JPH05219946A - 薬剤耐性癌に関するモノクローナル抗体生産性ハイブリドーマ - Google Patents
薬剤耐性癌に関するモノクローナル抗体生産性ハイブリドーマInfo
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- JPH05219946A JPH05219946A JP3309471A JP30947191A JPH05219946A JP H05219946 A JPH05219946 A JP H05219946A JP 3309471 A JP3309471 A JP 3309471A JP 30947191 A JP30947191 A JP 30947191A JP H05219946 A JPH05219946 A JP H05219946A
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- cells
- drug
- monoclonal antibody
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 本発明によるモノクローナル抗体生産性ハイ
ブリドーマは、ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアド
リアマイシン耐性株K562/ADMにより免疫したマ
ウスから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞との細胞
融合により作成されたものである。 【効果】 上記ハイブリドーマにより生産されたモノク
ローナル抗体は多剤交叉耐性を示す癌細胞を選択的に増
殖阻害するか、あるいはその薬物に対する感受性を高め
る能力を有している。
ブリドーマは、ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアド
リアマイシン耐性株K562/ADMにより免疫したマ
ウスから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞との細胞
融合により作成されたものである。 【効果】 上記ハイブリドーマにより生産されたモノク
ローナル抗体は多剤交叉耐性を示す癌細胞を選択的に増
殖阻害するか、あるいはその薬物に対する感受性を高め
る能力を有している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤耐性癌細胞に関す
るモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマに関す
る。
るモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマに関す
る。
【0002】癌を化学療法により治療していく際に、抗
癌剤に対する耐性を有する癌細胞が選択されて出現して
くる現象がみられ、重大な問題となっている。この耐性
を克服するためには抗癌剤の投与量を増やすことが考え
られよう。しかし、投与量の増大は正常細胞に対する障
害という副作用で患者を不必要に苦しめることになる。
耐性克服のための他の手段として他の種類の抗癌剤を使
用することが考えられよう。しかし、この場合では、一
旦一つの薬剤に対し耐性となった癌細胞はしばしばいわ
ゆる「多剤交叉耐性(pleiotropic drug resistance )
を示すことがあって効果が少ないことが多い。
癌剤に対する耐性を有する癌細胞が選択されて出現して
くる現象がみられ、重大な問題となっている。この耐性
を克服するためには抗癌剤の投与量を増やすことが考え
られよう。しかし、投与量の増大は正常細胞に対する障
害という副作用で患者を不必要に苦しめることになる。
耐性克服のための他の手段として他の種類の抗癌剤を使
用することが考えられよう。しかし、この場合では、一
旦一つの薬剤に対し耐性となった癌細胞はしばしばいわ
ゆる「多剤交叉耐性(pleiotropic drug resistance )
を示すことがあって効果が少ないことが多い。
【0003】従って、こうした癌細胞の薬剤耐性を克服
するため、副作用が少なくて、選択性の高い、かつ多剤
交叉耐性を示す癌細胞に対して有効な薬剤あるいは方法
の確立は重要な課題となっている。
するため、副作用が少なくて、選択性の高い、かつ多剤
交叉耐性を示す癌細胞に対して有効な薬剤あるいは方法
の確立は重要な課題となっている。
【0004】
【従来の技術】多剤交叉耐性を示す癌細胞に選択性を有
するモノクローナル抗体は既に作成されている〔ジャー
ナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(J. Clin. Onc
ology)、第3巻、第311〜315頁(1985
年)〕。これは、多剤交叉耐性を示す癌細胞の細胞膜上
に特異的に出現する分子量17万〜18万ダルトンの糖
蛋白質に反応するモノクローナル抗体である。しかし、
このモノクローナル抗体を作成する際に用いた耐性細胞
株は、ヒトではなくてチャイニーズハムスター由来のも
のであり、またこのモノクローナル抗体により耐性癌細
胞の薬剤に対する感受性については何ら報告されていな
い。
するモノクローナル抗体は既に作成されている〔ジャー
ナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(J. Clin. Onc
ology)、第3巻、第311〜315頁(1985
年)〕。これは、多剤交叉耐性を示す癌細胞の細胞膜上
に特異的に出現する分子量17万〜18万ダルトンの糖
蛋白質に反応するモノクローナル抗体である。しかし、
このモノクローナル抗体を作成する際に用いた耐性細胞
株は、ヒトではなくてチャイニーズハムスター由来のも
のであり、またこのモノクローナル抗体により耐性癌細
胞の薬剤に対する感受性については何ら報告されていな
い。
【0005】従って、この先行技術に係るモノクローナ
ル抗体は、ヒト薬剤耐性癌細胞の選択的治療に用いるこ
とができないであろうと解される。
ル抗体は、ヒト薬剤耐性癌細胞の選択的治療に用いるこ
とができないであろうと解される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、癌細胞の薬剤耐性を克服するため、副作用
が少なくて、選択性の高い、かつ多剤交互耐性を示す癌
細胞に対して有効な薬剤を提供することである。
する課題は、癌細胞の薬剤耐性を克服するため、副作用
が少なくて、選択性の高い、かつ多剤交互耐性を示す癌
細胞に対して有効な薬剤を提供することである。
【0007】
<要 旨>本発明者らは、アドリアマイシン耐性腫瘍
細胞で免疫したマウスの脾細胞とマウス骨髄腫細胞とを
融合させて得られたハイブリドーマにより生産されるモ
ノクローナル抗体が多剤交叉耐性を示す癌細胞を選択的
に増殖阻害するかあるいはその薬物に対する感受性を高
めることを見出して本発明を完成した。
細胞で免疫したマウスの脾細胞とマウス骨髄腫細胞とを
融合させて得られたハイブリドーマにより生産されるモ
ノクローナル抗体が多剤交叉耐性を示す癌細胞を選択的
に増殖阻害するかあるいはその薬物に対する感受性を高
めることを見出して本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明によるモノクローナル抗
体生産性ハイブリドーマは、ヒト骨髄性白血病細胞株K
562のアドリアマイシン耐性株K562/ADMによ
り免疫したマウスから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫
細胞との細胞融合により作成されたものである。ただ
し、このモノクローナル抗体は、下記の(イ)〜(ニ)
によって定義されるものである。
体生産性ハイブリドーマは、ヒト骨髄性白血病細胞株K
562のアドリアマイシン耐性株K562/ADMによ
り免疫したマウスから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫
細胞との細胞融合により作成されたものである。ただ
し、このモノクローナル抗体は、下記の(イ)〜(ニ)
によって定義されるものである。
【0009】(イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562
のアドリアマイシン耐性株K562/ADMにより免疫
されたマウスから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞
とを融合させて作成したハイブリドーマにより生産され
るものであること。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。
のアドリアマイシン耐性株K562/ADMにより免疫
されたマウスから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞
とを融合させて作成したハイブリドーマにより生産され
るものであること。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。
【0010】<効 果>前記したように、また後記実
験例から明らかなように、本発明によるハイブリドーマ
により生産されたモノクローナル抗体は多剤交叉耐性を
示す癌細胞を選択的に増殖阻害するか、あるいはその薬
物に対する感受性を高める能力を有している。
験例から明らかなように、本発明によるハイブリドーマ
により生産されたモノクローナル抗体は多剤交叉耐性を
示す癌細胞を選択的に増殖阻害するか、あるいはその薬
物に対する感受性を高める能力を有している。
【0011】従って、本発明によるハイブリドーマによ
り生産されるモノクローナル抗体は、副作用が少なくて
選択性の高いかつ多剤交叉耐性を示す癌細胞に対して有
効な薬剤あるいは方法の確立という重要な課題に対する
一つの解決手段となりうるものである。
り生産されるモノクローナル抗体は、副作用が少なくて
選択性の高いかつ多剤交叉耐性を示す癌細胞に対して有
効な薬剤あるいは方法の確立という重要な課題に対する
一つの解決手段となりうるものである。
【0012】 〔発明の具体的説明〕本発明は、モノクローナル抗体生
産性ハイブリドーマに関するものである。このハイブリ
ドーマについて、その生産物であるモノクローナル抗体
と共に説明すれば下記の通りである。
産性ハイブリドーマに関するものである。このハイブリ
ドーマについて、その生産物であるモノクローナル抗体
と共に説明すれば下記の通りである。
【0013】細胞融合法を含めてモノクローナル抗体の
製造に関しては既に綜説ないし成書がいくつか知られて
いるので、本発明の一具体例についての下記の説明以外
に必要な情報に関してはそれらの文献を参照されたい。
適当な文献のいくつかを挙げれば、たとえば、ガルフレ
およびミルステイン:「メソッヅ・イン・エンザイモロ
ジー」(G.Galfre,C. Milstein: Methods Engymol.)第
73巻、第3‐46頁(1981)およびゴーディン
グ:「モノクローナル・アンチボディーズ:プリンシプ
ルズ・アンド・プラクチス」(アカデミック・プレス刊
1983)(J.W.Goding:Monoclonal Antibodies:Princ
iples and Practice,Academic Press,1983)がある。
製造に関しては既に綜説ないし成書がいくつか知られて
いるので、本発明の一具体例についての下記の説明以外
に必要な情報に関してはそれらの文献を参照されたい。
適当な文献のいくつかを挙げれば、たとえば、ガルフレ
およびミルステイン:「メソッヅ・イン・エンザイモロ
ジー」(G.Galfre,C. Milstein: Methods Engymol.)第
73巻、第3‐46頁(1981)およびゴーディン
グ:「モノクローナル・アンチボディーズ:プリンシプ
ルズ・アンド・プラクチス」(アカデミック・プレス刊
1983)(J.W.Goding:Monoclonal Antibodies:Princ
iples and Practice,Academic Press,1983)がある。
【0014】ハイブリドーマ/モノクローナル抗体の製造 (1) アドリアマイシン耐性癌細胞の選択と確立 本発明者らによって、すでに、ビンカアルカロイド系の
抗ガン剤であるビンクリスチン耐性のヒト骨髄性白血病
細胞株(K562/VCR)が選択確立されているが、
この耐性株は、アンスラサイクリン系の抗ガン剤である
アドリアマイシンに対してもすでに軽度の交叉耐性を示
している〔「癌(Gann)」)第74巻、第751〜75
8頁(1983)〕。本発明の具体例では、この株を出
発の細胞株として用いている。この株は、(財)癌研究
会・癌化学療法センター(東京都豊島区上池袋1−37
−1)から自由に入手することができる。
抗ガン剤であるビンクリスチン耐性のヒト骨髄性白血病
細胞株(K562/VCR)が選択確立されているが、
この耐性株は、アンスラサイクリン系の抗ガン剤である
アドリアマイシンに対してもすでに軽度の交叉耐性を示
している〔「癌(Gann)」)第74巻、第751〜75
8頁(1983)〕。本発明の具体例では、この株を出
発の細胞株として用いている。この株は、(財)癌研究
会・癌化学療法センター(東京都豊島区上池袋1−37
−1)から自由に入手することができる。
【0015】最初にビンクリスチン耐性細胞株K562
/VCRを、IC50である3nMのアドリアマイシン
を含むRPMI1640(10%牛胎児血清(FC
S))で培養し、成育してきた細胞について以下順次約
3倍の比率でアドリアマイシンの濃度を増量させること
により、高濃度の薬剤耐性株を選択していく。耐性株が
成育しうる最高濃度の薬剤存在下に、選択した薬剤耐性
株を約1年間成育させ、その後薬剤を含まない培地にて
培養しても耐性の性質を失わない安定した細胞株を得
る。
/VCRを、IC50である3nMのアドリアマイシン
を含むRPMI1640(10%牛胎児血清(FC
S))で培養し、成育してきた細胞について以下順次約
3倍の比率でアドリアマイシンの濃度を増量させること
により、高濃度の薬剤耐性株を選択していく。耐性株が
成育しうる最高濃度の薬剤存在下に、選択した薬剤耐性
株を約1年間成育させ、その後薬剤を含まない培地にて
培養しても耐性の性質を失わない安定した細胞株を得
る。
【0016】(2) 免疫化動物脾細胞の調製 得られたアドリアマイシン耐性ヒト骨髄白血病細胞株K
562/ADMを、一匹のマウスにつき107 細胞とな
るよう0.5mlのハンクスのバランス緩衝生理食塩水
(以下、HBBSという)にて一回洗浄のあと、同量の
HBBSに懸濁させ、4〜6週令のメスのBalb/c
マウスに腹腔内投与する。同様に週に一回の割合で抗体
価が充分上昇するまで投与を続け、細胞融合の3日前に
106 細胞を0.1mlに懸濁させてブースターとして静
脈内に投与する。このようして得た免疫化動物より無菌
的に脾臓を採取する。取り出した脾臓はシャーレ上でピ
ンセットを用いて無菌的にほぐし、その一部をとって、
得られた細胞数を算出する。
562/ADMを、一匹のマウスにつき107 細胞とな
るよう0.5mlのハンクスのバランス緩衝生理食塩水
(以下、HBBSという)にて一回洗浄のあと、同量の
HBBSに懸濁させ、4〜6週令のメスのBalb/c
マウスに腹腔内投与する。同様に週に一回の割合で抗体
価が充分上昇するまで投与を続け、細胞融合の3日前に
106 細胞を0.1mlに懸濁させてブースターとして静
脈内に投与する。このようして得た免疫化動物より無菌
的に脾臓を採取する。取り出した脾臓はシャーレ上でピ
ンセットを用いて無菌的にほぐし、その一部をとって、
得られた細胞数を算出する。
【0017】抗体価の測定のためには、抗アドリアマイ
シン耐性株抗体価を以下に示す固相法による酵素免疫測
定法で調べる。 プレートの前処理: ファルコンプレート 391
2に、1ウェルあたり、50μlのポリ‐L‐リジン
0.001%溶液を加え、室温で30分間反応させた
後、水をきり、風乾させる。
シン耐性株抗体価を以下に示す固相法による酵素免疫測
定法で調べる。 プレートの前処理: ファルコンプレート 391
2に、1ウェルあたり、50μlのポリ‐L‐リジン
0.001%溶液を加え、室温で30分間反応させた
後、水をきり、風乾させる。
【0018】 細胞のプレートへの結合: K562
親株およびK562/ADM耐性株をそれぞれ200万
個・細胞/mlの濃度で懸濁し、調製したものを1ウェル
あたり50μl(細胞数にして10万個)づつ、それぞ
れのウェルに分注し、1,000rpmで5分間遠心す
ることによりウェルに結合させる。その後、0.5%の
グルタルアルデヒドを1ウェルあたり50μlずつ加え
ることで結合をより完全にする。
親株およびK562/ADM耐性株をそれぞれ200万
個・細胞/mlの濃度で懸濁し、調製したものを1ウェル
あたり50μl(細胞数にして10万個)づつ、それぞ
れのウェルに分注し、1,000rpmで5分間遠心す
ることによりウェルに結合させる。その後、0.5%の
グルタルアルデヒドを1ウェルあたり50μlずつ加え
ることで結合をより完全にする。
【0019】 ブロッキング: 余分な結合基をマス
クするために、RPMI1640中に3%になるよう溶
解したウシ血清アルブミン(BSA)を1ウェルあたり
200μl加え、30分間室温で処理する。
クするために、RPMI1640中に3%になるよう溶
解したウシ血清アルブミン(BSA)を1ウェルあたり
200μl加え、30分間室温で処理する。
【0020】 測定サンプルの添加: 抗体価を測定
するサンプルは、1ウェルあたり50μlずつ、一種類
のサンプルについて、K562とK562/ADMのそ
れぞれのウェルに加え、室温あるいは37℃にて2時間
反応させる。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)
にて、4回洗浄する。
するサンプルは、1ウェルあたり50μlずつ、一種類
のサンプルについて、K562とK562/ADMのそ
れぞれのウェルに加え、室温あるいは37℃にて2時間
反応させる。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)
にて、4回洗浄する。
【0021】 二次抗体の添加: 二次抗体としてヤ
ギのペルオキシダーゼ結合‐抗マウスIg抗体のF(a
b′)2フラグメント〔米国カッペル(Cappel)社製〕
を、1500倍PBS中にて希釈した溶液を各ウェルに
加え、さらに2時間室温で反応させる。
ギのペルオキシダーゼ結合‐抗マウスIg抗体のF(a
b′)2フラグメント〔米国カッペル(Cappel)社製〕
を、1500倍PBS中にて希釈した溶液を各ウェルに
加え、さらに2時間室温で反応させる。
【0022】 判定: ペルオキシダーゼの基質とし
てオルトフェニレンジアミンを各ウェルに加え、反応を
硫酸で停止させた後、K562とK562/ADMの間
の発色の有無と差違を、肉眼あるいはオートリーダーに
より判定する。
てオルトフェニレンジアミンを各ウェルに加え、反応を
硫酸で停止させた後、K562とK562/ADMの間
の発色の有無と差違を、肉眼あるいはオートリーダーに
より判定する。
【0023】(3) マウス骨髄腫細胞の調製 骨髄細胞株としては、たとえば、マウス由来の8‐アザ
グアニン耐性骨髄腫細胞株P3・X63・Ag8・65
3〔ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Imm
unology )第123巻第 1548〜1550頁(19
79)〕を用いる。融合当日2×107 以上の細胞数を
つかえるようにしておく。この株は、米国メリーランド
州のアメリカン・タイプ・カルチァー・コレクション
(AmericanType Culture Collection)にCRL‐15
80として登録されており、同所あるいは米国フロー・
ラボラトリー・インコーポレーテッド(Flow Laborator
y Inc.)から自由に入手することができる。
グアニン耐性骨髄腫細胞株P3・X63・Ag8・65
3〔ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Imm
unology )第123巻第 1548〜1550頁(19
79)〕を用いる。融合当日2×107 以上の細胞数を
つかえるようにしておく。この株は、米国メリーランド
州のアメリカン・タイプ・カルチァー・コレクション
(AmericanType Culture Collection)にCRL‐15
80として登録されており、同所あるいは米国フロー・
ラボラトリー・インコーポレーテッド(Flow Laborator
y Inc.)から自由に入手することができる。
【0024】(4) 細胞融合 (2) で免疫した動物より得られる脾細胞と(3) で得られ
る骨髄腫細胞とを、細胞数が脾細胞:骨髄腫細胞=7:
1となるよう混合し、ポリエチレングリコール4000
とジメチルスルホキシドをそれぞれ43%と13%含む
RPMI‐1640培地中で細胞融合させる。
る骨髄腫細胞とを、細胞数が脾細胞:骨髄腫細胞=7:
1となるよう混合し、ポリエチレングリコール4000
とジメチルスルホキシドをそれぞれ43%と13%含む
RPMI‐1640培地中で細胞融合させる。
【0025】融合した細胞は、96ウェルプラスチック
プレートにて、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよび
チミジン(以下HATと略す)を含むRPMI‐164
0培地中で7日間、さらにHATを含まない培地中で成
育させる。この間、3〜5日ごとに培地の交換をおこな
う。
プレートにて、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよび
チミジン(以下HATと略す)を含むRPMI‐164
0培地中で7日間、さらにHATを含まない培地中で成
育させる。この間、3〜5日ごとに培地の交換をおこな
う。
【0026】融合後約2週間目に、生き残った細胞につ
いて、その培養上清中の、K562/ADMに選択的に
結合する抗体の有無を、上記(2) で示した酵素免疫測定
法により検索する。陽性のウェルについては20%の牛
胎児血清を含むRPMI‐1640を希釈液として、限
界希釈法をくりかえすことにより、陽性細胞のクローン
ニングを行なう。
いて、その培養上清中の、K562/ADMに選択的に
結合する抗体の有無を、上記(2) で示した酵素免疫測定
法により検索する。陽性のウェルについては20%の牛
胎児血清を含むRPMI‐1640を希釈液として、限
界希釈法をくりかえすことにより、陽性細胞のクローン
ニングを行なう。
【0027】(5) モノクローナル抗体の調製 プリスタンを、あらかじめ一匹あたり0.5ml腹腔内に
投与することにより前処理したマウスに、目的とする抗
体の産生ハイブリドーマ細胞を一匹あたり107 個腹腔
内投与する。投与後、約2週間でハイブリドーマは腹水
癌化するので、この貯留した腹水を採取し、蓄積した抗
体の有無を上記の(2) の酵素免疫測定法により調べる。
投与することにより前処理したマウスに、目的とする抗
体の産生ハイブリドーマ細胞を一匹あたり107 個腹腔
内投与する。投与後、約2週間でハイブリドーマは腹水
癌化するので、この貯留した腹水を採取し、蓄積した抗
体の有無を上記の(2) の酵素免疫測定法により調べる。
【0028】腹水を保存する場合は、遠心分離後の上清
を小分けして−70℃で凍結保存する。
を小分けして−70℃で凍結保存する。
【0029】抗体をさらに精製するために、腹水を45
%飽和の硫安により4℃で塩析し、さらにセファクリル
‐400(スウェーデン国ファルマシア社製)を用いて
ゲル濾過する。タンパク質の定量はローリー法によりお
こなう。
%飽和の硫安により4℃で塩析し、さらにセファクリル
‐400(スウェーデン国ファルマシア社製)を用いて
ゲル濾過する。タンパク質の定量はローリー法によりお
こなう。
【0030】モノクローナル抗体の性質 上記のようにして得られるモノクローナル抗体のクラス
は、ウサギの抗マウスIg各クラスの抗体(米国カッペ
ル社製)を用いて判定することができる。また、細胞に
おける抗原の局在は、蛍光発色基であるFITCが結合
したヤギ抗マウスIg抗体(米国カッペル社製)を用い
て蛍光を顕微鏡下で観察することによって知ることがで
きる。
は、ウサギの抗マウスIg各クラスの抗体(米国カッペ
ル社製)を用いて判定することができる。また、細胞に
おける抗原の局在は、蛍光発色基であるFITCが結合
したヤギ抗マウスIg抗体(米国カッペル社製)を用い
て蛍光を顕微鏡下で観察することによって知ることがで
きる。
【0031】薬物耐性株のK562/ADMに対する選
択性は、親株であるK562を対照として(2) の酵素免
疫測定法によるものの他に、それぞれの細胞株に対する
細胞増殖の阻害の程度を測定して調べることができる。
また、薬物耐性株の薬剤に対する感受性のモノクローナ
ル抗体による変化も種々の濃度の薬剤の存在下でモノク
ローナル抗体と共存させることにより、その細胞増殖の
阻害の程度を測定して調べることができる。
択性は、親株であるK562を対照として(2) の酵素免
疫測定法によるものの他に、それぞれの細胞株に対する
細胞増殖の阻害の程度を測定して調べることができる。
また、薬物耐性株の薬剤に対する感受性のモノクローナ
ル抗体による変化も種々の濃度の薬剤の存在下でモノク
ローナル抗体と共存させることにより、その細胞増殖の
阻害の程度を測定して調べることができる。
【0032】本発明によるモノクローナル抗体の具体例
は、イソタイプがIgG3であるもの、IgG2aであ
るものおよびIgG1であるもの等である。本発明で
は、これらを、それぞれMRK4、MRK16およびM
RK17と名付けている。これらのうちで、代表的なの
は、MRK16およびMRK17である。モノクローナ
ル抗体MRK16およびMRK17は、薬剤耐性ヒト癌
細胞に対して選択的な増殖阻害作用ないし対薬剤感受性
増加作用を有する(実施例II参照)。
は、イソタイプがIgG3であるもの、IgG2aであ
るものおよびIgG1であるもの等である。本発明で
は、これらを、それぞれMRK4、MRK16およびM
RK17と名付けている。これらのうちで、代表的なの
は、MRK16およびMRK17である。モノクローナ
ル抗体MRK16およびMRK17は、薬剤耐性ヒト癌
細胞に対して選択的な増殖阻害作用ないし対薬剤感受性
増加作用を有する(実施例II参照)。
【0033】
【実施例】実施例I モノクローナル抗体の作成 a) アドリアマイシン耐性株の選抜および確立 アドリアマイシン耐性細胞株K562/ADMの選抜の
ために、同じ親株のヒト骨髄性白血病細胞株K562か
ら作成されていたビンクリスチン耐性細胞株K562/
VCRを出発の細胞株とした。
ために、同じ親株のヒト骨髄性白血病細胞株K562か
ら作成されていたビンクリスチン耐性細胞株K562/
VCRを出発の細胞株とした。
【0034】最初に、K562/VCRをこの細胞株の
IC50(細胞増殖を50%阻害する濃度)であるアド
リアマイシン15nMを含有するRPMI‐1640
(牛胎児血清を10%含む)培地で一週間培養の後、成
育してくる細胞を選抜した。次にアドリアマイシンの薬
物濃度を約3倍の50nMに増量し、一週間培養ののち
得られた耐性細胞について、さらに3倍量である150
nMと段階的に薬物濃度を増量していき、最終的に45
0nMのアドリアマイシン存在下でも生育しうるアドリ
アマイシン耐性細胞を得ることができた。
IC50(細胞増殖を50%阻害する濃度)であるアド
リアマイシン15nMを含有するRPMI‐1640
(牛胎児血清を10%含む)培地で一週間培養の後、成
育してくる細胞を選抜した。次にアドリアマイシンの薬
物濃度を約3倍の50nMに増量し、一週間培養ののち
得られた耐性細胞について、さらに3倍量である150
nMと段階的に薬物濃度を増量していき、最終的に45
0nMのアドリアマイシン存在下でも生育しうるアドリ
アマイシン耐性細胞を得ることができた。
【0035】このアドリアマイシン耐性細胞は、この薬
剤を500nM含有する培地中で約1年間培養し続ける
ことにより、その後約3ヵ月間アドリアマイシンを含ま
ない培地中で培養してもその耐性を失わない安定した耐
性株となった。本発明者らは、これをK562/ADM
と名づけた。
剤を500nM含有する培地中で約1年間培養し続ける
ことにより、その後約3ヵ月間アドリアマイシンを含ま
ない培地中で培養してもその耐性を失わない安定した耐
性株となった。本発明者らは、これをK562/ADM
と名づけた。
【0036】b) マウスの免疫および細胞融合 a)で得られたK562/ADMについて、一匹あたり
107 個細胞となる量を0.5mlのHBBSにて浮遊さ
せ、一度洗浄の後、4〜6週令のメスのBalb/cマ
ウスに腹腔内投与した。同様にして、毎週一回、6週間
にわたり連続して投与をくりかえし、最後の週に、追加
免疫(ブースター)として106 細胞を0.1mlのHB
SSに浮遊させて静脈内に投与し、その3日後に無菌的
に脾臓をとりだした。脾臓細胞は、マウス一匹あたり
1.4〜3×108 個得られた。脾臓はピンセットでほ
ぐして懸濁液とした。
107 個細胞となる量を0.5mlのHBBSにて浮遊さ
せ、一度洗浄の後、4〜6週令のメスのBalb/cマ
ウスに腹腔内投与した。同様にして、毎週一回、6週間
にわたり連続して投与をくりかえし、最後の週に、追加
免疫(ブースター)として106 細胞を0.1mlのHB
SSに浮遊させて静脈内に投与し、その3日後に無菌的
に脾臓をとりだした。脾臓細胞は、マウス一匹あたり
1.4〜3×108 個得られた。脾臓はピンセットでほ
ぐして懸濁液とした。
【0037】細胞の融合は、ケーラーおよびミルスティ
ン両氏の方法に従って実施した。すなわち、この脾細胞
1.4×108 個を、43%のポリエチレングリコール
4000と、13%のジメチルスルホキシドを含むRP
MI1640培地中にて2×107 個のP3・63・A
g8・653骨髄腫細胞と融合させた。
ン両氏の方法に従って実施した。すなわち、この脾細胞
1.4×108 個を、43%のポリエチレングリコール
4000と、13%のジメチルスルホキシドを含むRP
MI1640培地中にて2×107 個のP3・63・A
g8・653骨髄腫細胞と融合させた。
【0038】c) ハイブリドーマの選択 細胞の融合の後、96ウェルのプラスチックプレート上
でHAT培地中で7日間、さらにHATを含まない培地
中で7日間、生育させた。一匹のマウスあたり300〜
400ウェルの培養をおこない、そのうちの約75%の
ウェルで、細胞の生育がみられた。これらのウェルの培
養上清について、酵素免疫測定法により、K562とK
562/ADMに対する反応をみたところ、約3分の2
ウェルではK562とK562/ADMの両方に同程度
の陽性の発色がみられ、残りの3分の1のウェルでは両
方ともに反応しなかった。さらに、一匹のマウスに由来
する300〜400ウェルあたり0〜3個のK562と
K562/ADMに反応するが、明らかにK562/A
DMにより強く反応するウェルがみつかった。
でHAT培地中で7日間、さらにHATを含まない培地
中で7日間、生育させた。一匹のマウスあたり300〜
400ウェルの培養をおこない、そのうちの約75%の
ウェルで、細胞の生育がみられた。これらのウェルの培
養上清について、酵素免疫測定法により、K562とK
562/ADMに対する反応をみたところ、約3分の2
ウェルではK562とK562/ADMの両方に同程度
の陽性の発色がみられ、残りの3分の1のウェルでは両
方ともに反応しなかった。さらに、一匹のマウスに由来
する300〜400ウェルあたり0〜3個のK562と
K562/ADMに反応するが、明らかにK562/A
DMにより強く反応するウェルがみつかった。
【0039】全部で18匹のマウスを用いて約6000
ウェルのスクリーニングを行なって、同様にK562<
K562/ADMの反応性を持つ25個のウェルがみつ
かった。
ウェルのスクリーニングを行なって、同様にK562<
K562/ADMの反応性を持つ25個のウェルがみつ
かった。
【0040】d) ハイブリドーマのクローニング c)で選択された25個のウェルについて、限界希釈法
によって、反応陽性細胞のクローニングを行なった。希
釈液としては20%の牛胎児血清を含むRPMI‐16
40を用い、1個のウェルに0.5〜5個の細胞が分配
されるように希釈して培養を行なった。各々のウェルに
ついて、酵素免疫測定法により、培養上清中の抗体の有
無および性質を調べ、陽性度の強いウェルについては、
さらに限界希釈法によるクローニングをくりかえして、
25個の安定したハイブリドーマのクローンを得ること
ができた。
によって、反応陽性細胞のクローニングを行なった。希
釈液としては20%の牛胎児血清を含むRPMI‐16
40を用い、1個のウェルに0.5〜5個の細胞が分配
されるように希釈して培養を行なった。各々のウェルに
ついて、酵素免疫測定法により、培養上清中の抗体の有
無および性質を調べ、陽性度の強いウェルについては、
さらに限界希釈法によるクローニングをくりかえして、
25個の安定したハイブリドーマのクローンを得ること
ができた。
【0041】e) 抗体の産生および精製 d)で得られた25個のハイブリドーマのうち16個の
クローンについて、マウス腹腔内に一匹あたり107 個
の投与を行なって、腹水癌を発生させ、2週間後に一匹
あたり5〜10mlの腹水を得た。残りの9個のクローン
は凍結保存(−70℃にて)した。腹水中の総タンパク
量は、5〜15mg/mlであった。これらの腹水を、45
%飽和硫安で塩析の後に、セファクリル‐400(スウ
ェーデン国ファルマシア社製)でゲル濾過することによ
り抗体を精製した。
クローンについて、マウス腹腔内に一匹あたり107 個
の投与を行なって、腹水癌を発生させ、2週間後に一匹
あたり5〜10mlの腹水を得た。残りの9個のクローン
は凍結保存(−70℃にて)した。腹水中の総タンパク
量は、5〜15mg/mlであった。これらの腹水を、45
%飽和硫安で塩析の後に、セファクリル‐400(スウ
ェーデン国ファルマシア社製)でゲル濾過することによ
り抗体を精製した。
【0042】実施例II モノクローナル抗体MRK‐1
6およびMRK‐17の性質 a) 抗体のイソタイプ 得られたモノクローナル抗体16種類について、米国カ
ッペル社製ウサギ抗マウスIg各イソタイプの抗体を用
いるキットにより、そのイソタイプを判定した。その結
果、IgG3が1個(MRK4)、IgG2aが1個
(MRK16)およびIgG1が1個(MRK17)得
られ、他は全てIgMイソタイプに属していることが明
らかとなった。
6およびMRK‐17の性質 a) 抗体のイソタイプ 得られたモノクローナル抗体16種類について、米国カ
ッペル社製ウサギ抗マウスIg各イソタイプの抗体を用
いるキットにより、そのイソタイプを判定した。その結
果、IgG3が1個(MRK4)、IgG2aが1個
(MRK16)およびIgG1が1個(MRK17)得
られ、他は全てIgMイソタイプに属していることが明
らかとなった。
【0043】b) 蛍光抗体法による抗原の所在の判定 FITC結合のヤギ抗マウスIg抗体(カッペル社)を
用いて、MRK16およびMRK17各々のモノクロー
ナル抗体とK562/ADM細胞上の抗原との結合部位
を調べたところ、両方とも細胞膜表面上にリング状に分
布する蛍光の発色がみられた。すなわち、いずれの抗体
もK562/ADM細胞の膜に局在する抗原を認識して
いた。対照として親株のK562に同様の処置をおこな
っても、このような蛍光の発色は全くみられず、MRK
16、MRK17ともに、K562/ADMに強い選択
性を有することが明らかとなった。また、放射性同位元
素免疫定量法によってもMRK16とMRK17はK5
62細胞には反応せず、耐性株であるK562/ADM
に非常に高い選択性をもって反応することが明らかとな
った(図1参照)。すなわち、106 個の細胞をそれぞ
れMRK16および同17の腹水希釈液と反応させ、細
胞を洗浄後、125Iでラベルした羊の抗マウスIgの
F(ab′)2フラグメント(英国アマーシャム社製)
と4℃で30分間反応させ、洗浄後、細胞と反応したM
RK16および同17の反応性(cpm)を測定した結
果は、図1に示す通りであった。
用いて、MRK16およびMRK17各々のモノクロー
ナル抗体とK562/ADM細胞上の抗原との結合部位
を調べたところ、両方とも細胞膜表面上にリング状に分
布する蛍光の発色がみられた。すなわち、いずれの抗体
もK562/ADM細胞の膜に局在する抗原を認識して
いた。対照として親株のK562に同様の処置をおこな
っても、このような蛍光の発色は全くみられず、MRK
16、MRK17ともに、K562/ADMに強い選択
性を有することが明らかとなった。また、放射性同位元
素免疫定量法によってもMRK16とMRK17はK5
62細胞には反応せず、耐性株であるK562/ADM
に非常に高い選択性をもって反応することが明らかとな
った(図1参照)。すなわち、106 個の細胞をそれぞ
れMRK16および同17の腹水希釈液と反応させ、細
胞を洗浄後、125Iでラベルした羊の抗マウスIgの
F(ab′)2フラグメント(英国アマーシャム社製)
と4℃で30分間反応させ、洗浄後、細胞と反応したM
RK16および同17の反応性(cpm)を測定した結
果は、図1に示す通りであった。
【0044】c) 他の薬剤耐性株の識別 これまで、ヒトの腫瘍細胞株ではアドリアマイシン耐性
株は数が少ないとされ、唯一利用できたヒト卵巣カルシ
ノーマ細胞株2780のアドリアマイシン耐性株278
0ADについて、MRK16およびMRK17との反応性
を放射性同位元素免疫定量法を用いて調べたところ、両
方のモノクローナル抗体とも親株の2780に比較して
耐性株の2780ADに強く反応した(図2参照)。すな
わち、3×105 個の細胞をディッシュにまき、細胞が
ディッシュに接着した24時間後に、第1図に示した場
合と同様にしてMRK16と同17の反応性(cpm)
を測定した結果は、図2に示す通りであった。
株は数が少ないとされ、唯一利用できたヒト卵巣カルシ
ノーマ細胞株2780のアドリアマイシン耐性株278
0ADについて、MRK16およびMRK17との反応性
を放射性同位元素免疫定量法を用いて調べたところ、両
方のモノクローナル抗体とも親株の2780に比較して
耐性株の2780ADに強く反応した(図2参照)。すな
わち、3×105 個の細胞をディッシュにまき、細胞が
ディッシュに接着した24時間後に、第1図に示した場
合と同様にしてMRK16と同17の反応性(cpm)
を測定した結果は、図2に示す通りであった。
【0045】d) MRK17のK562/ADMに対
する選択的細胞増殖阻害 耐性株のK562/ADMとその親株K562ならびに
比較のために別の細胞株に属する耐性株の2780ADと
その親株2780について、それぞれモノクローナル抗
体MRK17を含む腹水を段階的に希釈してその細胞増
殖に対する阻害効果を調べた(図3参照)。すなわち、
2×104 個のK562およびK562/ADM細胞、
ならびに6×104 個の2780および2780AD細胞
をMRK17の腹水希釈液と共にインキュベートし、7
2時間後の細胞数を測定して増殖阻害パーセントを計算
して得た結果は図3に示した通りであった。
する選択的細胞増殖阻害 耐性株のK562/ADMとその親株K562ならびに
比較のために別の細胞株に属する耐性株の2780ADと
その親株2780について、それぞれモノクローナル抗
体MRK17を含む腹水を段階的に希釈してその細胞増
殖に対する阻害効果を調べた(図3参照)。すなわち、
2×104 個のK562およびK562/ADM細胞、
ならびに6×104 個の2780および2780AD細胞
をMRK17の腹水希釈液と共にインキュベートし、7
2時間後の細胞数を測定して増殖阻害パーセントを計算
して得た結果は図3に示した通りであった。
【0046】その結果、それぞれの感受性の親株である
K562または2780に対しては400分の1希釈ま
で抗体の濃度を増やしてもほとんど阻害は見られなかっ
たのに対し、薬剤耐性株である2780ADでは同じ抗体
濃度で約30%の増殖阻害がみられ、K562/ADM
に至っては80%の増殖阻害が、また100分の1の希
釈抗体では90%以上の増殖阻害が見られた(トリプリ
ケートデータSD<4%)。
K562または2780に対しては400分の1希釈ま
で抗体の濃度を増やしてもほとんど阻害は見られなかっ
たのに対し、薬剤耐性株である2780ADでは同じ抗体
濃度で約30%の増殖阻害がみられ、K562/ADM
に至っては80%の増殖阻害が、また100分の1の希
釈抗体では90%以上の増殖阻害が見られた(トリプリ
ケートデータSD<4%)。
【0047】同様の実験をMRK16を用いて行なった
ところ、K562/ADMに対し、最高で約12%の軽
度の増殖阻害が見られた。すなわち、MRK17の大き
な特徴は、薬物耐性株に選択的な強い増殖阻害作用を有
していることであるといえる。
ところ、K562/ADMに対し、最高で約12%の軽
度の増殖阻害が見られた。すなわち、MRK17の大き
な特徴は、薬物耐性株に選択的な強い増殖阻害作用を有
していることであるといえる。
【0048】e) MRK16によるK562/ADM
の薬剤感受性に対する効果 MRK16は上記d)で、薬物耐性株K562/ADM
に対する直接の増殖阻害効果は軽度であったが、この実
験率にビンクリスチンを0.5μg/mlの濃度で添加し
たところ、MRK16の共存により、最大約75%まで
の耐性株の増殖阻害が観察された(図4参照)。すなわ
ち、2×104 個のK562/ADM細胞をビンクリス
チン(VCR)500ng/mlの存在下および非存在下に
MRK16の腹水希釈液と共にインキュベートし、72
時間後の増殖阻害パーセントを測定して得た結果は、図
4に示す通りであった。
の薬剤感受性に対する効果 MRK16は上記d)で、薬物耐性株K562/ADM
に対する直接の増殖阻害効果は軽度であったが、この実
験率にビンクリスチンを0.5μg/mlの濃度で添加し
たところ、MRK16の共存により、最大約75%まで
の耐性株の増殖阻害が観察された(図4参照)。すなわ
ち、2×104 個のK562/ADM細胞をビンクリス
チン(VCR)500ng/mlの存在下および非存在下に
MRK16の腹水希釈液と共にインキュベートし、72
時間後の増殖阻害パーセントを測定して得た結果は、図
4に示す通りであった。
【0049】ビンクリスチンを用いて、K562/VC
R細胞内での蓄積に対するMRK16の効果をみたとこ
ろ、抗体無添加の対照実験に比べて約60〜70%の増
加が見られた(図5参照)。すなわち、2×105 個の
K562/VCR細胞をMRK16(腹水1:200希
釈液)存在下および非存在下に、〔3H〕VCR(10
0nM)と共にインキュベートし、細胞にとり込まれた
ビンクリスチンを定量した結果は図5に示す通りであっ
た。
R細胞内での蓄積に対するMRK16の効果をみたとこ
ろ、抗体無添加の対照実験に比べて約60〜70%の増
加が見られた(図5参照)。すなわち、2×105 個の
K562/VCR細胞をMRK16(腹水1:200希
釈液)存在下および非存在下に、〔3H〕VCR(10
0nM)と共にインキュベートし、細胞にとり込まれた
ビンクリスチンを定量した結果は図5に示す通りであっ
た。
【0050】すなわち、MRK16は、耐性株において
亢進している細胞内薬物の細胞外へのくみ出しに関与す
る作用点を認識している可能性をもっている。ここで、
K562/ADM以外の耐性株の2780ADを用いて、
ビンクリスチンに対する感受性の変化をみたところ、そ
のIC50値で20〜30%の減少、すなわち薬物に対
する感受性の増加、がみられた。
亢進している細胞内薬物の細胞外へのくみ出しに関与す
る作用点を認識している可能性をもっている。ここで、
K562/ADM以外の耐性株の2780ADを用いて、
ビンクリスチンに対する感受性の変化をみたところ、そ
のIC50値で20〜30%の減少、すなわち薬物に対
する感受性の増加、がみられた。
【0051】MRK16は、また、ビンクリスチン以外
に、アクチノマイシンDに対するK562/ADMの感
受性も約3倍強めることができた(図6参照)。すなわ
ち、2×104 個のK562/ADM細胞をMRK16
(腹水1:1000希釈液)の存在下および非存在下
に、種々の濃度のアクチノマイシンDと共に37℃でイ
ンキューベートし、72時間後の増殖阻害パーセントを
測定して得た結果は、図6に示す通りであった。
に、アクチノマイシンDに対するK562/ADMの感
受性も約3倍強めることができた(図6参照)。すなわ
ち、2×104 個のK562/ADM細胞をMRK16
(腹水1:1000希釈液)の存在下および非存在下
に、種々の濃度のアクチノマイシンDと共に37℃でイ
ンキューベートし、72時間後の増殖阻害パーセントを
測定して得た結果は、図6に示す通りであった。
【0052】これらの結果から、MRK16は、多くの
抗ガン剤耐性株に選択的に働き、その薬物に対する感受
性を高めることができる抗体であるといえる。
抗ガン剤耐性株に選択的に働き、その薬物に対する感受
性を高めることができる抗体であるといえる。
【0053】
【発明の効果】本発明によるハイブリドーマにより生産
されたモノクローナル抗体は、多剤交叉耐性を示す癌細
胞を選択的に増殖阻害するか、あるいはその薬物に対す
る感受性を高める能力を有しているものであることは、
「課題を解決する手段」の項において前記したところで
ある。
されたモノクローナル抗体は、多剤交叉耐性を示す癌細
胞を選択的に増殖阻害するか、あるいはその薬物に対す
る感受性を高める能力を有しているものであることは、
「課題を解決する手段」の項において前記したところで
ある。
【図1】(A)および(B)は、放射性同位元素免疫定
量法によるMRK16(A)およびMRK17(B)の
ヒト骨髄性白血病細胞K562およびそのアドリアマイ
シン耐性株K562/ADM細胞に対する反応性を示す
グラフである。
量法によるMRK16(A)およびMRK17(B)の
ヒト骨髄性白血病細胞K562およびそのアドリアマイ
シン耐性株K562/ADM細胞に対する反応性を示す
グラフである。
【図2】(A)および(B)は、放射性同位元素免疫定
量法によるMRK16(A)およびMRK17(B)の
ヒト卵巣癌細胞2780およびそのアドリアマイシン耐
性株2780ADに対する反応性を示すグラフである。
量法によるMRK16(A)およびMRK17(B)の
ヒト卵巣癌細胞2780およびそのアドリアマイシン耐
性株2780ADに対する反応性を示すグラフである。
【図3】MRK17による細胞増殖阻害を示すグラフで
ある。
ある。
【図4】MRK16とビンクリスチンの併用による細胞
阻害を示すグラフである。
阻害を示すグラフである。
【図5】MRK16によるビンクリスチンのとり込み上
昇を示すグラフである。
昇を示すグラフである。
【図6】MRK16によるアクチノマイシンDの効果増
強を示すグラフである。
強を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (2)
- 【請求項1】ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリ
アマイシン耐性株K562/ADMにより免疫したマウ
スから得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞との細胞融
合により作成されたモノクローナル抗体生産性ハイブリ
ドーマ。ただし、このモノクローナル抗体は、下記の
(イ)〜(ニ)によって定義されるものである。 (イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリアマ
イシン耐性株K562/ADMにより免疫されたマウス
から得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融合させ
て作成したハイブリドーマにより生産されるものである
こと。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。 - 【請求項2】ハイブリドーマMRK16またはハイブリ
ドーマMRK17である、請求項1記載のハイブリドー
マ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3309471A JPH0661264B2 (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 薬剤耐性癌に関するモノクローナル抗体生産性ハイブリドーマ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3309471A JPH0661264B2 (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 薬剤耐性癌に関するモノクローナル抗体生産性ハイブリドーマ |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60201445A Division JPS6261596A (ja) | 1985-09-11 | 1985-09-11 | 薬剤耐性癌に関するモノクロ−ナル抗体およびその製造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05219946A true JPH05219946A (ja) | 1993-08-31 |
| JPH0661264B2 JPH0661264B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=17993393
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3309471A Expired - Fee Related JPH0661264B2 (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 薬剤耐性癌に関するモノクローナル抗体生産性ハイブリドーマ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0661264B2 (ja) |
-
1991
- 1991-11-25 JP JP3309471A patent/JPH0661264B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0661264B2 (ja) | 1994-08-17 |
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