JPH05255813A - 加工性と制振性能に優れた高強度合金 - Google Patents

加工性と制振性能に優れた高強度合金

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JPH05255813A
JPH05255813A JP34121291A JP34121291A JPH05255813A JP H05255813 A JPH05255813 A JP H05255813A JP 34121291 A JP34121291 A JP 34121291A JP 34121291 A JP34121291 A JP 34121291A JP H05255813 A JPH05255813 A JP H05255813A
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damping performance
vibration
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Manabu Takahashi
学 高橋
Hiroshi Endo
紘 遠藤
Kosaku Shioda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、合金の成分を調整することによ
り、加工性と制振性に優れた高強度合金を提供するもの
である。 【構成】 Mnを10〜27重量%含むFe合金で、実
使用段階でのミクロ組織がオーステナイトとイプシロン
マルテンサイトの混合もしくはこれに一部α′マルテン
サイトを含む混合組織であり、合金の振動損失係数が
0.005以上であるような加工性と制振性に優れた高
強度合金。更に、Cu≦4.0、Cr≦7.0、Si≦
4.0、Ni≦8.0重量%の1種もしくは2種以上、
またはCを0.0005〜0.2重量%含有する前記の
合金。 【効果】 自動車や他の構造物に適用することによって
振動、騒音を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車や他の構造物に適
用することによって振動、騒音を低減させることが可能
な加工性と制振性に優れた高強度合金に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車や他の構造物における振動と騒音
の防止は環境上の問題であると共に、より快適な生活空
間確保への強い要望から、今後開発されるべき重要な技
術となっている。振動、騒音の防止は振動エネルギーの
反射(例えば隔壁材料の表面で音波を反射)と吸収の両
面から行うことができる。
【0003】本発明が対象としているのは後者の場合で
あり、特に音源近傍での固体の振動エネルギーを吸収す
る材料の供給を目的としている。このような制振材料と
しては、複合型、強磁性型、転位型、双晶型、
等の合金材料と共に異種材料を組み合わせた複層型が
ある。は、ねずみ鋳鉄やZn−Al合金等に見られる
ように、マトリックスと第2相界面での塑性流動や粘性
流動を利用するものであるが、一般に強度が低く、また
温度依存性も大きい。
【0004】はサイレンタロイ(Fe−12Cr−2
Al)に代表されるように、90℃磁区壁の非可逆移動
過程による応力−歪曲線のヒステリシスを利用するもの
であるが、減衰がある応力振幅で最大を示し、利用時に
特別な注意が必要であり、また塑性加工により著しく特
性が劣化する。はMgやMg−Zr合金に見られるよ
うに、不純物元素による弱く固着された転位の離脱によ
るヒステリシスを利用するものであるが、強度が低く、
塑性加工で特性が劣化する。は、熱弾性マルテンサイ
ト変態によって生じた内部双晶境界や一部特定の温度領
域においてはマルテンサイトとマトリックスの相境界が
移動することによるヒステリシスを利用するものである
が、一般に比較的低温域(高々100℃以下)でのみこ
の効果が認められ、また塑性加工により著しく特性が劣
化する。一方鋼板と特殊な樹脂を複合化した樹脂複合鋼
板はの例であり、非常に高い減衰能を示すが、制振性
能をもたらす樹脂の特性として、加工性、溶接性、高温
での制振性能等は他の材料に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、これま
でに開発された制振合金もしくは複合型の制振材料は制
振性能と材料強度とのバランスが必ずしも十分でなく、
例えば自動車用材料として現在非常に強く要望されてい
る車体軽量化に貢献するには至っていない。また、制振
性能を示す温度範囲、塑性加工条件、使用周波数条件等
に制約があることから、利用環境が著しく制限され、結
果的に実環境では十分に利用されるに至っていない。本
発明は、このような種々の課題を解決し、自動車や他の
構造物に適用することのできる、高強度で制振性能に優
れた合金を提供するためのものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の種々
の課題を解決し、自動車や他の構造物に適用可能な、制
振性、加工性に優れた高強度合金を製造するためにこれ
までに行った実験の結果、使用環境下でのミクロ組織が
オーステナイトとイプシロンマルテンサイトの混合もし
くはこれに一部フェライトを含む混合組織の場合でかつ
特殊な成分条件の場合に優れた制振性能と加工性が両立
する高強度制振合金の製造が可能であることを見いだし
た。すなわち、本発明はこのような知見に基づいて完成
したものであって、Mnを10〜27重量%含むFe合
金で、実使用段階でのミクロ組織がオーステナイトとイ
プシロンマルテンサイトの混合もしくはこれに一部α′
マルテンサイトを含む混合組織であり、合金の振動損失
係数ηが0.005以上であることを特徴とする、加工
性と制振性に優れた高強度合金を要旨とするものであ
る。上記本発明合金には、更にCu≦4.0重量%、C
r≦7.0重量%、Si≦4.0重量%、Ni≦8.0
重量%の範囲内でこれらの合金の1種もしくは2種以上
を含有させてもよい。また上記本発明の各合金には、更
にCを0.0005〜0.2重量%を含有させることも
できる。
【0007】
【作用】以下に本発明の作用の詳細を述べる。本発明は
従来技術に述べた〜のどの制振材料にも属さない新
しい機構により、従来の知見にない制振合金を提供する
ものである。Mnを比較的大量に含有する鋼において
は、加熱によりオーステナイト(γ:bcc構造の結
晶)化された後の冷却により、室温近傍に生成する相が
フェライト(α′:fcc構造の結晶)及びイプシロン
マルテンサイト(ε:hcp構造の結晶)の2種類が存
在することが知られている。Fe−Mn2元系では、M
n<10重量%ではα′が主相となり、10〜27重量
%ではεの量がα′の量を上回り、それ以上のMn添加
では室温においてもγが安定相として存在する。これら
の各相の存在割合はMn以外の合金の種類と添加量によ
って大きく変化し、合金の特性を決定する重要な要因で
ある。γとεとが共存する合金の中で特にFeベースに
10〜27重量%のMnを添加した材料では加工の初期
段階でγからεへの変態による軟化に加えて、転位の移
動が容易なαに変態することで極めて低い降伏強度を有
し、積層欠陥エネルギーが低いことの影響としてγの高
い加工硬化と、γからε、α′への応力誘起変態塑性
(TRIP:Transformation Indu
ces Plasticity)の重畳効果として非常
に大きな延性を示すことが知られている。この特性は他
の合金(例えばNi,Cr,Si,Cu等)を適量添加
することで強調され、例えばFe−C−Mn−Ni合金
では60kgf/mm2 以上の破断強度で60%以上の破断
伸びを示すような極めて良好な強度−延性バランスを示
す合金の設計が可能である。
【0008】このような鉄系高Mn合金では、冷却中の
γからεへの変態と、昇温中のεからγへの変態が可逆
的に起こる成分系が存在する。このような合金におい
て、応力付加により変態が促進されることは上記のTR
IP効果と同一であるが、γからεへの変態では体積収
縮が起こり、逆にεからγへの変態では体積膨張が起こ
ることから応力状態(引張、圧縮)の違いにより、初期
状態で存在したγからεへもしくはεからγへの変態が
可能となる。
【0009】本発明はこの可逆的なγとεとの相遷移
(界面の移動)を利用したもので、固体振動による歪エ
ネルギーをγからε、及びεからγへの相遷移に伴うヒ
ステリシスにより吸収することを特徴としている。γか
らεへの変態開始温度(Ms)及びεからγへの変態開
始温度(As)は同一成分のγとεが同一の自由エネル
ギーを持つ温度T0 の上下に位置し、通常の場合Asが
Msより高温に位置している。従って、上記のようなγ
とεの可逆的な相遷移を固体振動のような比較的小さな
応力で起こすためには、AsとMsとのギャップがそれ
ほど大きくならないことが要求される。またこの種の材
料は塑性加工によってその変態挙動が影響されるもの
の、比較的軽度の加工(相当塑性歪で0.5程度以下の
歪領域)では変態温度自身を変化させるのみでγとεと
の可逆的な相遷移性を悪くすることはない。このことか
ら、本発明合金は塑性加工(プレス成形、鍛造、圧延、
引き抜き等)により利用部品の所定の形状に成形された
後も付加的な熱処理無しに良好な制振性能を維持するこ
とができる。しかしながら、これ以上の塑性加工が施さ
れた場合には、加工されたγが必要以上に安定化するこ
とによって上記のγとεの可逆的な相遷移が困難とな
る。このような場合には成形後に所定の熱処理を施すこ
とによって再度良好な制振性能を現出させられることは
他の制振材料と同様である。このγとεの可逆的相遷移
の現出のためには下記に示すような合金添加の範囲を満
足する必要がある。
【0010】以下に本発明の構成要素の作用の詳細を示
す。 Mn:Mnは本発明において最も重要な合金元素であ
り、本発明に示すミクロ組織を得ることのできる最も安
価な合金元素である。またFeベースの高Mn合金は非
常に低い降伏応力と、低い積相欠陥エネルギーに起因す
る大きな加工硬化挙動により、特筆すべき高延性(高加
工性)の達成も可能とする合金元素である。しかしなが
ら、13重量%以下のMnの単独添加では室温における
ミクロ組織が本発明の範囲であるγ+εもしくはγ+ε
+αとならず、他の合金添加元素であるCu,Cr,N
i,Si,C等との複合添加の条件下でもMn<10重
量%ではこのミクロ組織が達成できないのでこれをMn
添加量の下限値とした。一方、全く他の合金元素を含ま
ないFe−Mn2元系においても、Mnが27重量%を
超えると室温でγが十分に安定となり、γとεとの可逆
的相遷移の温度が実用上現出しなくなるのでこれをMn
添加量の上限値とした。
【0011】その他の合金元素添加は、本発明合金の加
工性及び強度向上に有利なばかりでなく、Mnの添加量
との関係を適度に調整することで加工性の向上と制振性
能の向上を同時に達成することを可能にしている。以下
に各添加元素の添加理由について説明する。 Cu:Cuはγの強度をそれほど上昇させないが、Ms
やAsを下げることによって合金中のMn添加量との組
合せを最適にすることで合金の加工性を大きく向上さ
せ、同時に制振性能も向上させることができる。しかし
ながら、4重量%以上の添加はγ中の限界固溶量以上と
なって実製造上意味をなさないのみならず、製造工程に
おいて、再加熱処理した後に熱間加工を行う場合には熱
間での割れが多発することから、これをCu添加の上限
とした。製造工程での熱間加工割れを十分に回避し、必
要な特性を得るためには望ましくは3.0重量%以下の
添加が望ましく、またNiとの複合添加を行うと熱間割
れの回避が容易になることから4重量%までのCu添加
が有効となる。Fe−Mn合金にCuを単独添加し、合
金の変態挙動を調整し、上記の機構による制振性能を現
出できるようにするためには図1に示したような成分範
囲とすることが必要である。
【0012】Cr:CrはCuに比べてMsやAsへの
影響が穏やかであるのでCuよりも多量の添加が可能で
あるが、多量に添加し過ぎるとフェライトが主体となる
ので、7.0重量%以上の添加では上記の機構による制
振性能を付与することはできない。Crを添加すること
は鋼材の機械的特性、特に延性を著しく改善すると同時
に耐腐食性を向上させるので比較的大量の添加が望まし
い。しかし鋼材中にCが必要以上に含有されている場合
には、Crの炭化物生成によって生成するCr窮乏層起
因の応力腐食割れが起こることから、炭素濃度が例えば
0.02重量%以上の場合には応力腐食割れが重要とな
る部材へはCr添加量を5重量%以下に制限することが
望ましい。Fe−Mn合金にCrを単独添加し、合金の
変態挙動を調整し、上記の機構による制振性能を現出で
きるようにするためには図1に示したような成分範囲と
することが必要である。
【0013】Si:Siはγからεへの変態を遅らせる
ことを通じて鋼材の延性を著しく向上させると同時に鋼
板の強度を著しく向上させることができる。これは、S
iを添加することによってγ→ε変態の進行が遅れる
(高歪領域までγ→ε変態が持続する)ことに起因す
る。更にMsやAsへの影響が非常に小さいことから比
較的自由に添加量を決定できる。しかし、Siの添加量
が4.0重量%を超えると鋼材を著しく脆化することか
らこれをSi添加量の上限とする。
【0014】Ni:Niの添加はγを安定化させること
によって鋼材の強度を低下させるが、鋼材の延性を著し
く向上させることから、加工性の観点からは非常に有効
な添加元素である。しかしながら、8重量%以上の添加
では室温でεを残留させることができなくなり、上記の
機構による制振性能を現出できず、また大量の添加は鋼
材の製造コストを増加させることから8重量%を添加の
上限とした。Fe−Mn合金にNiを単独添加する場合
には、合金の変態挙動を調整し、上記の機構による制振
性能を現出できるようにするために図1に示したような
成分範囲とすることが必要である。
【0015】図1はFe−Mn合金にそれぞれCu,C
r,Niを単独添加した合金において制振性能を測定し
た結果、損失係数ηが0.005以上になる領域を示し
たものである。Fe−Mn合金にCuを単独添加した場
合には、図1において曲線1と曲線Cu及び第3元素添
加量=0(X軸)にて囲まれた領域でのみ損失係数ηが
0.005以上になる合金が得られた。CrやNiの単
独添加の場合にも曲線Cr、曲線Niで上記の曲線Cu
を置き換えた場合に、各々の場合で損失係数ηが0.0
05以上になる領域を示している。
【0016】以上のような合金元素を複合添加する場合
には、上記のごとく各元素の添加量を制限するのみなら
ず、これらの元素の組み合わせの結果が下記(1),
(2)式の条件を満足する範囲内に限定することで初め
て良好な制振性能の現出が可能であることが判明した。
すなわち、各元素の添加量を重量%で測定した場合に、
Mn当量を表現するK1と図1の曲線1を示すK2が
【数1】 の両式を満足する場合である。
【0017】C:Cは固溶の状態ではγを安定化し、強
度を上げると共に、少量の添加では延性も増加させる。
0.02重量%程度以上では延性の向上は飽和するもの
の、更なる添加は強度の上昇により全体としてみた強度
−延性のバランスを向上させる。しかしながら、固溶C
は室温もしくは室温よりも高温で時効現象を示し、γ中
に生成するε相の界面の移動を妨げることでγとεの可
逆的な相遷移を困難にし、結果として上記の機構による
制振性能を劣化させる。従ってCを含有する場合にはC
起因の時効現象を起こさないような注意が必要である。
0.2重量%以下程度の少量のC添加の場合には使用前
に軽度の加工を与えることで上記の機構による制振性能
の現出が可能になるが、それ以上の量のCを添加した場
合には注意深く時効を抑えても環境によっては使用中に
時効し、制振性能の劣化を招き、使用前の加工ではもは
や制振性能を改善することができなくなる。従ってこれ
をC添加量の上限とする。Cによる時効劣化を防ぐ意味
で炭素量を低下させることは有意義であるが、0.00
05重量%以下にすることは製鋼段階における経済性か
ら大きな不利益をもたらす。従ってこれをC添加量の下
限値とした。しかしながら、鋼材に含まれるC原子を時
効しないように他の元素(例えばTi,Nb,V,Z
r,Mo等)によって炭化物としてCを固着させること
は特に有効である。
【0018】また以上の元素以外に、Pの添加は鋼材の
靭性を著しく低下させることから、望ましくは0.04
重量%以下の添加が望ましく、高い機械特性と制振性能
の両立を期待する場合にはP<0.005重量%とする
ことが望ましい。NについてはCと同様に時効劣化を起
こすので、望ましくは0.005重量%以下の添加にと
どめることが望ましく、またCの場合と同様に、特殊な
窒化物形成元素(例えばTi,Nb,B,Al等)を添
加することによって窒化物の形でNを固着することは制
振性能を高める上で有効である。
【0019】本発明において、合金の振動損失係数ηは
高い程良好な制振性能を示すが、その値が0.005以
下では従来の合金系と比べて特に大きな実用上の効果は
認められないことから、制振性能を期待する使用環境下
ではηの値としては最低0.005以上が必要であるの
でこれを期待される制振性能の下限値とした。
【0020】また上記の成分系の合金は鋳造まま、もし
くは圧延や鍛造等の熱間加工ままのみでなく、冷間加工
後焼鈍しても、また冷間加工無しに熱処理をしても良好
な制振性能と良好な加工性を示す。また、相当塑性歪で
0.5以下の加工を加えることで制振性能の劣化はな
く、相当塑性歪0.2以下ではむしろ制振性能は上昇
し、0.2〜0.5程度の相当塑性歪でも際だった制振
特性の劣化が認められない。従って、使用前に冷間もし
くは温間で、相当塑性歪0.2程度以下の加工を加える
ことは制振性能を上昇させる意味で望ましく、またそれ
以上の歪の場合でも、相当塑性歪で0.5程度以下の加
工であれば実用上問題ない。このような加工による制振
特性の向上は従来の制振合金では認められていない特性
であり、冷間もしくは温間でのプレス成形、ロール成
形、鍛造、圧延、引張り、圧縮、曲げ等の加工により最
終製品を製造する場合に特に適している。またショット
ブラストのような外力によっても加工の場合と同様な効
果が得られる。
【0021】
【実施例】表1に示す化学成分(全て重量%にて表示)
の合金を用いて、最終板厚を2.5mmに熱延し、巻取り
処理ままもしくは700℃〜1100℃の範囲で熱処理
した合金(表2の第4列にHOTと表示)、及び一部の
合金はその後1.0mm厚まで冷延した後に900℃−1
分の焼鈍を行い、これらの合金の種々の特性を室温で調
査した。合金の機械的性質はJIS5号引張り試験片を
用いて10mm/分の引張り速度で行ったものである。ま
た制振特性は損失係数ηを測定した。表1中のA〜Mは
本発明の対象となる合金成分を示し(表1の最終列に本
発明材と表示)、AAとBBはK2の値が、CCはK1
の値が、DDはC量が、EEとFFはK1の値が本発明
の範囲外となる比較例である。また表2中において、T
Sは破断速度(kgf/mm2 )を示し、T−El(%)は
破断伸びを示す。P.S.は制振性能測定前の予加工量
を示し、各数字は冷延によって与えた相当塑性歪の大き
さをあらわし、NONは予加工無しである。さらにミク
ロ組織は制振性能測定前の合金のミクロ組織の構成を示
し、γはオーステナイト、εはイプシロンマルテンサイ
ト、α′はα′マルテンサイトを示す。これらの表から
明らかなように本発明合金は優れた加工性と制振特性を
兼ね備えていることがわかる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明は上記の実施例に示すごとく、こ
れまでの制振合金に無い新しい制振機構を利用すること
によって、塑性加工による制振性能の劣化の無い、加工
性に優れた高強度制振合金を供給することを可能にした
ものであり、自動車や他の構造物に適用することによっ
て、振動、騒音を低減させることを通じて、社会環境の
改善に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe−Mn合金において、Mn添加量とη≧
0.005以上となるCu,Cr,Niのそれぞれの添
加範囲を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mnを10〜27重量%含むFe合金
    で、実使用段階でのミクロ組織がオーステナイトとイプ
    シロンマルテンサイトの混合もしくはこれに一部α′マ
    ルテンサイトを含む混合組織であり、合金の振動損失係
    数ηが0.005以上であることを特徴とする、加工性
    と制振性に優れた高強度合金。
  2. 【請求項2】 Cu≦4.0重量%、Cr≦7.0重量
    %、Si≦4.0重量%、Ni≦8.0重量%の範囲内
    でこれらの合金の1種もしくは2種以上を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の加工性と制振性に優れた高
    強度合金。
  3. 【請求項3】 更にCを0.0005〜0.2重量%含
    有することを特徴とする請求項1または2記載の加工性
    と制振性に優れた高強度合金。
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