JPH0520514B2 - - Google Patents
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- JPH0520514B2 JPH0520514B2 JP24082884A JP24082884A JPH0520514B2 JP H0520514 B2 JPH0520514 B2 JP H0520514B2 JP 24082884 A JP24082884 A JP 24082884A JP 24082884 A JP24082884 A JP 24082884A JP H0520514 B2 JPH0520514 B2 JP H0520514B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明はNaCl,CaCl2等の水溶液が存在する
苛酷な腐食環境に曝される場合の耐食性、塗膜性
能特に自動車用鋼板に使用される場合の孔食に対
して優れた性能を有する亜鉛系電気合金メツキ鋼
板に関する。 (従来の技術及びその問題点) 従来から自動車用鋼板には防錆被覆層が施され
ていない、いわゆる冷延鋼板が使われて来た。こ
の冷延鋼板は、自動車会社で自動車の各種部材に
加工され、組立てられた後、燐酸塩処理を施し、
次いで塗装される。即ち自動車に使用されている
冷延鋼板は、塗膜によつて腐食から保護されてい
る。しかし近年になつて自動車の耐久性向上、特
に腐食に基因する耐久性向上の要求が高くなり、
従来の塗装のみではこの要求に必ずしも対処出来
なくなつた。例えば、冬期、道路の凍結を防止す
るため塩を散布するカナダにおいては、1985年の
自動車の車体腐食に関するガイドラインとして
“10年間孔あきなし”及び“5年間錆発生なし”
を目標にしている。このガイドラインは“カナダ
コード”として知られ、このため車体防錆に対す
る目標として各種対策が採られつつある。 現在、冷延鋼板の耐食性、塗装後の耐食性を向
上し、かつ加工性を損なわずに量産可能なものと
して、電気亜鉛メツキ鋼板が広く使われている。
しかし、亜鉛メツキ鋼板は、亜鉛が地鉄よりアノ
ーデイツク(Anodic)であるため、一般的な腐
食環境では良好な耐食性を示すが、前述の様に塩
類(NaCl,CaCl2等)を散布する苛酷な腐食環
境では亜鉛の腐食速度が大きく、短期間で亜鉛の
犠牲防食作用が失なわれ長期間の防食効果が得ら
れない。 耐食性の向上にはメツキ量を増す事が最も簡単
な方法である。しかし、メツキ量の増加は電気メ
ツキでは著るしい生産性の低下とコスト上昇をも
たらし、経済的に望ましくないばかりでなく、加
工性、溶接性等の面でも次の様な問題がある。 即ち、メツキ鋼板を自動車部品に加工する際、
特に絞り加工において、メツキ層が剥離したり、
又その一部が削り取られて(所謂パウダリング)
プレス金型に堆積し、成品に疵を生じる現象があ
る。この様なパウダリングを起すと、金型の手入
れで生産性が著るしく落ちるばかりでなく、成品
の性能にも悪影響がある所から、メツキ量を少な
くする必要がある。一方加工された各種部材の組
立ては、殆んど抵抗溶接(スポツト溶接)が使わ
れ、溶接性の良悪が重視されている。溶接性に
は、メツキ量が大きく影響し、メツキ量がある程
度以上に増えると、溶接部の強度不足、外観不良
等の欠陥を生じ易くなり、更には溶接電極寿命の
著るしい低下が生じる。従つて、加工性、溶接性
の見地からすると、出来るだけ低メツキ量である
事が望ましい。更に、自動車用亜鉛メツキ鋼板は
最終的には塗装されるが、塗膜を浸透した腐食性
水溶液に亜鉛が腐食され易いために、塗膜面“ふ
くれ”(所謂ブリスター)を発生し、塗膜が素地
から浮き上り剥離するという欠点がある。又、自
動車が走行中、飛石等により塗膜欠陥が生じる
と、その部分から塗膜下の腐食が広がり、塗膜剥
離を生じ易い。 かかる亜鉛メツキ鋼板の欠点の解消を目的に、
亜鉛よりも電位が貴(cathodic)、かつ地鉄より
は卑(Anodic)で、地鉄に対して陽極防食効果
があり、塩類による腐食速度が小さく、更に、塗
装性能(特に塗装後耐食性、二次塗料密着性……
塗装部が腐食環境に曝された時の塗膜の密着性の
劣化)、加工性、溶接性に優れるという考え方に
基づいて、例えばZn−Fe系、Zn−Ni系、Zn−
Fe−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−Fe−Cr系等、
更には、それ等を組合せた複層メツキ等特開昭55
−110793号公報、特開昭57−51284号公報、特開
昭57−149483号公報のように多くの亜鉛系合金メ
ツキ鋼板が開発されている。これ等の亜鉛系合金
メツキ鋼板は、全般的に亜鉛メツキ鋼板に比して
優れた性能を有しているものの、耐食性、特に、
前述の塩類が散布される苛酷な腐食環境での孔食
(Pitting Corrosion)については、更に一段の向
上が望まれている。 耐食性の向上は、メツキ量の増加により最も簡
単に達成されるが、しかし既に亜鉛メツキ鋼板に
ついて述べたように、Zn系合金メツキ鋼板の場
合においても、メツキコストの上昇、加工時のパ
ウダリング、溶接性の劣化等の問題を生じるた
め、出来るだけ低メツキ量である事が望ましい。 (問題点を解決するための手段、作用) 以上の諸点に鑑み、本発明者等は、耐食性、塗
装性能のみではなく、加工時のパウダリング性、
溶接性等自動車用防錆鋼板に求められている諸性
能に優れた自動車用防錆鋼板として、最適な亜鉛
系合金メツキ鋼板を得る事を目的に種々の検討を
行なつた。 その結果、メツキ層自体の耐食性を向上させる
ために、電位的にZnよりカソーデイツク化され
た亜鉛系合金メツキ層は、Cl-イオン等を含有す
る腐食環境では腐食速度が小さくなるが、腐食が
進行するにつれて合金メツキ層中のZnが優先腐
食され、残存した貴な合金化元素Ni,Fe,Co等
の影響により、鋼板との電位差が小さくなり、孔
食9を発生する原因となつたり或いは端面の犠牲
防食能等を劣化し、耐食性能、特に耐食寿命を劣
化する原因になつていることが判つた。従つて、
これらの亜鉛系合金メツキ層と鋼板の間の電位差
を拡大して、犠牲防食能を確保すると共に、鋼板
自体の耐孔食性能を改良する事によつて、腐食環
境における腐食速度の小さい亜鉛系合金メツキ層
の良好な耐食性との相剰効果により、低メツキ量
で耐食性、特に耐食寿命がすぐれ、また上記の如
き各特性のすぐれた亜鉛系合金メツキ鋼板を得る
事ができた。 而して、その要旨とするところは、C:0.02%
以下、solAl:0.005〜0.08%、Cr:0.2〜10%ある
いは必要に応じてTi,Nb,V,Zrの1種又は2
種以上をそれぞれ0.03〜0.5%含有して残部がFe
および不可避的不純物からなる鋼板にNi,Co,
Ni−Co合金からなる拡散下地被覆層とZnに対し
てNi,Fe,Co,Moの1種又は2種以上を含有
せしめたZn合金系被覆を施した高耐食性Zn系合
金メツキ鋼板である。 以下に本発明について詳細に説明する。 転炉、電気炉等の溶解された溶鋼を連続鋳造法
または造塊、分塊法を経てスラブとし熱間圧延、
冷間圧延あるいはさらに焼鈍工程を経てC:0.10
%以下、solAl:0.005〜0.08%、Cr:0.2〜10%を
含有して残部が実質的にFeからなるメツキ原液
を製造する。Cは含有量の増加に鋼板の加工性を
劣化し、鋼板表面に点在して析出した多量のセメ
ンタイトが、Ni,Co,Ni−Co合金等の下地被覆
処理後或いは亜鉛系合金メツキ後に多くのピンホ
ールを発生させる原因となる。したがつてC成分
は耐食性を劣化する有害元素として少ない方が好
ましく、その上限を0.10%とした。好ましいのは
0.01%以下である。Alは溶鋼の脱酸元素である
が、製造された鋼板中に残存するsolAl量が0.005
%未満では酸素ガスによる表面欠陥の発生率を著
しく高め、下地処理面或いは亜鉛系合金メツキ面
に多量のピンホールが発生し耐食性を劣化する。 また0.08%を越える過剰なsolAlはAl系酸化物
を鋼表面に多く点在せしめ、不メツキ部分あるい
はピンホールを発生してメツキの健全性を失い、
耐食性を劣化する。したがつて鋼中に含有される
solAlは、耐食性が安定して確保できる量として
0.005〜0.08%に限定した。 Crの添加は、腐食環境に曝された鋼板の電位
を貴な方向に近づけ、鋼板自体の耐食性を向上せ
しめるとともに、鋼板表面に施されるNi,Co,
Ni−Co合金の下地被覆、拡散層とあいまつて、
Cl-イオンを含有する腐食環境における耐孔食性
能の向上と、亜鉛系合金メツキ層との電位差拡大
による亜鉛系合金メツキ層の犠牲防食能を腐食環
境に曝された後も確保する。 而して、Crの添加量が0.2%未満では上記の効
果が得られず、またCrの添加量が10%をこえる
と成形加工時にリジングが発生し、成形加工品の
外観及び板厚にも変動が生じるので耐食性能の点
からも好ましくない。従つて、Crの添加量は0.2
〜10%とし好ましくは0.5〜8%である。 又、本発明においては上記の鋼成分に対して、
Ti,Nb,V,Zrの1種又は2種以上それぞれ
0.03〜0.5%を添加する。これは、本発明が苛酷
な成形加工が要求される用途、例えば深絞り成形
形状が複残なクオーターパネル、リヤーフエンダ
ー、フロントフエンダー等のように、鋼板自体に
優れた成形加工性と耐食性を要求される場合、
Ti,Nb,V,Zrの1種又は2種以上を添加する
事によつて、鋼中のCと結合せしめクロムカーバ
イドの析出を防止してCrの有効化を計り、良好
な成形加工性と、耐食性の向上が可能となる。こ
の場合のTi,Nbなどの鋼成分の含有量が0.03%
未満ではクロムカーバイドの析出を防止して、成
形加工性及び耐食性を向上せしめる効果が少な
く、またその含有量が0.50%を越えるとその効果
が飽和に達し経済的でなくなると共に、これら成
分の析出によつて素材の硬質化を起し、成形加工
性を劣化する傾向にある。特に、好ましくはこれ
ら元素の含有量が0.05〜0.30%の範囲である。 鋼中に含有される不可避的不純物のP,S等は
結晶粒界にの析出して結晶粒界をぜい化するため
少ない程よい。尚、本発明においては、その用途
によつては、Ti,Nb等を添加した鋼板に対して
は、0.0001〜0.003%のBを添加してもよい。B
は結晶粒界に析出するので、溶接或いはロウ付け
作業等の高熱操作を受ける場合に、これら熱影響
部での結晶粒の成長、粗大化を防止する有効な成
分である。 上記のように成分組成に構成されたメツキ原板
は、脱脂、酸洗等のメツキ前処理工程を経て、
Ni,Co,Ni−Co合金メツキのいずれかの一層か
らなる拡散層の下地被覆処理が施される。これら
の下地被覆処理方法は、メツキ浴組成、メツキ条
件等は特に規定されるものではないが、大体電流
密度3〜300A/dm2,メツキ温度80℃以下がよ
い。メツキ浴組成の一例及びメツキ条件の一例を
あげれば下記の如くである。 (1) Niメツキ浴 硫酸ニツケル 240g/ 塩化ニツケル 45g/ ほう酸 30g/ 電流密度 15A/dm2 (2) Coメツキ浴 硫酸コバルト 300g/ 塩化コバルト 50g/ ほう酸 30g/ 電流密度 10A/dm2 (3) Ni−Co合金メツキ浴 硫酸ニツケル 150g/ 硫酸コバルト 120g/ 塩化ニツケル 30g/ 塩化コバルト 24g/ ホウ酸 40g/ 電流密度 7.5A/dm2 などを用いて、電気メツキを行なえばよい。 又、これらの電気メツキによる下地前処理後或
いはこれらの金属イオンを含有する水溶液、例え
ばさく酸ニツケル(100g/)−界面活性剤系の
水溶液を塗布乾燥後に、各々非酸化性或いは還元
性或いは還元性雰囲気で、600〜850℃で20〜180
秒の加熱拡散処理を行ない、Ni−Fe,Co−Fe,
Ni−Co−Fe等からなる拡散処理層を形成する。 尚、この場合、下地被覆層の一部がNi,Co,
Ni−Coの形態のままで残存してもよい。さらに、
この下地被覆処理層の付与及び加熱拡散処理を施
すにあたり、これらの処理は冷間圧延材(As
Cold材)或いは冷間圧延後に焼鈍した素材のい
ずれに適用してもよい。しかしながら、冷間圧延
材にこれらの下地被覆処理を施し、材質の焼鈍を
兼ねて拡散処理を行なうのが好ましい。 すなわち、冷間圧延材(As Cold材)の加工歪
によつて、下地被覆層と鋼板の相互拡散が促進さ
れる傾向が大きいため、短時間の加熱処理で目的
の拡散被覆層を得る事ができる。また、同時に、
Cr含有量が2.5%以上になると酸化され易い傾向
にあるので、加熱焼鈍雰囲気を調整する必要があ
るが、上記の如く焼鈍と拡散処理を同時に行なう
場合は、下地被覆層のいんぺい効果によつて、そ
の酸化を防止できるので、加熱雰囲気の調整が容
易になる利点もある。 拡散下地被覆層は、Cr含有鋼板の表面を改質
して、耐食性、耐孔食性を向上せしめるととも
に、Zn系合金メツキ層との電位差を大きくして、
その犠牲防食効果を確保するために設けられるも
ので、その厚さは、0.01〜1.5μで使用するとよ
い。 下地被覆層の厚さが0.01μ未満では原板の拡散
処理によつて均一な拡散被覆層が得られないた
め、下地被覆層の欠陥部が多く生成されない場合
もある。一方、その下地被覆層の厚さが1.5μをこ
える場合には、拡散被覆層の目的とする効果が飽
和するとともに、拡散下地被覆層の表面に下地被
覆層の形態のままで多くのNi,Co,Ni−Co合金
が残り、成形加工性を劣化する場合もある。従つ
て、拡散下地被覆層の厚さは、下地被覆層として
0.01〜1.5μが好ましい。 次に、これらの拡散下地被覆層の上層にZnに
対してNi,Fe,Co,Mo1種又は2種以上を含有
した亜鉛系合金メツキを施す。 以上に説明したようにCr含有鋼板に拡散下地
被覆層を施した鋼板は、従来の鋼板に比して耐食
性が優れているものの、自動車用防錆鋼板として
の耐食性が十分でなく、また赤錆の発生が認めら
れる。したがつて前記の亜鉛系合金メツキ層を施
す必要がある。 亜鉛系合金メツキ層は、その腐食速度が小さ
く、又塗装性能のすぐれたものとして、Znに対
してNi,Fe,Co,Moの1種又は2種以上を含
有したものを使用する。この場合該被覆層中の
Ni,Feなどの合金化成分が7.5%未満では、亜鉛
系合金メツキ層の塗膜を通つて侵入する腐食水溶
液によつてメツキ層が溶解され、その腐食生成物
によつて塗膜に微小なフクレ(ブリスター)を生
じるなど塗装後の耐食性が充分でない。又、合金
化元素が30%をこえる場合は、合金メツキ層のピ
ンホール生成量が多くなつて耐食性向上効果が期
待できず、またメツキ層がもろくなるため成形加
工性が劣化(成形加工時にパウダリングが発生し
易くなる)するので好ましくない。さらに、これ
らの亜鉛系合金メツキ層は、耐食性確保の点から
1.5μ以上メツキまた溶接性、成形加工性、特にパ
ウダリング防止から8μ以下がよい。 さらに、本発明においては、亜鉛系合金メツキ
層の化成処理性、溶接性の向上、カチオン電着塗
装時のクレーター発生防止のために、60%以上の
Feを主成分とする厚さ1μ以下のZn−Fe系合金
(Zn−Fe,Zn−Fe−Ni,Zn−Fe−Co,Zn−Fe
−P)、及び0.5μ厚さ以下のFe系合金(Fe−P,
Fe−Ni,Fe−Co)等を前記亜鉛系合金被覆層を
施してもよい。この場合、各々の厚さがその上限
をこえると、パウダリング性が劣化する事及び腐
食環境に曝された場合Feの腐食生成物である赤
錆生成量が多くなり、赤錆付着下での〓間腐食に
よる孔食を発生し易い等の欠点が生じる。 (発明の効果) 以上の如く、Cr含有鋼成分及び拡散下地被覆
層に亜鉛系合金メツキ層を施した本発明の耐食性
鋼板は、腐食環境において腐食水溶液に曝された
時、メツキ層自体の耐食性が優れているため、長
期にわたつて下地鋼板に対する防食効果が持続す
る事及び合金メツキ層にピンホール、成形加工時
の地鉄に達する傷つき等の欠陥部、特にメツキ層
の腐食が進行してZnの優先溶解が生じて合金化
元素の残存が多くなつた場合におけるこれら欠陥
部或いは鋼板の端面部等におけるFe露出部分に
対して、亜鉛系合金メツキ層の鋼板に対する犠牲
防食効果が維持される事によつて、これらの部分
からの穿孔腐食が防止しうるので、その耐食寿命
の向上効果が著しい。 また、これら亜鉛系合金メツキ層の防食効果が
なくなつた場合にも、鋼板自体のCrが含有され
た効果及び耐食性にすぐれたNi,Co,Ni−Co合
金等の拡散被覆層を生成せしめた効果と相まつ
て、メツキ原板の耐食性向上による孔食の進行を
抑制する効果が得られる。 このように、亜鉛系合金メツキ層と下地鋼板、
その表面の拡散被覆層との相剰効果で極めて優れ
た耐食性、耐食寿命が得られる所からメツキ量の
低減が可能となり、溶接性、パウダリング性がそ
の結果として良好であり、またメツキ層自体の優
れた化成処理性、塗装性能と相まつて、極めてす
ぐれた高耐食性、防錆鋼板が得られる。 (実施例) 次に、本発明の実施例を述べる。 冷間圧延された0.8mm板厚のCr含有鋼板(As
Cold材)を脱脂後、第1表に示す各種の下地被
覆層を電気メツキ後に水系含有還元性雰囲気で加
熱拡散処理を行なつて拡散下地被覆層を設けた。
該素材に亜鉛系合金メツキ層を設けてその性能評
価試験を行なつた。第2表にその性能評価結果を
示す。尚、評価試験は以下に示す条件で実施し
た。 無塗装材の塩水噴霧試験後の耐食性 評価材に対して地鉄に達するスクラツチ傷を入
れ、塩水噴霧試験500時間後の孔食深さにより、
その耐食性を評価した。尚、評価基準は以下の通
りである。 ◎…板厚減少量0.25mm以下の場合 ○… 〃 0.35mm以下 〃 △… 〃 0.50mm以下 〃 ×… 〃 0.50mmこえる場合 無塗装材のサイクリツクコロジヨンテストに
よる耐食性評価 延び率10%のバルジ加工を行なつた評価材に対
して、直径7〜10mmの細石を圧力3.5Kg/cm2で10
秒間、1cm2当り2.5gが衝突するようにチツピング
させてから、第1図に示す条件のサイクリツクコ
ロジヨンテストを120サイクル行ない、赤錆発生
部分の板厚減少量を測定して、その耐食性を評価
した。尚、評価は以下の基準によつた。 ◎…板厚減少量0.5mm以下 ○… 〃 0.6mm以下 △…穿孔腐食の発生3ケ以下 ×…穿孔腐食が3ケより多く、多数発生 カチオン電着塗装後の耐食性 評価材に対して、付着量約2.3〜2.8g/m2(片
面当り)の燐酸塩処理を施した後、厚さ20μのカ
チオン電着塗装を施した。次いで、該評価材に対
して地鉄に達するスクラツチ傷を入れ、塩水噴霧
試験1000時間を行ない、その板厚減少量よりその
耐食性評価を行なつた。 ◎…板厚減少量0.3mm以下 ○… 〃 0.4mm 〃 △…板厚減少量0.5mm以下 ×… 〃 0.5mmをこえるか孔食発生 3Coat材の耐食性 ブランクサイズ0.8×500×500mm、潤滑油塗油
後しわ押え圧力20Tで150×150mm角のポンチで
100mm深さの角筒絞りを行なつた場合の四辺の側
壁部から試料を切り出し評価材とした。該素材に
ついて、燐酸塩処理後(2.3〜2.8g/m2付着量)、
カチオン電着15μ塗装、中塗り30μ、上塗り35μ塗
装後にと同様のグラベロチツピングテスト後
に、と同一条件のサイクリツクコロジヨンテス
トを150サイクル実施した。その後に、赤錆発生
部の穿孔腐食部分の板厚減少量よりその耐食性を
評価した。 ◎…板厚減少量0.5mm以下 ○… 〃 0.7mm以下 △…穿孔腐食、数点発生(10ケ未満) ×…穿孔腐食10数点以上発生(10ケ以上発生) 成形加工性 ブランクサイズ0.8×500×500mm、潤滑油塗布
後、しわ押え圧力30Tの条件で150×150mm角のポ
ンチで角筒絞りを行ない、絞り深さの限界と角筒
絞り材外面のカジリの発生状況より評価した。 ◎…成形加工性極めて良好 ○…成形加工性比較的良好 △…成形加工によるメツキ層のカジリ可成り発
生 ×…成形加工不可
苛酷な腐食環境に曝される場合の耐食性、塗膜性
能特に自動車用鋼板に使用される場合の孔食に対
して優れた性能を有する亜鉛系電気合金メツキ鋼
板に関する。 (従来の技術及びその問題点) 従来から自動車用鋼板には防錆被覆層が施され
ていない、いわゆる冷延鋼板が使われて来た。こ
の冷延鋼板は、自動車会社で自動車の各種部材に
加工され、組立てられた後、燐酸塩処理を施し、
次いで塗装される。即ち自動車に使用されている
冷延鋼板は、塗膜によつて腐食から保護されてい
る。しかし近年になつて自動車の耐久性向上、特
に腐食に基因する耐久性向上の要求が高くなり、
従来の塗装のみではこの要求に必ずしも対処出来
なくなつた。例えば、冬期、道路の凍結を防止す
るため塩を散布するカナダにおいては、1985年の
自動車の車体腐食に関するガイドラインとして
“10年間孔あきなし”及び“5年間錆発生なし”
を目標にしている。このガイドラインは“カナダ
コード”として知られ、このため車体防錆に対す
る目標として各種対策が採られつつある。 現在、冷延鋼板の耐食性、塗装後の耐食性を向
上し、かつ加工性を損なわずに量産可能なものと
して、電気亜鉛メツキ鋼板が広く使われている。
しかし、亜鉛メツキ鋼板は、亜鉛が地鉄よりアノ
ーデイツク(Anodic)であるため、一般的な腐
食環境では良好な耐食性を示すが、前述の様に塩
類(NaCl,CaCl2等)を散布する苛酷な腐食環
境では亜鉛の腐食速度が大きく、短期間で亜鉛の
犠牲防食作用が失なわれ長期間の防食効果が得ら
れない。 耐食性の向上にはメツキ量を増す事が最も簡単
な方法である。しかし、メツキ量の増加は電気メ
ツキでは著るしい生産性の低下とコスト上昇をも
たらし、経済的に望ましくないばかりでなく、加
工性、溶接性等の面でも次の様な問題がある。 即ち、メツキ鋼板を自動車部品に加工する際、
特に絞り加工において、メツキ層が剥離したり、
又その一部が削り取られて(所謂パウダリング)
プレス金型に堆積し、成品に疵を生じる現象があ
る。この様なパウダリングを起すと、金型の手入
れで生産性が著るしく落ちるばかりでなく、成品
の性能にも悪影響がある所から、メツキ量を少な
くする必要がある。一方加工された各種部材の組
立ては、殆んど抵抗溶接(スポツト溶接)が使わ
れ、溶接性の良悪が重視されている。溶接性に
は、メツキ量が大きく影響し、メツキ量がある程
度以上に増えると、溶接部の強度不足、外観不良
等の欠陥を生じ易くなり、更には溶接電極寿命の
著るしい低下が生じる。従つて、加工性、溶接性
の見地からすると、出来るだけ低メツキ量である
事が望ましい。更に、自動車用亜鉛メツキ鋼板は
最終的には塗装されるが、塗膜を浸透した腐食性
水溶液に亜鉛が腐食され易いために、塗膜面“ふ
くれ”(所謂ブリスター)を発生し、塗膜が素地
から浮き上り剥離するという欠点がある。又、自
動車が走行中、飛石等により塗膜欠陥が生じる
と、その部分から塗膜下の腐食が広がり、塗膜剥
離を生じ易い。 かかる亜鉛メツキ鋼板の欠点の解消を目的に、
亜鉛よりも電位が貴(cathodic)、かつ地鉄より
は卑(Anodic)で、地鉄に対して陽極防食効果
があり、塩類による腐食速度が小さく、更に、塗
装性能(特に塗装後耐食性、二次塗料密着性……
塗装部が腐食環境に曝された時の塗膜の密着性の
劣化)、加工性、溶接性に優れるという考え方に
基づいて、例えばZn−Fe系、Zn−Ni系、Zn−
Fe−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−Fe−Cr系等、
更には、それ等を組合せた複層メツキ等特開昭55
−110793号公報、特開昭57−51284号公報、特開
昭57−149483号公報のように多くの亜鉛系合金メ
ツキ鋼板が開発されている。これ等の亜鉛系合金
メツキ鋼板は、全般的に亜鉛メツキ鋼板に比して
優れた性能を有しているものの、耐食性、特に、
前述の塩類が散布される苛酷な腐食環境での孔食
(Pitting Corrosion)については、更に一段の向
上が望まれている。 耐食性の向上は、メツキ量の増加により最も簡
単に達成されるが、しかし既に亜鉛メツキ鋼板に
ついて述べたように、Zn系合金メツキ鋼板の場
合においても、メツキコストの上昇、加工時のパ
ウダリング、溶接性の劣化等の問題を生じるた
め、出来るだけ低メツキ量である事が望ましい。 (問題点を解決するための手段、作用) 以上の諸点に鑑み、本発明者等は、耐食性、塗
装性能のみではなく、加工時のパウダリング性、
溶接性等自動車用防錆鋼板に求められている諸性
能に優れた自動車用防錆鋼板として、最適な亜鉛
系合金メツキ鋼板を得る事を目的に種々の検討を
行なつた。 その結果、メツキ層自体の耐食性を向上させる
ために、電位的にZnよりカソーデイツク化され
た亜鉛系合金メツキ層は、Cl-イオン等を含有す
る腐食環境では腐食速度が小さくなるが、腐食が
進行するにつれて合金メツキ層中のZnが優先腐
食され、残存した貴な合金化元素Ni,Fe,Co等
の影響により、鋼板との電位差が小さくなり、孔
食9を発生する原因となつたり或いは端面の犠牲
防食能等を劣化し、耐食性能、特に耐食寿命を劣
化する原因になつていることが判つた。従つて、
これらの亜鉛系合金メツキ層と鋼板の間の電位差
を拡大して、犠牲防食能を確保すると共に、鋼板
自体の耐孔食性能を改良する事によつて、腐食環
境における腐食速度の小さい亜鉛系合金メツキ層
の良好な耐食性との相剰効果により、低メツキ量
で耐食性、特に耐食寿命がすぐれ、また上記の如
き各特性のすぐれた亜鉛系合金メツキ鋼板を得る
事ができた。 而して、その要旨とするところは、C:0.02%
以下、solAl:0.005〜0.08%、Cr:0.2〜10%ある
いは必要に応じてTi,Nb,V,Zrの1種又は2
種以上をそれぞれ0.03〜0.5%含有して残部がFe
および不可避的不純物からなる鋼板にNi,Co,
Ni−Co合金からなる拡散下地被覆層とZnに対し
てNi,Fe,Co,Moの1種又は2種以上を含有
せしめたZn合金系被覆を施した高耐食性Zn系合
金メツキ鋼板である。 以下に本発明について詳細に説明する。 転炉、電気炉等の溶解された溶鋼を連続鋳造法
または造塊、分塊法を経てスラブとし熱間圧延、
冷間圧延あるいはさらに焼鈍工程を経てC:0.10
%以下、solAl:0.005〜0.08%、Cr:0.2〜10%を
含有して残部が実質的にFeからなるメツキ原液
を製造する。Cは含有量の増加に鋼板の加工性を
劣化し、鋼板表面に点在して析出した多量のセメ
ンタイトが、Ni,Co,Ni−Co合金等の下地被覆
処理後或いは亜鉛系合金メツキ後に多くのピンホ
ールを発生させる原因となる。したがつてC成分
は耐食性を劣化する有害元素として少ない方が好
ましく、その上限を0.10%とした。好ましいのは
0.01%以下である。Alは溶鋼の脱酸元素である
が、製造された鋼板中に残存するsolAl量が0.005
%未満では酸素ガスによる表面欠陥の発生率を著
しく高め、下地処理面或いは亜鉛系合金メツキ面
に多量のピンホールが発生し耐食性を劣化する。 また0.08%を越える過剰なsolAlはAl系酸化物
を鋼表面に多く点在せしめ、不メツキ部分あるい
はピンホールを発生してメツキの健全性を失い、
耐食性を劣化する。したがつて鋼中に含有される
solAlは、耐食性が安定して確保できる量として
0.005〜0.08%に限定した。 Crの添加は、腐食環境に曝された鋼板の電位
を貴な方向に近づけ、鋼板自体の耐食性を向上せ
しめるとともに、鋼板表面に施されるNi,Co,
Ni−Co合金の下地被覆、拡散層とあいまつて、
Cl-イオンを含有する腐食環境における耐孔食性
能の向上と、亜鉛系合金メツキ層との電位差拡大
による亜鉛系合金メツキ層の犠牲防食能を腐食環
境に曝された後も確保する。 而して、Crの添加量が0.2%未満では上記の効
果が得られず、またCrの添加量が10%をこえる
と成形加工時にリジングが発生し、成形加工品の
外観及び板厚にも変動が生じるので耐食性能の点
からも好ましくない。従つて、Crの添加量は0.2
〜10%とし好ましくは0.5〜8%である。 又、本発明においては上記の鋼成分に対して、
Ti,Nb,V,Zrの1種又は2種以上それぞれ
0.03〜0.5%を添加する。これは、本発明が苛酷
な成形加工が要求される用途、例えば深絞り成形
形状が複残なクオーターパネル、リヤーフエンダ
ー、フロントフエンダー等のように、鋼板自体に
優れた成形加工性と耐食性を要求される場合、
Ti,Nb,V,Zrの1種又は2種以上を添加する
事によつて、鋼中のCと結合せしめクロムカーバ
イドの析出を防止してCrの有効化を計り、良好
な成形加工性と、耐食性の向上が可能となる。こ
の場合のTi,Nbなどの鋼成分の含有量が0.03%
未満ではクロムカーバイドの析出を防止して、成
形加工性及び耐食性を向上せしめる効果が少な
く、またその含有量が0.50%を越えるとその効果
が飽和に達し経済的でなくなると共に、これら成
分の析出によつて素材の硬質化を起し、成形加工
性を劣化する傾向にある。特に、好ましくはこれ
ら元素の含有量が0.05〜0.30%の範囲である。 鋼中に含有される不可避的不純物のP,S等は
結晶粒界にの析出して結晶粒界をぜい化するため
少ない程よい。尚、本発明においては、その用途
によつては、Ti,Nb等を添加した鋼板に対して
は、0.0001〜0.003%のBを添加してもよい。B
は結晶粒界に析出するので、溶接或いはロウ付け
作業等の高熱操作を受ける場合に、これら熱影響
部での結晶粒の成長、粗大化を防止する有効な成
分である。 上記のように成分組成に構成されたメツキ原板
は、脱脂、酸洗等のメツキ前処理工程を経て、
Ni,Co,Ni−Co合金メツキのいずれかの一層か
らなる拡散層の下地被覆処理が施される。これら
の下地被覆処理方法は、メツキ浴組成、メツキ条
件等は特に規定されるものではないが、大体電流
密度3〜300A/dm2,メツキ温度80℃以下がよ
い。メツキ浴組成の一例及びメツキ条件の一例を
あげれば下記の如くである。 (1) Niメツキ浴 硫酸ニツケル 240g/ 塩化ニツケル 45g/ ほう酸 30g/ 電流密度 15A/dm2 (2) Coメツキ浴 硫酸コバルト 300g/ 塩化コバルト 50g/ ほう酸 30g/ 電流密度 10A/dm2 (3) Ni−Co合金メツキ浴 硫酸ニツケル 150g/ 硫酸コバルト 120g/ 塩化ニツケル 30g/ 塩化コバルト 24g/ ホウ酸 40g/ 電流密度 7.5A/dm2 などを用いて、電気メツキを行なえばよい。 又、これらの電気メツキによる下地前処理後或
いはこれらの金属イオンを含有する水溶液、例え
ばさく酸ニツケル(100g/)−界面活性剤系の
水溶液を塗布乾燥後に、各々非酸化性或いは還元
性或いは還元性雰囲気で、600〜850℃で20〜180
秒の加熱拡散処理を行ない、Ni−Fe,Co−Fe,
Ni−Co−Fe等からなる拡散処理層を形成する。 尚、この場合、下地被覆層の一部がNi,Co,
Ni−Coの形態のままで残存してもよい。さらに、
この下地被覆処理層の付与及び加熱拡散処理を施
すにあたり、これらの処理は冷間圧延材(As
Cold材)或いは冷間圧延後に焼鈍した素材のい
ずれに適用してもよい。しかしながら、冷間圧延
材にこれらの下地被覆処理を施し、材質の焼鈍を
兼ねて拡散処理を行なうのが好ましい。 すなわち、冷間圧延材(As Cold材)の加工歪
によつて、下地被覆層と鋼板の相互拡散が促進さ
れる傾向が大きいため、短時間の加熱処理で目的
の拡散被覆層を得る事ができる。また、同時に、
Cr含有量が2.5%以上になると酸化され易い傾向
にあるので、加熱焼鈍雰囲気を調整する必要があ
るが、上記の如く焼鈍と拡散処理を同時に行なう
場合は、下地被覆層のいんぺい効果によつて、そ
の酸化を防止できるので、加熱雰囲気の調整が容
易になる利点もある。 拡散下地被覆層は、Cr含有鋼板の表面を改質
して、耐食性、耐孔食性を向上せしめるととも
に、Zn系合金メツキ層との電位差を大きくして、
その犠牲防食効果を確保するために設けられるも
ので、その厚さは、0.01〜1.5μで使用するとよ
い。 下地被覆層の厚さが0.01μ未満では原板の拡散
処理によつて均一な拡散被覆層が得られないた
め、下地被覆層の欠陥部が多く生成されない場合
もある。一方、その下地被覆層の厚さが1.5μをこ
える場合には、拡散被覆層の目的とする効果が飽
和するとともに、拡散下地被覆層の表面に下地被
覆層の形態のままで多くのNi,Co,Ni−Co合金
が残り、成形加工性を劣化する場合もある。従つ
て、拡散下地被覆層の厚さは、下地被覆層として
0.01〜1.5μが好ましい。 次に、これらの拡散下地被覆層の上層にZnに
対してNi,Fe,Co,Mo1種又は2種以上を含有
した亜鉛系合金メツキを施す。 以上に説明したようにCr含有鋼板に拡散下地
被覆層を施した鋼板は、従来の鋼板に比して耐食
性が優れているものの、自動車用防錆鋼板として
の耐食性が十分でなく、また赤錆の発生が認めら
れる。したがつて前記の亜鉛系合金メツキ層を施
す必要がある。 亜鉛系合金メツキ層は、その腐食速度が小さ
く、又塗装性能のすぐれたものとして、Znに対
してNi,Fe,Co,Moの1種又は2種以上を含
有したものを使用する。この場合該被覆層中の
Ni,Feなどの合金化成分が7.5%未満では、亜鉛
系合金メツキ層の塗膜を通つて侵入する腐食水溶
液によつてメツキ層が溶解され、その腐食生成物
によつて塗膜に微小なフクレ(ブリスター)を生
じるなど塗装後の耐食性が充分でない。又、合金
化元素が30%をこえる場合は、合金メツキ層のピ
ンホール生成量が多くなつて耐食性向上効果が期
待できず、またメツキ層がもろくなるため成形加
工性が劣化(成形加工時にパウダリングが発生し
易くなる)するので好ましくない。さらに、これ
らの亜鉛系合金メツキ層は、耐食性確保の点から
1.5μ以上メツキまた溶接性、成形加工性、特にパ
ウダリング防止から8μ以下がよい。 さらに、本発明においては、亜鉛系合金メツキ
層の化成処理性、溶接性の向上、カチオン電着塗
装時のクレーター発生防止のために、60%以上の
Feを主成分とする厚さ1μ以下のZn−Fe系合金
(Zn−Fe,Zn−Fe−Ni,Zn−Fe−Co,Zn−Fe
−P)、及び0.5μ厚さ以下のFe系合金(Fe−P,
Fe−Ni,Fe−Co)等を前記亜鉛系合金被覆層を
施してもよい。この場合、各々の厚さがその上限
をこえると、パウダリング性が劣化する事及び腐
食環境に曝された場合Feの腐食生成物である赤
錆生成量が多くなり、赤錆付着下での〓間腐食に
よる孔食を発生し易い等の欠点が生じる。 (発明の効果) 以上の如く、Cr含有鋼成分及び拡散下地被覆
層に亜鉛系合金メツキ層を施した本発明の耐食性
鋼板は、腐食環境において腐食水溶液に曝された
時、メツキ層自体の耐食性が優れているため、長
期にわたつて下地鋼板に対する防食効果が持続す
る事及び合金メツキ層にピンホール、成形加工時
の地鉄に達する傷つき等の欠陥部、特にメツキ層
の腐食が進行してZnの優先溶解が生じて合金化
元素の残存が多くなつた場合におけるこれら欠陥
部或いは鋼板の端面部等におけるFe露出部分に
対して、亜鉛系合金メツキ層の鋼板に対する犠牲
防食効果が維持される事によつて、これらの部分
からの穿孔腐食が防止しうるので、その耐食寿命
の向上効果が著しい。 また、これら亜鉛系合金メツキ層の防食効果が
なくなつた場合にも、鋼板自体のCrが含有され
た効果及び耐食性にすぐれたNi,Co,Ni−Co合
金等の拡散被覆層を生成せしめた効果と相まつ
て、メツキ原板の耐食性向上による孔食の進行を
抑制する効果が得られる。 このように、亜鉛系合金メツキ層と下地鋼板、
その表面の拡散被覆層との相剰効果で極めて優れ
た耐食性、耐食寿命が得られる所からメツキ量の
低減が可能となり、溶接性、パウダリング性がそ
の結果として良好であり、またメツキ層自体の優
れた化成処理性、塗装性能と相まつて、極めてす
ぐれた高耐食性、防錆鋼板が得られる。 (実施例) 次に、本発明の実施例を述べる。 冷間圧延された0.8mm板厚のCr含有鋼板(As
Cold材)を脱脂後、第1表に示す各種の下地被
覆層を電気メツキ後に水系含有還元性雰囲気で加
熱拡散処理を行なつて拡散下地被覆層を設けた。
該素材に亜鉛系合金メツキ層を設けてその性能評
価試験を行なつた。第2表にその性能評価結果を
示す。尚、評価試験は以下に示す条件で実施し
た。 無塗装材の塩水噴霧試験後の耐食性 評価材に対して地鉄に達するスクラツチ傷を入
れ、塩水噴霧試験500時間後の孔食深さにより、
その耐食性を評価した。尚、評価基準は以下の通
りである。 ◎…板厚減少量0.25mm以下の場合 ○… 〃 0.35mm以下 〃 △… 〃 0.50mm以下 〃 ×… 〃 0.50mmこえる場合 無塗装材のサイクリツクコロジヨンテストに
よる耐食性評価 延び率10%のバルジ加工を行なつた評価材に対
して、直径7〜10mmの細石を圧力3.5Kg/cm2で10
秒間、1cm2当り2.5gが衝突するようにチツピング
させてから、第1図に示す条件のサイクリツクコ
ロジヨンテストを120サイクル行ない、赤錆発生
部分の板厚減少量を測定して、その耐食性を評価
した。尚、評価は以下の基準によつた。 ◎…板厚減少量0.5mm以下 ○… 〃 0.6mm以下 △…穿孔腐食の発生3ケ以下 ×…穿孔腐食が3ケより多く、多数発生 カチオン電着塗装後の耐食性 評価材に対して、付着量約2.3〜2.8g/m2(片
面当り)の燐酸塩処理を施した後、厚さ20μのカ
チオン電着塗装を施した。次いで、該評価材に対
して地鉄に達するスクラツチ傷を入れ、塩水噴霧
試験1000時間を行ない、その板厚減少量よりその
耐食性評価を行なつた。 ◎…板厚減少量0.3mm以下 ○… 〃 0.4mm 〃 △…板厚減少量0.5mm以下 ×… 〃 0.5mmをこえるか孔食発生 3Coat材の耐食性 ブランクサイズ0.8×500×500mm、潤滑油塗油
後しわ押え圧力20Tで150×150mm角のポンチで
100mm深さの角筒絞りを行なつた場合の四辺の側
壁部から試料を切り出し評価材とした。該素材に
ついて、燐酸塩処理後(2.3〜2.8g/m2付着量)、
カチオン電着15μ塗装、中塗り30μ、上塗り35μ塗
装後にと同様のグラベロチツピングテスト後
に、と同一条件のサイクリツクコロジヨンテス
トを150サイクル実施した。その後に、赤錆発生
部の穿孔腐食部分の板厚減少量よりその耐食性を
評価した。 ◎…板厚減少量0.5mm以下 ○… 〃 0.7mm以下 △…穿孔腐食、数点発生(10ケ未満) ×…穿孔腐食10数点以上発生(10ケ以上発生) 成形加工性 ブランクサイズ0.8×500×500mm、潤滑油塗布
後、しわ押え圧力30Tの条件で150×150mm角のポ
ンチで角筒絞りを行ない、絞り深さの限界と角筒
絞り材外面のカジリの発生状況より評価した。 ◎…成形加工性極めて良好 ○…成形加工性比較的良好 △…成形加工によるメツキ層のカジリ可成り発
生 ×…成形加工不可
【表】
【表】
【表】
第1図は本発明の実施例における耐食性を評価
する際の1サイクルを示す図である。
する際の1サイクルを示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.10%以下 solAl:0.005〜0.08% Cr:0.2〜10% を含有して残部がFeおよび不可避的不純物から
なる鋼板に、Ni,Co,Ni−Co合金からなる拡散
下地被覆層、さらにZnに対してNi,Fe,Co,
Moの1種又は2種以上を含有せしめたZn合金系
被覆層を施した事を特徴とする高耐食性亜鉛系合
金メツキ鋼板。 2 C:0.02%以下 solAl:0.005〜0.08% Cr:0.2〜10% Ti,Nb,V,Zrの1種又は2種以上をそれぞれ
0.03〜0.5%を含有して残部がFeおよび不可避的
不純物からなる鋼板にNi,Co,Ni−Co合金から
なる拡散下地被覆層、さらにZnに対してNi,
Fe,Co,Moの1種又は2種以上を含有せしめた
Zn合金系被覆を施した事を特徴とする高耐食性
亜鉛系合金メツキ鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24082884A JPS61119679A (ja) | 1984-11-16 | 1984-11-16 | 高耐食性亜鉛系合金メツキ鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24082884A JPS61119679A (ja) | 1984-11-16 | 1984-11-16 | 高耐食性亜鉛系合金メツキ鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61119679A JPS61119679A (ja) | 1986-06-06 |
| JPH0520514B2 true JPH0520514B2 (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=17065296
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24082884A Granted JPS61119679A (ja) | 1984-11-16 | 1984-11-16 | 高耐食性亜鉛系合金メツキ鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61119679A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6756134B2 (en) * | 2002-09-23 | 2004-06-29 | United Technologies Corporation | Zinc-diffused alloy coating for corrosion/heat protection |
| JP5217637B2 (ja) * | 2007-10-12 | 2013-06-19 | Jfeスチール株式会社 | 表面処理鋼板の耐食性評価方法 |
| EP3293001A4 (en) | 2015-05-07 | 2018-12-12 | Hitachi, Ltd. | Laminated body having corrosion-resistant coating, and method for manufacturing same |
| KR102703607B1 (ko) * | 2020-07-01 | 2024-09-04 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | Al 코팅층 부착 스테인리스 강판 |
-
1984
- 1984-11-16 JP JP24082884A patent/JPS61119679A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61119679A (ja) | 1986-06-06 |
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