高調波発生素子を用いた第2高
調波発生装置の実施例の説明に供する、各構成成分の配
置構成図である。
【図4】従来の第2高調波発生装置の説明図である。
【図5】従来の第2高調波発生素子の作製方法の前半工
程の要部の説明図である。
【図6】従来の第2高調波発生素子の作製方法の後半工
程の要部の説明図である。
【図7】(A)および(B)は、線形光導波路と非線形
光導波路からなる複合光導波路中での、基本波光と第2
高調波の伝播の様子を説明するための説明図である。
【符号の説明】
100、200、322:基板 110,210,324:線形光導波路 120、220、326:非線形光導波路 132、232:高屈折率部 134,234:低屈折率部 136,236:屈折率周期構造 300:半導体レーザ 302,304,328,330:ARコーティング膜 310:コリメータレンズ 312:1/2波長板 314:集光レンズ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本波光を用いる第2高調波発生素子で
    あって、 基板と、この基板に順次に重ねて設けた線形光導波路お
    よび非線形光導波路をもって構成した複合光導波路とを
    具え、 この複合光導波路に、光の導波方向に沿って、基本波光
    に対する実効屈折率が交互に周期的に異なる高屈折率部
    および低屈折率部を形成してあり、 この高屈折率部および低屈折率部の、前記光の導波路方
    向に沿う長さを異なる長さとしてあり、 この線形光導波路および非線形光導波路の厚みをそれぞ
    れ一定としてあることを特徴とする第2高調波発生素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の高屈折率部および低屈
    折率部を線形光導波路に形成してあることを特徴とする
    第2高調波発生素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の高屈折率部および低屈
    折率部を非線形光導波路に形成してあることを特徴とす
    る第2高調波発生素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の高屈折率部および低屈
    折率部の周期は、下記の(1)〜(5)式を満たすこと
    を特徴とする第2高調波発生素子。 D1 =(2p−1)λ/[4(NH2−NH1)] (1) D2 =(2q−1)λ/[4(NL2−NL1)] (2) D1 =s(λ/4NH1) (3) D2 =t(λ/4NL1) (4) Λ=D1 +D2 (5) 但し、p,q,s,tは正の整数、NH1,NH2はそれぞ
    れ高屈折率部の、基本波光および第2高調波に対する実
    効屈折率、NL1,NL2はそれぞれ低屈折率部の、基本波
    光および第2高調波に対する実効屈折率、D1 ,D2
    それぞれ光屈折率部および低屈折率部の光の導波方向の
    長さ、およびΛは周期である。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の複合光導波路を前記基
    板上に、光の導波方向に延在させて、ストライプ状に設
    けてあることを特徴とする第2高調波発生素子。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の複合光導波路を前記基
    板中に、光の導波方向に延在させて、ストライプ状に設
    けてあることを特徴とする第2高調波発生素子。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の高屈折率部を非線形材
    料層で形成し、低屈折率部をスペース部としたことを特
    徴とする第2高調波発生素子。
  8. 【請求項8】 請求項1の非線形光導波路を有機非線形
    光学材料をもって形成してあることを特徴とする第2高
    調波発生素子。
  9. 【請求項9】 請求項1の非線形光導波路を2−メチル
    −4−ニトロアニリン(MNA)単結晶薄膜で形成した
    ことを特徴とする第2高調波発生素子。
  10. 【請求項10】 請求項1の基板を溶融石英とし、線形
    導波路をスパッタリングで形成したガラス層とし、非線
    形光導波路を2−メチル−4−ニトロアニリン(MN
    A)単結晶薄膜で形成したことを特徴とする第2高調波
    発生素子。
  11. 【請求項11】 端面を低反射面とした半導体レーザ
    と、請求項1に記載の第2高調波発生素子とを少なくと
    も具えることを特徴とする第2高調波発生装置。
  12. 【請求項12】 端面を低反射面とした半導体レーザ
    と、コリメータレンズと、1/2波長板と、集光レンズ
    と、請求項1に記載の第2高調波発生素子とをこの順序
    で、かつ、この半導体レーザが前記第2高調波発生素子
    からの帰還光で発振する配置として構成したことを特徴
    とする第2高調波発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008009457A (ja) * 2003-08-01 2008-01-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> レーザ光源

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