JPH05237094A - ストリーク状偽像を低減する画像処理方法と装置 - Google Patents

ストリーク状偽像を低減する画像処理方法と装置

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JPH05237094A
JPH05237094A JP3187410A JP18741091A JPH05237094A JP H05237094 A JPH05237094 A JP H05237094A JP 3187410 A JP3187410 A JP 3187410A JP 18741091 A JP18741091 A JP 18741091A JP H05237094 A JPH05237094 A JP H05237094A
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Hideo Nagai
秀夫 長井
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Yokogawa Medical Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストリーク状偽像を識別し低減するための閾
値を自動計算処理により計算し設定し得る画像処理方法
と装置を実現することである。 【構成】 対象となる2次元イメージから一部又は全部
を抽出し、開領域のまま又は閉領域化の処理を施したイ
メージから画像データの標準偏差値SDを計算し、スト
リーク状偽像識別のための閾値を標準偏差値SDの関数
として計算し、前記イメージに対し、そのままのデータ
又はレベルシフト等の処理を施したデータを使用して射
影データを計算し、前記閾値を用いて射影データを比較
してストリーク状偽像の識別を行ってストリーク状偽像
を低減除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はストリーク状,直線状,
直線の合成による形状等の偽像(以下ストリーク状偽像
という)の存在をイメージから識別し、これを低減する
為のストリーク等を低減する画像処理方法とその装置に
関する。特に原イメージの条件の変化,殊に画質によっ
て偽像の強さ,大きさを異にするストリーク状偽像をよ
り有効に低減するための方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線断層撮影装置(以下X線CTとい
う)の断層イメージとりわけ脳底部イメージ等において
は、骨のパーシャルボリューム効果(Partial Volume Ef
fect;局所的形状変化が射影データに方向性異常を与え
る現象)等によりストリーク状偽像が発生する。これは
診断上大きな弊害を及ぼすものであるが、X線CT,X
線測定法にとっては必然的に発生する問題として今日に
至っている。
【0003】X線CTでは周知のように各方向でX線源
から被検体を曝射して透過したX線を検出器で検出し、
そのデータを画像再構成して画像表示する。ところで、
画像再構成のために実測される射影データ(投影データ
又はプロジェクション・データともいう。以下単に射影
データという。)は、測定系の同一の幾何学的条件に対
してより高解像性やより低偽像性の要求から、オフセッ
ト検出測定された射影データを使用する。ここでオフセ
ット検出測定法の典型である1/4−1/4オフセット
法によるサンプルデータ測定・収集について述べる。こ
のサンプルデータ収集法は、例えば第3世代のX線CT
では被検体を間に置いて互いに対向するX線源と多チャ
ネルの検出器を被検体の回りで回転させて多方向のサン
プルデータを収集する場合、X線源から回転の中心を通
って多チャネル検出器の中央チャネルに照射されるX線
が、チャネルの中心からチャネル間隔即ちサンプル間隔
の1/4だけずれた点に入射するように検出器を位置決
めしてデータを収集するものである。
【0004】このようにして得られた多方向の射影デー
タにおいて、平行ビームの場合、射影の方向が反対なも
の同士は、X線ビームの経路が検出器のチャネル間隔即
ちサンプル間隔の1/2だけずれたものとなるので、そ
のような関係にあるデータを組み合わせると、検出器の
チャネル間隔即ちサンプル間隔が1/2に細かくなった
のと等価なデータに基づいて画像再構成することにな
り、空間分解能が高く偽像が少ない画像を得ることがで
きる。
【0005】さてX線CTでは、各種の原因によりスト
リーク状偽像の発生があり、画像診断の大きな妨げにな
っていることは良く知られている所である。このような
ストリーク状偽像の識別と低減においては、オフセット
検出された射影データの高速生成が必要不可欠であり、
この基礎技術であるフーリエ変換法に基づく高速射影デ
ータ演算とその装置について本発明者は既に特願昭62
−335449号によって提案を行っている。このフー
リエ変換法による射影データ生成法は、平行ビームに対
して適用でき、所謂高速フーリエ変換を主体とした計算
により計算量を少なくでき、高速演算が可能であり、演
算結果が正確で高精度である利点をもつ。この場合の装
置構成は、汎用のフーリエ変換装置を主体とするシンプ
ルで経済的な構成が可能である。
【0006】ここで、射影とオフセット検出について説
明する。図3において、xyは直交座標、XYはxy座
標をθだけ回転した座標系とする(反時計方向θ>
0)。X線吸収係数等の物理量の空間分布μ(x,y)
に対して、XY座標の直線X=Xでの下記線積分a
(X,θ)を射影データと呼ぶ。
【0007】
【数1】
【0008】図中、Oはxy,XY座標系の原点であ
る。今、射影データの測定又は計算をXY座標の離散点
で行うとした時、X座標上のi・d(i=0,±1,±
2,…;dはサンプル間隔)点での射影データの集合
は、
【0009】
【数2】
【0010】となる。即ち、この場合の射影データの測
定点(計算点)は、X座標のdを単位とする整数点に一
致する。一方、X座標上i・d+X0 (i=0,±1,
±2,…;X0 は定数)での射影データの集合は
【0011】
【数3】
【0012】となる。即ち、この場合の射影データの測
定点(計算点)は、X座標のdを単位とする各整数点か
ら各々X0 だけ離れた点である。即ち、後者は前者に対
しX方向にX0 だけオフセット検出されたデータ群であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ストリーク
状偽像の低減の対象となるイメージの画質は夫々異な
り、これに対応して発生するストリーク状偽像も各イメ
ージに対応してストリークの強さが異なる。これに対し
てどのようなアルゴリズムで対応するかは未解決の問題
である。
【0014】従来のように対象となるイメージの画質に
無関係に一定の閾値を用いてストリークの識別を行い、
ストリークを低減すると、ストリーク低減の効果が不足
する場合があったり、過剰になったりすることが起こ
る。これではストリーク状偽像の低減という立場からは
不完全であり、問題である。
【0015】一方、対象とするイメージに試行錯誤でス
トリーク低減のための閾値を変更する方法では、有効な
閾値を得るまでに極めて多くの時間を要するという問題
がある。
【0016】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、対象とする画像の画質の如何に拘わら
ず、ストリーク状偽像を識別し低減するための閾値を、
人間の介入なしに自動計算処理により計算し設定するこ
とを可能にするストリーク状偽像を低減する画像処理方
法と装置を実現することである。
【0017】他の目的は、シンプルなアルゴリズムによ
って実行可能であり、副作用等の弊害を発生しないスト
リーク偽像を低減する画像処理方法を実現することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する本
発明は、ストリーク状偽像の存在をイメージから識別
し、これを低減するためのストリーク状偽像等を低減す
る画像処理方法において、多次元空間のイメージ・デー
タから対象となる2次元イメージの一部又は全部を抽出
し、該抽出された開領域のままのイメージ又はそれに更
に閉領域化等の処理を施したイメージから、画像データ
の標準偏差値を計算し、これからストリーク状偽像識別
のための閾値を前記標準偏差値の関数として計算する段
階と、前記抽出されたままのイメージ又はそれに閉領域
化等の処理を施したイメージに対して、そのままのデー
タ又はレール・シフト等の処理を施したデータを使用し
て各方向又は任意の方向の射影データを計算し、前記ス
トリーク状偽像の識別を前記閾値を用いて前記射影デー
タ比較により行い、比較結果に基づきストリーク状偽像
を低減除去するためのデータを生成し、これによりスト
リーク状偽像を低減する段階とを具備することを特徴と
するものである。
【0019】第2の発明は、多次元空間のイメージ・デ
ータから対象とする2次元空間のイメージ・データの一
部又は全部を抽出し、該抽出されたイメージに対し必要
に応じて更に閉領域化、レベルシフト等の処理を施す画
像データ抽出処理装置と、抽出され必要に応じて閉領域
化等の処理の施された画像データから、該画像データの
標準偏差値を求め、これからストリーク状偽像識別のた
めの閾値を前記標準偏差値の関数として求める閾値計算
装置と、前記画像データ抽出処理装置で抽出処理された
データを用いて射影データを生成する射影データ生成装
置と、前記閾値計算装置で得られた前記閾値を用いて、
前記射影データ生成装置で生成された射影データの比較
によりストリーク状偽像の識別を行う形状識別装置とを
具備し、該形状識別装置でのストリーク状偽像の識別の
結果に対応して、ストリーク状偽像を低減除去するため
のデータを生成し、これによりストリーク状偽像を低減
することを特徴とするものである。
【0020】
【作用】画像再構成され、ストリーク状偽像を低減すべ
く抽出された2次元の原イメージ・データから、所要部
分のデータを抽出処理し、射影データをフーリエ変換法
又は直接射影演算法により生成し、抽出した画像データ
から標準偏差値を求めてその関数としてストリーク状偽
像識別の閾値を求め、前記射影データの近傍又は広範囲
のデータとの比較を行ってその差が閾値を超えるか否か
によりストリーク状の形状の識別を行い、その結果によ
ってストリーク状偽像成分を得、画像再構成の後、原画
像データからこれを差引いてストリーク状偽像を低減し
た画像を得る。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例の方法を実施する
ための画像処理装置DPSのブロック図である。以下、
装置の説明をしながら、ストリーク状偽像低減の方法と
アルゴリズムを説明する。図の各装置を結ぶ線中、太線
はデータの流れを示し、細線は制御の流れを示してい
る。図において、DS1は実測して得たX線の生データ
を格納するデータ記憶装置である。PPRはデータ記憶
装置DS1に格納されているデータ収集装置(図示せ
ず)から送られてきた実測X線生データに対し、オフセ
ット補正、X線強度補正、検出系の各チャネルの感度補
正、対数変換、X線線質硬化補正等の各種処理を施す前
処理装置で、その出力の射影データはデータ記憶装置D
S2に格納される。
【0022】RECONは前処理装置PPRによって前
処理を施されてデータ記憶装置DS2に格納されている
射影データ及びデータ記憶装置DS3に格納されている
後に説明する抽出されたストリーク状偽像成分の射影デ
ータに画像再構成処理を施す画像再構成装置で、その出
力はデータ記憶装置DS4及びDS5に格納される。デ
ータ記憶装置DS4には偽像を含む原イメージや偽像を
除去したイメージ等のデータが格納され、データ記憶装
置DS5にはストリーク状偽像成分のみからなるイメー
ジデータが格納される。画像再構成のためのアルゴリズ
ムには(i)フーリエ変換法、(ii)フィルター補正逆
投影法、(iii)重畳積分法、(iv)逐次近似法等各種が
あり、装置構成もそれに伴って多くの種類がある。
【0023】(i)フーリエ変換法は所謂離散型の高速
フーリエ変換(FFT)を主体とした演算法で、高速な
演算処理が可能な点、フーリエ変換装置という汎用装置
を主体とする構成を採用することができる点等に特長が
ある。更にオフセット計測により解像力を増し、各種偽
像の低減を可能にするアルゴリズムと装置に関するもの
もある。
【0024】(ii)フィルタ補正逆投影法は、周波数空
間でのフィルタ処理(コンボリューション・フィルタリ
ング)の後、実空間で逆投影処理を行うものである。稼
動中のX線CTは殆どこの方式によるものと言われる。
この方式による装置の例としては、特開昭59−194
259号、特開昭62−75875号、特開昭62−2
27324号等多くの例を引用する事ができる。
【0025】(iii)重畳積分法は、コンボリューション
(重畳)フィルタ演算と逆投影演算をすべて実空間で行
う方式である。処理データ点数が多くなると、コンボリ
ューション・フィルタ演算に長時間を要し、フィルタ補
正逆投影法の処理時間に及ばない。
【0026】上記(ii),(iii)のアルゴリズムについ
ては、例えば「CTスキャナ」(岩井喜典編,コロナ
社)の1・4節の画像再構成の項に述べられているので
ここでは詳細な説明は省略する。
【0027】PKUPはデータ記憶装置DS4に格納さ
れている2次元又は3次元の画像データから、目的とす
る2次元イメージ・データを抽出し、これに各種処理を
施す画像データ抽出処理装置である。処理されたデータ
はデータ記憶装置DS6に格納される。処理の内容は次
のようなものである。
【0028】(i)ストリークを低減したい領域即ちX
線吸収係数分布の変化が少ない領域の抽出−例えば、元
の2次元イメージが、多くの骨と軟組織が混在する脳底
部イメージであった場合、これから吸収係数分布の少な
い軟組織等を抽出する。
【0029】(ii)更に孤立したデータを除き領域の連
続性を求め、1又は複数の閉領域を抽出する。これは軟
組織で吸収係数分布の変化の小さい近傍の連続したデー
タ群(閉領域)を抽出することを意味する。閉領域の抽
出においては、領域の大きさ(内部のピクセル数や面
積)を考慮することもある。
【0030】(iii)元イメージの抽出されない部分の値
を零又は定数とする。 (iv)各領域毎に吸収係数の値の平均値を求め、その閉
領域のすべてのデータの値からその平均値を減算する。
又は各閉領域毎にその閉領域のデータに演算を施した
値、或いは各閉領域毎にその周辺部のデータの値又はそ
れらの平均値又はそれらに演算を施した値を元の各デー
タの値から減ずる(各閉領域の周辺部を零又はそれに近
い値にする)。即ち、各閉領域毎にレベルシフトする。
等である。
【0031】(i)〜(iv)の処理に基づく射影生成
は、高感度で高能率のストリーク識別と補正、リンギン
グ等副作用の削除低減等から極めて重要である。次に画
像データ抽出処理装置PKUPにより抽出される部分域
のデータの具体例を図4に示す。図において、(a)は
頭部の3次元イメージの図、(b)は(a)図の3次元
イメージからA平面で截った断面のイメージの図、
(c)は断面Aのイメージ中の軟組織(領域1,2,
3)を抽出した部分イメージの図である。画像データ抽
出処理装置PKUPはこの(c)図の領域1,2,3の
部分のデータを抽出し、それ以外の部分の値を零として
付加したデータを生成する。これをそのまま又はこれよ
り閉領域(連続領域)の抽出、各領域毎のレベル・シフ
ト等の処理の全部又は一部を行う。ここまでの処理の結
果得られるデータは、図5(a)の領域Aに相当する実
データである。
【0032】THCALはデータ記憶装置DS6に格納
されている抽出された画像データから画像の標準偏差値
SDを計算し、これを用いてストリーク状偽像識別の閾
値δ,δ′を計算する閾値計算装置である。ここで得ら
れる閾値δ,δ′は定数ではなく、次式に示すような標
準偏差値SDの関数である。
【0033】 δ=δ(SD) …(1−1) δ′=δ′(SD) …(1−2) ここで、SDは抽出された画像データの標準偏差値で、
抽出された全画像(すべての閉領域を含む全画像)に関
する画像データの標準偏差値や、抽出された全画像の中
の各閉領域毎に求めたその画像データの標準偏差値等で
ある。δ(SD),δ′(SD)の例としては次式に示
すSDのn乗に比例するものがある。
【0034】 δ=C・(SD)n …(1−3) δ′=C′・(SD)n …(1−4) ここで、C,C′は定数(n=2の時、δ=C・(S
D)2 ,δ′=C′・(SD)2 になる。)PRJはデ
ータ記憶装置DS6に格納されたデータを入力データと
し、これらから各方向θ毎に、(0)式に示す各Xの値
に対応する射影データa(X,θ)を求める射影データ
生成装置である。出力の射影データはデータ記憶装置D
S7に格納される。射影計算は大別してフーリエ変換に
よる高速射影計算法と直接射影計算法が考えられる。
【0035】A.フーリエ変換法による射影計算 フーリエ変換法による射影計算を行う射影データ生成装
置PRJの構成の一例を図6に示す。図において、AR
NGは画像データを格納しているデータ記憶装置DS6
から処理すべき画像データを抽出し、フーリエ変換のた
めの零値データの付加やデータの配列変換を行い、処理
済データをデータ記憶装置DS6Aに格納するデータ抽
出配列処理装置である。
【0036】画像データ抽出処理装置PKUPにより抽
出されるデータは、図5(a)の領域Aに相当する実デ
ータであるが、フーリエ変換では更にサンプル・データ
数増大等の為、領域Aの外側に値零のデータを付加して
図5(b)の領域Bに相当するデータを生成し、フーリ
エ変換に好都合なデータ配列に並べる。FFTは図5
(b)の2次元イメージデータに対して、(2)式に示
す2次元フーリエ変換を施す2次元フーリエ変換装置で
ある。
【0037】
【数4】
【0038】ここで、μ(x,y)は点(x,y)にお
ける画像データの値である。実際のフーリエ変換は離散
点に対する離散2次元フーリエ変換(高速フーリエ変
換)として高速に演算する。2次元フーリエ変換は1次
元フーリエ変換の繰り返しとして演算することも可能で
ある。2次元フーリエ変換装置FFTはデータ記憶装置
DS6Aに格納されているデータを入力データとしてこ
れにフーリエ変換を行い、最終結果である2次元フーリ
エ変換の結果を再びデータ記憶装置DS6Aに格納す
る。フーリエ変換の結果は図7(a)の2次元周波数平
面ξηに写像される。2次元フーリエ変換を1次元フー
リエ変換の繰り返しとして実行する場合は以下に示す式
のようになる。
【0039】
【数5】
【0040】一方、射影データのフーリエ変換結果は図
7(a)のξ軸とθn の角度をなすω軸上の点の集合と
して写像されている。即ち、射影データのフーリエ変換
結果は極座標ωθ上の点の集合として写像されている。
尚、座標系が正規の座標系に対し、x方向にx0 ,y方
向にy0 移動している場合には(ピクセル点が正規の整
数からずれている場合等も含む)、(2)式は次の様に
なる。
【0041】
【数6】
【0042】RPCは極座標上の点(ω,θ)のデータ
を直交座標ξη上のデータから演算によって求める直交
座標−極座標データ変換装置である。直交座標−極座標
データ変換装置RPCは2次元フーリエ変換装置FFT
でフーリエ変換されてデータ記憶装置DS6Aに格納さ
れたデータを処理する。直交座標上の点を離散的に得
て、極座標上の点も離散的に求める場合の演算式とし
て、例えば次のものを挙げることができる。
【0043】
【数7】
【0044】ここで、F(ωm ,θn ),Fr (ωm
θn )及びFi (ωm ,θn )は各々極座標ωθ上の点
P(ωm ,θn )における周波数成分(複素数),その
実数成分及びその虚数成分である。又、G(ξk
ηl ),Gr (ξk ,ηl )及びG i (ξk ,ηl )は
各々点P(ωm ,θn )の直交座標ξη上の近傍点A
(ξk,ηl )における周波数成分(複素数),その実
数成分及びその虚数成分である。p,Lは整数で、Lは
近似計算の精度により選ばれる。(例えばL=3)計算
結果のデータはデータ記憶装置DS6Bに格納される。
【0045】OFPはデータ記憶装置DS6Bに格納さ
れているデータを受けて、図3に示したオフセット検出
に対応する射影データを得るためにオフセット演算を行
うオフセット演算処理装置である。周波数平面の極座標
ωθ上のデータF(ω,θ)に対し次の演算を行い、処
理結果F(ω,θ)′をデータ記憶装置DS6Cに格納
する。
【0046】 F(ω,θ)′ =Fr (ω,θ)′+j・Fi (ω,θ)′ =F(ω,θ)・exp(jωX0 ) …(4) Fr (ω,θ)′ =Fr (ω,θ)・cos (ωX0 ) −Fi (ω,θ)・sin (ωX0 ) ω≧0 …(4−1) Fi (ω,θ)′ =Fr (ω,θ)・sin (ωX0 ) +Fi (ω,θ)・cos (ωX0 ) ω≧0 …(4−2) Fr (−ω,θ)′=Fr (ω,θ)′ ω>0 …(4−3) Fi (−ω,θ)′=−Fi (ω,θ)′ ω>0 …(4−4) F(ω,θ),F(ω,θ)′は複素数、Fr (ω,
θ),Fr (ω,θ)′は実数部、Fi (ω,θ),F
i (ω,θ)′は虚数部を示す。X0 はオフセット検出
でのオフセット量(単位は長さで、例えばmm)である。
サンプル間隔d(単位は例えばmm)の離散データに対し
て、 γ=ωm 0 =(4πm/2Lx ′)X0 =(4πm/(Nd))X0 …(4−5) 但し、m=0,1,2,…,N/2 ここで、Nは離散周波数データの総数(図7(a)のω
軸上の離散データの総数)である。オフセット量X0
X軸の正方向の場合(+)に取る。1/4−1/4オフ
セット検出に対してX0 =−d/4とすると、(4−
5)式から γ=−πm /N(m=0,1,…,N/2) γ=−π/2(m=N/2の時) (4)式はF(ω,θ)に対して周波数成分ω毎に異な
る位相変化を与える式である。尚、(2)′式に示した
オフセットの影響は、離散データに対して(4−5)式
と同様の関係にあり、x方向,y方向のそれぞれのオフ
セット量x0 ,y 0 に対して(4−5)式のX0 をそれ
ぞれ−x0 ,−y0 で置換した量に相当する補正量とな
る。オフセット演算処理装置OFPは(4)式,(4−
1)式〜(4−4)式の演算に先立ち、又は演算後に周
波数特性変更のための各種フィルタ処理等を行うことが
多い。
【0047】IFFTは図7(a)の極座標ωθ平面上
の直線ω(θ=θ)上の周波数成分F(ω,θ)′にフ
ーリエ逆変換を行い、図7(b)の実空間XY上の射影
データb(X,θ)を求めるフーリエ逆変換装置で、デ
ータ記憶装置DS6Cからのデータ入力に対し次の演算
を行う。
【0048】
【数8】
【0049】ここで、( )r はF(ω,θ)′のフー
リエ逆変換結果の実数部を意味し、Cは比例定数であ
る。フーリエ逆変換装置IFFTの演算結果はデータ記
憶装置DS7に格納される。以上のフーリエ変換法によ
る射影計算は、離散データに対する離散フーリエ変換
(DFT;Discrete Fourier Transform)として所謂高
速フーリエ変換の手法で高速演算を行う。
【0050】CTLは射影データ生成装置PRJの各装
置の動作の統一的制御,各記憶装置と各処理装置間のデ
ータ転送制御,その他の外部装置とのデータ入出力制御
等を統轄制御する制御装置である。図6において、各装
置を結ぶ太線はデータの経路を示し、細線は制御信号の
経路を示している。
【0051】B.直接演算による射影データ計算 この方式は、(0)式に従って、射影を直接計算する方
法である。計算量は少なくはなく、高速な演算は高速な
素子による装置構成や装置の並列化等によるが、平行ビ
ームは勿論扇状ビーム(ファンビーム)でも正確に適用
できる演算の融通性がある。画像データμ(x,y)が
離散データの場合には、射影データ生成の式は
【0052】
【数9】
【0053】となる。この場合の一例としては図8の直
接計算法での射影の図に示すようにμ(x,y)はxy
座標(ビクセル)の整数点にあるとし、この整数点を中
心にもつ単位の正方形を考え、この単位正方形の中では
μ(x,y)は一定値をもつと考える。射影a(X,
θ)の計算は、x軸と角度θをなす直交座標XY上の直
線X=X上で、これと交わるすべての単位正方形につい
て、そのμ(xi ,yi )=μ(X・cos θ−Yi ・si
n θ,X・sin θ+Yi ・cos θ)=μ(X,θ,
i )と直線の長さdYi に対して式(0)′に従って
演算することができる。直接演算による射影データ計算
法は上記の方法に限定されず、より複雑で高精度の手法
もある(その場合、演算量の増大、処理時間の増加を伴
うことが多い)。フーリエ変換法による射影データ計算
は、既述のように平行ビーム(パラレル・ビーム)の射
影データ計算を原則とするが、扇状ビーム(ファン・ビ
ーム)の射影データ計算に適応することもできる。その
場合、フーリエ変換法により各方向に対する平行ビーム
の射影データを求め、その後、この平行ビームデータ群
から線形変換その他の変換法により各方向の扇状ビーム
の射影データを求める。
【0054】図1に戻り、DETはデータ記憶装置DS
2とDS7に格納されている射影データを入力とし、こ
れらから直線状、ストリーク状及び直線の合成から成る
形状(扇形等)等を識別(検出を含む。以下単に識別と
いう。)する形状識別装置(形状検出装置を含む。以下
同じ)である。本装置において行うストリーク状偽像の
存在を識別するための論理演算の一例(離散データに対
する例)は次の通りである。θ方向,距離Xにおける射
影データa(X,θ),その射影の長さL(X,θ)に
対してX=Xk における次の演算を行う。
【0055】
【数10】
【0056】a(Xk ,θ)はθ方向、Xk における計
算された射影データであり、L(X k ,θ)はその射影
の長さである。従ってp(Xk ,θ)はθ方向,X=X
k における直線上での平均吸収係数であり、pバー(X
k ,θ)はθ方向,X=Xkの近傍におけるp(X,
θ)の平均値である。上記の式においてNは近傍データ
数,δは(1−1)式で得られた閾値である。
【0057】n,N,δm は通常定数であるが、条件に
より動的に変化させる事もできる。n=M+1,N=2
M+1であれば、pバー(Xk ,θ)はXk の前後M
個、合計で2M+1個の平均値である。
【0058】一方r(Xk ,θ)はθ方向,X=Xk
おける実測された(前処理等を施した)射影データであ
り、r(Xk ,θ)′はr(Xk ,θ)の対向(位置が
同じで方向が逆向き)射影データである。即ち平行ビー
ムでは、r(Xk ,θ)′=r(−Xk ,θ+π)であ
る。
【0059】論理式(6−1),(6−2)は抽出され
たイメージの方向θ,距離Xk にある直線上での平均吸
収係数が近傍の直線上の平均吸収係数の平均値よりも閾
値(δ)を超える変化があり、且つ実測射影データも閾
値(δm )を超える同方向の変化を有する時、(Xk
θ)において直線状偽像(ストリーク状偽像)が存在す
ると見做す式で、(6−1),(6−2)式の条件が同
時に満たされないと直線状偽像(ストリーク状偽像)は
存在しないと見做す。(6−1),(6−2)式により
ストリークを識別する方法は、ストリーク識別の自動化
を可能にする。
【0060】ストリーク状偽像の識別を人間の判断の助
けを借りて行う場合等においては、(6−2)式は不要
で、次の(6−1−1)式を識別論理式に使用すること
ができる。
【0061】
【数11】
【0062】このとき抽出されたイメージの方向θ,距
離Xk にある直線上での平均吸収係数が近傍の直線上の
平均吸収係数の平均値より閾値を越える変化があった場
合に直線状偽像が存在すると見做す。
【0063】又多くの場合には、各閉領域が吸収係数の
かなり近いデータの集合であり、且つ形状を適当に選べ
ば(例えば円形)、X=Xk の近傍で L(X,θ)≒L(Xk ,θ)=Coo :コンスタント と見做すことができる。従ってこの場合の(6−1)〜
(6−3)式は
【0064】
【数12】
【0065】上記の式において、δ′は(1−2)式で
得られた閾値である。(6−1−2),(6−2−2)
式は、射影の長さが不要なので、射影長L(X,θ)の
計算が不要となり、より高速な演算が可能となる。射影
長が不要で且つストリークの識別を人間の判断により行
う場合は(6−2)式は不要で、次の(6−1−3)式
を識別論理式とする。
【0066】
【数13】
【0067】形状識別装置DETにおいて行った識別結
果はストリーク偽像成分生成装置APRJに与えられ
る。ストリーク偽像成分生成装置APRJは、形状識別
装置DETによって識別された直線状,ストリーク状,
直線の合成形状等の偽像に対して、その偽像成分(射影
データ)を生成する装置である。
【0068】ストリーク偽像成分の抽出アルゴリズムの
一例としては、方向θ,距離Xk における射影データb
(Xk ,θ)を次式により求める。
【0069】
【数14】
【0070】L(Xk ,θ)等は形状識別装置DETに
おける場合と同じである。ストリークが検出されない場
合にはb(Xk ,θ)=0とする。多くの場合には、X
k の近傍においてL(X,θ)≒L(Xk ,θ)と見做
すことができるので(形状を適当に選ぶ等)(7)式は
次のようになる。
【0071】
【数15】
【0072】(7)′式は射影長を考慮する必要がない
場合に用いられるばかりでなく、領域境界での副作用の
防止等からも使用される。ストリーク偽像成分の生成は
(7)式又は(7)′式を基本とし、これに条件による
変化を加味したものとなる。
【0073】生成された偽像成分はデータ記憶装置DS
3に格納される。SIMAGはデータ記憶装置DS4に
格納されたストリークを含むイメージ(原イメージ)か
ら、データ記憶装置DS5に格納されたストリーク成分
のみからなるイメージを各ビクセル毎に減算し、ストリ
ークを除去したイメージデータを生成するイメージ減算
処理装置である。生成されたデータはデータ記憶装置D
S4の該当部分に格納される。
【0074】次に、以上のように構成された実施例の装
置の動作の概略を図2のフローチャートを用いて説明す
る。この例は、X線CTでの原画像の画像再構成も含む
ストリーク偽像低減処理の例である。スキャンは既に終
了しており、被検体を透過したデータ、透過しないデー
タ等の各方向のX線データ(生データ)は測定されてデ
ータ記憶装置DS1に格納されている。図2に示すフロ
ーチャートは処理の流れを原理的に示すもので、装置の
並列動作や処理の並列性を正確に示したものではない。
【0075】データ記憶装置DS1から実測X線データ
を取り出し、これにデータ収集装置(図示せず)のオフ
セット補正,X線強度補正,チャネルの感度補正,対数
変換,X線線質硬化補正等の前処理を前処理装置PPR
で行い、処理結果をデータ記憶装置DS2に格納する
(ステップ1)。
【0076】データ記憶装置DS2のデータに画像再構
成装置RECONにより画像再構成処理を施す。生成さ
れた画像(原画像)データをデータ記憶装置DS4に格
納する(ステップ2)。
【0077】データ記憶装置DS4に格納されている原
画像データ(該当する2次元イメージ)を抽出する。こ
のイメージが骨と軟部組織が混在する脳底イメージであ
るとすると(図4参照)、これからストリーク状偽像を
低減したい領域であるX線吸収係数分布の変化の少ない
(変化の小さい)軟組織を抽出する(図4(c))。更
にこの軟組織の連続性を求め(閉領域化、閉領域抽出を
行い)、1又は複数の閉領域を抽出する。次に各閉領域
毎にその領域データの平均値又は各領域周辺部のデータ
の平均値等を計算し、その閉領域の各々の元データから
その値を減算する(各閉領域毎にレベルシフトする)。
原画像の抽出されない部分のデータの値を零とする。こ
れらの処理を画像データ抽出処理装置PKUPで行い、
結果をデータ記憶装置DS6に格納する(このデータは
図5(a)の領域Aに相当する実データである。)(ス
テップ3)。
【0078】データ記憶装置DS6に格納されてある抽
出された元の(レベルシフトされていない)画像データ
を用いて、閾値計算装置THCALにより先ず画像の標
準偏差値を計算し、次にストリーク状偽像識別における
閾値δ,δ′を計算し((1−3)式、(1−4)式等
による)、結果をデータ記憶装置DS7に格納する(ス
テップ4)。
【0079】射影データ生成装置PRJは、ステップ3
で抽出され、レベルシフト等の処理をされて、データ記
憶装置DS6に格納されているデータ(実際には領域A
の外側に値零を付加した図5(b)の領域B相当のデー
タ)を用いて各方向の射影データを生成し、データ記憶
装置DS7に格納する。生データがオフセット検出測定
されている場合には、オフセット検出射影データとして
計算する(ステップ5)。
【0080】ステップ3において抽出された各閉領域の
すべてのデータの値を1とし、抽出されない部分のデー
タを零とした実データ又はこの実データ領域の外側に値
零を付加したデータ図5(b)の領域B相当のデータに
対し、射影データ生成装置PRJにより各方向の射影デ
ータを生成し、データ記憶装置DS7に格納する。この
演算により各方向の射影データの長さを求める。生デー
タがオフセット検出測定されている場合にはオフセット
射影データとして計算する。(ステップ6)。
【0081】データ記憶装置DS7に格納されている各
方向θ,各位置Xk に生成射影データa(Xk ,θ),
その長さL(Xk ,θ),a(Xk ,θ)の近傍データ
と、データ記憶装置DS2に格納されている実測射影デ
ータr(Xk ,θ),その対向射影データr(Xk
θ)′の間で、(6−3)式の演算と、(6−1)式と
(6−2)式の比較演算を行い、ストリーク状偽像の存
否を調べる。この形状識別演算は形状識別装置DETで
行う(ステップ7)。
【0082】ストリーク状偽像の有無をチェックし(ス
テップ8)、ストリーク状偽像が識別されたらストリー
ク偽像成分生成装置APRJは(7)式又は(7)′式
の演算を行いその結果をデータ記憶装置DS3に格納す
る(ステップ9A)。
【0083】ストリーク状偽像がなければ値零をデータ
記憶装置DS3に格納する(ステップ9B)。これをす
べての位置とすべての方向について繰り返す。データ記
憶装置DS3に格納されているストリーク状偽像成分デ
ータを入力射影データとして、画像再構成装置RECO
Nによりストリーク状偽像のみのイメージを再構成し、
データ記憶装置DS5に格納する(ステップ10)。
【0084】イメージ減算処理装置SIMAGはデータ
記憶装置DS4に格納されている原イメージを読み出
し、データ記憶装置DS5に格納されているストリーク
状偽像イメージを読み出して原イメージからこれを減算
し、ストリークを除去したイメージをデータ記憶装置D
S4に格納する(ステップ11)。
【0085】本装置は以上のようにしてストリークを識
別し、これを除去したイメージを生成する。尚、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、次のような応
用例や他の実施例が考えられる。
【0086】(i)図9はX線CT装置と本実施例の画
像処理装置DPSとを接続して、オンラインで直接スト
リーク偽像の低減を可能としたX線CTのブロック図で
ある。X線CT装置はガントリG,テーブルTAをテー
ブルガントリ制御装置TGCで制御して断層撮影部の位
置決めを行い、X線発生制御装置XGCの制御により、
高圧,X線管制御部XRはX線管Xに高圧を供給してX
線を発生させ再構成領域PAをスキャンする。検出器群
Sは透過X線データを検出してデータ収集装置DASに
データを送る。データ収集装置DASはデータを増幅
し、積分し、AD変換(アナログ→ディジタル変換)等
の処理を行った後、画像処理装置DPSにデータを送
り、データ記憶装置DS1に書き込む。以後の動作は既
に説明した通りである。データ記憶装置DS4に格納さ
れたストリークを除去されたイメージデータを画像表示
装置GDC及び必要に応じて像写真撮影装置MFCに送
る。撮影制御装置SCCは各装置の動作を制御する。
【0087】図10は上記応用例の動作のフローチャー
トである。先ずスキャンを行って検出器群Sで検出した
X線データをデータ収集装置DASで収集し、増幅,積
分,AD変換等の処理を行う。これをすべての方向に対
して行い、全方向のスキャン・データを得る。以後の動
作は図2のフローチャートと同じであるので説明を省略
する。
【0088】(ii)図11は他の実施例で、ストリーク
を低減可能な画像処理装置のブロック図である。この装
置はX線CT等の再構成イメージ(2次元,3次元イメ
ージ)から任意の2次元断面を抽出し、これからストリ
ークを低減させるものである。図1の実施例とは次の点
で異っている。 (イ)実測データに関連する装置は不要なので前処理装
置PPR,実測X線生データ記憶装置DS1,実測射影
データ(前処理済)記憶装置DS2は存在せず、バスや
信号ライン等も少なくシンプルな構造である。
【0089】(ロ)画像再構成装置RECONはストリ
ーク偽像成分のイメージのみを再構成する。 その他各構成の装置は同じである。この例は、ストリー
クの識別を人間の判断により行う場合で、よりシンプル
な構成が採れ、射影の長さの計算が不要なのでより高速
な処理が可能である。この場合、形状識別装置DETの
ストリークの判別は(6−1−3)式により、ストリー
ク偽像成分生成装置APRJによるストリーク偽像成分
生成は(7)′式による。この装置の動作のフローチャ
ートは図12に示す通りで、図2のフローチャートに比
べて前処理工程、画像再構成工程、射影長さ計算の工程
が省かれていて、その他の流れは同じなので説明を省略
する。
【0090】(iii)図11に示すシンプルな構成の装置
等を使用し、一つずつ領域を抽出しそれに対するストリ
ークの識別と補正を行う場合の動作のフローチャートを
図13に示す。この方式では、処理時間は長いがより正
確にイメージからストリークの低減が可能となる。一つ
ずつ領域を個別に抽出して、抽出した領域毎にストリー
クの識別と補正を行う点を除いて、図12の動作に同じ
なので説明を省略する。
【0091】図14は本発明の更に他の実施例である。
この実施例は図1の実施例とはイメージ減算処理装置S
IMAGが無く、ストリーク偽像成分生成装置APRJ
に代わってストリーク削減済射影データ生成装置CPR
Jが備えられている点で異なっているが、本装置にも閾
値計算装置THCALを適用することができる。その動
作は図15のフローチャートに示す通りで、図2のフロ
ーチャートとは、ストリークの有る場合、ストリーク偽
像成分抽出に代えて、ストリーク除去済射影成分の生成
を行い、ストリークの無い場合には偽像成分を0とする
のに代えて原イメージの射影成分の抽出を行う点で異な
っているのみでその他の工程は略同様なので説明を省略
する。その他多くの変形が可能である (i)アルゴリズムの変形例 (イ)ストリーク状偽像の識別に(6−1)式,(6−
2)式は非常に有効であり、偽像の低減には(7)式又
は(7)′式は非常に有効であるが、各領域が吸収係数
のかなり近いデータの集合であって、形状を適当に選ぶ
ことができれば、射影の長さは不要となり、(6−1−
2)式,(6−2−2)式及び(7)′式で通常十分成
立する(このとき演算時間を短縮し得る。)。又、スト
リークの判別に人間の助けがあれば、ストリーク識別に
実測射影データ(データ記憶装置DS2に格納するデー
タ)は不要になる。従ってアルゴリズムとしては(6−
1−1)式又は(6−1−3)式のみでよい。
【0092】(ロ)ストリークの判定を、実測射影デー
タを使用してより確実に行おうとするアルゴリズムは、
(6−1)式と(6−2)式又は(6−1−2)式と
(6−2−2)式に限定されず、様々な変形が考えられ
る。例えば、r(Xk ,θ)の対向データr(Xk
θ)′だけを使わず、r(Xk ,θ)′の近傍データの
推定値を使用する。又、θ+π方向だけでなくその近傍
にある1又は複数のビューデータを使用する等である。
【0093】(ハ)(6−1)式,(6−2)式及び
(7)式のpバー(Xk ,θ)や(6−1−2)式,
(6−2−2)式,(6−1−3)式及び(7)′式等
のaバー(Xk ,θ)は比較的狭い範囲のデータの平均
値のみでなく定数や全域又は広域の平均値であってもよ
い。n,N等は適当な定数であり、条件に応じて計算時
に動的に選ぶこともできる。
【0094】(ニ)pバー(Xk ,θ),aバー
(Xk ,θ)等は、近傍データの平均値でなく、近傍デ
ータによる別の推定計算値や、近傍データの極大値と極
小値の平均値や、その他別の推定計算値であってもよ
い。
【0095】(ホ)形状識別の論理式において、比較結
果の符号により閾値を変えても良い。即ち(6−1)
式,(6−1−1)式において
【0096】
【数16】
【0097】(ヘ)多次元のイメージから目的とする2
次元のイメージを抽出し、更に2次元イメージの特定の
部分を抽出するには、抽出する部分の場所的空間的特
定,抽出する部分のイメージ・データの値による特定等
の一部又はそれらの組合せによることができることはい
うまでもない。抽出する部分のイメージ・データの値に
よる特定の例としては、ある値の範囲にあるデータの集
合(1組の下限値〜上限値の範囲にあるデータの集合,
複数組の下限値〜上限値の範囲にあるデータの集合)等
がある。
【0098】(ト)ストリーク状偽像の識別は、抽出さ
れた部分域(例えば軟組織)のデータで行い、ストリー
クの低減は抽出された部分域(その軟組織)に対して行
っても良いし、全域に対して行っても良い。
【0099】(チ)実測射影データを反映させたストリ
ーク状偽像の識別のための論理演算にも多くの変形が考
えられる。例えばr(Xk ,θ),r(Xk ,θ)′の
代りに各々s(Xk ,θ),sバー(Xk ,θ)を置換
したもの、即ち
【0100】
【数17】
【0101】に対して、(6−1)式,(6−2)式に
対応する式は
【0102】
【数18】
【0103】また(6−1−2)式,(6−2−2)式
に対応する式は次の様になる。
【0104】
【数19】
【0105】ここでm,M,δm ′は通常定数である
が、条件により動的に変化させることもできる。δ′は
標準偏差値の関数である。 (リ)これまでδm ((6−1)式,(6−1−2)式
等),δm ′((6−1−4)式,(6−1−5)式
等)は画質に無関係に一定としたが、δ,δ′と同様に
抽出した画像の各閉領域毎に又は全画像から求められた
画像データの標準偏差値SDの関数とする事もできる。
即ち δm =δm (SD) (1−5) δm ′=δm ′(SD) (1−6) この例としては、SDのn乗に比例するものがある。即
ち δm =Cm ・(SD)n (1−7) δm ′=Cm ′・(SD)n (1−8) Cm ,Cm ′は定数である。
【0106】(ii)動作の変形例 ストリーク識別の閾値計算のステップは、原イメージ抽
出でのレベルシフトの前(領域の抽出又は閉領域の抽出
の後)に設けても良い。又、この処理を原イメージ抽出
処理と独立して行う場合には、原イメージ抽出処理の前
に設けても良い。
【0107】(iii)装置の変形例 (イ)データ記憶装置の分割,統合,付加 (a)1つの記憶装置を複数に分割して構成したもの。
例えばデータ記憶装置DS2,DS3を射影データの格
納用メモリと画像再構成RECON用メモリとそれぞれ
複数に分割構成したもの。
【0108】(b)データ記憶装置をスピード、経済性
等の見地から階層構成にしたもの。 (c)データ記憶装置を統合して構成したもの。例えば
イメージ用メモリであるデータ記憶装置DS4,DS5
を統合した1つの記憶装置としたもの。又、データ記憶
装置DS2,DS3を射影データメモリとして統合した
もの。
【0109】(d)バッファ・メモリ,キャッシュ・メ
モリ等を適宜付加して構成したもの。 (ロ)装置の分割,統合及び並列化 (a)各装置を例えば機能別に分割して構成したもの。
例えば、射影データ生成装置PRJをフーリエ変換装
置,直交座標−極座標変換装置,フーリエ逆変換装置等
に分割し、各装置間の並列処理性を付与した構成にした
もの。
【0110】(b)複数の装置を統合して構成したも
の。例えば射影データ生成装置PRJ,画像再構成装置
RECONをフーリエ変換装置を主体とした構成とし、
フーリエ変換装置同士,フーリエ逆変換装置同士,フー
リエ変換装置とフーリエ逆変換装置,極座標−直交座標
変換装置と直交座標−極座標変換装置とを統合して構成
し、又は同一の装置として構成したもの(後者の場合に
は、装置を目的毎に時分割使用する)。又、形状識別装
置DETとストリーク偽像成分生成装置APRJ:画像
データ抽出処理装置PKUPと射影データ生成装置PR
J等を統合して構成したもの。
【0111】(c)装置の多重並列化を計った構成にし
たもの。 (d)統一制御装置を、マイクロ・プロセッサ,マイク
ロ・プログラム・メモリ,デコーダ等で構成したもの。
【0112】(ハ)装置の付加 (a)磁気ディスク等大容量記憶装置の付加。 (b)磁気テープ装置MT,フロッピー・ディスク装置
FDD等外部記憶装置の付加。
【0113】(c)専用オペレータ・コンソール,CR
T,専用図形表示装置,専用診断装置等の付加。 (d)グラフ表示装置等の付加 (e)図形情報読取、情報入力装置付画像表示装置(画
像表示装置付マン・マシン・インタフェース装置)の付
加。画像表示装置に3次元データを表示しながら、抽出
する2次元データ平面を同一の画面又は別の表示装置に
表示し、抽出面を選択指定し、この抽出2次元平面を表
示しながら更に抽出する部分を指定できる装置の全部又
は一部より成る装置の付加。又は、イメージを表示する
画像表示装置、抽出領域のパラメータ読取表示装置(又
はパラメータ読取装置),抽出領域のパラメータ入力装
置等より成る装置の付加。
【0114】(ニ)射影データ生成装置PRJ この装置をフーリエ変換法による高速射影演算装置とし
て実現する場合に各種の変形が可能である。
【0115】(ホ)画像再構成装置RECON この装置をフーリエ変換形の画像再構成装置として実現
する場合には各種の変形が考えられる。
【0116】(ヘ)バス,制御ライン,信号ライン等の
分離,統合。 (ト)データ処理用に汎用の情報処理装置CPUや専用
のアレイ・プロセッサAP等を用いたもの。
【0117】(チ)同一の演算処理を別の構成(例えば
情報処理装置CPU,AP等の装置,ソフトウェア,フ
ァームウェア等)で実現したもの。
【0118】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、以下に列記するような効果が期待できる。
【0119】(1)各イメージの画質に対応してストリ
ーク偽像識別低減の為の最適な閾値を、データ処理装置
で容易に処理できるシンプルなアルゴリズムを用いるこ
とにより、人間の介入なしにデータ処理装置のみにより
自動計算設定処理ができる。
【0120】(2)人手を介しないこと、データ処理装
置等による高速な処理、シンプルなアルゴリズムを用い
ていること等により、非常に高速処理できる。 (3)人手を介さないので手間がかからず、経済的であ
る。
【0121】(4)有効なアルゴリズムを用いることに
より、各イメージの画質の変化に対応したストリーク識
別及び低減の為の閾値を求めることができるので、スト
リーク偽像低減の効果を常に最適な、良好なものとする
ことができ、且つ副作用を伴うこともない。
【0122】(5)パーシャル・ボリューム効果(Pati
al Volume Effect)というX線CTの宿命的現象によっ
て発生するストリーク状偽像の低減に有効であるばかり
でなく、X線線質硬化,金属の存在,被測定体の動き,
測定系のサンプル・レートが有限であるが故に生ずるエ
リアジング(Aliasing,折り返し)等の各種の原因で発
生するストリーク状の偽像の低減に極めて有効である。
【0123】(6)フーリエ演算装置を中心とする汎用
演算処理装置によるシンプルな装置の構成が可能で、経
済的な装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の方法を実施する装置のブロ
ック図である。
【図2】本発明の一実施例の方法のフローチャートであ
る。
【図3】射影データとオフセット検出についての説明図
である。
【図4】データ抽出の具体例を示す図である。
【図5】実イメージ・データとフーリエ変換実施時のイ
メージ・データの図で、(a)は実データの図、(b)
はフーリエ変換実施時のデータの図である。
【図6】フーリエ変換法による射影計算を行う場合の射
影データ生成装置の一実施例のブロック図である。
【図7】フーリエ逆変換の説明図で、(a)は周波数空
間での直交座標と極座標成分の関係を示す図、(b)は
フーリエ逆変換によって得られる実空間での射影の図で
ある。
【図8】直接計算法での射影の図である。
【図9】本発明の方法を実施する実施例の装置の応用例
である。
【図10】図9の装置の動作のフローチャートである。
【図11】本発明の方法を実施する他の実施例の装置の
ブロック図である。
【図12】図11の装置の動作のフローチャートであ
る。
【図13】図11の装置の別の動作のフローチャートで
ある。
【図14】本発明の方法を実施する他の実施例の装置の
ブロック図である。
【図15】図14の装置の動作のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
APRJ ストリーク偽像成分生成装置 CPRJ ストリーク削減済射影データ生成装置 DET 形状識別装置 PKUP 画像データ抽出処理装置 PRJ 射影データ生成装置 RECON 画像再構成装置 SIMAG イメージ減算処理装置 THCAL 閾値計算装置 SD 標準偏差値

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストリーク状偽像の存在をイメージから
    識別し、これを低減するためのストリーク状偽像等を低
    減する画像処理方法において、 多次元空間のイメージ・データから対象となる2次元イ
    メージの一部又は全部を抽出し、該抽出された開領域の
    ままのイメージ又はそれに更に閉領域化等の処理を施し
    たイメージから、画像データの標準偏差値(SD)を計
    算し、これからストリーク状偽像識別のための閾値
    (δ,δm ,δ′,δm ′)を前記標準偏差値(SD)
    の関数として計算する段階と、 前記抽出されたままのイメージ又はそれに閉領域化等の
    処理を施したイメージに対して、そのままのデータ又は
    レール・シフト等の処理を施したデータを使用して各方
    向又は任意の方向の射影データを計算し、前記ストリー
    ク状偽像の識別を前記閾値(δ,δm ,δ′,δm ′)
    を用いて前記射影データ比較により行い、比較結果に基
    づきストリーク状偽像を低減除去するためのデータを生
    成し、これによりストリーク状偽像を低減する段階とを
    具備することを特徴とするストリーク状偽像を低減する
    画像処理方法。
  2. 【請求項2】 多次元空間のイメージ・データから対象
    とする2次元空間のイメージ・データの一部又は全部を
    抽出し(開領域のままのイメージを抽出し)、該抽出さ
    れたイメージに対し必要に応じて更に閉領域化、レベル
    シフト等の処理を施す画像データ抽出処理装置(PKU
    P)と、 抽出され必要に応じて閉領域化等の処理の施された画像
    データから、該画像データの標準偏差値(SD)を求
    め、これからストリーク状偽像識別のための閾値(δ,
    δm ,δ′,δm ′)を前記標準偏差値(SD)の関数
    として求める閾値計算装置(THCAL)と、 前記画像データ抽出処理装置(PKUP)で抽出処理さ
    れたデータを用いて射影データを生成する射影データ生
    成装置(PRJ)と、 前記閾値計算装置(THCAL)で得られた前記閾値
    (δ,δm ,δ′,δm′)を用いて、前記射影データ
    生成装置(PRJ)で生成された射影データの比較によ
    りストリーク状偽像の識別を行う形状識別装置(DE
    T)とを具備し、 該形状識別装置(DET)でのストリーク状偽像の識別
    の結果に対応して、ストリーク状偽像を低減除去するた
    めのデータを生成し、これによりストリーク状偽像を低
    減することを特徴とするストリーク状偽像を低減する画
    像処理装置。
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