JPH052232B2 - - Google Patents
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はフアクシミリ、高速度印刷、静電複写
等に利用した際精緻な画像の再現性に優れてお
り、とくにCADシステムにより作図された図面
を静電プロツターにて静電記録紙上に作図させた
場合、微細線画像に切れを生ずることなく、かつ
画像濃度の濃い、鮮明な図面を作成しうる静電記
録体に関するものである。 〔従来の技術〕 静電記録法は低抵抗処理を施した基体上に設け
た高誘電体樹脂層を記録層とした記録体上に電荷
を印加して静電潜像を作り、次いでこの静電潜像
部を着色トナーにて顕像し記録画像を形成せしめ
るものである。 近年、コンピユータを利用して物の設計を行な
うCADシステム技術の発展も目覚しいものであ
り、種々の分野での利用が進められている。とく
にA3版以上の大型の、かつ詳細な図面の作成は、
人手による作図よりもCADシステムを利用する
ことによつて、スピーデイにかつ正確な作図が可
能となつてきている。しかし、CADシステムに
作られた図面の作図は、これまでX−Yプロツタ
ーを用いた一筆書きによる作図であるため、A3
判大の図面の作図に数時間を要し、A0判大の図
面の作図には約10時間以上を要しており、CAD
システムによる図面作成の利点を十分に発揮しう
るプロツテイング法の検討が進められており、静
電記録体上に多針記録電極にて作図を行わせる静
電プロツタシステムを利用すると作図に要する時
間も30分以内に短縮されることを判明してきた。 上記静電プロツタシステムに利用しうる高機能
性静電記録体として従来開発されてきたものとし
ては、高誘電性記録層をポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリメタクリル酸メチル、エポキシシ樹
脂等の有機樹脂にて作成したものが開発されてい
るが、これらの静電記録体は表面平滑性が過大で
あり、静電画像の形成性が十分でないばかりでな
く、光線反射率も高く画像の肉眼による読み取り
がしにくいこと、筆記性、印鑑の押捺性が不十分
であり、静電プロツタシステムに利用する静電記
録体としての特性を十分に満足したものとはなつ
ていない。 また、高誘電性記録層を、前記絶縁性有機樹脂
と炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等の無機
充填剤とよりなる組成物にて構成したものが開発
されており、この静電記録体の表面は粗面化され
ているため筆記性、押捺性は良好であるが、高誘
電性記録層中に含まれる無機充填剤が親水性物質
であるため、記録体層上に印加した電荷のリーク
が起るため、静電画像の形成性が悪く、静電プロ
ツタシステムに利用する静電記録体としての適性
は不満足なものであつた。 また、米国特許第3097964号公報には粒子径1μ
以下のスチレン−α−メチルスチレン共重合体微
粒子を部分的に埋め込んだ状態で含んだクロトン
酸−酢酸ビニルコポリマーのコーテイングフイル
ムを紙の上に誘電体層として設けた静電記録体が
示されている。この静電記録体の誘電体層は粒子
径1μ以下のスチレン−α−メチルスチレン共重
合体粒子を含むため筆記性は良好であるが、電荷
を印加して帯電させた場合、電荷の乗りを高くす
ることが難しく画像濃度が高く鮮明な静電画像を
形成する静電記録体としての適性は十分なもので
はない。 また、特開昭55−110254号公報には粒子径10μ
以下のアクリロニトリル系重合体粒子と有機樹脂
とよりなる組成物で構成された誘電体層を有する
静電記録体が示されている。この記録体は従来開
発されてきたものに比べ、画像濃度の高い静電記
録画像を記録することはできるが、画像切れが生
じ易く、特に8ドツト/mm以上の細線画像の形成
性が極めて悪い点が難点となつている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 静電記録体の誘電体層は次の条件を備えていな
ければなない。 (1) 誘電体層に静電荷を印加した際、誘電体層は
高い帯電率となり、かつその電荷の経時的なリ
ークが少ないこと。 (2) 記録端子と接触した際、記録端子に磨耗等の
障害を与えないこと。 (3) 誘電体層に形成した静電潜像をトナーにより
顕像化したとき、細線画像の形成性が良好であ
り、かぶりやにじみを生じないこと。 (4) 誘電体層は紙的な白色度と、鉛筆、万年筆、
ボールペン等の筆で筆記した際の筆記性に優れ
ていること。 上記の観点より、米国特許第3097964号の発明
を検討してみると、粒子径1μ以下のスチレン−
α−メチルスチレン共重合体粉末を埋め込んだク
ロトン酸−酢酸ビニルコポリマーフイルムよりな
る誘電体層は、鉛筆、ボールペン等による筆記性
は比較的良好であるものの、当該誘電体層に静電
荷を印加したときの電荷の乗りが不足し、画像濃
度が低く、解像度が低く、細線画像の形成性が十
分でなく、また使われている粉末がスチレン−α
−メチルスチレンコポリマーであるため、紙的な
白色度を備えた誘電体層とはならず、インキの吸
収性が悪く、画像のにじみが生じ易い難点もあ
り、これらの点を改良された静電記録体の出現が
待たれているところである。 特開昭55−110254号公報に示された静電記録体
は紙的白色度を備えており、鉛筆、ボールペン、
万年筆等による筆記性は良好であり、誘電体層へ
の静電荷の乗りは一見良好であるが、この静電荷
がリークを生じ易いこと、誘電体層の一部に静電
荷の乗りにくい部分が生じ、トナーにて現像した
場合、第2図中の5に示す如き細線画像切れが発
生し易く、トナーにて現像する際にかぶりを生ず
るという難点がある。 この原因は明確ではないが、この静電記録紙の
誘電帯層に含まれているアクリロニトリル系重合
体粒子の平均粒子径が6μを越え通常8μ程度であ
り、径が8μを越える粒子の含有量が1%を越え
て多量含まれていることが、その原因であると推
定され、第2図中の5に示した如き細線画像切れ
の多発した静電画像しか得られないのである。 特公昭57−31732号公報には粒子径1〜2000μ
の球状のアクリロニトリル系重合体微粒子の製法
が示されている。この発明によると、92重量%以
下のアクリロニトリルと他のコモノマーとをカチ
オン濃度0.03〜3グラムイオン/lH2Oなる水性
媒体中で、120℃以上の温度で、かつ重合系に生
成するポリマーが油滴状の溶融体を形成する条件
下で、高撹拌下に重合した後冷却し、少なくとも
2×10-5モル/g(ポリマー)以上のスルホン酸
基又はその塩を含む。粒径1〜2000μのアクリロ
ニトリル系重合体が得られる。この方法において
得られるアクリロニトリル系重合体中のアクリロ
ニトリル含有量を92重量%以上のポリマーとしよ
うとすると、重合工程で生成するポリマーを溶融
した油滴状物として生成せしめることが難しくな
り、粒子径のコントロールされた粉末を得ること
ができなくなる。 また、静電記録体の誘電体層中へ含ませる微粉
末は絶縁性が高く、高誘電性のものであり、かつ
自色度に優れたものであることが必要であること
よりすると、アクリロニトリルの共重合量が92重
量%以下なるポリマーは誘電特性が不足するこ
と、白色度が十分でないという難点がある。それ
故、この方法によつて作られたアクリロニトリル
系重合体粉末を含む高誘電体層を備えた静電記録
体は画像濃度が高く、解像度が良好な鮮明な画像
形成性を備えたものとすることはできない。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで本発明者等は、精密な静電画像の形成が
可能な静電記録体を得るべく検討中のところ高誘
電記録層中に分散せしめる充填剤が重要な特性を
支配していることを見出し、とくに充填剤とし
て、 (イ) 平均粒子径が特定の範囲にあり、大粒子の含
有量が特定量以下のものであることが必要なこ
と、 (ロ) 充填剤を形成する有機重合体粒子は親水性が
低く、かつ誘電特性に優れたものであること、 (ハ) トナーの定着性が良好であり、細線潜像の顕
像性が良好であること、 等の条件を満足したものを選定することによりそ
の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成
した。 本発明の要旨とするところは、アクリロニトリ
ルの共重合量が95重量%以上で、かつイオン性基
を実質的に含まない重合体よりなり、径が0.1〜
2μの重合体粒子が凝集した多孔質状の1.5〜4μな
る範囲の体積平均粒子径を有し、誘子径分布測定
装置より求めた8μとくに6μを越える径を有する
粒子含有率が0.02%以下でありアクリロニトリル
系重合体微粒子と体積固有抵抗値が1012Ωcm以上
の絶縁性樹脂との組成物より形成した誘電体層を
低抵抗処理層を設けた基体上に設けた静電記録体
にある。 本発明で用いるアクリロニトリル系重合体微粒
子を作るのに用いるアクリロニトリル系重合体
は、アクリロニトリルの重合割合が95〜100重量
%なる範囲にあること、実質的にイオン性基を含
んでいないこと、更にはアクリロニトリル系重合
体の分子量を現わす還元粘度(ポリマー濃度0.5
重量%のジメチルホルムアミド溶液を25℃で測定
することにより算出した値)が1〜8なる範囲に
あることが好ましい。 アクリロニトリルの重合割合が95重量%未満の
アクリロニトリル系重合体は誘電特性が良好なも
のとはならず、高誘電体層形成用のアクリロニト
リル系重合体粉末としての適性が不足する。ま
た、このような組成のアクリロニトリル系重合体
は本発明で用いるアクリロニトリル系重合体に較
べ軟かく、粉体同士の凝集が起り易く、一度凝集
した粉体の散分散化が難しくなるという難点を有
する粉末となる。また、このような組成の粉末は
硬度が低くなる傾向が認められ、静電記録体形成
粉末としての適性を欠くものとなり易い。 また、本発明で用いる粉末を構成するアクリロ
ニトリル系重合体は、スルホン酸基又はその塩で
代表されるイオン性基の含有量は5×10-5当量/
g(ポリマー)以下、とくに2×10-5当量/g
(ポリマー)以下であることが好ましい。多量の
イオン性基を含むアクリロニトリル系重合体は親
水性が高くなり、このようなアクリロニトリル系
重合体粒子を含む誘電体層を有する記録体は誘電
体層の誘電率を高度なものとすることは難しく、
画像濃度、解像度が高く鮮明な静電記録像を形成
するものとはなし得ない。 本発明で用いるアクリロニトリル系重合体の還
元粘度は1〜8なる範囲にあることが好ましい。
還元粘度1未満のアクリロニトリル系重合体は脆
すぎるため充填剤としての特性が不足し、一方還
元粘度8を越えるアクリロニトリル系重合体は体
積平均粒子径1.5〜4μへの微粒子化が困難となる。 上述した如き特性を有するアクリロニトリル系
重合体は乳化重合法、懸濁重合法或いは特願昭59
−133552号、同59−133553号に示した重合方法に
て作ることができる。 本発明の静電記録体の断面構造拡大図を第1図
イに示した。第1図イ中、1は基体、2は低抵抗
処理層であり、3はアクリロニトリル系重合体粉
末粒子を、4は高誘電体層である。第1図に示し
た如き表面凹凸構造を備えた静電記録体の誘電体
層に電荷を印加すると、電荷はアクリロニトリル
系重合体粒子によつて凸状部が形成された高誘電
帯部に集中し、当該帯電部が像形成部となつてい
るのである。この画像形成性帯電部の数は単位面
積当りの数が多ければ多い程良い傾向が認められ
るのであるが、平均的にこの点が50万個/mm2以上
となるような平均粒子径を有するアクリロニトリ
ル系重合体を用いると急激に画像形成性が不良に
なることより平均粒子径が極度に小さいアクリロ
ニトリル系重合体粉末を用いた誘電体層は、第1
図イに示した如き表面凹凸部の形成性が阻害され
ているものと推定される。それ故、この記録体の
筆記性も低下すると共に記録端子と接触した際、
当該端子に磨耗等の障害を与え易くなる。 このような観点より本発明で用いるアクリロニ
トリル系重合体微粒子の体積平均粒子径は1.5〜
4μの範囲とすることが必要となるのである。従
来開発されてきた体積平均粒子径が6μを越える
大きなアクリロニトリル系重合体粉末を有機樹脂
より作られた静電記録体の誘電体層は、上述した
如き荷電部の数が10万個/mm2以下となるものと考
えられ、その断面形状も不規損な表面凹凸形状が
大となり、このことが更に誘電体層の均一帯電特
性を低下せしめ、精細で鮮明な静電画像の形成性
を阻害しているものと考えられる。 本発明者等は、上述した如き不都合のない静電
記録体を得るべく検討した結果、高誘電体層に含
有せしめるアクリロニトリル系重合体粉末とし
て、体積平均粒子径が1.5〜4μの範囲にあると共
に、8μとくに6μを越える径の粒子の数含有率を
0.02%以下にしたものを用いることにより、その
目的を達成することに成功した。 また、特に高い線密度が要求される場合には、
更に上記の如き特性を備えたアクリロニトリル系
重合体粉末として、粒子径分布測定装置(コール
ターカウンター社製、コールターカウンター、ア
パーチヤー径50μ)にて径を測定した粒子数50万
個当り、10μを越える粒子の数が30個以下なるも
のを用いて静電記録体を作ると第2図中の5に示
した如き細線画像切れのほとんどない第3図に示
した如き画像濃度が高く、解像度の良好な鮮明な
画像を形成しうる静電記録体となる。この理由は
不明であるが、径の大きな粒子を含むアクリロニ
トリル系重合体粉末を含むものを用いて作られた
静電記録体は第1図ロに示す如き断面構造とな
り、径の大きなアクリロニトリル系重合体粒子6
近傍は、他の場所よりも広い面積で突出した構造
となるため、当該箇所の帯電特性が他の径の小さ
な粒子を含む場所の帯電特性よりも悪くなり、電
荷の乗りが悪いため第2図中の5に示した如き細
線画像切れの生ずる静電記録体となるものと考え
られる。 本発明で用いるアクリロニトリル系重合体粉末
は例えば次の如き方法によつて作ることができ
る。 懸濁重合法により得た径が0.1〜2μなる一次重
合体粒子が凝集した多孔質状の第5図イに示す如
き体積平均粒子径20〜40μの重合体粒子7を、例
えば第4図に示すように、粒子供給口10が、又
エアジエツト吹込み8より粉体粉砕ゾーン9にエ
アジエツトの回転流が起るように気体が、それぞ
れ吹込まれた粉砕ゾーンに供給する。粉砕ゾーン
9に供給された粉体は、粉体同士のみの衝突によ
り開砕され、その粒子径は小さくなり、第5図ロ
に示す如く体積平均粒子径が4μ以下となつたも
のは粉砕ゾーン9より離れ、微粉体取出口11よ
り取出す。 また、他の方法としては、懸濁重合法によつて
作つた前述したものと同様の多孔質状の平均径20
〜40μのアクリロニトリル系重合体粒子をジエツ
ト気流により、衝撃壁へ衝突することによつて一
次粉砕し、この粉砕物を、高速ジエツト気流を用
いた分級器にて精密分級することにより本発明で
特定化したアクリロニトリル系重合体粒子とする
こともできる。 本発明で使用する体積平均粒子径1.5〜4μなる
アクリロニトリル系重合体粒子は第5図ロに示す
如く、略0.1〜2μとくに0.2〜0.5μの径の一次重合
体粒子が凝集した多孔質重合体粒子であるため、
誘電体樹脂の塗工液中への分散性が極めて良好で
あり、長時間放置しても、この重合体粒子は沈降
しにくいため、基体上に極めて均一な特性を備え
た誘電体層を形成することができると共に重合体
粒子の誘電体層内への固定化も強固なものとな
る。また本発明で用いるアクリロニトリル系重合
体粒子は多孔質構造であるため、その白色度が良
好であるという利点もあり、鮮明な静電画像の形
成に寄与している。 また、上記方法によつて本発明で使用するアク
リロニトリル系重合体粉末を得るに際して用いる
アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル
の共重合体が95重量%以上であることが必要であ
る。アクリロニトリルの共重合量が95重量%以上
の重合体は、上記した粉砕法にて十分に微粉末化
することができるのであるが、アクリロニトリル
の共重合量が95重量%以下の重合体、例えばアク
リロニトリル93重量%と酢酸ビニル7重量%の共
重合体を上記粉砕法にて粉砕すると、第6図に示
す如く粒子の表面に融着層が形成され、本発明で
使用するアクリロニトリル系重合体微粉末とする
ことは極めて難しい。 本発明を実施するに際して用いる体積固有抵抗
値1012Ωcm以上の絶縁性樹脂としては、重合体の
二次転移点が10℃以上の耐ブロツキング性に優れ
たものがよく、アクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸エステル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等
の単独又は共重合体であり、下記溶媒に溶解ない
し分散しうる樹脂がよい。具体例としてはブチル
アクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
イソブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト/アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレ
ート/メチルメタクリレート共重合体、ブチルア
クリレート/スチレン/アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重
合体などがある。 体積固有抵抗値が1012Ωcm未満の樹脂にて作ら
れた誘電体層は、静電記録のための静電荷を印加
しても高度な誘電分極を起すことが難しく、解像
度が良好で、画像濃度の高い鮮明な静電画像を形
成することができない。また、これらの樹脂は水
性媒体に溶解ないし分散した溶液として用いるよ
りもトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトン、エタノール、酢酸エチ
ル、ベンゼン、イソプロパノール、キシレン等の
有機溶媒に固形分濃度5〜50重量%なる有機溶媒
溶液としたものの方が高い誘電特性を示す静電記
録体を作り得、また誘電体層は紙的特性に優れた
ものとすることができる。 体積固有抵抗値が1012Ωcm以上の絶縁性樹脂
100部に対しアクリロニトリル系樹脂粉末を通常
1〜100部なる割合で加えるのがよい。アクリロ
ニトリル系樹脂粉末の絶縁性樹脂に対する添加量
が余り多くても、逆に余り少なくても良好な誘電
特性を示す静電記録体とすることはできない。 本発明の静電記録体を構成する基体としては天
然紙、合成紙或いは合成樹脂フイルムに無機塩、
有機塩、酸価50〜500なる酸性樹脂の塩、アミノ
基含有樹脂の塩等を被覆して低抵抗処理層を設け
たものを用いるのがよい。 誘電体層の厚味は約1〜10μ、とくに約2〜5μ
の範囲とするのがよい。誘電体層の厚味が厚すぎ
ると帯電特性良好な誘電体層とはなりにくくな
り、また紙的な感触が損われ、鉛筆、ボールペン
等による筆記性が損われる。 以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 <アクリロニトリル系重合体粉末〔〕の製造> 水性懸濁重合法によりアクリロニトリル93重量
%、酢酸ビニル7重量%、スルホン酸基含有量
2.2×10-5当量/g(ポリマー当り)なる径0.1〜
10μの一次重合体粒子が凝集した多孔質状の平均
粒子径30μのアクリロニトリル系重合体粒子を得
た。このアクリロニトリル系重合体粒子を第4図
に示した粉砕ゾーンを有する高速流により粒子体
衝撃を起して粉砕する型の粉砕機に供給して粉砕
し、平均粒子径6.5μの粉末〔〕を得たが、平均
粒子径の小さな粉末への微粉末化は不可能であつ
た。粉末イの表面は第6図に示した如く融点して
いた。 <アクリロニトリル系重合体粉末〔〕〜〔
〕の製造> 水性懸濁重合法にてアクリロニトリルのみを重
合し、スルホン酸基含有量1.8×0-5当量/g(ポ
リマー当り)、0.1〜2μの一次重合体粒子が凝集し
た多孔質状の平均粒子径35μのポリアクリロニト
リル粉末を得た。このアクリロニトリル系重合体
をアクリロニトリル系重合体粉末〔〕製造にお
いて用いた粉砕機に供給し第1、2表に示す体積
平均粒子径を有する各種アクリロニトリル系重合
体粉末〔〕〜〔〕を作つた。 実施例1〜10及び比較例1〜4 各種アクリロニトリル系重合体粉末〔〕〜
〔〕各50部をメチルエチルケトン200部中に投
入し、撹拌器にて分散せしめたところ、夫々のア
クリロニトリル系重合体粉末はメチルエチルケト
ン中に良好に分散し、粉末同士の凝集による塊の
生成は目視チエツクでは認められなかつた。 メチルメタクリレート40部とブチルメタクリレ
ート60部なる共重合比のアクリル樹脂の25%メチ
ルエチルケトン/トルエン溶液を14ボルト用意
し、上記14種のアクリロニトリル重合体粉末のト
ルエン溶液を加えることにより、14種の誘電記録
体形成用液を作つた。 高分子カチオン処理を施した厚さ55μの基紙上
に、上記14種の誘電体記録体形成用溶液を塗布し
た後乾燥し、静電記録体を作成した。 これら静電記録体の表面抵抗率を20℃、60%
RH、100V(DC)で測定した結果を第2表に示し
た。 また、これら静電記録体に8本/mm及び16本/
mmの線密度を有する固定マルチヘツドより負の信
号電荷を印加し、正電荷をもつた現像粉による現
像を行ない、静電画像形成性テストを行つた結果
を第3表及び第4表に示した。 第3表及び第4表中の記録特性は◎画像切れが
全くなかつたもの、〇画像切れが障害になる程な
かつたもの、△画像切れが目立つたもの、×画像
切れが多発したものなる基準で示した。
等に利用した際精緻な画像の再現性に優れてお
り、とくにCADシステムにより作図された図面
を静電プロツターにて静電記録紙上に作図させた
場合、微細線画像に切れを生ずることなく、かつ
画像濃度の濃い、鮮明な図面を作成しうる静電記
録体に関するものである。 〔従来の技術〕 静電記録法は低抵抗処理を施した基体上に設け
た高誘電体樹脂層を記録層とした記録体上に電荷
を印加して静電潜像を作り、次いでこの静電潜像
部を着色トナーにて顕像し記録画像を形成せしめ
るものである。 近年、コンピユータを利用して物の設計を行な
うCADシステム技術の発展も目覚しいものであ
り、種々の分野での利用が進められている。とく
にA3版以上の大型の、かつ詳細な図面の作成は、
人手による作図よりもCADシステムを利用する
ことによつて、スピーデイにかつ正確な作図が可
能となつてきている。しかし、CADシステムに
作られた図面の作図は、これまでX−Yプロツタ
ーを用いた一筆書きによる作図であるため、A3
判大の図面の作図に数時間を要し、A0判大の図
面の作図には約10時間以上を要しており、CAD
システムによる図面作成の利点を十分に発揮しう
るプロツテイング法の検討が進められており、静
電記録体上に多針記録電極にて作図を行わせる静
電プロツタシステムを利用すると作図に要する時
間も30分以内に短縮されることを判明してきた。 上記静電プロツタシステムに利用しうる高機能
性静電記録体として従来開発されてきたものとし
ては、高誘電性記録層をポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリメタクリル酸メチル、エポキシシ樹
脂等の有機樹脂にて作成したものが開発されてい
るが、これらの静電記録体は表面平滑性が過大で
あり、静電画像の形成性が十分でないばかりでな
く、光線反射率も高く画像の肉眼による読み取り
がしにくいこと、筆記性、印鑑の押捺性が不十分
であり、静電プロツタシステムに利用する静電記
録体としての特性を十分に満足したものとはなつ
ていない。 また、高誘電性記録層を、前記絶縁性有機樹脂
と炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等の無機
充填剤とよりなる組成物にて構成したものが開発
されており、この静電記録体の表面は粗面化され
ているため筆記性、押捺性は良好であるが、高誘
電性記録層中に含まれる無機充填剤が親水性物質
であるため、記録体層上に印加した電荷のリーク
が起るため、静電画像の形成性が悪く、静電プロ
ツタシステムに利用する静電記録体としての適性
は不満足なものであつた。 また、米国特許第3097964号公報には粒子径1μ
以下のスチレン−α−メチルスチレン共重合体微
粒子を部分的に埋め込んだ状態で含んだクロトン
酸−酢酸ビニルコポリマーのコーテイングフイル
ムを紙の上に誘電体層として設けた静電記録体が
示されている。この静電記録体の誘電体層は粒子
径1μ以下のスチレン−α−メチルスチレン共重
合体粒子を含むため筆記性は良好であるが、電荷
を印加して帯電させた場合、電荷の乗りを高くす
ることが難しく画像濃度が高く鮮明な静電画像を
形成する静電記録体としての適性は十分なもので
はない。 また、特開昭55−110254号公報には粒子径10μ
以下のアクリロニトリル系重合体粒子と有機樹脂
とよりなる組成物で構成された誘電体層を有する
静電記録体が示されている。この記録体は従来開
発されてきたものに比べ、画像濃度の高い静電記
録画像を記録することはできるが、画像切れが生
じ易く、特に8ドツト/mm以上の細線画像の形成
性が極めて悪い点が難点となつている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 静電記録体の誘電体層は次の条件を備えていな
ければなない。 (1) 誘電体層に静電荷を印加した際、誘電体層は
高い帯電率となり、かつその電荷の経時的なリ
ークが少ないこと。 (2) 記録端子と接触した際、記録端子に磨耗等の
障害を与えないこと。 (3) 誘電体層に形成した静電潜像をトナーにより
顕像化したとき、細線画像の形成性が良好であ
り、かぶりやにじみを生じないこと。 (4) 誘電体層は紙的な白色度と、鉛筆、万年筆、
ボールペン等の筆で筆記した際の筆記性に優れ
ていること。 上記の観点より、米国特許第3097964号の発明
を検討してみると、粒子径1μ以下のスチレン−
α−メチルスチレン共重合体粉末を埋め込んだク
ロトン酸−酢酸ビニルコポリマーフイルムよりな
る誘電体層は、鉛筆、ボールペン等による筆記性
は比較的良好であるものの、当該誘電体層に静電
荷を印加したときの電荷の乗りが不足し、画像濃
度が低く、解像度が低く、細線画像の形成性が十
分でなく、また使われている粉末がスチレン−α
−メチルスチレンコポリマーであるため、紙的な
白色度を備えた誘電体層とはならず、インキの吸
収性が悪く、画像のにじみが生じ易い難点もあ
り、これらの点を改良された静電記録体の出現が
待たれているところである。 特開昭55−110254号公報に示された静電記録体
は紙的白色度を備えており、鉛筆、ボールペン、
万年筆等による筆記性は良好であり、誘電体層へ
の静電荷の乗りは一見良好であるが、この静電荷
がリークを生じ易いこと、誘電体層の一部に静電
荷の乗りにくい部分が生じ、トナーにて現像した
場合、第2図中の5に示す如き細線画像切れが発
生し易く、トナーにて現像する際にかぶりを生ず
るという難点がある。 この原因は明確ではないが、この静電記録紙の
誘電帯層に含まれているアクリロニトリル系重合
体粒子の平均粒子径が6μを越え通常8μ程度であ
り、径が8μを越える粒子の含有量が1%を越え
て多量含まれていることが、その原因であると推
定され、第2図中の5に示した如き細線画像切れ
の多発した静電画像しか得られないのである。 特公昭57−31732号公報には粒子径1〜2000μ
の球状のアクリロニトリル系重合体微粒子の製法
が示されている。この発明によると、92重量%以
下のアクリロニトリルと他のコモノマーとをカチ
オン濃度0.03〜3グラムイオン/lH2Oなる水性
媒体中で、120℃以上の温度で、かつ重合系に生
成するポリマーが油滴状の溶融体を形成する条件
下で、高撹拌下に重合した後冷却し、少なくとも
2×10-5モル/g(ポリマー)以上のスルホン酸
基又はその塩を含む。粒径1〜2000μのアクリロ
ニトリル系重合体が得られる。この方法において
得られるアクリロニトリル系重合体中のアクリロ
ニトリル含有量を92重量%以上のポリマーとしよ
うとすると、重合工程で生成するポリマーを溶融
した油滴状物として生成せしめることが難しくな
り、粒子径のコントロールされた粉末を得ること
ができなくなる。 また、静電記録体の誘電体層中へ含ませる微粉
末は絶縁性が高く、高誘電性のものであり、かつ
自色度に優れたものであることが必要であること
よりすると、アクリロニトリルの共重合量が92重
量%以下なるポリマーは誘電特性が不足するこ
と、白色度が十分でないという難点がある。それ
故、この方法によつて作られたアクリロニトリル
系重合体粉末を含む高誘電体層を備えた静電記録
体は画像濃度が高く、解像度が良好な鮮明な画像
形成性を備えたものとすることはできない。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで本発明者等は、精密な静電画像の形成が
可能な静電記録体を得るべく検討中のところ高誘
電記録層中に分散せしめる充填剤が重要な特性を
支配していることを見出し、とくに充填剤とし
て、 (イ) 平均粒子径が特定の範囲にあり、大粒子の含
有量が特定量以下のものであることが必要なこ
と、 (ロ) 充填剤を形成する有機重合体粒子は親水性が
低く、かつ誘電特性に優れたものであること、 (ハ) トナーの定着性が良好であり、細線潜像の顕
像性が良好であること、 等の条件を満足したものを選定することによりそ
の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成
した。 本発明の要旨とするところは、アクリロニトリ
ルの共重合量が95重量%以上で、かつイオン性基
を実質的に含まない重合体よりなり、径が0.1〜
2μの重合体粒子が凝集した多孔質状の1.5〜4μな
る範囲の体積平均粒子径を有し、誘子径分布測定
装置より求めた8μとくに6μを越える径を有する
粒子含有率が0.02%以下でありアクリロニトリル
系重合体微粒子と体積固有抵抗値が1012Ωcm以上
の絶縁性樹脂との組成物より形成した誘電体層を
低抵抗処理層を設けた基体上に設けた静電記録体
にある。 本発明で用いるアクリロニトリル系重合体微粒
子を作るのに用いるアクリロニトリル系重合体
は、アクリロニトリルの重合割合が95〜100重量
%なる範囲にあること、実質的にイオン性基を含
んでいないこと、更にはアクリロニトリル系重合
体の分子量を現わす還元粘度(ポリマー濃度0.5
重量%のジメチルホルムアミド溶液を25℃で測定
することにより算出した値)が1〜8なる範囲に
あることが好ましい。 アクリロニトリルの重合割合が95重量%未満の
アクリロニトリル系重合体は誘電特性が良好なも
のとはならず、高誘電体層形成用のアクリロニト
リル系重合体粉末としての適性が不足する。ま
た、このような組成のアクリロニトリル系重合体
は本発明で用いるアクリロニトリル系重合体に較
べ軟かく、粉体同士の凝集が起り易く、一度凝集
した粉体の散分散化が難しくなるという難点を有
する粉末となる。また、このような組成の粉末は
硬度が低くなる傾向が認められ、静電記録体形成
粉末としての適性を欠くものとなり易い。 また、本発明で用いる粉末を構成するアクリロ
ニトリル系重合体は、スルホン酸基又はその塩で
代表されるイオン性基の含有量は5×10-5当量/
g(ポリマー)以下、とくに2×10-5当量/g
(ポリマー)以下であることが好ましい。多量の
イオン性基を含むアクリロニトリル系重合体は親
水性が高くなり、このようなアクリロニトリル系
重合体粒子を含む誘電体層を有する記録体は誘電
体層の誘電率を高度なものとすることは難しく、
画像濃度、解像度が高く鮮明な静電記録像を形成
するものとはなし得ない。 本発明で用いるアクリロニトリル系重合体の還
元粘度は1〜8なる範囲にあることが好ましい。
還元粘度1未満のアクリロニトリル系重合体は脆
すぎるため充填剤としての特性が不足し、一方還
元粘度8を越えるアクリロニトリル系重合体は体
積平均粒子径1.5〜4μへの微粒子化が困難となる。 上述した如き特性を有するアクリロニトリル系
重合体は乳化重合法、懸濁重合法或いは特願昭59
−133552号、同59−133553号に示した重合方法に
て作ることができる。 本発明の静電記録体の断面構造拡大図を第1図
イに示した。第1図イ中、1は基体、2は低抵抗
処理層であり、3はアクリロニトリル系重合体粉
末粒子を、4は高誘電体層である。第1図に示し
た如き表面凹凸構造を備えた静電記録体の誘電体
層に電荷を印加すると、電荷はアクリロニトリル
系重合体粒子によつて凸状部が形成された高誘電
帯部に集中し、当該帯電部が像形成部となつてい
るのである。この画像形成性帯電部の数は単位面
積当りの数が多ければ多い程良い傾向が認められ
るのであるが、平均的にこの点が50万個/mm2以上
となるような平均粒子径を有するアクリロニトリ
ル系重合体を用いると急激に画像形成性が不良に
なることより平均粒子径が極度に小さいアクリロ
ニトリル系重合体粉末を用いた誘電体層は、第1
図イに示した如き表面凹凸部の形成性が阻害され
ているものと推定される。それ故、この記録体の
筆記性も低下すると共に記録端子と接触した際、
当該端子に磨耗等の障害を与え易くなる。 このような観点より本発明で用いるアクリロニ
トリル系重合体微粒子の体積平均粒子径は1.5〜
4μの範囲とすることが必要となるのである。従
来開発されてきた体積平均粒子径が6μを越える
大きなアクリロニトリル系重合体粉末を有機樹脂
より作られた静電記録体の誘電体層は、上述した
如き荷電部の数が10万個/mm2以下となるものと考
えられ、その断面形状も不規損な表面凹凸形状が
大となり、このことが更に誘電体層の均一帯電特
性を低下せしめ、精細で鮮明な静電画像の形成性
を阻害しているものと考えられる。 本発明者等は、上述した如き不都合のない静電
記録体を得るべく検討した結果、高誘電体層に含
有せしめるアクリロニトリル系重合体粉末とし
て、体積平均粒子径が1.5〜4μの範囲にあると共
に、8μとくに6μを越える径の粒子の数含有率を
0.02%以下にしたものを用いることにより、その
目的を達成することに成功した。 また、特に高い線密度が要求される場合には、
更に上記の如き特性を備えたアクリロニトリル系
重合体粉末として、粒子径分布測定装置(コール
ターカウンター社製、コールターカウンター、ア
パーチヤー径50μ)にて径を測定した粒子数50万
個当り、10μを越える粒子の数が30個以下なるも
のを用いて静電記録体を作ると第2図中の5に示
した如き細線画像切れのほとんどない第3図に示
した如き画像濃度が高く、解像度の良好な鮮明な
画像を形成しうる静電記録体となる。この理由は
不明であるが、径の大きな粒子を含むアクリロニ
トリル系重合体粉末を含むものを用いて作られた
静電記録体は第1図ロに示す如き断面構造とな
り、径の大きなアクリロニトリル系重合体粒子6
近傍は、他の場所よりも広い面積で突出した構造
となるため、当該箇所の帯電特性が他の径の小さ
な粒子を含む場所の帯電特性よりも悪くなり、電
荷の乗りが悪いため第2図中の5に示した如き細
線画像切れの生ずる静電記録体となるものと考え
られる。 本発明で用いるアクリロニトリル系重合体粉末
は例えば次の如き方法によつて作ることができ
る。 懸濁重合法により得た径が0.1〜2μなる一次重
合体粒子が凝集した多孔質状の第5図イに示す如
き体積平均粒子径20〜40μの重合体粒子7を、例
えば第4図に示すように、粒子供給口10が、又
エアジエツト吹込み8より粉体粉砕ゾーン9にエ
アジエツトの回転流が起るように気体が、それぞ
れ吹込まれた粉砕ゾーンに供給する。粉砕ゾーン
9に供給された粉体は、粉体同士のみの衝突によ
り開砕され、その粒子径は小さくなり、第5図ロ
に示す如く体積平均粒子径が4μ以下となつたも
のは粉砕ゾーン9より離れ、微粉体取出口11よ
り取出す。 また、他の方法としては、懸濁重合法によつて
作つた前述したものと同様の多孔質状の平均径20
〜40μのアクリロニトリル系重合体粒子をジエツ
ト気流により、衝撃壁へ衝突することによつて一
次粉砕し、この粉砕物を、高速ジエツト気流を用
いた分級器にて精密分級することにより本発明で
特定化したアクリロニトリル系重合体粒子とする
こともできる。 本発明で使用する体積平均粒子径1.5〜4μなる
アクリロニトリル系重合体粒子は第5図ロに示す
如く、略0.1〜2μとくに0.2〜0.5μの径の一次重合
体粒子が凝集した多孔質重合体粒子であるため、
誘電体樹脂の塗工液中への分散性が極めて良好で
あり、長時間放置しても、この重合体粒子は沈降
しにくいため、基体上に極めて均一な特性を備え
た誘電体層を形成することができると共に重合体
粒子の誘電体層内への固定化も強固なものとな
る。また本発明で用いるアクリロニトリル系重合
体粒子は多孔質構造であるため、その白色度が良
好であるという利点もあり、鮮明な静電画像の形
成に寄与している。 また、上記方法によつて本発明で使用するアク
リロニトリル系重合体粉末を得るに際して用いる
アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル
の共重合体が95重量%以上であることが必要であ
る。アクリロニトリルの共重合量が95重量%以上
の重合体は、上記した粉砕法にて十分に微粉末化
することができるのであるが、アクリロニトリル
の共重合量が95重量%以下の重合体、例えばアク
リロニトリル93重量%と酢酸ビニル7重量%の共
重合体を上記粉砕法にて粉砕すると、第6図に示
す如く粒子の表面に融着層が形成され、本発明で
使用するアクリロニトリル系重合体微粉末とする
ことは極めて難しい。 本発明を実施するに際して用いる体積固有抵抗
値1012Ωcm以上の絶縁性樹脂としては、重合体の
二次転移点が10℃以上の耐ブロツキング性に優れ
たものがよく、アクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸エステル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等
の単独又は共重合体であり、下記溶媒に溶解ない
し分散しうる樹脂がよい。具体例としてはブチル
アクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
イソブチルアクリレート/メチルメタクリレー
ト/アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレ
ート/メチルメタクリレート共重合体、ブチルア
クリレート/スチレン/アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重
合体などがある。 体積固有抵抗値が1012Ωcm未満の樹脂にて作ら
れた誘電体層は、静電記録のための静電荷を印加
しても高度な誘電分極を起すことが難しく、解像
度が良好で、画像濃度の高い鮮明な静電画像を形
成することができない。また、これらの樹脂は水
性媒体に溶解ないし分散した溶液として用いるよ
りもトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトン、エタノール、酢酸エチ
ル、ベンゼン、イソプロパノール、キシレン等の
有機溶媒に固形分濃度5〜50重量%なる有機溶媒
溶液としたものの方が高い誘電特性を示す静電記
録体を作り得、また誘電体層は紙的特性に優れた
ものとすることができる。 体積固有抵抗値が1012Ωcm以上の絶縁性樹脂
100部に対しアクリロニトリル系樹脂粉末を通常
1〜100部なる割合で加えるのがよい。アクリロ
ニトリル系樹脂粉末の絶縁性樹脂に対する添加量
が余り多くても、逆に余り少なくても良好な誘電
特性を示す静電記録体とすることはできない。 本発明の静電記録体を構成する基体としては天
然紙、合成紙或いは合成樹脂フイルムに無機塩、
有機塩、酸価50〜500なる酸性樹脂の塩、アミノ
基含有樹脂の塩等を被覆して低抵抗処理層を設け
たものを用いるのがよい。 誘電体層の厚味は約1〜10μ、とくに約2〜5μ
の範囲とするのがよい。誘電体層の厚味が厚すぎ
ると帯電特性良好な誘電体層とはなりにくくな
り、また紙的な感触が損われ、鉛筆、ボールペン
等による筆記性が損われる。 以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 <アクリロニトリル系重合体粉末〔〕の製造> 水性懸濁重合法によりアクリロニトリル93重量
%、酢酸ビニル7重量%、スルホン酸基含有量
2.2×10-5当量/g(ポリマー当り)なる径0.1〜
10μの一次重合体粒子が凝集した多孔質状の平均
粒子径30μのアクリロニトリル系重合体粒子を得
た。このアクリロニトリル系重合体粒子を第4図
に示した粉砕ゾーンを有する高速流により粒子体
衝撃を起して粉砕する型の粉砕機に供給して粉砕
し、平均粒子径6.5μの粉末〔〕を得たが、平均
粒子径の小さな粉末への微粉末化は不可能であつ
た。粉末イの表面は第6図に示した如く融点して
いた。 <アクリロニトリル系重合体粉末〔〕〜〔
〕の製造> 水性懸濁重合法にてアクリロニトリルのみを重
合し、スルホン酸基含有量1.8×0-5当量/g(ポ
リマー当り)、0.1〜2μの一次重合体粒子が凝集し
た多孔質状の平均粒子径35μのポリアクリロニト
リル粉末を得た。このアクリロニトリル系重合体
をアクリロニトリル系重合体粉末〔〕製造にお
いて用いた粉砕機に供給し第1、2表に示す体積
平均粒子径を有する各種アクリロニトリル系重合
体粉末〔〕〜〔〕を作つた。 実施例1〜10及び比較例1〜4 各種アクリロニトリル系重合体粉末〔〕〜
〔〕各50部をメチルエチルケトン200部中に投
入し、撹拌器にて分散せしめたところ、夫々のア
クリロニトリル系重合体粉末はメチルエチルケト
ン中に良好に分散し、粉末同士の凝集による塊の
生成は目視チエツクでは認められなかつた。 メチルメタクリレート40部とブチルメタクリレ
ート60部なる共重合比のアクリル樹脂の25%メチ
ルエチルケトン/トルエン溶液を14ボルト用意
し、上記14種のアクリロニトリル重合体粉末のト
ルエン溶液を加えることにより、14種の誘電記録
体形成用液を作つた。 高分子カチオン処理を施した厚さ55μの基紙上
に、上記14種の誘電体記録体形成用溶液を塗布し
た後乾燥し、静電記録体を作成した。 これら静電記録体の表面抵抗率を20℃、60%
RH、100V(DC)で測定した結果を第2表に示し
た。 また、これら静電記録体に8本/mm及び16本/
mmの線密度を有する固定マルチヘツドより負の信
号電荷を印加し、正電荷をもつた現像粉による現
像を行ない、静電画像形成性テストを行つた結果
を第3表及び第4表に示した。 第3表及び第4表中の記録特性は◎画像切れが
全くなかつたもの、〇画像切れが障害になる程な
かつたもの、△画像切れが目立つたもの、×画像
切れが多発したものなる基準で示した。
【表】
【表】
【表】
本発明の静電記録体は、その誘電体記録層が体
積固有抵抗値が1012Ωcm以上の絶縁樹脂と、アク
リロニトリルの共重合量が95重量%以上で、実質
的にイオン性基を含まず、かつ径0.1〜2μの一次
重合体粒子が凝集した多孔質状の体積平均粒子径
1.5〜4μの範囲内にあり、8μとくに6μを越える径
の粒子含有率が0.02%以下なるアクリロニトリル
系重合体粉末とより形成されているため、記録密
度が8ドツト/mm以上、とくに16ドツト/mmなる
極めて記録密度の高い、静電記録用電荷を印加し
た場合、誘電体記録層を高い帯電率で帯電せしめ
ることができるため、トナー処理により解像度が
高く、画像濃度の濃い鮮明な静電記録画像を形成
することができる。
積固有抵抗値が1012Ωcm以上の絶縁樹脂と、アク
リロニトリルの共重合量が95重量%以上で、実質
的にイオン性基を含まず、かつ径0.1〜2μの一次
重合体粒子が凝集した多孔質状の体積平均粒子径
1.5〜4μの範囲内にあり、8μとくに6μを越える径
の粒子含有率が0.02%以下なるアクリロニトリル
系重合体粉末とより形成されているため、記録密
度が8ドツト/mm以上、とくに16ドツト/mmなる
極めて記録密度の高い、静電記録用電荷を印加し
た場合、誘電体記録層を高い帯電率で帯電せしめ
ることができるため、トナー処理により解像度が
高く、画像濃度の濃い鮮明な静電記録画像を形成
することができる。
第1図イは本発明の静電記録体の断面構造模式
図、同図ロは本発明の範囲外の静電記録体の断面
構造模式図の1例、第2図は本発明の範囲外の静
電記録体の細線画像記録図の1例、第3図は本発
明の静電記録体の細線画像記録図、第4図は本発
明で使用する有機粉体製造装置の概略断面図の1
例、第5図イは懸濁重合により得た原料AN系重
合体粉末の顕微鏡拡大図の1例、同図ロは本発明
で用いる有機微粉末の顕微鏡拡大図の1例、第6
図は本発明の範囲外の有機粉末の顕微鏡拡大図を
それぞれ示す。 図中1は基体、2は低抵抗処理層、3はアクリ
ロニトリル系重合体粉末、4は高誘電体層、5は
細線画像切れ部分、6は粒径の大きな本発明の範
囲外の粒子、7は重合体粒子、8は有機粉体製造
装置のエアジエツト吹込み口、9は粉体の粉砕ゾ
ーン、10は原料重合体粒子の供給口をそれぞれ
示す。
図、同図ロは本発明の範囲外の静電記録体の断面
構造模式図の1例、第2図は本発明の範囲外の静
電記録体の細線画像記録図の1例、第3図は本発
明の静電記録体の細線画像記録図、第4図は本発
明で使用する有機粉体製造装置の概略断面図の1
例、第5図イは懸濁重合により得た原料AN系重
合体粉末の顕微鏡拡大図の1例、同図ロは本発明
で用いる有機微粉末の顕微鏡拡大図の1例、第6
図は本発明の範囲外の有機粉末の顕微鏡拡大図を
それぞれ示す。 図中1は基体、2は低抵抗処理層、3はアクリ
ロニトリル系重合体粉末、4は高誘電体層、5は
細線画像切れ部分、6は粒径の大きな本発明の範
囲外の粒子、7は重合体粒子、8は有機粉体製造
装置のエアジエツト吹込み口、9は粉体の粉砕ゾ
ーン、10は原料重合体粒子の供給口をそれぞれ
示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アクリロニトリルの共重合量が95重量%以上
の実質的にイオン性基を含まない重合体よりな
り、径が0.1〜2μの粒子が凝集した体積平均粒子
径が1.5〜4μなる範囲にあり粒子径分布測定装置
により求めた径が8μを越える粒子数含有率が0.02
%以下である多孔質状アクリロニトリル系重合体
粉末と体積固有抵抗値が1012Ωcm以上の絶縁性樹
脂組成物より形成した誘電体層を低抵抗処理層を
有する基体上に設けた静電記録体。 2 アクリロニトリル系重合体粉末として粒子径
分布測定装置により求めた径が6μを越える粒子
の数含有率が0.02%以下なるものを用いることを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の静電記録
体。 3 アクリロニトリル系重合体粉末として粒子径
分子測定装置により測定した径が10μを越える粒
子の含有量が、測定粒子数50万個当り30個以下で
あるものを用いることを特徴とする特許請求の範
囲第1項又は第2項記載の静電記録体。 4 静電記録体の記録密度が8ドツト/mm以上で
ある特許請求の範囲第1項〜第3項記載の静電記
録体。 5 アクリロニトリル系重合体として、その分子
量が還元粘度1〜8なる範囲のものを用いること
を特徴とする特許請求の範囲第1項〜第4項記載
の静電記録体。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60-90542 | 1985-04-26 | ||
| JP9054285 | 1985-04-26 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS632053A JPS632053A (ja) | 1988-01-07 |
| JPH052232B2 true JPH052232B2 (ja) | 1993-01-12 |
Family
ID=14001298
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61043150A Granted JPS632053A (ja) | 1985-04-26 | 1986-02-28 | 静電記録体 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4752522A (ja) |
| JP (1) | JPS632053A (ja) |
| AU (1) | AU575250B2 (ja) |
| CA (1) | CA1247367A (ja) |
| DE (1) | DE3613567A1 (ja) |
| GB (1) | GB2174316B (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5109771A (en) * | 1988-08-19 | 1992-05-05 | Presstek, Inc. | Spark-discharge lithography plates containing image-support pigments |
| US5193751A (en) * | 1988-08-30 | 1993-03-16 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co., Ltd. | Coloring fine particles and toner for developing electrostatic images using the same |
| CA1336479C (en) * | 1988-08-30 | 1995-08-01 | Yoshikuni Mori | Coloring fine particle and toner for developing electrostatic images using the same |
| US5126763A (en) * | 1990-04-25 | 1992-06-30 | Arkwright Incorporated | Film composite for electrostatic recording |
| US5399413A (en) * | 1993-04-30 | 1995-03-21 | Rexham Graphics Inc. | High performance composite and conductive ground plane for electrostatic recording of information |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3097964A (en) * | 1959-06-30 | 1963-07-16 | Burroughs Corp | Dielectric recording medium |
| US4542059A (en) * | 1982-08-23 | 1985-09-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium |
-
1986
- 1986-02-28 JP JP61043150A patent/JPS632053A/ja active Granted
- 1986-04-03 US US06/847,525 patent/US4752522A/en not_active Expired - Fee Related
- 1986-04-03 CA CA000505825A patent/CA1247367A/en not_active Expired
- 1986-04-04 GB GB8608344A patent/GB2174316B/en not_active Expired
- 1986-04-17 AU AU56372/86A patent/AU575250B2/en not_active Ceased
- 1986-04-22 DE DE19863613567 patent/DE3613567A1/de not_active Withdrawn
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| AU575250B2 (en) | 1988-07-21 |
| AU5637286A (en) | 1986-10-30 |
| CA1247367A (en) | 1988-12-28 |
| US4752522A (en) | 1988-06-21 |
| GB2174316A (en) | 1986-11-05 |
| GB2174316B (en) | 1989-02-22 |
| DE3613567A1 (de) | 1986-11-06 |
| JPS632053A (ja) | 1988-01-07 |
| GB8608344D0 (en) | 1986-05-08 |
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