JPH0524979B2 - - Google Patents

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JPH0524979B2
JPH0524979B2 JP21281385A JP21281385A JPH0524979B2 JP H0524979 B2 JPH0524979 B2 JP H0524979B2 JP 21281385 A JP21281385 A JP 21281385A JP 21281385 A JP21281385 A JP 21281385A JP H0524979 B2 JPH0524979 B2 JP H0524979B2
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Koichi Hashiguchi
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明は自動車の車体など、成形加工の用途
に供される高張力冷延薄鋼板およびその製造方法
に関し、特に成形加工後の塗装工程において焼付
け処理を受けた際に降伏点が大きく増加するとい
う、所謂焼付け硬化性が著しく大きい高張力薄鋼
板およびその製造方法に関するものである。 従来の技術 自動車の車体外装板等には従来から車体軽量化
のために高張力薄鋼板が広く使用されている。こ
のような自動車用の高張力薄鋼板としては、プレ
ス加工で代表される成形加工が施されることか
ら、比較的軟質で成形加工性が良いことが必要で
あると同時に、自動車車体外装板等に要求される
充分な強度を有することが必要であり、そこで最
近では成形時には比較的軟質であつて成形後の塗
装焼付け工程で時効硬化により強度が上昇する特
性を有する鋼板、すなわち焼付け硬化性が大きい
鋼板が使用されるようになつている。 焼付け硬化性の指標となる焼付け硬化量は、一
般に次のようにして測定される。すなわち、先ず
プレス成形に相当する2%程度の予ひずみを与え
ておき、その後焼付け処理に相当する170℃×20
分間の熱処理を行なう。そして2%予ひずみ時の
変形応力と熱処理後の降伏応力との差を算出し、
その値を焼付け硬化量とする。 ところで従来の焼付け硬化性を有する鋼板とし
ては種々のものがあるが最近では特に高い焼付け
硬化性を有する高強度高延性鋼板として、例えば
特公昭55−48575号公報に記載されているように
窒素(N)量を高めた高N鋼の焼入れ焼もどし鋼
が知られており、また例えば「日本金属学会報」
19(1980)P439あるいは「日本金属学会報」19
(1980)P10、「鉄と鋼」Vol68(1982)No.9、
P1348に記載されているような2相組織鋼板
(Dual Phase鋼板)などが知られている。 発明が解決すべき問題点 従来の一般的な焼付け硬化性を有する鋼板で
は、焼付け硬化量は5Kgf/mm2程度に過ぎない。
特に高い焼付け硬化性を有する前述の特公昭55−
48575号公報記載の鋼板でも12Kgf/mm2以下であ
り、またその公報記載の高N鋼ではN量の調整が
容易ではなく、材質のばらつきが大きいという問
題があり、さらに引張り強さ(TS)が60Kgf/
mm2以下に過ぎなかつた。一方従来の2相組織鋼板
でも焼付け硬化量は10Kgf/mm2以下であつた。ま
た従来の鋼板においては、焼付け硬化性をさらに
高めようとすれば、室温時効による材質劣化の問
題も避け得なかつた。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、従来よりも一層高い焼付け硬化性、具体的
には15Kgf/mm2以上の高い焼付け硬化量を示し、
しかも室温での時効劣化がほとんどなく、かつ良
加工性を有する高張力冷延薄鋼板を提供すること
を目的とするものである。 問題点を解決するための手段 上述の目的を達成するべく本発明者等が種々実
験・検討を重ねた結果、主として冷間圧延後の焼
鈍サイクルを制御することにより、鋼板組織を従
来の冷延薄鋼板では用いられていなかつたベイナ
イト主体の組織とすることによつて、従来の薄鋼
板では達成し得なかつた焼付け硬化量15Kgf/mm2
以上の著しく高い焼付け硬化性を有しかつ良好な
加工性でしかも室温での時効劣化の少ない薄鋼板
が得られることを見出し、この発明をなすに至つ
たのである。 具体的には、本願の第1発明の焼付け硬化性高
張力気冷延薄鋼板は、重量%でCを0.08〜0.20
%、Mnを1.5〜3.5%含有しかつ残部がFeおよび
不可避的不純物よりなり、しかも鋼組織が、フエ
ライト量5%以下の均一なベイナイトもしくは一
部マルテンサイトを含むベイナイトで構成されて
いることを特徴とするものである。 また第2発明の焼付け硬化性高張力冷延薄鋼板
は、重量%でC0.08〜0.20%、Mn1.5〜3.5%のほ
か、Nb0.01〜0.10%、Ti0.01〜0.10%、B5〜
30ppmのうちの1種または2種以上を含有し、残
部がFeおよび不可避的不純物よりなり、しかも
鋼組織が、前記同様にフエライト量5%以下の均
一なベイナイトもしくは一部マルテンサイトを含
むベイナイトで構成されていることを特徴とする
ものである。 さらに第3発明は、焼付け硬化性高張力冷延鋼
板を製造する方法を提供するものであつて、重量
%でCを0.08〜0.20%、Mnを1.5〜3.5%含有する
鋼を常法によつて熱間圧延および冷間圧延してっ
所用の板厚とした後に連続焼鈍を施すにあたり、
焼鈍的熱温度をAc3点以上、Ac3点+100℃以下と
し、かつ焼鈍後の冷却過程における400℃以下200
℃以上の温度域内までを20℃/sec以上の冷却速
度で急冷し、引続いて0.5℃/sec以下の冷却速度
で徐冷することを特徴とするものである。 作 用 先ずこの発明における鋼成分限定理由について
説明する。 Cは0.08%未満ではγ→αの変態速度が大き
く、連続焼鈍でフエライト量を5%以下とするこ
とが困難であり、フエライト量5%以下のベイナ
イト主体の組織を得て極めて大きい焼付け硬化性
を得るというこの発明の目的が達成できなくな
る。一方Cが0.20%を越えればこの発明で主とし
て対象としている自動車用鋼板においてスポツト
溶接が困難となり、スポツト溶接強度が低下する
問題がある。したがつてC量は0.08〜0.20%の範
囲内とした。 Mnはフエライト変態を抑制してベイナイトを
出現し易くする元素であつてこの発明の鋼板で必
須の元素であり、Mn1.5%未満では、極めて高い
焼付け硬化性が得られない。このようにMn1.5%
未満で極めて高い焼付け硬化性が得られない理由
は未だ明らかではないが、おそらくはMnとCと
の相互作用によるものと思われる。一方Mnが3.5
%を越えてもそれ以上焼付け硬化性は大きくなら
ず、特に添加のメリツトはない。したがつてMn
は1.5〜3.5%の範囲内とした。 この発明の鋼板における基本的な必須成分は上
述のCおよびMnであるが、特に第2発明におい
ては、C、Mnのほか、Nb、Ti、Bの1種また
は2種以上を含有するものとする。その作用、添
加量限定理由は次の通りである。 Nbは加工性を保ちつつ高強度化するために有
効な元素である。その硬化は0.01%以上の添加で
顕著となるが0.10%でほぼ飽和するから、Nbを
添加する場合の添加量は0.01〜0.10%の範囲内と
した。またTiもその作用と添加量限定理由はNb
と同様である。 Bは極微量でフエライト変態を抑制するに有効
であるが、5ppm未満の添加ではその硬化がなく、
またその硬化は30ppm程度で飽和する。したがつ
てBを添加する場合の添加量は5〜30ppmの範囲
内とした。 なおNb、Ti、Bはそれらのうち2種または3
種を複合添加しても特に支障はなく、したがつて
いずれが1種または2種以上を添加することとし
た。 さらにこの発明の鋼板においては、前述のよう
に鋼成分を限定するのみならず、鋼組織をベイナ
イト主体としたものと規定したことが極めて重要
である。すなわち、フエライト量が5%以下のベ
イナイト主体の組織とすることが極めて大きい焼
付け硬化性を得るために必要である。このような
事実は本発明者等の次のような実験により見出さ
れたものである。 C0.11%、Mn3.0%、Nb0.04%を含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼を、常法
にしたがつて熱間圧延、酸洗、冷間圧延し、続い
て連続焼鈍に相当する種々の条件下での熱処理を
行なつて種々の量のフエライト相分率(残部はベ
イナイト)の鋼板を得、それぞれ焼付け硬化量を
調べたところ、フエライト相分率と焼付け硬化量
との間には第1図に示すような関係があることが
判明した。 第1図から明らかなように、フエライト相分率
5%以下で残部がベイナイト相であれば15Kgf/
mm2以上の著しく大きい焼付け硬化量が得られる。
このようにベイナイト相主体の組織の場合に極め
て大きな焼付け硬化量が得られる理由は未だ明確
ではないが、フエライト相と比較してベイナイト
相ははるかに多量の固溶Cを含有し、また転位密
度も大であり、そのためひずみ時効後の変形応力
もフエライト相より大きいと考えられ、このこと
からベイナイト相主体の組織ではフエライト相主
体の組織よりもひずみ時効後の変形応力が高くな
ること、したがつて焼付け硬化量が大きくなるも
のと推定される。 なお5%以下のフエライト相に対する残部はそ
の全でが均一なベイナイト相であることが最も望
ましいが、一部マルテンサイ相を含有しているベ
イナイト相でも実用上は支障ない。但し後者の場
合マルテンサイト相は30%以下が望ましい。 上述のようなベイナイト相主体の組織を得るた
めには、熱間圧延および冷間圧延後の連続焼鈍条
件、とくにその冷却条件が重要である。そこで次
に連続焼鈍条件についてその限定理由を説明す
る。 先ず焼鈍温度(加熱昇温後の均熱温度)はAc3
点以上の温度が必要である。これは連続焼鈍後の
冷却過程で急冷を開始する前の鋼組織を均一なオ
ーステナイト組織としておくために必要である。
しかしながらAc3点+100℃を越えればオーステ
ナイト組織が粗大となるため、冷却後に得られる
組織も粗大となり、材質的に望ましくなくなる。
したがつて焼鈍温度はAc3点以上、Ac3点+100℃
以下とした。 このようにオーステナイト化した後は、ある程
度以上の急冷によりフエライト変態を抑制してベ
イナイト変態を促進することが必要であり、その
ためには400〜200℃の範囲内の温度まで20℃/
sec以上の冷却速度で急冷することが必要である。
第2図に、冷却速度と各種材質との関係を示す。
この実験は、C0.13%、Mn2.8%を含有し残部が
Feおよび不可避的不純物によりなる鋼について、
常法にしたがつて熱間圧延−酸洗−冷間圧延して
板厚1.0mmとした後、870℃で180秒均熱し、その
温度から300℃までの冷却速度を種々変化させ、
引続いて0.5℃/secの冷却速度で徐冷した場合に
ついて、焼付け硬化量、伸び、引張り強さを調
べ、300℃までの冷却速度と各材質との関係を第
2図に示したものである。第2図から明らかなよ
うに、300℃までの冷却速度が20℃/sec未満では
焼付け硬化量が小さく、引張り強さも低いことが
判る。これは、20℃/sec未満では充分にベイナ
イト変態が促進されなかつたためである。したが
つてAc3点〜Ac3点+100℃に加熱均熱した後には
20℃/sec以上の冷却速度で急冷することが必要
である。 またこのような20℃/sec以上の急冷は、400〜
200℃の温度域内で停止させる必要がある。急冷
停止温度が400℃より高ければベイナイト変態が
充分に促進されず、そのため焼付け硬化性が低下
し、また急冷停止温度が高過ぎる場合、その後の
徐冷でパーライト変態が生じて低温変態相の焼も
どしにより強度が低下する。一方急冷停止温度が
低過ぎればマルテンサイドが過剰となるとともに
自己焼もどし効果が期待できず、特に延性の劣化
を招き、このような傾向は急冷停止温度が200℃
より低い場合に顕著となる。したがつて20℃/
sec以上の冷却速度での急冷は400℃以下200℃以
上の温度域内の温度までとし、その後は徐冷する
必要がある。 急冷停止後の徐冷は0.5℃/sec以下の冷却速度
とする必要がある。0.5℃/secを越える冷却速度
となれば伸びの劣化が著しく、成形加工性を損う
からである。 なおAc3点〜Ac3点+100℃に均熱した後の冷却
速度20℃/sec以上の急冷時の冷却速度の上限は
特に定めないが、冷却速度が高過ぎればマルテン
サイトの生成量が多くなつてしまう。マルテンサ
イトの過剰な生成を抑えてベイナイト主体の組織
とするためには、成分にも依存するが概ね100
℃/sec程度以下の冷却速度とすることが好まし
い。 以上のように連続焼鈍条件を適切に設定するこ
とによつて、フエライト量5%以下の均一なベイ
ナイトまたは一部マルテンサイトを含むベイナイ
ト主体の組織を有する、15Kgf/mm2以上の焼付け
硬化量でしかも引張り強さも高くかつ良加工性の
高張力冷延鋼板を得ることができる。 実施例 第1表のA〜Hに示す各種成分組成の鋼を溶製
し、常法にしたがつて仕上圧延温度800〜900℃で
熱間圧延し、450〜600℃で巻取つた後、酸洗し、
さらに冷間圧延を施して板厚1.00mmの冷延鋼板と
した。次いて第2表中に示す種々の条件で連続焼
鈍し、焼鈍−冷却後の材質を調査した。またフエ
ライト分率(Vf)を調べるとともに、スポツト
溶接継手強度も調べた。その結果を第2表に示
す。なお第1表中において「一次冷却速度」は均
熱温度から一次冷却停止温度までの平均冷却速
度、「二次冷却速度」は一次冷却速度停止温度か
ら室温近傍までの平均冷却速度を表わす。
【表】
【表】
【表】 第2表において、成分組成がこの発明の範囲内
の鋼A(Ac3点温度約830℃)に対し連続焼鈍を
Ac3点未満の均熱温度で施したNo.3の場合および
300℃までの冷却速度が5℃/secと低かつたNo.4
の場合は、いずれもフエライト分率が80%、85%
と高く、充分な焼付け硬化量が得られなかつた。
また同じ鋼Aに対し急冷後の2次冷却速度が3
℃/secと高かつたNo.2の場合は、伸びが充分で
はなく、加工性に劣ることが判明した。一方成分
組成がこの発明の範囲内の鋼B(Ac3点約820℃)
について、連続焼鈍をAc3点+100℃を越える均
熱温度で施したNo.6の場合は伸びが低く、加工性
が劣ることが判明した。さらに鋼中のC量が0.25
%と高い鋼Eの場合(No.9)、製造条件はこの発
明の範囲内でもスポツト溶接強度が不足すること
が判明した。またMn量が1.00%と低い鋼Fの場
合(No.10)およびC量が0.05%と低い鋼G(No.12)
には、いずれもフエライト分率が高く、充分な焼
付け硬化量が得られず、また強度も低かつた。そ
してこの発明の成分範囲内の鋼Bについて急冷停
止温度T2が400℃より高い場合(No.11)にも、フ
エライト分率が高く、充分な焼付け硬化量が得ら
れなかつた。 これに対し、成分組成がこの発明条件を満た
し、かつ製造条件もこの発明を満たす場合(No.
1、No.5、No.7、No.8、No.13)には、いずれも鋼
組織がフエライト量5%以下のベイナイト主体の
組織となり、これらの場合いずれも15Kgf/mm2
上の充分な焼付け硬化量が得られ、かつ伸びも充
分で加工性が良好であり、しかも強度的にも引張
強さ80Kgf/mm2以上の高強度が得られた。またス
ポツト溶接における強度不足も生じなかつた。 発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明によれ
ば、焼付け硬化量が15Kgf/mm2以上と極めて大き
い焼付け硬化性を有し、しかも良加工性で80Kg
f/mm2以上の高強度を有する高張力冷延薄鋼板が
得られ、したがつて自動車のドアインパクトビー
ムなど、成形加工後に塗装焼付けが行なわれる用
途であつてしかも高強度が要求される部材に適用
して有益なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はフエライト相分率(残部ベイナイト)
と焼付け硬化量との関係を示す相関図、第2図は
連続焼鈍における均熱後の300℃までの冷却速度
と材質(焼付け硬化量、伸び、引張強さ)との関
係を示す相関図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%でC0.08〜0.20%、Mn1.5〜3.5%を含
    有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
    成分組成を有し、かつ鋼組織が、フエライト量5
    %以下の均一なベイナイトもしくは一部マルテン
    サイトを含むベイナイトで構成され、焼付け硬化
    量が15Kgf/mm2以上である焼付け硬化性高張力冷
    延薄鋼板。 2 重量%でC0.08〜0.20%、Mn1.5〜3.5%を含
    有し、かつNb0.01〜0.10%、Ti0.01〜0.10%、B5
    〜30ppmのうちから選ばれた1種以上を含有し、残
    部がFeおよび不可避的不純物よりなる成分組成
    を有し、かつ鋼組織が、フエライト量5%以下の
    均一なベイナイトもしくは一部マルテンサイトを
    含むベイナイトで構成され、焼付け硬化量が15Kg
    f/mm2以上である焼付け硬化性高張力冷延薄鋼
    板。 3 重量%でC0.08〜0.20%、Mn1.5〜3.5%を含
    有する鋼に熱間圧延および冷間圧延を施して所要
    の板厚とした後、連続焼鈍するにあたり、、焼鈍
    均熱温度をAc3点以上、Ac3点+100℃以下の範囲
    内とし、かつ焼鈍後の冷却過程において200℃以
    上400℃以下の温度域内の温度までを20℃/sec以
    上の冷却速度で急冷し、引続きその温度から0.5
    ℃/sec以下の冷却速度で徐冷することを特徴と
    する焼付け硬化性高張力冷延鋼板の製造方法。
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