JPH0520928A - 絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents
絶縁電線及びその製造方法Info
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- JPH0520928A JPH0520928A JP19699191A JP19699191A JPH0520928A JP H0520928 A JPH0520928 A JP H0520928A JP 19699191 A JP19699191 A JP 19699191A JP 19699191 A JP19699191 A JP 19699191A JP H0520928 A JPH0520928 A JP H0520928A
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- Japan
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- thermoplastic resin
- insulated wire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】低誘電率で細径の絶縁電線とその製造方法を提
供する。 【構成】発泡剤が封入された熱可塑性樹脂からなる発泡
性粒子を、架橋可能な熱可塑性樹脂のディスパージョン
に混入し、この混合分散液を導体外周に塗布して加熱炉
で発泡性粒子が発泡しない温度で熱可塑性樹脂のディス
パージョンを溶融せしめて一体化する。そして、この熱
可塑性樹脂層をガンマ線等により架橋させ、その後発泡
性粒子が発泡する温度以上に加熱した加熱炉において発
泡させることにより、発泡絶縁体とする。
供する。 【構成】発泡剤が封入された熱可塑性樹脂からなる発泡
性粒子を、架橋可能な熱可塑性樹脂のディスパージョン
に混入し、この混合分散液を導体外周に塗布して加熱炉
で発泡性粒子が発泡しない温度で熱可塑性樹脂のディス
パージョンを溶融せしめて一体化する。そして、この熱
可塑性樹脂層をガンマ線等により架橋させ、その後発泡
性粒子が発泡する温度以上に加熱した加熱炉において発
泡させることにより、発泡絶縁体とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低誘電率で細径化が
可能な絶縁電線と、その製造方法に関する。
可能な絶縁電線と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータや診断装置などの先
端分野においては、機器の高性能化に伴い、細径で低誘
電率の絶縁電線に対する要望が高い。そして、この種の
用途には、通常の絶縁材料を使用した絶縁電線ではそれ
に応えることが難しいため、絶縁体を発泡させることに
より電気特性を向上せしめた発泡絶縁電線が用いられて
いる。
端分野においては、機器の高性能化に伴い、細径で低誘
電率の絶縁電線に対する要望が高い。そして、この種の
用途には、通常の絶縁材料を使用した絶縁電線ではそれ
に応えることが難しいため、絶縁体を発泡させることに
より電気特性を向上せしめた発泡絶縁電線が用いられて
いる。
【0003】かかる絶縁電線に関する従来技術として
は、例えばアゾジカルボンアミドのような熱分解型の発
泡剤を混入した熱可塑性樹脂を導体外周に押出成形する
か、あるいはフレオンや炭化水素を気体状もしくは液体
状で押出機内の溶融樹脂に注入してこれを発泡させる方
法が広く行われている(特開平1−117210号公
報、特開平3−97746号公報)。
は、例えばアゾジカルボンアミドのような熱分解型の発
泡剤を混入した熱可塑性樹脂を導体外周に押出成形する
か、あるいはフレオンや炭化水素を気体状もしくは液体
状で押出機内の溶融樹脂に注入してこれを発泡させる方
法が広く行われている(特開平1−117210号公
報、特開平3−97746号公報)。
【0004】また、これとは異なる方法として特公昭5
6−43564号公報には、ガラス、アルミナ等の無機
材料からなる微小中空球体の表面に熱可塑性樹脂を被覆
したものを溶融押出する方法が開示され、さらに特公昭
57−39006号公報には、溶剤に対して溶解性を示
すポリ塩化ビニル等の樹脂の溶液に上記微小中空球体を
混入し、この分散液を導体外周に塗布して乾燥すること
により多泡質の絶縁体層を形成する方法が提案されてい
る。
6−43564号公報には、ガラス、アルミナ等の無機
材料からなる微小中空球体の表面に熱可塑性樹脂を被覆
したものを溶融押出する方法が開示され、さらに特公昭
57−39006号公報には、溶剤に対して溶解性を示
すポリ塩化ビニル等の樹脂の溶液に上記微小中空球体を
混入し、この分散液を導体外周に塗布して乾燥すること
により多泡質の絶縁体層を形成する方法が提案されてい
る。
【0005】さらに、特開平2−242536号公報に
は、発泡剤を含む未発泡の球体とエネルギー線硬化型樹
脂からなる組成物を導体外周上に被覆し、この被覆層を
硬化前または硬化後に加熱することにより前記発泡剤を
発泡させる絶縁電線の製造方法が開示されている。
は、発泡剤を含む未発泡の球体とエネルギー線硬化型樹
脂からなる組成物を導体外周上に被覆し、この被覆層を
硬化前または硬化後に加熱することにより前記発泡剤を
発泡させる絶縁電線の製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の発泡方法
の中で、押出成形による場合には、気泡が微細でその径
が揃った高い発泡率の発泡体を得ることが困難であり、
しかも肉厚の薄い発泡体が得られないという欠点があ
る。また、特公昭56−43564号及び特公昭57−
39006号公報に記載の方法は、発泡率の制御は容易
であるものの、発泡絶縁体の機械強度等の理由により微
小中空球体の配合量が多い高発泡の絶縁体が得られない
という欠点がある。さらに、特開平2−242536号
公報に記載される方法は、硬化性樹脂を用いて樹脂の硬
化前または硬化後に膨張性球体の膨張を行うものであっ
て、硬化前に膨張させる場合には、未硬化の状態の樹脂
を塗布するためその形状を維持することが難しく、被覆
層の外径にばらつきが生じやすい。また、硬化後に膨張
させる場合には、樹脂が硬化しているため加熱してもそ
の柔らかさに殆ど変化が生じないので、膨張性球体の膨
張がある程度抑制されてしまう。したがって、この場合
には高発泡のものが得られないなど、いずれの方法にお
いても解決すべき問題点が残されている。
の中で、押出成形による場合には、気泡が微細でその径
が揃った高い発泡率の発泡体を得ることが困難であり、
しかも肉厚の薄い発泡体が得られないという欠点があ
る。また、特公昭56−43564号及び特公昭57−
39006号公報に記載の方法は、発泡率の制御は容易
であるものの、発泡絶縁体の機械強度等の理由により微
小中空球体の配合量が多い高発泡の絶縁体が得られない
という欠点がある。さらに、特開平2−242536号
公報に記載される方法は、硬化性樹脂を用いて樹脂の硬
化前または硬化後に膨張性球体の膨張を行うものであっ
て、硬化前に膨張させる場合には、未硬化の状態の樹脂
を塗布するためその形状を維持することが難しく、被覆
層の外径にばらつきが生じやすい。また、硬化後に膨張
させる場合には、樹脂が硬化しているため加熱してもそ
の柔らかさに殆ど変化が生じないので、膨張性球体の膨
張がある程度抑制されてしまう。したがって、この場合
には高発泡のものが得られないなど、いずれの方法にお
いても解決すべき問題点が残されている。
【0007】そこで、本発明はこれら従来技術の問題点
に鑑み、細径化が可能で、且つ気泡が均一で高発泡な絶
縁体を有する絶縁電線及び製造方法の提供をその目的と
する。
に鑑み、細径化が可能で、且つ気泡が均一で高発泡な絶
縁体を有する絶縁電線及び製造方法の提供をその目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、導体の外周に発泡絶縁体が設けられ
た絶縁電線において、前記発泡絶縁体を、殻壁が熱可塑
性樹脂からなる中空球体を含む架橋熱可塑性樹脂組成物
により形成したことを特徴としている。
め、この発明では、導体の外周に発泡絶縁体が設けられ
た絶縁電線において、前記発泡絶縁体を、殻壁が熱可塑
性樹脂からなる中空球体を含む架橋熱可塑性樹脂組成物
により形成したことを特徴としている。
【0009】また、かかる絶縁電線を製造するには、発
泡剤が封入された熱可塑性樹脂からなる発泡性粒子を架
橋型熱可塑性樹脂に配合した混和物を、発泡剤の発泡温
度以下で架橋型熱可塑性樹脂のみを溶融せしめて導体外
周に被覆し、次いでこの被覆層を発泡剤の発泡温度以下
で架橋させ、しかる後発泡剤が発泡する温度以上に加熱
することにより、被覆層を発泡絶縁体とすることができ
る。
泡剤が封入された熱可塑性樹脂からなる発泡性粒子を架
橋型熱可塑性樹脂に配合した混和物を、発泡剤の発泡温
度以下で架橋型熱可塑性樹脂のみを溶融せしめて導体外
周に被覆し、次いでこの被覆層を発泡剤の発泡温度以下
で架橋させ、しかる後発泡剤が発泡する温度以上に加熱
することにより、被覆層を発泡絶縁体とすることができ
る。
【0010】本発明において、中空球体を分散保持して
発泡絶縁体を形成する架橋熱可塑性樹脂とは、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアク
リレート、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合樹脂等の分子間架橋が可能な架橋型の熱可塑性樹
脂を架橋させたものである。これら架橋型熱可塑性樹脂
を架橋するには、有機過酸化物等による化学架橋、ある
いはガンマ線、X線、電子線などの放射線架橋によって
行うことができる。この場合、架橋反応を効率良く行う
ために架橋助剤を添加してもよく、また、発泡絶縁体の
特性改良などの目的のために、各種充填剤、難燃剤、酸
化防止剤などを適宜混合することができる。なお、かか
る架橋型熱可塑性樹脂は、後述する発泡性粒子と混合す
るにあたり、粉末、ペレット、ディスパージョンなどの
種々の性状のものが使用可能である。そして、この混和
物を導体外週に被覆する方法としては、例えば発泡性粒
子が発泡しない温度での溶融押出、分散相が発泡性粒子
もしくは発泡性粒子と架橋型熱可塑性樹脂からなるディ
スパージョンのコーティングなどが可能であり、特に発
泡絶縁体の肉厚を薄くして細径の絶縁電線を得るには、
コーティングが好ましい。
発泡絶縁体を形成する架橋熱可塑性樹脂とは、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアク
リレート、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合樹脂等の分子間架橋が可能な架橋型の熱可塑性樹
脂を架橋させたものである。これら架橋型熱可塑性樹脂
を架橋するには、有機過酸化物等による化学架橋、ある
いはガンマ線、X線、電子線などの放射線架橋によって
行うことができる。この場合、架橋反応を効率良く行う
ために架橋助剤を添加してもよく、また、発泡絶縁体の
特性改良などの目的のために、各種充填剤、難燃剤、酸
化防止剤などを適宜混合することができる。なお、かか
る架橋型熱可塑性樹脂は、後述する発泡性粒子と混合す
るにあたり、粉末、ペレット、ディスパージョンなどの
種々の性状のものが使用可能である。そして、この混和
物を導体外週に被覆する方法としては、例えば発泡性粒
子が発泡しない温度での溶融押出、分散相が発泡性粒子
もしくは発泡性粒子と架橋型熱可塑性樹脂からなるディ
スパージョンのコーティングなどが可能であり、特に発
泡絶縁体の肉厚を薄くして細径の絶縁電線を得るには、
コーティングが好ましい。
【0011】上記架橋型熱可塑性樹脂に混入される発泡
性粒子とは、内部に低沸点の液体あるいは熱分解により
気体を発生する化学発泡剤を内包する未発泡の粒子で、
殻壁部分が熱可塑性樹脂からなり、加熱により内部の発
泡剤が気化して膨張し、中空球体になるものをいう。こ
の発泡性粒子の配合量は、絶縁電線の要求特性、他の添
加剤の有無等によって適宜選択されるため特に限定はさ
れないが、通常は、発泡前の混和物において、架橋型熱
可塑性樹脂10重量部に対して0.1から90重量部の
範囲で用いられる。また、その粒径についても同様に限
定されるものではなく、絶縁体の被覆厚に応じて膨張後
の球径で1から70ミクロンメートル程度になるものが
好適に用いられる。
性粒子とは、内部に低沸点の液体あるいは熱分解により
気体を発生する化学発泡剤を内包する未発泡の粒子で、
殻壁部分が熱可塑性樹脂からなり、加熱により内部の発
泡剤が気化して膨張し、中空球体になるものをいう。こ
の発泡性粒子の配合量は、絶縁電線の要求特性、他の添
加剤の有無等によって適宜選択されるため特に限定はさ
れないが、通常は、発泡前の混和物において、架橋型熱
可塑性樹脂10重量部に対して0.1から90重量部の
範囲で用いられる。また、その粒径についても同様に限
定されるものではなく、絶縁体の被覆厚に応じて膨張後
の球径で1から70ミクロンメートル程度になるものが
好適に用いられる。
【0012】上記発泡性粒子の内部に封入される低沸点
液体の具体例としては、石油エーテル、イソブタン、ヘ
プタン、ヘキサンなどの炭化水素、モノクロロトリフロ
ロメタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロトリフ
ロロエタン、ジクロロテトラフロロエタンなどの低沸点
ハロゲン化炭化水素、あるいはメチルシラン等が挙げら
れる。また、化学発泡剤としては、アゾ系発泡剤として
アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、
ジエチルアゾジカルボキシレート、ジアゾアミノベンゼ
ン、アゾシクロヘキシルニトリル等、ヒドラジド系のも
のとしてベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエ
ンスルフォニルヒドラジド、p,p−オキシビスベンゼ
ンスルフォニルヒドラジド等、セミカルバジド系発泡剤
としてp,p−オキシビスベンゼンスルフォニルセミカ
ルバジド、p−トルエンスルフォニルセミカルバジド
等、ニトロソ系発泡剤としてN,N−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン等の熱分解型の有機発泡剤、あるい
は炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、亜硝酸アンモ
ニウムなどの無機発泡剤の使用が可能である。
液体の具体例としては、石油エーテル、イソブタン、ヘ
プタン、ヘキサンなどの炭化水素、モノクロロトリフロ
ロメタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロトリフ
ロロエタン、ジクロロテトラフロロエタンなどの低沸点
ハロゲン化炭化水素、あるいはメチルシラン等が挙げら
れる。また、化学発泡剤としては、アゾ系発泡剤として
アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、
ジエチルアゾジカルボキシレート、ジアゾアミノベンゼ
ン、アゾシクロヘキシルニトリル等、ヒドラジド系のも
のとしてベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエ
ンスルフォニルヒドラジド、p,p−オキシビスベンゼ
ンスルフォニルヒドラジド等、セミカルバジド系発泡剤
としてp,p−オキシビスベンゼンスルフォニルセミカ
ルバジド、p−トルエンスルフォニルセミカルバジド
等、ニトロソ系発泡剤としてN,N−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン等の熱分解型の有機発泡剤、あるい
は炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、亜硝酸アンモ
ニウムなどの無機発泡剤の使用が可能である。
【0013】そして、これら発泡剤を内包する熱可塑性
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニト
リル、ポリアクリル酸エステル、熱溶融性フッ素樹脂等
の単独重合体もしくは共重合体などが使用可能であり、
加熱により軟化して上記発泡剤の気化を妨げないもので
あれば、これに限定されることなくその材質は適宜選択
することができる。中空球体の殻壁を形成するこれら熱
可塑性樹脂は膨張して薄肉となるので、誘電率が多少高
いものでもその影響は少なく使用可能であるが、材質自
体の誘電率が低いポリエチレン、熱溶融性フッ素樹脂な
どが特に好ましい。
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニト
リル、ポリアクリル酸エステル、熱溶融性フッ素樹脂等
の単独重合体もしくは共重合体などが使用可能であり、
加熱により軟化して上記発泡剤の気化を妨げないもので
あれば、これに限定されることなくその材質は適宜選択
することができる。中空球体の殻壁を形成するこれら熱
可塑性樹脂は膨張して薄肉となるので、誘電率が多少高
いものでもその影響は少なく使用可能であるが、材質自
体の誘電率が低いポリエチレン、熱溶融性フッ素樹脂な
どが特に好ましい。
【0014】
【作用】発泡性粒子と架橋型熱可塑性樹脂の混和物を、
発泡剤が発泡する温度以下で導体外周に押出、コーティ
ングなどの方法を用いて被覆する。次いで、この被覆層
に対してガンマ線等を照射し、発泡性粒子が未発泡の状
態で混和物中の架橋型熱可塑性樹脂を架橋させる。この
架橋反応により、樹脂は三次元網目構造をとってその熱
的、電気的性質が改良されると同時に、機械的性質が向
上し、発泡に好適な粘弾性が付与される。そして、この
ように架橋熱可塑性樹脂となって改質された被覆層を発
泡剤が発泡する温度以上に加熱し、発泡性粒子中の発泡
剤を発泡させると、発泡性粒子は中空球体となって被覆
層中に無数の気泡を形成する。この場合、発泡性粒子を
取り囲んでいる架橋熱可塑性樹脂は、架橋により熱流動
性は失われているものの、加熱したときに適度に軟化し
て発泡性粒子の膨張を許容するので、未発泡の発泡性粒
子が硬化した熱硬化性樹脂中に分散している従来例のよ
うに、発泡性粒子を外側から押さえてその膨張を妨げる
ことがなく、高い発泡率の発泡体となる。
発泡剤が発泡する温度以下で導体外周に押出、コーティ
ングなどの方法を用いて被覆する。次いで、この被覆層
に対してガンマ線等を照射し、発泡性粒子が未発泡の状
態で混和物中の架橋型熱可塑性樹脂を架橋させる。この
架橋反応により、樹脂は三次元網目構造をとってその熱
的、電気的性質が改良されると同時に、機械的性質が向
上し、発泡に好適な粘弾性が付与される。そして、この
ように架橋熱可塑性樹脂となって改質された被覆層を発
泡剤が発泡する温度以上に加熱し、発泡性粒子中の発泡
剤を発泡させると、発泡性粒子は中空球体となって被覆
層中に無数の気泡を形成する。この場合、発泡性粒子を
取り囲んでいる架橋熱可塑性樹脂は、架橋により熱流動
性は失われているものの、加熱したときに適度に軟化し
て発泡性粒子の膨張を許容するので、未発泡の発泡性粒
子が硬化した熱硬化性樹脂中に分散している従来例のよ
うに、発泡性粒子を外側から押さえてその膨張を妨げる
ことがなく、高い発泡率の発泡体となる。
【0015】また、発泡性粒子に含まれる未発泡の発泡
剤は熱可塑性樹脂によって覆われているので、発泡剤を
そのまま樹脂に混入する場合のように凝集することがな
い。しかも、それら発泡性粒子の殻壁の厚さ及び発泡剤
の充填量を適宜選択することにより、膨張後の中空球体
の球径の制御が可能であるから、均一で微細な気泡径の
発泡体が得られる。
剤は熱可塑性樹脂によって覆われているので、発泡剤を
そのまま樹脂に混入する場合のように凝集することがな
い。しかも、それら発泡性粒子の殻壁の厚さ及び発泡剤
の充填量を適宜選択することにより、膨張後の中空球体
の球径の制御が可能であるから、均一で微細な気泡径の
発泡体が得られる。
【0016】
【実施例】図1は、本発明による絶縁電線の一実施例を
示す断面図であり、図示の絶縁電線1は導体2の外周
に、殻壁が熱可塑性樹脂で形成されている中空球体3と
架橋熱可塑性樹脂4との組成物からなる発泡絶縁体5が
被覆された構成になっている。
示す断面図であり、図示の絶縁電線1は導体2の外周
に、殻壁が熱可塑性樹脂で形成されている中空球体3と
架橋熱可塑性樹脂4との組成物からなる発泡絶縁体5が
被覆された構成になっている。
【0017】次に、上記絶縁電線1の製造方法を図2に
より説明する。導体供給装置10から送り出された導体
2は、ダイス11でその外周に発泡性粒子と架橋型熱可
塑性樹脂のディスパージョンが塗布され、このディスパ
ージョン層は、発泡性粒子が発泡しない温度以下に加温
された加熱炉12において架橋型熱可塑性樹脂のみが溶
融して被覆層を形成する。そして、この被覆層は照射架
橋装置13でガンマ線等のエネルギー線の照射を受け、
被覆層中の架橋型熱可塑性樹脂が架橋して架橋熱可塑性
樹脂4となる。さらに、架橋した被覆層は、発泡性粒子
が発泡する温度以上に保持された加熱炉14を通過する
際に、発泡性粒子が発泡して中空球体3となり、この中
空球体3と架橋熱可塑性樹脂4とで構成される発泡絶縁
体5となる。このようにして発泡絶縁体5が被覆された
絶縁電線1は、巻き取り装置15に送られる。
より説明する。導体供給装置10から送り出された導体
2は、ダイス11でその外周に発泡性粒子と架橋型熱可
塑性樹脂のディスパージョンが塗布され、このディスパ
ージョン層は、発泡性粒子が発泡しない温度以下に加温
された加熱炉12において架橋型熱可塑性樹脂のみが溶
融して被覆層を形成する。そして、この被覆層は照射架
橋装置13でガンマ線等のエネルギー線の照射を受け、
被覆層中の架橋型熱可塑性樹脂が架橋して架橋熱可塑性
樹脂4となる。さらに、架橋した被覆層は、発泡性粒子
が発泡する温度以上に保持された加熱炉14を通過する
際に、発泡性粒子が発泡して中空球体3となり、この中
空球体3と架橋熱可塑性樹脂4とで構成される発泡絶縁
体5となる。このようにして発泡絶縁体5が被覆された
絶縁電線1は、巻き取り装置15に送られる。
【0018】以下、本発明の絶縁電線について具体例を
もって説明するが、もちろん実施例に限定されるもので
はなく、この発明の技術思想内での変更実施は可能であ
る。
もって説明するが、もちろん実施例に限定されるもので
はなく、この発明の技術思想内での変更実施は可能であ
る。
【0019】実施例1
ディスパージョン状の変成ポリエチレン(三井石油化学
社製:ケミパールA−100)70重量部に、液体イソ
ブタンが内部に封入されたアクリロニトリル系樹脂から
なる未発泡の発泡性粒子(日本フィライト社製:エクス
パンセルDU−051、平均粒径5ミクロンメートル、
膨張後の平均粒径20ミクロンメートル)30重量部を
加えて攪拌し、被覆用の混合分散液を調製した。そし
て、この混合分散液を外径0.19mmの銀メッキ軟銅線
の外周にダイスを用いて塗布し、これを60から80℃
の加熱炉においてポリエチレンのみを溶融させ、未発泡
の発泡性粒子を含むポリエチレン組成物からなる厚さ
0.05mmの被覆層を導体外周に形成した。次いで、こ
の被覆層に20Mradのガンマ線を照射してポリエチ
レンを架橋させた後、この架橋ポリエチレン被覆層を9
0から130℃の加熱炉において再度加熱し、発泡性粒
子を発泡させた。これにより、被覆層が発泡体となり、
その厚さは0.05mmから0.2mmに増加し、外径0.
59mmの本発明による絶縁電線を得た。
社製:ケミパールA−100)70重量部に、液体イソ
ブタンが内部に封入されたアクリロニトリル系樹脂から
なる未発泡の発泡性粒子(日本フィライト社製:エクス
パンセルDU−051、平均粒径5ミクロンメートル、
膨張後の平均粒径20ミクロンメートル)30重量部を
加えて攪拌し、被覆用の混合分散液を調製した。そし
て、この混合分散液を外径0.19mmの銀メッキ軟銅線
の外周にダイスを用いて塗布し、これを60から80℃
の加熱炉においてポリエチレンのみを溶融させ、未発泡
の発泡性粒子を含むポリエチレン組成物からなる厚さ
0.05mmの被覆層を導体外周に形成した。次いで、こ
の被覆層に20Mradのガンマ線を照射してポリエチ
レンを架橋させた後、この架橋ポリエチレン被覆層を9
0から130℃の加熱炉において再度加熱し、発泡性粒
子を発泡させた。これにより、被覆層が発泡体となり、
その厚さは0.05mmから0.2mmに増加し、外径0.
59mmの本発明による絶縁電線を得た。
【0020】次に、上記絶縁電線の外周に外部導体とし
て銅パイプを設けたセミリジット同軸ケーブルを作製
し、その伝搬遅延時間を測定したところ、3.5ns/
mであった。このことから、本発明による絶縁電線の発
泡絶縁体の比誘電率は1.10となり、きわめて低誘電
率の電線になっている。また、発泡絶縁体の引張強度は
100gf/平方ミリメートルであり、実用上充分な機
械強度を有するものであった。
て銅パイプを設けたセミリジット同軸ケーブルを作製
し、その伝搬遅延時間を測定したところ、3.5ns/
mであった。このことから、本発明による絶縁電線の発
泡絶縁体の比誘電率は1.10となり、きわめて低誘電
率の電線になっている。また、発泡絶縁体の引張強度は
100gf/平方ミリメートルであり、実用上充分な機
械強度を有するものであった。
【0021】実施例2
微粉末状の低密度ポリエチレン(住友精化社製:M−G
101−N)を界面活性剤を用いてイオン交換水に分散
させ、この分散液に実施例1で使用した発泡性粒子を低
密度ポリエチレンに対して3:7の重量比で混合し、被
覆用の混合分散液を調製した。そして、この混合分散液
を導体外周に塗布し、実施例1と同じ条件で架橋、発泡
を行ない、絶縁電線を得た。この絶縁電線の発泡絶縁体
の比誘電率は1.10であり、実施例1と同様に低誘電
率の電線になっているが、変成したポリエチレンを用い
た実施例1のものに比べて、可撓性が幾分少ないもので
あった。
101−N)を界面活性剤を用いてイオン交換水に分散
させ、この分散液に実施例1で使用した発泡性粒子を低
密度ポリエチレンに対して3:7の重量比で混合し、被
覆用の混合分散液を調製した。そして、この混合分散液
を導体外周に塗布し、実施例1と同じ条件で架橋、発泡
を行ない、絶縁電線を得た。この絶縁電線の発泡絶縁体
の比誘電率は1.10であり、実施例1と同様に低誘電
率の電線になっているが、変成したポリエチレンを用い
た実施例1のものに比べて、可撓性が幾分少ないもので
あった。
【0022】実施例3
微粉末状のポリプロピレン(三洋化成社製:ビスコー
ル)を界面活性剤を用いてイオン交換水に分散させ、こ
の分散液に前記両実施例で使用した発泡性粒子よりも発
泡温度の高い発泡性粒子(松本油脂製薬社製:マツモト
マイクロスフェア85G)をポリプロピレンに対して
3:7の重量比で混合し、被覆用の混合分散液を調製し
た。そして、この混合分散液を導体外周に塗布し、12
0から150℃の加熱炉においてポリプロピレンを溶融
させ、次いでこれを架橋した後、150から180℃の
加熱炉で発泡性粒子を発泡させることにより、本発明の
絶縁電線を得た。この絶縁電線の発泡絶縁体の比誘電率
は1.15であり、またその機械特性は実用上問題のな
いものであった。
ル)を界面活性剤を用いてイオン交換水に分散させ、こ
の分散液に前記両実施例で使用した発泡性粒子よりも発
泡温度の高い発泡性粒子(松本油脂製薬社製:マツモト
マイクロスフェア85G)をポリプロピレンに対して
3:7の重量比で混合し、被覆用の混合分散液を調製し
た。そして、この混合分散液を導体外周に塗布し、12
0から150℃の加熱炉においてポリプロピレンを溶融
させ、次いでこれを架橋した後、150から180℃の
加熱炉で発泡性粒子を発泡させることにより、本発明の
絶縁電線を得た。この絶縁電線の発泡絶縁体の比誘電率
は1.15であり、またその機械特性は実用上問題のな
いものであった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、低誘電率で細径の絶縁電線を安定して得ることがで
き、その工業的価値はきわめて大なるものがある。
ば、低誘電率で細径の絶縁電線を安定して得ることがで
き、その工業的価値はきわめて大なるものがある。
【図1】本発明による絶縁電線の一実施例を示す断面図
である。
である。
【図2】本発明による絶縁電線の製造方法の一例を示す
概略説明図である。
概略説明図である。
1 絶縁電線
2 導体
3 中空球体
4 架橋熱可塑性樹脂
5 発泡絶縁体
11 ダイス
12 加熱炉
13 架橋装置
14 加熱炉
Claims (2)
- 【請求項1】導体の外周に発泡絶縁体が設けられた絶縁
電線において、前記発泡絶縁体は、殻壁が熱可塑性樹脂
からなる中空球体を含む架橋熱可塑性樹脂組成物により
形成されていることを特徴とする絶縁電線。 - 【請求項2】発泡剤が封入された熱可塑性樹脂からなる
発泡性粒子を架橋型熱可塑性樹脂に配合した混和物を、
発泡剤の発泡温度以下で架橋型熱可塑性樹脂のみを溶融
せしめて導体外周に被覆し、次いでこの被覆層を発泡剤
の発泡温度以下で架橋させ、しかる後発泡剤の発泡温度
以上に加熱することにより、被覆層を発泡絶縁体とする
絶縁電線の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19699191A JPH0520928A (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 絶縁電線及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19699191A JPH0520928A (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 絶縁電線及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0520928A true JPH0520928A (ja) | 1993-01-29 |
Family
ID=16367013
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19699191A Pending JPH0520928A (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 絶縁電線及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0520928A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002251922A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 同軸ケーブル |
| CN110061579A (zh) * | 2018-01-18 | 2019-07-26 | 本田技研工业株式会社 | 旋转电机用定子、旋转电机以及旋转电机单元 |
| CN115966342A (zh) * | 2021-10-13 | 2023-04-14 | 江苏俊知技术有限公司 | 具有高发泡度的射频同轴电缆的制造方法 |
| DE112016005010B4 (de) * | 2015-10-28 | 2025-05-28 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Isolierter elektrischer Draht und Lack für ein Ausbilden einer isolierenden Schicht |
-
1991
- 1991-07-11 JP JP19699191A patent/JPH0520928A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002251922A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 同軸ケーブル |
| DE112016005010B4 (de) * | 2015-10-28 | 2025-05-28 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Isolierter elektrischer Draht und Lack für ein Ausbilden einer isolierenden Schicht |
| CN110061579A (zh) * | 2018-01-18 | 2019-07-26 | 本田技研工业株式会社 | 旋转电机用定子、旋转电机以及旋转电机单元 |
| CN115966342A (zh) * | 2021-10-13 | 2023-04-14 | 江苏俊知技术有限公司 | 具有高发泡度的射频同轴电缆的制造方法 |
| WO2023060673A1 (zh) * | 2021-10-13 | 2023-04-20 | 江苏俊知技术有限公司 | 具有高发泡度的射频同轴电缆的制造方法 |
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