JPH0523362A - 人工血管の製造法 - Google Patents

人工血管の製造法

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JPH0523362A
JPH0523362A JP3206454A JP20645491A JPH0523362A JP H0523362 A JPH0523362 A JP H0523362A JP 3206454 A JP3206454 A JP 3206454A JP 20645491 A JP20645491 A JP 20645491A JP H0523362 A JPH0523362 A JP H0523362A
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blood vessel
artificial blood
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bellows
rate
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JP3206454A
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Noritake Akaha
紀武 赤羽
Atsusato Kitamura
篤識 北村
Kiyobumi Sasaki
清文 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現在、臨床的に移植後閉塞が多く、使用上改
善が求められてる小口径人口血管の開存率を顕著に向上
すると共にヘバリンなどを付加したり、培養した内皮細
胞を植えるなど開存率の向上の為の煩雑な術前の操作な
しに使用することのできる大きな利点を持った人工血管
を提供することを目的とする。 【構成】 経糸および緯糸としてポリエステル超極細繊
維からなるマルチフィラメント糸を用いて袋織りするこ
とにより小口径のシームレスチューブを得る。このシー
ムレスチューブを蛇腹加工(クリンプ加工ともいう)
し、その蛇腹加工の前または後に、減量率が10〜60
%となるようにアルカリ処理を行って減量加工し、人工
血管となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超極細繊維からなるマ
ルチフィラメント糸を用いた開存率の高い人工血管を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工血管としては、従来より種々の材
質、種々の製造法が提案されているが、生体反応および
耐久性の点から、(イ)ポリテトラフルオロエチレン膜
からなる人工血管、(ロ)ポリエステルの織物または編
物からなる人工血管、の2種が実用性あるものとされて
いる。
【0003】このうち(ロ)に属するポリエステル織物
からなる人工血管の製造法として、平織りにより得たフ
ラットな織物を縫製、接着または融着によりチューブ化
するか、環状織機により平織り組織を有するチューブを
一挙に得る方法が提案されている。
【0004】たとえば特開昭57−11650号公報に
は、環状織機により平織り組織を有するチューブを得た
実施例が示されている。特開昭60−36058号公報
には、平織物の管状物を熱収縮して口径を小にした人工
血管が示されている。特開昭60−190966号公報
には、ポリエステル繊維からなる高有孔性ダブル・ヴェ
ロア型人工血管が示されている。
【0005】特開昭59−225020号公報には、
0.5デニール以下の極細繊維を少なくとも内壁の一部に
用いた人工血管が示されており、その実施例では、島成
分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリスチレ
ンの複合繊維からなるマルチフィラメント糸を用いてチ
ューブ状に製織し、ついでトリクロルエチレン中に浸漬
してポリスチレンを除去することにより極細化を行って
いる。
【0006】特開昭61−45765号公報の実施例4
には、ポリエステル繊維の平織りによりチューブを織
り、これを蛇腹加工した人工血管が示されている。特開
昭61−45766号公報には、 1.0デニール以下(た
とえば 0.8d、 0.6d、 0.3d、 0.1d)の単繊維で構
成される繊維の編織物よりなる人工血管が示されてお
り、蛇腹加工についても開示がある。特開昭61−45
767号公報には、繊維の編織物チューブに蛇腹加工を
施すと共に、その蛇腹加工の谷部に沿って合成樹脂フィ
ラメントまたは弾性を有するフィラメントを配設してな
る人工血管が示されており、 1.0デニール以下(たとえ
ば 0.6d、 0.3d、 0.1d)の極細繊維を用いた例もあ
げられている。
【0007】特開昭60−77764号公報には、多重
組織からなる編織物で、かつ内壁および/または外壁に
0.5デニール以下(好ましくは 0.2デニール以下)の超
極細繊維を少なくとも一部有し、かつ地組織を構成する
地糸は主として 1.0デニール以上の繊維からなる人工血
管が示されている。極細化は、たとえば、多成分系繊維
の一成分を除去することにより行われる。
【0008】特開昭61−92666号公報には、経糸
および緯糸(裏糸)にポリエステルマルチフィラメント
糸を用い、緯表糸に島成分がポリエステル、海成分がポ
リスチレンよりなる高分子配列体繊維を用い、経緯二重
織組織でチューブ状に織り、ついでポリスチレンを除去
して極細化した人工血管が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステルの織物ま
たは編物からなる人工血管は、6mm以下の小口径動脈の
血行再建に用いた場合の開存率が劣るという限界があ
る。ポリテトラフルオロエチレン膜からなる人工血管
は、初期のうちは抗血栓性がすぐれているものと評価さ
れたが、使用症例が増えるにつれ、吻合部の内膜肥厚が
起こり、長期開存率の良くないことがわかってきた。
【0010】従って現状では、信頼して直径が4mm程度
以下の動脈再建に使用できる代用血管は自家静脈グラフ
ト(graft) だけである。しかしながら自分の静脈が使用
に耐えない場合も多くあり、採取できる静脈も大伏在静
脈など範囲が限られる。また自家静脈と言えども長期開
存成績は必ずしも満足しうるものではない。
【0011】日本人の高齢化に伴ない、心臓のA−Cバ
イパスや下肢の血行再建の症例は増加しており、開存率
の高い小口径用人工血管の出現が臨床上待ち望まれてい
る状況にある。
【0012】これまで、既製の人工血管に徐放性のヘパ
リンを付加したり培養した内皮細胞を植えるなどの操作
により開存率を良化させる試みがなされてきたが、また
臨床で一般的に行われるまでにはいっていない。また、
徐放性のヘパリンを付加したり培養した内皮細胞を植え
るなどの操作、相当の時間や設備を要するため、緊急に
適しておらず、一般病院では実施しにくい。
【0013】上に引用した超極細繊維を用いて製造した
人工血管は、通常の太さの繊維を用いた人工血管に比す
れば良い結果が得られるものと期待されているが、開存
率の点では実用化にはなお改良の余地がある。
【0014】本発明は、現在臨床的に移植後の閉塞が多
いためその使用上の改善が求められている小口径人工血
管の開存率を顕著に向上できると共に、ヘパリンなどを
付加したり培養した内皮細胞を植えたりするなどの開存
率向上のための煩雑な術前の操作なしに使用できるとい
う大きな利点を持った人工血管を製造する方法を提供す
ることを目的になされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の人工血管の製造
法は、経糸および緯糸としてポリエステル超極細繊維か
らなるマルチフィラメント糸を用いて袋織りすることに
より得たシームレスチューブの蛇腹加工物であって、そ
の蛇腹加工の前または後にアルカリ処理を行うことによ
り減量加工することを特徴とするものである。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明においては、経糸および緯糸として
ポリエステル超極細繊維からなるマルチフィラメント糸
を用いて製織に供する。
【0018】超極細繊維の単繊維の繊度は、1d/f 以
下、望ましくは0.5d/f 以下、さらには 0.2d/f 以下と
し、繊度が許容値を越えて太くなると開存性が低下する
ようになる。ポリエステル超極細繊維は、たとえば高分
子相互配列体繊維の海成分溶解法により製造されるが、
現在では数社からポリエステル超極細繊維が市販されて
いるので、それを用いることができる。
【0019】マルチフィラメント糸としたときの糸の太
さに限定はないが 20〜180デニール、特に30〜
140デニールとすることが多く、経糸と緯糸とで太さ
を異ならせることもできる。また場合によっては、超極
細繊維と共に他の通常の太さの繊維を併用することもで
きる。上記のマルチフィラメント糸はテキストライズを
施すのが通例である。
【0020】製織法としては二重織り法の一種である袋
織り法が採用される。ここで袋織り法とは、経糸を表経
糸と裏経糸とに配列して1本の緯糸を2往復させること
により一つの環状を形成させながら順次筒状を形成する
方法であって、表裏の接結が両耳端のみで行われる製織
法である。通常は平織りとするが、綾織り、その他の織
り組織であってもよい。
【0021】上記のようにして得たシームレスチューブ
には、植え込みの長さの調節や使用時のキンク現象防止
のために蛇腹加工を施す。ここで蛇腹加工(クリンプ加
工ともいう)とは、筒状のチューブ壁を独立の山−谷構
造あるいはスパイラル状の山−谷構造にすることを言
う。蛇腹加工は、典型的には、シームレスチューブを溝
付きの棒体や溝付き筒体などに外嵌しながらその溝の部
分にワイヤを巻回して独立またはスパイラル状の山−谷
構造とし、この状態で熱セットして山−谷構造を固定す
ることにより達成できる。その際、蛇腹加工物の山−谷
構造の山または谷の内側または外側に、弾性を有するリ
ング状またはスパイラル状の線条を配置して補強を図る
こともできる。蛇腹は、場合によっては袋織り製織法の
工夫により製織と同時に形成することもできる。
【0022】蛇腹加工後のチューブの口径は任意に設定
でき、通常は2〜30mmとすることが多いが、さらに小
径としたり、さらに大径とすることも自在である。殊
に、2〜10mmというような臨床的な使用範囲の小口径
の人工血管を作成できる点が本発明の利点の一つであ
る。
【0023】そして本発明においては、上記の蛇腹加工
の前または後にシームレスチューブをアルカリ水溶液と
接触させることにより減量加工する。その結果、繊維は
細くかつしなやかになり、繊維の表面が、より血液接触
適合性に富む微細な粗面を持つようになる。
【0024】この減量加工は、蛇腹加工の前、つまり袋
織り製織後の生機(きばた)の段階、精練を経た段階、
精練後さらに熱セットを行った段階、および蛇腹加工後
の段階のいずれの段階で行ってもよい。
【0025】アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウムなどが用いられ、アルカリ
水溶液中のアルカリの濃度は1〜20%程度、望ましく
は2〜15%程度に設定される。処理温度は約80℃以
上、通常は85℃〜沸騰点に設定され、処理時間は5分
〜2時間程度とすることが多い。アルカリ濃度、処理温
度、処理時間を適宜に設定することにより、減量の程度
をコントロールすることができる。
【0026】このアルカリ処理による減量率は10〜6
0%、殊に15〜55%、なかんずく20〜50%に設
定することが望ましく、減量率が余りに低いときは開存
率向上の目的が達成できず、一方減量率が余りに高いと
きは、繊維強度が低下し、またチューブ壁からの血液の
漏出が過多になるおそれがある。
【0027】
【作用】シームレスチューブの蛇腹加工物にその蛇腹加
工の前または後にアルカリ処理を行うと、ポリエステル
超極細繊維がその表面層から徐々に溶解して繊維が細く
なるため、織物の繊維間隙が増大してバルキー化し、糸
間の接圧が減少してしなやかになる。そして繊維の表面
が、より血液接触適合性に富む微細な粗面を持つように
なる。
【0028】このような状態になったチューブは、徐放
性のヘパリンを付加したり培養した内皮細胞を植えたり
するなどの煩雑な術前の操作を行わずにそのまま人工血
管として用いても、すぐれた開存率を有するようにな
る。
【0029】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「%」とあるのは重量%である。
【0030】実施例1 〈人工血管の製造〉超極細ポリエステル繊維からなる1
10デニールおよび60デニールのマルチフィラメント
糸を用い、60デニールのものを経糸、110デニール
のものを緯糸として、袋織り法により4mm径のシームレ
スチューブを製織し、精練後、熱セットした。
【0031】上記で得たシームレスチューブを水酸化ナ
トリウムの80g/リットル濃度の水溶液からなる温度9
0℃の処理浴中に18分間または22分間浸漬して軽く
撹拌し、アルカリ減量加工を行った。これにより、減量
率がそれぞれ28.0%、36.8%の減量加工物が得られた。
走査電顕による観察では、明らかに繊維が細くなったこ
とが確認できた。2種の減量加工物を比較すると、減量
率の大きなものほど壁が薄く(減量率36.8%の場合で0.
08mm)、手触りもしなやかであった。引張強度は減量率
36.8%の場合で 4.6kg/cm2であり、生体の小口径動脈と
比較して充分な物性を有していた。
【0032】得られたチューブを溝付き棒体に外嵌した
状態でワイヤを巻回し、熱セットした。これにより口径
3.2mmの蛇腹加工物が得られたので、必要長さに溶断し
て用いた。
【0033】〈移植実験と成績〉体重12±1kgの雑種
成犬の大腿動脈に、端々吻合で長さ3〜4cmの上記の人
工血管を植え込んだ。針の通りに抵抗はなく、針孔から
の出血も認められなかった。移植は、アルカリ減量加工
しないものを4頭8肢に、減量率28.0%のものを2頭2
肢に、減量36.8%のものを5頭8肢に移植した。
【0034】最も減量の多い36.8%のグラフト(graft)
でも、プレクロッティング(preclotting) 1回のみで漏
血は全く認められなかった。なおプレクロッティングは
一般的には3回以上行うのが普通である。移植後は、し
なやかな管壁が動脈血流につれ拍動するのが観察され
た。
【0035】移植後2週〜1.5 ケ月で移植犬を犠牲死さ
せた。移植結果は、減量加工なしが8肢中2肢に開存
が、28.0%減量のものが2肢中1肢に開存が得られた。
36.8%減量のものは8肢中6肢(75%)に開存が得ら
れ、閉塞の2肢は共に中枢側の吻合部に血栓が形成され
ていた。開存の移植血管を開いて見ると、内面は肉眼で
一部に血餅の付着が見られたが、全長にわたり腺維構造
が透見できる内膜が観察された。組織標本の所見では、
ポリエステル繊維の束の間に宿主細胞の入り込みは少な
く、内面には未完成な部分のある内膜が形成されてい
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法においては、既製の人工血
管に用いられている繊維よりも細い繊維であるポリエス
テル超極細繊維を用いている上、さらにその繊維をアル
カリ処理により減量加工しているため、人工血管壁を構
成する超極細繊維はさらに細くなり、管壁も薄くかつし
なやかになる結果、内面構造の抗血栓性が高められ、開
存率が良好となる。また、徐放性のヘパリンを付加した
り培養した内皮細胞を植えるなどの操作を行うことなく
そのまま直接使用することが可能であるため、緊急時に
も用いることができ、一般病院でも実施ができるという
利点もある。
【0037】このように、本発明によれば従来では困難
であった小口径の動脈血行を再建することが可能であ
り、本発明の意義は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 篤識 石川県金沢市泉本町5丁目30番地 (72)発明者 佐々木 清文 東京都武蔵村山市三ツ藤1−57−11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経糸および緯糸としてポリエステル超極細
    繊維からなるマルチフィラメント糸を用いて袋織りする
    ことにより得たシームレスチューブの蛇腹加工物であっ
    て、 その蛇腹加工の前または後にアルカリ処理を行うことに
    より減量加工することを特徴とする人工血管の製造法。
  2. 【請求項2】アルカリ処理による減量率が10〜60%
    である請求項1記載の製造法。
JP3206454A 1991-07-22 1991-07-22 人工血管の製造法 Withdrawn JPH0523362A (ja)

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Cited By (5)

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Effective date: 19981008