JPH05220587A - クラッド鋼の製造方法 - Google Patents
クラッド鋼の製造方法Info
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- JPH05220587A JPH05220587A JP5659992A JP5659992A JPH05220587A JP H05220587 A JPH05220587 A JP H05220587A JP 5659992 A JP5659992 A JP 5659992A JP 5659992 A JP5659992 A JP 5659992A JP H05220587 A JPH05220587 A JP H05220587A
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- composite material
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- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 簡便な溶射装置を使用して、気孔のないNi
溶射層からなる中間材を形成して、クラッド鋼を能率よ
く製造する。 【構成】 炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この母材
よりも耐食性に優れた金属板を合材とするとともに、前
記母材および合材の接合面間に中間材を介在させて、母
材と合材とを熱間圧延によって接合するクラッド鋼の製
造方法において、B含有量が4〜8重量%のNi−B合
金粉末、または、Si含有量が30〜50重量%のNi−
Si合金粉末を80重量%以上含む粉末2を、Niを材料
とするさや部材3,3b,3cで被覆してアーク溶射用
ワイヤ1とし、このワイヤを用いて前記母材または合材
の接合面の少なくとも一方に溶射層を形成して中間材と
する。 【効果】 中間材として、気孔の影響の少ないNi 合
金層を溶射して形成することができ、接合強度に優れた
クラッド鋼板を能率よく製造することが可能となる。
溶射層からなる中間材を形成して、クラッド鋼を能率よ
く製造する。 【構成】 炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この母材
よりも耐食性に優れた金属板を合材とするとともに、前
記母材および合材の接合面間に中間材を介在させて、母
材と合材とを熱間圧延によって接合するクラッド鋼の製
造方法において、B含有量が4〜8重量%のNi−B合
金粉末、または、Si含有量が30〜50重量%のNi−
Si合金粉末を80重量%以上含む粉末2を、Niを材料
とするさや部材3,3b,3cで被覆してアーク溶射用
ワイヤ1とし、このワイヤを用いて前記母材または合材
の接合面の少なくとも一方に溶射層を形成して中間材と
する。 【効果】 中間材として、気孔の影響の少ないNi 合
金層を溶射して形成することができ、接合強度に優れた
クラッド鋼板を能率よく製造することが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Ni 系の溶射層で中
間材を形成したクラッド鋼の製造方法に関するものであ
る。
間材を形成したクラッド鋼の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延によってクラッド鋼を製
造する場合、母材と合材との接合面付近に脆化層が生ず
るのを防止する目的で、各種の中間材を介在させてい
る。例えば、炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この母
材よりも耐食性に優れたステンレス鋼などの金属板を合
材として接合するクラッド鋼では、Niメッキ(特開昭
54−5850号)により中間材を形成したり、Ni
箔、Niシートなど配置して中間材としている。
造する場合、母材と合材との接合面付近に脆化層が生ず
るのを防止する目的で、各種の中間材を介在させてい
る。例えば、炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この母
材よりも耐食性に優れたステンレス鋼などの金属板を合
材として接合するクラッド鋼では、Niメッキ(特開昭
54−5850号)により中間材を形成したり、Ni
箔、Niシートなど配置して中間材としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のNi 中
間材を使用したクラッド鋼においては、次のような技術
的課題が存在している。Niメッキによって中間材を形
成する場合には、通常、母材の接合面に所定厚さのNi
メッキ層を形成しているが、電解条件、浴管理などの制
御が困難であり、また、大形のクラッド鋼板を製造する
場合には大形のメッキ装置が必要になるという問題点が
ある。また、Ni箔やNiシートを母材と合材との間に挟
み込んで中間材とする場合には、大形で薄い(50〜3
00μm厚程度)Ni箔やNiシートを準備し、しかもこ
れらに破損が生じないように注意深く取り扱わねばなら
ず、作業能率に劣る問題がある。これら手段以外には、
Niをろう付けして中間材を形成する方法もあるが、大
形のクラッド鋼板の製造に対しては、作業性の面から実
用性に欠ける。これらのために、従来、大形のクラッド
鋼板の製造はコストのかさむものとなっている。これに
対し、クラッド鋼の中間材として、簡便な溶射装置を使
用してNi溶射層を形成することも考えられるが、溶射
層の形成に伴って層内に多数の気孔が生じ、特に酸化に
伴う接合強度の低下を招く問題がある。そこで、中間材
として気孔の発生を抑制可能な溶射層を形成することが
できるクラッド鋼の製造方法の出現が望まれていた。
間材を使用したクラッド鋼においては、次のような技術
的課題が存在している。Niメッキによって中間材を形
成する場合には、通常、母材の接合面に所定厚さのNi
メッキ層を形成しているが、電解条件、浴管理などの制
御が困難であり、また、大形のクラッド鋼板を製造する
場合には大形のメッキ装置が必要になるという問題点が
ある。また、Ni箔やNiシートを母材と合材との間に挟
み込んで中間材とする場合には、大形で薄い(50〜3
00μm厚程度)Ni箔やNiシートを準備し、しかもこ
れらに破損が生じないように注意深く取り扱わねばなら
ず、作業能率に劣る問題がある。これら手段以外には、
Niをろう付けして中間材を形成する方法もあるが、大
形のクラッド鋼板の製造に対しては、作業性の面から実
用性に欠ける。これらのために、従来、大形のクラッド
鋼板の製造はコストのかさむものとなっている。これに
対し、クラッド鋼の中間材として、簡便な溶射装置を使
用してNi溶射層を形成することも考えられるが、溶射
層の形成に伴って層内に多数の気孔が生じ、特に酸化に
伴う接合強度の低下を招く問題がある。そこで、中間材
として気孔の発生を抑制可能な溶射層を形成することが
できるクラッド鋼の製造方法の出現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この母材よりも
耐食性に優れた金属板を合材とするとともに、前記母材
および合材の接合面間に中間材を介在させて、母材と合
材とを熱間圧延によって接合するクラッド鋼の製造方法
において、B含有量が4〜8重量%のNi−B合金粉末
または、Si含有量が30〜50重量%のNi−Si合金
粉末を80重量%以上含む粉末を、Niを材料とするさ
や部材で被覆してアーク溶射用ワイヤとし、このワイヤ
を用いて前記母材または合材の接合面の少なくとも一方
に溶射層を形成して中間材とすることを特徴とするクラ
ッド鋼の製造方法である。
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この母材よりも
耐食性に優れた金属板を合材とするとともに、前記母材
および合材の接合面間に中間材を介在させて、母材と合
材とを熱間圧延によって接合するクラッド鋼の製造方法
において、B含有量が4〜8重量%のNi−B合金粉末
または、Si含有量が30〜50重量%のNi−Si合金
粉末を80重量%以上含む粉末を、Niを材料とするさ
や部材で被覆してアーク溶射用ワイヤとし、このワイヤ
を用いて前記母材または合材の接合面の少なくとも一方
に溶射層を形成して中間材とすることを特徴とするクラ
ッド鋼の製造方法である。
【0005】ここで、アーク溶射用ワイヤにおいて、N
i−B合金粉末のB含有量を4〜8重量%、Ni−Si合
金粉末のSi含有量を30〜50重量%に限定した理由
は、圧延時の最高加熱温度にて,溶射層が溶融する範囲
にするためである。すなわち、クラッド鋼の圧延時の最
高加熱温度を1200℃とすると、この温度にて溶射層
が溶融するためには、溶射層において、Ni−B合金粉
末を用いた場合には、B含有量が3〜6重量%、Ni−
Si合金粉末を用いた場合に、Si含有量が25〜45重
量%であることが必要である。そこで、溶射中の酸化損
失を考慮して、B含有量を4〜8重量%、Si含有量を
30〜50重量%に限定した。
i−B合金粉末のB含有量を4〜8重量%、Ni−Si合
金粉末のSi含有量を30〜50重量%に限定した理由
は、圧延時の最高加熱温度にて,溶射層が溶融する範囲
にするためである。すなわち、クラッド鋼の圧延時の最
高加熱温度を1200℃とすると、この温度にて溶射層
が溶融するためには、溶射層において、Ni−B合金粉
末を用いた場合には、B含有量が3〜6重量%、Ni−
Si合金粉末を用いた場合に、Si含有量が25〜45重
量%であることが必要である。そこで、溶射中の酸化損
失を考慮して、B含有量を4〜8重量%、Si含有量を
30〜50重量%に限定した。
【0006】また、合金粉末の配合量を80重量%以上
に限定した理由は、以下のとおりである。すなわち、通
常は、Ni−B合金粉末またはNi−Si合金粉末の単体
が使用されるが、クラッド鋼の材質によっては、圧延加
熱温度を低く設定しなければならない場合がある。この
ような場合、Ni−B合金またはNi−Si合金粉末のみ
からなる粉末を用いて溶射層を形成すると、融点が高す
ぎて溶射層の溶融が十分に起きず、溶射層の気孔に対し
て封孔作用が得られない。したがって、溶射層の融点を
下げる目的で、例えばNi−P合金粉末やFe−P合金粉
末などを20重量%以下の範囲で混合して使用する。
に限定した理由は、以下のとおりである。すなわち、通
常は、Ni−B合金粉末またはNi−Si合金粉末の単体
が使用されるが、クラッド鋼の材質によっては、圧延加
熱温度を低く設定しなければならない場合がある。この
ような場合、Ni−B合金またはNi−Si合金粉末のみ
からなる粉末を用いて溶射層を形成すると、融点が高す
ぎて溶射層の溶融が十分に起きず、溶射層の気孔に対し
て封孔作用が得られない。したがって、溶射層の融点を
下げる目的で、例えばNi−P合金粉末やFe−P合金粉
末などを20重量%以下の範囲で混合して使用する。
【0007】そして、上記した合金粉末を被覆するさや
部材は、99%以上の純Niで構成するのが望ましい。
このさや部材の形状は特に限定されないが、例えば、厚
さ0.2〜1mm、幅7〜20mm程度の長尺の板状部
材を折り曲げて製造することが可能である。なお、アー
ク溶射用ワイヤは、上記構成のものと純Ni からなるワ
イヤとを併用することもできる。その際には、高融点の
純Ni 層と低融点のNi 合金層とを重ね合わせて形成す
ることが熱間圧延時の気孔の減少を促す上から望まし
い。なお、母材は、炭素鋼または低合金鋼であり、ま
た、合材は、この母材よりも耐食性に優れている金属板
で、例えばステンレス鋼板、ニッケル基合金板、銅合金
板が使用される。
部材は、99%以上の純Niで構成するのが望ましい。
このさや部材の形状は特に限定されないが、例えば、厚
さ0.2〜1mm、幅7〜20mm程度の長尺の板状部
材を折り曲げて製造することが可能である。なお、アー
ク溶射用ワイヤは、上記構成のものと純Ni からなるワ
イヤとを併用することもできる。その際には、高融点の
純Ni 層と低融点のNi 合金層とを重ね合わせて形成す
ることが熱間圧延時の気孔の減少を促す上から望まし
い。なお、母材は、炭素鋼または低合金鋼であり、ま
た、合材は、この母材よりも耐食性に優れている金属板
で、例えばステンレス鋼板、ニッケル基合金板、銅合金
板が使用される。
【0008】次に、溶射によって形成する中間材の厚さ
は、特に限定されないが、例えば母材と合材の溶射層厚
さを合計して、50〜300μm程度の厚さで形成す
る。中間材を介在させた母材および合材は、熱間圧延に
備えて、均一に加熱される。この加熱温度が、1200
℃を超えると、構成材(例えば合材)の粗粒化に伴う表
面肌荒れが著しくなり、靱性が低下するので、加熱温度
を1200℃以下とするのが望ましい。また、加熱温度
が950℃未満では、1回の加熱温度で所定の圧延比を
得ることが困難であるので、加熱温度は950℃以上と
するのが望ましい。加熱された母材および合材は、所望
の圧延比(例えば2.5以上)で熱間圧延に供される。
は、特に限定されないが、例えば母材と合材の溶射層厚
さを合計して、50〜300μm程度の厚さで形成す
る。中間材を介在させた母材および合材は、熱間圧延に
備えて、均一に加熱される。この加熱温度が、1200
℃を超えると、構成材(例えば合材)の粗粒化に伴う表
面肌荒れが著しくなり、靱性が低下するので、加熱温度
を1200℃以下とするのが望ましい。また、加熱温度
が950℃未満では、1回の加熱温度で所定の圧延比を
得ることが困難であるので、加熱温度は950℃以上と
するのが望ましい。加熱された母材および合材は、所望
の圧延比(例えば2.5以上)で熱間圧延に供される。
【0009】
【作用】Ni−B合金またはNi−Si合金は、延性が乏
しく、ワイヤへの線引加工が困難である。本願発明で
は、延性が良好なNi材料でさや部材を構成し、このさ
や部材で上記合金粉末を被覆することにより、容易にワ
イヤを得ることができる。そして、溶射によって、溶射
ワイヤのさや部材と、さや内の粉末とが溶融して、母材
および合材の接触面の少なくとも一方に、Ni 合金から
なる所定厚の溶射層が形成されて、中間材が構成され
る。なお、溶射のままの状態では、溶射層中には、無数
の気孔が形成されている。上記の中間材を介在させた母
材および合材を、均一に加熱して熱間圧延を行う。上記
加熱をNi 合金の共晶点を超える温度で行う結果、溶射
の際に中間材中に発生した気孔が消失して、中間材の組
織が改善される。これは、Ni 合金の融点(共晶点)
が、熱間圧延の加熱温度よりも低いために、熱間圧延前
の加熱によってNi 合金が液相拡散し、気孔が溶融合金
によって埋められるためと考えられる。
しく、ワイヤへの線引加工が困難である。本願発明で
は、延性が良好なNi材料でさや部材を構成し、このさ
や部材で上記合金粉末を被覆することにより、容易にワ
イヤを得ることができる。そして、溶射によって、溶射
ワイヤのさや部材と、さや内の粉末とが溶融して、母材
および合材の接触面の少なくとも一方に、Ni 合金から
なる所定厚の溶射層が形成されて、中間材が構成され
る。なお、溶射のままの状態では、溶射層中には、無数
の気孔が形成されている。上記の中間材を介在させた母
材および合材を、均一に加熱して熱間圧延を行う。上記
加熱をNi 合金の共晶点を超える温度で行う結果、溶射
の際に中間材中に発生した気孔が消失して、中間材の組
織が改善される。これは、Ni 合金の融点(共晶点)
が、熱間圧延の加熱温度よりも低いために、熱間圧延前
の加熱によってNi 合金が液相拡散し、気孔が溶融合金
によって埋められるためと考えられる。
【0010】なお、共晶点は成分組成によって定まるの
で、Ni−B合金粉末を用いた場合とNi−Si合金粉末
を用いた場合とでは、望ましい加熱温度は異なる。すな
わち、Ni−B合金粉末を使用した場合には、1140
〜1200℃に加熱し、Ni−Si合金粉末を使用した場
合には、965〜1050℃に加熱するのが望ましい。
したがって、加工率などによって圧延加熱温度が規制さ
れる場合には、その温度に基づいて、合金粉末を選択す
ればよい。なお、Fe−P合金粉末等の混合により上記
の望ましい温度範囲は低い数値となる。上記の製造方法
により、熱間圧延に際し、Ni 合金層の気孔が激減し、
母材または合材の接合面は、Ni 合金層によって良好に
覆われた状態で熱間圧延が施される。
で、Ni−B合金粉末を用いた場合とNi−Si合金粉末
を用いた場合とでは、望ましい加熱温度は異なる。すな
わち、Ni−B合金粉末を使用した場合には、1140
〜1200℃に加熱し、Ni−Si合金粉末を使用した場
合には、965〜1050℃に加熱するのが望ましい。
したがって、加工率などによって圧延加熱温度が規制さ
れる場合には、その温度に基づいて、合金粉末を選択す
ればよい。なお、Fe−P合金粉末等の混合により上記
の望ましい温度範囲は低い数値となる。上記の製造方法
により、熱間圧延に際し、Ni 合金層の気孔が激減し、
母材または合材の接合面は、Ni 合金層によって良好に
覆われた状態で熱間圧延が施される。
【0011】中間材としてのNi 合金層は、酸化防止作
用に優れ、かつ、母材から合材への炭素の移動防止作
用、液相拡散作用等を併有するので、熱間圧延に際し
て、気孔の少ないNi 合金層が接合面の酸化を防止する
とともに、脆い浸炭層の形成を抑制する。その結果、脆
化層の発生の抑制と液相拡散作用とが相まって、接合強
度が向上する。加えて、このNi 合金層は、比較的低温
で液相拡散するので、純Ni のみの中間材を使用して製
造されるクラッド鋼板と比較して、圧延加熱温度を低温
に設定し、かつ、圧延比を小さく設定して、良好な接合
強度を確保することができる。なお、溶射によるNi 合
金層は、母材または合材のうち少なくとも一方に形成す
れば、上記作用が実質的に得られる。
用に優れ、かつ、母材から合材への炭素の移動防止作
用、液相拡散作用等を併有するので、熱間圧延に際し
て、気孔の少ないNi 合金層が接合面の酸化を防止する
とともに、脆い浸炭層の形成を抑制する。その結果、脆
化層の発生の抑制と液相拡散作用とが相まって、接合強
度が向上する。加えて、このNi 合金層は、比較的低温
で液相拡散するので、純Ni のみの中間材を使用して製
造されるクラッド鋼板と比較して、圧延加熱温度を低温
に設定し、かつ、圧延比を小さく設定して、良好な接合
強度を確保することができる。なお、溶射によるNi 合
金層は、母材または合材のうち少なくとも一方に形成す
れば、上記作用が実質的に得られる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図面を参
照しつつ説明する。先ず、中間材の形成に使用されるア
ーク溶射用ワイヤ1を図2〜図6に基づいて説明する。
アーク溶射用ワイヤ1は、図6に示すように、粉末2を
さや部材3内に収納して構成される。さや部材3は、N
i、好ましくは一般に純Niと称されるものを材料とし、
厚さ0.25mm、幅8mmの長尺の板状部材3aを折
り曲げて所定形状としたものである。ここでいう純Ni
とは、99%以上のNi を含有し、残部がC、Fe 、S
i 、P、S、Mn 等の不可避的不純物からなるものであ
る。一方、粉末2は、Ni −BまたはNi −Si 合金粉
末を主要成分とするものであり、表1に示すようにBま
たはSi 含有量を変えて調製して、実施例および比較例
用の粉末10種類を用意した。なお、表中のB、Si の
含有量はNi−B合金粉末またはNi−Si 合金粉末中の
含有量を示し、Fe−Pの含有量は、混合粉末中の含有
量を示す。
照しつつ説明する。先ず、中間材の形成に使用されるア
ーク溶射用ワイヤ1を図2〜図6に基づいて説明する。
アーク溶射用ワイヤ1は、図6に示すように、粉末2を
さや部材3内に収納して構成される。さや部材3は、N
i、好ましくは一般に純Niと称されるものを材料とし、
厚さ0.25mm、幅8mmの長尺の板状部材3aを折
り曲げて所定形状としたものである。ここでいう純Ni
とは、99%以上のNi を含有し、残部がC、Fe 、S
i 、P、S、Mn 等の不可避的不純物からなるものであ
る。一方、粉末2は、Ni −BまたはNi −Si 合金粉
末を主要成分とするものであり、表1に示すようにBま
たはSi 含有量を変えて調製して、実施例および比較例
用の粉末10種類を用意した。なお、表中のB、Si の
含有量はNi−B合金粉末またはNi−Si 合金粉末中の
含有量を示し、Fe−Pの含有量は、混合粉末中の含有
量を示す。
【0013】
【表1】
【0014】次に、上記アーク溶射用ワイヤ1の製造工
程を説明する。前記したさや部材3用の板状部材3a
を、図3に示すように断面U字状に折り曲げ、その内部
に、表1に示す各粉末2を図4に示すように適量収納す
る。次いで、U字状の板状部材3aの両上端縁3b、3
cを、図5に示すように、それぞれ内側に折り曲げて粉
末2内に差し込むとともに全体を丸め加工し、外形が略
円筒状のアーク溶射用ワイヤ粗材を形成する。この粗材
を図示しないダイスを用いて線引加工して断面を縮小す
ることにより、さや部材3内に粉末2を緊密に包容する
アーク溶射用ワイヤ1を得る。なお、アーク溶射用ワイ
ヤ1の両端部は、さや部材3を潰して閉塞してある。な
お、比較のために、純Ni ソリッドワイヤを用意した。
程を説明する。前記したさや部材3用の板状部材3a
を、図3に示すように断面U字状に折り曲げ、その内部
に、表1に示す各粉末2を図4に示すように適量収納す
る。次いで、U字状の板状部材3aの両上端縁3b、3
cを、図5に示すように、それぞれ内側に折り曲げて粉
末2内に差し込むとともに全体を丸め加工し、外形が略
円筒状のアーク溶射用ワイヤ粗材を形成する。この粗材
を図示しないダイスを用いて線引加工して断面を縮小す
ることにより、さや部材3内に粉末2を緊密に包容する
アーク溶射用ワイヤ1を得る。なお、アーク溶射用ワイ
ヤ1の両端部は、さや部材3を潰して閉塞してある。な
お、比較のために、純Ni ソリッドワイヤを用意した。
【0015】次に、上記のアーク溶射用ワイヤを用いた
クラッド鋼の製造方法について説明する。クラッドすべ
き母材4として、厚さ35mm、幅110mm、長さ1
60mmのSS41炭素鋼を使用し、合材6として、厚
さ5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS31
6Lステンレス鋼を使用する。なお、合材6の接合面は
ペーパーにて研磨し、母材4の接合面はカットワイヤを
用いてグリッドブラストによる処理を施して、接合面を
粗面に形成して溶射によるNi 合金層の付着を促してい
る。
クラッド鋼の製造方法について説明する。クラッドすべ
き母材4として、厚さ35mm、幅110mm、長さ1
60mmのSS41炭素鋼を使用し、合材6として、厚
さ5mm、幅100mm、長さ150mmのSUS31
6Lステンレス鋼を使用する。なお、合材6の接合面は
ペーパーにて研磨し、母材4の接合面はカットワイヤを
用いてグリッドブラストによる処理を施して、接合面を
粗面に形成して溶射によるNi 合金層の付着を促してい
る。
【0016】そして、前記アーク溶射用ワイヤ1を用い
て、上記の母材4および合材6のそれぞれの接合面に、
合計で厚さが300μmとなるようにNi 合金層5を形
成し、中間材とする。このようにして溶射により形成し
たNi 合金層5(代表例として試験No.1を示す)に
は、図7に示すように無数の気孔が生じている。また、
比較のために前記した純Ni ソリッドワイヤを用いて、
中間材として同様に純Ni 層を形成した。この母材4に
合材6を接合するクラッド鋼板を、1回の熱間圧延によ
って2枚同時に得る場合について説明する。
て、上記の母材4および合材6のそれぞれの接合面に、
合計で厚さが300μmとなるようにNi 合金層5を形
成し、中間材とする。このようにして溶射により形成し
たNi 合金層5(代表例として試験No.1を示す)に
は、図7に示すように無数の気孔が生じている。また、
比較のために前記した純Ni ソリッドワイヤを用いて、
中間材として同様に純Ni 層を形成した。この母材4に
合材6を接合するクラッド鋼板を、1回の熱間圧延によ
って2枚同時に得る場合について説明する。
【0017】母材4と合材6の両Ni 合金層5を突き合
わせて対向密接させた組合せ体を2組用意し、この2組
の組合せ体の合材6、6を対向させるとともに、その間
に分離材7を配置する。さらに、母材4、4の周囲に通
気孔8aを有する接合板8を溶接する。次いで、全体を
均一に1000℃または1200℃になるように1時間
加熱して、圧延比3の熱間圧延に供した。圧延が終了し
た後には四周を切断し、接合板8を分離する。得られた
クラッド鋼板の接合状況および接合強さを評価するた
め、JIS G0601による超音波探傷試験による剥
離のチェックおよび接合強さを評価するせん断強度試験
を行った。その結果は表1に示すとおりであり、実施例
で、適当な温度で加熱した試験材は接合状況および接合
強さともに優れていた。
わせて対向密接させた組合せ体を2組用意し、この2組
の組合せ体の合材6、6を対向させるとともに、その間
に分離材7を配置する。さらに、母材4、4の周囲に通
気孔8aを有する接合板8を溶接する。次いで、全体を
均一に1000℃または1200℃になるように1時間
加熱して、圧延比3の熱間圧延に供した。圧延が終了し
た後には四周を切断し、接合板8を分離する。得られた
クラッド鋼板の接合状況および接合強さを評価するた
め、JIS G0601による超音波探傷試験による剥
離のチェックおよび接合強さを評価するせん断強度試験
を行った。その結果は表1に示すとおりであり、実施例
で、適当な温度で加熱した試験材は接合状況および接合
強さともに優れていた。
【0018】図8は、本発明(試験No.1)のクラッ
ド鋼板の接合部分の金属組織写真であり、溶射のままの
図7に比較して、Ni 合金層5が圧延前の加熱によって
溶融したため、圧延後の厚さが減少し、気孔の影響箇所
が殆ど消失している。これに対し、純Ni ソリッドワイ
ヤを用いたクラッド鋼板の接合部分は、図9に示すよう
に、純Ni からなる中間材9が溶融することなく圧延後
に厚く残り、黒色にて現れるように気孔の影響箇所9a
が散見された。なお、本発明(試験No.2、5)の接
合部は、図8と同様に気孔の影響箇所は発見されなかっ
た。
ド鋼板の接合部分の金属組織写真であり、溶射のままの
図7に比較して、Ni 合金層5が圧延前の加熱によって
溶融したため、圧延後の厚さが減少し、気孔の影響箇所
が殆ど消失している。これに対し、純Ni ソリッドワイ
ヤを用いたクラッド鋼板の接合部分は、図9に示すよう
に、純Ni からなる中間材9が溶融することなく圧延後
に厚く残り、黒色にて現れるように気孔の影響箇所9a
が散見された。なお、本発明(試験No.2、5)の接
合部は、図8と同様に気孔の影響箇所は発見されなかっ
た。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明のクラッ
ド鋼の製造方法によれば、熱間圧延温度よりも融点の低
いNi 系合金粉末を延性に富んださや材で被覆したアー
ク溶射ワイヤを使用して、クラッド鋼の中間材を形成し
たので、中間材を気孔の影響の少ないNi 合金層によっ
て能率よく溶射形成することが可能になった。その結
果、接合強度に優れたクラッド鋼板を能率よく製造する
ことが可能になった。
ド鋼の製造方法によれば、熱間圧延温度よりも融点の低
いNi 系合金粉末を延性に富んださや材で被覆したアー
ク溶射ワイヤを使用して、クラッド鋼の中間材を形成し
たので、中間材を気孔の影響の少ないNi 合金層によっ
て能率よく溶射形成することが可能になった。その結
果、接合強度に優れたクラッド鋼板を能率よく製造する
ことが可能になった。
【図1】図1は、実施例によるクラッド鋼の組立体を示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】図2は、同じくさや部材用の材料を示す正面図
である。
である。
【図3】図3は、同じくアーク溶射用ワイヤの製造工程
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図4】図4は、同じくアーク溶射用ワイヤの製造工程
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図5】図5は、同じくアーク溶射用ワイヤの製造工程
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図6】図6は、同じくアーク溶射用ワイヤを示す断面
図である。
図である。
【図7】図7は、実施例によるクラッド鋼接合部分の溶
射ままの、金属組織の顕微鏡写真(倍率100倍)であ
る。
射ままの、金属組織の顕微鏡写真(倍率100倍)であ
る。
【図8】図8は、同じく熱間圧延後の金属組織の顕微鏡
写真(倍率100倍)である。
写真(倍率100倍)である。
【図9】図9は、純Ni ソリッドワイヤによるクラッド
鋼接合部分の金属組織の顕微鏡写真(倍率100倍)で
ある。
鋼接合部分の金属組織の顕微鏡写真(倍率100倍)で
ある。
1 アーク溶射用ワイヤ 2 粉末 3 さや部材 4 母材 5 Ni 合金層 6 合材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 4/10
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この
母材よりも耐食性に優れた金属板を合材とするととも
に、前記母材および合材の接合面間に中間材を介在させ
て、母材と合材とを熱間圧延によって接合するクラッド
鋼の製造方法において、B含有量が4〜8重量%のNi
−B合金粉末を80重量%以上含む粉末を、Niを材料
とするさや部材で被覆してアーク溶射用ワイヤとし、こ
のワイヤを用いて前記母材または合材の接合面の少なく
とも一方に溶射層を形成して中間材とすることを特徴と
するクラッド鋼の製造方法 - 【請求項2】 炭素鋼または低合金鋼を母材とし、この
母材よりも耐食性に優れた金属板を合材とするととも
に、前記母材および合材の接合面間に中間材を介在させ
て、母材と合材とを熱間圧延によって接合するクラッド
鋼の製造方法において、Si含有量が30〜50重量%
のNi−Si合金粉末を80重量%以上含む粉末を、Ni
を材料とするさや部材で被覆してアーク溶射用ワイヤと
し、このワイヤを用いて前記母材または合材の接合面の
少なくとも一方に溶射層を形成して中間材とすることを
特徴とするクラッド鋼の製造方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5659992A JPH05220587A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | クラッド鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5659992A JPH05220587A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | クラッド鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05220587A true JPH05220587A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=13031684
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5659992A Pending JPH05220587A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | クラッド鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05220587A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004001089A1 (ja) * | 2002-06-25 | 2003-12-31 | Ebara Corporation | アーク溶射用耐摩耗材複合ワイヤ及びその製造方法 |
| JP2009221602A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-10-01 | Tohoku Electric Power Engineering & Construction Co Ltd | 溶射用ワイヤ |
| CN113941797A (zh) * | 2021-10-27 | 2022-01-18 | 浙江亚通焊材有限公司 | 一种高锡含量铜锡钎料栅状复合带材及其制备方法 |
-
1992
- 1992-02-10 JP JP5659992A patent/JPH05220587A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004001089A1 (ja) * | 2002-06-25 | 2003-12-31 | Ebara Corporation | アーク溶射用耐摩耗材複合ワイヤ及びその製造方法 |
| JPWO2004001089A1 (ja) * | 2002-06-25 | 2005-10-20 | 株式会社荏原製作所 | アーク溶射用耐摩耗材複合ワイヤ及びその製造方法 |
| CN100430514C (zh) * | 2002-06-25 | 2008-11-05 | 株式会社荏原制作所 | 电弧喷镀用耐磨损材料复合丝及其制造方法 |
| JP4510618B2 (ja) * | 2002-06-25 | 2010-07-28 | 株式会社荏原製作所 | アーク溶射用耐摩耗材複合ワイヤ |
| JP2009221602A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-10-01 | Tohoku Electric Power Engineering & Construction Co Ltd | 溶射用ワイヤ |
| CN113941797A (zh) * | 2021-10-27 | 2022-01-18 | 浙江亚通焊材有限公司 | 一种高锡含量铜锡钎料栅状复合带材及其制备方法 |
| CN113941797B (zh) * | 2021-10-27 | 2022-10-04 | 浙江亚通焊材有限公司 | 一种高锡含量铜锡钎料栅状复合带材及其制备方法 |
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