JPH05247667A - 初期なじみ性の優れた摺接部材 - Google Patents

初期なじみ性の優れた摺接部材

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JPH05247667A
JPH05247667A JP4526292A JP4526292A JPH05247667A JP H05247667 A JPH05247667 A JP H05247667A JP 4526292 A JP4526292 A JP 4526292A JP 4526292 A JP4526292 A JP 4526292A JP H05247667 A JPH05247667 A JP H05247667A
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JP4526292A
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Yoshio Tanida
芳夫 谷田
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺接部材における相手部材との摺接面に形成
されるコート層の耐久性を高めると共に、摺接部材の初
期なじみ性を改善する。 【構成】 相手部材との摺接面に、硬質で潤滑性を有す
るカーボン球状粒子を1〜25重量%分散含有せしめた
変性シリコン系バインダよりなるコート層が形成されて
いる。これにより硬質粒子は潤滑性を有して相手部材及
び摺接面の摩耗は抑止される。また、相手部材との摺動
面にポーラスな表面を有する硬質表面部が形成され、該
硬質表面部の表面に、固体潤滑剤と上記硬質表面部の表
面粗さより小さい粒径の硬質粒子とを分散含有せしめた
変性シリコン系バインダよりなるコート層が形成されて
いる。これにより硬質粒子は該硬質粒子を分散含有する
コート層と共に上記硬質表面部の表面の凹部に嵌入し相
手部材及び摺接面の摩耗は抑止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相手部材に対する初期
なじみ性の優れた摺接部材に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのシリンダウォールやロータハ
ウジングのトロコイド面を構成する部材のように、相手
部材と高負荷で摺接する部材は、使用開始初期に摺接面
において焼き付きや異常摩耗を生ぜしめないために良好
な初期なじみ性を具備している必要がある。
【0003】摺接部材に初期なじみ性を具備させるため
には、相手部材との摺接面に凹凸部を形成し該凹凸部に
より油膜を保持させることが知られている。油膜を保持
させるための凹凸部は、上記摺接面に対するホーニング
加工、メッキの逆電加工又はエッチング加工等により形
成されたり、或いは上記摺接面に施された硬質クロムメ
ッキのポーラスな粗面が上記凹凸部として用いられるこ
ともある。
【0004】また、摺接部材に、油膜により得られる初
期なじみ性に比べて耐熱性及び耐久性が改善された初期
なじみ性を具備させるために、耐久性を高めるための金
属酸化物よりなる硬質粒子を固体潤滑剤と共に分散含有
させてなるコート層を相手部材との摺接面に形成するこ
とも知られている。
【0005】また、特開昭60−50203号公報に
は、クロムメッキの施されたロータハウジングのトロコ
イド面に、ニッケル−フッ素複合メッキ層を形成するこ
とにより相手部材との摺接面における焼き付きの発生を
防止する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、相手部
材との摺接面に形成した凹凸部に保持された油膜は、摺
接面の微細な突起を起点として油膜が破断し易いため、
仕上げ精度の向上及びなじみ運転が必要となるので、工
数が増し歩留りが悪化する等の問題点があった。
【0007】また、固体潤滑剤と金属酸化物よりなる硬
質粒子とが分散含有されるコート層が形成された摺接部
材では、硬質粒子の添加により上記コート層の皮膜硬度
が向上し耐久性が改善される反面、添加した硬質粒子が
多すぎると相手部材及び摺接面の摩耗を増大させるとい
う問題点があった。
【0008】また、凹凸部を有する摺接面に固体潤滑剤
を含有するコート層を形成する場合には、凹部に充填さ
れる固体潤滑剤の量を凹部の面積率に対応させることが
困難であり、固体潤滑剤が不足するとコート層の耐久性
が十分に得られないという問題が生ずる。
【0009】さらに、特開昭60−50203号公報に
記載されている摺接面に複合メッキ層を設けた摺接部材
は、メッキ工程を重複することによって生産性が低くな
るので、コストが上昇するという問題が発生する。
【0010】上記に鑑みて、本発明は、摺接面に形成さ
れるコート層による相手部材の摩耗を増大させることな
く、上記コート層の耐久性を向上させることにより初期
なじみ性を改善することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述したような目的を達
成するため、請求項1の発明は、相手部材との摺接面に
形成されるコート層の耐久性を高めるために該コート層
中に添加される硬質粒子として、硬質で潤滑性のある材
質よりなる球状粒子を使用することにより硬質部材によ
る相手部材の摩耗を抑止しようとするものである。
【0012】具体的に、請求項1の発明の講じた解決手
段は、相手部材との摺接面に、1〜25重量%のカーボ
ン球状粒子と、該カーボン球状粒子を分散せしめた99
〜75重量%の変性シリコン系バインダとよりなるコー
ト層が形成されている構成とするものである。
【0013】また、請求項2の発明は、相手部材との摺
接面に形成された硬質メッキ層の表面の凹部にカーボン
球状粒子を嵌入せしめることにより、相手部材の摩耗の
抑止機能を向上させようとするものであって、具体的に
は、請求項1の構成に、相手部材との摺接面にポーラス
な表面を有する硬質メッキ層が形成され、該硬質メッキ
層の表面に上記コート層が形成されている構成を付加す
るものである。
【0014】また、請求項3の発明は、摺接面にポーラ
スな表面を有する硬質表面部が形成され、さらにコート
層が形成されるに際して上記硬質表面部の表面の凹部に
嵌入できるように微細化された硬質粒子を使用すること
により、硬質粒子による相手部材の摩耗を抑止しようと
するものである。
【0015】具体的に、請求項3の発明の講じた解決手
段は、相手部材との摺接面にポーラスな表面を有する硬
質表面部が形成され、該硬質表面部の表面に、変性シリ
コン系バインダに固体潤滑剤と上記硬質表面部の表面粗
さより小さい粒径の硬質粒子とを分散含有せしめてなる
コート層が形成されている構成とするものである。
【0016】また、請求項4の発明は、相手部材との摺
接面に形成される硬質表面部を硬質メッキ層により形成
する際の好ましい該硬質メッキ層の表面粗さに基いて上
記表面に形成された凹部に嵌入できるFeCr2 4
子の粒径とするものであって、具体的には、請求項3の
構成に、上記硬質表面部は、表面粗さが1.6〜4.0
μmの硬質メッキ層よりなり、上記硬質粒子は、粒径が
0.5〜1.0μmのFeCr2 4 粒子よりなるとい
う構成を付加するものである。
【0017】
【作用】請求項1の発明の構成により、相手部材との摺
接面に形成されるコート層中に分散含有される硬質粒子
として硬質で潤滑性のあるカーボン球状粒子が使用され
るため、相手部材と摺接面との間の潤滑性は良好となる
ので、相手部材の摩耗は抑止される。
【0018】請求項2の発明の構成により、コート層中
に分散含有されるカーボン球状粒子はポーラスな表面を
有する硬質メッキ層表面の凹部に嵌入し、カーボン球状
粒子と相手部材との間の摩擦は軽減されるので、相手部
材の摩耗はさらに抑止される。
【0019】請求項3の発明の構成により、固体潤滑剤
と共に変性シリコン系バインダに分散含有されてコート
層を構成する硬質粒子は、摺接面に形成されたポーラス
な表面を有する硬質表面部の表面に形成されている凹部
中に上記固体潤滑剤及び変性シリコン系バインダと共に
入っており、上記硬質表面部の摩耗にしたがって徐々に
摺接面に出現するため、相手部材の摩耗は極めて緩やか
となる。
【0020】請求項4の発明の構成により、硬質表面部
は表面粗さが1.6〜4.0μmの硬質メッキ層とさ
れ、硬質粒子は、粒径0.5〜1.0μmのFeCr2
4 粒子とされるため、硬質粒子は、コート層に分散含
有されたまま硬質表面部の表面に形成される凹部中に嵌
入する。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例に係る摺接部材とし
て、高面圧でアペックスシールが摺動する摺接面に初期
なじみ性を改善するためのコート層が設けられたロータ
リーエンジンのトロコイド面を構成する部材について説
明する。
【0022】本実施例に係る摺接部材は、トロコイド面
を有するトロコイド素材の表面に、下記のようなコート
層が形成されるか、或いはトロコイド素材の表面にポー
ラスな表面を有する例えば硬質クロムメッキ層のような
硬質表面部が形成された後、該硬質表面部の表面に下記
のようなコート層が形成されることにより得られるもの
である。
【0023】(実施例1)第1の実施例におけるコート
層は、グラファイトに比べ硬度が高く、固体潤滑剤の機
能と硬質粒子の機能とを併せ有するカーボン球状粒子が
変性シリコン系バインダにより結合されており、金属酸
化物よりなる硬質粒子は含有されていない。 上記コー
ト層を形成するためのコート層形成材における上記カー
ボン球状粒子と上記変性シリコン系バインダとの組成比
の一例を示すと、固形分としてのカーボン球状粒子(商
品名カーボンマイクロビーズICB−520、日本カー
ボン株式会社製)が18重量%であり、変性シリコン系
バインダとしてのポリフェニルシリコン(商品番号TS
R116、東芝シリコーン株式会社製)が82重量%と
なっている 上記の組成となされたコート層形成材に、外掛けで約3
0重量%のキシレン(試薬一級の市販品)を加えて粘度
を調整し、図1に示すような工程によりコート層を形成
しロータリーエンジンのトロコイド面を加工した。すな
わち、トロコイド素材の面に残留する油脂分をアセトン
により脱脂し清浄化した後、上記キシレンにより粘度が
調整された上記コート層形成材を、2kgf/cm2
空気圧により上記トロコイド素材面に吹付ける。次い
で、100℃に30分保持して乾燥し、さらに200℃
にて40分焼成して上記コート層が形成されたトロコイ
ド面を有する摺接部材を製造した。
【0024】乾燥及び焼成の各工程中に添加したキシレ
ンは飛散し、カーボン球状粒子が分散含有せしめられた
ポリフェニルシリコンよりなり30μmの膜厚を有する
コート層が形成されたトロコイド面を得た。
【0025】本実施例に係るロータリーエンジンのトロ
コイド面に形成されたコート層の硬さを測定した。すな
わち、本実施例におけるカーボン球状粒子とポリフェニ
ルシリコンとの組成比を表1に示すような種々の組成と
したコート層と、グラファイトとFeCr2 4 粒子
(金属酸化物よりなる硬質粒子)とポリフェニルシリコ
ンとの組成比を表2に示すような種々の組成とした従来
例のコート層と、該従来例からFeCr2 4 粒子を除
きグラファイトとポリフェニルシリコンとの組成比を表
3に示すような種々の組成とした比較例のコート層とに
ついて硬さを測定し比較した。
【0026】
【表1】
【表2】
【表3】 本実施例、従来例及び比較例の各コート層の標準組成と
なるものの表面硬さをJISに規定される鉛筆硬さによ
り評価し、その結果を表4に示す。表4に示される結果
によれば、本実施例のコート層は金属酸化物の硬質粒子
が含有された従来例のコート層と変らぬ表面硬さが得ら
れることが確認された。このことは、グラファイトに比
べて硬度が高く且つ潤滑性を有するカーボン球状粒子を
変性シリコン系バインダに分散含有させることによっ
て、コート層の所要皮膜硬さが確保されることを示して
いる。
【0027】
【表4】 次に、本実施例におけるコート層が形成された摺接面と
摺動する相手部材の摩耗の状態をテストし、相手部材を
摩耗させる程度を評価した。
【0028】摩耗テスト法は通常の摩耗度測定試験に用
いられるピンオンディスク摩耗試験機により行った。回
転ディスクの摺接面上に各々のコート層を形成し、該摺
接面にビッカース硬度690のチル鋳物よりなるシール
材を押圧摺動せしめ、上記シール材の摩耗量を測定し
た。
【0029】測定条件は、シール材の押し付け荷重は2
kgf/mmであり、シール材が押し付けられている部
位の回転ディスクの周速は15m/秒とした。
【0030】上記した表1に示す本実施例、表2に示す
従来例及び表3に示す比較例における各組成よりなるコ
ート層各々について、上記摩耗テスト法により相手部材
を摩耗させる程度をテストし、各コート層に含まれる固
体潤滑剤の種類(本実施例のコート層はカーボン球状粒
子、従来例及び比較例ではグラファイトを各々使用。)
とシール材の摩耗状態との関係を図2に示した。図2に
おいては縦軸にシール材の摩耗の程度(比摩耗量)が示
され、横軸に固体潤滑材の含有量が示されている。
【0031】図2のグラフに示される結果によれば、従
来例のコート層はグラファイトの含有量が15重量%程
度までの範囲ではコート層が固いため、金属酸化物より
なる硬質粒子はバインダに強く固定されていることによ
り相手部材を摩耗させることは少い。しかし、グラファ
イトの含有量が15重量%を超すとコート層が軟かくな
って硬質粒子が摺接界面に達しやすくなり相手部材を激
しく摩耗させている。また、比較例のコート層は硬質粒
子が含まれないためコート層は早期に消耗し、相手部材
及び摺接面が互に摩耗することを防止できない。
【0032】これらに対し、本実施例のコート層は、カ
ーボン球状粒子の含有量が1〜25重量%の範囲におい
てグラファイトを使用した従来例よりも相手部材の摩耗
が著しく小さくなっている。同時に、金属酸化物よりな
る硬質粒子を使用せず、硬質で潤滑性を有するカーボン
球状粒子をポリフェニルシリコンよりなるバインダ中に
分散せしめるものであるから、従来例及び比較例に比べ
てコート層中に分散できる固体潤滑剤の量を増大させる
ことが可能であることを示している。
【0033】固体潤滑剤としてのカーボン球状粒子のコ
ート層中に分散せしめられる含有量は、1重量%未満で
はコート層における潤滑性が得られず、25重量%を超
すとバインダであるフェニルシリコンの量が相対的に不
足してコート層が脆くなり、コート層が剥離しやすくな
ることにより相手部材及び摺接面は互に摩耗しやすくな
る。
【0034】さらに、本実施例のコート層における潤滑
効果の持続性を測定し、従来例及び比較例における潤滑
効果の持続性と共に図3に示した。潤滑効果の持続性の
測定は、いずれも上記した表面硬さの評価における標準
組成となった本実施例、従来例及び比較例について上記
摩耗テスト法により行い、縦軸にシール材の摩耗量、横
軸に摩擦した距離を各々示した。
【0035】図3のグラフに示される結果によれば、本
実施例のコート層は長距離の摩擦でも相手部材を摩耗さ
せることが僅少であり、長時間にわたり相手部材の摩耗
を低減させる効果のあることが確認された。
【0036】次に、トロコイド素材の面にポーラスな表
面を有する硬質メッキ層としてポーラスな表面を有する
硬質クロムメッキ層を形成し、該硬質クロムメッキ層の
表面に本実施例によるコート層を形成した。このコート
層においても所要皮膜硬さが確保されると共に、相手部
材の摩耗を著しく小さくし長時間にわたる潤滑効果の持
続性が得られた。
【0037】(実施例2)第2の実施例におけるコート
層は、固体潤滑剤と硬質粒子とが変性シリコン系バイン
ダにより結合されており、上記硬質粒子の粒径を該コー
ト層が形成される表面の表面粗さより小さくしたもので
ある。上記コート層を形成するためのコート層形成材に
おける上記固体潤滑剤と上記硬質粒子と上記変性シリコ
ン系バインダとの組成比の一例を示すと、固体潤滑剤と
してのグラファイトが5重量%であり、硬質粒子として
の粒径0.5〜1.0μmのFeCr2 4 粒子(金属
酸化物粒子)が23重量%であり、変性シリコン系バイ
ンダとしてのポリフェニルシリコン(第1の実施例で使
用したものと同じ)が72重量%となっている。
【0038】先ず、トロコイド素材の面に、ポーラスな
表面を有する硬質表面部を形成するために、表面粗さを
1.6〜4.0μmの範囲とした硬質クロムメッキ層を
形成した。
【0039】上記の組成となされたコート層形成材に外
掛けで約30重量%のキシレン(試薬一級の市販品)を
加えて粘度を調整し、再び図1に示すような工程を上記
した第1の実施例と同様に行って、上記1.6〜4.0
μmの表面粗さを有する硬質クロムメッキ層の表面にコ
ート層を形成した。
【0040】乾燥及び焼成の各工程中に添加したキシレ
ンは飛散し、グラファイトと粒径0.5〜1.0μmの
FeCr2 4 粒子とが分散含有せしめられたポリフェ
ニルシリコンよりなり30μmの膜厚を有するコート層
が、1.6〜4.0μmの表面粗さを有する硬質クロム
メッキ層の表面に形成されたトロコイド面を得た。
【0041】コート層中に分散含有されるFeCr2
4 粒子の粒径と、表面にコート層が形成される硬質クロ
ムメッキ層の表面粗さとの間における種々の組合せに対
するシール材の摩耗量を上記摩耗テスト法によって測定
し図4に示した。図4においては縦軸にシール材の摩耗
の程度(比摩耗量)が示され、横軸に硬質クロムメッキ
層の表面粗さが示されており、FeCr2 4 粒子の粒
径を0.5μm、1μm、5μm、及び10μmに変化
させたときの各測定値となっている。
【0042】図4のグラフに示される結果によれば、硬
質クロムメッキ層の表面粗さが1.6〜4.0μmの範
囲において、FeCr2 4 粒子の粒径を0.5〜1.
0μmとする構成とした場合にシール材の摩耗を顕著に
低減させることが確認された。
【0043】尚、第2の実施例においては、固体潤滑剤
としてグラファイトに代えて硬度の高い固体潤滑剤を使
用するときは、粒径0.5〜1μmの粒子となすことに
より使用可能となることはいうまでもない。
【0044】上記した構成となされた摺接部材としての
トロコイド面では、固体潤滑剤としてのグラファイト及
び硬質粒子としてのFeCr2 4 粒子が変性シリコン
系バインダとしてのポリフェニルシリコンと共に、ポー
ラスな表面を有する硬質表面部としての硬質クロムメッ
キ層の表面に形成されている粗面の凹部中に嵌入してい
る。これにより、コート層中のグラファイトの潤滑作用
により摩耗を抑制し、FeCr2 4 粒子がコート層の
耐久性を高めると共に相手部材であるシール材の微細な
突起を平滑化するという機能を果し、かかる総合的な機
能を上記硬質クロムメッキ層が摩耗し滅失するまで持続
し、長時間にわたる潤滑効果の持続性が得られるのであ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る初期なじみ性の優れた摺接部材によると、硬質粒子
として硬質で潤滑性のあるカーボン球状粒子が使用され
るため、相手部材と摺接面との間の潤滑性は良好となっ
て相手部材の摩耗は抑止されるので、優れた初期なじみ
性が得られる。
【0046】また、請求項2の発明によると、カーボン
球状粒子は硬質メッキ層表面の凹部に嵌入し、カーボン
球状粒子と相手部材との間の摩擦は軽減されるので、硬
質メッキ層が摩耗しても潤滑効果は持続し、初期なじみ
性はさらに改善される。
【0047】また、請求項3の発明に係る初期なじみ性
の優れた摺接部材によると、コート層に分散含有される
硬質粒子の粒径は、該コート層が形成される硬質表面部
の表面の表面粗さよりも小さくされ、該硬質表面部の表
面の凹部に嵌入しているため、上記硬質表面部の摩耗に
したがって徐々に摺接面に出現することになり相手部材
の摩耗は緩やかとなるので、優れた初期なじみ性が得ら
れる。
【0048】また、請求項4の発明によると、硬質表面
部は、表面粗さが1.6〜4μmの硬質メッキ層とさ
れ、硬質粒子は粒径0.5〜1.0μmのFeCr2
4 粒子とされるため、硬質粒子はコート層に分散含有さ
れたまま硬質メッキ層の表面に形成された凹部に嵌入さ
れるので、相手部材の摩耗を低減する硬化が確実に得ら
れる。
【0049】すなわち、請求項1〜請求項4の発明によ
れば、従来例にみられたような、金属酸化物よりなる硬
質粒子を分散含有せしめたコート層を摺接面に形成する
ことにより生ずる相手部材が著しく摩耗するという問題
は解消される。
【0050】また、カーボン球状粒子は比重が軽いこ
と、及び硬質粒子は粒径を平均して微細化されているこ
とにより、本発明における硬質粒子はコート層形成材中
において沈降が抑制されており、これにより上記コート
層形成材の長期保存が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施例に係るトロコイ
ド面の加工工程を示す工程図である。
【図2】本発明の第1の実施例における固体潤滑剤含有
量と比摩耗量との関係を示すグラフである。
【図3】上記第1の実施例における摩擦距離と摩耗量の
関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施例における硬質クロムメッ
キ層の表面粗さと比摩耗量との関係を示すグラフであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手部材との摺接面に、1〜25重量%
    のカーボン球状粒子と該カーボン球状粒子を分散せしめ
    た99〜75重量%の変性シリコン系バインダとよりな
    るコート層が形成されていることを特徴とする初期なじ
    み性の優れた摺接部材。
  2. 【請求項2】 相手部材との摺接面にポーラスな表面を
    有する硬質メッキ層が形成され、該硬質メッキ層の表面
    に1〜25重量%のカーボン球状粒子と該カーボン球状
    粒子を分散せしめた99〜75重量%の変性シリコン系
    バインダとよりなるコート層が形成されていることを特
    徴とする初期なじみ性の優れた摺接部材。
  3. 【請求項3】 相手部材との摺接面にポーラスな表面を
    有する硬質表面部が形成され、該硬質表面部の表面に、
    変性シリコン系バインダに固体潤滑剤と上記硬質表面部
    の表面粗さより小さい粒径の硬質粒子とを分散含有せし
    めてなるコート層が形成されていることを特徴とする初
    期なじみ性の優れた摺接部材。
  4. 【請求項4】 上記硬質表面部は表面粗さが1.6〜
    4.0μmの硬質メッキ層よりなり、上記硬質粒子は粒
    径が0.5〜1.0μmのFeCr2 4 粒子よりなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の初期なじみ性の優れ
    た摺接部材。
JP4526292A 1992-03-03 1992-03-03 初期なじみ性の優れた摺接部材 Withdrawn JPH05247667A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7413769B2 (en) 2005-07-01 2008-08-19 Mcdevitt Erin T Process for applying a metallic coating, an intermediate coated product, and a finish coated product

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7413769B2 (en) 2005-07-01 2008-08-19 Mcdevitt Erin T Process for applying a metallic coating, an intermediate coated product, and a finish coated product

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