JPH0520512B2 - - Google Patents
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- JPH0520512B2 JPH0520512B2 JP63203761A JP20376188A JPH0520512B2 JP H0520512 B2 JPH0520512 B2 JP H0520512B2 JP 63203761 A JP63203761 A JP 63203761A JP 20376188 A JP20376188 A JP 20376188A JP H0520512 B2 JPH0520512 B2 JP H0520512B2
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
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Description
<産業上の利用分野>
本発明は主として自動車車体にプレス成形して
用いられる高耐食性有機複合めつき鋼板の製造方
法に関するものである。 <従来の技術> 近年、自動車車体に高耐食性が要求されてお
り、従来の冷延鋼板上にZnもしくはZn系合金め
つきを施した表面処理鋼板が適用されつつある。
またさらに腐食環境の厳しい地域においては塗装
の十分行き渡らない内板袋構造部および曲げ加工
部に硬度の裸耐食性が要求され、これに応えるも
のとして、例えば特開昭57−108292号公報や特開
昭58−224174号公報等に開示されているように、
Zn系めつき鋼板上にクロメートおよび有機被覆
を施した有機複合めつき鋼板が開発されている。 一方、自動車用鋼板としては、車体にプレス成
形する前は降伏強度が低く、かつ降伏伸びがな
く、絞り性の優れる材質が要求される。しかしな
がら、前述した方式ではこれら自動車車体に要求
される材質に対して何等考慮されておらず、鋼板
製造時熱処理をうけることにより鋼中固溶Cが可
動転位に固着し、鋼板を硬化させるためプレス成
形性を損なうという問題があつた。 有機複合めつき鋼板の耐食性および材質を両立
させる方法としては、特開昭58−45322号公報、
58−96821号公報および58−96822号公報に開示さ
れている。特開昭58−45322号公報は塗装焼付後
調質圧延を施すことにより、焼付前と同等の材質
を付与するものであるが、有機被覆後の調質圧延
により有機皮膜層が損傷を受け、耐食性を著しく
損なうという欠点があつた。特開昭58−96821号
公報は冷間圧延後再結晶焼鈍を行い、しかる後に
300〜500℃で過時効処理を施すことにより炭化物
を析出せしめ、固溶C量を調整することにより有
機被覆後に調質圧延をすることなく所要材質を確
保することを目的としているが、再結晶焼鈍後に
過時効処理を行うためにライン内に特別な加熱設
備を設置する必要があり、かかる設備を有さない
焼鈍ラインでは実施不可能である。さらに、特開
昭58−96822号公報は箱焼鈍を行つた鋼板につい
て塗装時の熱処理条件を考慮して、同じく有機被
覆後に調質圧延をすることなく所要材質を確保し
ようとするものであるが、箱焼鈍は焼鈍に長時間
を要するために生産性が著しく低下し、ひいては
コスト上昇を招来するという問題があつた。 <発明が解決しようとする課題> 本発明は上述した問題点を解決すべくなされた
もので有機被覆後においても優れたプレス成形性
を保持し、かつ良好な塗装後耐水二次密着性およ
び耐クロム溶出性を有する高耐食性有機複合めつ
き鋼板の製造方法を提供するものである。 <課題を解決するための手段> 本発明は、C:0.008wt%以下含有し、Nb:
Cwt%×2〜(Cwt%×8+0.02wt%)および/
またはTi:0.05wt%以下含有する極低炭素冷延
鋼板又は、これらの成分に加えてB:0.0030wt%
以下を含有する極低炭素冷延鋼板に連続焼鈍を施
した後に亜鉛系合金めつきを施し、その上層にク
ロメート層を塗布し、60〜130℃で焼付け、次い
でシリカゾルを全重量当たり10〜60wt%含有す
る有機皮膜を固形分として0.3〜2.0g/m2被覆し、
150℃超200℃以下で焼付け、かつ連続焼鈍してか
ら有機皮膜を被覆する間に、鋼板の板厚をtmmと
したとき、(t+0.5)〜3%の圧下率で調質圧延
を行うことを特徴とするプレス成形性および塗装
後密着性に優れた有機複合めつき鋼板の製造方法
である。 <作用> 以下、本発明における成分および製造条件の限
定理由について詳細に説明する。 Cは0.008wt%超だと降伏強度が高く延性およ
びr値が低下する。従つて0.008wt%以下に限定
される。 Nbは(C×2)wt%未満だと固溶Cが多量に
残留し、冷延後再結晶焼鈍時に絞り性に優れた集
合組織が発達しない。一方、(C×8+0.02)wt
%超だと鋼板の延性を損なう。従つてNb含有量
はCwt%×2〜(Cwt%×8+0.02wt%)に限定
される。ここでCは含有量を表す。 さらに、Tiについては良好な延性を得るため
に添加する。しかし0.05wt%超だと延性が失われ
るので0.05wt%以下に限定される。 また良好な延性を得るために、NbおよびTiを
複合して添加してもかまわない。 さらに好ましくはBを添加する。Bは二次加工
脆性防止のために添加する。しかし0.0030wt%超
だとr値が急激に低下しプレス成形性が劣化する
ので、0.0030wt%以下に限定される。 不純物やその他の元素の含有量については、特
に限定しないが、極力少ない方が好ましい。しか
し特に以下の元素については以下の範囲に制限す
ることが好ましい。 Siは0.5wt%以下が好ましい。0.5wt%超だと焼
鈍時鋼板表面に酸化物が生成してリン酸塩処理性
を損なうからである。 Mnは0.05〜1.20wt%が好ましい。0.05wt%未
満だと脆性が劣化し、1.20wt%超ではr値が劣化
する。 Pは0.1wt%以下が好ましい。0.1wt%超だと鋼
板が脆化するからである。 Alは0.01〜0.08wt%でかつ(N×8)wt%以
上が好ましい。AlはNを固定するため、0.01wt
%以上必要であるが、0.08wt%を超えると介在物
が多発するので好ましくない。またNを固定する
ために(N×8)wt%以上必要である。 NはCと同様に、加工性を損なうのでその鋼中
含有量は可及的に低いことが望ましい。 次に連続焼鈍は冷間圧延鋼板の組織を再結晶す
るために行うが、本発明では鋼中C量が0.001wt
%程度から0.008wt%以下と僅少であるため、焼
鈍時セメンタイトの析出がほとんどみられないの
で、過時効処理のような特別な熱処理は必要とし
ない。 連続焼鈍してから有機皮膜を被覆する間に、少
なくとも一回以上の調質圧延を行うことが必要で
ある。これは鋼板の形状矯正を行うとともに鋼板
中に適度の可動転位を導入することにより降伏伸
びの発生を抑制し、プレス成形時のストレツチヤ
ーストレインを防止するためである。鋼板の板厚
をtmmとした時、圧下率が(t+0.5)%未満で
は鋼板に導入される可動転位密度が少ないためそ
の効果は十分でなく、また圧下率が3.0%超では
加工硬化による材質の劣化が著しい。したがつ
て、圧下率の範囲は(t+0.5)〜3.0%とする。
またこの調質圧延は連続焼鈍後かつ有機被覆前の
工程において1回以上数回にわたつて行つても構
わない。 鋼板に施されるZn系めつきとしては、従来よ
り耐食性を向上させるために用いられているZn
−Ni合金めつき(Ni含有率8〜16wt%)、Zn−
Fe合金めつき(Fe含有率5〜30wt%)等を用い
ることができ、主として電気めつきにより施され
る。これらのめつきは鋼板に耐食性を付与するた
めに施されのであつて、目付量は10〜40g/m2が
よい。目付量が10g/m2未満であると耐食性が不
足であり、40g/m2超であるとこれ以上の大幅な
耐食性改善効果がなく、経済的でないためであ
る。 これらZn系合金めつき層の上に、第一には高
耐食性の付与、第二には後述の有機皮膜と結合さ
せることにより上層皮膜を固定し密着性に付与す
ることを目的に、クロメート処理を行う。クロメ
ート処理液としては、水溶性のクロム化合物を主
成分とし、これに適量のリン酸根、フツ素イオン
等のアニオン、Zn,Ni,Co等の金属イオン,デ
ンプン,メタノール等の有機物等を必要に応じて
添加する。さらに、シリカゾルを添加することに
よつて、耐食性はより向上する。クロメート付着
量はクロム換算で10〜150mg/m2が好ましい。付
着量が10mg/m2未満であると、有機皮膜層との密
着力が十分でなく、150mg/m2超であるとクロメ
ート層中の可溶成分量が増大し、脱脂時のクロム
溶出性が劣化するためである。 クロメート層塗布後の焼付は60〜130℃で行う。
60℃未満の温度ではクロメート皮膜の乾燥が十分
でなく、クロムの溶出を生じるためであり、130
℃超の温度では有機皮膜層と結合するクロメート
層中のクロム水和物が脱水するために、有機皮膜
層とクロメート層間の密着力が急激に失われるた
めである。 次にクロメート皮膜の上層にシリカゾルを全量
当たり10〜60wt%含有する複合有機皮膜を固形
分として0.3〜2.0g/m2塗布し、150〜200℃の温
度で焼付け、複合有機皮膜層を形成する。 ここで、複合有機皮膜中の有機樹脂としては、
例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチ
レン樹脂、アルキツド樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂等の樹脂であり、これらの樹脂を単
独または複合して用いる。またシリカゾルは有機
皮膜による耐食性を高めるために添加するがその
形態としては水分散型コロイダルシリカゾル、有
機溶剤置換型コロイダルシリカゾルおよびヒユー
ムドシリカ等であり、いずれも一次粒径が数〜数
十nmのものであつて、上述の有機樹脂とともに
水もしくは有機溶剤中に分散させて用いる。シリ
カゾル含有量としては10〜60wt%とする。10wt
%未満であると耐食性が十分でないからであり、
60wt%超であると、塗料の粘度が上昇しゲル化
しやすくなるためである。 有機複合皮膜の付着量としては、0.3〜2.0g/
m2とする。皮膜の付着量が0.3g/m2未満では耐食
性が劣り、2.0g/m2超では皮膜抵抗が高まるた
め、スポツト溶接性および電着塗装性が劣化す
る。 有機複合皮膜は150℃超200℃以下で焼き付け
る。以下に焼付温度の限定理由を説明する。 前述したように、有機複合皮膜とクロメート層
との間の密着性は有機複合皮膜中の樹脂中水酸基
とクロメート層中クロム水和酸化物との結合によ
り付与される。一方有機複合皮膜中にシリカゾル
が存在すると、樹脂中水酸基とシリカゾルのシラ
ノール基が反応するため、クロメート層と反応す
べき有機皮膜中水酸基数が減少し、密着性は低下
する。そこで樹脂中にシリカゾルが存在してもク
ロメート層と有機複合皮膜との間に良好な密着性
を付与するためには、クロメート層上に塗料を塗
布した後の焼付温度を高くする必要があることを
本発明者らは鋭意研究した結果見出した。有機複
合皮膜の焼付温度が150℃以下の場合、クロメー
ト層と有機複合皮膜とが十分結合せず、塗装後耐
水二次密着性が劣るので、焼付温度は150℃超と
する必要がある。一方、焼付温度が200℃を超え
た場合には、塗装前に調質圧延により導入された
可動転位に固溶Cが拡散固着するため、鋼板に降
伏伸びが生じてプレス加工時にストレツチヤース
トレインが発生する。したがつて、有機複合皮膜
焼付温度の上限値は、プレス成形性の観点から
200℃とする。 <実施例> 以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的
に説明する。 第1表に示した化学成分の鋼を板厚0.7mmに冷
間圧延後830℃×1分の連続焼鈍を施し、調質圧
延後Zn−Ni合金めつき(Ni含有率11.6wt%、付
着量20.6g/m2)を施し、塗布型クロメート処理
をロールコーターで行い、焼付後有機複合皮膜を
ロールコーターで塗布し焼き付けた。各々の製造
条件は第2表に示した。 なお塗布型クロメート処理液はCr3+/Cr6+=
50/50、固形分100g/,PH2.5である。 複合有機シリケート処理液はコロイダルシリカ
ゾル:エポキシ樹脂=60/40、固形分15%の有機
溶剤系塗料である。 第3表に前記各鋼板の耐食性、耐水二次密着
性、耐クロム溶出性、および材質の結果を示し
た。 なお、各性能の評価法の詳細は次の通りであ
る。 ◎ 耐食性 塩水噴霧 4時間 5%NaCl溶液 35℃ 乾 燥 2時間 60℃ 湿 潤 2時間 95%RH 50℃ を1サイクルとしてサイクル腐食試験を行い、赤
錆の発生するサイクル数で評価した。 ◎ 塗装後耐水二次密着性 試料をリン酸塩処理(PB L3020、日本パーカ
ー(株)製)後、カチオン電着塗装(パワートツプ
U100、日本ペイント(株)製)を20μm施し、170℃
×20分焼付、さらにその上に上塗り塗装(オルガ
G65 B326、日本ペイント(株)製)35μm施し、140
℃×30分焼付けた後、40℃純温水浸漬を10日間行
い、カツターナイフを用いて2mm10×10のゴバン
目テープ剥離を行い、塗膜残存率を測定すること
により耐水二次密着性を評価した。 ◎ 耐クロム溶出性 リン酸塩処理液(PB L3020、日本パーカー(株)
製)を用いて脱脂、水洗表調、化成4工程を通じ
て処理を行い、処理前後のCr付着量を蛍光X線
分析で測定し溶出量を算出した。 第3表に示すように、本発明方法によつて製造
した有機複合めつき鋼板(No.3,4,7,8,
9,13,14および16)はいずれも、比較例の鋼板
(No.1,2,5,6,10,11,12および15)に比
較して、耐水二次密着性、耐Cr溶出性、降伏伸
びが優れたものが得られている。
用いられる高耐食性有機複合めつき鋼板の製造方
法に関するものである。 <従来の技術> 近年、自動車車体に高耐食性が要求されてお
り、従来の冷延鋼板上にZnもしくはZn系合金め
つきを施した表面処理鋼板が適用されつつある。
またさらに腐食環境の厳しい地域においては塗装
の十分行き渡らない内板袋構造部および曲げ加工
部に硬度の裸耐食性が要求され、これに応えるも
のとして、例えば特開昭57−108292号公報や特開
昭58−224174号公報等に開示されているように、
Zn系めつき鋼板上にクロメートおよび有機被覆
を施した有機複合めつき鋼板が開発されている。 一方、自動車用鋼板としては、車体にプレス成
形する前は降伏強度が低く、かつ降伏伸びがな
く、絞り性の優れる材質が要求される。しかしな
がら、前述した方式ではこれら自動車車体に要求
される材質に対して何等考慮されておらず、鋼板
製造時熱処理をうけることにより鋼中固溶Cが可
動転位に固着し、鋼板を硬化させるためプレス成
形性を損なうという問題があつた。 有機複合めつき鋼板の耐食性および材質を両立
させる方法としては、特開昭58−45322号公報、
58−96821号公報および58−96822号公報に開示さ
れている。特開昭58−45322号公報は塗装焼付後
調質圧延を施すことにより、焼付前と同等の材質
を付与するものであるが、有機被覆後の調質圧延
により有機皮膜層が損傷を受け、耐食性を著しく
損なうという欠点があつた。特開昭58−96821号
公報は冷間圧延後再結晶焼鈍を行い、しかる後に
300〜500℃で過時効処理を施すことにより炭化物
を析出せしめ、固溶C量を調整することにより有
機被覆後に調質圧延をすることなく所要材質を確
保することを目的としているが、再結晶焼鈍後に
過時効処理を行うためにライン内に特別な加熱設
備を設置する必要があり、かかる設備を有さない
焼鈍ラインでは実施不可能である。さらに、特開
昭58−96822号公報は箱焼鈍を行つた鋼板につい
て塗装時の熱処理条件を考慮して、同じく有機被
覆後に調質圧延をすることなく所要材質を確保し
ようとするものであるが、箱焼鈍は焼鈍に長時間
を要するために生産性が著しく低下し、ひいては
コスト上昇を招来するという問題があつた。 <発明が解決しようとする課題> 本発明は上述した問題点を解決すべくなされた
もので有機被覆後においても優れたプレス成形性
を保持し、かつ良好な塗装後耐水二次密着性およ
び耐クロム溶出性を有する高耐食性有機複合めつ
き鋼板の製造方法を提供するものである。 <課題を解決するための手段> 本発明は、C:0.008wt%以下含有し、Nb:
Cwt%×2〜(Cwt%×8+0.02wt%)および/
またはTi:0.05wt%以下含有する極低炭素冷延
鋼板又は、これらの成分に加えてB:0.0030wt%
以下を含有する極低炭素冷延鋼板に連続焼鈍を施
した後に亜鉛系合金めつきを施し、その上層にク
ロメート層を塗布し、60〜130℃で焼付け、次い
でシリカゾルを全重量当たり10〜60wt%含有す
る有機皮膜を固形分として0.3〜2.0g/m2被覆し、
150℃超200℃以下で焼付け、かつ連続焼鈍してか
ら有機皮膜を被覆する間に、鋼板の板厚をtmmと
したとき、(t+0.5)〜3%の圧下率で調質圧延
を行うことを特徴とするプレス成形性および塗装
後密着性に優れた有機複合めつき鋼板の製造方法
である。 <作用> 以下、本発明における成分および製造条件の限
定理由について詳細に説明する。 Cは0.008wt%超だと降伏強度が高く延性およ
びr値が低下する。従つて0.008wt%以下に限定
される。 Nbは(C×2)wt%未満だと固溶Cが多量に
残留し、冷延後再結晶焼鈍時に絞り性に優れた集
合組織が発達しない。一方、(C×8+0.02)wt
%超だと鋼板の延性を損なう。従つてNb含有量
はCwt%×2〜(Cwt%×8+0.02wt%)に限定
される。ここでCは含有量を表す。 さらに、Tiについては良好な延性を得るため
に添加する。しかし0.05wt%超だと延性が失われ
るので0.05wt%以下に限定される。 また良好な延性を得るために、NbおよびTiを
複合して添加してもかまわない。 さらに好ましくはBを添加する。Bは二次加工
脆性防止のために添加する。しかし0.0030wt%超
だとr値が急激に低下しプレス成形性が劣化する
ので、0.0030wt%以下に限定される。 不純物やその他の元素の含有量については、特
に限定しないが、極力少ない方が好ましい。しか
し特に以下の元素については以下の範囲に制限す
ることが好ましい。 Siは0.5wt%以下が好ましい。0.5wt%超だと焼
鈍時鋼板表面に酸化物が生成してリン酸塩処理性
を損なうからである。 Mnは0.05〜1.20wt%が好ましい。0.05wt%未
満だと脆性が劣化し、1.20wt%超ではr値が劣化
する。 Pは0.1wt%以下が好ましい。0.1wt%超だと鋼
板が脆化するからである。 Alは0.01〜0.08wt%でかつ(N×8)wt%以
上が好ましい。AlはNを固定するため、0.01wt
%以上必要であるが、0.08wt%を超えると介在物
が多発するので好ましくない。またNを固定する
ために(N×8)wt%以上必要である。 NはCと同様に、加工性を損なうのでその鋼中
含有量は可及的に低いことが望ましい。 次に連続焼鈍は冷間圧延鋼板の組織を再結晶す
るために行うが、本発明では鋼中C量が0.001wt
%程度から0.008wt%以下と僅少であるため、焼
鈍時セメンタイトの析出がほとんどみられないの
で、過時効処理のような特別な熱処理は必要とし
ない。 連続焼鈍してから有機皮膜を被覆する間に、少
なくとも一回以上の調質圧延を行うことが必要で
ある。これは鋼板の形状矯正を行うとともに鋼板
中に適度の可動転位を導入することにより降伏伸
びの発生を抑制し、プレス成形時のストレツチヤ
ーストレインを防止するためである。鋼板の板厚
をtmmとした時、圧下率が(t+0.5)%未満で
は鋼板に導入される可動転位密度が少ないためそ
の効果は十分でなく、また圧下率が3.0%超では
加工硬化による材質の劣化が著しい。したがつ
て、圧下率の範囲は(t+0.5)〜3.0%とする。
またこの調質圧延は連続焼鈍後かつ有機被覆前の
工程において1回以上数回にわたつて行つても構
わない。 鋼板に施されるZn系めつきとしては、従来よ
り耐食性を向上させるために用いられているZn
−Ni合金めつき(Ni含有率8〜16wt%)、Zn−
Fe合金めつき(Fe含有率5〜30wt%)等を用い
ることができ、主として電気めつきにより施され
る。これらのめつきは鋼板に耐食性を付与するた
めに施されのであつて、目付量は10〜40g/m2が
よい。目付量が10g/m2未満であると耐食性が不
足であり、40g/m2超であるとこれ以上の大幅な
耐食性改善効果がなく、経済的でないためであ
る。 これらZn系合金めつき層の上に、第一には高
耐食性の付与、第二には後述の有機皮膜と結合さ
せることにより上層皮膜を固定し密着性に付与す
ることを目的に、クロメート処理を行う。クロメ
ート処理液としては、水溶性のクロム化合物を主
成分とし、これに適量のリン酸根、フツ素イオン
等のアニオン、Zn,Ni,Co等の金属イオン,デ
ンプン,メタノール等の有機物等を必要に応じて
添加する。さらに、シリカゾルを添加することに
よつて、耐食性はより向上する。クロメート付着
量はクロム換算で10〜150mg/m2が好ましい。付
着量が10mg/m2未満であると、有機皮膜層との密
着力が十分でなく、150mg/m2超であるとクロメ
ート層中の可溶成分量が増大し、脱脂時のクロム
溶出性が劣化するためである。 クロメート層塗布後の焼付は60〜130℃で行う。
60℃未満の温度ではクロメート皮膜の乾燥が十分
でなく、クロムの溶出を生じるためであり、130
℃超の温度では有機皮膜層と結合するクロメート
層中のクロム水和物が脱水するために、有機皮膜
層とクロメート層間の密着力が急激に失われるた
めである。 次にクロメート皮膜の上層にシリカゾルを全量
当たり10〜60wt%含有する複合有機皮膜を固形
分として0.3〜2.0g/m2塗布し、150〜200℃の温
度で焼付け、複合有機皮膜層を形成する。 ここで、複合有機皮膜中の有機樹脂としては、
例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチ
レン樹脂、アルキツド樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂等の樹脂であり、これらの樹脂を単
独または複合して用いる。またシリカゾルは有機
皮膜による耐食性を高めるために添加するがその
形態としては水分散型コロイダルシリカゾル、有
機溶剤置換型コロイダルシリカゾルおよびヒユー
ムドシリカ等であり、いずれも一次粒径が数〜数
十nmのものであつて、上述の有機樹脂とともに
水もしくは有機溶剤中に分散させて用いる。シリ
カゾル含有量としては10〜60wt%とする。10wt
%未満であると耐食性が十分でないからであり、
60wt%超であると、塗料の粘度が上昇しゲル化
しやすくなるためである。 有機複合皮膜の付着量としては、0.3〜2.0g/
m2とする。皮膜の付着量が0.3g/m2未満では耐食
性が劣り、2.0g/m2超では皮膜抵抗が高まるた
め、スポツト溶接性および電着塗装性が劣化す
る。 有機複合皮膜は150℃超200℃以下で焼き付け
る。以下に焼付温度の限定理由を説明する。 前述したように、有機複合皮膜とクロメート層
との間の密着性は有機複合皮膜中の樹脂中水酸基
とクロメート層中クロム水和酸化物との結合によ
り付与される。一方有機複合皮膜中にシリカゾル
が存在すると、樹脂中水酸基とシリカゾルのシラ
ノール基が反応するため、クロメート層と反応す
べき有機皮膜中水酸基数が減少し、密着性は低下
する。そこで樹脂中にシリカゾルが存在してもク
ロメート層と有機複合皮膜との間に良好な密着性
を付与するためには、クロメート層上に塗料を塗
布した後の焼付温度を高くする必要があることを
本発明者らは鋭意研究した結果見出した。有機複
合皮膜の焼付温度が150℃以下の場合、クロメー
ト層と有機複合皮膜とが十分結合せず、塗装後耐
水二次密着性が劣るので、焼付温度は150℃超と
する必要がある。一方、焼付温度が200℃を超え
た場合には、塗装前に調質圧延により導入された
可動転位に固溶Cが拡散固着するため、鋼板に降
伏伸びが生じてプレス加工時にストレツチヤース
トレインが発生する。したがつて、有機複合皮膜
焼付温度の上限値は、プレス成形性の観点から
200℃とする。 <実施例> 以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的
に説明する。 第1表に示した化学成分の鋼を板厚0.7mmに冷
間圧延後830℃×1分の連続焼鈍を施し、調質圧
延後Zn−Ni合金めつき(Ni含有率11.6wt%、付
着量20.6g/m2)を施し、塗布型クロメート処理
をロールコーターで行い、焼付後有機複合皮膜を
ロールコーターで塗布し焼き付けた。各々の製造
条件は第2表に示した。 なお塗布型クロメート処理液はCr3+/Cr6+=
50/50、固形分100g/,PH2.5である。 複合有機シリケート処理液はコロイダルシリカ
ゾル:エポキシ樹脂=60/40、固形分15%の有機
溶剤系塗料である。 第3表に前記各鋼板の耐食性、耐水二次密着
性、耐クロム溶出性、および材質の結果を示し
た。 なお、各性能の評価法の詳細は次の通りであ
る。 ◎ 耐食性 塩水噴霧 4時間 5%NaCl溶液 35℃ 乾 燥 2時間 60℃ 湿 潤 2時間 95%RH 50℃ を1サイクルとしてサイクル腐食試験を行い、赤
錆の発生するサイクル数で評価した。 ◎ 塗装後耐水二次密着性 試料をリン酸塩処理(PB L3020、日本パーカ
ー(株)製)後、カチオン電着塗装(パワートツプ
U100、日本ペイント(株)製)を20μm施し、170℃
×20分焼付、さらにその上に上塗り塗装(オルガ
G65 B326、日本ペイント(株)製)35μm施し、140
℃×30分焼付けた後、40℃純温水浸漬を10日間行
い、カツターナイフを用いて2mm10×10のゴバン
目テープ剥離を行い、塗膜残存率を測定すること
により耐水二次密着性を評価した。 ◎ 耐クロム溶出性 リン酸塩処理液(PB L3020、日本パーカー(株)
製)を用いて脱脂、水洗表調、化成4工程を通じ
て処理を行い、処理前後のCr付着量を蛍光X線
分析で測定し溶出量を算出した。 第3表に示すように、本発明方法によつて製造
した有機複合めつき鋼板(No.3,4,7,8,
9,13,14および16)はいずれも、比較例の鋼板
(No.1,2,5,6,10,11,12および15)に比
較して、耐水二次密着性、耐Cr溶出性、降伏伸
びが優れたものが得られている。
【表】
【表】
* 本発明例
【表】
【表】
* 本発明例
<発明の効果> 本発明の製造方法によればプレス成形性に優れ
かつ塗装後耐水二次密着性および耐クロム溶出性
の良好な高耐食性有機複合めつき鋼板が得られ
る。
<発明の効果> 本発明の製造方法によればプレス成形性に優れ
かつ塗装後耐水二次密着性および耐クロム溶出性
の良好な高耐食性有機複合めつき鋼板が得られ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.008wt%以下含有し、Nb:Cwt%×2
〜(Cwt%×8+0.02wt%)および/またはTi:
0.05wt%以下を含有する極低炭素冷延鋼板に連続
焼鈍を施した後に亜鉛系合金めつきを施し、その
上層にクロメート層を塗布し、60〜130℃で焼付
け、次いでシリカゾルを全重量当たり10〜60wt
%含有する有機皮膜を固形分として0.3〜2.0g/
m2被覆し、150℃超200℃以下で焼付け、かつ連続
焼鈍してから有機皮膜を被覆する間に、鋼板の板
厚をtmmとしたとき、(t+0.5)〜3%の圧下率
で調質圧延を行うことを特徴とするプレス成形性
および塗装後密着性に優れた有機複合めつき鋼板
の製造方法。 2 C:0.008wt%以下含有し、Nb:Cwt%×2
〜(Cwt%×8+0.02wt%)および/またはTi:
0.05wt%以下、ならびにB:0.0030wt%以下を含
有する極低炭素冷延鋼板に連続焼鈍を施した後に
亜鉛系合金めつきを施し、その上層にクロメート
層を塗布し、60〜130℃で焼付け、次いでシリカ
ゾルを全重量当たり10〜60wt%含有する有機皮
膜を固形分として0.3〜2.0g/m2被覆し、150℃超
200℃以下で焼付け、かつ連続焼鈍してから有機
皮膜を被覆する間に、鋼板の板厚をtmmとしたと
き、(t+0.5)〜3%の圧下率で調質圧延を行う
ことを特徴とするプレス成形性および塗装後密着
性に優れた有機複合めつき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20376188A JPH0254779A (ja) | 1988-08-18 | 1988-08-18 | プレス成形性および塗装後密着性に優れた有機複合めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20376188A JPH0254779A (ja) | 1988-08-18 | 1988-08-18 | プレス成形性および塗装後密着性に優れた有機複合めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0254779A JPH0254779A (ja) | 1990-02-23 |
| JPH0520512B2 true JPH0520512B2 (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=16479394
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20376188A Granted JPH0254779A (ja) | 1988-08-18 | 1988-08-18 | プレス成形性および塗装後密着性に優れた有機複合めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0254779A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10022618B2 (en) | 2007-11-27 | 2018-07-17 | Angel Playing Cards Co., Ltd. | Shuffled playing cards and manufacturing method thereof |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07106611B2 (ja) * | 1990-03-20 | 1995-11-15 | 川崎製鉄株式会社 | 耐食性および溶接性に優れる有機複合被覆鋼板の製造方法 |
| JPH05171456A (ja) * | 1991-11-21 | 1993-07-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐チッピング性に優れた自動車外装用鋼板 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57104627A (en) * | 1980-12-19 | 1982-06-29 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Manufacture of cold rolled soft steel plate with superior press formability by continuous annealing |
| JPS58177476A (ja) * | 1982-04-12 | 1983-10-18 | Kawasaki Steel Corp | 電気亜鉛めつき鋼板の表面処理法 |
| JPS5976826A (ja) * | 1982-10-22 | 1984-05-02 | Nippon Steel Corp | 超深絞用冷延鋼板の製造方法 |
| JPS61276927A (ja) * | 1985-05-31 | 1986-12-06 | Kawasaki Steel Corp | 深絞り性の良好な冷延鋼板の製造方法 |
| JPS61276932A (ja) * | 1985-05-31 | 1986-12-06 | Kawasaki Steel Corp | 耐2次加工ぜい性に極めて優れる超深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
-
1988
- 1988-08-18 JP JP20376188A patent/JPH0254779A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10022618B2 (en) | 2007-11-27 | 2018-07-17 | Angel Playing Cards Co., Ltd. | Shuffled playing cards and manufacturing method thereof |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0254779A (ja) | 1990-02-23 |
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