JPH05228471A - 燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃液の処理方法 - Google Patents

燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃液の処理方法

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JPH05228471A JP4069148A JP6914892A JPH05228471A JP H05228471 A JPH05228471 A JP H05228471A JP 4069148 A JP4069148 A JP 4069148A JP 6914892 A JP6914892 A JP 6914892A JP H05228471 A JPH05228471 A JP H05228471A
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八州家 三上
Nobuyoshi Yatomi
信義 彌富
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸(塩酸
や硝酸等)の廃液の処理方法を提供する。 【構成】 燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃液を
濃縮する工程、及び前記の燐酸アルミニウムを含有する
一塩基酸廃液に燐酸を添加する工程の後で、拡散透析処
理を行う。 【効果】 廃液から金属不純分の少ない一塩基酸を効率
的に回収してリサイクルすることができると共に、副産
物として燐酸アルミニウムを回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燐酸アルミニウムを含
有する一塩基酸廃液を処理し、一塩基酸を回収して再利
用する方法に関するものである。本発明は、例えばアル
ミニウム電解コンデンサの生産工程やアルミニウムの化
学研磨工程から排出される廃液の処理に好適に適用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】電解箔工業関係では、エッチングや化成
工程によって高品質なアルミニウム電極箔を生産してい
る。エッチングは、アルミニウム箔表面を薬品や電気の
作用で凹凸状にして表面積を拡大する工程であり、この
工程によってアルミニウム電解コンデンサの静電容量を
飛躍的に向上させ、小型化が可能になる。化成は、エッ
チング処理の終わったアルミニウム箔の表面を電気・化
学的に処理して酸化皮膜を形成する技術であり、この皮
膜の厚さが耐圧性を決定し、繊密さが高信頼性や長寿命
化を決定している。近年、製品の小型化などコンデンサ
性能の向上が望まれ、その要請に応えるべく、エッチン
グや化成の処理技術は更に高度化している。それに伴
い、使用される薬品の組成や濃度も複雑になり、これら
の工程から排出される廃液の組成も複雑化している。塩
酸又は硝酸といった一塩基酸に燐酸又は硫酸を添加した
混酸が用いられるようになり、廃液の処理が非常に困難
になってきた。
【0003】従来、アルミニウム電解コンデンサを製造
している電解箔工業関係の工場より排出される廃液は、
中和処理後に廃棄されるか、又はせいぜい製紙工場の凝
沈剤として利用される程度であった。廃液の中和処理で
はアルカリが多量に消費されるので処理費が高くなるだ
けでなく、中和により副生する水酸化アルミニウムの分
離が困難であった。
【0004】本発明者らは、前記のような廃液の処理方
法として既に様々な方法を提案してきた。例えば、アル
ミニウム含有廃塩酸の処理方法として、廃液に硫酸を添
加して良質の硫酸アルミニウム結晶を析出させてアルミ
ニウムを回収する方法(特開平1-153517号公報)や、ア
ルミニウムを含むシュウ酸溶液の処理方法として、廃液
に硫酸を添加してシュウ酸を回収する方法(特公昭55-3
0697号公報)等を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
技術進歩に伴い、新たな廃液問題として、硫酸や燐酸な
どの不揮発性酸を含有する一塩基酸廃液の有効な処理方
法が求められている。従来のように、この種の廃液から
凝集剤を製造しようとすると、一塩基酸の酸基とアルミ
ニウムとの塩が析出するだけでなく、アルミニウムの硫
酸塩や燐酸塩も同時に析出し、濃縮液を常温まで放冷す
ると全体がゲル状に凝固してしまうので、その処理が困
難であった。
【0006】そこで本発明者は、アルミニウム電解コン
デンサの製造工程などから多量に発生する、燐酸アルミ
ニウムを含有する一塩基酸廃液中に含まれる主要不純物
であるアルミニウム金属イオンを効率的に除去し、リサ
イクル可能な一塩基酸水溶液を再生する方法の研究を行
った。燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃液をリサ
イクル可能なものにするためにはアルミニウムの効率的
な除去が不可欠である。しかしながら、廃液をそのまま
単に拡散透析しただけでは、廃液中に含有される一塩基
酸の回収率は低く、アルミニウムの除去率も悪い。とこ
ろが、意外にも、該廃液を濃縮し、燐酸を添加してから
拡散透析を行うと一塩基酸をそのまま拡散透析する場合
と比較して、一塩基酸を非常に効率よく70%〜95%
も回収することができるので、リサイクル可能な一塩基
酸水溶液を再生することができると共に、燐酸アルミニ
ウムも効率よく回収することができることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は燐酸ア
ルミニウムを含有する一塩基酸廃液を濃縮する工程、及
び前記の燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃液に燐
酸を添加する工程の後で、拡散透析処理を行うことを特
徴とする、燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃液の
処理方法に関するものである。
【0008】本発明方法で処理の対象となる廃液は、主
要成分として一塩基酸及び燐酸を含む処理液でアルミニ
ウム金属処理を行うことによって生じる廃液であれば特
に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム電解
コンデンサの製造工程やアルミニウム化学研磨工程から
多量に発生する廃液である。廃液中に一塩基酸及び燐
酸、並びにそれらのアルミニウム塩を含有する以外に、
その他の各種無機酸(例えば、硫酸等)を含有していて
もよい。尚、ここで言う一塩基酸とは1分子の酸が電離
して1個の水素イオンを放出する酸であり、特に塩酸又
は硝酸である。
【0009】濃縮工程によって廃液中の一塩基酸及びア
ルミニウムの濃度を調整する。酸の透析係数は、その濃
度や種類により差異があり、拡散透析処理による目的の
酸の回収能力にも差異が生じる。使用する透析膜によっ
て異なるが、例えば、塩酸や硝酸では約2N〜6Nの濃
度の時に透析係数が大きくなる。従って、処理対象廃酸
中に含まれ、回収の対象となる一塩基酸の透析係数が最
大となる濃度に廃液を濃縮する。この濃度調整時の濃縮
工程では、アルミニウム濃度を30〜60g/リットル
にするのが好ましい。アルミニウム濃度が30g/リッ
トル未満になると透析効率が悪化するので好ましくな
く、また60g/リットルを越えると、アルミニウム塩
結晶が析出しやすくなり、透析膜の目詰りや拡散透析処
理の際にアルミニウムのリークが起きやすくなる。濃縮
操作は、例えば、減圧による蒸発濃縮によって実施する
ことができる。
【0010】廃液中には遊離の一塩基酸がほとんど存在
しないため、燐酸を添加して一塩基酸の酸基からなるア
ルミニウム塩を燐酸アルミニウムに置換し、これにより
発生した遊離の一塩基酸を拡散透析処理によって回収す
る。添加される燐酸は、一塩基酸に比べて透析係数が低
いので一塩基酸の透析の障害になることがなく、且つエ
ッチング液等の一成分であるので、廃液に添加しても、
再生後の処理液に不必要な不純物を増やすことにはなら
ないという利点がある。燐酸添加により、PO4/Al のモ
ル比を1〜5の割合、好ましくは1.1〜2に調整する
のが好ましい。PO4 /Al のモル比が1未満や5を越える
と、一塩基酸を回収する拡散透析処理の際に、一塩基酸
の減少に伴い装置内でアルミニウム塩結晶が析出しやす
くなる。
【0011】前記の濃縮工程及び燐酸添加工程の順序は
任意であり、濃縮工程を先に行ってから燐酸添加工程を
行っても、或いはその逆でもよい。次に、濃縮処理及び
燐酸添加処理の行なわれた該廃液をアニオン交換膜を用
いて拡散透析処理を行なう。ここで使用されるアニオン
交換膜としては特に限定されないが遊離の一塩基酸を選
択的に透過し、且つ金属イオン及び燐酸イオンを透過し
にくいものが望ましい。
【0012】拡散透析処理は常法に従って行われる。例
えばアニオン交換膜を多数配列したフィルタープレス型
に構成された拡散透析槽を用い、アニオン交換膜を介し
て廃液と水とを向流に流通させることにより行われる。
廃液及び水の供給速度に特に制限はないが、0.5〜3
リットル/hr・m 2 程度で供給すればよい。アニオン交
換膜は水素イオン以外の陽イオンを透過しない性質を持
っているので、廃液と水との濃度差によって酸(すなわ
ち、塩酸や硝酸)は廃液側から水側へ拡散して酸液(回
収酸)が得られ、一方廃液側では遊離酸が除去されて透
析廃液となる。
【0013】次いで、上記拡散透析処理で得られた透析
廃液をPO4 イオン濃度が500g/リットル以上になる
よう減圧法で蒸発濃縮して、水と共に遊離の一塩基酸を
溜出し回収する。また、こうして一塩基酸を再度除去し
て得られる透析廃液は燐酸リッチな溶液である。燐酸水
溶液の燐酸アルミニウムの溶解度は燐酸濃度の減少に相
関して減少するので、前記の燐酸リッチな水溶液を水で
希釈することにより、燐酸アルミニウムを容易に析出分
離することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 アルミニウム箔をエッチング処理した廃硝酸18リット
ル(Alとして15.9g/リットル、PO4 として1
2.2g/リットル、NO3 として121.5g/リッ
トル)を減圧法(30mmHg)によって約1/3に蒸発濃
縮した。次に,75重量%燐酸約1.64kgを添加して
Alが40.7g/リットル、PO4 が199.0g/
リットル、NO3 が311.2g/リットルからなる溶
液約7リットルを得た。
【0015】次に、該溶液を用いて常温で拡散透析処理
を行なった。拡散透析処理はアニオン交換膜を隔膜(有
効面積0.397m2 )として19枚備えたフィルター
プレス型の拡散透析槽を用い、廃液と水を向流に供給し
た。試験は廃液の供給速度230ml/hr、水の供給速度
500ml/hrに設定して20時間実施した。その結果、
回収酸7.36リットル(Alとして0.6g/リット
ル、PO4 として10.1g/リットル、NO3 として
136.6g/リットル)、透析廃液7.24リットル
(Alとして25.2g/リットル、PO4 として11
6.1g/リットル、NO3 として58.8g/リット
ル)を得た。硝酸の回収率は70%であった。
【0016】前記の透析廃液7.24リットルを減圧法
によってPO4 濃度600g/リットルまで蒸発濃縮
し、水と共に硝酸を蒸発回収し、続いて水8リットルを
添加して燐酸アルミニウムを析出させた。その後、分離
濾過を行い、燐酸アルミニウム約730gを回収した。
【0017】実施例2 アルミニウム箔をエッチング処理した廃硝酸10リット
ル(Alとして14.5g/リットル、PO4 として1
0g/リットル、NO3 として108g/リットル)に
75重量%燐酸約840gを添加して、続いて減圧法
(30mmHg)によって約1/3に蒸発濃縮して、Alが
41.2g/リットル、PO4 が201g/リットル、
NO3 が308g/リットルからなる溶液約3.5リッ
トルを得た。
【0018】次に、実施例1と同じ装置を用いて該溶液
を常温で拡散透析処理に付した。試験は、廃液の供給速
度200ml/hr、水の供給速度600ml/hrに設定して
10時間実施した。その結果、回収酸4.62リットル
(Alとして0.5g/リットル、PO4 として6.7
g/リットル、NO3 として98.4g/リットル)、
透析廃液3.35リットル(Alとして23.9g/リ
ットル、PO4 として110g/リットル、NO3 とし
て48.1g/リットル)を得た。硝酸の回収率は73
%であった。
【0019】前記の透析廃液3.35リットルを減圧法
によってPO4 濃度600g/リットルまで蒸発濃縮
し、水と共に硝酸を蒸発回収し、続いて水4リットルを
添加して燐酸アルミニウムを析出させた。その後、分離
濾過を行い、燐酸アルミニウム約330gを回収した。
【0020】実施例3 アルミニウム箔をエッチング処理した廃塩酸9リットル
(Alとして11.0g/リットル、PO4 として1
1.5g/リットル、Clとして118g/リットル)
を減圧法(30mmHg)によって約1/3に蒸発濃縮し、
続いて75重量%燐酸約440gを添加し、Alが3
0.1g/リットル、PO4 が131.2g/リット
ル、Clが323.7g/リットルからなる溶液約3.
2リットルを得た。
【0021】次に、実施例1と同じ装置を用いて該溶液
を常温で拡散透析処理に付した。試験は、廃液の供給速
度240ml/hr、水の供給速度510ml/hrに設定して
10時間実施した。その結果、回収酸3.8リットル
(Alとして0.6g/リットル、PO4 として10.
2g/リットル、Clとして184.0g/リット
ル)、透析廃液3.7リットル(Alとして18.9g
/リットル、PO4 として74.6g/リットル、Cl
として20.9g/リットル)を得た。塩酸の回収率は
90%であった。
【0022】前記の透析廃液3.7リットルを減圧法に
よってPO4 濃度600g/リットルまで蒸発濃縮し、
水と共に硝酸を蒸発回収し、続いて水4リットルを添加
して燐酸アルミニウムを析出させた。その後、分離濾過
を行い、燐酸アルミニウム約250gを回収した。
【0023】
【発明の効果】本発明方法によれば、燐酸アルミニウム
を含有する一塩基酸廃液から金属不純分の少ない一塩基
酸を効率的に回収してリサイクルすることができ、公害
防止に極めて有効である。また副産物として燐酸アルミ
ニウムを回収することができ、これを有効に利用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23F 1/46 8414−4K C25D 21/18 Q

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸アルミニウムを含有する一塩基酸廃
    液を濃縮する工程、及び前記の燐酸アルミニウムを含有
    する一塩基酸廃液に燐酸を添加する工程の後で、拡散透
    析処理を行うことを特徴とする、燐酸アルミニウムを含
    有する一塩基酸廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記濃縮工程でアルミニウム濃度を30
    〜60g/リットルにする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記燐酸添加工程でPO4 /Al のモル比を
    1〜5に調整する、請求項1又は請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記の拡散透析処理によって一塩基酸溶
    液を回収した後、その透残液を濃縮して該透残液中に残
    存する一塩基酸を回収除去し、残存液に水を添加して析
    出沈殿する燐酸アルミニウムを分離すると共に残留燐酸
    を回収する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載
    の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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