JPH0521148U - 燃焼室を有するピストン - Google Patents

燃焼室を有するピストン

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JPH0521148U
JPH0521148U JP7684191U JP7684191U JPH0521148U JP H0521148 U JPH0521148 U JP H0521148U JP 7684191 U JP7684191 U JP 7684191U JP 7684191 U JP7684191 U JP 7684191U JP H0521148 U JPH0521148 U JP H0521148U
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combustion chamber
piston
cavity
chamber block
block
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寛 松岡
晃 東野
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、燃焼室壁面を高温化してHC、ス
モークの発生を低減し、メタルフロー結合で耐久性を向
上させた燃焼室を有するピストンを提供する。 【構成】 このピストンは、金属製ピストンヘッド部2
に形成したキャビティ4内に高熱膨張金属材料から成る
燃焼室ブロック3を配置し、該燃焼室ブロック外面とキ
ャビティ壁面との間に断熱層5を形成し、燃焼室ブロッ
ク3に傾斜機能材料から成る結合リング12によってル
ープ状燃焼室開口部6を形成するリップ部10を固定す
る。従って、燃焼室壁面を高温化でき、HC、スモーク
の発生を低減でき、燃焼室1で燃料リッチで燃焼させて
NOX の発生を低減する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、半径方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部を形成す るリップ部を備えた燃焼室を有するピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直接噴射式ディーゼル機関の燃焼室装置としては、実開昭60−653 33号公報に開示されたものがある。該燃焼室装置は、ピストン頂部に燃焼室を 形成し、この燃焼室の上端部壁面に環状の断熱材を鋳込んだものである。この燃 焼室装置によって、圧縮行程においては断熱材を燃焼室の他の壁面よりかなりの 高温に保持し、混合気の着火を断熱材の周囲で早期に発生させることにより着火 遅れを短くすると共に、ディーゼルノックを防止し、しかも、耐久性、量産性の ある燃焼室を得るようにしたものである。
【0003】 また、金属とセラミックスの接合技術として、実開昭62−93344号公報 に開示されたものがある。該公報に開示された金属とセラミックスの接合用治具 は、金属とセラミックスとの間隙に塑性流動材を介在し、塑性流動材装着部の金 属及びセラミックスの少なくとも一方側にフロー溝を刻設し、この塑性流動材を 加熱加圧して変形させてフロー溝内に流動させ、金属とセラミックスとを接合す るものであり、塑性流動材を加圧変形させる加圧媒体の先端を押圧面と逃げ面で 形成したものである。
【0004】 また、燃焼室の製造方法として、特開昭63−170521号公報に開示され たものがある。該公報に開示されたディーゼルエンジン用燃焼室の製造方法は、 燃焼室を形成するキャビティ側壁面の一部をリエントラント形状に形成し、他の 一部をオープン形状に形成し、該キャビティを機械加工したものである。
【0005】 また、セラミック部品の製造方法として、特開昭61−259865号公報に 開示されたものがある。該セラミック部品の製造方法は、他金属との接合を目的 とする構造用セラミック部品の成形時に接合面に粒状のワックス、樹脂等有機物 を埋め込み、成形後これを熱処理によって除去することにより、他金属との混合 が容易、堅固に行える形状を得るものである。
【0006】 更に、セラミック焼結体を固着したレシプロエンジンのピストンとして、実開 昭59−130046号公報に開示されたものがある。該ピストンは、所定の形 状をしたセラミック焼結体の外周を鋳鉄で鋳ぐるんでなるセラミック焼結体と鋳 鉄との結合体を、該結合体の鋳鉄部外周に形成したねじとアルミニウム合金製ピ ストン本体の頭部に形成したねじとの螺合によりピストン本体に固着したもので ある。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、リエントラント型ピストンにおける燃焼室では、燃焼室入口即ち燃 焼室開口部のリップ先端部を先尖りに鋭く形成すると、スキッシュ流及び逆スキ ッシュ流の乱れが増大し、燃料と空気との混合が均一化され、燃焼状態が良好に なる。しかしながら、従来のようなアルミニウム製ピストンでは、燃焼室を構成 するリップ部に加わる熱負荷のために、リップ部の溶解現象、クラック発生等の 問題が生じ、リップ先端部を鋭くするにも限界があった。
【0008】 上記のような問題は、例えば、リップ先端部を構成する口金としてニレジスト 等の耐熱合金、或いは前掲実開昭60−65333号公報に開示された燃焼室装 置のような断熱材のリップリングを鋳込んだ場合にも、同様な問題があった。該 燃焼室装置では、ピストンヘッド部にリップリングを鋳込んでいるため、エンジ ンの運転時には応力が過大に発生したり又はピストンヘッド部とリップリングと の間に多くのがたが発生し、リップ部を強化する上で最大のネックとなっている 。更に、リップリングの熱膨張率が大きいと、燃焼室に発生する温度差によって 大きな熱応力が発生し、燃焼室を破壊する原因にもなる。
【0009】 また、前掲特開昭61−259865号公報に開示されたセラミック部品の製 造方法は、粒状有機物を分散させた面に対し垂直方向に加圧して成形体を作製し 、焼成後、多孔とした部分に金属を鋳込んで一体化させるものであるが、この方 法では、リング状セラミック部品の外周部とその周囲に配した金属部品とを結合 させることは困難なことである。例えば、セラミック部分として窒化ケイ素(Si3 N4) 又は炭化ケイ素(SiC) を用いた場合、このセラミック材料とアルミニウム合 金とのぬれ性が良くなく、また、セラミックスとアルミニウム合金との互いの熱 膨張係数の差が大きいことにより、両者の界面に割れが生じ易いという問題があ る。
【0010】 そこで、本出願人は、上記課題を解決するために、リエントラント型ピストン を開発してこの出願の出願前に実願平2−109069号として出願した。該リ エントラント型ピストンは、金属製ピストンヘッド部に形成したキャビティの周 囲頂部に位置する金属材料から成るリップ外周部、該リップ外周部から半径方向 内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部を形成する熱膨張率が小さく耐熱 性に富んだ材料から成るリップ部、及び該リップ部と前記リップ外周部との間で 塑性流動で固定され且つ両者の熱膨張率の中間の熱膨張率を有する金属材料から 成る熱膨張率調整結合体を有するものである。そして、該リエントラント型ピス トンは、上記構成によって、前記リップ部と前記ピストンヘッド部とを熱膨張率 調整結合体のメタルフローで結合し、前記リップ部と前記ピストンヘッド部との 熱膨張差を前記傾斜機能材料で吸収して前記リップ部の割れ、溶損を防止すると 共に、前記リップ部を耐熱性に富んだ材料で構成することで鋭角に先尖りに形成 し、スキッシュ流及び逆スキッシュ流による噴霧燃料と空気との混合を一層良好 に達成し、それによって、カーボン発生量を抑制し且つ燃費を低減したものであ る。
【0011】 この考案の目的は、上記の課題を解決することであり、金属製ピストンヘッド 部に形成したキャビティに高熱膨張金属から成る燃焼室ブロックを配置し、該燃 焼室ブロックに半径方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部を備えた リップ部を形成し、ピストンヘッド部と燃焼室ブロックとをメタルフローで結合 し、それによって、加工性と組立性を大幅に向上させると共に、燃焼室壁面を高 温化することによってハイドロカーボンHC、スモークの発生を低減し、リップ 部をシャープなエッジで燃焼室開口部を絞って構造に形成することで、燃焼室で の混合エネルギーを増大させて高当量比で燃焼させてNOX の生成を抑制し、メ タルフロー結合によって耐久性を向上させ、更に耐焼付き性を向上させた燃焼室 を有するピストンを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この考案は、上記の目的を達成するために、次のように構成されている。即ち 、この考案は、金属材料から成るピストンヘッド部に形成したキャビティ、該キ ャビティ内に配置した高熱膨張金属材料から成る燃焼室ブロック、該燃焼室ブロ ック外面と前記キャビティ壁面との間に形成した断熱層、半径方向内向きに先尖 りに伸びるループ状燃焼室開口部を形成するリップ部、及び前記燃焼室ブロック の上面に位置して前記リップ部を前記キャビティ壁面に固定する傾斜機能材料か ら成る結合リングから構成した燃焼室を有するピストンに関する。
【0013】 また、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記ピストンヘッド部に前記キ ャビティの外周に形成された凹部から成る別の燃焼室を形成したものである。
【0014】 また、この燃焼室を有するピストンは、前記リップ部を前記燃焼室ブロックに 固定する傾斜機能材料から成る結合リング、及び前記キャビティと前記燃焼室ブ ロックとの間に形成した環状溝に塑性変形で嵌入した結合リングを有するもので ある。
【0015】 更に、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記キャビティは上部が大径で 且つ下部が小径になる段部を備えており、また、前記燃焼室ブロックの外周面に はアンダカット部を有し、前記段部と前記アンダカット部とが当接して前記キャ ビティ内に前記燃焼室ブロックを配置したものである。
【0016】
【作用】
この考案による燃焼室を有するピストンは、以上のように構成されており、次 のように作用する。この燃焼室を有するピストンは、金属製ピストンヘッド部に 形成したキャビティ内に高熱膨張金属材料から成る燃焼室ブロックを配置し、該 燃焼室ブロック外面と前記キャビティ壁面との間に断熱層を形成し、半径方向内 向きに伸びる耐熱材から成るリップ部を前記燃焼室ブロックの上面に位置する傾 斜機能材料によって前記キャビティ壁面に固定したので、加工性及び組立性を向 上でき、燃焼室壁面を高温化することによってハイドロカーボンHC、スモーク の発生を低減し、また、前記結合リングの塑性変形即ちメタルフロー結合によっ て強固に結合でき、燃焼室の耐久性を向上させることができる。
【0017】 また、この燃焼室を有するピストンは、前記リップ部を前記燃焼室ブロックに 傾斜機能材料から成る結合リングで固定した耐熱性に富んだセラミックスで製作 したので、前記リップ部の先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部をシャープなエ ッジに形成でき、良好なスキッシュ流及び逆スキッシュ流が発生し、燃焼室での 混合エネルギーを増大させて燃料と空気との混合を一層良好に達成して高当量比 で燃焼させてNOX の生成を抑制でき、カーボン発生量を抑制し且つ燃費を低減 して燃焼を改善できる。
【0018】 更に、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記ピストンヘッド部には前記 キャビティの外周に形成された凹部から成る別の燃焼室が形成されているので、 逆スキッシュ流でシリンダ側に噴出した混合気及び燃焼ガスは該別の燃焼室に存 在する新気と混合して二次燃焼を良好に行い、カーボンの発生を抑制できる。こ の場合に、前記燃焼室ブロックで形成される燃焼室の容積を90〜65%に形成 し、前記別の燃焼室の容積を10〜35%に形成することが、前記燃焼室での一 次燃焼及び前記別の燃焼室での二次燃焼を最も良好に行わせることができる。し かも、前記結合リングで前記リップ部と前記ピストンヘッド部との熱膨張差を吸 収することができ、温度差で熱応力がかかってもリップ部の割れ、溶損を防止す ることができる。
【0019】 また、この燃焼室を有するピストンは、前記リップ部を前記燃焼室ブロックに 固定する傾斜機能材料から成る結合リング、及び前記キャビティと前記燃焼室ブ ロックとの間に形成した環状溝に塑性変形で嵌入した結合リングを有するので、 燃焼室壁面を高温化することによってハイドロカーボンHC、スモークの発生を 低減できる。また、前記傾斜機能材料のメタルフローによって前記リップ部を前 記燃焼室ブロックに強固に結合し、前記結合リングの塑性変形即ちメタルフロー によって前記燃焼室ブロックを前記ピストンヘッド部に強固に結合でき、燃焼室 の耐久性を向上させることができる。
【0020】 また、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記キャビティは上部が大径で 且つ下部が小径になる段部を備えており、また、前記燃焼室ブロックの外周面に はアンダカット部を有し、前記段部と前記アンダカット部とが当接して前記キャ ビティ内に前記燃焼室ブロックを配置したので、前記燃焼室ブロックの前記キャ ビティへの位置決めが確実に行われ、加工性及び組立性を大幅に向上でき、しか もメタルフローによる結合部の強度を強固なものにできる。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して、この考案による燃焼室を有するピストンの実施例を説 明する。図1はこの考案による燃焼室を有するピストンの一実施例を示す断面図 である。この考案による燃焼室を有するピストンは、リエントラント型ピストン であり、金属製ピストンヘッド部2に形成したキャビティ4、該キャビティ4内 に配置して燃焼室1を形成する高熱膨張金属材料から成る燃焼室ブロック3、該 燃焼室ブロック3の外面とキャビティ4の壁面との間に形成した断熱層5、及び 燃焼室ブロック3の上面に位置し且つピストンヘッド部2のキャビティ4壁面に 傾斜機能材料から成る結合リング12の塑性変形で結合されたリップ部10から 構成したものである。リップ部10は、ピストンヘッド部2に形成する燃焼室1 の上方を覆うように半径方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部6を 形成している。従って、燃焼室1については、燃焼室開口部6はキャビティ4の 上面に絞り込まれた噴口を形成したリエントラント型であり、キャビティ4の底 面は該開口部6より面積の大きい構造に形成されている。更に、ピストンヘッド 部2のキャビティ4に嵌合した燃焼室ブロック3の外周部には、別の燃焼室即ち 二次燃焼室11が形成されている。従って、燃焼室ブロック3によって形成され る燃焼室1は、一次燃焼室を形成している。この場合に、燃焼室ブロック3で形 成される燃焼室1の容積を90〜65%に形成し、別の燃焼室11の容積を10 〜35%に形成することが、燃焼室1での一次燃焼及び別の燃焼室11での二次 燃焼を最も良好に行わせることができる。
【0022】 また、この燃焼室を有するピストンにおいて、ピストンヘッド部2に形成する キャビティ4については、キャビティ4の上部を大きい径のキャビティに形成し 、キャビティ4の下部を燃焼室ブロック3が嵌合するサイズに形成する。キャビ ティ4の上部を大きい径のキャビティは、該キャビティ壁面と燃焼室ブロック3 の外周面との間に環状溝9を形成している。また、ピストンヘッド部2及びピス トンスカート部16との間に、断熱層5を形成するために、キャビティ4壁面に 多数の凹部を形成する。このように形成したキャビティ4に燃焼室ブロック3を 嵌入して配置する。
【0023】 この燃焼室を有するピストンは、ピストンヘッド部2はアルミニウム合金等の 金属材料の鋳込みによってキャビティ4を有する形状に成形される。燃焼室ブロ ック3は、ニッケルを含むニレジスト、非磁性のマンガン鋼等の高熱膨張金属か らカップ状に形成されている。リップ部10は、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の耐 熱性に富んだセラミックスから製作されている。結合リング12は、半径方向に 熱膨張率が異なる互いに固定された複数個の部材13,14,15,20から構 成された傾斜機能材料で製作され、該傾斜機能材料はリップ部10側の部材13 がリップ部10の熱膨張率に近い材料から成り、ピストンヘッド部2側の部材2 0はピストンヘッド部2の金属材料の熱膨張率と同等か又はそれに近い材料から 成り、中間の部材14,15は部材13と部材20との間の熱膨張率を有する材 料から成るものであり、互いにメタルフロー等で固定されている。結合リング1 2の部材13,14,15,20は、ニッケル系、コバルト系、鉄系の金属材料 から製作されている。結合リング12のメタルフロー即ち塑性変形による両者の 固定は、メタルフロー金属と非メタルフロー金属間に係止するための段部、凹部 等を形成することで確実に且つ強固に固定することができる。
【0024】 この燃焼室を有するピストンにおいて使用される材料について、アルミニウム 合金は熱膨張率αが21〜22×10- 6 /℃であり、ニレジストは熱膨張率α が17〜18×10- 6 /℃であり、また、マンガン鋼は熱膨張率αが22〜2 3×10- 6 /℃である。窒化ケイ素は熱膨張率αが3.2×10- 6 /℃であ る。また、結合リング12の外周側の部材20は、ピストンヘッド部2がアルミ ニウム合金である場合には、熱膨張率αが17〜18×10- 6 /℃程度のもの を使用し、部材13,14,15の熱膨張率αは、順次にリップ部10の熱膨張 率αに近づくように、ニッケルの含有量を調整することで得られるものである。 例えば、ニッケルの含有量が36%の熱膨張率αは、最も小さく1×10- 6 / ℃になる。
【0025】 また、燃焼室ブロック3の外面とキャビティ4の壁面との間に形成した断熱層 5は、空気層或いは空間に充填された断熱材によって構成されている。従って、 燃焼室1と金属材料から成るピストンヘッド部1及びピストンスカート部16は 、断熱層5によってある程度断熱されることになる。
【0026】 この燃焼室を有するピストンは、上記のように構成を有するので、次のように して作製することができる。アルミニウム合金等の金属材料を、キャビティ4を 形成する形状のピストン鋳型に鋳込むことによってピストンヘッド部2及びピス トンスカート部16を有するピストンを製作できる。次いで、ピストンヘッド部 2のキャビティ4内に断熱層5を形成する状態に燃焼室ブロック3を嵌入する。 また、リップ部10を傾斜機能材料から成る結合リング12にメタルフローで結 合する。例えば、高周波コイルに通電することによって結合リング12の部材1 3を加熱し、該部材13を塑性変形させてリップ部10に結合する。この時、結 合リング12の上面を二次燃焼室11を形成するようにテーパ面17に形成して おく。ピストンヘッド部2に燃焼室ブロック3を嵌入した状態で、ピストンヘッ ド部2の大径のキャビティ9の壁面に、結合リング12の部材20を上記と同様 にメタルフローによって結合し、それによってピストンヘッド部2に結合リング 12を介してリップ部10を固定する。従って、ピストンヘッド部2への燃焼室 ブロック3の配置及び燃焼室1を形成するリップ部10の結合は、加工性及び組 立性とも大幅に向上できる。
【0027】 また、この燃焼室を有するピストンにおいて、燃焼室1は高熱膨張金属から成 る燃焼室ブロック3で形成されているので、燃焼室壁面を高温化でき、燃焼室1 での一次燃焼においてハイドロカーボンHC、スモークの発生を低減できる燃焼 を行わせることができる。また、燃焼室1での燃焼において、燃料リッチな高当 量比で燃焼させることができ、燃焼室1でのNOX の生成を抑制できる。更に、 ピストンヘッド部2への燃焼室ブロック3の配置は、キャビティ4内に燃焼室ブ ロック3を嵌入するだけでよく、また、ピストンヘッド部2へのリップ部10の 固定は傾斜機能材料の結合リング12で達成できるので、傾斜機能材料により熱 膨張差は漸次に変化し、三者は強固に結合することができ、耐久性に富んだ燃焼 室1を提供できる。また、この燃焼室を有するピストンは、熱損失を低減でき、 低圧縮比化が可能になり、無駄容積の割合を減少できるので、スモークの発生を 低減できる。更に、この燃焼室を有するピストンは、耐焼付き性を向上させるこ ともできる。
【0028】 次に、図2を参照して、この考案による燃焼室を有するピストンの別の実施例 を説明する。図2はこの考案による燃焼室を有するピストンの別の実施例を示す 断面図である。図2に示すピストンでは、図1に示すピストンの構成部分に付し た部分と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。この実施 例は、図1のピストンと比較して、燃焼室ブロックが傾斜機能材料の一部材を構 成する以外は、同一の構成を有するものである。
【0029】 図2に示すように、この燃焼室を有するピストンは、ピストンヘッド部2のキ ャビティ4内に燃焼室ブロック3を嵌合し、次いで、燃焼室ブロック3の上部7 の外周面とピストンヘッド部2のキャビティ壁面との間に形成される環状溝9に 結合リング8をメタルフローで嵌入し、燃焼室ブロック3がピストンヘッド部2 に固定される。また、燃焼室ブロック3には、上部内周面にリップ部10が傾斜 機能材料から成る結合リング12で結合されている。燃焼室ブロック3に結合さ れたリップ部10は、半径方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部6 を形成している。言い換えれば、リップ部10とピストンヘッド部2との間には 、傾斜機能材料が配置されており、該傾斜機能材料は順次に熱膨張率が傾斜する 結合リング8、燃焼室ブロック3の上部7及び結合リング12から構成されてい ることになる。
【0030】 この燃焼室を有するピストンにおいて、リップ部10は、窒化ケイ素、炭化ケ イ素等の耐熱性に富んだセラミックスから製作されている。結合リング12は、 半径方向に熱膨張率が異なる互いに固定された複数個の部材13,14,15か ら構成された傾斜機能材料で製作され、該傾斜機能材料はリップ部10側の部材 13がリップ部10の熱膨張率に近い材料から成り、燃焼室ブロック3の上部7 側の部材15は燃焼室ブロック3の材料の熱膨張率に近い材料から成り、中間の 部材14は部材13と部材15との間の熱膨張率を有する材料から成るもので、 互いにメタルフロー等で固定されている。結合リング12は、ニッケル系、コバ ルト系、鉄系の金属材料から製作されている。結合リング12のメタルフロー即 ち塑性変形による両者の固定は、後述のメタルフローと同様に行うものであり、 メタルフロー金属と非メタルフロー金属間に係止するための段部、凹部等を形成 することで確実に且つ強固に固定することができる。
【0031】 次に、図3を参照して、この考案による燃焼室を有するピストンの更に別の実 施例を説明する。図3はこの考案による燃焼室を有するピストンの更に別の実施 例を示す断面図である。図3に示すピストンでは、図2に示すピストンの構成部 分に付した部分と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。 この実施例は、図2のピストンと比較して、キャビティと燃焼室ブロックの形状 が異なる以外は、同一の構成を有するものである。
【0032】 図3に示す燃焼室を有するピストンは、金属材料から成るピストンヘッド部2 に形成したキャビティ4、該キャビティ4内に配置した高熱膨張金属材料から成 る燃焼室ブロック3、該燃焼室ブロック3の外面とキャビティ壁面との間に形成 した断熱層5、燃焼室ブロック3に傾斜機能材料から成る結合リング12で固定 した半径方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部6を形成する耐熱材 から成るリップ部10、及びキャビティ4と燃焼室ブロック3との間に形成した 環状溝9に塑性変形で嵌入した結合リング8から構成されている。更に、この燃 焼室を有するピストンにおいて、キャビティ4は上部が大径で且つ下部が小径に なる段部18を備えており、また、燃焼室ブロック3の外周面にはアンダカット 部19を有し、段部18とアンダカット部19とが当接してキャビティ4内に燃 焼室ブロック3が配置されている。
【0033】 この燃焼室を有するピストンは、上記のように構成されているので、次のよう にして組み立てることができる。即ち、燃焼室ブロック3をピストンヘッド部2 に配置する場合には、ピストンヘッド部2に形成したキャビティ4の段部18に 燃焼室ブロック3のアンダカット部19を載置状態に嵌合させるだけで、燃焼室 ブロック3の位置決めが確実に行われ、加工性及び組立性を大幅に向上できる。 しかも、燃焼室ブロック3の外面とピストンヘッド部2にキャビティ4の壁面に は断熱層として空気層或いは断熱材を介在させるので、精度を要求させるもので なく、ラフな組み込み即ち嵌合でよく、組み込みは容易である。
【0034】 また、ピストンヘッド部2のキャビティ4に燃焼室ブロック3を配置した状態 で、燃焼室ブロック3の上部21の外周面とピストンヘッド部2にキャビティ4 の壁面との間に環状溝9が形成されるので、該環状溝に結合リング8を配置し、 高周波コイルに通電して結合リング8を加熱し、結合リング8を塑性変形させて プレス等で押し込めば、燃焼室ブロック3の外周面とピストンヘッド部2にキャ ビティ4の壁面とに形成した凹部23,24に結合リング8が侵入し、ピストン ヘッド部2に燃焼室ブロック3が強固に固定される。また、リップ部10を傾斜 機能材料から成る結合リング12に上記と同様にメタルフローで結合する。リッ プ部10を結合した結合リング12を、燃焼室ブロック3の上部内面に形成した 段部22に載置し、結合リング12の外側の部材15を、上記と同様に加熱して 塑性変形させ結合リング12を燃焼室ブロック3に結合する。
【0035】 従って、この燃焼室を有するピストンは、熱膨張率の小さいセラミックスから 成るリップ部10から熱膨張率の大きいアルミニウム合金から成るピストンヘッ ド部2は、結合リング12、燃焼室ブロック3及び結合リング8の各熱膨張率を 漸次に異なるように構成すれば、リップ部10とピストンヘッド部2とに大きな 熱膨張差が発生したとしても、結合リング12、燃焼室ブロック3及び結合リン グ8によって少しずつ吸収され、強固に結合されることになる。従って、この燃 焼室を有するピストンは、燃焼室1を軽度に断熱することができ、ピストンスカ ート部16への熱流を減少でき、放熱割合を減少させることができる。また、リ ップ部10を耐熱性で且つ高温高強度材で製作すれば、リップ部10のエッジを シャープな形状に形成でき、スキッシュ流及び逆スキッシュ流の発生で空気流動 を増大し、空気と燃料の混合を促進できる。
【0036】
【考案の効果】
この考案による燃焼室を有するピストンは、以上のように構成したので、次の ような効果を有する。この燃焼室を有するピストンは、金属材料から成るピスト ンヘッド部に形成したキャビティ、該キャビティ内に配置した高熱膨張金属材料 から成る燃焼室ブロック、該燃焼室ブロック外面と前記キャビティ壁面との間に 形成した断熱層、半径方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部を形成 するリップ部、及び前記燃焼室ブロックの上面に位置して前記リップ部を前記キ ャビティ壁面に固定する傾斜機能材料から成る結合リングから構成したので、燃 焼室壁面を高温化することによってハイドロカーボンHC、スモークの発生を低 減できる。また、前記リップ部と前記ピストンスカート部とは、前記結合リング の塑性変形即ちメタルフロー結合によって強固に結合でき、ピストンの耐久性を 向上させることができる。
【0037】 また、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記リップ部を前記ピストンヘ ッド部に傾斜機能材料から成る結合リングで固定した耐熱性に富んだセラミック スで製作したので、前記リップ部をシャープなエッジに形成し、良好なスキッシ ュ流及び逆スキッシュ流が発生し、燃料と空気との混合を一層良好に達成して一 次燃焼室で燃料リッチで燃焼させてNOX の発生を抑制し、カーボン発生量を抑 制し且つ燃費を低減して燃焼を改善できる。また、前記結合リングが前記リップ 部と前記ピストンヘッド部とに対して緩衝材として機能し、エンジン運転時に、 温度差による熱膨張差で熱応力が発生しても、該熱応力を前記結合リングで吸収 することができ、燃焼室に温度差で熱応力がかかっても前記リップ部の割れ、ク ラック等の発生を防止することができる。
【0038】 更に、前記結合リングは半径方向に熱膨張率が異なり且つ互いに固定された複 数個の部材から構成され、前記リップ部側に位置する前記部材は前記リップ部の 熱膨張率に近い熱膨張率の材料から成り、前記ピストンヘッド部側に位置する前 記部材は前記ピストンヘッド部の熱膨張率に近い熱膨張率の材料から成るので、 前記リップ部と前記ピストンヘッド部との間に配置した前記結合リングは、熱膨 張率を段階的に変化させて構成でき、熱膨張差による熱応力を良好に吸収でき、 燃焼室を構成する前記リップ部の割れ、溶損の発生を防止することができる。
【0039】 更に、前記リップ部を耐熱性に富んだ材料で構成することで鋭角に先尖りに形 成しても該リップ部のエッジが溶損することを防止し、該鋭角な先尖り状態のエ ッジ形状を維持できる。従って、前記リップ部を鋭角に先尖りに形成でき、前記 リップ部のエッジを鋭角に形成することによって、ピストンの上昇の圧縮行程で 発生する前記ピストンヘッド部に形成した燃焼室内へ流入するスキッシュ流、及 びピストン下降の爆発行程で発生するピストンヘッド部に形成した燃焼室内から 流出する逆スキッシュ流を増大することができ、該スキッシュ流及び該逆スキッ シュ流による噴霧燃料と空気との混合を一層良好に達成でき、従来のリエントラ ント型ピストンに比較して、ハイドロカーボン、カーボン発生量を抑制し且つ燃 料消費量を低減して燃焼を改善することができる。特に、この燃焼室を有するピ ストンを直噴式ディーゼルエンジンに用いた場合に、該エンジンの燃焼状態を改 善できるものである。
【0040】 更に、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記ピストンヘッド部には前記 キャビティの外周に形成された凹部から成る別の燃焼室が形成されているので、 逆スキッシュ流でシリンダ側に噴出した混合気及び燃焼ガスは該別の燃焼室に存 在する新気と混合して二次燃焼を良好に行い、カーボンの発生を抑制できる。
【0041】 また、この燃焼室を有するピストンは、前記リップ部を前記燃焼室ブロックに 固定する傾斜機能材料から成る結合リング、及び前記キャビティと前記燃焼室ブ ロックとの間に形成した環状溝に塑性変形で嵌入した結合リングから構成したの で、前記リップ部を2つの前記結合リングによって確実に前記ピストンヘッド部 に固定することができる。即ち、前記燃焼室ブロックと前記ピストンヘッド部と は前記結合リングを塑性変形で固定され、塑性変形即ちメタルフロー結合によっ て結合部の耐久性を向上できる。更に、前記キャビティと前記燃焼室ブロックと の間に断熱層が形成されているので、両者間の熱膨張差を吸収することができる 。
【0042】 更に、この燃焼室を有するピストンにおいて、前記キャビティは上部が大径で 且つ下部が小径になる段部を備えており、また、前記燃焼室ブロックの外周面に はアンダカット部を有し、前記段部と前記アンダカット部とが当接して前記キャ ビティ内に前記燃焼室ブロックを配置したので、前記燃焼室ブロックの前記キャ ビティへの位置決めが確実に行われ、加工性及び組立性を大幅に向上でき、しか もメタルフローによる結合部の強度を強固なものにできる。即ち、前記燃焼室ブ ロックを前記ピストンヘッド部に配置する場合には、前記段部に前記アンダカッ ト部を載置状態に嵌合させるだけで、前記燃焼室ブロックの位置決めが確実に行 われ、加工性及び組立性を大幅に向上できる。しかも、前記燃焼室ブロック外面 と前記ピストンヘッド部に前記キャビティ壁面には前記断熱層として空気層或い は断熱材を介在させるので、精度を要求させるものでなく、ラフな組み込み即ち 嵌合でよく、組み込みは容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による燃焼室を有するピストンの一実
施例を示す断面図である。
【図2】この考案による燃焼室を有するピストンの別の
実施例を示す断面図である。
【図3】この考案による燃焼室を有するピストンの更に
別の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 2 ピストンヘッド部 3 燃焼室ブロック 4 キャビティ 5 断熱層 6 燃焼室開口部 8 結合リング 9 環状溝 10 リップ部 11 二次燃焼室 12 結合リング 13,14,15,20 部材 16 ピストンスカート部 18 段部 19 アンダカット部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料から成るピストンヘッド部に形
    成したキャビティ、該キャビティ内に配置した高熱膨張
    金属材料から成る燃焼室ブロック、該燃焼室ブロック外
    面と前記キャビティ壁面との間に形成した断熱層、半径
    方向内向きに先尖りに伸びるループ状燃焼室開口部を形
    成するリップ部、及び前記燃焼室ブロックの上面に位置
    して前記リップ部を前記キャビティ壁面に固定する傾斜
    機能材料から成る結合リングから構成した燃焼室を有す
    るピストン。
  2. 【請求項2】 前記ピストンヘッド部には前記キャビテ
    ィの外周に形成された凹部から成る別の燃焼室が形成さ
    れている請求項1に記載の燃焼室を有するピストン。
  3. 【請求項3】 前記リップ部を前記燃焼室ブロックに固
    定する傾斜機能材料から成る結合リング、及び前記キャ
    ビティと前記燃焼室ブロックとの間に形成した環状溝に
    塑性変形で嵌入した結合リングから構成した請求項1に
    記載の燃焼室を有するピストン。
  4. 【請求項4】 前記キャビティは上部が大径で且つ下部
    が小径になる段部を備えており、また、前記燃焼室ブロ
    ックの外周面にはアンダカット部を有し、前記段部と前
    記アンダカット部とが当接して前記キャビティ内に前記
    燃焼室ブロックが配置されている請求項3に記載の燃焼
    室を有するピストン。
JP7684191U 1991-08-31 1991-08-31 燃焼室を有するピストン Pending JPH0521148U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002364370A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 筒内噴射式火花点火機関

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