JPH05214317A - ころがり軸受用シール - Google Patents

ころがり軸受用シール

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JPH05214317A
JPH05214317A JP4017098A JP1709892A JPH05214317A JP H05214317 A JPH05214317 A JP H05214317A JP 4017098 A JP4017098 A JP 4017098A JP 1709892 A JP1709892 A JP 1709892A JP H05214317 A JPH05214317 A JP H05214317A
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JP
Japan
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essential component
group
seal
tetrafluoroethylene
rolling bearing
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JP4017098A
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Inventor
Masao Kato
正雄 加藤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺動抵抗が小さく、長期的に安定したシール
機能を有するころがり軸受用シールを提供する。 【構成】 摺動部と接するリップ部10,11,12を
有し、少なくともこのリップ部10,11,12の摺動
部と接する部分が潤滑性ゴム組成物から形成され、この
潤滑性ゴム組成物が、第1必須成分である熱可塑性フル
オロ樹脂、第2必須成分であるフッ素ゴム、および第3
必須成分である低分子用含フッ素重合体を含む、ころが
り軸受用シール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車および一般産
業機械などにおいて、ころがりおよび滑り軸受用シール
として用いることのできる、ころがり軸受用シールに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ホイール軸受シールなどの
ころがり軸受用シールに用いられるゴム部材としては、
ニトリル系ゴム、アクリル系ゴムおよびシリコーン系ゴ
ムなどが用いられている。シール構造としては複数のリ
ップが設けられており、これらのリップにより空間が形
成されている。これらの従来のゴム材料は、自己潤滑性
がないので、摩耗および摩擦を低減させるためにリップ
間の空間には潤滑グリースが充填されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに空間に充填されたグリースは、使用している間に漏
れ出し、グリースが枯渇してしまう場合があった。この
ため、摩擦トルクが大きくなり、また摩耗が進行しシー
ル機能を十分に発揮することができなくなるという問題
を生じた。
【0004】この発明は、このような従来の問題点を解
消するためなされたものであり、摺動抵抗が小さく、シ
ール機能を長期的に安定して保つことのできるころがり
軸受用シールを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に従うころがり
軸受用シールは、摺動部と接するリップ部を少なくとも
2つ備え、少なくともリップ部の摺動部と接する部分が
潤滑性ゴム組成物から形成され、潤滑性ゴム組成物が、
第1必須成分である熱可塑性フルオロ樹脂、第2必須成
分であるフッ素ゴム、および第3必須成分である低分子
量含フッ素重合体を含むことを特徴としている。
【0006】この発明において、第1必須成分である熱
可塑性フルオロ樹脂とは、主鎖に炭素鎖を持ち、側鎖に
フッ素の結合を持つポリマーである。このような熱可塑
性フルオロ樹脂としては、たとえば、テトラフルオロエ
チレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(以下PFAと略記する)、テトラフルオロエチレン・
ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体(以下EPEと略記する)、テトラ
フルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(以下FEPと略記する)、テトラフルオロエチレン・
エチレン共重合体(以下ETFEと略記する)、トリフ
ルオロクロロエチレン重合体(以下CTFEと略記す
る)、トリフルオロクロロエチレン・エチレン共重合体
(以下ECTFEと略記する)、ポリビニルフルオライ
ド(以下PVFと略記する)およびポリビニリデンフル
オライド(以下PVDEと略記する)からなる群から選
ばれる1種以上の重合体であることが好ましい。特に混
練工程において繊維化しないこと、溶融性等の混練性の
容易さ、および最終製品のゴム状弾性維持を考慮すると
ETFE、PFA、FEPが好ましい。ETFEにおい
てはMI値(メルトインデックス)が300℃、216
0gにて1〜20g/10minであるものがよい。
【0007】上記のいずれの樹脂も、触媒乳化重合、懸
濁重合、触媒溶液重合、気相重合および電離性放射線照
射重合などの各種重合方式により製造することができ
る。分子量は、50,000以下のものが望ましく、5,0
00を超えほぼ20,000以下のものが特に望ましい。
【0008】以上の条件に該当する代表例としては、前
記したPFAの三井・デュポンフロロケミカル社製PF
A MP10、FEPである三井・デュポンフロロケミ
カル社製テフロンFEP100、ETFEである旭硝子
社製アフロンCOP、CTFEであるダイキン工業社製
ネオフロンCTFE、PVDFである呉羽化学社製KF
ポリマー、PVFであるデュポン社製Tedlarなど
が挙げられる。
【0009】この発明においてフッ素ゴムとは、平均し
て1個以上のフッ素原子を含む単位モノマーを重合体ま
たは共重合体であって、ガラス転移点が室温以下であ
り、室温でゴム状弾性を有するものであれば、特に限定
されるものでなく、広範囲のものを例示することができ
る。
【0010】フッ素ゴムの重合方式としては、塊状重
合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、触媒重合、電離性
放射線重合、およびレドックス重合などを挙げることが
できる。またフッ素ゴムの分子量は、通常5万以上のも
のが望ましく、可及的に高分子量のものが良好な結果を
得ることから、より望ましくは7万以上、特に望ましく
は10万〜25万程度のものを用いる。
【0011】以上の条件に該当する代表例としては、テ
トラフルオロエチレン・プロピレン共重合体である旭硝
子社製アフラス、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体であるデュポン・昭和電工社製バイト
ン、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン・テ
トラフルオロエチレン共重合体であるモンテフルオス社
製テクノフロン、フルオロシリコーン系エラストマであ
るダウコーニング社製シラスティックLS、フォスファ
ゼン系エラストマであるファイアストーン社製PNF、
およびパーフルオロ系エラストマであるダイキン工業社
製ダイエルパーフロなどを挙げることができる。
【0012】上記したフッ素ゴムおよび熱可塑性フルオ
ロ樹脂を混合した組成物は、弾性体としての特性を有す
る。この発明において、第3必須成分である低分子量含
フッ素重合体は、このような弾性体にさらに優れた摺動
特性を付与するために配合されるものである。
【0013】この発明において、低分子量含フッ素重合
体とは、テトラフルオロエチレン(TFE)、主要構造
単位−Cn 2n−O−(nは1〜4の整数)を有するフ
ルオロポリエーテル、主要構造単位
【0014】
【化1】
【0015】などを有するポリフルオロアルキル基含有
化合物(炭素数2〜20)のうち分子量50,000以下
のものをいう。優れた摺動特性を付与するためには、低
分子量含フッ素重合体の分子量は5,000以下であるこ
とが特に好ましい。このような低分子量含フッ素重合体
のうち、次式で示されるテトラフルオロエチレン重合体
の平均粒径5μm以下のものが特に好ましい。
【0016】
【化2】
【0017】このようなものとして、たとえば、デュポ
ン社製バイダックスAR、および旭硝子社製フルオンル
ブリカントL169などを挙げることができる。
【0018】次に、−Cn 2n−O−(nは1〜4の整
数)の主要構造単位を有する平均分子量50,000以下
のフルオロポリエーテルとしては、
【0019】
【化3】
【0020】などを例示することができる。このような
重合体は、他の配合材料および添加剤に対する親和性
(密着性)の向上のために、イソシアネート基、水酸
基、カルボキシル基、およびエステル基などの官能基を
含む構造単位を有するものが望ましい。
【0021】このようなフルオロポリエーテルの具体例
としては、以下のようなものが挙げられる。
【0022】
【化4】
【0023】これらのフルオロポリエーテルは、単独で
使用してもよいし、併用してもよい。また、官能基に活
性化水素が含まれているフルオロポリエーテルとポリフ
ルオロポリエーテル基を含有しないイソシアネート化合
物とを併用してもよい。また、イソシアネート基を有す
るフルオロポリエーテルと、各種のフルオロポリエーテ
ル基を含有しないジアミン類、トリアミン類、または各
種のフルオロポリエーテル基を含有しないジオール類、
トリオール類を併用するなどの方法を採用してもよい。
【0024】特に官能基同士が反応して分子量の増大が
起こるようなフルオロポリエーテルを組合せて使用する
ことが好ましい。このようなものとして、たとえば、イ
ソシアネート基を含む単位を有するものと、水酸基を含
む単位を有するものとを組合せることは同様に望ましい
ことである。
【0025】ポリフルオロアルキル基含有化合物として
は、たとえば以下に示すようなポリフルオロアルキル基
を有するものが挙げられる。
【0026】
【化5】
【0027】以上のようなポリフルオロアルキル基(炭
素数2〜20)を有し、平均分子量が50,000以下の
ものとしては、
【0028】
【化6】
【0029】など、反応性基およびポリフルオロアルキ
ル基を有する化合物と、その反応性基と反応する基を有
するエチレン性不飽和化合物との反応物(たとえば、フ
ルオロアルキルアクリレートなど)の重合体、ならびに
反応性基およびポリフルオロアルキル基を有する化合物
とその反応性基と反応する基を有する各種重合体との反
応物、または前記化合物の重縮合物などが挙げられる。
【0030】ポリフルオロアルキル基含有化合物は、上
述のフルオロポリエーテル基と同様に、他の配合材料お
よび添加剤を親和性(密着性)の向上のために親和性の
高い官能基、たとえばイソシアネート基、水酸基、メリ
カプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、お
よびスルフォン基などを含む単位を有する化合物が好ま
しい。
【0031】これらのポリフルオロアルキル基含有化合
物は、単独での使用または併用のいずれでもよい。ま
た、活性化水素を有する反応基を有するポリフルオロア
ルキル基含有化合物と、ポリフルオロアルキル基を有し
ないイソシアネート化合物とを併用してもよい。また、
イソシアネート基を有するポリフルオロアルキル基含有
化合物と、各種のポリフルオロアルキル基を含有しない
ジアミン類、トリアミン類または各種のポリフルオロア
ルキル基を含有しないジオール類、トリオール類を併用
するなどの方法を採用してもよい。
【0032】官能基同士の組合せは、強度増加のうえか
ら好ましく、具体的には炭素数2〜20のポリフルオロ
アルキル基を有し、かつ、水酸基、メルカプト基、カル
ボキシル基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種類を
含む含フッ素重合体との組合せ、または炭素数2〜20
のポリフルオロアルキル基を有し、かつ、イソシアネー
ト基を含む単位を有する含フッ素重合体と、炭素数2〜
20のポリフルオロアルキル基を有し、さらに活性化水
素を有する反応基を含む単位を有する含フッ素重合体と
の組合せを挙げることができる。
【0033】これらの低分子量含フッ素重合体のうち、
テトラフルオロエチレン重合体またはフルオロポリエー
テルを用いると、潤滑性において優れた結果が得られ、
特に平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチレン重合
体を用いると最も望ましい結果を得ることが判明してい
る。
【0034】この発明において、フッ素ゴムおよび熱可
塑性フルオロ樹脂の配合比は、フッ素ゴムと熱可塑性フ
ルオロ樹脂の重量比が50:50から95:5となるこ
とが望ましい。熱可塑性フルオロ樹脂の配合重量比が5
0/100を超えると、目的の組成物に十分な弾性特性
が得られず、5/100未満になると十分な耐摩耗性が
得られないからである。
【0035】また、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂
の合計100重量部に対して、低分子量含フッ素重合体
は5〜50重量部であることが好ましい。低分子量含フ
ッ素重合体の配合比が5重量部未満では、十分な摺動特
性が得られず、50重量部を超えるとゴム状弾性特性が
損なわれるからである。
【0036】また、上記の潤滑性ゴム組成物に対し、3
00℃において不溶融な熱硬化性樹脂の硬化粉末、また
はガラス転移点が300℃以上の耐熱性樹脂粉末を添加
して耐摩耗性を向上させることができる。
【0037】熱硬化性樹脂の粉末としては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化後の微粉末、ガラス転
移点が300℃以上である耐熱性樹脂としては、ポリイ
ミド樹脂、芳香族アラミド樹脂等の微粉末が挙げられ
る。
【0038】市販の樹脂粉末のうち、フェノール樹脂の
硬化粉砕品としては、鐘紡社製:ベルパールH300,
ポリイミド樹脂の硬化粉砕品としては、三笠産業社製:
PWA20、芳香族アラミド樹脂の粉砕品としては、旭
化成社製:MP−P、ガラス転移点Tgが300℃以上
の熱硬化性樹脂粉末としては宇部興産社製:ユーピレッ
クスS(Tg>500)などがある。
【0039】このような熱硬化性樹脂粉末の粒径は、1
〜15μmのものがゴム状弾性の維持と混練工程の容易
性の点で好ましい。熱硬化性樹脂粉末は、第1〜3の必
須成分に対して、5〜20重量%添加することが好まし
い。5重量%未満では耐摩耗性向上の効果がなく、20
重量%を超える多量ではゴム弾性が低下するので好まし
くない。
【0040】なお、この発明の目的を損なわない範囲
で、上記成分の他に各種添加剤を配合してもよい。たと
えば、フッ素ゴムの加硫剤としてイソシアヌレイト、有
機過酸化物等、ステアリン酸ナトリウム、酸化マグネシ
ウム、および水酸化カルシウムなどの酸化防止剤、また
は受酸剤、カーボンなどの帯電防止剤、シリカおよびア
ルミナなどの充填剤、その他金属酸化物、着色剤、およ
び難燃剤などを適宜加えてもよいことは言うまでもな
い。
【0041】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定されるものではなく、通常広く用いられている方法に
より混合することができる。たとえば、主原料になるエ
ラストマー、その他の原料をそれぞれ個別に順次、また
は同時に、ロール混合機その他の混合機により混合すれ
ばよい。なお、このとき摩擦による発熱を防止する意味
で温調機を設けることが望ましい。
【0042】また、ロール混合機を使用する場合には、
仕上げの混合として、ロール間隔を3mm以下程度に締
めて薄通しを行なうとさらに良い。
【0043】この発明に従うころがり軸受用シールは、
成形工程において特に限定した手段を必要とするもので
はなく、通常のプレス成形方法で、一次加流(たとえば
140〜170℃で10〜30分、加圧5〜10kgf
/cm2 )した後、二次加流(たとえば、200〜30
0℃で2〜20時間、加圧なし)してシールに成形する
ことができる。
【0044】また、リップ部のうち摺動部と接する部分
のみを上述の第1〜第3必須成分を含む潤滑性ゴム組成
物で成形し、その他の部分を一般の合成ゴム、プラスチ
ックあるいは金属で複合成形してもよい。
【0045】この際の一般合成ゴムとしては、ニトリル
ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴ
ム、スチレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコ
ーンゴム、エチレンゴム、およびフッ素ゴムなどの加流
ゴムまたはウレタン、ポリエステル、ポリアミド、塩化
ビニル、ポリブタジエンおよび軟質ナイロンなどの熱可
塑性エラストマー、ならびに液状ウレタンおよび液状ブ
タジエンなどの液状エラストマーが挙げられる。
【0046】
【発明の作用効果】この発明に従うころがり軸受用シー
ルは、第1〜第3必須成分を含む潤滑性ゴム組成物から
形成されており、この潤滑性ゴム組成物はゴム組成物自
身が自己潤滑性を有しているため、摺動抵抗すなわち摩
擦係数が小さい。従来のシールでは、摩擦トルクを低下
させるために潤滑グリースをリップ間の空間の充填した
り、シールリップの緊迫力を下げていた。しかしなが
ら、シールリップの緊迫力を下げると、シール性が犠牲
にされてしまう。この発明に従うころがり軸受用シール
では、このように緊迫力を下げずとも摩擦トルクを低下
させることができるため、長期的に安定したシール機能
を発揮させることができる。
【0047】また、この発明に従うころがり軸受用シー
ルでは、従来のようにリップ間の空間に潤滑グリースを
充填する必要がなくなり、潤滑グリースを充填せずに使
用することができる。また、従来のシールに比べ非粘着
性に優れているため、水はじきがよく、リップ内への水
の浸入を少なくすることができる。
【0048】
【実施例】図2は、この発明の一実施例であるころがり
軸受用シールが用いられるホイール軸受を示す断面図で
ある。図2を参照して、軸受内輪1の周りには軸受外輪
2が設けられている。軸受内輪1と軸受外輪2との間に
はボールベアリングである転動体3が2列に並べて複数
配置されている。転動体3は保持器4によって保持され
ている。
【0049】転動体3が配置されている内部をシールす
るため、軸受内輪1と軸受外輪2との間の両側端部には
環状のシール5が取付けられている。
【0050】図1は、このシール5を示す断面図であ
る。図1を参照して、シール部材9の外側には、断面が
ほぼL字状のシール芯金網板7が取付けられており、内
側には断面がL字状のデフレクター鋼板8が取付けられ
ている。シール部材9は、第1〜第3必須成分を含む潤
滑性ゴム組成物から形成されている。
【0051】シール部材9のデフレクター鋼板8側に
は、第1ダストリップ10、第2ダストリップ11、お
よびグリースリップ12が設けられており、それぞれの
リップがデフレクター鋼板8に形成された溝に噛み合わ
されている。グリースリップ12により空間13が形成
され、第2ダストリップ11およびグリースリップ12
により空間14が形成され、第1ダストリップ10と第
2ダストリップ11により空間15が形成されている。
従来のシールでは、これらの空間13,14および15
に潤滑性グリースが充填されている。
【0052】この実施例では、シール部材9が、自己潤
滑性を有する潤滑性ゴム組成物から形成されているた
め、これらの空間13,14および15に潤滑性グリー
スを充填せずとも用いることができる。当然のことなが
ら、これらの空間に潤滑性グリースを充填して用いるこ
ともできる。
【0053】図4は、この発明に従う他の実施例のころ
がり軸受用シールが用いられるホイール軸受を示す断面
図である。図4を参照して、軸受内輪21の周りには、
軸受外輪22が設けられている。軸受内輪21と軸受外
輪22の間にはボールベアリングである転動体23が2
列に並べて設けられている。軸受内輪21は軸26の周
りに設けられるものである。軸受内輪21と軸受外輪2
2の間の外側部分には、環状のシール25が設けられて
いる。
【0054】図3は、このシール25を示す断面図であ
る。図3を参照して、軸受外輪22と接する部分にはシ
ール芯金鋼板27が設けられている。このシール芯金鋼
板27の端部にシール部材29が取付けられており、こ
のシール部材29は、軸受内輪1と接する部分に第2ダ
ストリップ31およびグリースリップ32の2つのリッ
プが設けられている。第2ダストリップ31およびグリ
ースリップ32は、軸受内輪21に形成された溝に嵌め
られている。
【0055】またシール部材29は、軸26と接する部
分に第1ダストリップ30が設けられており、この第1
ダストリップ30は軸26に形成された溝に嵌め入れら
れている。
【0056】シール部材29の内側には空間33が形成
されており、第2ダストリップ31とグリースリップ3
2の間には空間34が形成されており、第1ダストリッ
プ30と第2ダストリップ31の間には空間35が形成さ
れている。
【0057】従来はこれらの空間に潤滑用グリースが充
填されて用いられている。この実施例では、シール部材
29が自己潤滑性を有するゴム組成物から形成されてい
るため、これらの空間に潤滑性グリースを充填せずとも
用いることができる。当然のことながら、これらの空間
に従来と同様に潤滑性グリースを充填して用いることも
できる。
【0058】図5にこの発明で用いられる潤滑性ゴム組
成物の摩擦特性を評価するためのシール形状を示す。
【0059】図6および図7は、このラジアル型摩擦摩
耗試験の結果を示す図であり、特に図6は温度上昇と回
転トルクの関係を示し、図7は回転数と回転トルクとの
関係を示す。図6および図7から明らかなように、本発
明例の潤滑性ゴム組成物は、温度上昇も小さく低いトル
クである。
【0060】図8は、本発明例の潤滑性ゴム組成物の動
摩擦係数を示す図である。図8から明らかなように従来
のNBRに比べ、本発明例の潤滑性ゴム組成物は低い動
摩擦係数を示している。
【0061】次に、本発明例で用いる潤滑性ゴム組成物
の非粘着性を評価するため接触角を測定した。
【0062】その結果本発明例の潤滑性ゴム組成物は9
5〜100度であったのに対し、NBRは60〜65度
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のころがり軸受用シールを
示す断面図である。
【図2】図1に示すシールが取付けられるホイール軸受
を示す断面図である。
【図3】この発明の他の実施例のころがり軸受用シール
を示す断面図である。
【図4】図3に示すシールが取付けられるホイール軸受
を示す断面図である。
【図5】トルクおよび温度上昇性能を評価したシール形
状寸法を示す。
【図6】この発明の実施例におけるラジアル運動でのト
ルクおよび温度上昇性能を示す図である。
【図7】この発明の実施例におけるラジアル運動での回
転数および回転トルクの関係を示す図である。
【図8】この発明の実施例における動摩擦係数を示す図
である。
【符号の説明】
1,21 軸受内輪 2,22 軸受外輪 3,23 転動体 4 保持器 5,25 シール 6,26 軸 7,27 シール芯金鋼板 8 デフレクター鋼板 9,29 シール部材 10、30 第1ダストリップ 11,31 第2ダストリップ 12,32 グリースリップ 13,14,15 33,34,35 空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動部と接するリップ部を少なくとも2
    つ備えるころがり軸受用シールであって、 少なくとも前記リップ部の摺動部と接する部分が潤滑性
    ゴム組成物から形成され、 前記潤滑性ゴム組成物が、第1必須成分である熱可塑性
    フルオロ樹脂、第2必須成分であるフッ素ゴム、および
    第3必須成分である低分子量含フッ素重合体からなる、
    ころがり軸受用シール。
  2. 【請求項2】 前記潤滑性ゴム組成物に、熱硬化性樹脂
    の硬化粉末またはガラス転移点が300℃以上の耐熱性
    樹脂粉末が添加されている、請求項1に記載のころがり
    軸受用シール。
  3. 【請求項3】 第1必須成分である熱可塑性フルオロ樹
    脂がテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テト
    ラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエー
    テル共重合体およびテトラフルオロエチレン・ヘキサフ
    ルオロプロピレン共重合体からなる群から選ばれる1種
    以上である、請求項1に記載のころがり軸受用シール。
  4. 【請求項4】 第2必須成分が、分子量10万から25
    万のフッ素ゴムである、請求項1に記載のころがり軸受
    用シール。
  5. 【請求項5】 第2必須成分であるフッ素ゴムが、テト
    ラフルオロエチレン・プロピレン共重合体、フッ化ビニ
    リデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビ
    ニリデン・ヘキサフルオロプロピレン・テトラフルオロ
    エチレン共重合体、フルオロシリコーン系エラストマー
    およびパーフルオロ系エラストマーからなる群から選ば
    れる1種以上の重合体である、請求項1に記載のころが
    り軸受用シール。
  6. 【請求項6】 第3必須成分である低分子量含フッ素重
    合体が、分子量50,000以下の重合体であるテトラフ
    ルオロエチレン重合体、フルオロポリエーテルおよびポ
    リフルオロアルキル基含有化合物からなる群から選ばれ
    る1種以上の重合体である、請求項1に記載のころがり
    軸受用シール。
  7. 【請求項7】 第3必須成分である低分子量含フッ素重
    合体が、平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチレン
    重合体である、請求項1に記載のころがり軸受用シー
    ル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128324A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Nsk Ltd 直線運動装置及び直線運動装置用シール部材の製造方法
JP2011202708A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Ntn Corp ボールねじ

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JP2008128324A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Nsk Ltd 直線運動装置及び直線運動装置用シール部材の製造方法
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